JP2005237334A - 反復配列長の検出方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 本発明は、テロメアやSTR等の遺伝子上の反復配列長を、単一あるいは少数の細胞からでも簡便かつ正確に測定することを目的とする。
【解決手段】 上記課題を解決するために鋭意研究の結果、テロメア反復配列とこれに相補的な標識プローブとをハイブリダイズさせ、そのDNA一分子の動きの速度を検出することにより、迅速かつ高感度に反復配列を測定し得ることを見出した。すなわち、本発明は、反復配列長を検出するための方法であって、試料から染色体DNAを抽出し、1本鎖DNAを調製する工程と、1本鎖DNAの反復配列に相補的な配列を含み、かつ蛍光物質で標識した標識プローブを調製する工程と、1本鎖DNAと前記標識プローブを混合してハイブリダイゼーションさせる工程と、混合液に励起光を照射し、前記標識プローブの蛍光のゆらぎを検出する工程とを有することを特徴とする反復配列長の検出方法を提供する。
【選択図】図2

Description

本発明は、生物のテロメアやSTR等の反復配列長を検出する方法に関する。
従来、テロメア等の反復配列長の測定には、サザンハイブリダイゼ−ションが用いられてきた(非特許文献1)。また、テロメア配列特有のDNAプローブを使用した、定量的蛍光インサイチュウ・ハイブリダイゼーション法(FISH法)も、反復配列長の検出に使用されていた。(非特許文献2)。
その他、特許文献1では、染色体DNAにテロメア反復配列とそれに相補的な蛍光標識プローブとをハイブリダイズさせ、該ハイブリダイズしたDNAプローブの標識シグナルの総光量をルミノメーターで測定し、得られる測定結果からテロメアの長さを求める方法が開示されている。
しかし、サザンハイブリダイゼ−ションを用いる測定では、さらに煩瑣で熟練を要する実験手法が必要で正確な定量が困難であり、一連の操作に最低でも1日を要していた。
一方、FISH法は、個々の細胞のテロメアの状態が観察できるという利点があるが、観察の前に、分裂期(M期)の細胞から染色体を取り出して固定し、それをスライドグラスなどの支持体の上に展開する必要があり、熟練を必要とし、また少なくとも100個程度の細胞数が必要であった。
さらに、特許文献1の手法では、プローブとテロメアDNAとのハイブリダイゼーション後に、加水分試薬を添加して60℃で5〜10分間インキュベートする必要があり、計測までに手間がかかり、一連の操作に長時間を要していた。また、この方法は、試料全体における発光量(総光量)の測定に基づいているが、プローブとテロメアDNAのハイブリダイズの効率は、実験毎に必ずしも一定ではなく、テロメアが長いか否か等の相対的な測定は可能であるが、正確にテロメアの長さそのものを測定することは困難であった。
一方、1分子動態を観測するための手法の1つとして、FCS(Fluorescence Correlation Spectroscopy)を解析手法とする1分子蛍光分光分析法が挙げられる(非特許文献3)。これは、蛍光標識した標的分子の媒質中におけるゆらぎ運動を測定し、自己相関関数(Auto-correlation function)を用いることによって個々の標的分子の微小運動を正確に測定する技術である。この方法により、分子の数、大きさ等の物理量を算出することができる。
特開2001-95586号公報 特開2002-181813号公報 Tsuji Aら: Forensic Sci Int, 126(3):197-9, 2002 Miracco Cら: Br J Dermatol, 146(3):399-408m 2000 Oliver Meissner and Hanns Haberlein、"Biochemistry"、2003年、42巻、p.1667-1672
本発明は、テロメアやSTR等の遺伝子上の反復配列長を、単一あるいは少数の細胞からでも簡便かつ正確に測定することを目的とする。
上記課題を解決するために鋭意研究の結果、テロメア反復配列とこれに相補的な標識プローブとをハイブリダイズさせ、そのDNA一分子の動きの速度を検出することにより、迅速かつ高感度に反復配列を測定し得ることを見出した。すなわち、検体から抽出した染色体DNAと、該染色体の反復配列に相補的な配列を有する蛍光標識したオリゴヌクレオチドプローブをハイブリダイズさせ、そのハイブリダイズした標識プローブに由来するシグナルを蛍光相関分析装置によってFCS解析を行うことにより、反復配列長を溶液中で検出することができた。
