JP2005239267A - 輸送タンク内袋の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 タンク内に装填される内袋を用いた液体輸送において、輸送タンク内袋の破損を防止する。
【解決手段】 内側筒状フイルム23aと外側筒状フイルム23bとにより二重化して、輸送タンク内袋20を構成する。二重化した筒状フイルム23a,23bの一端部23c,23eを熱溶着器33により熱溶着して閉じる。平坦な作業台25上で巻取りローラ38を二重化筒状フイルム23a,23bの一端部23cから他端部23dに向けて転がし、巻取りローラ38に二重化筒状フイルム23a,23bの一端部23cから巻き付けていく。二重化された内袋本体21のエア39が抜かれるため、液体を充填したときに、充填された液体で残留エアを含む内袋部分が圧迫されることがなく、輸送タンク内袋20の破損が抑えられる。
【選択図】 図7

Description

本発明は輸送タンク内袋の製造方法に関するものである。
船舶、鉄道、自動車などの貨物輸送において、貨物が液体の場合には、一般的にタンクコンテナが用いられる。このようなタンクコンテナとしては、国際規格であるISO規格の例えば20フィートタンクコンテナ(以下、単にタンクコンテナと称する。)が一般的に用いられる。このタンクコンテナは、長さが20フィート、幅が8フィート、高さが8フィートであり、約20トンの液体の充填が可能である。
このようなタンクを用いたコンテナ輸送では、輸送後にタンク内を洗浄する必要があること、耐薬品性を有する高品質なステンレス鋼板を用いてタンクを製造する必要があることなどから、例えば特許文献1に示すように、タンクを一般的な鋼板で製造し、このタンク内に耐薬品性を有する軟質合成樹脂製の内袋を装填することが提案されている。また、特許文献2〜5には、同じようにタンクに内袋を装填して、洗浄などの手間を省くようにしたものが提案されている。
特開昭61−104983号公報 特開2001−354292号公報 実開昭61−48190号公報 特開昭50−4615号公報 実開昭57−46492号公報
しかしながら、上記従来の内袋を有するタンクやタンクコンテナ等については、特許文献1〜5のように種々の提案がなされているものの、20フィートタンクコンテナなどの大型のタンクに対して、適切な内袋を製造することが困難であり、実用化されていないのが現状である。すなわち、長さが20フィート、幅が8フィート、高さが8フィートの円筒状タンクに適合する内袋を簡単に安価に製造することが困難であった。
例えば、タンクコンテナの形状に適合した内袋としては、タンクコンテナとほぼ同形状の円筒体状が理想的である。しかし、この場合には筒状フイルムの両端部に円形状蓋フイルムを溶着する必要があり、円形状蓋フイルムの形成、これの溶着といった手間を要し、製造が困難である。しかも、円形状蓋フイルムの溶着では、二次元方向での溶着が不可能であり、三次元方向での溶着となるため、これらフイルムを溶着するためのガイド装置などに専用のものが必要になるという問題もある。
これに対して、封筒型の内袋とすることで、単に筒状フイルムの両端部を溶着するだけでよく、製造が容易になる。この内袋では、タンクの給排口に内袋の給排口をセットすることにより、液体がタンク内面に直に接触することがなくなる。したがって、内袋を取り替えることにより、従来必要であったタンク内の洗浄処理が不要になる。
しかしながら、このような内袋を開発する過程で以下のような不具合が発生することが判った。内袋の素材として、例えばプラスチックフイルムを用いる場合に、例えば100μm程度の厚みであると、内袋に付着した鉄粉などのゴミによって微小な孔(ピンホール)が開いてしまうことがある。この場合には、ピンホールによって輸送物である液体がタンク内に洩れ、内袋のライニングとしての機能がなくなり、タンク内を洗浄処理する必要がある。このため、内袋を二重以上の多重化として、ピンホール対策を施すと、二重化によって内側フイルムと外側フイルムとの間に空気が入ることがある。この空気が入った内袋に対して輸送物としての液体を充填すると、液体の充填に伴い内側フイルムが膨出すると、内側及び外側フイルムの間の空気が逃げ場を失い、外側フイルムやその溶着ラインが破裂することがあり、改善が望まれていた。
