JP2005239915A - 親水性を有する高分子微粒子の製造方法及びその製造装置 - Google Patents

親水性を有する高分子微粒子の製造方法及びその製造装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2005239915A
JP2005239915A JP2004052776A JP2004052776A JP2005239915A JP 2005239915 A JP2005239915 A JP 2005239915A JP 2004052776 A JP2004052776 A JP 2004052776A JP 2004052776 A JP2004052776 A JP 2004052776A JP 2005239915 A JP2005239915 A JP 2005239915A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
reactor
carbon dioxide
fine particles
polymer
ozone
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2004052776A
Other languages
English (en)
Inventor
Ko Hatakeyama
耕 畠山
Yuurikei Yamano
友里恵 山野
Kenji Nishimura
建二 西村
Narimasa Saito
成正 斉藤
Ryohei Mori
良平 森
Takeyoshi Den
建順 傳
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Materials Corp
Original Assignee
Mitsubishi Materials Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Materials Corp filed Critical Mitsubishi Materials Corp
Priority to JP2004052776A priority Critical patent/JP2005239915A/ja
Publication of JP2005239915A publication Critical patent/JP2005239915A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P20/00Technologies relating to chemical industry
    • Y02P20/50Improvements relating to the production of bulk chemicals
    • Y02P20/54Improvements relating to the production of bulk chemicals using solvents, e.g. supercritical solvents or ionic liquids

Landscapes

  • Processes Of Treating Macromolecular Substances (AREA)

Abstract

【課題】親水性を有する高分子微粒子の製造工程を従来より短縮する。
【解決手段】親水性を有する高分子微粒子の製造方法は、第1反応器11内で超臨界状態の二酸化炭素と高分子有機物とを接触させて高分子有機物を溶解又は溶融軟化する工程と、第1反応器11内から第1反応器11の圧力及び温度より低い第2反応器21内に溶解又は溶融軟化した高分子有機物を二酸化炭素とともに噴出して高分子有機物が微粒子化した噴出流を得る工程と、第2反応器21内で高分子微粒子と二酸化炭素からなる噴出流にオゾンガスを当てることにより微粒子とオゾンを反応させて微粒子表面に親水基を付与する工程とを含む。その装置10は、二酸化炭素を超臨界状態にして高分子有機物を溶解又は溶融軟化する耐圧製の第1反応器11と、高分子有機物を二酸化炭素とともに噴出して高分子有機物が微粒子化するための噴射ノズル22を有する第2反応器21とを備える。
【選択図】 図1

