JP2005239329A - エレベーターの保守作業用管制装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 昇降路ピットの保守作業時に、ピット外からの操作によりエレベーターかごの昇降路ピットへの下降を阻止できるエレベーターの保守作業用管制装置を得る。
【解決手段】 昇降路1ピット8外に保守用スイッチ14を設け、また昇降路1の固定部に調速機ロープ移動制止装置22を設けて、常時は調速機ロープ10を解放し、保守用スイッチ14の操作により調速機ロープ10を把持して移動を制止する。
これによって、保守作業開始に先立って昇降路1ピット8外から保守用スイッチ14を操作して非常止め装置11を作動し、かご5のピット8方向への下降移動を阻止し、ピット8内の保守作業スペースを確保する。したがって、保守作業員がピット8に入ってかごの下降移動阻止部材を取り付ける等の作業が不要となり作業能率を向上する。
【選択図】 図1

Description

この発明は、エレベーターの昇降路ピットの保守作業時においてエレベーターかごの昇降動作を管制するエレベーターの保守作業用管制装置に関する。
従来のエレベーターの保守作業用管制装置においては、エレベーター昇降路内のガイトレールにおけるピット部の位置に装着され、かごが所定位置まで下降してきたときに、かごに設けられた非常止め装置を作動させるための作動体を備えて、ピット内作業に支障をきたすことなく、しかもピット内作業者の安全を確実に確保するように構成されている。(例えば、特許文献1参照)。
特開平4−333481号公報(要約及び要約選択図)
従来のエレベーターの保守作業用管制装置では、保守作業者が昇降路ピットに入って案内レールに作動体を取り付け、かごがピットに下降してきた場合に非常止め装置が作動体に当たって動作する。これによって、かごの下降を制動して昇降路ピットの保守作業スペースを確保するようにしたものである。しかし、保守作業者が昇降路ピットに入って案内レールに作動体を取り付けるまでの間は、かごがピットに下降する恐れがあるという問題点があった。また、保守作業終了後に作動体の撤去を忘れるとエレベーターの通常運転に支障を生じる。
この発明は、かかる問題点を解消するためになされたものであり、エレベーターの昇降路ピットの保守作業時に、昇降路ピット外からの操作によりエレベーターかごの昇降路ピットへの下降を阻止することができるエレベーターの保守作業用管制装置を得ることを目的とする。
この発明に係るエレベーターの保守作業用管制装置においては、エレベーターの昇降路に吊設された調速機ロープが巻掛けられて、エレベーターのかごの下降速度が所定速度を超えたときに動作して調速機ロープの移動を制止する調速機及びかごに設けられて調速機ロープの制止を介して作動してかごの下降を制動する非常止め装置が装備されたエレベーターに、エレベーターにおける昇降路ピット外に設けられた保守用スイッチと、昇降路の固定部に設けられて調速機ロープに対向して配置され、常時は調速機ロープを解放し、保守用スイッチの操作を介して動作し調速機ロープを把持して調速機ロープの移動を制止する調速機ロープ移動制止装置とが設けられる。
この発明によるエレベーターの保守作業用管制装置は、保守作業時に作業開始に先立って保守作業員が昇降路ピット外から保守用スイッチを操作することによって、調速機ロープ移動制止装置を動作させて非常止め装置を作動させる。これにより、かごのピット方向への下降移動を阻止し、昇降路ピット内の保守作業スペースを確保することができる。したがって、保守作業員がピットに入って、かごの下降移動を阻止する部材を取り付けること等の作業の必要がなく、保守作業能率を向上する効果がある。また、保守作業終了時に前述の下降移動阻止部材の撤去忘れにより通常運転に支障が生じることがなく、保守作業終了後のエレベーターの通常運転復帰を容易化する効果がある。
実施の形態1.
