JP2005240109A - 亜鉛めっき鋼板 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、めっき密着性を良好に維持したままで、スポット溶接性及びプレス加工時の摺動性が従来より良好な溶融亜鉛めっき鋼板を提供することを目的としている。
【解決手段】JIS B0601−1994で規定される算術平均粗さ:Raが1.0〜4.0μmの鋼板に亜鉛めっきを施した亜鉛めっき鋼板であり、その亜鉛めっき層のJIS B0601−1994で規定される算術平均粗さ:Raが0.5〜1.5μmである亜鉛めっき鋼板である。
【選択図】 なし
【解決手段】JIS B0601−1994で規定される算術平均粗さ:Raが1.0〜4.0μmの鋼板に亜鉛めっきを施した亜鉛めっき鋼板であり、その亜鉛めっき層のJIS B0601−1994で規定される算術平均粗さ:Raが0.5〜1.5μmである亜鉛めっき鋼板である。
【選択図】 なし
Description
本発明は、亜鉛めっき鋼板に係わり、例えば、自動車用防錆鋼板として用いられ、特にスポット溶接性及びプレス加工時の摺動性に優れた鋼板に関する。
亜鉛系めっき鋼板は、その優れた犠牲防食性のため自動車用防錆鋼板として国内外を問わず実用化されている。なかでも、溶融亜鉛めっき浴へ連続的に鋼帯を浸漬させて製造できる溶融亜鉛めっき鋼板及び合金化溶融亜鉛めっき鋼板は、いずれも製造コストが低廉で高耐食性を有するので、現在、自動車用防錆銅板の主流となっている。
ところで、自動車を製造する工程で問題となる亜鉛系めっき鋼板の特性の一つとして、「スポット溶接性」と称し、電極棒で打点接合する際の溶接の良否判断がある。周知の通り、このスポット溶接性(以下、単に溶接性ということもある)は、鋼板へのめっき付着量と密接な関係があり、付着量が少ないと溶接性が良い傾向がある。しかしながら、自動車用鋼板として十分な耐食牲を確保するのに必要なめっき付着量を確保すれば、その亜鉛めっき鋼板のスポット溶接性は、めっきの施されていない冷延鋼板等に比べると劣ってしまう。また、亜鉛系めっき鋼板は、冷延鋼板等に比べ、プレス加工時の材料の滑り性、すなわち摺動性に劣るという点が従来から指摘されている。この摺動性が劣ると、プレス加工時に材料の流入不足が起こり、割れ、ネッキンク等の疵を誘発する。
前記亜鉛系めっき鋼板のスポット溶接性改善に関しては、従来から以下に示すような幾つかの提案がなされている。例えば、亜鉛めっき鋼板の表面にZnOを主体とする酸化皮膜を付与することにより、スポット溶接性を改善する技術が開示されている(特許文献1参照)。また、最近では、亜鉛系めっき鋼板を酸やアルカリと接触させることにより、めっき最表面の金属Zn量、Al2O3量を一定範囲に限定した技術(特許文献2参照)、酸化膜量及び酸化膜中のZn含有量とAl含有量との比を一定範囲に限定した技術(特許文献3参照)も開示されている。
しかしながら、上記した従来技術は、主に合金化溶融亜鉛めっき鋼板を対象にした技術である。同じ溶融系亜鉛めっき鋼板であっても、めっき層が主に純亜鉛層からなる溶融亜鉛めっき鋼板とめっき層がZn−Fe金属間化合物からなる合金化溶融亜鉛めっき鋼板とでは、そのスポット溶接時の溶接挙動が根本的に異なり、上記従来技術を適用しても、溶融亜鉛めっき鋼板の溶接性は、合金化溶融亜鉛めっき鋼板のそれに比べ著しく劣るという問題がある。
また、溶融亜鉛めっき鋼板のスポット溶接性とめっき層性状との関係についても、めっき層中のAl量とスポット溶接性との関係が過去に調査されている(例えば、非特許文献1参照)。そして、溶融亜鉛めっき鋼板のスポット溶接性は、めっき層中のAl量と密接な関係があり、Al量が多くなると、スポット溶接性が劣化すると報告されている。
