JP2005239269A - 結束装置及び結束方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 結束領域内の所定の位置に物品を正確に位置決めすることにより、物品に巻き付ける結束帯のテンションを一定にして、物品の結束状態をタイトに安定させる。
【解決手段】 物品50を移動可能に案内する搬送路2と、搬送路2の物品50を搬送路2に沿って移動させる搬送手段5と、搬送路2の途中の結束領域3に搬送路2と交差するように結束帯20を供給し、搬送路2上の物品50との協働により物品50の周囲に結束帯20を巻き付ける供給手段10と、結束領域3に対応する部分に設けられ、物品50の周囲に巻き付けた結束帯20の余長部分を熱シールして物品50を結束し、結束後に熱シール部を切断して物品50を結束された状態で結束帯20から切り離す結束手段25とを備えた結束装置であって、結束領域3に対応する部分に物品50を結束領域3の所定の位置に位置決めする位置決め手段41を設ける。
【選択図】 図1

Description

本発明は、結束装置及び結束方法に関し、特に、物品を熱融着可能な結束帯(熱融着性プラスチックフィルム等)により自動的に連続して結束する結束装置及び結束方法に関する。
この種の結束装置の一例として、物品の周囲に熱融着可能な結束帯を巻き付け、この結束帯にバックテンションを付加することにより物品を締め付け、この状態で結束帯の両端部を重合させて熱融着し、この熱融着部を切断することにより物品を結束するように構成したものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
ところで、上記のような構成の結束装置にあっては、結束帯にバックテンションを付加するのにダンサーローラを使用しているため、結束する物品が弾力性を有し、かつ滑りやすいもの(錠剤やカプセル状の薬の包装シート等)の場合に、バックテンションの付加力の調整が困難になり、締付け力が不足して結束帯から物品が抜け落ちてしまう虞がある。また、ダンサーローラにより結束帯にバックテンションを付加する場合に、結束帯の繰出し量が一定になるため、大きさの異なる物品を結束することが困難になってしまう。
一方、上記のような問題に対処するため、本願出願人は、原反部から結束帯(把束シート)を繰り出す繰出し手段の駆動源に正逆回転可能なモータを使用し、結束帯へのバックテンションの付加をモータの逆転制御により行い、バックテンションの付加力を結束する物品の特性に応じて任意に調整できるように構成した結束装置(把束装置)を提案している(例えば、特許文献2参照)。
特公昭51−33038号公報 特開平8−282617号公報
しかし、このような構成の結束装置にあっては、物品を熱融着地点まで搬送する搬送手段の駆動源に、モータで駆動されるスプロケットに周回させたチェーンを使用しているため、チェーンの各部に経年変化等によってガタ等が生じた場合に、そのガタによって物品の熱融着地点への位置決め精度にバラツキが生じてしまい、一定のバックテンションを結束帯に付加することが困難になり、物品の結束状態にばらつきが生じてしまう。
また、チェーンは多数のリンクプレートを繋いでいることから、そもそもその製造時の許容誤差が大きく、このため当該チェーンに取り付けるプッシャーの配設ピッチにもバラツキが生じてしまうことは避け難く、これに起因して上記位置決め精度が確保できないという問題もある。これ故、その許容誤差や経年変化による位置ズレを予め考慮して、熱用着位置を決定する必要があって、当該熱融着位置と物品の搬送方向の後端部との間には、物品と結束帯の熱融着部との干渉を防止するための余裕を設定せざるを得なかった。そして、この設定した余裕分によって生じる物品の前後方向へのズレを防いで、物品と結束帯の熱融着部との干渉を防止するために、当該熱融着部位のシーラと物品との間にはスペーサーを設ける必要があった。このため、従来では当該スペーサーとして上シーラーにコ字状の門型ストッパーを別途に独立して昇降自在に設けていた。ところが、上記余裕を持たせて門型ストッパーを付加している分だけ結束後に弛みが生じてしまうことを避けられなかった。よって、物品に結束帯をタイトに巻き付けることが困難であった。
