JP2005236709A - 無線通信装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 超多値変調方式を採用した適応変調方式において送信電力制御によるエラーの発生を防止する無線通信装置を提供することを目的とする。
【解決手段】 適応変調方式を用いた無線通信装置であって、他の無線通信装置からの無線信号を受信して受信信号を出力する受信部2と、受信信号の伝搬路状況に基づいて最適な変調方式を決定し、目標変調方式情報として出力する回線品質判定部3と、目標変調方式情報に基づいて目標送信電力を決定し、所定の時間間隔毎に所定の増分量で送信電力が目標送信電力に近づくレベル設定値を決定し、送信電力が目標送信電力に達したときに目標変調方式情報に従って変調方式情報を出力する送信制御部4と、変調方式情報で指示された変調方式を用いて他の無線通信装置への送信信号を生成する送信部5と、レベル設定値に従って送信信号のレベルを調整する送信レベル調整部6とを備えた。
【選択図】 図1
【解決手段】 適応変調方式を用いた無線通信装置であって、他の無線通信装置からの無線信号を受信して受信信号を出力する受信部2と、受信信号の伝搬路状況に基づいて最適な変調方式を決定し、目標変調方式情報として出力する回線品質判定部3と、目標変調方式情報に基づいて目標送信電力を決定し、所定の時間間隔毎に所定の増分量で送信電力が目標送信電力に近づくレベル設定値を決定し、送信電力が目標送信電力に達したときに目標変調方式情報に従って変調方式情報を出力する送信制御部4と、変調方式情報で指示された変調方式を用いて他の無線通信装置への送信信号を生成する送信部5と、レベル設定値に従って送信信号のレベルを調整する送信レベル調整部6とを備えた。
【選択図】 図1
Description
本発明は、伝搬路状況に応じて変調方式を切り替える適応変調方式を用いるとともに、送信電力制御を行う無線通信装置に関するものである。
TDD(Time Division Duplex)通信における伝送効率の向上を目的として、受信信号から伝搬路状況を推定し、伝搬路状況に応じて変調多値数を変化させる適応変調方式(例えば、電子情報通信学会技術報告RCS94-64「シンボルレート、変調多値数可変適応変調方式の伝送特性解析」松岡他)が報告されている。
図8は、TDD通信の一例を示す図である。図8(a)は、TDD通信の構成の一例として、移動局80と基地局90の間でTDD通信を行う場合を示している。また、図8(b)は、TDD通信における同一周波数帯の使用状況の一例を示している。TDD通信は、上り回線ULの信号と下り回線DLの信号が時間を分けて同一の周波数帯を交互に使うため、各方向の通信信号は可逆性の原理により同じ伝搬路状況にある伝搬路を通ると見なせる。受信信号から測定した受信CNR(Carrier to Noise Power Ratio)等を伝搬路状況とし、伝搬路の可逆性を利用することにより、無線通信装置は受信結果をもとに次の送信タイミングにおける伝搬路状況を推定することができる。次に、基準となるBER(Bit Error Rate)を満足し、かつ最大伝送速度を得る最適な変調方式(BPSK,QPSK、16QAM,64QAM等)を、推定した伝搬路状況に基づいて選択し、選択した変調方式を用いた通信を行う。
図9は、適応変調方式を用いた無線通信装置の動作の一例を示す図である。横軸は時刻、縦軸は伝搬路状況と変調方式の変化を表す。また、伝搬路状況に示したしきい値L1はQPSKの所要CNR、しきい値L2は16QAMの所要CNRとして表すことができる。時刻t1以前のように伝搬路状況が良好でL2を超えている場合、無線通信装置は16QAMを用いて通信を行う。次に、時刻t1からt2までのように伝搬路状況がやや悪化してL2を下回った場合、無線通信装置は変調方式をQPSKに変更して通信を行う。次に、時刻t2からt3までのように伝搬路状況がさらに悪化してL1を下回った場合、無線通信装置は変調方式をBPSKに変更して通信を行う。次に、時刻t3からt4までのように伝搬路状況がやや改善してL1を超えた場合、無線通信装置は変調方式を再びQPSKに変更して通信を行う。次に、時刻t4以降のように伝搬路状況がさらに改善してL2を超えた場合、無線通信装置は変調方式を再び16QAMに変更して通信を行う。このように伝搬路状況に応じて変調方式を可変とすることにより伝送路での誤りを低減することができる。
