JP2005239976A - 耐摩耗性難燃樹脂組成物及び絶縁電線 - Google Patents

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浩史 飛田
Kazuhisa Watanabe
和久 渡辺
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Abstract

【課題】 本発明は、車両用の電線などに用いる、薄肉化、耐摩耗性、耐熱性などの諸特性において、優れた特性の耐摩耗性難燃樹脂組成物を提供する。
【解決手段】 かゝる本発明は、破断点伸び150%以上、MFR7.0g/10min(230℃)以下のポリプロピレン(PP)ランダムコポリマ65〜80重量部と、酸変性ポリプロピレン(PP)15〜25重量部と、架橋助剤0〜5重量部と、シリコン処理した金属水酸化物80〜120重量部とからなり、電子線照射により架橋させる耐摩耗性難燃樹脂組成物にあり、これにより、薄肉化、耐摩耗性、耐熱性などの諸特性において、優れた特性の組成物が得られる。
【選択図】 なし






Description

本発明は、例えば車両用の電線などに用いる耐摩耗性難燃樹脂組成物及びこれを用いた絶縁電線に関するものである。
従来、車両用の電線にあっては、コスト面や難燃性などの優れた諸特性から、絶縁材料として、ポリエチレン(PE)が主材料として使用されている。しかしなが、近年、車両用の電線の場合、耐摩耗性や耐熱性などの仕様要求が厳しくなり、これらの諸特性に優れているポリプロピレン(PP)を主成分とした、プロピレン−エチレン(P−E)ブロックコポリマなどが使用されるようになってきている(例えば特許文献1〜2参照)。
特開2000−026696号公報 特開2000−086858号公報
ところが、このようなPEの代替樹脂として使用され始めたPPを主成分とした組成物である車両用の電線の観点から見ると、絶縁体の薄肉化、耐摩耗性、耐熱性などの性能において、さらなる性能向上が要求され、十分対応できない状況が生じてきている。
そこで、本発明者等が、PEの代替樹脂のPPを主成分とした組成物について、種々の試験を行ったところ、特定の特性を有するポリプロピレン(PP)ランダムコポリマと、酸変性ポリプロピレン(PP)と、シリコーン処理した金属水酸化物とを特定の割合で配合し、必要により架橋助剤を添加して、電子線照射により架橋させた場合、薄肉化、耐摩耗性、耐熱性などの諸特性において、良好な結果が得られることを見出した。
本発明は、このような観点に立ってなされたもので、上記条件とすることにより、特に車両用の電線の樹脂材料として、優れた耐摩耗性難燃樹脂組成物を提供し、また、これを用いた絶縁電線(ケーブルも含む)を提供するものである。
請求項1記載の本発明は、破断点伸び150%以上、MFR7.0g/10min(230℃)以下のポリプロピレン(PP)ランダムコポリマ65〜80重量部と、酸変性ポリプロピレン(PP)15〜25重量部と、架橋助剤0〜5重量部と、シリコーン処理した金属水酸化物80〜120重量部とからなり、電子線照射により架橋させることを特徴とする耐摩耗性難燃樹脂組成物にある。
請求項2記載の本発明は、前記請求項1記載の組成物に、白化防止用の水素添加したゴム材料5〜10重量部を添加することを特徴とする耐摩耗性難燃樹脂組成物にある。
請求項3記載の本発明は、前記白化防止用の水素添加したゴム材料が、水素添加したスチレンブタジェンラバであることを特徴とする請求項2記載の耐摩耗性難燃樹脂組成物にある。
請求項4記載の本発明は、前記請求項1、2又は3記載の組成物を、被覆したことを特徴とする絶縁電線にある。
本発明によると、特定の特性を有するポリプロピレン(PP)ランダムコポリマ、酸変性ポリプロピレン(PP)及びシリコーン処理した金属水酸化物を特定の割合で配合し、必要により架橋助剤を添加して、電子線照射により架橋させるものであるため、薄肉化、耐摩耗性、耐熱性などの諸特性において、優れた特性を有する耐摩耗性難燃樹脂組成物が得られる。勿論、これを、絶縁電線の絶縁材料として用いた場合、特に車両用の電線にあっては、優れた絶縁電線が得られる。また、白化防止用の水素添加したゴム材料を配合すれば、曲げなどにより白化することを防止することができる。