本発明は、上記のような従来の問題に鑑みなされたものであって、物品を搬送する搬送装置の駆動源のチェーン等の製造許容誤差や経年変化による誤差の拡大が生じても、その誤差によって物品の位置決め精度が影響を受けるようなことがなく、常に一定の精度で物品を所定の位置に位置決めすることができ、これにより、物品を結束する結束帯に一定のバックテンションを付加しつつ、熱融着位置を可及的に物品に近づけてタイトに結束することができ、熱融着部位と物品との間に干渉防止用のスペーサーを設ける必要のない結束装置及び結束方法を提供することを目的とするものである。
本発明は、上記のような課題を解決するために、以下のような手段を採用している。すなわち、請求項1に係る発明は、物品を移動可能に案内する搬送路と、該搬送路上に載置した物品を搬送路に沿って移動させる搬送手段と、該搬送路の途中に設けられる結束領域に、該搬送路と交差するように結束帯をこれにバックテンションを付与しつつ供給し、該結束領域に移動してくる物品と協働して該結束帯を該物品の周囲に巻き付ける供給手段と、該結束領域に対応する部分に設けられるとともに、該物品の周囲に巻き付いた該結束帯の余長部分を熱シールして物品を結束するとともに、結束後に該熱シール部分の中間部を切断して該物品を結束した状態で供給側の結束帯から切り離す結束手段と、を備えた結束装置であって、該結束領域に対応する部分に、該物品を結束領域の所定の位置に押し込んで位置決めする位置決め手段を設けたことを特徴とする。
本発明による結束装置によれば、搬送手段により結束領域内に送り込まれた物品は、位置決め手段の作動によりバックテンションが付与されている結束帯に押圧されながら当該結束領域の所定の位置に押し込まれて位置決めされることになる。このため、搬送手段による物品の搬送間隔に、当該搬送手段の組み立て上や経年劣化等に起因する多少の誤差があっても、当該誤差の有無に拘わらず物品は所定の位置に正確に位置決めされる。そして、この状態で物品の周囲に結束帯が巻き付けられて、結束手段により結束帯の余長部分が熱シールされるとともに、この熱シール部分の中間部が切断されることになる。このため、熱シール位置を可及的に物品に近づけて設定することができるようになり、しかも物品の後端と結束帯の熱シール位置前端との間に干渉防止用のスペーサーを介在させる必要もなくなる。
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の結束装置であって、前記位置決め手段は、前記搬送路に直交するように設けられる回転可能な回転軸と、該回転軸を回転させる駆動源と、該回転軸に取り付けられて該回転軸と一体に回転するとともに、回転時に該搬送路上の物品を該搬送路に沿って押圧して所定の位置に位置決めする位置決めフィンガーとを備えていることを特徴とする。
本発明による結束装置によれば、搬送手段により結束領域内に送り込まれた物品は、位置決め手段の駆動源を作動させて、回転軸と一体に位置決めフィンガーを回転させることにより、位置決めフィンガーによって押圧されて結束領域の所定の位置に押し込められて位置決めされることになる。そして、この位置決めされた状態で物品の周囲にバックテンションが付与されている結束帯が巻き付けられ、結束手段により結束帯の余長部分が熱シールされ、熱シール部分の中間部が切断されることになる。
請求項3に係る発明は、搬送路上に載置した物品を搬送手段により搬送路に沿って移動させて結束領域内に送り込み、供給手段から結束領域に搬送路と交差するように結束帯をこれにバックテンションを付与しつつ供給し、前記物品との協働により前記結束帯を物品の周囲に巻き付け、結束領域に対応する部分に設けられる結束手段により物品の周囲に巻き付けた結束帯の余長部分を熱シールして物品を結束し、結束終了後に該熱シール部分の中間部を切断して結束された状態の物品を供給側の結束帯から切り離す結束方法であって、該結束領域に送り込まれてくる該物品を、該結束領域に対応する部分に設けた位置決め手段によって、該結束領域の所定の位置に押し込んで位置決めし、この状態で該物品の周囲にバックテンションが付与されている該結束帯を巻き付けるとともに、余長部分を熱シールして該熱シール部分の中間部を切断することを特徴とする。
