JP2005232650A - 糸監視方法及びその装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 ヤーンクリアラ(糸監視装置)の検出ヘッド内の異物滞留を素早くかつ確実に検出出来る上、これに迅速に対処することが出来る方法及び装置を提供する。
【解決手段】 所定の駆動信号によって駆動され、走査される対象となる糸の状態に応じた検出信号を出力する検出ヘッドからの検出信号に基いて、糸の状態を検出する糸監視方法であって、上記検出信号に基づいて第1の糸走行停止が判定されたとき、上記検出信号が所定の設定値となる様検出ヘッドの駆動信号を補正し(S2)、補正後の第1の駆動信号を記憶した後(S3)、上記検出信号に基づいて第2の糸走行停止が判定されたとき(S4)、上記検出信号が所定の設定値となる様検出ヘッドの駆動信号を補正し(S5)、補正後の第2の駆動信号と、記憶された第1の駆動信号とを比較し(S7)、その比較結果に基いて検出ヘッド内の滞留物の有無を判定する糸監視方法及びこれを実施し得る糸監視装置とする。
【選択図】 図4

Description

本発明は、糸の状態を検出して不具合部分を除去する為のヤーンクリアラに関する。
特開2000−327226号公報 特開平11−279866号公報 特開2001−158570号公報
紡績装置や糸巻装置のヤーンクリアラ(或いはスラブキャッチャともいう)は、糸の状態を検出して不具合部分を除去する為に設けられるものであり、機械式や帯電電荷式のほか、静電容量型や光電型等種々の型式のものが現在知られている(特許文献1〜3参照)。
このうち、光電型のものについては、構造上、均斉度の解析や太さムラの検出も可能であり、従来より多様な糸欠陥を検出出来るヤーンクリアラとして多用されているところである。以下、本発明を詳細に説明するに当たり、まず光電型ヤーンクリアラの基本構成及びその動作につき説明する。
図7は、従来知られた光電型ヤーンクリアラの構成を示すブロック図である。この様なヤーンクリアラ1は、例えば、後に図1として詳述する紡績機の各紡績ユニット50における紡績部40と巻取部30の中間に配置される。又ヤーンクリアラ1の上流側には、糸Yを切断するカッタCが備えられる。
図7に示す様に、光電型のヤーンクリアラ1は、投光部2と受光部3とからなる検出ヘッド1’を備えており、投光部2から投射した光を受光部3で受光したときの受光量に対応した電圧(電流)を検出信号として出力する様構成されている。投光電圧と受光電圧の関係は、例えば図2の様なかたちで示される。尚、投光部2はLED等の発光素子から、受光部3はフォトトランジスタ等の光電変換素子からなっている。その様な光電変換素子は、以下で説明する各例では、影の大きさにほぼ比例して電圧値が上昇する様な特性のものとされている。
上記のヤーンクリアラ1では、検出ヘッド1’にスラブ等の糸欠陥が遭遇して電気出力の変化を検出すると、その出力信号によってカッタCが働いて糸Yを切断する様構成されており、通常、糸欠陥が検出されれば、カッタCによって糸が切断され、下流側の糸端が図1のパッケージPに巻き取られるので、検出ヘッド1’は糸無しの状態となる。受光部3からの電気信号はまた、糸の品質解析信号として利用される。
検出ヘッド1’は、制御装置4に接続されている。制御装置4はマイクロコンピュータからなり、A/D変換部5、糸走行状態判定部6、光調整部7及び投光電圧指令値出力部15を備えている。各構成要素の詳細は後記実施例の欄で説明する通りである。
通常、上記構成からなるヤーンクリアラ1は、紡績糸の巻き取り中に相当する糸走行時に機能する。このとき、ヤーンクリアラ1は糸走行状態判定部6において、A/D変換部5を介して入力される受光電圧信号に基づいて毛羽の多寡をはじめとした糸品質の解析を行い、撚り付与の異常、スラブその他の糸欠陥の検出を行なう。