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、ピンホール対策として内袋を二重化した場合でも、液体の充填に伴う外側フイルムやその溶着ラインが破裂することがないようにした輸送タンク内袋の製造方法を提供することを目的とする。また、本発明は、エア混入が少ない一重の輸送タンク内袋を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の輸送タンク内袋の製造方法は、輸送タンクの内部に着脱自在に装着され、合成樹脂製の内袋本体と前記輸送タンクの下部に配置されたタンク給排口に嵌合される内袋給排口とを有する封筒型の輸送タンク内袋の製造方法であって、筒状フイルムの一端部を溶着して幅方向に溶着ラインを形成し袋状に一端部を閉じる一端部溶着工程と、前記切断した筒状フイルムの一方の面に内袋給排口用の穴を形成し、この内袋給排口用穴に前記内袋給排口を溶着する内袋給排口取付工程と、前記切断した筒状フイルムの他端部からエアを抜くエア抜き工程と、前記エアが抜かれた筒状フイルムの他端部を溶着して幅方向に溶着ラインを形成し袋状に他端部を閉じる他端部溶着工程とを有することを特徴とする。なお、前記筒状フイルムは、内側筒状フイルム及び外側筒状フイルムからなる多重筒状フイルムであることが好ましい。
なお、前記筒状フイルムを平坦な作業台上に拡げて、前記一端部から他端部に向けて押圧ローラを前記筒状フイルムに転接させたり、前記一端部から巻取りローラに前記筒状フイルムに巻き付けたりして、前記エア抜き工程を行うことが好ましい。また、前記一端部から前記筒状フイルム内に吸引部材を挿入して吸引部材を引出しながらエアを吸引することにより、前記エア抜き工程を行うことが好ましい。そして、前記エア抜き後に前記内袋給排口に栓をすることが好ましい。また、前記内袋給排口を下にむけた状態で前記作業台に前記筒状フイルムを拡げたときに、前記内袋給排口が位置する作業台の部分に、内袋給排口を収納する収納凹部が形成されていることが好ましい。
本発明では、一端部溶着工程と内袋給排口取付工程とエア抜き工程と他端部溶着工程とを備え、筒状フイルムの一端部を溶着して幅方向に溶着ラインを形成し袋状に一端部を閉じ、前記筒状フイルムの一方の面に内袋給排口用の穴を形成し、この内袋給排口用穴に前記内袋給排口を溶着し、前記切断した筒状フイルムの他端部からエアを抜き、このエアが抜かれた筒状フイルムの他端部を溶着して幅方向に溶着ラインを形成し袋状に他端部を閉じることにより、輸送タンク内袋の製造において内袋本体にエアが入り込むことがなくなる。したがって、輸送物内にエアが混入したり、二重または多重の内袋本体の場合には、複数の内袋本体間(層間)にエアが入ることがなく、輸送物の充填により層間エアが圧迫されて内袋本体が破裂することがなくなる。
図1は20フィートのISOタンクコンテナ10を示しており、タンク本体11とこれを保持するフレーム12とから構成されている。タンク本体11の上部には、メンテナンスや液注入などを行うためのハッチ13が形成されており、このハッチ13は蓋14によって覆われて、輸送時には蓋14が開くことがないように、ロック部材によってロックされている。また、タンク本体11の一端下部にはタンク給排口15が形成されており、このタンク給排口15のフランジ15aを介して、フートバルブ16が固定されている。
タンク本体11内には、輸送タンク用内袋(以下、単に内袋という)20が装填される。この内袋20は、ハッチ13から作業者によってタンク本体11内に持ち込まれ、作業者によってタンク本体11にセットされる。そして、フートバルブ16を介してタンク給排口15から貨物としての液体が充填されることにより、タンク本体11内で内袋20が膨らみ、この内袋20がタンク本体11のライニングとして機能する。
