JP2005234466A - 転写装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 中間転写ベルトの蛇行を防止し高品位の画像を形成できる転写装置を提供する。
【解決手段】 転写装置8は、感光体ドラム3a〜3dの周面上に形成された像が転写される中間転写ベルト7と、中間転写ベルト7を張架する駆動ローラ71および従動ローラ72と、を備える。従動ローラは、軸芯が駆動ローラ71および従動ローラ72への中間転写ベルト7の取付方向の下流側へ向けて下り傾斜するように配置される。中間転写ベルト7は、内周面のうち従動ローラ72の軸芯の傾斜方向の上流側の一端部に、駆動ローラ71および従動ローラ72のそれぞれの側面に係止するビード18を全周にわたって備える。
【選択図】 図3
【解決手段】 転写装置8は、感光体ドラム3a〜3dの周面上に形成された像が転写される中間転写ベルト7と、中間転写ベルト7を張架する駆動ローラ71および従動ローラ72と、を備える。従動ローラは、軸芯が駆動ローラ71および従動ローラ72への中間転写ベルト7の取付方向の下流側へ向けて下り傾斜するように配置される。中間転写ベルト7は、内周面のうち従動ローラ72の軸芯の傾斜方向の上流側の一端部に、駆動ローラ71および従動ローラ72のそれぞれの側面に係止するビード18を全周にわたって備える。
【選択図】 図3
Description
この発明は、転写装置に関し、特に、像担持体の周面上に形成された像が転写される無端ベルトを備える転写装置に関する。
中間転写ベルト(無端ベルト)を用いた画像形成装置では、像担持体である感光体ドラムの周面上に形成された像は中間転写ベルトに転写される。特に、モノクロ・カラー併設機では、各色用の複数の像担持体が中間転写ベルトに沿って配置され、各像担持体から中間転写ベルトに各色の像が重ね合わさるように順次転写される。そして、中間転写ベルト上に形成された像は、用紙に転写される。
上述のような画像形成装置に用いられる中間転写ベルトは、まず射出成形された後、ブロー成形または型成形によって所定の薄さおよび長さに延ばされることによって形成される。しかし、樹脂体と樹脂体に混入される導電部材との分布の不均一性によって中間転写ベルトの各部で膨張係数が異なるので、中間転写ベルトの周長は、幅方向の各部で僅かに異なる。
したがって、中間転写ベルトの幅方向の各部における周長差や、中間転写ベルトを張架する駆動ローラおよび従動ローラの寸法精度や取り付け精度のバラツキによって、中間転写ベルトは回転走行時に蛇行する。
中間転写ベルトの蛇行を防止しようとする手段として、以下のような手段がある。
中間転写ローラを張架する複数のローラのうちの1つとして、軸方向の中央部の直径が軸方向の両端部の直径と比較して大きいクラウンローラを用いることによって、軸方向の各部におけるローラの周速度を変化させ、中間転写ベルトをローラの軸方向の中央部に導くことで、中間転写ベルトの蛇行を防止できるとする技術がある。
また、中間転写ベルトの内周面であって幅方向の両端部にそれぞれ、ビードと呼ばれる突起物を貼り付け、中間転写ベルトを張架するローラの両側面にそれぞれビードを係止させることによって中間転写ベルトの蛇行を防止しようとする技術がある。
さらに、中間転写ベルトの側端部の位置をセンサで検出することによって中間転写ベルトの蛇行を検出した場合に、中間転写ベルトの蛇行を修正するための制御信号を発するという技術がある(例えば、特許文献1参照。)。
また、中間転写ベルトを張架する従動ローラを、軸方向の一端部の直径が大きく他端部の直径が小さいテーパ状のローラとすることで、中間転写ベルトを従動ローラの一端部側へ付勢し、従動ローラの一端部に対向する位置にベルト寄り止めガイドを設けることで中間転写ベルトの片寄りを規制することによって、中間転写ベルトの蛇行を防止しようとする技術がある(例えば、特許文献2参照。)。
特開平9−169449号公報
特開平11−202643号公報