Description

本発明は、超臨界状態の二酸化炭素を希釈剤として用いて親水性を有する高分子微粒子を製造する方法及びその製造装置に関するものである。
従来、高分子微粒子は、カラム充填剤、トナー、粉体塗料原料等に利用されており、この高分子微粒子を製造する方法として、超臨界状態の二酸化炭素中においてラジカル重合開始剤により単量体を不均一重合する方法が知られている(例えば、特許文献1参照。)。そして、この製造方法では超臨界状態の二酸化炭素を希釈剤として用いてその超臨界二酸化炭素の減圧速度及び圧力を調整することにより、比較的容易かつ安定して高分子微粒子を製造することができるものとしている。
一方、このような高分子微粒子は様々な用途、例えば水溶性塗料やドラッグデリバリー用マイクロカプセル等のように親水性を要求される分野にも使用されることもある。このような用途に用いられる場合には上記のような製造方法により得られた高分子微粒子を後加工において親水性を付与しており、このような親水性を付与する方法としては、高分子の表面に界面活性剤やオゾンを吹き付けて親水性を付与する方法が従来から知られている(例えば、特許文献2参照。)。そして、オゾンを吹き付ける方法では、オゾンの酸素が高分子の表面に結合して、その表面に親水基が形成されて高分子は親水性を有するようになるとしている。
特開2002−179707号公報(特許請求の範囲、明細書[0008]) 特開2003−113578号公報(特許請求の範囲)
しかし、高分子微粒子を得た後に、その高分子微粒子の表面に親水化処理を施して親水性を有する高分子微粒子を得る従来の方法には、高分子微粒子の製造工程とその親水化処理工程とが独立して存在し、微粒子を均一に親水化させるには、微粒子の凝集化を抑制する等の措置をとらなければならず、親水性を有する高分子微粒子の製造自体が複雑化する不具合がある。また、これに用いられる装置にあっても、別個独立した装置を必要とすることから、親水性を有する高分子微粒子を得る装置が大型化してしまう問題点があった。
本発明の目的は、従来より工程を短縮して簡便に親水性を有する高分子微粒子を製造する方法及びその装置を提供することにある。
請求項1に係る発明は、図1に示すように、第1反応器11内で超臨界状態の二酸化炭素と高分子有機物とを接触させて高分子有機物を溶解又は溶融軟化する工程と、第1反応器11内から第1反応器11の圧力及び温度より圧力及び温度がそれぞれ低い第2反応器21内に溶解又は溶融軟化した高分子有機物を二酸化炭素とともに噴出して高分子有機物が微粒子化した噴出流を得る工程と、第2反応器21内で高分子微粒子と二酸化炭素からなる噴出流にオゾンガスを当てることにより微粒子とオゾンを反応させて微粒子表面に親水基を付与する工程とを含む親水性を有する高分子微粒子の製造方法である。
この請求項1に記載された高分子微粒子の製造方法では、高分子有機物を二酸化炭素とともに噴出して高分子有機物を微粒子化すると同時に、その高分子微粒子と二酸化炭素からなる噴出流にオゾンガスを当てて微粒子表面に親水基を付与するので、高分子微粒子の製造工程とその親水化処理工程とが独立して存在することはなく、親水性を有する高分子微粒子の製造を従来より単純化させることができる。
請求項2に係る発明は、請求項1に係る発明であって、第1反応器11の圧力が7〜35MPaで温度が31.1〜250℃であり、第2反応器21の圧力が第1反応器11の圧力より低い0.1〜6MPaで温度が第1反応器11の圧力より低い10〜100℃であることを特徴とする。
この請求項2に記載された高分子微粒子の製造方法では、二酸化炭素とともに噴出する高分子有機物を有効に微粒子化させることができる。
請求項3に係る発明は、請求項1又は2に係る発明であって、第1反応器11内で接触させる高分子有機物に対する二酸化炭素の割合、即ち高分子有機物の二酸化炭素に対する割合(高分子有機物/二酸化炭素)が重量比で10-1〜10-4であって、噴出流に接触させるオゾンの濃度が噴出流中の二酸化炭素の濃度に対して1ppm〜10%であることを特徴とする。
この請求項3に記載された高分子微粒子の製造方法では、微粒子化した高分子有機物の表面に効果的に親水基を付与することができる。
請求項4に係る発明は、高分子有機物又は高分子有機物原料を供給する第1供給口11aと、二酸化炭素を供給する第2供給口11bと、反応生成物の排出口11cとを有し、二酸化炭素を超臨界状態にして高分子有機物を溶解又は溶融軟化する第1反応器11と、第1反応器11の排出口11cに直接又は噴射管27を介して接続され溶解又は溶融軟化した高分子有機物を二酸化炭素とともに噴出して高分子有機物が微粒子化するための噴射ノズル22と、噴射ノズル22から噴出された高分子微粒子と二酸化炭素からなる噴出流にオゾンガスを当てるためのガスノズル23と、微粒子とオゾンとの反応により表面に親水基を付与された微粒子を取り出す取出し口24と、二酸化炭素の排出口26とを有する第2反応器21とを備えた親水性を有する高分子微粒子の製造装置である。