すなわち、本発明は、反復配列長を検出するための方法であって、試料から染色体DNAを抽出し、1本鎖DNAを調製する工程と、1本鎖DNAの反復配列に相補的な配列を含み、かつ蛍光物質で標識した標識プローブを調製する工程と、1本鎖DNAと前記標識プローブを混合してハイブリダイゼーションさせる工程と、混合液に励起光を照射し、前記標識プローブの蛍光のゆらぎを検出する工程とを有することを特徴とする反復配列長の検出方法を提供する。
また、本発明は、上記方法において、1本鎖DNAと標識プローブがハイブリダイゼーションした試料からの蛍光の総光量を検出する工程と、検出した蛍光のゆらぎを蛍光相関分光解析を行う工程と、蛍光の総光量と蛍光相関分光解析の結果を比較する工程と、比較した結果に基づいてハイブリダイゼーション効率を補正する工程と、をさらに有するすることを特徴とする反復配列長の検出方法を提供する。
また、本発明は、染色体毎に特異的なテロメア近傍の塩基配列の相補配列を有するプライマーおよびテロメアの末端配列の相補配列を有するプライマーのプライマー対であって、該プライマー対の少なくとも一方が標識されたプライマーを使用して、テロメア近傍の塩基配列からテロメア領域までを増幅する工程と、増幅産物を1本鎖とする工程と、増幅産物を含む溶液に励起光を照射し、標識プライマーの蛍光のゆらぎを検出する工程とを有することを特徴とする反復配列長の検出方法を提供する。
さらに、本発明は、反復配列長がテロメアまたはSTRの反復配列である、上記反復配列長の検出方法を提供する。
さらに、本発明は、総光量の測定が、プレートリーダーまたは蛍光相関分光解析もしくは蛍光強度分布解析によって行われることを特徴とする、上記反復配列長の検出方法を提供する。
さらに、本発明は、標識されたオリゴヌクレオチドプローブが(CCCTAA)nで示される塩基配列を有することを特徴とする、上記反復配列長の検出方法を提供する。
さらに、本発明は、試料が、血液、培養細胞、新鮮組織、凍結保存組織、またはホルマリン固定組織である、上記反復配列長の検出方法を提供する。
本発明の方法によれば、細胞の老化度、あるいは癌化の程度、個体の識別や造血肝細胞移植等における生着の有無を簡便かつ高感度に検出することが可能となる。
本発明の方法は、まず試料から染色体DNAを抽出し、1本鎖とする。本明細書において「試料」の語は、生物個体から採取した細胞、組織、臓器、血液、血清、リンパ液、組織、毛髪および耳垢などの生物試料を所望に応じて調製した試料を含む。また、「試料」は必要に応じて、生物試料をホモジネートおよび抽出などの必要な任意の前処理を行って得た試料であってもよく、単離されていない膜分画に組み込まれた状態の分子の試料であってもよい。このような試料は、当業者であれば、対象となる試料に応じてによって容易に取得することができるであろう。本明細書において使用される「個体」の語は、ヒト、イヌ、ネコ、ウシ、ヤギ、ブタ、ヒツジ、及びサルを含む任意の哺乳動物、並びに植物および昆虫など哺乳動物以外の生物を含む。
染色体DNAの抽出は、当業者に既知の方法を使用して行えばよい。たとえば、市販のキット等を使用することもできる。調製した染色体DNAは、検出したい反復配列部位を含むように制限酵素等で予め短く切断しておくことが好ましい。たとえば、テロメア部位を含むDNA断片に切断しておけばよい。また、抽出した染色体DNAが少量である場合には、PCR法などの核酸増幅技術によって反復配列部位を増幅してDNA断片としておくことが好ましい。従って、本発明の染色体DNAには、被験者の組織、血液、細胞、体液等から抽出したゲノムDNA断片、または組織、血液、細胞、体液などから抽出したDNAを鋳型として適当なDNA領域のみをPCR法その他の核酸増幅法で増幅したDNA断片が含まれる。また、核酸増幅方法としては、PCR法、LAMP法、NASBA法、Tyras法などが挙げられる。たとえば、テロメア近傍には染色体毎に特異的な塩基配列を有する部位が存在するが、この部位に相補的なプライマーを使用してPCR法によってテロメア部分のDNA断片を増幅することができる。このように染色体毎に特異的な塩基配列を使用すれば、染色体毎に1本鎖核酸を調製することができ、テロメアの反復配列長を染色体毎に測定することができる。
次いで、PCR産物などの得られた染色体DNAを、1本鎖DNAに変性させる。変性は、たとえば94℃に加熱後、氷冷することによって行うことができる。