本発明による結束方法によれば、搬送手段により結束領域内に物品を送り込み、位置決め手段を作動させることにより、バックテンションの付与された結束帯に物品を押圧させながら当該結束領域内の所定の位置に押し込んで位置決めする。そして、この位置において、物品の周囲に結束帯が巻き付けられ、結束帯の余長部分が熱シールされ、熱シールされた部分が切断されることになる。
以上、説明したように、本発明の結束装置及び結束方法によれば、搬送手段により結束領域内に送り込まれた物品を、位置決め手段の作動によって結束領域内の所定の位置に正確に位置決めすることができ、その位置決めした状態で物品の周囲に結束帯を巻き付け、結束手段により結束帯の余長部分を熱シールし、熱シール部分を切断することができることになる。 従って、結束帯に熱シールを施すにあたって、搬送手段による物品の搬送間隔に、組み立て上や経年劣化等に起因した多少の誤差があったとしても、当該誤差の有無に拘わらず常に物品を一定の位置に正確に位置決めすることができる。このため、物品の後端に結束帯の熱シール位置の前端を可及的に近づけて熱シール位置を設定することができるようになり、しかも物品の後端と結束帯の熱シール位置前端との間に干渉防止用のスペーサーを介在させる必要もなくなり、結束帯に付加されるバックテンションを一定に維持しつつ、常に一定の締め付け力で結束帯を物品に巻き付けて可及的にタイトに結束することができるようになる。
以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態について説明する。
図1〜図11は、本発明にかかる結束装置の好適な一実施形態を示すものであり、図1は結束領域内に物品が搬入された状態を示す説明図、図2は物品を結束領域内の所定の位置に位置決めし、物品の周囲に結束帯を巻き付けた状態を示す説明図、図3は物品の周囲に巻き付けた結束帯を熱シールし、熱シール部を切断した状態を示す説明図、図4は図1の部分拡大平面図、図5は図4の部分拡大図、図6は図5の側面図、図7は結束完了後の物品を示した平面図、図8は図7の正面図、図9は位置決め手段の平面図、図10は図9の正面図、図11は動作タイミングを示すタイムチャート図である。
すなわち、この実施の形態に示す結束装置1は、図1〜図3に示すように、物品50を水平方向に移動可能に案内する搬送路2と、搬送路2上に載置した物品50を搬送路2に沿って移動させる搬送手段5と、搬送路2の途中に設けられる結束領域3内に搬送路2と交差するように結束帯20を供給する供給手段10と、物品50を結束領域3内の熱シール地点に位置決めする位置決め手段41と、物品50の周囲に巻き付けた結束帯20に熱シールを施して物品50を結束し、結束後に熱シール部32を切断して物品50を結束帯20から切り離す結束手段25とを備えている。
搬送路2は、図1〜図4に示すように、所定の間隔をおいて互いに平行に、かつ各々が水平に設けられる一対の滑り板4、4によって構成され、この一対の滑り板4、4の上部に物品50が所定の間隔ごとに複数載置される。各物品50は、後述する搬送手段5によって搬送路2上を図1〜図3中、左から右方向に搬送される。
物品50は、例えば、シート状の包装パック(薬の包装パック等)を複数積み重ねて適宜の手段により束ね、この束ねたものを更に複数積み重ねて構成したもの等が挙げられる。但し、これに限定されることなく、結束を必要とする各種の物品を対象としても良い。
搬送手段5は、図1〜図3に示すように、各滑り板4,4の長手方向の両端部の下方にそれぞれ回転可能に設けられる一対のスプロケット6、6と、両スプロケット6、6間に掛着されて、各滑り板4,4に平行な長円軌道に沿って回転駆動するチェーン7と、何れか一方のスプロケット6を回転駆動させるモータ(図示せず)と、各チェーン7にそれぞれ所定の間隔ごとに取り付けられる複数の搬送フィンガー8、8……とを備えている。
一方のチェーン7の複数の搬送フィンガー8、8……と他方のチェーン7の複数の搬送フィンガー8、8……とは、図4及び図5に示すように、各チェーン7の長手方向に同一ピッチで、かつ、搬送路2の幅方向に互いに対向するように、各チェーン7に取り付けられている。また、各搬送フィンガー8は、各滑り板4の内側を各滑り板4に沿って移動可能に構成されるとともに、図1〜図3に示すように、上端部が各滑り板4の上面から上方に突出するように構成され、その突出している部分が滑り板4上の物品50の進行方向後方側の面に当接するように構成されている。従って、両チェーン7、7の回転駆動時に、搬送路2の幅方向に対向する一対の搬送フィンガー8、8を各物品50の進行方向後方側の面に当接させることにより、各物品50が一対の搬送フィンガー8、8によって押圧されて進行方向前方(図1〜図3中、左から右方向)に搬送されることになる。
