JP2005238215A - エアフィルタ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】
ジグザグ状に折り畳まれた濾紙の折り畳み空間に波形のセパレータを介挿したフィルタパックを、前記濾紙のジグザグ状の端部側に配置した平均繊維径1μm以下の超極微細ガラス繊維からなる密度20〜120kg/m3のシート状シール材を介してフィルタ枠に収容したことを特徴とする。
【選択図】 図1
Description
前記接着剤層は、耐熱性が要求されるために、シリコーン樹脂により構成されていた。このシリコーン樹脂製接着剤は、フィルタ使用時に、シロキサンガスを発生する。前記シロキサンガスは、親水性を撥水性に変える性質があり、また、粒子化することでフィルタ下流側にある物質に悪影響を与えるおそれがあった。
このため、シリコーン樹脂等の接着剤を用いない構造として、図5に示すように、ジグザグ状に折り畳まれた濾紙a及びセパレータbからなるフィルタパックcとフィルタ枠gとの間に、極細ガラス繊維製のシート状シール材fを設けるとともに、濾紙aのジグザグ状に折り畳まれた空間内の上下端部に極細ガラス繊維製の綿状のシール材d,eを嵌入することが提案されている。この構造では、極細ガラス繊維製の綿状のシール材が低密度であるために、これをフィルタ枠gとフィルタパックcとで押圧挟持することにより、シール性のバラツキが生じやすくなる問題を改善し、前後端部にシリコーン樹脂等の接着剤を用いなくてもシール性を確保することができるものである。
ところが、極細ガラス繊維製の綿状シール材d,eの嵌入作業が手作業となり、作業性が悪くエアフィルタの生産効率が低下し、エアフィルタのコスト高につながる問題がある。
しかしながら、特許文献2の無機系接着剤は、非常に高価であるという問題があり、更なる改善が望まれていた。
また、請求項2に記載のエアフィルタは、請求項1に記載のエアフィルタにおいて、前記フィルタパックの中間領域に位置する少なくとも1枚の前記セパレータの代わりに剛性板を介挿し、前記剛性板の上下端部を前記超極微細ガラス繊維のシート状シール材を介してフィルタ枠に当接させるとともに、隣接する前記各セパレータの稜線同士が前記濾紙を介して互いに交叉するようにして配置したことを特徴とする。
また、請求項3に記載のエアフィルタは、請求項2に記載のエアフィルタにおいて、前記剛性板を介挿した濾紙の折り畳み空間のジグザグ状の端部に、超極細ガラス繊維のシール材を埋め込むようにしたことを特徴とする。
また、請求項4に記載のエアフィルタは、請求項1乃至3のいずれかに記載のエアフィルタにおいて、前記フィルタパックにおいて、前記濾紙の高さが、前記セパレータの高さよりも高いことを特徴とする。
また、請求項5に記載のエアフィルタは、前記フィルタ枠を、上下流側にリブが立設された断面コ字状の枠板から構成し、前記リブの先端部を、前記エアフィルタの内方に向かって折り曲げたことを特徴とする。
また、無機系接着剤を使用しないため、接着剤等を塗布のための時間を必要とせず、エアフィルタの製作時間を短くすることができる。また、高価な無機系接着剤の使用することなく、安価なエアフィルタを提供することができる。
また、超極微細ガラス繊維製のシール材をシート状に形成したため、シール作業性に優れる。また、ガラス原綿製のシール材と比べてシートの密度が高く、シート全面に亘って均一なシール性を確保できる。更に、超極微細ガラス繊維製のシート状シール材により、フィルタ枠が雰囲気温度により膨張収縮してフィルタパックが変形することを防ぐことができるため、フィルタパックとフィルタ枠との間のバイパスリークを良好に防止することができる。
また、シートを構成するガラス繊維が超極微細なため、フィルタパックと接する比表面積が大きくなりシール性が向上する。
また、超極微細ガラス繊維製のシート状シール材を、フィルタ枠に当接させるようにすれば、運搬時等にエアフィルタ自体が受ける衝撃を吸収して、フィルタパックを衝撃から保護し良好な状態を保持することができる。更に、使用中に高熱を受けてセパレータが上下方向に伸びても、その伸びを吸収することになるので、同様にフィルタパックが損傷を受けることを防ぐことができる。