さらに、めっき密着性及び溶接性に優れた溶融亜鉛めっき鋼板として、めっき皮膜中のFe、Pb、Alなどの含有量及びめっき表面の粗度を一定範囲に限定したものが開示されているが(例えば、特許文献4参照)、溶接性の改善策としては、Al量を一定範囲に限定することが記載されているのみである。
一方、プレス加工時の摺動性に関しても、これまで摺動性に優れた亜鉛系めっき鋼板が種々開発され、実用化されてきた。代表的なものでは、鉄系フラッシュめっき、あるいはNi系フラッシュめっきを施したり,さらには無機系化合物を塗布することで、摺動性が改善されている(例えば、非特許文献2参照)。
他方、近年は、めっき浴に生じるドロス等に起因した溶融亜鉛めっき鋼板の外観品質の低下問題が解決されつつあるため、自動車用防錆鋼板の中心であった合金化溶融亜鉛めっき鋼板に代わり、溶融亜鉛めっき鋼板が自動車用防錆鋼板として採用される機運が高まってきた。溶融亜鉛めっき鋼板は、合金化処理がないため製造コスト的にもさらに有利であり、今後の自動車用防錆鋼板としての需要の伸びが予想される。従って、前記したように、特性上の問題として、スポット溶接性及びプレス加工時の摺動性の改善が切望されるのである。
特開昭63−230861号公報
特開平10−330902号公報
特開2000−73183号公報
特開2001−247951号公報
溶接学会論文集 第14巻 第1号(第47−54頁)(1996)
日本鉄鋼協会:材料とプロセス、2(第626頁)(1989)
上述のように、溶融亜鉛めっき鋼板のスポット溶接性は、めっき浴中のAl量を低減させることによりある程度は改善することができる。しかしながら、本来めっき浴中へのAlの添加は、めっき密着性を確保するために行われており、ある水準以下にめっき浴中のAl量を低減させると、めっき密着性の劣化を招来する可能性がある。従って、めっき密着性を良好に確保したままスポット溶接性を改善することは、技術的な困難を伴う。
一方、プレス加工時の摺動性に関する上記従来の技術も、その多くが合金化溶融亜鉛めっき鋼板を対象としたものであり、下地が溶融亜鉛めっき鋼板の場合には、技術的な困難を伴う場合が多い。また、それら改善技術は、基本的に新たな皮膜をめっき表面に付与しようとする技術であるため、必然的にコストアップになる。すなわち、溶融亜鉛めっき鋼板には、従来の合金化溶融亜鉛めっき鋼板に用いられてきた技術とは別の低廉な手段によって摺動性を改善することか強く望まれている。
本発明は、このような実情に鑑み、めっき密着性を良好に維持したままで、スポット溶接性及びプレス加工時の摺動性が従来より良好な亜鉛めっき鋼板を提供することを目的としている。
発明者らは、溶融亜鉛めっき鋼板の良好なめっき密着性を確保したままスポット溶接性を改善する方法について鋭意検討を行った。その結果、スポット溶接性を改善する因子として、これまで十分な検討がなされていなかった溶融亜鉛めっき層下地の鋼板粗度及び溶融亜鉛めっき層の表面粗度の両者が大きな影響を及ぼすことを新規に見出し、本発明に至った。
すなわち、本発明は、JIS B0601−1994で規定される算術平均粗さ:Raが1.0〜4.0μmの鋼板に亜鉛めっきを施した亜鉛めっき鋼板であり、その亜鉛めっき層のJIS B0601−1994で規定される算術平均粗さ:Raが0.5〜1.5μmであることを特徴とする溶融亜鉛めっき鋼板である。
本発明によれば、めっき密着性を低下させることなく、スポット溶接性及びプレス加工時における摺動性が劣るという従来からの問題を解決し、工業的に極めて価値の高い亜鉛めっき鋼板を提供できる。
以下、発明をなすに至った経緯をまじえ、本発明の最良の実施形態を説明する。