結束領域3は、搬送路2上を搬送される各物品50の周囲に結束帯20を巻き付け、結束帯20の余長部分を熱シールすることにより各物品50を結束し、熱シール部を切断することにより各物品50を結束帯20から切り離すための領域であって、この結束領域3に対応する部分には、図1〜図3に示すように、結束帯20を供給する供給手段10と、各物品50を熱シール地点に位置決めする位置決め手段41と、結束帯20に熱シールを施し、熱シール部を切断する結束手段25とが設けられている。
供給手段10は、搬送路2の上方に回転可能に設けられる原反部11と、搬送路2の下方に回転可能に設けられる巻き取りドラム16と、原反部11と搬送路2との間に設けられる繰り出し側ローラ群12と、巻き取りドラム16と搬送路2との間に設けられる巻き取り側ローラ群17とから主になり、結束帯20は原反部11の周囲に所定量巻回されるとともに、原反部11から繰り出されて繰り出し側ローラ群12、搬送路2の一対の滑り板4、4間、及び巻き取り側ローラ群17を介して巻き取りドラム16の周囲に巻き取られている。原反部11及び巻き取りドラム16は、それぞれ独立のモータ(図示せず)に連結され、モータの作動により正回転又は逆回転するように構成されている。
結束帯20は、可撓性及び熱融着性を有する素材からなるものであって、この実施の形態においては、透明又は半透明のプラスチックフィルムを使用している。結束帯20は、搬送路2の一対の滑り板4、4間に挿入可能で、かつ物品50の幅よりも狭い幅に設定されている。
繰り出し側ローラ群12は、送りローラ13と中間ローラ14と昇降ローラ15の3種類のローラから構成され、原反部11から繰り出される結束帯20は、これらのローラ13、14、15を周回して搬送路2の方向に導かれ、搬送路2の一対の滑り板4、4間を挿通して巻き取りローラ群17の方向に導かれる。
巻き取りローラ17群は、固定ローラ18とダンサーローラ19の2種類のローラから構成され、一対の滑り板4、4間を挿通した結束帯20がこれらのローラ18、19を周回して巻き取りドラム16に巻き取られる。
固定ローラ18と搬送路2との間には下部クランプ機構21が設けられている。下部クランプ機構21は、水平方向に進退可能なクランプピン23を有するシリンダ22と、シリンダ22のクランプピン23に対向して設けられる受け部24とから構成され、このクランプピン23と受け部24との間に、搬送路2の一対の滑り板4、4間を通過した結束帯20が挿通されいる。そして、下部クランプ機構21のシリンダ22を作動させることにより、クランプピン23が受け部24の方向に移動してクランプピン23と受け部24との間で結束帯20が挟持される。
前記供給手段10の送りローラ13は、メインローラ13aとこのメインローラ13aに所定の押圧力をもって圧接されるサブローラ13bとを備え、これらメインローラ13aとサブローラ13bとの間に前記結束帯20が挟持される。このメインローラ13aは正逆回転可能なサーボモータ(図示せず)により回転駆動される様になっており、このサーボモータは駆動制御手段(図示せず)により正転または逆転制御されて、メインローラ13aを正転または逆転方向に回転して結束帯20を正送りまたは逆送りする様になっている。
ここで本実施例では、サーボモータは駆動制御手段によりトルク制御運転されるようになっている。即ち、駆動制御手段は、正転時には供給手段のローラ13よりも下流側の結束帯張力が設定値T1 以上になる度毎にモータを少しずつ正転駆動させては停止するという制御を繰り返して、原反部11から結束帯20を少量ずつ繰り出すようになっている。つまり、駆動制御手段はモータの回転を拘束するブレーキ力発生部とこの発生部で生じさせたブレーキ力に抗してモータが回転されたことを検知する回転検出部とを有していて、正転時には先ずこのブレーキ力発生部で上記結束帯張力の設定値T1 に相当するトルクまでモータの回転を拘束しうるブレーキ力を発生させてモータの回転を止めておき、結束帯張力が当該設定値T1 に達してこの張力によるトルクで上記ブレーキ力に抗してモータが回転されたときに、これを回転検出部で検知して、この回転を検知する度毎に所定の短時間だけあるいは所定回転角度だけモータを正転駆動させるようになっている。また、逆転時には、周回部分の結束帯張力が設定値T2 なる所定のトルクまでモータを逆転駆動させて停止するようになっている。