なお、糸走行中であっても、温度ドリフト防止や投光部2の劣化を考慮した補正を行なうが、その補正に伴う電圧値の変化は微小なのでここでは考慮せず、糸走行停止時における補正にのみ着目し、糸走行中、投光側駆動電圧(図2のx)は、次に説明する通りほぼ一定値に固定されるものとする。
ところで、上記構成からなる光電型ヤーンクリアラ1では、起動時に糸走行が停止しかつ検出ヘッド1’の投光素子と受光素子の間に糸その他の異物が滞留していない状態で受光電圧が所定の設定値(図2のV)になる様調節される。ヤーンクリアラ1は、この糸走行停止かつ滞留物無しの状態を基準とし、基準点から見た受光電圧の変化即ち、前記所定の設定値Vと糸走行中に得られる受光電圧との電圧差を基に、糸の走行又は停止状態の判定や、スラブその他の糸欠陥の検出或いは糸品質の解析を行なっている。このとき、投光側駆動電圧xは、図2に示される通り糸の走行又は停止に関わらず一定の値に固定されるが、その電圧値は、糸走行停止かつ滞留物無しの状態で受光電圧が所定の設定値Vとなる様な値とされる。
上記投光電圧xの調整は、図7の制御装置4を用いて実施される。糸走行状態判定部6で糸走行停止と判定された後、補正部8ではA/D変換部5から取り込んだ受光電圧の値と設定値記憶部9に予め記憶されている所定の設定値Vとの比較が行なわれる。その後、両者の差が所定の許容範囲内に収まる様、補正部8により投光電圧xの値が制御される。これにより、受光電圧が所定の設定値Vに較正されると共に、それに対応する投光側電圧値も光調整部7によって固定される。
投光側駆動電圧xはこの様にして決定され、以後、糸走行状態に移った場合においても投光部2のLEDは同じ電圧値で駆動される。
従って糸走行中、上記一定の投光側駆動電圧xでLEDを駆動して受光部に向けて光を投射すると、対向する投光部2と受光部3の間にある走行糸の太さ等によって受光部3のフォトトランジスタに現われる影や反射光は変化し、受光側で得られる受光電圧も時々刻々と変化する。糸走行状態判定部6は、その様な糸走行中における受光電圧の変化を監視しており、糸走行停止かつ滞留物無しの状態にて調整された基準点即ち前記所定の設定値Vに対して糸走行中の受光電圧がどの程度ずれているかを見て、その結果から、糸の走行/停止判定のほか、スラブその他の糸欠陥の検出、糸欠陥の解析を行なっている。
上記の様な基本動作原理を有する光電型ヤーンクリアラ1では、走行中であっても各構成要素の温度ドリフト等が生じることによって基準点がずれたりするのを是正して糸走行中の糸欠陥の検出を正確に行なうべく、糸走行停止状態検出後その時の受光電圧信号を定期的に点検してこれが前記所定の設定値Vとなる様、投光部2に与える投光側駆動電圧値の補正を行なっている(基準点補正)。
この基準点補正は、糸欠陥が検出されてカッタCにより切断される等して糸走行が停止する度に実行されるものであるところ、従来知られたヤーンクリアラでは、検出ヘッド内に糸又は異物が滞留しているかどうかにかかわらず、受光電圧が前記所定の設定値になる様、投光側駆動電圧xの補正が行なわれていた。しかしながら、かかる構成では、次の様な不都合が生じる余地があった。
即ち、図2に示す通り、元来検出ヘッド1’に滞留物が無い状態で糸走行が停止しているときを基準として装置が動作する様設計され、構成されているため、糸走行は停止したが検出ヘッド1’内に埃や糸くず等の異物が滞留したり、糸が引っ掛かってしまった儘の状態で基準点補正を行なうと基準点がずれる結果となる。基準点補正後、糸走行状態に戻っても、基準自体がずれてしまっているので、受光電圧レベルも基準点補正が正常に行なわれた場合に比べてずれる結果となる(図2B参照)。基準点がずれると、図2Bの糸走行状態を見ても明らかな様に受光電圧レベルがV付近からV付近に移ってしまうこととなる。