しかし、上述の中間転写ベルトを張架するローラの1つとしてクラウンローラを用いる技術では、中間転写ベルトの蛇行を完全に解消することはできず、中間転写ベルトが幅方向のどちらに移動するかを予想できない。また、クラウンローラを用いる技術や特許文献2の技術では、中間転写ベルトの張力が幅方向の各部で異なり、画像の品位が低下する。
さらに、中間転写ベルトの内周面であって幅方向の両端部にそれぞれビードを設ける技術では、中間転写ベルトを円滑に走行させるために中間転写ベルトを張架するローラの側面とビードとの間に僅かな間隙が設けられるので、その間隙の寸法の範囲で中間転写ベルトが蛇行し、形成される画像が歪む。
また、特許文献1の技術では、中間転写ベルトを走行させながら中間転写ベルトの側端部の位置をセンサで検出し、中間転写ベルトの蛇行が検出された場合に中間転写ベルトの蛇行を修正するので、必ず中間転写ベルトが蛇行している期間が発生する。したがって、中間転写ベルトが蛇行している期間に形成される画像の品位は低下する。
この発明の目的は、中間転写ベルトの蛇行を防止し高品位の画像を形成できる転写装置を提供することにある。
この発明の転写装置は、上述の課題を解決するために以下のように構成される。
(1)像担持体上に形成された像が転写される無端ベルトと、前記無端ベルトを張架する駆動ローラおよび従動ローラと、を備え、前記駆動ローラの軸芯と前記従動ローラの軸芯とは、それぞれの前記無端ベルトの主面に垂直な方向の傾きが異なるように配置されることを特徴とする。
この構成においては、駆動ローラの軸芯と従動ローラの軸芯とは、それぞれの無端ベルトの主面に垂直な方向の傾きが異なるように配置されるので、駆動ローラまたは従動ローラの軸芯が下り傾斜する所定の一方向に、無端ベルトが寄せられる。
(2)前記駆動ローラの軸芯は、前記駆動ローラに駆動力を供給する駆動源の軸芯と平行であり、前記駆動ローラの軸芯を基準として前記従動ローラの軸芯が傾斜していることを特徴とする。
この構成においては、駆動ローラの軸芯は、駆動ローラに駆動力を供給する駆動源の軸芯と平行に配置されるので、駆動源の駆動力が駆動ローラに正確かつ円滑に伝達される。
(3)前記無端ベルトは、内周面のうち前記従動ローラの軸芯の下り傾斜方向の上流側の一端部に、前記駆動ローラおよび前記従動ローラのそれぞれの側面に係止する係止部材を全周にわたって備えることを特徴とする。
この構成においては、従動ローラの軸芯が傾斜することによって無端ベルトは従動ローラの軸芯の下り傾斜方向の下流側へ寄せられるとともに、係止部材が駆動ローラおよび従動ローラのそれぞれの側面に係止することによって無端ベルトの片寄りが所定位置で停止される。
(4)前記一端部は、前記駆動ローラおよび前記従動ローラへの前記無端ベルトの取付方向の上流側の端部であることを特徴とする。
この構成においては、無端ベルトは、駆動ローラおよび従動ローラへの無端ベルトの取付方向の下流側へ寄せられるとともに、係止部材によって無端ベルトの片寄りが所定位置で停止される。
また、係止部材は、無端ベルトの内周面のうち駆動ローラおよび従動ローラへの無端ベルトの取付方向の上流側の端部に設けられるので、無端ベルトを駆動ローラおよび従動ローラに対して取り付けまたは取り外しする際に、係止部材が駆動ローラおよび従動ローラに引っ掛かることがない。
(5)前記無端ベルトの内周面に圧接して前記無端ベルトの張力を補正するテンションローラをさらに備え、前記テンションローラの両端部は、それぞれ個別に軸支されることを特徴とする。
この構成においては、テンションローラの両端部が個別に軸支されるので、無端ベルトの張力は、無端ベルトの幅方向の各部の弛みの程度に応じて適切に調整される。
(6)前記テンションローラは、ストレートローラであることを特徴とする。
テンションローラとしてクラウンローラを用いた場合、クラウンローラによる無端ベルトを中央部に維持しようとする力と、駆動ローラの軸芯または従動ローラの軸芯の傾斜による無端ベルトを所定の一方向に寄せようとする力とによって、無端ベルトが蛇行し、画像の品位が低下する。
この構成においては、テンションローラとしてストレートローラを用いるので、無端ベルトの蛇行が防止される。