亜鉛系めっき鋼板を電気溶接する際に電極で連続打点する時の電極損耗挙動に関しては、一般に、該電極を構成する銅(Cu)とめっき層の亜鉛(Zn)とが反応して電極先端に脆いCu−Zn合金を形成し、それが打点中に剥離して電極が虫食い状に浸食され、最終的に電極先端の径が拡大して溶接電流密度が低下し、電極の寿命に至ると考えられている。一方、溶融亜鉛めっき鋼板よりも連続打点性(連続的に何打点まで品質良く接合できるかという性質)に優れる合金化溶融亜鉛めっき鋼板の場合には、電極先端にZn−Fe−O系の酸化物が堆積し、これが電極の保護皮膜となって先端形状が凸状に維持するので、高い電流密度か確保でき、連続打点性に優れるものと考えられている。しかしながら、溶融亜鉛めっき鋼板の場合には、そのようなZn−Fe−O系の電極先端の保護皮膜がほとんど形成されないため、迅速に電極先端の径が拡大し、連続打点性が劣る。
従って、溶融亜鉛めっき鋼板の連続打点性を改善するには、電極先端の径拡大を抑制すれば良いという考え方もあるが、発明者らは、電極先端が仮に拡大しても、高い電流密度を確保することで長期にわたってナゲット(溶接部に形成され、溶接金属が碁石状に溶融凝固した部分)の形成能を高く維持するという別の手段について鋭意検討を行った。その結果、溶融亜鉛めっきが施される鋼板のRa(Ra1)を1.0μm以上、その溶融亜鉛めっき層のRa(Ra2)を0.5μm以上とすれば、スポット溶接性を著しく改善できることを見出した。以下、本明細書でいうRaは、すべてJIS B0601−1994で規定される算術平均粗さとする。
この理由は、以下のように考えられる。
2枚の溶融亜鉛めっき鋼板同士をスポット溶接する場合、まず通電前の加圧時に、亜鉛めっき層は、ある程度押し潰される。しかしながら、亜鉛めっき層の表面粗度パターンは消滅せずにそのままの状態で維持されるため、表面粗度が高粗度であるほど電極と亜鉛めっき鋼板の間及び2枚の亜鉛めっき鋼板の間において、お互いの接触面積は小さい。引き続き、一定電流値で溶接が開始されると、通電初期において、接触面積が小さいほど高電流密度となるので、発熱量が増大し、その結果、亜鉛めっき層の溶融開始が早まり、亜鉛めっき層の排除が早期に完了する。つまり、表面粗度が大きいほど、前記ナゲットの形成を早期に開始せしめ、最終的には該ナゲットの形成能を向上させ、連続打点性の向上をもたらす。
一方、亜鉛めっき層の排除が進行すると、やがて電極と鋼板及び2枚の鋼板が直接接触する状態となる。ただし、亜鉛めっき層の排除は、通電により溶融した亜鉛が物理的に押し出される現象であるため、鋼板の凹部においては、溶融した亜鉛が封じ込められた状態となる。従って、鋼板の粗度が大きいほど、凹部に封じ込められた亜鉛の量が多い状態となる。ところで、亜鉛めっき層の溶融が生じる約420℃以上の広い温度領域において、FeとZnの比電気抵抗を比較すると、Znの方が低い値であることが知られている。従って、上述のような、電極と鋼板及び2枚の鋼板が直接接触し、鋼板の凹部に溶融した亜鉛が封じ込められた状態においては、電流経路としてはより比抵抗の低い溶融亜鉛側を通過し易い。電気抵抗は、比抵抗に通電距離を乗じ、断面積で除した値であるが、上記のように、鋼板の粗度が高いほど連続打点性に優れるようになった理由は、高粗度の鋼板中に封じ込められた亜鉛の量が多いほど亜鉛の厚みが厚いので、通電距離が長く、このため発熱量が多くなり、通電初期におけるナゲットの形成開始を早め、最終的にナゲット形成能の向上に寄与したからと考えられる。つまり、たとえ電極先端の径が拡大しても、高いナゲット形成能を維持できれば、スポット溶接性は格段に向上できることを見出したのである。
次に、溶融亜鉛めっき鋼板の特性上の課題として、プレス加工時の摺動性の改善がある。そこで、発明者らは、さらに検討を行い、摺動性も溶融亜鉛めっき層の表面粗度の影響を受けるため、めっき層のRa(Ra2)を1.5μm以下にすることが必要であることを見出した。また、発明者らは、鋼板のRa(Ra1)が4.0μmを超えると、上層である溶融亜鉛めっき層の厚さに局部的に薄い部分ができ、耐食性の劣化を招くことも知見した。
そして、発明者は、以上述べたスポット溶接性,プレス加工時及び耐食性に関する知見を組合せて、溶融亜鉛めっきが施される鋼板のRa1が1.0〜4.0μmであり、そのめっき層のRa2が0.5〜1.5μmを要件とした本発明を完成させたのである。