この請求項4に記載された高分子微粒子の製造装置では、高分子有機物を二酸化炭素とともに第2反応器21の内部に噴出して高分子有機物を微粒子化すると同時に、その高分子微粒子と二酸化炭素からなる噴出流にオゾンガスを当てて第2反応器21の内部で微粒子表面に親水基を付与するので、微粒子化させる装置と親水基を付与する装置の双方を必要としていた従来よりも小型化させた親水性を有する高分子微粒子の製造装置を得ることができる。
請求項5に係る発明は、請求項4に係る発明であって、噴射ノズル22が円筒状の第2反応器21の上部に設けられ、噴射ノズル22からの噴出流がオゾンガスによって第2反応器21内で旋回するように複数のガスノズル23が第2反応器21の周壁又は噴射ガスの噴出口周囲に設けられ、取出し口24が第2反応器21の下部に設けられたことを特徴とする。
この請求項5に記載された製造装置では、噴射ノズル22からの噴出流がオゾンガスによって第2反応器21内で旋回するように構成されているので、微粒子とオゾンは比較的均一に反応し、微粒子表面に均一に親水基を付与することができる。
本発明の親水性を有する高分子微粒子の製造方法では、第1反応器内で高分子有機物を超臨界状態の二酸化炭素に溶解又は溶融軟化させ、第2反応器内に溶解又は溶融軟化した高分子有機物を二酸化炭素とともに噴出して高分子有機物が微粒子化した噴出流を得るとともに、その噴出流にオゾンガスを当てることにより微粒子とオゾンを反応させて微粒子表面に親水基を付与するので、高分子微粒子の製造工程とその親水化処理工程とが独立して存在する従来の製造方法と比較して、親水性を有する高分子微粒子の製造を単純化させることができる。
また、本発明の親水性を有する高分子微粒子の製造装置では、二酸化炭素を超臨界状態にして高分子有機物を溶解又は溶融軟化する耐圧製の第1反応器と、溶解又は溶融軟化した高分子有機物を二酸化炭素とともに噴出して高分子有機物が微粒子化するための噴射ノズルを有する第2反応器とを備え、高分子有機物を二酸化炭素とともに第2反応器の内部に噴出して高分子有機物を微粒子化すると同時に、その高分子微粒子と二酸化炭素からなる噴出流にオゾンガスを当てて第2反応器の内部で微粒子表面に親水基を付与するように構成したので、微粒子化させる装置と親水基を付与する装置の双方を必要としていた従来よりも小型化させた親水性を有する高分子微粒子の製造装置を得ることができる。
次に本発明を実施するための最良の形態を図面に基づいて説明する。
図1に示すように、本発明の親水性を有する高分子微粒子の製造装置10は、第1反応器11と第2反応器21を有する。第1反応器11は耐圧製の反応器であって、高分子有機物又は高分子有機物原料を供給する第1供給口11aと、二酸化炭素を供給する第2供給口11bと、反応生成物の排出口11cとを有する。ここで、高分子有機物としてはその形態が液体や粉体微粒子等であるポリオレフィンやシクロポリオレフィン等が挙げられる。第2供給口11bには管路12、ポンプ13及び管路14を介して二酸化炭素タンク16に接続され、ポンプ13より下流側の管路14には加熱器17が設けられる。そして加熱器17により加熱した二酸化炭素をポンプ13により第1反応器11に供給することにより、この第1反応器11では、二酸化炭素を超臨界状態にして第1供給口11aから内部に供給された高分子有機物を溶解又は溶融軟化するように構成される。
第2反応器21は、噴射ノズル22と、ガスノズル23と、微粒子を取り出す取出し口24と、二酸化炭素の排出口26とを有する。噴射ノズル22は第1反応器11の排出口11cに噴射管27を介して接続される。図2に示すように、この実施の形態における第2反応器21は鉛直方向に延びて配置された円筒状をなし、噴射ノズル22は円筒状の第2反応器21の上部の略中央に設けられる。噴射ノズル22は、第1反応器11で溶解又は溶融軟化した高分子有機物を二酸化炭素とともに第2反応器21内部に噴出して高分子有機物を微粒子化させるためのものであり、噴射ノズル22からの噴出流がオゾンガスによって第2反応器21内で旋回するように複数のガスノズル23が第2反応器21の周壁に設けられる。
この実施の形態における第2反応器21は上部における大径部21aと、この大径部21aに比較して小径の小径部21bが下部に作られ、大径部21aの周囲にガスノズル23が一対そのその噴出口を斜め下方に向けて噴出するオゾンガスにより噴射ノズル22からの噴出流が旋回するように設けられる。ガスノズル23は、噴射ノズル22から噴出された高分子微粒子と二酸化炭素からなる噴出流にオゾンガスを当てるためのものであり、第2反応器21下部の小径部21bの側壁には二酸化炭素の排出口26が設けられる。小径部21bの下端には蓋21cが開閉可能に設けられて微粒子とオゾンとの反応により表面に親水基を付与された微粒子を取り出す取出し口24が第2反応器21の下部に形成される。