この発明によれば、以下の効果を奏することができる。
(1)無端ベルトが所定の一方向に寄せられるので、無端ベルトの蛇行を防止することができる。したがって、無端ベルトの蛇行による画像品位の低下を防止することができる。
(2)駆動ローラの軸芯は、駆動ローラに駆動力を伝達する駆動源の軸芯と平行に配置されるので、駆動源の駆動力を駆動ローラに正確かつ円滑に伝達することができる。
(3)従動ローラの軸芯が傾斜することによって無端ベルトは従動ローラの軸芯の傾斜方向の下流側へ寄せられるとともに、係止部材が駆動ローラおよび従動ローラのそれぞれの側面に係止することによって無端ベルトの片寄りが所定位置で停止されるので、無端ベルトを所定の一方向に寄せた状態で蛇行することなく安定して走行させることができる。したがって、無端ベルトの蛇行による画像品位の低下を防止することができる。
(4)無端ベルトを駆動ローラおよび従動ローラに対して取り付けまたは取り外しする際に、係止部材が駆動ローラおよび従動ローラに引っ掛かることがないので、無端ベルトを駆動ローラおよび従動ローラに容易に取り付けおよび取り外しすることができる。
(5)テンションローラの両端部が個別に軸支されるので、無端ベルトの張力を、幅方向の各部の弛みの程度に応じて適切に調整することができる。
(6)テンションローラとしてストレートローラを用いるので、無端ベルトの蛇行を防ぎ、画像の品位の低下を防止することができる。
以下に、この発明の実施形態について図面に基づいて説明する。図1は、この発明の実施形態に係る転写装置を備える画像形成装置の概略構成図である。この実施形態に係る転写装置8を備える画像形成装置1は、外部から入力された画像データに基づいて、用紙等の記録媒体に多色または単色の画像を形成する。画像形成装置1は、露光ユニット13、像担持体である4個の感光体ドラム3a〜3d、4個の帯電ローラ5a〜5d、4個の現像ユニット2a〜2d、4個のクリーニングユニット4a〜4d、無端ベルトである中間転写ベルト7、4個の1次転写ローラ6a〜6d、2次転写ローラ11、定着装置12、用紙搬送路S1,S2,S3、給紙カセット10、手差し給紙トレイ20および排紙トレイ15等を備える。
感光体ドラム3a、帯電ローラ5a、現像ユニット2a、およびクリーニングユニット4aは、画像形成部Paを構成する。感光体ドラム3b、帯電ローラ5b、現像ユニット2b、およびクリーニングユニット4bは、画像形成部Pbを構成する。感光体ドラム3c、帯電ローラ5c、現像ユニット2c、およびクリーニングユニット4cは、画像形成部Pcを構成する。感光体ドラム3d、帯電ローラ5d、現像ユニット2d、およびクリーニングユニット4dは、画像形成部Pdを構成する。
4個の画像形成部Pa〜Pdはそれぞれ、ブラック、シアン、マゼンタおよびイエローの各色相に対応する画像データを用いて画像形成を行う。4個の画像形成部Pa〜Pdは、中間転写ベルト7の移動方向(副走査方向)に一列に配置される。
帯電ローラ5a〜5dは、接触方式の帯電器であり、対応する感光体ドラム3a〜3dの周面を所定の均一な電位に帯電させる。帯電ローラ5a〜5dに代えて、帯電ブラシを用いた接触方式の帯電器、または、帯電チャージャを用いた被接触方式の帯電器を用いることもできる。
露光ユニット13は、図示しない半導体レーザ、ポリゴンミラーおよび反射ミラーを備え、各画像形成部Pa〜Pdに対応する色相の画像データに基づくレーザビームを各感光体ドラム3a〜3dに照射し、各感光体ドラム3a〜3dの周面に各色相の画像データに基づく潜像を形成する。
現像ユニット2a〜2dはそれぞれ、ブラック、シアン、マゼンタおよびイエローの各色相のトナーを収容し、対応する感光体ドラム3a〜3dの周面にトナーを供給して、潜像を各色相のトナー像に顕像化する。クリーニングユニット4a〜4dは、現像および画像転写後に感光体ドラム3a〜3dの周面上に残留するトナーを回収する。
感光体ドラム3a〜3dの上方に、転写装置8が配置される。転写装置8は、中間転写ベルト7、駆動ローラ71、従動ローラ72、テンションローラ17、1次転写ローラ6a〜6d、および中間転写ベルト用のクリーニングユニット9を備える。
