JP2005239060A - 内燃機関の変速装置 - Google Patents

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【課題】 入力軸と出力軸とに、互いに異なる変速比を構成する複数の歯車の組を設け、入力軸と出力軸とのどちらか一方に設けた歯車群を軸に固定し、他方の軸に設けた歯車群は軸に対して嵌装し、他方の軸において軸方向に移動して嵌装されている歯車群の中の1個を選択的に係止する係止手段を備え、ハンドルに設けられた回動操作部の回動を直線動に変換して上記係止手段を移動させる回動直線動変換手段を介して変速を行う内燃機関の変速装置において、車両ハンドルの回動操作部の大角度回動によって車両運転者の指に加わっていた負担を軽減する。
【解決手段】 係止手段を軸方向に間欠的に移動させる間欠送り機構を設け、同間欠送り機構は1段階分の間欠送りを発生させる度毎に回動しかつ1段階分の間欠送りが完了した時に元の位置に復帰する回動復帰手段を備える。多段階の変速を行う場合には、1段階の変速を行うための小角度回動操作を複数回繰り返す。
【選択図】 図4

Description

本発明は、自動二輪車に搭載される内燃機関の変速装置に関するものである。
図11は自動二輪車用内燃機関に一体的に構成されている従来の変速装置の断面図である。図示されていないクランク軸の下方に、クランク軸と平行に変速装置の入力軸021と出力軸022が設けてある。入力軸021は左クランクケース001と右クランクケース002によってそれぞれベアリングを介して回転可能に支持されている。出力軸022は左クランクケースカバー003と右クランクケース002によってそれぞれベアリングを介して回転可能に支持されている。上記入力軸021は1次減速歯車とクラッチとを介してクランク軸によって駆動される。上記出力軸022の左端には車輪(図示なし)が直接取付けてある。
入力軸021には4個の駆動歯車m1〜m4が直径寸法の順に設けられ、何れも入力軸に固定されている。これらは1速用駆動歯車〜4速用駆動歯車である。出力軸022には上記入力軸の4個の歯車m1〜m4に常時噛合う4個の従動歯車c1〜c4が、出力軸022に対して自由回転可能に遊嵌されている。これらは1速用従動歯車〜4速用従動歯車である。
歯車c1〜c4が遊嵌されている出力軸022の大径部022aの中心部には、一端が開放された中心孔030が穿設され、その周囲の厚肉筒状部031には、中心孔030と厚肉筒状部031の外周部とを連通する4本の軸方向スリット032が円周方向に均等間隔に削設されている。上記中心孔030と4本のスリット032によって十字断面のスリットが形成されている。
出力軸022の大径部022aに嵌装されている歯車c1〜c4の中央貫通孔はいずれも同形の凹凸状に形成されている。内方へ向かう複数の突起k1〜k4が後述の十字形ポール036が係合する係合部033であり、その各内端が、上記出力軸大径部022aの外周に当接し円周方向に摺動する摺動部033aである。係合部の無い部分knは十字形ポール036のニュートラル位置である。上記隣合う係合部033に挟まれた凹部は、後述の十字形ポールの先端が軸方向に移動するための空間となるポール先端移動空間034である。
上記中心孔030と軸方向スリット032とからなる十字断面スリットには、ポール連結軸035とその先端に取付けられた十字形ポール(pawl、歯車回転係止爪)036が、軸方向摺動可能に装着されている(例えば、特許文献1参照。)。ポール連結軸035と中心孔030の間の空間にガイドパイプ037が装着されている。ガイドパイプ037はポール連結軸035及び十字形ポール036とともに軸方向に摺動する。運転者が、後述の回動直線動変換装置050を介して上記ポール連結軸035を動かし、ポール連結軸035の先端に取付けられた十字形ポール036の先端を、歯車c1〜c4の何れか1個の係合部033に係合させ、その歯車の出力軸022に対する自由回転を係止すると、その歯車が選択されたことになる。これによって、出力軸022に係止された歯車と、それに噛合う入力軸021側の固定歯車との歯数比に応じた変速がなされ、クランク軸の回転が入力軸021を経て出力軸022に伝達され、車輪が駆動される。ガイドパイプ037の外周の一部には凹凸部056が形成してある。この凹凸部056に大径部022aから鋼ボール057がコイルばね058によって付勢され押し付けられている。これは、十字形ポール036が各変速段の正常な位置へ収まるように付勢する装置である。