なお、伝搬路状況に基づいて変調方式を切り替える無線通信装置として特許文献1が提案されている。
特開2002−290246号公報 (第5−8頁、第1図)
しかしながら、上述した適応変調方式を用いる無線通信装置においては、変調方式の変化とともに、基準となるBERを満たす所要CNRが変化するので、変調方式に対応した送信電力制御を行う必要がある。ここで、適応変調方式において256QAM、1024QAM等の超多値変調方式が採用されている場合、送信電力制御により瞬時に送信レベルを切り替えることによりエラーが発生してしまう問題がある。
また、このような無線通信装置においては、オーバーリーチによる他の無線回線への電波干渉の低減を目的として、必要最低限の送信電力で通信を行うための送信電力制御が行われている。ここで、オーバーリーチとは本来到達すべきでないノードまで電波が到達してしまう問題である。この送信電力制御により、変調方式を切り替えない場合であっても瞬時の送信レベルの切り替えにより超多値変調方式においてエラーが発生してしまう問題がある。
本発明は上述した問題点を解決するためになされたものであり、超多値変調方式を採用した適応変調方式において送信電力制御によるエラーの発生を防止する無線通信装置を提供することを目的とする。
上述した課題を解決するため、本発明に係る無線通信装置は、伝搬路状況に応じて変調方式を切り替える適応変調方式を用いた無線通信装置であって、他の無線通信装置からの無線信号を受信して受信信号を出力する受信部と、前記受信信号の伝搬路状況に基づいて最適な変調方式を決定し、目標変調方式情報として出力する回線品質判定部と、前記目標変調方式情報に基づいて目標送信電力を決定し、所定の時間間隔毎に所定の増分量で送信電力が目標送信電力に近づくレベル設定値を決定し、前記送信電力が前記目標送信電力に達したときに前記目標変調方式情報に従って変調方式情報を出力する送信制御部と、前記変調方式情報で指示された変調方式を用いて他の無線通信装置への送信信号を生成する送信部と、前記レベル設定値に従って前記送信信号のレベルを調整する送信レベル調整部とを備えたものである。
本発明によれば、送信電力の急激な変化を避け、緩やかな送信電力制御を行うことにより、256QAM、1024QAM等の超多値変調方式において、送信電力の変化に起因するエラーを低減することできる。
以下、本発明の実施例について図面を参照しつつ説明する。
まず、実施例1に係る無線通信装置の構成について説明する。図1は、実施例1に係る無線通信装置の構成の一例を示すブロック図である。図1に示すように、無線通信装置は、共用器1、受信部2、回線品質判定部3、送信制御部4、送信部5、送信レベル調整部6から構成される。
次に、実施例1に係る無線通信装置の動作について説明する。まず、送信時の動作について説明する。送信部5は、送信制御部4から設定された変調方式情報に応じて無線フレームを生成し、送信信号として送信レベル調整部6へ出力する。
図2は、無線フレームの構成の一例を示す図である。無線フレームFFは、制御情報シンボルCSと、データシンボルDSで構成される。制御情報シンボルには、ユニークワードシンボル(UWシンボル)、現在送信している変調方式を受信側の無線通信装置に通知するための変調方式情報シンボル(MODシンボル)、現在送信している信号の送信レベルを受信側の無線通信装置に通知するための送信レベル情報シンボル(TPCシンボル)が含まれている。
送信レベル調整部6では、送信制御部4から設定された送信電力で送信するように送信信号のレベルを調整し、共用器1から無線信号として外部の無線通信装置へ送信する。送信信号のレベルの調整方法としては、ディジタルデータである制御データを直接ディジタルアッテネータに設定して調整する方法や、ディジタルの制御データをD/Aコンバータでアナログの制御電圧に変換してアナログアッテネータやアンプのゲインを制御して調整する方法がある。