図2(A)に示すように、内袋20は、封筒状に形成された内袋本体21と、前記タンク給排口15に嵌合する内袋給排口22とから構成されている。このように封筒状に内袋20を形成しているため、図3(A)に示すように、筒状フイルム23をロール状に巻き取ったフイルムロール24から、筒状フイルム23を引き出して、所定の長さに切断し、この切断した二つの筒状フイルム23a,23bの両端部23c〜23fを熱溶着などによって接合することにより、簡単に内袋本体21を形成することができる。
図2は、タンク本体11と内袋20との寸法の関係を示すもので、(A)はタンク本体11と内袋20との平面を、(B)はタンク本体11の長手方向縦断面と内袋20とを、(C)はタンク本体11の幅方向縦断面と内袋20とをそれぞれ示している。ここで、長手方向縦断面とは、(A)の平面図においてタンク本体11の長手方向に伸びる中心線CL1を含む縦断面(B−B矢視断面)をいい、幅方向縦断面とはタンク本体11の幅方向に伸びる中心線CL2を含む縦断面(C−C矢視断面)をいう。なお、CL3はタンク本体11の高さ方向に伸びる中心線を示している。
タンク本体11は横置きされて両端が閉じられた円筒体状に構成されており、内袋20は封筒状に構成されている。したがって、内袋20のサイズがタンク本体11に合わせた適正なサイズ範囲よりも小さい場合には、所定の充填容量を確保することができないばかりか、タンク本体11の内周面と内袋20の間に隙間が発生し、この隙間内を内袋20と充填した液とが移動することになって、内袋給排口22の溶着部分や、内袋20の両端部の溶着ラインで破損してしまうことがある。また、逆に内袋20のサイズがタンク本体に合わせた適正なサイズ範囲を超えて大きい場合には、原材料の無駄につながるだけでなく、内袋20の端部などの余剰部分が充填された液体の下方に位置してしまうと、この充填液の重みによって内袋20の端部が、液体が充填された内袋本体21とタンク本体11の内周面との間に挟まれてしまい、それ以上の液体の充填が不可能になってしまう。また、このまま液体の充填が続行される場合には、内袋20の内圧が高まって、破損してしまうことがある。
本実施形態では、タンク本体11のサイズを基準にして封筒型の内袋20のサイズをある一定範囲に規定することにより、上記のような液体の充填不良や、内袋20の破損などを防止している。内袋20の長さをIL、その幅をIW、タンク本体11の長手縦断面における内周長(第1内周長)をTLt、タンク本体11の幅方向縦断面における内周長(第2内周長)をTLrとしたときに、
0.47・TLt≦IL≦0.6・TLt、
0.47・TLr≦IW≦0.6・TLrとしている。
なお、前記IL,IWは、好ましくは、
0.49・TLt≦IL≦0.55・TLt、
0.49・TLr≦IW≦0.58・TLrである。
このようにタンク本体11の内周長を基準にして封筒型内袋20のサイズを規定しているため、タンク本体11の形状が円筒状に限られず、他の楕円形状やその他の形状であっても容易に適用が可能である。
内袋給排口22は、内袋20の一端部からL1=1750mm離れた位置で長手方向に伸びる中心線上またはその近傍に設けられる。このように、内袋20の幅IWを基準にしてL1を0.44・IW≦L1≦0.50・IWの範囲内に規定することにより、タンク本体11の一端下部に形成されたタンク給排口15を基準にして内袋20を取り付けても、タンク本体11と内袋20との長手方向での中心位置をほぼ一致させることができる。これにより、内袋20の両端部の余剰部分をほぼ均等にタンク本体11内で振り分けることができる。したがって、内袋20の端部の余剰部分がタンク本体11の片側で余って、タンク本体11と内袋20との間に挟まれてしまうことがなくなり、これに起因する液体の充填不良や内袋破損などがなくなる。
次に、本発明の内袋20の製造方法について説明する。図4に示すフローチャートのように、筒状フイルムの切断、筒状フイルムの二重化、内袋給排口取付穴の形成、内袋給排口の取り付け、筒状フイルムの一端部の溶着、エア抜き、筒状フイルムの他端部の溶着、位置決めマークの記録、内袋本体の折り畳み、梱包の各工程が順次に行われて、筒状フイルムから内袋が構成される。