そうすると、受光部からの信号を利用したスラブその他の糸欠陥の検出や糸品質の解析が正確に実施できず、糸品質に少なからず影響を及ぼすこととなり、高品質の紡績糸パッケージを安定して市場に供給することが難しくなる、という不都合が生じる余地があったのである。
尚図2Aにおいて、異物が滞留した状態の儘基準点補正を行なうと、投光側の駆動電圧xの値がVからVへと上昇する様に示されている。これは、異物が滞留していると受光部3がその影を検知してしまうところ、滞留物が無い時と同様の明るさを受光側で得るべく、制御装置4が投光側の光を強める制御を行なうことによるものである。即ち、制御装置4は、投光側駆動電圧xを大きくしてLEDを強く発光させ、影の周りを明るくすることによって相対的に影を薄くして、滞留物が無い時と同様の明るさを受光部3において得ようとする動作を行なう。
上記の不都合即ち、検出ヘッド1’内に異物が滞留した儘の状態を回避すべく、基準点補正を行なう直前に定期的に検出ヘッド1’周りに圧縮空気を噴射して、検出ヘッド1’内に滞留した異物を吹き飛ばして除去する様な工夫も従来試みられている。この圧縮空気は、ヤーンクリアラ1の制御装置4とは別のコントローラのバルブ制御部17により司られるバルブ18及びクリーニングノズル19を介して噴射される様構成されていた。
ところが、その様な構成では実際に滞留物が除去されているか不明であって、圧縮空気を噴射しても確実に糸屑等が検出ヘッド1’内から除去されなければやはり上記と同様の不都合が生じる余地があり、根本的な問題の解決には至っていないのが現状であった。
従って本発明は、検出ヘッド内の滞留物を素早くかつ確実に検出出来、検出ヘッド内に異物の無い状態で基準点補正されたときと比べて基準点がずれた状態が続くのを確実に阻止出来る糸監視方法及びその装置を得ることを課題とする。
又本発明は、検出ヘッドの受光部からの信号を利用した正確な糸の走行又は停止の判定や、スラブその他の糸欠陥の検出或いは糸品質の解析をなし得る糸監視方法及びその装置を得ることを課題とする。
更に本発明は、検出された滞留物の処置を迅速かつ確実に行なうことが出来る、廉価で簡素な糸監視方法及びその装置を得ることを課題とする。
上記課題を解決すべく種々検討を重ねた結果、本発明者らは、オペレータによる目視確認等により検出ヘッド内に異物が滞留していないのが確実な状況下で最初の基準点補正を行うと共にその補正後の投光側駆動電圧の値を記憶しておき、これと、次に糸走行停止状態が発生した際に実施する基準点補正後の投光側駆動電圧の値とを比較することによって、検出ヘッド内に異物が滞留した状態の儘基準点補正が実施され、検出ヘッド内に異物の無い状態で基準点補正されたときと比べて基準点がずれた状態にあることを、素早く且つ確実に検出出来ることを見出し、本発明を完成した。
上記課題を解決可能な本発明の糸監視方法は、所定の駆動信号によって駆動され、走査される対象となる糸の状態に応じた検出信号を出力する検出ヘッドからの検出信号に基づいて、糸の状態を検出する糸監視方法であって、前記検出信号に基づいて第1の糸走行停止が判定されたとき、前記検出信号が所定の設定値となる様前記検出ヘッドの前記駆動信号を補正し、前記補正後の前記検出ヘッドの第1の駆動信号を記憶したのち、前記検出信号に基づいて第2の糸走行停止が判定されたとき、前記検出信号が所定の設定値となる様前記検出ヘッドの前記駆動信号を補正し、前記補正後の前記検出ヘッドの第2の駆動信号と、前記記憶された前記検出ヘッドの第1の駆動信号とを比較し、その比較結果に基づいて前記検出ヘッド内の滞留物の有無を判定することを特徴とするものである。
