JP2005239996A - 発泡体およびその製法 - Google Patents

Abstract

【課題】イソシアネートと水が接触すると反応してガス体を発生する発泡手法により、無機質充填材を主材とし、ノンハロゲンの有機物を用い、火災時に有害ガスの発生しない、不燃性、軽量、非吸水性、断熱性にすぐれた発泡体を得る。
【解決手段】ニトリルブタジエンゴムなどのエラストマー樹脂、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、炭酸カルシウムなどの無機質充填材に、イソシアネートを混合して得た混合物を、混練し、その後、加圧、加熱して得られたコンパウンドを、適数の小孔が設けてある金型内に充填し、それを水槽内に投じ、その際、前記コンパウンドに水が浸透することにより、成分中のイソシアネートが加水分解し、炭酸ガス、窒素からなるガス体が発生して前記コンパウンドが膨張し、成形された不燃性・難燃性を有する独立気泡の発泡体を得る製法およびその発泡体。

Description

この発明は、発泡体およびその製法に関するものである。

独立気泡を持った発泡体は軽量で断熱性があるので、各種装置や建物などの断熱材などに用いられる。しかし有機物を主とした発泡体（たとえば塩化ビニル樹脂発泡体）は、一部に難燃性のものがあるものの不燃性ではない。したがって火災など熱に弱く、また火災の際、有毒ガスを発生するという欠点がある。

この発明は、イソシアネートと水が接触すると反応してガス体、主として炭酸ガスと窒素を発生することに着目し、この現象を応用した発泡手法によって、無機質充填材を主材とし、さらにノンハロゲンの有機物を用いることにより、火災時に有害ガスの発生しない、不燃性、軽量、非吸水性（独立気泡）、断熱性にすぐれた発泡体を得ることを目的としている。

ニトリルブタジエンゴムなどのエラストマー樹脂、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、炭酸カルシウムなどの無機質充填材に、イソシアネートを混合して得た混合物を、混練し、その後、加圧、加熱して得られたコンパウンドを、適数の小孔が設けてある金型内に充填し、それを水槽内に投じ、その際、前記コンパウンドに水が浸透することにより、成分中のイソシアネートが加水分解し、炭酸ガス、窒素からなるガス体が発生して発泡現象を生じて前記コンパウンドが膨張し、成形された不燃性・難燃性を有する独立気泡の発泡体を得ることを特徴とする発泡体の製法、混合物中にカーボンなどを加えたことを特徴とする前記記載の発泡体の製法、ニトリルブタジエンゴムなどのエラストマー樹脂、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、炭酸カルシウムなどの無機質充填材に、イソシアネートを混合して得た混合物を、混練し、その後、加圧、加熱して得られたコンパウンドを、適数の小孔が設けてある金型内に充填し、それを水槽内に投じ、その際、前記コンパウンドに水が浸透することにより、成分中のイソシアネートが加水分解し、炭酸ガス、窒素からなるガス体が発生し発泡現象を生じて前記コンパウンドが膨張し、成形された不燃性・難燃性を有する独立気泡の発泡体としたことを特徴とする発泡体、混合物中にカーボンなどを加えたことを特徴とする前記記載の発泡体。

この発明の発泡体の製法の効果としては、ニトリルブタジエンゴムなどのエラストマー樹脂、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、炭酸カルシウムなどの無機質充填材に、イソシアネートを混合して得られるコンパウンドを水中に入れることによって、成分中のイソシアネートが水と反応して加水分解し、ガス体が発生することによる発泡現象を利用して前記コンパウンドを膨張させ、それによって独立気泡からなる発泡体を効率よく得ることができる。この発明の発泡体は不燃性または難燃性であり、軽量で吸水性がなく、それは建築物などに断熱材として用いた場合には、火災時に燃える恐れがなく、有害なガスの発生の恐れもない。したがってとくに密閉された場所で火災時の燃焼による有害ガスの発生が問題となる建築物の断熱材として有効である。またコンパウンド中にカーボンなどの導電体を加え電波吸収性能、電波シールド性能を持つ発泡体とすることができる。このような電波吸収材、電波シールド材とした場合には、火災時に燃える恐れがなく、有害ガスの発生の恐れもないので、とくに密閉された場所で火災時の燃焼による有害ガスの発生を恐れる建築物や、道路などの建造物の電波吸収材、電波シールド材として有効である。それはたとえば病院、研究所などの各種建築物内のコンピュータルームの周辺部に用いたり、地下駐車場、トンネル内などで、自動車用電波情報交換エリヤの不要電波吸収材または電波シールド材として有用である。