一方、反復配列にハイブリダイズ可能なプローブを作製する。本発明に使用するプローブは、反復配列部位の長さを検出するために反復配列の領域と相補的な塩基配列を有するプローブを使用すればよい。ハイブリダイゼーション効率を考慮すると、反復単位の2回分から10回分程度の長さを有し、12〜60塩基程度、好ましくは、18〜30塩基の長さであることが好ましい。このようなプローブは、当業者であれば容易に作成することができるであろう。たとえば、テロメアの反復配列長の検出のためには、(CCCTAA)nで示される塩基配列(n=3程度が好ましい)を有するを使用することができる。
プローブの蛍光標識は、当業者に既知のいずれの稽古を使用することもでき、検出しやすいものであれば特に限定されず、Rhodamin、Cy3、Cy5、GFP、TMR、TAMRA、Alexa647等といった一般的な蛍光物質を用いることができる。プローブに標識する蛍光物質は、また、標識には、種々の蛍光色素のほかに、蛍光ガラス粒子等も用いることもできる。また、上記工程において調製した染色体DNAを、各染色体に特異的な配列を有し、かつ予め蛍光物質を標識したプライマーを使用してPCR法によって増幅することもできる。蛍光物質を標識したプライマーを用いて、PCR法を実施すると、蛍光物質がラベルされたDNA断片がPCR増幅産物として生成されるが、増幅産物に蛍光標識が組み込まれているため、該増幅産物を直接以下の工程で解析することができる。
次いで、上記蛍光標識プローブを、染色体DNAを含む溶液と混合し、両者をハイブリダイズさせる。ハイブリダイゼーションに適した条件は、当業者であればプローブ配列および被検物質の反復配列等から、容易に見出すことができるであろう。
次いで、混合した溶液に励起光を照射し、蛍光のゆらぎを検出し、得られたデータを蛍光相関分光解析(FCS)して拡散速度を算出する。
検出に使用する光学系は、たとえば、蛍光検出のための検出器を有する通常の光学系であってもよい。蛍光物質を励起する光源は、レーザなどであってもよく、波長は紫外から可視、赤外までのどの波長であってもよい。励起光は、対物レンズを介して絞り込まれ試料に照射される。蛍光物質からの蛍光は、集光レンズによって集められ、ピンホールによってノイズを除去する。蛍光は、光学フィルターを透過することによって特定の波長の蛍光のみを取り出される。この蛍光を検出器によって検出し、信号解析を行う。検出した蛍光に基づいて蛍光相関分光法または蛍光強度分布解析を行う。検出された蛍光信号は、蛍光の明るさについて分布解析を行うことにより、1分子あたりの蛍光の明るさを情報として得ることができる。また蛍光信号について自己相関関数解析を行い共焦点領域に蛍光分子が滞在する時間(並進拡散時間)を算出することができる。これにより、分子サイズ、すなわち、反復配列長を測定することができる。蛍光物質の励起、蛍光の検出、およびFCS/FIDAによる解析に使用する装置は、市販の1分子蛍光分析システム、たとえばMS20/10S装置(オリンパス株式会社)を使用して行うことができる。
蛍光のゆらぎの測定は、測定結果にばらつきが少ないため、再現性よく測定することが可能となる。また、測定時間も1サンプルにつき数秒であるため、大量のサンプルを高速で測定することができる。更に、ハイブリダイズしたプローブとハイブリダイズせず遊離しているプローブを区別するために行われる洗浄などの物理的な分離操作(B/F分離)や加水分解を必要としないため、サンプル調整後から測定までの時間制限も必要としない効果も有する。
調製した染色体DNAを、テロメア近傍の塩基配列に対応した標識プライマーを使用してPCR法によって増幅した場合は、上記の通り増幅産物に蛍光標識が組み込まれているため、標識プローブとハイブリダイゼーションさせる工程を行うことなく、該増幅産物の蛍光のゆらぎを直接検出し、得られたデータを蛍光相関分光解析(FCS)して拡散速度を算出することができる。また、該プライマーに標識がなくても、これを1本鎖とした後に、別の標識プローブをハイブリダイズさせせて、蛍光のゆらぎを測定し、蛍光相互分光分析を行うと、各染色体毎のテロメアの長さを測定することが可能となる。