尚、前記ブレーキ力発生部はモータに電力を供給するときに回転磁界を生じさせないようにすることで構成でき、この際のブレーキ力は供給する電力の強さで任意に調整できる。あるいは、ブレーキ力発生部は摩擦式ブレーキ機構を電磁クラッチでON−OFF作動制御するように構成することもできる。
結束手段25は熱融着部26と切断部29とを備えている。熱融着部26は搬送路2の上方に設けられて上下方向に移動可能な上シーラ27と、この上シーラ27に対向して搬送路2の下方に設けられて同じく上下方向に移動可能な下シーラ28とからなる。また、切断部29は上シーラ27に設けられる上カッター30と、下シーラ28に設けられて上シーラ27と相互に噛合可能な下カッター31とからなる。
上シーラ27及び下シーラ28は、上下方向に移動可能なロッドを有するシリンダ(図示せず)のロッドに連結され、シリンダを作動させてロッドを上下方向に移動させることにより、ロッドと一体に上下方向に移動するように構成されている。上シーラ27には、繰り出し側ローラ群12の昇降ローラ15が連結され、上シーラ27の上下方向への移動時に上シーラ27に追従して昇降ローラ15が上下方向に移動するように構成されている。
上シーラ27及び下シーラ28の上下方向に対向する部分(上シーラ27の下端部及び下シーラ28の上端部)は、結束帯20を熱シールする際の加熱部として構成され、結束帯20を熱シールするのに最適な温度に調整される。上シーラ27及び下シーラ28は、搬送路2の一対の滑り板4、4間に挿入可能な幅に設定されている。
上シーラ27に隣接する部分には、上部クランプ機構35が設けられている。上部クランプ機構35は、上下方向に移動可能なロッド37を有するシリンダ36と、シリンダ36のロッド37の先端部に一体に連結される押え板39とから構成され、この押え板39と搬送路2上の物品50との間を結束帯20が挿通している。上部クランプ機構35のシリンダ36を作動させてロッド37を下方に移動させることにより、ロッド37の先端部の押え板39が物品50の上面に当接し、押え板39と物品50の上面との間で結束帯20が挟持される。
位置決め手段41は、図4〜図6、図9、図10に示すように、搬送路2の上方に搬送路2を幅方向に直交するように跨いで水平に設けられる回転軸42と、回転軸42を回転可能に支持する一対の軸受43、43と、回転軸42に連結されて回転軸42と一体に回転可能な一対の位置決めフィンガー44、44と、回転軸42を回転させるシリンダ47とを備えている。
シリンダ46は、水平方向に進退可能なロッド47を有し、このロッド47の先端部にアーム48を介して回転軸42が連結される。この場合、アーム48の一端部にシリンダ46のロッド47が連結ピン49を介して回動自在に連結され、アーム48の他端部に回転軸42が一体に連結されているので、シリンダ46を作動させてロッド47を前進させることにより、ロッド47の直線運動がアーム48を介して回転運動に変換されて回転軸42が回転し、回転軸42と一体に一対の位置決めフィンガー44、44が回転することになる。
各位置決めフィンガー44は、一対の滑り板4、4の内側の部分に対応する回転軸42の部分に固定され、回転軸42の回転時に先端部が一対の滑り板4、4間に挿入可能に構成されている。各位置決めフィンガー44の先端部には略L形状のフック45が一体に設けられ、回転軸42と一体に各位置決めフィンガー44を回転させたときに、このフック45が一対の滑り板4、4間に挿入されて、滑り板4、4上の各物品50の進行方向後方側の面に当接するように構成されている。
回転軸42を回転させて両位置決めフィンガー44、44のフック45、45を一対の滑り板4、4間に挿入することにより、両フック45、45が各物品50の進行方向後方側の面に当接し、各物品50が進行方向前方に押し出され、各物品50が結束領域3内の熱シール地点に位置決めされる。この場合、シリンダ46のロッド47のストロークに応じた回転角度に回転軸42及び位置決めフィンガー44、44が回転するので、各物品50は常に結束領域3内の一定の位置に位置決めされることになる。
