JP2005235401A - 電気コネクタ - Google Patents

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安一 伊藤
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Abstract

【課題】 単純で安価な部材および加工法で、ピッチの異なるものや小ピッチのものが容易に製作できる両面接点型の電気コネクタの提供。
【解決手段】 横方向に連続V字状に折り曲げた弾性を有する帯状フィルム絶縁体の一方側のV字折り返し部の先端に、導電層2とその導電層2によって接続される上部接触面3aと下部接触面3bを形成し、各V字空間の一部に接着固化充填材を充填して成形して、各接触面3a、3bを電子部品の電極あるいは基板の電極と接触するようにコネクタ素子を形成して電気コネクタとする。また、前記の1つのコネクタ素子の導電層が形成されたV字部の先端側を、他のコネクタ素子の導電層が形成されていないV字の開口側に嵌合させて配列し、各コネクタ素子間の隙間の一部に接着固化充填材を充填して成形して、複数のコネクタ素子を配列した電気コネクタとする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、電子部品と基板の間あるいは基板と基板の間に挿入してそれぞれの電極の間を電気的に導通させる、両面接点を有する被挟持型の電気コネクタの技術分野に属する。
最近のパーソナルコンピュータや携帯電話器や多くの家庭用電子機器などでは、小型軽量化、高機能化並びにデジタル化などのために、数多くの電極を有する大規模集積回路(LSI)や小型の電子部品を基板に高密度に実装することが必要となり、また、高密度に電子部品が実装されて数多くの回路を有する基板同士を電気的に接続することが必要となっている。電子部品と基板の間および基板と基板の間を電気的に接続するには、両面に接点を有する電気コネクタが用いられており、電子部品および基板の電極の高密度化にともなって、この電気コネクタは接点が微小で高密度に配列されたものが必要となっている。
従来用いられてきた両面に接点を有する一般的な電気コネクタは、エラストマーなどの弾性を有する絶縁部材の中に細線導体を埋設して、突起状の接続電極とその電極と細線導体の端を接続するスルーホールとを印刷配線したフレキシブル基板をエラストマーの両表面に接着して、細線導体の端をスルーホールに挿入して半田付けなどで固着する構造である(例えば、特許文献1参照)。
特開2003−217707(図1)
最近の大規模集積回路(LSI)やそれを実装する基板の電極は、その数が数百にものぼり、その電極のピッチ(間隔)も0.5mm以下という細密なものとなっている。今後、LSIのますますの発展により、電極の数がさらに増して、電極のピッチもさらに細密なものとなって来て、電気コネクタも接点が微小で高密度に配列されたものが必要になってくる。
このような電極とピッチの細密化、高密度化が要求される電気コネクタにおいて、前述の従来の電気コネクタは、細線導体や接続電極を有するフレキシブル基板が微小で複雑な形状をしているために、これらを製作するには精度が高く精密な加工が必要となり、また、エラストマーの中に埋設する細線導体の配列も狭ピッチで高い精度が必要で、さらに、フレキシブル基板をエラストマーの面に接着して細線導体との接続を行なうという微細な作業が必要となる。
以上のような従来の電気コネクタは、部材の製作において微細加工が必要となるとともに、それらの組み立て工程においても特殊な冶具や技能が必要となり、極めて高価なものとなってしまう。また、ピッチが異なる電気コネクタを製作するには、部材あるいは組み立て冶具等の共通性が少ないために、それらをピッチが異なる電気コネクタ毎に専用に準備しなければならず高価なものになってしまう。このような従来の電気コネクタの不都合は、今後の電子部品や基板の狭ピッチ化の進展により、さらに増大することになる。
本発明が解決しようとする課題は、前述した従来の電気コネクタにおいて、微細で精密な部材と精密な組立工程を必要とし、また、ピッチが異なる電気コネクタ毎に専用に準備しなければならず極めて高価であるという問題と、将来の狭ピッチ化への対応も難しいという問題を解消して、安価でまた狭ピッチ化も容易に可能となる電気コネクタを提供することにある。