本発明において、溶融亜鉛めっきが施される鋼板のRa(Ra1)を1.0〜4.0μmとしたのは、Ra1が1.0μm未満では、ナゲットの形成開始時期を早めることによるナゲット形成能の向上効果が乏しいため、スポット溶接性が劣化し、一方、Ra1が4.0μmを超えると、溶融亜鉛めっき層の厚さが局部的に薄い部分ができ、耐食性が劣化するし、後述する調質圧延に用いるロールの損耗が激しくなり、ロール寿命が短いという問題も生じるからである。また、本発明において、めっき層のRa(Ra2)を0.5〜1.5μmとしたのは、めっき層のRa2が0.5μm未満では、ナゲットの形成開始時期を早めることによるナゲット形成能の向上効果が乏しいため、スポット溶接性が劣化し、一方、Ra2が1.5μmを超えると、プレス加工時に溶融亜鉛めっき層と金型とが凝着し易くなり、プレス加工時の摺動性を劣化するからである。
本発明では、特に溶融亜鉛めっき層のめっき付着量を限定するものではないが、通常自動車用の防錆鋼板として用いられる片面あたり30〜150g/m2のものが好適である。
このような本発明は、溶融亜鉛めっき鋼板を対象としたものであるが、めっき浴中にAl以外の元素、例えば、溶融亜鉛めっき鋼板の耐食性向上を目的としてMg、Cr、Mn、Co、Ni等の元素が添加されたものは、これを制限するものでなく、これら元素を含有した溶融亜鉛めっき鋼板も本発明の範疇である。また、溶融亜鉛めっき鋼板の場合、めっきの濡れ性を確保する目的で、めっき浴中にPb、Sb、Bi、As、Cd、Sn等の元素を添加する場合があるが、これらの溶融亜鉛めっき鋼板も本発明の範疇である。
また、本発明では、素材の鋼種もこれを特に制限するものではなく、自動車用鋼板として使用される冷延鋼板、熱延鋼板等であれば良く、機械的特性、鋼中成分、製造方法等を特に限定するものではない。
さらに、このような本発明に係る溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法についても、特に限定するものではない。溶融亜鉛めっきが施される鋼板のRa1の値と、そのめっき層のRa2の値を所定範囲内とするものであれば、いかなる方法を利用しても良いからである。一例を挙げれば、溶融亜鉛めっきが施される鋼板のRa1を所定範囲内とするには、冷間圧延を行った後の鋼板に、適当な表面粗度を有するロールで所謂「調質圧延」を行い、該鋼板表面に所定範囲内の粗度を付与するのが好適である。また、めっき層のRa2を所定範囲内とするには、溶融亜鉛めっきを施した後に、適当な表面粗度を有するロールで調質圧延を行い、亜鉛めっき層の表面に所定範囲内の粗度を付与すれば良い。既存の装置が利用でき、経済的だからである。
また、本発明では、溶融亜鉛めっき層のめっき方法についても、特に限定されるものではなく、公知のめっき方法がいずれも適用可能である。めっき浴の浴温は、通常用いられる条件である450〜490℃程度とすれば良く、鋼板のめっき浴中への侵入板温は、450〜500℃程度とすれば良い。さらに、良好なめっき密着性を確保するには、Fe−Al金属間化合物量を十分に生成させることが必要である。このため浴中にAlを添加するが、浴中Al濃度としては、通常用いられている0.13〜0.22質量%程度とするのが好適である。
以下、本発明を実施例に基づき、さらに詳細に説明する。