図11の右端部に回動直線動変換装置050が示してある。この装置は、右クランクケース002と回動直線動変換装置カバー051との間に設けてある。回動直線動変換装置カバー051の中心部に同カバーに回動可能に支持された中心軸052が有る。この中心軸052に、腕部材053が固定され、同腕部材053の先端には、ポール連結軸035に接触して摺動する係合片054が支持軸055を介して回動可能に取付けてある。上記中心軸052にはプーリ080が固定され、同プーリ080には、その円形溝の周に沿って、アップ側ワイヤー071とダウン側ワイヤー072とが装着され、各ワイヤの一端はプーリ080に固定されている。アップ側ワイヤー071、ダウン側ワイヤー072の他端は、車両のハンドルに取付けられている回動操作部(図示なし)に連結されている。
上記装置において、1速ギヤからトップギヤ(本例では4速)への変速を行おうとすると、車両のハンドルに取付けられている回動操作部を大きく回動させる必要が有った。
特公平5−70747号公報。
従来の変速装置においては、1速ギヤからトップギヤへの変速を行おうとすると、車両のハンドルに取付けられている回動操作部に大角度の回動をさせる必要が有り、このため車両運転者の指に無理な負担を掛けていた。本発明は車両運転者の指に無理な負担を掛けないようにするために、例えば1速ギヤから5速ギヤへの4段階の変速を行う場合には、1段階の変速を行うための小角度の回動操作を4回繰り返すことによって1速ギヤから5速ギヤへの変速を可能にする手段を提供する。
本発明は上記課題を解決したものであって、請求項1に記載の発明は、入力軸と、これに平行に出力軸を設け、上記両軸に互いに異なる変速比を構成する複数の歯車の組を設け、上記入力軸と出力軸とのどちらか一方に設けた歯車群を軸に固定し、他方の軸に設けた歯車群は軸に対して回転自在に嵌装し、上記他方の軸において軸方向に移動して上記他方の軸に嵌装されている歯車群の中の1個を選択的に係止する係止手段を備え、車両のハンドルに設けられた回動操作部の回動を直線動に変換して上記係止手段を軸方向に移動させる回動直線動変換手段を介して変速を行う内燃機関の変速装置において、上記回動直線動変換手段は、上記係止手段を軸方向に間欠的に移動させる間欠送り機構を備え、同間欠送り機構は1段階分の間欠送りを発生させる度毎に回動しかつ1段階分の間欠送りが完了した時に元の位置に復帰する回動復帰手段を備えていることを特徴とする内燃機関の変速装置に関するものである。
請求項2に記載の発明は、入力軸と、これに平行に出力軸を設け、上記両軸に互いに異なる変速比を構成する複数の歯車の組を設け、上記入力軸と出力軸とのどちらか一方に設けた歯車群を軸に固定し、他方の軸に設けた歯車群は軸に対して回転自在に嵌装し、上記他方の軸において軸方向に移動して上記他方の軸に嵌装されている歯車群の中の1個を選択的に係止する係止手段を備え、車両のハンドルに設けられた回動操作部の回動を直線動に変換して上記係止手段を軸方向に移動させる回動直線動変換手段を介して変速を行う内燃機関の変速装置において、上記回動直線動変換手段は、
(1)上記係止手段を直線的に移動させるために回動する腕部材。
(2)上記係止手段の1段階分の移動に対応する回動を上記腕部材に加えるために回動し1段階分の回動が終わった時上記腕部材を残して元の位置に復帰する回動復帰部材。
(3)上記腕部材と上記回動復帰部材との間に介装されたラチェット装置。