図1に戻って、二酸化炭素の排出口26には管路28、酸素分離装置29及び管路31を介して二酸化炭素タンク16に接続され、酸素分離装置29下流側の管路31には冷却器32及びポンプ34が設けられる。酸素分離装置29では、二酸化炭素の排出口26から排出された二酸化炭素中に含まれる酸素を分離してオゾン製造装置33に供給するように構成され、オゾン製造装置33はガスノズル23に接続される。そしてオゾン製造装置33で製造されたオゾンはガスノズル23から噴射可能に構成される。
次に、このような装置を用いた親水性を有する高分子微粒子の製造方法について説明する。
先ず、第1反応器11内で超臨界状態の二酸化炭素と高分子有機物とを接触させて高分子有機物を溶解又は溶融軟化させる。ここで、高分子有機物又は高分子有機物原料は第1供給口11aから供給され、二酸化炭素は加熱器17により加熱されてポンプ13によりタンク16から第1反応器11に供給される。この実施の形態では、二酸化炭素が供給されて第1反応器11の圧力が7〜35MPaで温度が31.1〜250℃の超臨界状態になる。ここで、第1反応器11の圧力が7MPa未満であると二酸化炭素が超臨界流体にならないため有機物の溶解度が低下する不具合があり、第1反応器11の圧力が35MPaを越えると装置自体の耐久性の確保が困難になりまたエネルギーコストが上昇する。一方、第1反応器11の温度が31.1℃未満であると二酸化炭素が流体であるため有機物の溶解度が低下する不具合があり、その温度が250℃を越えると装置自体の耐久性の確保が困難になりまたエネルギーコストが上昇する。なお、第1反応器11の圧力の好ましい範囲は7〜25MPaであってその好ましい温度は40〜150℃である。
一方、第1反応器11内で接触させる高分子有機物に対する二酸化炭素の割合(高分子有機物/二酸化炭素)は重量比で10-1〜10-4であって、高分子有機物を溶解又は溶融軟化する。ここで、二酸化炭素の割合が重量比で10-4未満であると親水性を有する高分子微粒子の生産性が低下し、その割合が重量比で10-1を越えると微粒子を製造することが困難になる。ここで、高分子有機物に対する二酸化炭素の割合の好ましい重量比は10-2〜10-3である。
次に、第1反応器11内から第1反応器11の圧力及び温度より低い第2反応器21内に溶解又は溶融軟化した高分子有機物を二酸化炭素とともに噴出して高分子有機物が微粒子化した噴出流を得る。このとき超臨界状態の二酸化炭素に融解した有機物は、急減圧することによりミクロン〜ナノサイズの微粒子として二酸化炭素ガスとともに放出される。この噴出は第2反応器21に設けられた噴射ノズル22により行われる。この実施の形態では、第2反応器21の圧力が第1反応器11の圧力より低い0.1〜6MPaで温度が第1反応器11の圧力より低い10〜100℃に調整される。ここで、第2反応器21の圧力が0.1MPa未満であると減圧ポンプが必要になってしまう不具合があり、第2反応器21の圧力が6MPaを越えると超臨界流体となって二酸化炭素と有機物の分離性が急激に落ちる不具合がある。一方、第2反応器21の温度が10℃未満であると微粒子と後述するオゾンとの反応性が悪くなる不具合があり、その温度が100℃を越えると微粒子とそのオゾンとの過剰反応や基材に悪影響が残る不具合がある。この実施の形態における第2反応器21の好ましい圧力は1〜5MPaであってその好ましい温度は20〜40℃である。
そして、第2反応器21内で高分子微粒子と二酸化炭素からなる噴出流にオゾンガスを当てることにより微粒子とオゾンを反応させて微粒子表面に親水基を付与する。この実施の形態におけるオゾンガスは、オゾンの濃度が噴出流中の二酸化炭素の濃度に対して1ppm〜10%であるように調整されてガスノズル23から噴射される。オゾンの濃度が1ppm未満であると高分子有機物の表面に親水基を付与することが困難になり、オゾンの濃度が10%を越えると高分子有機物の微粒子がオゾンにより過剰反応となり、酸化分解してしまう不具合がある。このオゾンの濃度の更に好ましい範囲は二酸化炭素の濃度に対して100ppm〜1%である。
ここで噴射ノズル22からの噴出流がオゾンガスによって第2反応器21内で旋回するように複数のガスノズル23が第2反応器21の周壁に設けられるので、微粒子とオゾンは比較的均一に反応し、微粒子表面に均一に親水基が付与される。親水基ができる反応は発熱反応であるが、粒子形成時に二酸化炭素の断熱膨張によってガス流及び微粒子が冷却されるために、その反応熱を効果的に除去することができる。このため、オゾンによる親水基付与の反応が過剰に起きることを抑制することも可能になる。そして表面に親水基が付与された微粒子は蓋21cにより閉じられた取出し口24に蓄積され、その蓋21cを開放することにより、親水性を有する高分子微粒子を製品として取り出す。取り出された高分子微粒子の平均粒径は0.01〜100μmの範囲にある。
一方、噴射ノズル22から噴射された二酸化炭素は第二反応器に設けられた二酸化炭素の排出口26から排出され、この二酸化炭素に含まれる酸素が酸素分離装置29において分離され、残部の二酸化炭素は冷却器32により冷却された後二酸化炭素タンク16に供給されて貯留され、再利用される。一方、酸素分離装置29により二酸化炭素から分離された酸素はオゾン製造装置33に供給され、オゾン製造装置33によりオゾンとなってガスノズル23から噴射される。