或いは、上記課題を解決可能な本発明の糸監視方法は、所定の駆動信号によって駆動され、走査される対象となる糸の状態に応じた検出信号を出力する検出ヘッドからの検出信号に基づいて、糸の状態を検出する糸監視方法であって、前記検出信号に基づいて糸走行停止が判定されたとき、その時点での前記検出信号と、予め記憶された所定の設定値とを比較し、その比較結果に基づいて前記検出ヘッド内の滞留物の有無を判定することを特徴とするものである。
又上記方法を使用するための本発明の糸監視装置は、走査される対象となる糸の状態に応じた検出信号を出力する検出ヘッドを備えた糸監視装置であって、前記検出ヘッドの駆動信号を出力する制御部を有し、前記制御部は、前記検出信号に基づいて糸の走行又は停止を判定可能な糸走行状態判定部と、前記糸走行状態判定部における糸走行停止判定に基づいて、前記検出信号が所定の設定値となる様前記検出ヘッドの前記駆動信号を補正する補正部と、前記糸走行状態判定部における第1の糸走行停止判定に基づき、前記補正部によって補正された前記検出ヘッドの第1の駆動信号を記憶する記憶部と、比較部とを有し、該比較部は、前記第1の糸走行停止判定後に行なわれる第2の糸走行停止判定に基づき、前記補正部によって補正された前記検出ヘッドの第2の駆動信号と、前記記憶部に記憶された前記第1の駆動信号とを比較することを特徴とするものである。
或いは、本発明の糸監視装置は、走査される対象となる糸の状態に応じた検出信号を出力する検出ヘッドを備えた糸監視装置であって、前記検出ヘッドの駆動信号を出力する制御部を有し、前記制御部は、所定の設定値を記憶する記憶部と、前記検出信号に基づいて糸の走行又は停止を判定可能な糸走行状態判定部と、比較部とを有し、前記比較部は、前記糸走行状態判定部における糸走行停止判定に基づいて、その時点での前記検出信号と、前記記憶部に記憶された前記所定の設定値とを比較することを特徴とするものである。
尚本発明では、「糸走行停止状態」とは、検出ヘッド内に滞留物があるか否かにかかわらず、とにかく糸走行が認められないという事実を認識した状態を言い、検出ヘッドに糸その他の滞留物が無い状態で糸走行が停止している場合のほか、検出ヘッド内に異物が滞留しているか又は、糸がヘッド内に引っ掛かっているか不明な儘糸走行が停止していると認識された場合を含むものとする。
又本発明では、「滞留」とは、走行していた糸の切断後、検出ヘッドに糸が引っ掛かって滞留してしまった状態のほか、検出ヘッド内に糸くずや埃等の異物が完全に挟まっている状態や一部挟まっている状態、又異物が検出ヘッド上に載置され、検出ヘッドの全部又は一部が塞がれている状態等をも指し示すものとする。
本発明によれば、ヤーンクリアラ自身の出力信号を用いるだけで検出ヘッド内の滞留物を素早くかつ確実に検出出来、検出ヘッド内に異物の無い状態で基準点補正されたときと比べて基準点がずれた状態が続くのを確実に阻止出来る。
又本発明によれば、滞留物が検出された場合、外部に警報を発したり、或いは圧縮空気を噴射して吹き飛ばしたり等の処置を迅速に講ずることが出来る。
従って本発明によれば、検出ヘッドの受光部からの信号を利用した正確な糸走行/停止状態の判定や、スラブその他の糸欠陥の検出或いは糸品質の解析をなし得る。
その他、本発明によれば、廉価で簡素であると共に、迅速且つ正確な糸監視方法及びその装置を提供することが出来る。
以下、添付図面に基づき、本発明の一実施例につき説明する。