(4)車両のハンドルに設けられ上記係止手段の1段階分の移動に対応する回動が可能な回動操作部。
(5)上記回動操作部の回動を上記回動復帰部材に伝達する伝達部材。
を備えたことを特徴とする内燃機関の変速装置に関するものである。
本発明によって、車両のハンドルに取付けられている回動操作部で、小角度の回動操作を複数回繰り返すことによって多段階の変速が可能となる。
図1は本発明の一実施形態に係る自動二輪車用4ストロークサイクル内燃機関の各回転軸を含む断面展開図であり、断面を内燃機関の車載状態で上方から見た図である。図において、この内燃機関の外殻は左クランクケース1、右クランクケース2、左クランクケースカバー3、右クランクケースカバー4、シリンダブロック5、シリンダヘッド6、シリンダヘッドカバー7から構成されている。クランク軸8は左右の部分からなり、クランクピン9によって一体化されている。クランク軸8は、左クランクケース1と右クランクケース2によってそれぞれメインベアリング10、11を介して回転可能に支持されている。クランクピン9にはコンロッド12を介してピストン13が接続され、同ピストン13はシリンダブロック5の中でシリンダ軸線方向に往復運動をする。シリンダヘッド6の下面に燃焼室14が形成されている。シリンダヘッド6には点火プラグ15が装着され、その先端は上記燃焼室14に臨んでいる。シリンダヘッド6の中には動弁機構のカム軸16が回転可能に支持されている。
上記のように組立てられた内燃機関の左側部に、カム軸16の左端部空間からクランク軸8の左端部空間までを貫通するカムチェーン室17が設けてある。クランク軸8の左側部分に駆動スプロケット18が嵌着され、カム軸16の左端部には従動スプロケット19が固定され、この両スプロケットに、カムチェーン20が架け渡されている。これによって、クランク軸8の回転駆動力をカム軸16へ伝達し、同カム軸16に形成されたカムによって、シリンダヘッド6に配置されている吸排気弁を所定タイミングで駆動することができる。
クランク軸8の右端部にACG(交流発電機)40が設けてある。ACG40は右クランクケース2に固定されたステータ41と、クランク軸8に固定され、クランク軸8の回転に伴って、上記ステータの外周で回転するロータ42とから構成されている。上記ロータ42の右側面には遠心ファン43が固定され、ロータ42とともに回転する。右クランクケースカバー4に設けられた多数の空気取り入れ用小孔44から流入し、遠心ファン43で巻き起こされた空気流は、右クランクケースカバー4の内側を流通し、シリンダブロック5やシリンダヘッド6を冷却する。
クランク軸の下方に変速装置の入力軸21と出力軸22が設けてある。入力軸21は左クランクケース1と右クランクケース2によってそれぞれベアリングを介して回転可能に支持されている。出力軸22は左クランクケースカバー3と右クランクケース2によってそれぞれベアリングを介して回転可能に支持されている。クランク軸8の左端部には1次減速駆動歯車23が固定され、入力軸21の左端部には上記駆動歯車23にかみ合う1次減速従動歯車24が回転可能に設けてある。1次減速従動歯車24はクラッチ25のクラッチアウタ26に接続されている。同クラッチ25のクラッチインナ27は入力軸21に固定されている。出力軸22はこの内燃機関の出力軸であり、同出力軸22の左端には車輪28が直接取付けてある。
入力軸21には5個の駆動歯車M1〜M5が直径寸法の順に設けられ、何れも入力軸21に固定されている。これらは1速用駆動歯車〜5速用駆動歯車である。出力軸22には上記入力軸21の5個の歯車M1〜M5に常時噛合う5個の従動歯車C1〜C5が、出力軸22に対して自由回転可能に遊嵌されている。これらは1速用従動歯車〜5速用従動歯車である。
図2は、歯車C1〜C5が遊嵌されている出力軸22の大径部22aの拡大断面図である。中心部に一端が開放された中心孔30が穿設され、その周囲の厚肉筒状部31には、中心孔30と厚肉筒状部31の外周部とを連通する4本の軸方向スリット32が円周方向に均等間隔に削設されている。上記中心孔30と4本のスリット32によって十字断面のスリットが形成されている。