本発明の第1の構成は、弾性を有する帯状フィルム絶縁体が横方向連続V字状に折り曲げられた部材の一方側のV字折り返し部およびその周囲の表面に導電層が形成されたコネクタ素子の各V字空間に帯幅より小さい範囲で接着固化充填材が充填されていることを特徴とする電気コネクタである。
本発明の第2の構成は、複数の前記第1の構成のコネクタ素子が、1つのコネクタ素子のV字空間へ他のコネクタ素子のV字折り返し部を入れるようにして整列し各コネクタ素子間の隙間に帯幅より小さい範囲で接着固化充填材が充填されていることを特徴とする電気コネクタである。
発明の電気コネクタは、弾性を有する帯状フィルム絶縁体という単純でただ1種の部材を使用して、横方向連続V字形状に加工しV字折り返し部の1方側に導電層を形成して接着固化充填材をV字空間に充填するという極めて単純な製法によって作られたコネクタ素子を用いるもので、最小ピッチは弾性フィルムの厚さと折り返しV字角度の鋭さで決まってくるが、既存のフィルムを用いることができるとともに蛇腹様の構造であるため、1種類のコネクタ素子で種々ピッチのコネクタを製造することができるとともに、非常に小さいピッチも容易に得ることができる。
また、製造工程も、フィルムの折り曲げ導電層の形成、ピッチの設定、充填材の充填という単純な工程で製造可能であり、従来のような数多くの微細で精密な部材も精密な加工組立工程も必要としないため、狭ピッチのコネクタが極めて安価に製作でき、ピッチの異なる他種類のコネクタも極めて容易で安価に製作できるという効果がある。
本発明の電気コネクタは、コネクタの各接点と電子部品あるいは基板の電極との接触を保持するために電子部品あるいは基板に押圧を加えて接触させるもので、その押圧に対応できる弾性力を各コネクタ素子は有していなければならない。電極の小型化と狭ピッチ化を図りこの条件を満たすために、帯状フィルム絶縁体の厚さは極力薄くし、帯状フィルム絶縁体に用いる材質は薄くしても弾性力が得られる弾性の強いものが最良である。また、帯状フィルム絶縁体の幅は、部品の実装の高さを低くし接続する基板の間隔を狭めるために極力狭いものが望ましいが、前述の弾性力を得るために材質と厚さから必要最小限の幅に設定することが最良である。
図1は、本発明の電気コネクタの実施例を示す外観図である。
図1に示すように本発明の電気コネクタは、横方向に連続的にV字状に折り曲げて、その一方側のV字折り返し部に導電層2によって接続される上部接触面3aと下部接触面3bを有するコネクタ素子1を複数(図1では6列)配列したものである。なお、コネクタ素子1を配列せずに単独で電気コネクタとすることもできる。
図2は、本発明の電気コネクタの実施例のコネクタ素子の詳細構造を示す図である。
図2に示すようにコネクタ素子(部分)1aのV字折り返し部4には、導電層2と電気的に導電層2と接続された上部接触面3aと下部接触面3bが形成されている。矢印A方向に加えられた押圧によって、電子部品あるいは基板のパッド(電極)10aが上部接触面3aに接触し、基板のパッド(電極)10bが下部接触面3bに接触して、パッド(電極)10aとパッド(電極)10bとを電気的に導通を持たせるものである。
図3は、本発明のコネクタ素子の帯状フィルム絶縁体と帯状フィルム絶縁体を横方向連続V字状に折り返した形状の実施例を示す図である。
図3の(a)は、コネクタ素子の素材である弾性を有する帯状フィルム絶縁体6であり、(b)は、帯状フィルム絶縁体6を折り曲げて加工した横方向連続V字状部材7である。
図3の(c)は、V字折り返し部4aの先端とV字折り返し部4bの先端との間隔をpとして他の先端の全ての間隔も同様にpとなるようにし、また、V字折り返し部4aの先端とV字折り返し部4bの先端と他の全ての先端が直線状に並べられた状態として、V字空間5a、5b及び他の全てのV字空間に接着固化充填材を注入して全体を成形したものである。
図では、帯幅(高さ)より狭い範囲の注入であるため見えていない。この接着固化充填材の注入は、工程や材質の都合により、以下に述べる導電層の形成後に、行う場合もある。