図1〜図5は、この発明の実施の形態を示す図で、図1はエレベーターを概念的に示す立面図、図2は図1における調速機ロープ移動制止装置箇所の拡大図、図3は図2の押圧体の拡大斜視図、図4は図3のA−A線断面図、図5は図1のエレベーターにおける調速機ロープ移動制止装置に関わる電気回路である。図において、昇降路1に案内レール2が立設され、また、昇降路1上部に巻上機3が設置される。
そして、巻上機3に主索4が巻掛けられて、案内レール2に案内されて昇降路1を昇降するかご5が主索4の一端に連結され、また主索4の他端につり合おもり6が連結される。また、昇降路1上部に調速機7が設置され、昇降路1下部、すなわち昇降路1のピット8に張り車9が設けられる。そして、無端状の調速機ロープ10が調速機7及び張り車9に巻掛けられて昇降路1に吊設される。
また、かご5の下面に非常止め装置11が設けられて、非常止め機構が調速機ロープ10の一側に係合腕12によって係合される。そして、かご5の操作盤13、すなわち昇降路1ピット8外に保守用スイッチ14、非常停止解除スイッチ15及び運転釦16が設けられる。また、昇降路1の最下階乗場、すなわち図1における一階の上に設けられた乗場、すなわち図1において二階の乗場に対応した位置に位置検出スイッチ17が配置される。
そして、位置検出スイッチ17は案内レール2等の固定部に装着され、また位置検出スイッチ17に対向するカム18がかご5に装備される。また、エレベーター制御盤19が昇降路1のピット8に設置されて、巻上機3、調速機7、操作盤13、位置検出スイッチ17、非常止め装置11に設けられた常閉接点を有する非常止めスイッチ20,21に接続される。また、次に述べる調速機ロープ移動制止装置22が、案内レール2等の昇降路1の固定部に設けられて調速機ロープ10の他側に対向して配置される。
すなわち調速機ロープ移動制止装置22には、案内レール2等の昇降路1の固定部に支持腕23によって装着された固定体24が設けられて、調速機ロープ10に空隙を形成して対面して配置され、また固定体24に電磁コイル25が設けられる。そして、固定体24の調速機ロープ10との対向面に立設された支持棒26が設けられて調速機ロープ10の長手に沿う方向に互いに離れ、かつ調速機ロープ10の長手に対する両側にそれぞれ配置される。
また調速機ロープ移動制止装置22には、調速機ロープ10を介して固定体24に対面し調速機ロープ10に空隙を形成して配置された押圧体27が設けられて、押圧体27に形成された上下方向に長い溝穴28に支持棒26が空隙を形成して挿通され、また調速機ロープ10に対応した溝状凹所29が設けられている。
そして、支持棒26にねじ込まれて押圧体27の反固定体24側に配置されたナット30によって押圧体27の反固定体24側方向の変位が規制される。また、支持棒26の反固定体24側の先端部に固定された傾斜板31が設けられて、上端が調速機ロープ10に接近する方向に傾斜して配置される。
また、両側が押圧体27の反固定体24側及び傾斜板31の押圧体27側にそれぞれ連結された引っ張りコイルばねからなる付勢体32が設けられて、通常時に押圧体27が調速機ロープ10から離れた所定位置に保持される。
また、図5における+−は電源、また図5のエレベーター制御回路に運転回路33が設けられる。
上記のように構成されたエレベーターの保守作業用管制装置において、通常運転時には保守用スイッチ14が開放されていて調速機ロープ移動制止装置22の電磁コイル25は消勢されている。また、押圧体27は付勢体32によって調速機ロープ10から離れた所定位置に保持され、非常止め装置11が非動作であるので非常止めスイッチ20,21はそれぞれ閉成されている。
この状態によって、操作盤13等の操作によってエレベーター制御盤19を介して巻上機3が付勢され、主索4を介してかご5及びつり合おもり6が互いに反対方向へ運転される。そして、かご5の下降中の速度が所定速度を超えると調速機7が動作して調速機ロープ10の移動が制止される。これにより、非常止め装置11が動作して案内レール2を挟圧してかご5の下降が制動される。
また、エレベーターの保守作業時には次に述べる操作が行われる。すなわち、保守作業員がかご5に乗り込んでエレベーターを通常運転してかご5を図1において二階の乗場、すなわち位置検出スイッチ17が配置された位置に停止させる。これにより位置検出スイッチ17がカム18に押圧されて閉成する。