図3は、上記遊嵌歯車C1〜C5の代表例として歯車C1の、厚さ方向における中央部の断面を示したものである。歯車C1の中央貫通孔は凹凸状に形成されている。内方へ向かう複数の突起が後述の十字形ポールが係合する係合部33であり、その各内端が、上記出力軸大径部22aの外周に当接し円周方向に摺動する摺動部33aである。上記隣合う係合部33に挟まれた凹部は、後述のポールの先端が軸方向に移動するための空間となるポール先端移動空間34である。遊嵌歯車C2〜C5の中央貫通孔の内縁部形状は、上記歯車C1の内縁部形状と同じである。
上記中心孔30と軸方向スリット32とからなる十字断面スリットには、ポール連結軸35とその先端に取付けられた十字形ポール(pawl、歯車回転係止爪)36が、軸方向摺動可能に装着されている。運転者が、後述の回動直線動変換装置50を介して上記ポール連結軸35を動かし、ポール連結軸35の先端に取付けられた十字形ポール36の先端を、歯車C1〜C5の何れか1個の係合部33に係合させ、その歯車の出力軸22に対する自由回転を係止すると、その歯車は出力軸22に対して固定され、その歯車が選択されたことになる。この過程で出力軸22に固定された歯車Cxと、入力軸21側の固定歯車M1〜M5中の上記歯車Cxに噛合う固定歯車Mxとの歯数比に応じた変速がなされ、クランク軸8の回転が入力軸21を経て出力軸22に伝達され、車輪28が駆動される。
図4は、上記大径部22aに装着されている歯車群C1〜C5と、これに連なる回動直線動変換装置50の図である。図5は図4のV−V断面図である。まず、図4の左半部において、前述のように、出力軸22の大径部22aには5個の従動歯車C1〜C5が遊嵌されている。これは、それぞれ1速用従動歯車〜5速用従動歯車である。各歯車の内側には、C1〜C5に対応してK1〜K5の係合部33が設けてある。1速用従動歯車C1には、係合部33が存在しないニュートラル部Knが設けてある。図4と図5において、中心孔30と軸方向スリット32とからなる十字断面スリットには、ポール連結軸35とその先端に取付けられた十字形ポール36が、軸方向摺動可能に装着されている。ポール連結軸35と中心孔30内面との間には、ガイドパイプ37が装着されている。ガイドパイプ37はポール連結軸35と共に軸方向に移動するものである。運転者が、回動直線動変換装置50を介して上記ポール連結軸35を軸方向に移動させ、十字形ポール36の先端を、歯車C1〜C5の何れか1個の歯車の係合部K1〜K5に係合させ、その歯車の出力軸22に対する自由回転を係止すると、その歯車に噛合う入力軸21側の固定歯車との歯数比に応じた変速(1速〜5速)がなされる。ポールがKnの位置にあるときはニュートラル状態である。図4はニュートラル状態を示している。
図6は図4の右半部に示した回動直線動変換装置50の断面図であり、主として図4のVI−VI断面を描いた図である。部材によっては、その形状を明確に示すために、上記VI−VI断面以外の断面を示したものもある。この装置は、右クランクケース2と回動直線動変換装置カバー51との間に設けてある。
回動直線動変換装置カバー51の中心部に同カバーに回動可能に支持された中心軸52が有る。図4では最も奥側、図6では右部において、この中心軸52に腕部材53が固定されている。図4の最も手前側、図6の左端部において、上記中心軸52にラチェット59が固定されている。したがって、ラチェット59が回動すれば、中心軸52を介して、腕部材53が回動する。腕部材53の先端には、ポール連結軸35に接触して摺動する係合片54が支持軸55を介して回動可能に取付けてある。腕部材53の下部は扇状に広がり、その周囲に凹凸部56が形成してある。この凹凸部に回動直線動変換装置カバー51の側から、鋼ボール57がコイルばね58によって付勢され押し付けられている。これは、十字形ポール36が各変速段の正常な位置(各歯車の係合部33の軸方向中央位置)へ収まるように付勢する装置である。