ここで、図1は本発明の糸監視装置の適用対象となる紡績機の概要を示す図、図2は糸監視装置(ヤーンクリアラ)の検出ヘッドの投光電圧と受光電圧の関係を示す図、図3は本発明の糸監視装置の構成の一例を示すブロック図、図4は図3の糸監視装置を用いて本発明の糸監視方法を実施する際のフローチャートの一例を示す図、図5は糸監視装置の構成の別の例を示すブロック図、図6は図5に示す糸監視装置を用いて本発明の糸監視方法を実施する際のフローチャートの一例を示す図である。尚図3及び図5においては、先に示した図7と同一のものには同一符号を付して説明するものとする。
[構成]
本実施例に係る糸監視装置は、図1に示す様な空気式の紡績機に設けられている。なお、空気紡績機は、図1の紙面垂直方向に等間隔に設けられた複数の紡績ユニットからなるものであって、図1では複数の紡績ユニットの内の一の紡績ユニット50の要部を指し示している。図1に示す通り、紡績ユニット50は、上流側から順に紡績部40とヤーンクリアラ1と巻取部30とを有している。尚このような紡績機は、不図示の自動糸継装置を更に備えており、ヤーンクリアラ1によって検出された糸の不具合部分を切断、除去した後、再び紡績糸の糸継ぎを行なって糸の巻取りを継続出来る様構成されている。
図1に示す紡績部40は、紡績ユニット50の最上流側に位置しており、スライバ(繊維束)Sから紡績糸Yを紡出する様構成されている。紡績部40は、バックローラB、ミドルローラM及びフロントローラFからなるドラフトパート45と、空気紡績ノズルAと糸送りローラDとをスライバS側からこの順に備える構成とされる。ミドルローラMには無端状のゴムベルトであるエプロンEが巻回されている。各ローラB、M、Fはそれぞれ、上位のトップローラと下位のボトムローラとからなり、スライバSのドラフトを行なう。空気紡績ノズルAは、フロントローラFを出たスライバSを加撚して紡績糸Yを製造する。糸送りローラDは、紡績ノズルAから糸を引き出すものである。
一方、紡績ユニット50の最下流側には、巻取部30が配置されている。巻取部30は、紡績糸Yを巻取るためのパッケージPを回転駆動すべくパッケージP外周表面に圧接され、不図示のモータにより駆動されるドラムTからなる。
また、上記の紡績部40と巻取部30との間には、糸の状態を検出して不具合部分を除去する為に設けられるヤーンクリアラ1が配置されている。先に説明した通り、ヤーンクリアラ1は、各紡績ユニット50で紡績される糸Yの径(太さ)の変動を検出して糸ムラ信号等を出力する光電変換式の糸監視装置である。ヤーンクリアラ1の上流側には、糸Yを切断するカッタCが備えられる。さらに、ヤーンクリアラ1の上面近くには、クリーニングノズル19が備えられる。このクリーニングノズル19の一端側の開口部は、ヤーンクリアラ1の上面に対向する様配置される。一方、クリーニングノズル19の他端側には、不図示の空気噴出装置が接続されており、空気噴出装置は、バルブの開閉に応じてクリーニングノズル19の一端側開口部から圧縮空気を噴射することによって、次に説明する通りヤーンクリアラ1の検出ヘッドに滞留している風綿や埃、或いは糸くず等の異物、ヤーンクリアラ1に引っ掛かった糸Yを吹き飛ばして除去する様構成されている。
次に、本発明の糸監視装置となるヤーンクリアラ1の構成につき図3に沿って説明する。尚、ヤーンクリアラの基本構成及び動作は従来技術として先に図7を用いて説明した通りである。
図3に示す様に、検出ヘッド1’に接続された制御装置4はマイクロコンピュータからなり、A/D変換部5、糸走行状態判定部6、光調整部7、異常判定部10及び投光電圧指令値出力部15を備えている。投光電圧指令値出力部15は、F/V変換部、或いは後記の通りD/A変換部からなる。A/D変換部5は、検出ヘッド1’の受光部3と接続され、受光部3から入力されたアナログ信号をデジタル信号に変換する機能を有している。糸走行状態判定部6は、A/D変換部5と接続され、A/D変換部5からの受光電圧信号を見て糸Yの走行又は停止を判定する。