図3(A)に示すように、筒状フイルムの切断工程では、フイルムロール24から筒状フイルム23を引き出して、作業台25上に載せて長さILで例えばカッタ26により切断する。筒状フイルム23は、LLDPE(直鎖状低密度ポリエチレン)から構成されており、ロール形態に巻き取り収納されている。本実施形態では、内袋本体21を二重化しているので、(B)に示すように、筒状フイルム23を長さILで2回切断し、二つの筒状フイルム23a,23bを形成する。本実施形態では20フィートタンクコンテナ用内袋であるので、上記の適正範囲に基づき輸送用タンクの第1内周長TLt≒15500mm、第2内周長TLr≒7100mmから、IL=8300mm、IW=3900mmとしている。なお、筒状フイルム23のフイルム単層の厚みは120μmであり、本実施形態では筒状フイルム23として2層となっているので、筒状フイルム23の全体厚みは240μmである。なお、フイルム厚みは80〜500μmの範囲が好ましく、特に好ましくは100〜300μmの範囲である。
図3(C)に示すように、筒状フイルム23a,23bの二重化工程では、一方の筒状フイルム23aに他方の筒状フイルム23bを被せて二重化する。次に、(D)に示すように、内袋給排口取付穴の穴あけ工程では、一方の端部23dからL1=1750mm離れた位置で幅方向中央に給排口に対応する穴27を開ける。この穴開け加工は、パンチやカッタなどを用いて行われ、上側の2層フイルムのみに対して行われる。
図5(E)に示すように内袋給排口22の取り付け工程では、開けられた穴27の周縁に対して内袋給排口22が熱溶着される。この熱溶着も上側の2層フイルムのみに対して行われる。内袋給排口22は、截頭円錐筒状の給排口本体22aと、これの両端部に取り付けられるフランジ22b,22cとから構成されており、例えばLLDPEで一体成形されている。下側のフランジは溶着用とされており、この溶着フランジ22bと内袋本体21とは図示しない熱溶着器によって熱溶着され、溶着ライン28,29が形成される。また、上側の取付フランジ22cはタンク給排口15(図6参照)にタンク内側から内袋給排口22を挿入したときに、タンク給排口15のフランジ15aの外側に出て、このフランジ15aに取付フランジ22cが密着する。
図6に示すように、タンク給排口15のフランジ15aには、内袋吸入防止部材30のフランジ30aや、フートバルブ16が取り付けられ、これにより、内袋給排口22はタンク給排口15に確実に取り付けられる。また、給排口本体22aは、タンク給排口15の内周面に沿うように形成されている。
図7(F)に示すように筒状フイルムの一端部の溶着工程では、二重化された筒状フイルム23a,23bの一端部23c,23eのフイルム4層が、熱溶着器33によって同時に熱溶着され一端部23c,23eが閉じられる。熱溶着器33は、受け台33aと溶着ヘッド33bとから構成されており、溶着ヘッド33bが下降して受け台33aとにより筒状フイルム端部23cを挟持した状態で熱が付与される。
図8(A)に示すように、熱溶着ライン35a,35bは、本実施形態では幅5mmの直線状であり、これらの熱溶着ライン35a,35bは隙間5〜10mmを設けて2条形成しているが、熱溶着ラインは1条や3条以上であってもよく、また、直線状に代えて波形などの溶着ラインとしてもよい。複条の熱溶着ラインの形成に際して、各溶着ラインは一括して形成してもよく、または片側ずつ順に形成してもよい。(A)は内側筒状フイルム23aと外側筒状フイルム23bとの端部23c,23eを4層状態で溶着したものであり、この場合には、熱溶着ライン35a,35bを一括して形成しても片側ずつ順に形成してもよい。(B)は内側の筒状フイルム23aの一端部23cのみを先ず溶着して熱溶着ライン36aを形成し、次に内側筒状フイルム23aの一端部23cと外側筒状フイルム23bの一端部23eとを、先の溶着ライン36aの外側で4層状態で一括して溶着して熱溶着ライン36bを形成している。