図4の上記ラチェットの後方において、上記中心軸52に、シフトプレート60が回転可能に装着してある。シフトプレート60の上半部には、大きい貫通孔61が設けてあり、後方にある回動直線動変換装置カバー51から突出したストッパボス62が上記貫通孔61を貫通して、シフトプレート60の手前側へ突出している。シフトプレート60には、上記貫通孔61の周囲の一部を手前側へ折り曲げて係合突起63が形成してある。上記ラチェット59とシフトプレート60との間には、中心軸52にリターン用捩りコイルばね64が装着され、同コイルばね64の両端からそれぞれ延出した2本の脚は、上記ストッパボス62と係合突起63とを挟んでいる。
上記シフトプレート60の下部の左右に、それぞれ左側爪部材65、右側爪部材66が、支持軸67、68によって回動可能に取付けてある。各爪部材65、66は、上記ラチェット59に対向する側に爪65a、66aを備えている。上記各支持軸67、68にはそれぞれシフトプレート60と爪部材65、66との間に架け渡された捩りコイルばね69、70が装着され、操作時以外の時には、爪65a、66aが上記ラチェット59に接触しないよう付勢されている。左側爪部材65の外側端にはアップ側ワイヤー71の一端が、右側爪部材66の外側端にはダウン側ワイヤー72の一端が、それぞれ取付けてある。アップ側ワイヤー71、ダウン側ワイヤー72の他端は、車両のハンドルに取付けられている回動操作部に連結されている。
図4はニュートラル状態であり、十字形ポール36はニュートラル位置Knにある。変速は1段階づつ間欠的に行われる。十字形ポール36が1速係合部K1の位置に達した時、1速状態となる。図7はニュートラル状態から1速状態に至る中間状態、図8は1速状態に達した時における、回動直線動変換装置50の各部材の位置を示した図である。
次に、ニュートラル状態から1速状態に移行する1段階分の変速過程について述べる。
(1)図4のニュートラル状態において、運転者が車両のハンドルの回動操作部を操作して、アップ側ワイヤ71を引く。
(2)すると、左側爪部材65が捩りコイルばね69の付勢力に抗して回動し、爪65aがラチェット59の凹部に係合する。
(3)更にアップ側ワイヤ71を引くと、左側爪部材65は上方へ移動し、係合しているラチェット59を回動させる。
(4)上記ラチェット59は中心軸52を介して腕部材53につながっているので、腕部材53が回動を始める。
(5)腕部材53下部の凹凸部56の凹部に押しつけられていた鋼ボール58は凹凸部56の凸部に乗り上げ始める。
(6)左側爪部材65の支持軸67はシフトプレート60に立設されているので、左側爪部材65の上方移動に伴ってシフトプレート60は、上記ラチェット59や腕部材53と共に同じ角度だけ回動する。
(7)上記腕部材53の回動に伴って、その先端の係合片54に引っ張られて、ポール連結軸35、十字形ポール36、及びガイドパイプ37が軸方向に動く。
(8)腕部材53下部の凹凸部56の凸部を登っていた鋼ボール57は、頂上に達した後、下り始め、隣の凹部へ入る。
(9)シフトプレート60の回動が進行し、貫通孔61の内周の一縁がストッパボス62に当接すると、シフトプレート60等の回動が止まり、図7の状態となる。この時、リターン用捩りコイルばね64の両脚はストッパボス62と係合突起63とによって最大限に押し広げられている。
(10)この状態では、十字形ポール36は、歯車の1速係合位置K1 に掛かっているが、1速位置K1より僅かに進んだ位置にある。鋼ボール57も1速位置K1より僅かに進んだ位置にある。この状態で、アップ側ワイヤ71の張力を解放する。
(11)アップ側ワイヤ71の張力が解放されると、左側爪部材65の爪65aとラチェット59の凹部との係合が、左側爪部材65に掛かっている捩りコイルばね69の付勢力によって解除される。