ここで、糸走行中は、受光部3のフォトトランジスタが糸の微小な太さの変化(糸ムラ)を検出して受光電圧波形に振幅が現われる様になっているため(図2参照)、本実施例ではこの性質を利用して糸Yの走行又は停止の判定を行なう様構成されている。具体的には、上述の振幅(糸ムラの信号)が所定時間検出されれば糸走行と判断し、反対にその様な振幅が所定時間検出されなければ糸走行停止と判断する様構成されている。
光調整部7は、補正部8と設定値記憶部9とからなる。補正部8は、糸走行状態判定部6において糸走行停止状態と判定された後、A/D変換部5から補正部8に入力された受光電圧と設定値記憶部9に予め記憶されている所定の設定値(図2のV)とを比較して、糸走行停止状態における受光電圧が所定の設定値になる様、投光部2への駆動信号を較正して投光電圧(図2のx)を調節(基準点補正)する機能を有している。上記所定の設定値Vは、本実施例では約0.1Vとされており、制御手段4の外部に設けられた入力部13から設定値記憶部9に予め入力され、格納されている。
また、補正部8は、基準点補正が行なわれた後の投光側駆動電圧xの値(※1)を、投光電圧指令値出力部15へ出力すると同時に、異常判定部10の記憶部11へも出力する。この基準点補正後の投光側駆動電圧値(※1)は、異常判定部10の記憶部11に記憶され、後の比較部12での比較処理に供される。尚本実施例では、便宜上、光調整部7の補正部8より出力される駆動パルスの出力周波数fの値を、投光側駆動電圧xの値として補正部8、記憶部11及び比較部12において取り扱う様構成されている。
本実施例では、光調整部7の補正部8はパルス出力部であって、任意の出力周波数fで駆動パルスを出力する機能を有しており、投光電圧指令値出力部15に接続されている。これは、投光電圧指令値出力部15をF/V変換部として構成したことによるものである。
本実施例では、投光電圧指令値出力部15はF/V変換部からなっており、駆動パルスの出力周波数fに対応した電圧信号を出力して、可変電圧源16に入力する様構成されている。可変電圧源16は、検出ヘッド1’の投光部2に接続されており、投光電圧指令値出力部15からの信号に応じた電圧を、投光部2のLEDに印加する様になっている。
異常判定部10は、糸走行停止判定部6と光調整部7の補正部8に接続され、記憶部11と比較部12とを有している。記憶部11には、補正部8で基準点補正が行なわれた後の投光側駆動電圧xの値が入力され、記憶される様になっている。比較部12は、糸走行状態判定部6において再度、糸走行停止状態であると判定され、光調整部7の補正部8において再び基準点補正が行なわれた後に比較部12に入力された当該補正後の投光側駆動電圧値(図4の※2)と記憶部11に先に記憶された投光側駆動電圧値(図4の※1)とを比較する機能を有している。
異常判定部10はさらに、アラーム14又はバルブ制御部17に接続される様になっている。
異常判定部10にアラーム14が接続されている場合、比較部12における比較の結果、比較された投光側駆動電圧※1,※2の差が所定の許容範囲外の差であって、検出ヘッド1’に滞留物が存在していると判定されたときには、外部に警報を発する様、アラームに指令が行なわれる。
一方、異常判定部10にバルブ制御部17が接続されている場合、上記滞留物が存在すると判定されたときには開弁指令が行なわれる。このとき、不図示の空気噴出装置からバルブ18及びクリーニングノズル19を介してヤーンクリアラ1の検出ヘッド1’周りに圧縮空気が噴射され、検出ヘッド1’に付着したり挟まったりしている風綿や埃、或いは糸くず等の異物、引っ掛かっている糸が吹き飛ばされる。