また、(C)は、内側筒状フイルム23aを外側筒状フイルム23bに比べて少し短くしておき、それぞれの筒状フイルム23a,23bの端部23c,23eを二層状態で個別に熱溶着し、熱溶着ライン37a,37bを形成している。なお、熱溶着ラインは、全幅分を一括して溶着してもよく、また溶着ヘッド33bの長さが制限される場合には、溶着ヘッド33bの長さ分ずつ逐次溶着してもよい。熱溶着器33はヒートシール方式を採用しているが、筒状フイルムの両端部の接合は超音波溶着法やその他の溶着方法、あるいは接着剤で行ってもよく、さらには、溶着と接着とを併せて用いてもよい。
図7(G)に示すようにエア抜き工程では、筒状フイルム23a,23bの熱溶着した一端部23cから他端部23dに向けて巻取りローラ38を作業台25の上で転がしながら、巻取りローラ38に一端部23cから巻き付けていくことにより、二重化された内袋本体21のエア39が抜かれる。なお、他端部23d近くには内袋給排口22が突出して取り付けられているので、この部分を回避するように小さなローラが用いられて、内袋給排口22と他端部23dとの間のエアが抜かれる。エア抜き後は内袋給排口22にキャップ41が嵌め込まれて、空気の流入が阻止される。
図7(H)に示すように筒状フイルム23a,23bの他端部23d,23fの溶着工程では、エア抜きされた筒状フイルム23a,23bの他端部23d,23fが一端部23c,23eと同様に熱溶着器33で熱溶着され、図9(A)に示すように、内袋20が完成する。そして、内袋20には、長手方向に伸びる中心線に沿ってライン状の位置決めマーク45が油性インクなどで記録される。位置決めマーク45は本実施形態ではライン状であるが、これは位置決めすることができるものであればよく、形状やそのサイズなどは特に限定されない。内袋20の完成後は、内袋本体21が折り畳まれて、梱包袋40に収納される。なお、内袋完成後の折り畳み前に、内袋給排口のキャップ41を外して内袋給排口からエア吸引してもよく、この場合には内側筒状フイルム23a内の残存エアを抜き取られ、特に嫌気性液体を輸送する場合に好適なものとなる。
図9(A)に示すように、内袋本体21の折り畳みは、内袋給排口22を下に向けた状態で両側縁部21a,21bが長手方向に伸びる中心線(位置決めマーク45)に平行に、且つこの中心線に両側縁部21a,21bが近接するように、谷折り線21eに沿って谷折りされる。同様にしてこの谷折りした部分を再度長手方向に伸びる中心線に平行に且つこの中心線に谷折り線21eが近接するように谷折り線21fに沿って谷折りされ、二重に折り畳まれる。そして、(B)に示すように、谷折り線21e,21fで谷折りされた状態で内袋本体21の両端部21c,21dから前記内袋給排口22に向かって谷折り線21gに沿ってさらに複数回、谷折りされることにより、(C)に示すように、内袋本体21が小さく折り畳まれる。なお、谷折り線21gに沿って谷折りする代わりに、一端部から巻き取ってロール状に形成してもよい。そして、(D)に示すように、梱包袋40に収納される。このように谷折り線21e,21fに沿って二重に折り畳むことで、内袋本体21をコンパクトに収納することができる。なお、長手方向に伸びる中心線に平行に谷折りする回数は2回に限られず、1回または3回以上であってもよい。
このように内袋給排口22が外側になるように内袋本体21を折り畳むことにより、タンク給排口15に内袋給排口22を簡単にセットすることができる。また、谷折り線21gにより内袋本体21を谷折りすることにより、内袋給排口22をタンク給排口15にセットした状態で簡単に内袋本体21をタンク本体11の長手方向に容易に拡開することができる。しかも、内袋給排口22を下に向けた状態で各谷折り線21e,21fで谷折りにすることにより、内袋給排口22から液体を充填することで、充填された液体によって折り畳まれた内袋本体21が自然に拡開するようになる。