中間転写ベルト7は、厚さ75μm〜150μmの無端ベルトで形成され、駆動ローラ71と従動ローラ72とに張架されて、図1において時計回りに回転する。感光体ドラム3d、感光体ドラム3c、感光体ドラム3bおよび感光体ドラム3aは、中間転写ベルト7の外周面に対向するように、中間転写ベルト7の回転方向の上流側からこの順序で配置される。
中間転写ベルト7を挟んで各感光体ドラム3a〜3dに対向する位置に、1次転写ローラ6a〜6dが配置される。1次転写ローラ6a〜6dは、金属(例えば、ステンレス)を素材とする直径8mm〜10mmの軸と、この軸の表面を被覆する導電性の弾性材(例えば、EPDM、発泡ウレタン等)と、を含む。1次転写ローラ6a〜6dに代えて、ブラシ状の中間転写部材を用いることもできる。
1次転写ローラ6a〜6dには、トナーの帯電極性(−)と逆極性(+)の転写バイアスが印加され、導電性の弾性材によって中間転写ベルト7に均一に高電圧が印加される。これによって、各感光体ドラム3a〜3dに形成された各色相のトナー像は中間転写ベルト7の外周面に順次重ねて転写され、中間転写ベルト7の外周面にフルカラーのトナー像が形成される。
なお、ブラック、シアン、マゼンタおよびイエローの色相のうち一部の色相のみの画像データが入力された場合は、4個の感光体ドラム3a〜3dのうち、入力された画像データの色相に対応する一部の感光体ドラム3a〜3dのみに潜像およびトナー像が形成される。例えば、モノクロ画像の形成時は、ブラックの色相に対応する感光体ドラム3aのみに潜像およびトナー像が形成され、中間転写ベルト7の外周面にブラックのトナー像のみが転写される。
上述のようにして、中間転写ベルト7の外周面に形成されたトナー像は、中間転写ベルト7の回転によって、2次転写ローラ11との対向位置に搬送される。2次転写ローラ11は、画像形成時に、中間転写ベルト7の外周面に所定のニップ圧で圧接される。給紙カセット10または手差し給紙トレイ20から給紙された用紙が2次転写ローラ11と中間転写ベルト7との間を通過する際に、2次転写ローラ11にトナーの帯電極性(−)とは逆極性(+)の高電圧が印加される。これによって、中間転写ベルト7の外周面に形成されたトナー像は、用紙の表面に転写される。
なお、2次転写ローラ11と中間転写ベルト7とのニップ圧を所定値に維持するために、2次転写ローラ11または駆動ローラ71のいずれか一方は硬質材料(金属等)によって形成され、残る他方は弾性ローラ等の軟質材料(弾性ゴムローラまたは発泡性樹脂ローラ等)で形成される。
中間転写ベルト7を挟んで従動ローラ72に対向する位置に、クリーニングユニット9が配置される。クリーニングユニット9は、感光体ドラム3a〜3dから中間転写ベルト7に転写されたトナーのうち用紙上に転写されずに中間転写ベルト7上に残留したトナーを回収する。クリーニングユニット9によって、次の画像形成工程での混色が防止される。
トナー像を転写された用紙は、定着部12に搬送される。定着部12は、ヒートローラ31および加圧ローラ32を含む。ヒートローラ31と加圧ローラ32とは互いに所定の押圧力で圧接し、互いの間に用紙を挟んで回転する。これによって、用紙は、ヒートローラ31と加圧ローラ32とによって加熱および加圧され、トナー像が、用紙の表面に堅牢に定着する。トナー像が定着した用紙は、搬送ローラ25bおよび排紙ローラ18によって排紙トレイ15上に排出される。
画像形成装置1には、給紙カセット10に収容されている用紙を、2次転写ローラ11と中間転写ベルト7との間および定着装置12を経由して排紙トレイ15に送るための略垂直方向の用紙搬送路S1が設けられる。用紙搬送路S1には、給紙カセット10内の用紙を一枚ずつ用紙搬送路S1内に繰り出すピックアップローラ16a、繰り出された用紙を上方に向けて搬送する搬送ローラ25a、搬送されてきた用紙を所定のタイミングで2次転写ローラ11と中間転写ベルト7との間に導くレジストローラ14、および、用紙を排紙トレイ15に排出する搬送ローラ25bおよび排紙ローラ18が配置される。