このような親水性を有する高分子微粒子の製造方法及びその製造装置10では、高分子微粒子を得ると同時にその得られた高分子微粒子の表面に親水化処理が施される。従って、高分子微粒子の製造工程とその親水化処理工程とが独立して存在することはなく、それらの工程が別個独立して存在する従来に比較して、親水性を有する高分子微粒子の製造自体を単純化させることができる。また、本発明の装置にあっては第1及び第2反応器からなるけれども、別個独立して存在する二種類の装置を必要とする従来に比較して、装置全体を小型化させることができる。
なお、上述した実施の形態では、噴射ノズル22が第1反応器11の排出口11cに噴射管27を介して接続される例を示したが、噴射ノズルは第1反応器に直接接続してもよい。
また、上述した実施の形態では、大径部21aの周囲にガスノズル23が一対そのその噴出口を斜め下方に向けて設けられる例を示したが、噴射ノズル22からの噴出流を旋回させることができる限り、図3に示すように大径部21aの周囲にガスノズル23をその噴出口を水平にした状態で設けても良く、図4に示すように、噴射ノズル22からの噴出流を強制的に旋回させる単一の又は複数の邪魔板21dを第2反応器21に別に設けても良い。
更に、上述した実施の形態では、ガスノズル23が第2反応器21の周壁に設けられる例を示したが、噴射ノズル22からの噴出流がオゾンガスによって第2反応器21内で旋回するようなものである限り、図5に示すように、ガスノズル23を噴射ノズル22における噴射ガスの噴出口22aの周囲に設けても良い。
次に本発明の実施例を説明する。
<実施例1>
先ず、図1に示す第1反応器11内で超臨界状態の二酸化炭素と高分子有機物とを接触させて高分子有機物を超臨界状態の二酸化炭素に溶解させた。この高分子有機物はポリオレフィンであり、第1反応器11の圧力は20MPaで温度が80℃とした。そして、第1反応器11内で接触させる高分子有機物に対する二酸化炭素の割合は重量比で0.01とした。
次に、第1反応器11内から第1反応器11の圧力及び温度より低い第2反応器21内に溶解又は溶融軟化した高分子有機物を二酸化炭素とともに噴出して高分子有機物が微粒子化した噴出流を得た。この噴出は図2に示す第2反応器21を用いてそれに設けられた噴射ノズル22により行い、第2反応器21の圧力は第1反応器11の圧力より低い1MPaであって、その温度は第1反応器11の圧力より低い20℃に調整した。
そして、第2反応器21内で高分子微粒子と二酸化炭素からなる噴出流にオゾンガスを当てることにより微粒子とオゾンを反応させて微粒子表面に親水基を付与した。このオゾンガスの濃度は噴出流中の二酸化炭素の濃度に対して0.5%であるように調整し、図2に示すガスノズル23から噴射した。そして表面に親水基が付与された微粒子を蓋21cにより閉じられた取出し口24に蓄積した。この取出し口24に蓄積された微粒子を実施例1とした。
<実施例2>
高分子有機物としてシクロポリオレフィンを用いたことを除いて、実施例1と同一の条件及び手順で表面に親水基が付与された微粒子を蓋21cにより閉じられた取出し口24に蓄積した。この取出し口24に蓄積された微粒子を実施例2とした。
<比較例1>
分離重合法により高分子微粒子を得た。このようにより得られた高分子微粒子に後加工を施した。この後加工は流動層装置により微粒子を流動させながら高分子の表面にオゾンを吹き付けた。このようにして表面に親水基が形成された高分子微粒子を得た。この微粒子を比較例1とした。
<試験>
実施例1、実施例2及び比較例1における微粒子を分散液に溶かして基板に塗布した後その分散液を蒸発させて基板の表面に実施例1、実施例2及び比較例1における微粒子からなる層を形成した。この微粒子を塗布した基板表面の水接触角を測定した。この結果、実施例1における微粒子を塗布した基板表面の水接触角は40°であり、実施例2における微粒子を塗布した基板表面の水接触角は43°であった。これに対して何も塗布しない基板表面の水接触角は78°であり、比較例1における微粒子を塗布した基板表面の水接触角は51°であった。
<評価>
上記試験の結果より、実施例1及び2における微粒子を塗布した基板表面の水接触角は、何も塗布しない基板及び比較例1における微粒子を塗布した基板表面の水接触角よりも小さくなり、その親水性が増していることが判る。
本発明実施形態の親水性を有する高分子微粒子の製造装置の構成図である。 それに用いられる第2反応器の構成図である。 ガスノズルが水平に設けられた第2反応器の構成図である。 邪魔板が設けられた第2反応器の構成図である。 ガスノズルが噴出口の周囲に設けられた噴射ノズルの構成図である。
符号の説明
10 親水性を有する高分子微粒子の製造装置
11 第1反応器
11a 第1供給口
11b 第2供給口
11c 反応生成物の排出口
21 第2反応器
22 噴射ノズル
23 ガスノズル
24 取出し口
26 二酸化炭素の排出口
27 噴射管