そして、操作盤13の保守用スイッチ14を押圧する。この状態では非常止め装置11は非動作状態であり非常止めスイッチ20,21は閉成しているので、+−14−17−25−20−−の回路によって調速機ロープ移動制止装置22の電磁コイル25が付勢される。そして、電磁コイル25によって付勢体32の付勢力に抗して押圧体27が吸引されて、押圧体27と固定体24とによって調速機ロープ10が挟圧される。
この状態で、操作盤13の運転釦16によってかご5を低速で下降運転すると調速機ロープ移動制止装置22に挟圧された調速機ロープ10が上昇移動する。これにより、押圧体27は溝穴28を介して固定体24に対して上昇し、押圧体27は傾斜板31に当たって調速機ロープ10を強力に固定体24に押圧して、調速機ロープ10の上昇移動が阻止される。そして、かご5をさらに低速下降運転すると、これにより非常止め装置11が動作して案内レール2を挟圧してかご5の下降が制動される。
なお、非常止め装置11の動作により非常止めスイッチ20,21が開放して電磁コイル25は消勢し、またエレベーター制御回路の運転回路33が消勢されてエレベーターの運転が休止される。次いで、保守作業員がかご5から出て昇降路1の最下階の乗場、すなわち図1において一階の乗場の戸を開いてピット8に降り所要の保守作業が行われる。
また、保守作業の終了時には次に述べる操作が行われてエレベーターが通常運転に復帰される。
すなわち、保守作業員がかご5に乗り込んで非常停止解除スイッチ15を押圧すると、+−15−33−−の回路によってエレベーター制御回路の運転回路33が付勢されてエレベーターが運転可能状態となる。そして、操作盤13の運転釦16によってかご5を低速で上昇運転すると、調速機ロープ10の上昇移動が阻止されているので、非常止め装置11の動作が解除される。
そして、かご5がさらに上昇するとカム18による押圧が解消して位置検出スイッチ17が開放する。更に、調速機ロープ移動制止装置22箇所における調速機ロープ10の下降移動によって押圧体27が下降する。このため、押圧体27と固定体24とによる調速機ロープ10の挟圧が解除されてエレベーターの通常運転が可能となる。
以上説明したように、保守作業時に作業開始に先立って保守作業員がかご5に乗り込んで操作盤13、すなわち昇降路1ピット8外に設けられた保守用スイッチ14等の操作を介して、すなわち昇降路1ピット8外からの操作によってかご5のピット8方向への下降移動を阻止し、昇降路1ピット8内の保守作業スペースを確保することができる。したがって、保守作業員がピット8に入って、前述の案内レールに作動体を取り付けること等の作業を行うことなく、かご5のピット8方向への下降移動を阻止することができる。
これによって、一人の保守作業員によって昇降路1ピット8外からの操作により、保守作業時に容易に昇降路1ピット8内の保守作業スペースを確保することができ、保守作業能率を向上することができる。また、保守作業終了時において前述の案内レールに取り付けた作動体の撤去忘れによる支障が生じることがなく、保守作業終了後にエレベーターを容易に通常運転に復帰することができる。
実施の形態2.
なお、図1〜図5の実施の形態におけるかご5の操作盤13に設けた保守用スイッチ14、非常停止解除スイッチ15及び運転釦16を、昇降路1の適宜な乗場等の昇降路1ピット8外に設けたエレベーターの保守作業用管制装置であっても、図1〜図5の実施の形態と同様な作用を得ることができる。
この発明の実施の形態1を示す図であり、エレベーターを概念的に示す立面図。 図1における調速機ロープ移動制止装置箇所の拡大図。 図2の押圧体の拡大斜視図。 図3のA−A線断面図。 図1のエレベーターにおける調速機ロープ移動制止装置に関連する電気回路。
符号の説明
1 昇降路、5 かご、7 調速機、10 調速機ロープ、11 非常止め装置、14 保守用スイッチ、22 調速機ロープ移動制止装置。

Claims (1)

  1. エレベーターの昇降路に吊設された調速機ロープが巻掛けられ、上記エレベーターのかごの下降速度が所定速度を超えたときに動作して上記調速機ロープの移動を制止する調速機及び上記かごに設けられて上記調速機ロープの制止を介して作動して上記かごの下降を制動する非常止め装置が装備されたエレベーターに、上記エレベーターにおける昇降路ピット外に設けられた保守用スイッチと、上記昇降路の固定部に設けられて上記調速機ロープに対向して配置され、常時は上記調速機ロープを解放し、上記保守用スイッチの操作を介して動作し上記調速機ロープを把持して移動を制止する調速機ロープ移動制止装置とを設けてなるエレベーターの保守作業用管制装置。
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