また、画像形成装置1には、手差し給紙トレイ20からレジストローラ14に至る用紙搬送路S2が設けられ、用紙搬送路S2には、ピックアップローラ16bおよび搬送ローラ25c〜25eが配置される。さらに、画像形成装置1には、排紙ローラ18から用紙搬送路S1におけるレジストローラ14の上流側に至る用紙搬送路S3が設けられ、用紙搬送路S3には、搬送ローラ25f,25gが配置される。
排紙ローラ18は、正逆両方向に回転自在であり、用紙の片面に画像を形成する片面画像形成時、および、用紙の両面に画像を形成する両面画像形成における第2面画像形成時に、正転方向に駆動されて用紙を排紙トレイ15に排出する。一方、両面画像形成における第1面画像形成時には、排出ローラ18は、用紙の後端が搬送ローラ25bを通過するまで正転方向に駆動された後、用紙の後端部を挟持した状態で逆転方向に駆動されて用紙を用紙搬送路S3内に導く。これによって、両面画像形成時に片面のみに画像が形成された用紙は、表裏面および前後端が反転された状態で用紙搬送路S1に導かれる。
レジストローラ14は、給紙カセット10若しくは手差し給紙トレイ20から給紙され、または、用紙搬送路S3を経由して搬送されてきた用紙を、所定のタイミングで2次転写ローラ11と中間転写ベルト7との間に導く。具体的には、レジストローラ14は、用紙の前端部を把持した状態で待機し、2次転写ローラ11と中間転写ベルト7とが圧接する位置で、用紙の前端部と中間転写ベルト7上に形成されたトナー像の前端部とが対向するタイミングで回転を開始する。
図2は、転写装置8の概略の構成を示す正面図である。中間転写ベルト7は、駆動ローラ71と従動ローラ72とによって、略水平に張架される。テンションローラ17は、中間転写ベルト7の内周面に圧接し、中間転写ベルト7の張力を補正する。テンションローラ17は、2個のテンションホルダと、2個のテンションホルダに両端部を支持されたローラ部と、を含むストレートローラである。2個のテンションホルダは、転写装置8の図示しないフレームに、それぞれ個別に加圧および軸支される。テンションローラ17の両端部がそれぞれ個別に軸支されるので、中間転写ベルト7の張力は、中間転写ベルト7の幅方向の各部の弛みの程度に応じて適切に調整される。
また、この実施形態では、1次転写ローラ6aは、1次転写ローラ6aと中間転写ベルト7との接触範囲の中心が、感光体ドラム3aと中間転写ベルト7との接触範囲の中心よりも、中間転写ベルト7の回転方向の下流側になるように配置される。他の1次転写ローラ6b〜6dについても、それぞれ対応する感光体ドラム3b〜3dに対して1次転写ローラ6aの場合と同様に配置される。
図3は、図2に示す転写装置8の左側面図である。中間転写ベルト7は、駆動ローラ71および従動ローラ72に、図3において、右から左へ向けて、すなわち、図1において、手前側から奥側へ向けて、取り付けられる。逆に、中間転写ベルト7は、駆動ローラ71および従動ローラ72から、図3において、左から右へ向けて、すなわち、図1において、奥側から手前側へ向けて、取り外される。
中間転写ベルト7の取付方向における駆動ローラ71の上流側の端部71aと、下流側の端部71bと、中間転写ベルト7の取付方向における従動ローラ72の上流側の端部72aとは、略同じ高さに配置される。従動ローラ72の中間転写ベルト7取付方向の下流側の端部72bは、駆動ローラ71の両端部71a,71bおよび従動ローラ72の端部72aよりも高さtだけ低く配置される。すなわち、駆動ローラ71の軸芯は略水平に配置されるのに対して、従動ローラ72の軸芯は、駆動ローラ71および従動ローラ72への中間転写ベルト7の取付方向の下流側へ向けて下り傾斜するように配置される。したがって、駆動ローラ71の軸芯と従動ローラ72の軸芯とは、中間転写ベルト7の主面に垂直な方向のそれぞれの傾きが異なるように配置される。高さtは、例えば0.5mmに設定される。
駆動ローラ71の軸芯が略水平に配置されるのに対して従動ローラ72の軸芯が僅かに傾斜して配置されるので、中間転写ベルト7には、回転時に、従動ローラ72の下り傾斜方向へ緩やかに移動する力が働く。