次に、内袋本体21のタンク本体11へのセット方法を説明する。作業者によってハッチ13から、梱包袋40に収納された状態で内袋20がタンク本体11内に持ち込まれて、梱包袋40から内袋20が取り出される。内袋20には、タンク本体11の長手方向に伸びる中心線CL1に対応するようにライン状の位置決めマーク45が記録されており、この位置決めマーク45をタンク本体11の長手方向に伸びる中心線CL1に合わせるようにして、タンク給排口15に内袋給排口22を挿入する。この挿入前には、タンク給排口15のフランジ15aからフートバルブ16が外されている。この挿入により、取付フランジ22cがタンク給排口15のフランジ15aに密着される。次に、谷折り線21gで折り畳まれた内袋本体21をタンク長手方向で展開する。次に、谷折り線21fで谷折りされた部分を展開して、タンク本体11内の取り付け作業を終了する。なお、谷折り線21eで谷折りされた両側縁部は折り畳まれた状態にしておく。この折り畳まれた状態の内袋本体21によりタンク本体11内の底部のほぼ全幅が覆われており、谷折り線21eでの谷折りを展開しても自重で再度折れてしまうからである。この後、図6に示すように、タンク給排口15に、タンク本体11の外側から内袋吸引防止部材30、フートバルブ16などが取り付けられる。
貨物としての液体は、タンク給排口15から充填される。この充填速度は例えば50リットル/minで行われる。内袋本体21はタンク本体11内で長手方向に拡げられているので、液体が円滑に内袋本体21内に充填され、この充填によって内袋本体21が膨らむ。そして、側縁部が谷折りされた状態でも液体の充填に伴い次第に折り畳み部分が拡がって、タンク本体11内で内袋本体21の端部が液体が充填された部分の内袋本体21の重みで内袋本体21とタンク本体11との間に挟み込まれることもなく、内袋本体21が円滑に液体の充填で膨らみ、約20トンの液体が収納される。
内袋本体21はエア抜き工程で内側筒状フイルム23aのみならず、内側筒状フイルム23aと外側筒状フイルム23bとの間の層間エアも排出されているため、内側筒状フイルム23a内に約20トンの液体が充填された状態になっても、内側筒状フイルム23aと外側筒状フイルム23bとの間に層間エアがないため、液体充填により層間エアが圧迫されて外側筒状フイルムが破裂することがなくなる。
また、本実施形態では、タンク本体11内で縦方向に拡げられて内袋本体21がセットされるが、内袋本体21はエア抜き工程で筒状フイルム23a,23b内のエアが抜かれており、しかも内袋給排口22にはキャップ41が嵌められて内袋本体21内にエアが入り込まないようになっているので、嫌気性液体にも対応が可能である。また、内袋本体21及び内袋給排口22を耐薬品性が高いLLDPEから構成しているため、タンク本体11の材質が制限されることがない。しかも、タンク内周面を、例えばポリテトラフルオロエチレンなどのフッ素樹脂でライニングする必要もなくなる。
タンク給排口15から内袋給排口22内に配置される内袋吸引防止部材30は、液体を排出する際に、残存液体が少なくなって内袋本体21が内袋給排口22近くに位置したときに、この近くに位置する内袋本体21を吸引して給排口22を閉塞してしまうことがないように、内袋本体21との間に通路を確保するものである。この内袋吸引防止部材30は、タンク本体11内に突出して配置される半球状先端部30bと、これに連続し、周面に複数の連通孔30cを有する筒部30dと、筒部30dの基部に設けられる取付フランジ30aとから一体的に構成されている。この半球状先端部30bの内袋本体21内への突出により内袋本体21が給排口22に密着してしまうことがなくなり、連通孔30cを介して内袋本体21内の残存液体が確実に排出される。
内袋本体21には、内袋給排口22の他に、タンク側のハッチに対応する位置で、図示しないエア抜きキャップや、エア抜き弁などを溶着してもよく、この場合には、内袋本体のセット作業や送液作業によってエアが入ってしまった場合に、これを簡単に抜くことができる。