上記ハイブリダイゼーション工程におけるハイブリダイゼーション効率は、使用する染色体DNAの反復配列、蛍光標識プローブ、温度、バッファーの濃度やpH等の種々の実験条件で異なってしまう。したがって、従来のルミノメーターのように単にハイブリダイズしたプローブの総光量を測定するだけでは、ハイブリダイゼーションの効率によって、結果が大きく異なってきてしまう。しかし、本発明では、FCSにより拡散速度を算出し、そこから分子量を測定するので、蛍光標識されたプローブは、FCSで検出可能な程度にハイブリダイゼーションが起こっていれば良い。テロメアプローブが均等にハイブリしてない場合等のハイブリダイゼーション効率が低くても測定結果に影響を与えることはない。したがって、ハイブリダイゼーション効率かかわらず定量的な反復配列長を測定することができる。
さらに、上記方法において、1本鎖DNAにハイブリダイズした標識プローブからの総光量を測定する工程をさらに有することにより、ハイブリダイゼーション効率を算出することが可能となる。まず上記方法において調製した1本鎖DNAの量を予め測定しておく。測定は、たとえば吸光度などから算出することができる。次いで、上記工程に従って蛍光相関分光分析にて1本鎖分子量(すなわち、反復配列長)を測定すると共に、1本鎖DNAにハイブリダイズした標識プローブの総光量を検出する。検出した光量と反復配列長を比較することにより、ハイブリダイズ効率を算出することができる。例えば、温度とハイブリダイゼーション効率の関係を測定しておけば、総光量の測定のみで、反復配列の定量的な測定が可能となる(図2を参照されたい)。
上記総光量の測定方法は特に制限はないが、上記の温度ハイブリダイゼーション効率の関係等の検量線を作成する場合には、蛍光相関分光分析または蛍光強度分布解析が特に適している。これは、分子量と前記総光量の両方を蛍光のゆらぎデータを使って解析を行うことができるからである。一旦、検量線を作成すれば、蛍光測定のために種々の方法を適用することができる。プレートリーダーは、マイクロプレートを用いて非常に容易に、高速に測定ができるので特に好ましい。ただし、プレートリーダー等の汎用的な蛍光測定の場合には、単純に光量を測定してしまうと、検出対象の1本鎖DNAとハイブリダイズしている標識プローブと、ハイブリダイズしていない標識プローブからの光を分離して測定することが困難である。そこで、試料から抽出した染色体DNAを1本鎖にし、これを標識プライマーと混合してハイブリダイゼーションを行なった後、ハイブリダイズしている標識プローブと、ハイブリダイズしていない標識プローブを分離するステップを有することが好ましい。この分離操作には、種々の方法を用いることができるが、ゲルろ過、遠心カラム法による分離を行って、ハイブリダイズしている試料のみについて光量を測定することが好ましい。
本発明により、単一あるいはごく少数の細胞であってもテロメアやSTR等の反復配列長が簡便に測定でき、かつその後の細胞の解析が可能となる。テロメア長は、数十kbp〜数kbpまでの広がりをもつ。テロメアの反復配列では、以下のようにa)クローン動物の正常性の判定を行った場合に親個体のテロメアと比較して同等か、または短かいこと、b)早老症などの遺伝的老化疾患の細胞では同年齢の健常人に由来する体細胞から得たテロメア長と比較するテロメア長が短いこと、c)正常細胞(テロメア長が短い)と癌細胞(テロメア長の短縮が種々の段階で止まっているかあるいはテロメア構造が付加されている)ではテロメア長の差が大きく、仮に正常細胞が混在しておらず癌細胞のみの場合でも癌化の進行は個々の細胞によって異なるため、正常細胞のものと比較して細胞間のテロメア長の差が大きいことといった反復配列長の特徴が明らかとなっている。従って、テロメア長の反復配列の測定を、クローン動物実験での「正常性」の検査、老化関連遺伝性疾患の早期発見、および細胞の癌化の測定に応用することができる。
また、本発明を使用すれば、STRの測定において、個体の識別、造血肝細胞移植等における生着の有無等を簡便かつ高感度に検出することが可能となる。検体としては、たとえば血液、培養細胞、新鮮組織、凍結保存組織またはホルマリン固定組織である。
本発明を適用することにより、支持体を用いずにDNA断片の反復配列長の測定が行えるため、例えば、小容量の容器(386ウエルプレートの1ウエルなど)中の単一、または、極少数の細胞を被検体として測定が可能となる。したがって、高速に多数の被検体の反復配列長の測定を行うことが可能となる。
以下、本方法の実施態様の例を示す。
FCSで分子量を測定し、テロメア長を見積もる場合
1.検体からの染色体DNA調整
上皮性癌細胞のA431細胞からのDNAの精製は、キアゲン社製DNA抽出キットを使用して行う。