Claims (5)

  1. 第1反応器(11)内で超臨界状態の二酸化炭素と高分子有機物とを接触させて前記高分子有機物を溶解又は溶融軟化する工程と、
    前記第1反応器(11)内から前記第1反応器(11)の圧力及び温度より圧力及び温度がそれぞれ低い第2反応器(21)内に前記溶解又は溶融軟化した高分子有機物を二酸化炭素とともに噴出して前記高分子有機物が微粒子化した噴出流を得る工程と、
    前記第2反応器(21)内で前記高分子微粒子と前記二酸化炭素からなる噴出流にオゾンガスを当てることにより前記微粒子とオゾンを反応させて前記微粒子表面に親水基を付与する工程と
    を含む親水性を有する高分子微粒子の製造方法。
  2. 第1反応器(11)の圧力が7〜35MPaで温度が31.1〜250℃であり、第2反応器(21)の圧力が前記第1反応器(11)の圧力より低い0.1〜6MPaで温度が前記第1反応器(11)の圧力より低い10〜100℃である請求項1記載の製造方法。
  3. 第1反応器(11)内で接触させる高分子有機物に対する二酸化炭素の割合(高分子有機物/二酸化炭素)が重量比で10-1〜10-4であって、噴出流に接触させるオゾンの濃度が噴出流中の二酸化炭素の濃度に対して1ppm〜10%である請求項1又は2記載の製造方法。
  4. 高分子有機物又は高分子有機物原料を供給する第1供給口(11a)と、二酸化炭素を供給する第2供給口(11b)と、反応生成物の排出口(11c)とを有し、前記二酸化炭素を超臨界状態にして前記高分子有機物を溶解又は溶融軟化する第1反応器(11)と、
    前記第1反応器(11)の排出口(11c)に直接又は噴射管(27)を介して接続され前記溶解又は溶融軟化した高分子有機物を二酸化炭素とともに噴出して前記高分子有機物が微粒子化するための噴射ノズル(22)と、前記噴射ノズル(22)から噴出された高分子微粒子と二酸化炭素からなる噴出流にオゾンガスを当てるためのガスノズル(23)と、前記微粒子とオゾンとの反応により表面に親水基を付与された微粒子を取り出す取出し口(24)と、前記二酸化炭素の排出口(26)とを有する第2反応器(21)と
    を備えた親水性を有する高分子微粒子の製造装置。
  5. 噴射ノズル(22)が円筒状の第2反応器(21)の上部に設けられ、前記噴射ノズル(22)からの噴出流がオゾンガスによって第2反応器(21)内で旋回するように複数のガスノズル(23)が前記第2反応器(21)の周壁又は前記噴射ガスの噴出口周囲に設けられ、取出し口(24)が前記第2反応器(21)の下部に設けられた請求項4記載の製造装置。
JP2004052776A 2004-02-27 2004-02-27 親水性を有する高分子微粒子の製造方法及びその製造装置 Withdrawn JP2005239915A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004052776A JP2005239915A (ja) 2004-02-27 2004-02-27 親水性を有する高分子微粒子の製造方法及びその製造装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004052776A JP2005239915A (ja) 2004-02-27 2004-02-27 親水性を有する高分子微粒子の製造方法及びその製造装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2005239915A true JP2005239915A (ja) 2005-09-08