(12)更にアップ側ワイヤ71の張力の解放が進むと、ストッパボス62とシフトプレート60の係合突起63との間で弾性力を生じているリターン用捩りコイルばね64の作用によって、シフトプレート60と、これに立設されている爪部材65、66等は元の位置へ戻る。
(13)この時、爪部材65の爪65aとラチェット59の凹部との係合は既に解除されているので、爪部材65がもとの位置へ戻っても、ラチェット59及び腕部材53は連動せず、回動した位置に留まる。
(14)鋼ボール57が腕部材53の凹凸部56の1速に対応する凹部の最奥部へ押しつけられるので、腕部材53、ポール連結軸35、十字形ポール36、及びガイドパイプ37は僅かに後退して、1速の正常な位置に落ち着く。図8は、上記1段階分の変速過程によって到達した1速状態である。
以上にニュートラル状態から1速状態に移行する1段階分の増速過程について述べたが、他の増速過程も同様である。これらの1段階づつの増速を複数回繰り返すことによって、例えば5速状態のような高速状態に達することが出来る。減速過程は、運転者が車両のハンドルの回動操作部を操作して、ダウン側ワイヤ72を引くことによって同様に1段階づつの減速が行われる。上記変速装置の特徴は、ワイヤー71、72、爪部材65、66、シフトプレート60等からなる腕部材駆動機構が、1段階の変速を行う都度、元の位置に復帰することである。
図9は3速における回動直線動変換装置50の各部材の位置、図10は5速における回動直線動変換装置50の各部材の位置を示した図である。1速における回動直線動変換装置50の各部材の位置は、図8に示してあるので、2速と4速における各部材の位置は、これらの図に示した各部材の位置から容易に推測可能であるから図示省略した。図9、図10ではシフトプレート60、爪部材65、66等は元の位置(変速操作をしていない時の位置)にあり、図4、図8における位置と同じであるから、一点鎖線で外形のみの簡易表示をしてある。リターン用捩りコイルばね64も元の位置にあるので図示省略してある。
以上詳述したように、本実施形態では、車両のハンドルに取付けられている回動操作部で、小角度の回動操作を複数回繰り返すことによって多段階の変速が可能となる。
本発明の一実施形態に係る自動二輪車用4ストロークサイクル内燃機関の各回転軸を含む断面展開図である。 出力軸22の大径部22aの拡大断面図である。 歯車C1の、厚さ方向における中央部の断面図である。 歯車群C1〜C5と、これに連なる回動直線動変換装置50の図であり、ニュートラル状態を示している。 図4のV−V断面図である。 図4の右半部に示した回動直線動変換装置50の断面図であり、主として図4のVI−VI断面を描いた図である。 ニュートラル状態から1速状態に至る中間状態における回動直線動変換装置50の各部材の位置を示した図である。 1速状態に達した時の回動直線動変換装置の図である。 3速における回動直線動変換装置50の各部材の位置を示した図である。 5速における回動直線動変換装置50の各部材の位置を示した図である。 従来の変速装置の断面図である。
符号の説明
M1、M2、M3、M4、M5…駆動歯車、Mx…係止された従動歯車Cxに噛合う駆動歯車、C1、C2、C3、C4、C5…従動歯車、Cx…従動歯車のうちの係止された歯車、Kn…ニュートラルのポール位置、K1、K2、K3、K4、K5…1速〜5速のポール位置、1…左クランクケース、2…右クランクケース、3…左クランクケースカバー、4…右クランクケースカバー、5…シリンダブロック、6…シリンダヘッド、7…シリンダヘッドカバー、8…クランク軸、9…クランクピン、10…メインベアリング、11…メインベアリング、12…コンロッド、13…ピストン、14…燃焼室、15…点火プラグ、16…カム軸、17…カムチェーン室、18…駆動スプロケット、19…従動スプロケット、20…カムチェーン、21…変速装置の入力軸、22…出力軸、22a…出力軸の大径部、23…1次減速駆動歯車、24…1次減速従動歯車、25…クラッチ、26…クラッチアウタ、27…クラッチインナ、28…