更に、また、フィルタ枠中央部に位置するセパレータの代わりに剛性板を使用するとともに、隣接するセパレータの稜線を互いに交叉させるように配置するようにすれば、濾紙を両側から、セパレータの稜線の交叉部分において安定して挟持固定することができ、フィルタパックを長期に亘り良好な状態に維持することができる。更に、前記剛性板の上下端部に超極細ガラス繊維を詰め込むことで、剛性板の上下端部のシール性を向上させることができる。
また、フィルタパックにおいて、濾紙の高さを、セパレータの高さよりも高くすることにより、超極細ガラス繊維のシール材がフィルタパックの上下端部に食い込むことになり、超極細ガラス繊維のシール材とフィルタパックとの一体化を図ることができ、フィルタパックとフィルタ枠との間のバイパスリークを更に効果的に防止することができる。
また、フィルタ枠のリブを内側に折り曲げることで、超極細ガラス繊維のシート状シール材が外側から見えにくくなり見栄えを良くすることができる。
図1は、本発明のエアフィルタの正面図(a)及びそのA−A断面図(b)を示すものである。
図中1で示されるものは、フィルタ枠を示し、フィルタ枠1は、上下流側にリブ1aを立設した4枚の枠板から構成される。尚、リブ1aの先端部は、フィルタの内側に向かって折り曲げられている。2は、フィルタ枠1内に気密に収容したフィルタパックを示すものである。フィルタパック2は、有機系バインダにより無機質繊維同士を結合した無機質繊維製濾紙2aをジグザグ状に折り畳み、前記濾紙の折り畳み空間に介挿される波形のセパレータ2b、2b・・・とから構成される。
そして、本発明では、フィルタパック2とその外周のフィルタ枠1との間をシールするために、少なくとも、フィルタパック2のジグザグ状の端部側に、シール層4を設けてフィルタ枠1に収納するようにしている。このシール層4は、平均繊維径1μm以下の超極微細ガラス繊維を、密度20〜120kg/m3のシート状に形成したものである。
セパレータ2bとしては、特に制限するものではないが、アルミニウム、ステンレス金属箔を使用することが好ましい。
超極細ガラス繊維製のシート状シール材4としては、厚さ1〜4mm、目付80〜120g/m2、密度20〜120kg/m3の無機質繊維で構成したものを使用することができ、例えば、平均繊維径1μm以下の超極細ガラス繊維をバインダを用いることなく、紡糸・集綿したシート状に成形したものを使用できる。前記超極細ガラス繊維製のシート状シール材4の密度が120kg/m3超えると、フィルタ枠1やセパレータ2b等に使用される金属の伸びの吸収性が悪くなり、しかも、フィルタパック2の単位面積当たりの荷重が大きくなり、フィルタパック2を変形させるという問題があり、密度が20kg/m3未満であると、フィルタパック2を押さえる力が小さいためにリークを生じるという問題がある。また、平均繊維径が1μmを超えると、フィルタパック2のジグザグ状の端部の凹凸にうまくなじまないでシール性が不十分となる。
また、前記フィルタ枠1としては、特に制限するものではないが、アルミニウム、ステンレス、鋼板の金属を使用することが好ましい。
また、更に、剛性板5を介挿した濾紙2aの折り畳み空間のジグザグ状の端部に、超極細ガラス繊維のシール材4’を埋め込むようにすることが好ましい。
これにより、フィルタパックを長期に亘り良好、且つ、安定な状態に維持することができる。従って、高温で使用しても形状が安定しているので、フィルタパック2とシート状シール材層4との間に間隙を生じることがないためシール性を向上させることができる。尚、超極細ガラス繊維のシール材4’は、シート状、綿状、フェルト状のいずれであってもよいが、作業性の観点からシート状とすることが好ましい。
尚、前記剛性板5としては、ステンレス、アルミ等の鋼板、硬質合成樹脂板、木、合板等を使用することができる。これらの中でも、特に高温で使用することができる耐熱性、耐食性を有するステンレス鋼板が好ましい。
これにより、シート状シール材4がフィルタパック2の上下端部に食い込むことになり、シート状シール材4とフィルタパック2との一体化を図ることができ、フィルタパックとフィルタ枠との間のシール性を向上させることができるからである。尚、w1に対してw2は、数mm程度短くすることが好ましい。
本実施例1のエアフィルタは、前記図示したエアフィルタにおいて、そのシール層4を下記表1に示した構成のものとした。尚、従来例1〜3及び比較例1〜2のエアフィルタは、本実施例1のエアフィルタのシール層4に代え、下記表1に示す通りの構成とした。また、実施例1、従来例1〜3及び比較例1〜2のいずれにおいても、組立後のフィルタ寸法は、610mm×610mm×290mmの寸法とし、濾紙2a及びセパレータ2bは、同材料となるように条件を揃えた。