Family

ID=35021979

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004052776A Withdrawn JP2005239915A (ja) 2004-02-27 2004-02-27 親水性を有する高分子微粒子の製造方法及びその製造装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2005239915A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2013015352A1 (ja) 2011-07-26 2013-01-31 国立大学法人新潟大学 微粒子の製造方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2013015352A1 (ja) 2011-07-26 2013-01-31 国立大学法人新潟大学 微粒子の製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US8883939B2 (en) Method for producing polymers and reactor for carrying out said method
US9981200B2 (en) External mixing pressurized two-fluid nozzle and a spray drying method
US9095832B2 (en) Method and apparatus for preparing polymer beads of uniform particle size by suspension polymerisation
US20090155157A1 (en) Process for aftertreating carbon black
US10569187B2 (en) External mixing pressurized two-fluid nozzle and a spray drying method
JP3709568B2 (ja) 残留モノマー除去処理法およびそれに用いる残留モノマー除去処理塔
US20080041532A1 (en) System for fabricating nanoparticles
KR0148361B1 (ko) 수중유형 균일 액적 분산액의 제조법
JP2017523025A (ja) 精製装置へ炭化水素原料を注入するための噴射装置
JP2005239915A (ja) 親水性を有する高分子微粒子の製造方法及びその製造装置
US7914715B2 (en) Granulating method, granulated particle(s) and granulating device
JP2021008632A (ja) 粉末状ポリ(メタ)アクリレートを製造するための装置
CN112888518B (zh) 雾化喷嘴、雾化装置、金属粉末的制造方法以及金属粉末
CN204365246U (zh) 催化剂进料雾化喷嘴及气相流化床反应器、聚烯烃生产装置
JPH03249931A (ja) 水中油型均一液滴分散液の製造法及び均一粒径ポリマービーズの重合方法
US20180028999A1 (en) Device for producing poly(meth)acrylate in powder form
JPH032162B2 (ja)
KR101380929B1 (ko) 2층 구조의 멀티 홀 액적 토출 분사판을 포함하는 균일계 모노머 액적의 형성 장치
CN110639445A (zh) 一种喷雾连续反应的装置及方法
US7935783B2 (en) Polystyrene processing apparatus and method
US7592416B2 (en) Polystyrene processing apparatus and method
CN218871686U (zh) 一种气相聚丙烯工艺反应器穹顶防止结片装置
CN101650539A (zh) 超临界流体抗溶剂法制造打印机用墨粉的方法
JPH10204105A (ja) 噴霧重合方法及び噴霧重合装置
JPH06211904A (ja) 噴霧重合法及び噴霧重合用ノズル

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Application deemed to be withdrawn because no request for examination was validly filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20070501