なお、駆動ローラ71の端部71aと従動ローラ72の端部72aとは必ずしも同じ高さに配置されることに限定されず、形成される画像の品位を低下させない限りにおいて、駆動ローラ71の端部71aに対して従動ローラ72の端部72aを異なる高さに配置してもよい。
図4および図5に示すように、中間転写ベルト7の内周面のうち従動ローラ72の軸芯の傾斜方向の上流側の一端部に、中間転写ベルト7の内周面の全周にわたって、ビード18が設けられる。ビード18は例えば、ウレタンゴムで形成され、中間転写ベルト7の内周面に接着剤によって貼り付けられる。
中間転写ベルト7には、画像領域Xにトナー像が転写され、接触部Yに駆動ローラ71および従動ローラ72が接触する。ビード18は、中間転写ベルト7の内周面であって、駆動ローラ71および従動ローラ72の中間転写ベルト7への接触部Yよりも外側の位置に、突起状に設けられ、駆動ローラ71および従動ローラ72のそれぞれの側面に係止する。
中間転写ベルト7は、上述のように、従動ローラ72の軸芯が中間転写ベルト7の取付方向の下流側へ向けて下り傾斜するように配置されることによって中間転写ベルト7の取付方向の下流側へ向けて寄せられる力を加えられ、ビード18が駆動ローラ71および従動ローラ72に係止することによって中間転写ベルト7の取付方向の下流側への片寄りを規制される。したがって、中間転写ベルト7は、ビード18が駆動ローラ71および従動ローラ72のそれぞれの側面に係止する位置において、蛇行することなく安定的に回転する。中間転写ベルト7が蛇行しないので、画像形成装置1は、高品位の画像を形成することができる。
また、ビード18は、中間転写ベルト7の内周面のうち駆動ローラ71および従動ローラ72への中間転写ベルト7の取付方向の上流側の一端部に設けられるので、中間転写ベルト7を駆動ローラ71および従動ローラ72に対して取り付けまたは取り外しする際に、ビード18が駆動ローラ71および従動ローラ72に引っ掛かることがなく、中間転写ベルト7を容易に付け外しすることができる。したがって、転写装置8のメンテナンスを容易に行うことができる。
1 画像形成装置
3a〜3d 感光体ドラム
6a〜6d 1次転写ローラ
7 中間転写ベルト
8 転写装置
17 テンションローラ
18 ビード
71 駆動ローラ
72 従動ローラ
3a〜3d 感光体ドラム
6a〜6d 1次転写ローラ
7 中間転写ベルト
8 転写装置
17 テンションローラ
18 ビード
71 駆動ローラ
72 従動ローラ
Claims (6)
- 像担持体上に形成された像が転写される無端ベルトと、
前記無端ベルトを張架する駆動ローラおよび従動ローラと、を備え、
前記駆動ローラの軸芯と前記従動ローラの軸芯とは、それぞれの前記無端ベルトの主面に垂直な方向の傾きが異なるように配置されることを特徴とする転写装置。 - 前記駆動ローラの軸芯は、前記駆動ローラに駆動力を供給する駆動源の軸芯と平行であり、前記駆動ローラの軸芯を基準として前記従動ローラの軸芯が傾斜していることを特徴とする請求項1に記載の転写装置。
- 前記無端ベルトは、内周面のうち前記従動ローラの軸芯の下り傾斜方向の上流側の一端部に、前記駆動ローラおよび前記従動ローラのそれぞれの側面に係止する係止部材を全周にわたって備えることを特徴とする請求項2に記載の転写装置。
- 前記一端部は、前記駆動ローラおよび前記従動ローラへの前記無端ベルトの取付方向の上流側の端部であることを特徴とする請求項3に記載の転写装置。
- 前記無端ベルトの内周面に圧接して前記無端ベルトの張力を補正するテンションローラをさらに備え、
前記テンションローラの両端部は、それぞれ個別に軸支されることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の転写装置。 - 前記テンションローラは、ストレートローラであることを特徴とする請求項5に記載の転写装置。
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