なお、接着固化充填材は各V字空間の帯幅よりも小さい範囲で充填し、V字折り返し部の先端の各間隔がpで直線状に並んだ形状を保つとともに上下からの接触相手であるパッドの接触圧力に対して弾力性を持たせるようになっている。
図4は、本発明のコネクタ素子の導電層をメッキにより形成する場合の工程の実施例を示す図である。
図4のメッキ工程1に示すように、図3の(c)で示した接着固化充填材を各V字空間に充填して成形された横方向連続V字状部材7をメッキ液の液面と平行に設定する。続いて、メッキ工程2に示すように横方向連続V字状部材7の一方側のV字折り返し部の先端を液面に平行に保った状態のままでメッキ液に浸す。なお、メッキ液に浸す横方向連続V字状部材7の深さ寸法は正確に管理するものとする。その後、メッキ工程3に示すように横方向連続V字状部材7をメッキ液から引き上げて、V字折り返し部の先端およびその周囲に導電層2が形成されたコネクタ素子1が完成する。
図5は、本発明の電気コネクタを複数のコネクタ素子で組み立てる工程の実施例を示す図である。
図5に示すように、図3及び図4の工程で製作された1つのコネクタ素子1の導電層が形成されたV字折り返し部の先端を、他のコネクタ素子1の導電層が形成されていないV字空間に嵌合させて整列して、各コネクタ素子間の隙間に接着固化充填材を充填してそれぞれを固定することによって、電気コネクタ8を完成させる。なお、接着固化充填材で各コネクタ素子を固定する場合は、コネクタ素子1の成形のときと同様に、各V字空間の帯幅よりも小さい範囲で接着固化充填材を充填し固化させて各コネクタ素子が接触相手であるパッドの接触圧力に対して弾力性を持たせるようにする。
以上の実施例の説明の通り、ピッチpで配列された複数の電極を有する電気コネクタは、極めて単純でただ1種の帯状フィルム絶縁体を用いて単純な加工法によって極めて安価に製作することができる。また、ピッチpが異なった電気コネクタを製作する場合には、図3の(c)においてpを変更するだけで、部材である帯状フィルム絶縁体6や図4に示す導電層2を形成するメッキ工程などの加工法を変更する必要が全くなく、容易で安価に製作することができる。
図3、図4及び図5は、本発明のコネクタ素子と電気コネクタの実施例の構造とその製作工程を示したものであるが、これらは本発明の内容を理解し易くするために示したもので、本発明の電気コネクタはこれらの製作工程に限定されるものではない。また、上述の実施例の説明の中で、帯状フィルム絶縁体は、絶縁体の部材を帯状フィルムに成形したものとしているが、弾性を有する金属製の薄板に表面を絶縁処理したものであっても良い。さらに、導電層はメッキで形成しているが、メッキに限らず金属薄膜を施したものや導電性の塗料を塗布して形成したものであっても良い。
本発明の電気コネクタの実施例を示す外観図である。 本発明の電気コネクタの実施例における接触部の詳細を示す拡大図である。 本発明のコネクタ素子の帯状フィルム絶縁体と帯状フィルム絶縁体を横方向連続V字状に折り返した形状の実施例を示す図である。 本発明のコネクタ素子の導電層をメッキにより形成する場合の工程の実施例を示す図である。 本発明の電気コネクタを複数のコネクタ素子で組み立てる工程の実施例を示す図である。
符号の説明
1 コネクタ素子
1a コネクタ素子(部分)
2 導電層
3a 上部接触面
3b 下部接触面
4、4a、4b V字折り返し部
5a、5b V字空間
6 帯状フィルム絶縁体
7 横方向連続V字状部材
8 電気コネクタ(部分)
10a、10b パッド(電極)

Claims (2)

  1. 弾性を有する帯状フィルム絶縁体が横方向連続V字状に折り曲げられた部材の一方側のV字折り返し部およびその周囲の表面に導電層が形成されたコネクタ素子の各V字空間に帯幅より小さい範囲で接着固化充填材が充填されていることを特徴とする電気コネクタ。
  2. 複数の前記コネクタ素子が、1つのコネクタ素子のV字空間へ他のコネクタ素子のV字折り返し部を入れるようにして整列し各コネクタ素子間の隙間に帯幅より小さい範囲で接着固化充填材が充填されていることを特徴とする電気コネクタ。








































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