内袋本体21は、LLDPEから構成したが、この他に、LDPE(低密度ポリエチレン)、OP(ニ軸延伸ポリプロピレン)や、その他の合成樹脂から構成してよい。また、内袋本体21を二重化したが、これに代えて、三重以上の多重化としてもよい。さらに、タンク本体を円筒状に構成したが、これに代えて、楕円筒状やその他の形状に構成したものに対しても本発明を実施することができる。また、本発明の内袋をタンクコンテナに用いたが、この他にタンクローリーなどのタンク用内袋として用いることもできる。
図10(A)は、エア抜き工程の別実施形態を示すもので、平坦な作業台50上で押圧ローラ51を内袋本体21の一端部21dから他端部21cに向けて転がしていくことにより、エア抜きを行う。このとき、作業台50に内袋本体21の内袋給排口22を下向きにして載せる。そして、内袋給排口22が位置する作業台50に内袋給排口収納用の丸孔52を形成しておく。これにより、内袋給排口22がエア抜きの際の障害物となることがなく、押圧ローラ51を内袋本体21の一端部21dから他端部21cに向けて移動させるだけで簡単にエア抜きが可能になる。
押圧ローラ51は、金属製ローラの他に、周面に発泡性合成樹脂をライニングしたローラを用いてもよく、この場合には、内袋本体21にハッチ13に対応する位置でエア抜き栓(図示せず)などを設けた場合に、これを乗り越えて押圧しても、発泡性合成樹脂の弾性変形によって他の部分のエアが確実に排出される。
また、作業台50と押圧ローラ51との組み合わせによるエア抜きに代えて、図10(B)に示す押圧ローラ対55によるもの、図10(C)に示す巻取りローラ60と押えローラ61とによるものなどによって、エアを排出してもよい。巻取りローラ60にはクランプ62が設けられており、クランプ62は内袋本体21の一端部21dを巻取りローラ60の周面に押圧してこれを挟持する。
上記各実施形態では、エア抜きを内袋本体21を拡げた状態で行ったが、図9(B)に示すように両側縁部21a,21bを位置決めマーク45に平行に谷折り線21eで折り畳んだ状態や、同(C)に示すようにさらに谷折り線21fで二重に折り畳んだ状態で、エア抜きを行ってもよい。この場合にはエア抜きを行った後に、他端部近くを拡げてこの部分を溶着して閉じる。エア抜きは図7(H)、図10に示す方法で行う。また、押圧部材によるエア排出に代えて、図9(C)に示すような谷折り線21gにより内袋本体21を一端部21dから他端部21cに折り畳んでゆくことによりエア抜きしてもよい。このように折り畳んだ状態でエア抜きを行ったり、折り畳むことでエア抜きを行ったりすることで、後の折り畳み工程が省略可能になる。なお、エア抜きの際の折り畳み状態は上記のものに限られず、単なる二つ折りやその他の折り畳み状態でエア抜きを行ってもよい。
上記実施形態では、内袋本体21を両面から押えることにより内蔵したエアを排出するようにしているが、これに代えて、図11に示すように、吸引孔65を多数有する吸引ヘッド66を内袋本体21内に挿入して、一端部21dから他端部21cに向けて吸引ヘッド66を移動することで、内袋本体21内のエアを排出してもよい。吸引ヘッド66には吸引チューブ67が連結されており、この吸引チューブ67は図示しない吸引ポンプに連結されている。なお、吸引ヘッド66の形状は特に限定されない。また、吸引ヘッド66を幅方向に配置する代わりに、多数の吸引孔を有する吸引チューブを用いて内袋本体21内のエアを吸引してもよい。なお、吸引により内袋本体21そのものが変形してしまうことがないように、作業台50に内袋本体21の一端部、または両端部、または4隅を押えるクランプ68を設けることが好ましい。さらには、吸引ヘッド66や吸引チューブを用いる代わりに、内袋給排口22に図示しない吸引パイプを接続して吸引することでエア抜きを行ってもよい。
図4において、内袋給排口取付穴の形成工程、及び内袋給排口の取付工程の後に、筒状フイルムの一端部の溶着工程を行っているが、これに代えて、筒状フイルムの一端部の溶着工程の後に、内袋給排口取付穴の形成工程、及び内袋給排口の取付工程を行ってもよい。