次に、受信時の動作について説明する。外部の無線通信装置からの無線信号は、共用器1で受信され、受信信号として受信部2へ出力される。受信部2は、受信信号の復号を行うとともに、適応変調に必要な回線品質情報を回線品質判定部3に通知する。回線品質判定部3では、受信部2から通知された回線品質情報を元に、最適な変調方式を決定し、目標変調方式情報として送信制御部4へ通知する。
変調方式を決定するための回線品質情報としては、例えば受信電界強度、等化誤差電力、受信CNR等がある。ここで、無線フレーム内にユニークワードシンボル等の既知のパターンが挿入され、受信部2が等化器を備えている場合には、既知のパターンと等化器の出力との誤差である等化誤差電力が得られる。さらに等化誤差電力から受信CNRが算出できる。図3は、受信CNRと等化誤差電力の関係を表すグラフである。この図によれば、例えば等化誤差電力が0.045dBのとき、受信CNRが30dBであると推定できる。
送信制御部4では、回線品質判定部3から通知された目標変調方式情報を監視する。目標変調方式情報が切り替わる場合には、所定のレベル設定時間間隔毎に所定の増分量で送信電力を決定し、送信レベル調整部6に通知する。このように送信電力を決定することにより、送信電力は、変調方式の切り替えを決定してからある時間を経て緩やかに目標送信電力へと変化する。送信制御部4は、予め記憶している変調方式の切り替えによる所要CNRの差を、切り替え前の送信電力に加算することにより目標送信電力を算出する。
図4は、変調方式毎のCNRとBERの関係を表すグラフである。ここでは、QPSK、16QAM、64QAM、256QAM、1024QAMの理論値を示しており、各変調方式においてBER=1E−6を満たすCNRを所要CNRとする。この図に従って変調方式の切り替えによる所要CNRの差を算出し、送信制御部4に記憶させておく。ここでは、説明のために理論値の所要CNRを用いたが、実際の無線通信装置を用いて測定した実測値の所要CNRを用いることが望ましい。
例として、現在の送信電力を30dBm、送信電力の増分量を1dBとし、変調方式がQPSKから16QAMに切り替わる場合について説明する。図4に示すように、QPSKから16QAMに切り替わる場合の所要CNRの変化量は8dBであることから、目標送信電力は38dBmとなる。送信制御部4は、所定のレベル設定時間間隔でレベル設定値を送信レベル調整部6へ通知する。このレベル設定時間間隔は、例えば1フレームとする。送信レベル調整部6は、レベル設定値に従って送信電力を調整する。この例において送信電力は、1フレーム毎に31dBm,32dBm,・・・38dBmと変化して目標送信電力に達する。送信電力が目標送信電力に達した時点で、送信制御部4は目標変調方式情報で指示された変調方式を変調方式情報として送信部5へ通知し、変調方式が切り替わる。
また、変調多値数が低く、レベル変動に耐性が強い変調方式(QPSKや16QAM)に切り替える際には、増分量1dBで送信電力を変化させるのではなく、増分量が数dBもしくは一気に目標送信電力まで変化させるように制御し、変調多値数が高い変調方式に切り替える際のみ、上述したように増分量1dBで送信電力を変化させるように制御してもよい。
次に変調方式と送信電力の制御の具体例について説明する。図5は、実施例1に係る無線通信装置における変調方式と送信電力の制御の一例を示す図である。ここでは、送信電力の増分量を1dB、送信電力設定時間間隔を1フレーム、現在の変調方式を64QAM、現在の受信CNRを30dBとする。また、送信制御部4が予め記憶している変調方式の切り替えによる所要CNRの差は、図4に従うものとする。
時刻t1において、受信CNRが改善したとすると、回線品質判定部3は最適な変調方式が256QAMであると判断し、目標変調方式情報として送信制御部4へ通知する。この時点では、まだ送信部5の変調方式は64QAMのままである。送信制御部4は、目標変調方式情報と図4の所要CNRの差をもとにして現在の送信電力から6dB増加させた送信電力を目標送信電力と決定する。送信制御部4は、1フレーム毎に増分量1dBを加算したレベル設定値を、送信電力が目標送信電力になるまで送信レベル調整部6へ通知することを繰り返す。6フレーム後の時刻t2において、時刻t1の送信電力から6dB増加した目標送信電力に達すると、送信制御部4は変調方式情報として256QAMを送信部5へ通知し、送信部5は変調方式を256QAMに切り替える。