次に、上記のように構成したこの実施形態による結束装置の作用について説明する。
まず、供給手段10の原反部11から繰り出された結束帯20は、繰り出しローラ群12の送りローラ13、中間ローラ14及び昇降ローラ15に巻回されているとともに、搬送路2の一対の滑り板4、4間、並びに下部クランプ機構21の受け部24とシリンダ22のクランプピン23との間に挿通され、さらに巻き取り側ローラ群17の固定ローラ18及びダンサーローラ19に巻回されて、巻き取りドラム16の周囲に巻き付けられている。
そして、この結束装置1は、その初期状態では上下シーラ27,28が上下に開いた状態にあり、結束帯20が搬送路2を上下に貫通して中間ローラ14から下部クランプ機構21へと通っている。そして、この初期状態から送りローラ13のサーボモータ、上下シーラ27,28、上部クランプ機構36の押さえ板39、下部クランプ機構21のクランプピン23、搬送手段5のフィンガー8、位置決め手段41のフィンガー44、および上カッター30が、図11に示すタイムチャートに従って駆動されることにより、順次物品50が結束されるようになっている。尚、上記タイムチャートでは1つの物品50の結束を完了する工程を360゜のサイクルとして示してある。
即ち、まず、下部クランプ機構21のクランプピン23を受け部24に押しつけて結束帯20をクランプして、前記サーボモータを前述の正転制御する。即ち、先ずこの正転制御ではモータはローラ13よりも下流側の結束帯張力が設定値T1 以上になるまで、ブレーキ力発生部によってその回転が拘束される。
そしてこの状態で、結束帯20の搬送路2との交差部の前方に載置されている物品50が搬送手段5によって後方に移動されて結束領域にある結束手段25に送られてくる。搬送手段5は物品50を搬送フィンガー8で押しながら搬送路2の滑り板4,4上を滑らせて移動させるようになっている。
結束帯20前方の物品50を搬送手段5で後方の結束手段25に送り出して行くと、物品50中央部の進行方向先端が結束帯20に当接し、更に物品50が移動することにより、図1に示すように、結束帯20が物品50とともに後方に引き込まれてその外側に巻き掛けられて周回されていく。
この際、結束帯20が後方に引き込まれて行くにつれて、繰り出し側ローラ群のローラ13より下流の結束帯張力は高まっていき、この張力が設定値T1 に達するとブレーキ力に抗してモータが回転され、この回転を回転検出部が検知すると駆動制御手段はローラ13のモータを所定の短時間あるいは所定回転角度だけ正転回転させてから再度停止させて、原反部14から少量の結束帯20を繰り出す。この様に、正転期間中はモータは結束帯張力が設定値T1 に達する度毎に正転・停止を繰り返して少量ずつ原反部14から結束帯20を繰り出していく。
このため、結束帯20は物品50による後方への引き込み量に相応して原反部14から少量ずつ繰り出されて、結束しようとする物品50の大きさに対して適切な繰り出し量に自動的に調節されることになり、周回時に当該結束帯20が過剰に繰り出されるのが防止される。
このようにして物品50がその外周囲を結束帯20で囲繞されつつ、上下シーラ27,28間を通過すると、その時点(120゜)で搬送フィンガー8が停止して物品50の間欠移送が停止される。また、このように物品50が停止すると同時に結束帯20の繰出し,つまりモータの正転制御が終了される。
そして、当該搬送フィンガー8の停止に先立って、その直前に位置決めフィンガー44が下方に揺動されて、物品50の搬送方向後端部に当接して当該物品を所定の位置までさらに押し込んだ時点(120°)で停止し、物品50の逆移動を阻止する。すなわち、図2に示すように、位置決め手段41のシリンダ46が作動し、回転軸42と一体に一対の位置決めフィンガー44、44が反時計周りに回転し、一対の位置決めフィンガー44、44のフック45、45が物品50の進行方向後方側の面に当接し、物品50が一対の位置決めフィンガー44、44によって進行方向前方に押し出され、熱シール地点に位置決めされる。