2.PCR
抽出したゲノムDNAの5ngをもとに、公知の技術であるMDA法にて増幅を行う。
3.一本鎖変性
増幅産物を94℃に加熱後、氷冷し一本鎖DNAに変性する。
4.ハイブリダイゼーション
一本鎖DNAに、TAMRAを標識プローブ(5’-CCCTAA CCCTAA CTCTGC TCGAC-3’)を200nMの溶液を混合し、53℃で30分間のハイブリダイゼーションを行う。プローブは合成によって作製する。
5.測定準備
0.05%のTween20−PBSで1/5に希釈した後、ガラスボトムプレートに入れる。
6.蛍光相関分析法による解析
ガラスボトムプレートに入れた試料を、蛍光相関分析法で543nmレーザー励起し、300μWで5秒間計測する。
7.解析
得られた総蛍光量からFCS解析を行い、サンプルの大きさを並進拡散時間より推測する。プローブの並進拡散時間は、たとえば400μsecであるとする。次いで、この値をもとに2峰性解析を行う。
8.結果
解析を行った試料のうち、テロメアサイズが5000μsecを超える値などが得られた場合、推定DNAの大きさは500〜1000bp以上であると考えられる。上記細胞は、経代数を経ている癌細胞であることから、テロメアは有限寿命細胞と異なり癌化という過程において一定の長さを保つように変化しているものと考えられる。
tk遺伝子内のマイクロサテライト解析を対象として、健常人の遺伝子を抽出しPCRにより増幅を行う。熱変性を行なって1本鎖とし、蛍光色素TMRを5’末端側に標識プローブ(aggga ggtgc ctggct aacgt gaccg ca)をハイブリダイズさせる。この溶液を、0.05% Tween20−PBSで希釈した後、ガラスボトムプレートに入れる。ガラスボトムプレートに入れた試料の温度調節を行いながら、543nmのレーザー光を照射し、蛍光のゆらぎを測定し、蛍光相関分光分析を行ない、拡散時間より反復配列長を算出する。また、溶液の温度と総光量も測定しておく。種々の温度における測定を行い、ハイブリダイゼーション効率と温度との関係の検量線を作成する。検量線は、各温度において、1本鎖DNAの1分子あたりにいくつのプローブが結合しているのかを計算することにより得られる。例として、図1のような検量線を得ることができる。
実施例2の検量線を用いて、プレートリーダーで配列長を測定する場合
実施例2と同様に膀胱がんのマーカーとなるマイクロサテライト領域を、PCRにより増幅を行う。熱変性を行なって1本鎖とし、蛍光色素TMRを5’末端側に標識したオリゴヌクレオチド(aggga ggtgc ctggct aacgt gaccg ca)をハイブリダイズする。これをゲルろ過し、ハイブリダイズしていない蛍光色素TMRを5’末端側に標識したオリゴヌクレオチドを除去した。ハイブリダイズした遺伝子のみを取り出し、0.05%Tween20−PBSで希釈した後、ガラスボトムプレートに入れる。このサンプルを、ARVO(パーキンエルマ− ジャパン社) で総蛍光量を測定する。ハイブリダイズしていない蛍光標識オリゴヌクレオチドを分離したときの溶液の温度を測定し、実施例2の検量線を用いて、ハイブリダイゼーション温度の効率を補正する反復配列長を算出した結果の例を表1に示す。
Figure 2005237334
実施例2および3は、解析対象の遺伝子を1本に変性した後に、蛍光標識オリゴヌクレオチドをハイブリダイズして検出を行なっている。この代わりに、解析対象の遺伝子を増幅するときに蛍光標識を取り込ませたものをサンプルとして検出し、解析を行うことも可能である。
テロメア近傍の特異的配列をプライマとして、PCRをかけ、染色体ごとのテロメア長を測定する場合
実施例1の検体を使用して、VYSIS社のTelVysion Telomere DNA Probesを用いてテロメア近傍サイトを蛍光標識する。1番染色体長腕部のテロメア近傍はSpectrum Orange標識のTelVysion Probe 1qを用い、2番染色体長腕部のテロメア近傍はSpectrum Green標識のTelVysion Probe 2qを用い、それぞれキットの手順書に従ってハイブリダイゼーションを行う。これを熱変性して1本鎖とし、蛍光色素TMRを5’末端側に標識したオリゴヌクレオチドのCCCTAA CCCTAA CTCTGC TCGACをハイブリダイズさせる。これを0.05% Tween20−PBSで希釈した後、ガラスボトムプレートに入れる。ガラスボトムプレートに入れたサンプルに543nmおよび633nmのレーザー光を照射し、蛍光のゆらぎを測定し、蛍光相互相関分光分析を行なう。