素材として板厚0.8mmの低炭素鋼帯を用い、冷間圧延装置(ライン)の調質圧延ロールで種々の表面粗度を付与した。その鋼板のRa1の値を表1に一括して示す。その鋼板を連続溶融亜鉛めっき装置(ライン)に通板して、溶融亜鉛めっきを施した。なお、めっき浴中Al濃度は0.170質量%、めっき浴温は460℃、めっき浴中への鋼板の侵入時の温度(以下、浸入板温という)は470℃とした。めっき付着量は、ガスワイピング装置からのガス吹き付け量により一定になるように調整した。また、溶融亜鉛めっきを施した後に、連続溶融亜鉛めっきラインの調質圧延ロールを用いて、該めっき層の表面に種々のRa2を付与した。さらに、比較例5〜7として、合金化溶融亜鉛めっき鋼板(Fe含有率:10質量%)、電気Zn−Niめっき鋼板(Ni含有率:11質量%)、電気Zn−Feめっき鋼板(Fe含有率:15質量%)についての評価を行った。以下に示すスポット溶接性(連続打点数)、めっき密着性、摺動性(摩擦係数)及び塗装後耐食性の評価結果も表1に併せて示した。また、めっき付着量及びめっき層のRa2の値も表1に示す。なお、算術平均粗さRa(前記Ra1及びRa2)は、先端径が5μmの触針式粗度計を用いてカットオフ値:0.8mm、評価高さ4mmとして測定した。
このような表1に示す本発明(実施例)の及び本発明の要件を満たさない(比較例)の鋼板に対して、以下に示す溶接条件でスポット溶接時の連続打点数の調査を行った。なお、連続打点性調査における溶接電流値は、板厚をt(mm)とした時の4√tで示される前記ナゲットの径を得る電流値11(kA)及び溶着電流値12(kA)の平均値を用い、4√tのナゲット径が維持された最大打点数を求め、それが3000点以上の連続打点数が得られれば、スポット溶接性が優れると判定した。
(溶接条件)
電極の種類 CF型
電極先端の径 4.5mmφ
電極先端の角 120°
電極の外径 1.5mmφ
電極の材質 Cu−Cr
通電時間 10サイクル
加圧力 170kgf(1.7kN)
(加圧条件)
通電前 30サイクル
通電後 7サイクル
アップダウンスロープなし
また、めっき密着性に関しては、以下に示す条件でデュポン衝撃試験を行うことで調査した。該めっき密着性は、試験後、凸部に対してセロハン粘着テープ剥離を行い、セロハン粘着テープに付着しためっき層の量を蛍光X線で測定し、亜鉛のカウント数(cps)で評価した。なお、この場合、100cps以下であれば、めっき密着性が非常に優れていると判定した。
電極の種類 CF型
電極先端の径 4.5mmφ
電極先端の角 120°
電極の外径 1.5mmφ
電極の材質 Cu−Cr
通電時間 10サイクル
加圧力 170kgf(1.7kN)
(加圧条件)
通電前 30サイクル
通電後 7サイクル
アップダウンスロープなし
また、めっき密着性に関しては、以下に示す条件でデュポン衝撃試験を行うことで調査した。該めっき密着性は、試験後、凸部に対してセロハン粘着テープ剥離を行い、セロハン粘着テープに付着しためっき層の量を蛍光X線で測定し、亜鉛のカウント数(cps)で評価した。なお、この場合、100cps以下であれば、めっき密着性が非常に優れていると判定した。
(試験条件)
荷重 1kg
落重高さ 50cm
ポンチ径 1/4inch
さらに、摺動性については、以下の条件で以下に示す形状の工具を用いた摺動性試験を行い、引き抜き力Fと押さえ荷重Pとの比から摩擦係数μを次式によって求めた。結果は、表1に一括して示す。
荷重 1kg
落重高さ 50cm
ポンチ径 1/4inch
さらに、摺動性については、以下の条件で以下に示す形状の工具を用いた摺動性試験を行い、引き抜き力Fと押さえ荷重Pとの比から摩擦係数μを次式によって求めた。結果は、表1に一括して示す。
(摺動試験条件)
μ=F/2P
面圧:9.8MPa
摺動距離:100mm
摺動速度:10mm/s
試料幅:20mm
金型:平面工具(肩R5mm、#1200研磨)試料との接触面積10×20mm
塗油条件:パーカー興産(株)製ノックスラスト550HN:1.0g/m2塗油
なお、摩擦係数μが0.1以下であれば、摺動製が優れることになる。
μ=F/2P
面圧:9.8MPa
摺動距離:100mm
摺動速度:10mm/s
試料幅:20mm
金型:平面工具(肩R5mm、#1200研磨)試料との接触面積10×20mm