また、この位置決めがなされた時点(120°)で、上部クランプ機構の押さえ板39が下降して、物品50の上面に当接し、押え板39と物品50の上面との間で結束帯20が挟持される。つまり、図3に示すように、上部クランプ機構35のシリンダ36が作動し、ロッド37が下方に移動して押え板39が物品50の上面に当接し、押え板39と物品50との間で結束帯20が挟持される。
さらに、上記位置決めがなされると、下シーラ29bが120゜時点から上昇して前記物品50の下面から上面の間の所定位置に止まる。ここで、本実施例では上面よりやや下方位置まで上昇する。尚、上部クランプ機構の押さえ板39が下降することにより、物品50の上方に配置された結束帯20を下方に押し込んで、この結束帯20を物品50の上側に取り巻くと共に、下シーラ29bが上昇することにより物品50の下方に配置された結束帯20を押し上げて、この結束帯20を物品50の下側および後側(進行方向逆側)に取り巻く。このとき、結束帯20には所定のバックテンションで原反側に張力が働いているので、余剰分は原反側に引き戻され、不足分は繰り出されることになる。
すなわち、前記サーボモータは正転制御が終了された後に120゜時点から逆転制御に切換えられる。これにより、送りローラ13は逆転方向に回転して結束帯20を逆送りして引き戻し、送りローラ13から下部クランプ機構21間の部位の結束帯20にバックテンションによる所定の張力を付加する。この際、結束帯20の引き戻しにより張力が増大するにつれてサーボモータの回転速度は低下し、最終的には負荷電流にて発生する最大駆動トルクに張力が釣り合った時点で、つまり張力が設定値T2 になった時点でサーボモータの回転は止まる。従って、結束帯20へのバックテンションの付加がモータの最大駆動トルクを所定の上限値に抑えた逆転制御で行われるため、このバックテンションの張力値は結束する物品50の弾力性に関係なく適宜任意に設定することができる。
そして、この適宜な張力が付加された状態で物品50が押さえ付けられると共に絞り込まれ、この絞り込み状態で熱融着機構部の上下のシーラ27,28を220゜時点から下降及び上昇させて、物品50の上側および下側を取り巻いた結束帯20の重ね合わせ部分を熱融着する。つまり、結束手段25の熱融着部26の上シーラ27がシリンダの作動により下方に移動し、既に上昇している下シーラ28との間で結束帯20の余長部分が挟持され、その部分が加熱されて熱融着されて熱シールされる。
そして、熱融着が完了した後230゜時点から前記下部クランプ機構21を解放した後、310°時点の直前で上カッター30を下降させて切断する。つまり、切断部29の上カッター30がシリンダの作動により下降し、上カッター30と下カッター31とが互いに噛合し、両カッター30、31によって結束帯20の熱シール部がその中間部で幅方向に切断され、図7及び図8に示すように、物品50が結束帯20によって結束された状態で、原反から繰り出されてくる供給側の結束帯20から切り離される。
その後、310°時点で、上下のシーラー27,28、カッター30,31、並びに位置決めフィンガー44を上下に移動あるいは揺動させて開放する。すると、物品50は結束帯20で結束された状態で分離されることになる。また、切断された原反側の結束帯20には、その先端に先行して熱融着・切断されて耳状となった熱シール部分の片割れが接続されて廃材となって連続し、この状態でスクラップとなって巻き取りドラム16に所定長さ分だけ順次巻き取られる。このようにスクラップが所定長さ巻き取られることにより、結束手段25から残りの熱融着部分が取り除かれることになる。そして、この廃材は巻き取りドラム16に巻き取られて回収された後、スクラップ処理される。
次に、310゜時点でサーボモータの逆転制御を終了すると共に、位置決め手段のフィンガー44を上昇させて物品50の逆移動阻止を解放し、かつ、上シーラ27を上昇すると共に、下シーラ29bを下降して初期状態に復帰する。その後、350゜時点で下部クランプ機構21をクランプ状態にした後、355゜時点でサーボモータの正転制御を開始して結束帯20の繰出しをスタンバイ状態となし、360゜(0゜)時点で搬送フィンガー8の間欠移動を開始して後続の物品50を結束手段22に送り込む。このようにして物品50は、次々とその中央部分が結束帯20で結束されていく。