本発明の輸送タンク用内袋が用いられるタンクコンテナを示す正面図である。 タンク本体に適合する内袋サイズの説明図であり、(A)はタンク本体と内袋の平面を、(B)はタンク本体の長手方向縦断面を、(C)はタンク本体の幅方向縦断面をそれぞれ示している。 内袋の製造方法を示す概略の斜視図である。 内袋の製造方法を示すフローチャートである。 内袋の製造方法における給排口の溶着工程を示す斜視図である。 タンク給排口に内袋給排口を取り付けた状態を示す断面図である。 筒状フイルムの両端部の溶着工程と、エア抜き工程とを示す斜視図である。 内袋本体の溶着ラインを拡大して示す平面図であり、(A)は内側と外側の筒状フイルムを4層状態で一括して熱溶着した例を、(B)は内側筒状フイルムの端部のみを2層状態で熱溶着した後に、内側及び外側の筒状フイルムを4層状態で一括して熱溶着した例を、(C)は内側筒状フイルムと外側筒状フイルムとのそれぞれの端部を2層状態で熱溶着した例をそれぞれ示している。 内袋の折り畳み方法を示す説明図である。 エア抜き工程の別の実施形態を示す概略の正面図である。 吸引ヘッドを用いたエア抜き工程の別の実施形態を示す概略の正面図である。
符号の説明
10 タンクコンテナ
11 タンク本体
15 タンク給排口
16 フートバルブ
20 内袋
21 内袋本体
22 内袋給排口
23 筒状フイルム
30 内袋吸入防止部材
41 キャップ
50 作業台
51 押圧ローラ
55 押圧ローラ対
60 巻取りローラ
65 吸引ヘッド

Claims (7)

  1. 輸送タンクの内部に着脱自在に装着され、合成樹脂製の内袋本体と前記輸送タンクの下部に配置されたタンク給排口に嵌合される内袋給排口とを有する封筒型の輸送タンク内袋の製造方法において、
    筒状フイルムの一端部を溶着して幅方向に溶着ラインを形成し袋状に一端部を閉じる一端部溶着工程と、
    前記切断した筒状フイルムの一方の面に内袋給排口用の穴を形成し、この内袋給排口用穴に前記内袋給排口を溶着する内袋給排口取付工程と、
    前記切断した筒状フイルムの他端部からエアを抜くエア抜き工程と、
    前記エアが抜かれた筒状フイルムの他端部を溶着して幅方向に溶着ラインを形成し袋状に他端部を閉じる他端部溶着工程と
    を有することを特徴とする輸送タンク内袋の製造方法。
  2. 前記筒状フイルムは、内側筒状フイルム及び外側筒状フイルムからなる多重筒状フイルムであることを特徴とする請求項1記載の輸送タンク内袋の製造方法。
  3. 前記筒状フイルムを平坦な作業台上に拡げて、前記一端部から他端部に向けて押圧ローラを前記筒状フイルムに転接させて、前記エア抜き工程を行うことを特徴とする請求項1または2記載の輸送タンク内袋の製造方法。
  4. 前記筒状フイルムを平坦な作業台上に拡げて、前記一端部から巻取りローラに前記筒状フイルムに巻き付けて、前記エア抜き工程を行うことを特徴とする請求項1または2記載の輸送タンク内袋の製造方法。
  5. 前記一端部から前記筒状フイルム内に吸引部材を挿入して吸引部材を引出しながらエアを吸引することにより、前記エア抜き工程を行うことを特徴とする請求項1または2記載の輸送タンク内袋の製造方法。
  6. 前記エア抜き後に前記内袋給排口に栓をすることを特徴とする請求項1ないし5いずれか一つ記載の輸送タンク内袋の製造方法。
  7. 前記内袋給排口を下にむけた状態で前記作業台に前記筒状フイルムを拡げたときに、前記内袋給排口が位置する作業台の部分に、内袋給排口を収納する収納凹部が形成されていることを特徴とする請求項1ないし6いずれか一つ記載の輸送タンク内袋の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2022501276A (ja) * 2018-09-19 2022-01-06 マウザー−ヴェルケ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツングMauser−Werke GmbH パレットコンテナ

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