上記の構成の実施例1、従来例1〜3及び比較例1〜2のエアフィルタを作製し、これらのエアフィルタのシール剤使用量、発ガス性、エアフィルタの組立作業性を評価し、その結果を表2に示した。
尚、実施例1のエアフィルタについては、図2に示されるようにセパレータ2bとして交叉セパレータを使用し、剛性板5としてSUS304ステンレス鋼板を使用した。
また、発ガス量の評価としては、1台のエアフィルタからのシロキサンガス発生しなかったものを○、発生したものを×とした。
また、エアフィルタの組立作業性としては、実施例1の1台のエアフィルタの組み立てにかかる時間を100として、相対評価により100〜150を○、150超えを×とした。
また、エアフィルタのシール性としては、99.97%の濾過効率(粒径0.3μm)を達成するものを○、99.97%の濾過効率(粒径0.3μm)を達成しないものを×とした。尚、加熱試験は、各エアフィルタの雰囲気温度を、1時間で30〜250℃まで上昇させ、7時間250℃で維持し、4時間で250〜30℃まで下降させるという1サイクル(12時間)を、20サイクル繰り返して行った。
総合評価として、各評価項目の全てが○以上の評価の場合は○、いずれか1つの評価項目に×の評価がある場合は×として評価した。
また、実施例1のエアフィルタは、エアフィルタのシール性においても、クラックの発生や、フィルタ枠又はセパレータの金属伸びに濾材が追随できずにパイパスリークを発生する等の問題がなかったので、優れた捕集効率を得ることがわかった。特に、セパレータの稜線を互いに交叉させるとともに、剛性板を使用したことでシール性が優れることがわかった。
また、実施例1のエアフィルタは、エアフィルタの接着剤使用量において、従来例1、2に比べて優れ、発ガス量においても、従来例1に比べて優れることがわかった。
また、比較例1、2は、シート状シール材を構成するガラス繊維が実施例と比べて平均繊維径が大きいため、フィルタ枠及びフィルタパックとの密着性が低下してエアフィルタのシール性を低くしたものと考えられる。
また、フィルタの組立作業性としては、従来例4の1台のエアフィルタの製作にかかる時間を100として、相対評価により90〜110を○、110未満を×とした。
また、エアフィルタのシール性としては、室温でエアフィルタの捕集効率が99.97%(粒径0.3μm)以上を○、99.97%(粒径0.3μm)未満を×とした。
1a リブ
2 フィルタパック
2a 濾紙
2b セパレータ
4 超極細ガラス繊維製のシート状シール材
5 剛性板
Claims (5)
- ジグザグ状に折り畳まれた濾紙の折り畳み空間に波形のセパレータを介挿したフィルタパックを、前記濾紙のジグザグ状の端部側に配置した平均繊維径1μm以下の超極微細ガラス繊維からなる密度20〜120kg/m3のシート状シール材を介してフィルタ枠に収容したことを特徴とするエアフィルタ。
- 前記フィルタパックの中間領域に位置する少なくとも1枚の前記セパレータの代わりに剛性板を介挿し、前記剛性板の上下端部を前記超極微細ガラス繊維のシート状シール材を介してフィルタ枠に当接させるとともに、隣接する前記各セパレータの稜線同士が前記濾紙を介して互いに交叉するようにして配置したことを特徴とする請求項1に記載のエアフィルタ。
- 前記剛性板を介挿した濾紙の折り畳み空間のジグザグ状の端部に、超極細ガラス繊維のシール材を埋め込むようにしたことを特徴とする請求項2に記載のエアフィルタ。
- 前記フィルタパックにおいて、前記濾紙の高さが、前記セパレータの高さよりも高いことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のエアフィルタ。
- 前記フィルタ枠を、上下流側にリブが立設された断面コ字状の枠板から構成し、前記リブの先端部を、前記エアフィルタの内方に向かって折り曲げたことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のエアフィルタ。
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