塗油条件:パーカー興産(株)製ノックスラスト550HN:1.0g/m2塗油
なお、摩擦係数μが0.1以下であれば、摺動製が優れることになる。
電着塗装後の耐食性は、化成処理及び電着塗装を施した試験板について、塩水噴霧試験により評価した。ここで、化成処理工程は、アルカリ脱脂を日本パーカライジング株式会社製のFC−L4460を用い、温度43℃で、浸漬時間を120秒として行い、室温で、スプレー時間を30秒として水洗を行い、表面調整を日本パーカライジング株式会社製のPL−4040を用い、室温で、スプレー時間を30秒として行った。また、化成処理は、日本パーカライシンク株式会社製のPB−L3020を用い、温度43℃で、浸漬時間を120秒として行い、室温で、スプレー時間を30秒として水洗を行い、次いで熱風乾燥の手順で行った。また、化成処理を施した試験板の表面に、電着塗料として関西ペイント株式会社製のGT−10LFを用いて、クーロン制御により膜厚が20μmとなるように電着塗装を行い、175℃×25分の条件で焼き付け乾燥を行った。このようにして作製した試験板にクロスカットを入れ、JIS Z2371:2000の中性塩水噴霧試験に準拠した塩水噴霧試験を行った。そして、該塩水噴霧試験を600時間行った後の試験板について、以下のクロスカット部の電着塗膜膨れの基準により電着塗装後の耐食性を評価した。
◎:片側最大膨れ幅:4mm未満
○:片側最大膨れ幅:4mm以上5mm未満
×:片側最大膨れ幅:5mm以上
これらの試験結果も表1に示す。
○:片側最大膨れ幅:4mm以上5mm未満
×:片側最大膨れ幅:5mm以上
これらの試験結果も表1に示す。
表1から明らかなように、実施例1〜11では、連続打点数、めっき密着性、摺動性、塗装後耐食性のいずれについても優れた特性を示している。一方、比較例1〜4では、連続打点数、摺動性、塗装後耐食性のいずれかが不十分である。また、比較例5〜7に示す合金めっき鋼板では、本発明のような優れた特性は得られなかった。
Claims (1)
- JIS B0601−1994で規定される算術平均粗さ:Raが1.0〜4.0μmの鋼板に亜鉛めっきを施した亜鉛めっき鋼板であり、その亜鉛めっき層のJIS B0601−1994で規定される算術平均粗さ:Raが0.5〜1.5μmであることを特徴とする亜鉛めっき鋼板。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2004051934A JP2005240109A (ja) | 2004-02-26 | 2004-02-26 | 亜鉛めっき鋼板 |
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JP2004051934A JP2005240109A (ja) | 2004-02-26 | 2004-02-26 | 亜鉛めっき鋼板 |
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Publication Number | Publication Date |
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JP (1) | JP2005240109A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013541645A (ja) * | 2010-10-21 | 2013-11-14 | ポスコ | めっき性、めっき密着性及びスポット溶接性に優れた溶融亜鉛めっき鋼板及びその製造方法 |
-
2004
- 2004-02-26 JP JP2004051934A patent/JP2005240109A/ja not_active Withdrawn
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