予想される結果の例として、543nm蛍光解析より求められた一番染色体テロメアサイズの大きさ(並進拡散時間 1647μsec)(図2)および633nm蛍光解析より求められた二番染色体テロメアサイズの大きさ(並進拡散時間 896μsec)(図3)の場合を図示してある。このような結果が得られた場合、1番染色体のテロメア長は300bp前後、2番染色体のテロメア長は150bp前後である。
上記の他、本発明は、ドナーと移植前後のレシピエントの遺伝子を比較することにより、造血幹細胞移植を行う前と移植を行なった後の移植の生着の有無の確認にも用いることができる。例えば、個人に特有の反復配列部の遺伝子を対象として、蛍光標識オリゴヌクレオチドをハイブリダイゼーションして、測定を行うと良い。ドナーと移植を行なった後に、ドナーとレシピエントの反復配列長は一致し、移植前後のレシピエントの反復配列長が異なったときに、移植が確実に生着していると判断することができる。
ハイブリダイゼーション効率と温度との関係の予想される検量線。 テロメアサイズの測定において予想される結果を示す図。 テロメアサイズの測定において予想される結果を示す図。

Claims (7)

  1. 反復配列長を検出するための方法であって、
    試料から染色体DNAを抽出し、1本鎖DNAを調製する工程と、
    前記1本鎖DNAの反復配列に相補的な配列を含み、かつ蛍光物質で標識した標識プローブを調製する工程と、
    前記1本鎖DNAと前記標識プローブを混合してハイブリダイゼーションさせる工程と、
    前記混合液に励起光を照射し、前記標識プローブの蛍光のゆらぎを検出する工程と、
    を有することを特徴とする反復配列長の検出方法。
  2. 請求項1に記載の方法において、前記1本鎖のDNAと前記標識プローブがハイブリダイゼーションした試料からの蛍光の総光量を検出する工程と、
    前記検出した蛍光のゆらぎを蛍光相関分光解析を行う工程と、
    前記蛍光の総光量と前記蛍光相関分光解析の結果を比較する工程と、
    前記比較した結果に基づいて前記ハイブリダイゼーションの効率を補正する工程と、
    をさらに有するすることを特徴とする反復配列長の検出方法。
  3. 染色体毎に特異的なテロメア近傍の塩基配列の相補配列を有するプライマーおよびテロメアの末端配列の相補配列を有するプライマーのプライマー対であって、該プライマー対の少なくとも一方が標識されたプライマーを使用して、前記テロメア近傍の塩基配列からテロメア領域までを増幅する工程と、
    前記増幅産物を1本鎖とする工程と、
    前記増幅産物を含む溶液に励起光を照射し、前記標識プライマーの蛍光のゆらぎを検出する工程と、
    を有することを特徴とする反復配列長の検出方法。
  4. 前記反復配列長がテロメアまたはSTRの反復配列である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の反復配列長の検出方法。
  5. 前記総光量の測定が、プレートリーダーによって行われ、または蛍光相関分光解析もしくは蛍光強度分布解析によって行われることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の反復配列長の検出方法。
  6. 前記標識プローブが(CCCTAA)nで示される塩基配列を有することを特徴とする請求項4に記載の反復配列長の検出方法。
  7. 前記試料が、血液、培養細胞、新鮮組織、凍結保存組織、またはホルマリン固定組織である、請求項1〜6のいずれか一項に記載の反復配列長の検出方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2007119779A1 (ja) 2006-04-14 2007-10-25 Nec Corporation 個体識別方法および装置

Cited By (1)

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WO2007119779A1 (ja) 2006-04-14 2007-10-25 Nec Corporation 個体識別方法および装置

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