ニトリルブタジエンゴム、水酸化マグネシウム、イソシアネートを混合し、必要に応じてカーボンを加える。一例としてニトリルブタジエンゴム、水酸化マグネシウム、イソシアネートを１：２．５：３．３の割合（重量部）、カーボンを加える場合は１：２．５：３．３：０．７の割合（重量部）とする。

前述のニトリルブタジエンゴム、水酸化マグネシウム、イソシアネートを混合し、必要に応じてカーボンを加える。一例としてニトリルブタジエンゴム、水酸化マグネシウム、イソシアネートを１：２．５：３．３の割合（重量部）、カーボンを加える場合は１：２．５：３．３：０．７の割合（重量部）とする。これらを混合した後、ニーダーによって混練し、その後、加圧、加熱して得られたコンパウンドを、金型（適宜、小孔が設けてある）に充填し、それを用意した水槽内に投じる。水槽内では、漸次、前記のコンパウンドに水が浸透することにより、成分中のイソシアネートが分解し、ガス（主として炭酸ガスと窒素からなるガス体）が発生し、発泡現象が起きる。この際の気泡は独立気泡である。これによりコンパウンドが膨張し、成形された発泡体を得る。その後、常温による養生と加熱後処理を行う。この発泡体は容易にスライスすることができ、適宜の寸法の裁断片を得ることが容易であり、これによって所定の寸法の完成資材とする。なおエラストマー樹脂と無機質充填材の比率を適宜変えることにより、不燃性または難燃性となる。すなわち無機質充填材が多い程、不燃性となる。

この発明の発泡体の製法においては、混合物中に公害を誘起する塩素系物質を用いず、また工程中にその使用によって有害となるトルエンなどの有機溶剤を用いることなく、それはニトリルブタジエンゴムなどのエラストマー樹脂、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、炭酸カルシウムなどの無機質充填材に、イソシアネートを混合して得られるコンパウンドを水中に入れることによって、成分中のイソシアネートが水と反応して加水分解し、ガス体が発生することによる発泡現象を利用して前記コンパウンドを膨張させ、それによって独立気泡からなる発泡体を効率よく得ることができる。この発泡体は性能として不燃性または難燃性であり、水分を吸収せず、至って軽量であり、保形性に富み、加工が容易なことから、建築材はもとより（とくに火災の際に、危険な有機ガスが生じないことにより有効である）その他ヨット、船舶、航空機、各種車両の構造材などに断熱材として用いることができる。さらにコンパウンド中にカーボンなどを加えたものは、電波吸収性または電波シールド性の性能を有することにより、建築用、道路用などとして電波吸収または電波シールドの必要な箇所に使用してすぐれた材質となる。また建築用などでは断熱効果と、電波吸収効果または電波シールド効果が合わせて利用できる場合にも有用である。

Claims (4)

1. ニトリルブタジエンゴムなどのエラストマー樹脂、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、炭酸カルシウムなどの無機質充填材に、イソシアネートを混合して得た混合物を、混練し、その後、加圧、加熱して得られたコンパウンドを、適数の小孔が設けてある金型内に充填し、それを水槽内に投じ、その際、前記コンパウンドに水が浸透することにより、成分中のイソシアネートが加水分解し、炭酸ガス、窒素からなるガス体が発生して発泡現象を生じて前記コンパウンドが膨張し、成形された不燃性・難燃性を有する独立気泡の発泡体を得ることを特徴とする発泡体の製法。
2. 混合物中にカーボンなどを加えたことを特徴とする請求項１記載の発泡体の製法。
3. ニトリルブタジエンゴムなどのエラストマー樹脂、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、炭酸カルシウムなどの無機質充填材に、イソシアネートを混合して得た混合物を、混練し、その後、加圧、加熱して得られたコンパウンドを、適数の小孔が設けてある金型内に充填し、それを水槽内に投じ、その際、前記コンパウンドに水が浸透することにより、成分中のイソシアネートが加水分解し、炭酸ガス、窒素からなるガス体が発生し発泡現象を生じて前記コンパウンドが膨張し、成形された不燃性・難燃性を有する独立気泡の発泡体としたことを特徴とする発泡体。
4. 混合物中にカーボンなどをを加えたことを特徴とする請求項３記載の発泡体。