本発明で用いるPPランダムコポリマは、引っ張り試験(引っ張り速度200mm/min)で、破断点伸び150%以上、MFR7.0g/10min(230℃)以下の特性のものである。また、酸変性PPとは、マレイン酸などでPPをグラフト化したPPのことである。ベースポリマであるPPランダムコポリマに、この酸変性PPを添加する理由は、PPランダムコポリマ単独では、耐摩耗性の点で不十分であるが、酸変性PPの添加により、耐摩耗性の向上が改善できるからである。その機構については、グラフト化することにより、PPとフィラー界面の接着性が向上したためであると推論される。
そして、PPランダムポリマ65〜80重量部に対して、酸変性PPの添加量を、15〜25重量部としたのは、上記の理由から、15重量部未満では、十分な耐摩耗性の向上効果が期待できず、逆に、25重量部を超えるようになると、破断点伸びなどの機械的特性が低下するようになるからである。
また、本発明では、上記組成物に対して、難燃剤として、シリコン処理した金属水酸化物も添加する。また、必要により、架橋助剤、老化防止剤、銅害防止剤、白化防止用の水素添加したゴム材料などを適宜添加することができる。
架橋助剤としては、例えばトリメチロールプロパントリメタクリレート(TMPT)の使用が好ましく、その配合量は5重量部以下が望ましい。老化防止剤としては、例えばヒンダート・アミン系のもの(イルガノックス1010、チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製)が好ましく、その配合量は0.1重量部程度が望ましい。銅害防止剤としては、例えばトリアゾール系のもの(CDA−1、アデカ・アーガス化学社製)を挙げることができ、その配合量は0.5重量部程度が望ましい。
上記難燃剤である、シリコン処理した金属水酸化物としては、例えば水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウムなどがあり、本発明では、樹脂への分散性の改善と添加量低減のため、シリコンにより表面処理したものを使用する。特にシリコン表面処理をした水酸化マグネシウムの使用が望ましい。このシリコン処理により樹脂組成物中への分散性が向上し、添加量を80〜120重量部と比較的少ない量(範囲)に抑えることができる。
通常、十分な難燃性を得るためには、難燃剤の添加量は多いほどよいわけであるが、この添加量が多くなると、組成物の柔軟性などの機械的特性が低下するようになる。このような点を考慮して、本発明では、上記ように、シリコン処理した金属水酸化物を使用し、その添加量を少なく抑えることで、組成物の良好な特性を保持することができる。ただし、添加量が80重量部未満では、十分な難燃性が得られず、また、逆に120重量部を超えるようになると、柔軟性などの機械的特性が低下するようになるため、80〜120重量部の範囲に抑えてある。
また、本発明の組成物を、絶縁材料として用いた絶縁電線の場合、例えば、車両用の電線として引き回して使用したとき、PP樹脂の存在に起因して、曲げにより樹脂表面が白く変色する白化現象が起こることがある。このため、白化防止用の材料として、水素添加したゴム材料、例えば、水素添加したスチレン・ブタジェンラバ(HSBR)、スチレン−エチレン・ブチレン−エチレンブロック共重合体(SEBC)、エチレン−エチレン・ブチレン−エチレンブロック共重合体(CEBC)、スチレン−エチレン・ブチレン−スチレンブロック共重合体(SEBS)などを添加してある。特にHSBRの場合には、その添加量は、5〜10重量部が好ましい。5重量部未満では所望の白化防止効果が得られず、逆に10重量部を超えるようになると、耐摩耗性が低下するなどの問題が生じるからである。