車輪、30…中心孔、31…厚肉筒状部、32…軸方向スリット、33…係合部、33a…摺動部、34…ポール先端移動空間、35…ポール連結軸、36…十字形ポール、37…ガイドパイプ、40…ACG(交流発電機)、41…ステータ、42…ロータ、43…遠心ファン、44…空気取り入れ用小孔、50…回動直線動変換装置、51…回動直線動変換装置カバー、52…中心軸、53…腕部材、54…係合片、55…支持軸、56…凹凸部、57…鋼ボール、58…コイルばね、59…ラチェット、60…シフトプレート、61…貫通孔、62…ストッパボス、63…係合突起、64…リターン用捩りコイルばね、65…左側爪部材、65a…爪、66…右側爪部材、66a…爪、67…支持軸、68…支持軸、69…捩りコイルばね、70…捩りコイルばね、71…アップ側ワイヤー、72…ダウン側ワイヤー、m1、m2、m3、m4…駆動歯車(従来例)、c1、c2、c3、c4…従動歯車(従来例)、kn…ニュートラルのポール位置(従来例)、k1、k2、k3、k4…1速〜4速のポール位置(従来例)、001…左クランクケース、002…右クランクケース、003…左クランクケースカバー、021…変速装置の入力軸、022…出力軸、022a…出力軸の大径部、030…中心孔、031…厚肉筒状部、032…軸方向スリット、033…係合部、033a…摺動部、034…ポール先端移動空間、035…ポール連結軸、036…十字形ポール、037…ガイドパイプ、050…回動直線動変換装置、051…回動直線動変換装置カバー、052…中心軸、053…腕部材、054…係合片、055…支持軸、056…凹凸部、057…鋼ボール、058…コイルばね、071…アップ側ワイヤー、072…ダウン側ワイヤー、080…プーリ

Claims (2)

  1. 入力軸と、これに平行に出力軸を設け、上記両軸に互いに異なる変速比を構成する複数の歯車の組を設け、上記入力軸と出力軸とのどちらか一方に設けた歯車群を軸に固定し、他方の軸に設けた歯車群は軸に対して回転自在に嵌装し、上記他方の軸において軸方向に移動して上記他方の軸に嵌装されている歯車群の中の1個を選択的に係止する係止手段を備え、車両のハンドルに設けられた回動操作部の回動を直線動に変換して上記係止手段を軸方向に移動させる回動直線動変換手段を介して変速を行う内燃機関の変速装置において、
    上記回動直線動変換手段は、上記係止手段を軸方向に間欠的に移動させる間欠送り機構を備え、同間欠送り機構は1段階分の間欠送りを発生させる度毎に回動しかつ1段階分の間欠送りが完了した時に元の位置に復帰する回動復帰手段を備えていることを特徴とする内燃機関の変速装置。
  2. 入力軸と、これに平行に出力軸を設け、上記両軸に互いに異なる変速比を構成する複数の歯車の組を設け、上記入力軸と出力軸とのどちらか一方に設けた歯車群を軸に固定し、他方の軸に設けた歯車群は軸に対して回転自在に嵌装し、上記他方の軸において軸方向に移動して上記他方の軸に嵌装されている歯車群の中の1個を選択的に係止する係止手段を備え、車両のハンドルに設けられた回動操作部の回動を直線動に変換して上記係止手段を軸方向に移動させる回動直線動変換手段を介して変速を行う内燃機関の変速装置において、
    上記回動直線動変換手段は、
    (1)上記係止手段を直線的に移動させるために回動する腕部材。
    (2)上記係止手段の1段階分の移動に対応する回動を上記腕部材に加えるために回動し1段階分の回動が終わった時上記腕部材を残して元の位置に復帰する回動復帰部材。
    (3)上記腕部材と上記回動復帰部材との間に介装されたラチェット装置。
    (4)車両のハンドルに設けられ上記係止手段の1段階分の移動に対応する回動が可能な回動操作部。
    (5)上記回動操作部の回動を上記回動復帰部材に伝達する伝達部材。
    を備えたことを特徴とする内燃機関の変速装置。
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