なお、前記実施例では結束帯20に熱融着可能な結束帯を用いて、熱融着により接着することで迅速に物品50を結束できる場合を開示したが、これに限ることなく結束帯20は接着剤により接着することも可能である。
従って、上記のように構成したこの実施形態による結束装置にあっては、結束領域3内に送り込まれた物品50を、位置決め手段41の作動によって熱シール地点に位置決めするように構成したので、物品50を搬送する搬送手段5の駆動部等にガタ等があっても、物品50を常に一定の位置に位置決めして、バックテンションが付与された結束帯20にて結束することができる。しかも、熱シール地点への位置決めが正確に高精度に行えることから、結束帯20のシール部と物品50との干渉を防止するための無駄なスペースを設けずに、当該熱シール位置を物品の搬送方向の後端部に可及的に接近させることができて、従来設けていた門型ストッパーを不要となし得る。このため、結束後の結束帯20に緩みを生じさることなく、確実に物品50をタイトに結束することができることになる。また、熱シール位置を物品の搬送方向の後端部に可及的に接近させることができるので、物品に周回させて結束する結束帯の長さを可及的に短くすることができ、もって結束帯20の使用量を可及的に減少させることができるようにもなって、経済的にも優れたものとなる。
本発明による結束装置の一実施の形態を示した概略図であって、結束領域内に物品が搬入された状態を示す説明図である。 物品が結束領域内の所定の位置に位置決めされた状態を示す説明図である。 物品の周囲に巻き付けた結束帯を熱シールし、熱シール部分を切断した状態を示す説明図である。 図1の部分平面図である。 図4の部分拡大図である。 図5の側面図である。 結束後の物品を示した平面図である。 図7の正面図である。 位置決め手段の平面図である。 図9の正面図である。 動作タイミングを示すタイムチャート図である。
符号の説明
1 結束装置
2 搬送路
3 結束領域
5 搬送手段
10 供給手段
20 結束帯
25 結束手段
41 位置決め手段
42 回転軸
44 位置決めフィンガー
50 物品

Claims (3)

  1. 物品を移動可能に案内する搬送路と、
    該搬送路上に載置した物品を搬送路に沿って移動させる搬送手段と、
    該搬送路の途中に設けられる結束領域に、該搬送路と交差するように結束帯をこれにバックテンションを付与しつつ供給し、該結束領域に移動してくる物品と協働して該結束帯を該物品の周囲に巻き付ける供給手段と、
    該結束領域に対応する部分に設けられるとともに、該物品の周囲に巻き付いた該結束帯の余長部分を熱シールして物品を結束するとともに、結束後に該熱シール部分の中間部を切断して該物品を結束した状態で供給側の結束帯から切り離す結束手段と、
    を備えた結束装置であって、
    該結束領域に対応する部分に、該物品を結束領域の所定の位置に押し込んで位置決めする位置決め手段を設けたことを特徴とする結束装置。
  2. 前記位置決め手段は、前記搬送路に直交するように設けられる回転可能な回転軸と、該回転軸を回転させる駆動源と、該回転軸に取り付けられて該回転軸と一体に回転するとともに、回転時に該搬送路上の物品を該搬送路に沿って押圧して所定の位置に位置決めする位置決めフィンガーとを備えていることを特徴とする請求項1に記載の結束装置。
  3. 搬送路上に載置した物品を搬送手段により搬送路に沿って移動させて結束領域内に送り込み、供給手段から結束領域に搬送路と交差するように結束帯をこれにバックテンションを付与しつつ供給し、前記物品との協働により前記結束帯を物品の周囲に巻き付け、結束領域に対応する部分に設けられる結束手段により物品の周囲に巻き付けた結束帯の余長部分を熱シールして物品を結束し、結束終了後に該熱シール部分の中間部を切断して結束された状態の物品を供給側の結束帯から切り離す結束方法であって、
    該結束領域に送り込まれてくる該物品を、該結束領域に対応する部分に設けた位置決め手段によって、該結束領域の所定の位置に押し込んで位置決めし、この状態で該物品の周囲にバックテンションが付与されている該結束帯を巻き付けるとともに、余長部分を熱シールして該熱シール部分の中間部を切断することを特徴とする結束方法。
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