このような配合からなる本発明の組成物の場合、例えば、絶縁電線の絶縁体などとして被覆する際には、電子線照射により架橋させる。電子線照射は、開放された工場内の大気圧中で行ってもよいが、より好ましくは、適当な密閉手段を講じて窒素雰囲気中で行うのが望ましい。この架橋により、組成物特性の向上が得られる。このため、上述したように、適度の架橋助剤(TMPT)を添加することが望ましい。しかしながら、その配合量は5重量部を超えるようになると、樹脂表面に染み出してくるなどの問題が生じるようになる。また、電子線照射を窒素雰囲気中で行った場合、電子線照射によって生じる酸素ラジカル(大気中酸素及び溶存酸素)による樹脂の劣化を防ぐことが可能となる。
なお、本発明の耐摩耗性難燃樹脂組成物にあっては、上記の添加剤の他に、必要により他の添加剤、例えば顔料なども適宜添加することができる。
〈実施例、比較例〉
表1〜2に示した配合からなる、本発明の耐摩耗性難燃樹脂組成物(実施例1〜8)と、本発明の条件を欠く樹脂組成物(比較例1〜7)により、サンプルの絶縁電線を製造した。なお、サンプルの絶縁電線は、外径φ0.9mmの導体上に厚さ0.2mmの絶縁体として、上記各組成物を押出被覆し(被覆外径φ1.3mm)、窒素雰囲気中で電子線照射を行った。電子線照射の強度は1Mradであった。また、表中の配合材料の数値は重量部数を示す。
得られた各サンプルの絶縁電線に対して、次のような物性評価を行った。
(1)「耐摩耗性」 これはISO6722の耐摩耗試験(ブレード往復法)に準じて行った。そして、ニードル径φ0.45、荷重720gで、絶縁体が摩耗して導通するまでの回数を求め、150回以上となるものを合格とした。
(2)「破断点伸び」 これはJIS−C3005の引っ張り試験に準じて、絶縁体を引っ張って行った。そして、破断点伸び150%以上のとき合格(○)とし、150%未満のとき不合格(×)とした。
(3)「曲げによる白化」 これは実際に曲げを加え、目視により観察した。そして、5本中5本全て白化異常なしのとき合格(○)とし、5本中1本以上白化異常があるとき不合格(×)とした。
(4)「柔軟性」 これは曲げ弾性率測定を行った。そして、その値が1500MPa以下であるとき合格(○)とし、1500MPaより大きいとき不合格(×)とした。
(5)「難燃性」 これはISO6722の45°傾斜燃焼試験に準じて行った。そして、5本中5本全て70秒以内に自己消化のとき合格(○)とし、5本中1本以上70秒以内に自己消化しないとき不合格(×)とした。
(6)「架橋助剤の染み出し」 これは目視により観察した。そして、5本中5本全て染み出し異常なしのとき合格(○)とし、5本中1本以上染み出し異常があったとき不合格(×)とした。
Figure 2005239976
Figure 2005239976
上記表1〜2から、本発明に係る耐摩耗性難燃樹脂組成物を用いた絶縁電線(実施例1〜8)にあっては、すべての特性、即ち耐摩耗性、破断点伸び、曲げによる白化、柔軟性、難燃性、架橋助剤の染み出しについて、良好な結果が得られていることが判る。これに対して、本発明の要件を欠く絶縁電線(比較例1〜7)では、いずれかの特性において問題があることが判る。

Claims (4)

  1. 破断点伸び150%以上、MFR7.0g/10min(230℃)以下のポリプロピレン(PP)ランダムコポリマ65〜80重量部と、酸変性ポリプロピレン(PP)15〜25重量部と、架橋助剤0〜5重量部と、シリコン処理した金属水酸化物80〜120重量部とからなり、電子線照射により架橋させることを特徴とする耐摩耗性難燃樹脂組成物。
  2. 前記請求項1記載の組成物に、白化防止用の水素添加したゴム材料5〜10重量部を添加することを特徴とする耐摩耗性難燃樹脂組成物。
  3. 前記白化防止用の水素添加したゴム材料が、水素添加したスチレンブタジェンラバであることを特徴とする請求項2記載の耐摩耗性難燃樹脂組成物。
  4. 前記請求項1、2又は3記載の組成物を、被覆したことを特徴とする絶縁電線。
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