時刻t3において、受信CNRが悪化したとすると、回線品質判定部3は最適な変調方式が64QAMであると判断し、目標変調方式情報として送信制御部4へ通知する。この時点では、まだ送信部5の変調方式は256QAMのままである。送信制御部4は、目標変調方式情報と図4の所要CNRの差をもとにして現在の送信電力から6dB減少させた送信電力を目標送信電力と決定する。送信制御部4は、1フレーム毎に増分量1dBを加算したレベル設定値を、送信電力が目標送信電力になるまで送信レベル調整部6へ通知することを繰り返す。6フレーム後の時刻t4において、時刻t3の送信電力から6dB減少した目標送信電力に達すると、送信制御部4は変調方式情報として64QAMを送信部5へ通知し、送信部5は変調方式を64QAMに切り替える。
図6は、実施例2に係る無線通信装置における変調方式と送信電力の制御の一例を示す図である。実施例2の無線通信装置の構成は実施例1と同様であるが、ここでは無線通信装置の誤差を考慮し、切り替え後の所要CNRに所定のマージンを加算した受信CNRを満足する送信電力を目標送信電力とする例について述べる。
この例では、64QAMから256QAMへ切り替える際のマージンを2dBとしており、所要CNRの差が6dBであることから、目標送信電力は現在の送信電力+8dBとなる。また、256QAMから64QAMへ切り替える際のマージンを1dBとしており、所要CNRの差が−6dBであることから、目標送信電力は現在の送信電力−5dBとなる。
図7は、実施例3に係る無線通信装置における変調方式と送信電力の制御の一例を示す図である。実施例3の無線通信装置の構成は実施例1と同様であり、変調方式の切り替えにより変調多値数が増加する場合の制御の方法も実施例1と同様であるが、ここでは変調多値数が減少する場合には直ちに送信部5の変調方式を切り替える例について述べる。
時刻t3までの制御は実施例1と同様である。時刻t3において、回線品質判定部3が最適な変調方式を256QAMから64QAMへ切り替え、目標変調方式情報として送信制御部4へ通知すると、送信制御部4は目標送信電力に向けて実施例1と同様のレベル設定値の制御を開始するとともに、直ちに変調方式情報として64QAMを送信部5へ通知し、送信部5は変調方式を64QAMに切り替える。これは、変調多値数が減少する場合、受信CNRはすでに切り替え後の所要CNRより高く、送信部5の変調方式を瞬時に切り替えても所要CNRを満たすことができるためである。
以上、実施例1から実施例3において説明したように、変調方式を切り替える際に、所定の小さい増分量と所定の時間間隔で送信電力を更新していくことにより、送信電力が瞬時に大きく変化することがないため、256QAM、1024QAMといった超多値変調方式においてエラーの発生を防止することができる。また、変調方式の切り替え時以外で、オーバーリーチによる他の無線通信への電波干渉を防ぐ目的で、常に必要最低限の送信電力で送信する送信電力制御を行っている場合においても、所定の小さい増分量をもって送信電力を制御することにより、超多値変調方式におけるエラーの発生を防止することができる。
1 共用器、2 受信部、3 回線品質判定部、4 送信制御部、5 送信部、6 送信レベル調整部。
Claims (1)
- 伝搬路状況に応じて変調方式を切り替える適応変調方式を用いた無線通信装置であって、
他の無線通信装置からの無線信号を受信して受信信号を出力する受信部と、
前記受信信号の伝搬路状況に基づいて最適な変調方式を決定し、目標変調方式情報として出力する回線品質判定部と、
前記目標変調方式情報に基づいて目標送信電力を決定し、所定の時間間隔毎に所定の増分量で送信電力が目標送信電力に近づくレベル設定値を決定し、前記送信電力が前記目標送信電力に達したときに前記目標変調方式情報に従って変調方式情報を出力する送信制御部と、
前記変調方式情報で指示された変調方式を用いて他の無線通信装置への送信信号を生成する送信部と、
前記レベル設定値に従って前記送信信号のレベルを調整する送信レベル調整部と、
を備えてなる無線通信装置。
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