尚、比較部12における比較の結果、滞留物有りと判定された場合は図3のアラーム14やバルブ制御部17に信号を送出する処置がされる一方、滞留物無しと判定された場合には、ステップS6で取得され、比較部12に入力されている投光側駆動電圧値※2を、新たに記憶部11に記憶すべき旨の指令が行なわれる様構成されている。
このように、検出ヘッド1’は、制御装置4との間でフィードバックループ系を構成している。従って、本実施例に係るヤーンクリアラ1は、次に説明する検出ヘッド内の異物滞留判定ルーチンその他によるフィードバック制御によって制御される。
[動作]
上記の構成において、本実施例のヤーンクリアラ1の動作を説明する。図1に示すように、紡績機の運転が開始されることによって、ドラフトパート45及び空気紡績ノズルA等からなる紡績部40から糸Yが紡出されると、この糸Yはヤーンクリアラ1により糸Yの状態が検出されながら、巻取部30に送出されてパッケージPに巻き取られる。このようにして紡績が開始されると、図2に示すように、ヤーンクリアラ1では、検出ヘッド1’からの出力信号に基づいて、糸走行/停止状態の判定が行なわれるほか、毛羽の多寡をはじめとした糸品質の解析が開始され、均斉度の解析やスラブその他の糸欠陥の判定が行なわれる。又、ヤーンクリアラ1では、図4に例示される様な検出ヘッド内の滞留物存否判定ルーチンも実行可能となる。
以下、検出ヘッド内の滞留物存否判定ルーチンが実行される様子を、図4のフローチャートに基づいて説明する。
まずはじめに、検出ヘッド内の滞留物存否判定ルーチンをスタートさせると(S0)、紡績ユニット50の起動確認(S1)が行なわれる。
ここで、起動はしたものの、糸生成の状態ではないので、糸走行停止状態にて、受光側電圧値が所定の設定値Vになる様投光部2への駆動信号を調節する基準点補正が行なわれる(S2)。ここで、ステップS2における最初の基準点補正は、オペレータによる目視確認等により検出ヘッド1’内に異物が滞留していないのが確実な状況下で行なわれる。基準点補正は、補正部8において、糸走行停止状態判定後A/D変換部5から補正部8に入力された受光電圧と設定値記憶部9に記憶されている所定の設定値Vとを比較して、糸走行停止状態における受光電圧が所定の設定値Vになる様、投光部2への駆動信号を補正して投光電圧xを調節するかたちで行なわれる。
また上述の理由より、光調整部7の補正部8はパルス出力部として構成されているので、補正部8による基準点補正後、便宜上、投光側駆動電圧の値(※1)として補正部8より出力される駆動パルスの出力周波数fの値は、F/V変換部として構成された投光電圧指令値出力部15に入力されるほか、異常判定部10の記憶部11に入力され、記憶される(S3)。
投光電圧指令値出力部15は、投光部2への駆動信号である補正部8からの出力周波数fを、投光電圧xを調節するための電圧信号に変換し、可変電圧源16はこの信号に応じた駆動電圧を投光部2のLEDに供給する。
他方、基準点補正後、紡績ユニット50での糸生成が行なわれ、糸走行が始まる。図3の異常判定部10の記憶部11に記憶された糸走行直前の投光側駆動電圧値(※1)は、後の比較部12での比較処理に供される。
ステップS3の記憶処理が済んだら、ステップS4の糸走行停止判定に移り、再び図3の糸走行状態判定部6において、糸Yの走行又は停止の判定が行なわれる。
ここで、糸が走行状態にあると判定された場合には(S4,NO)、本実施例の検出ヘッド内の滞留物存否判定ルーチンでは次のステップに移行することなくステップS4をループする処理とされ、糸走行状態判定部6おいて受光側電圧値の監視が引き続き行なわれる。
一方、糸YがカッタCにより切断されたり、或いは上流側で糸Yが自然に切れたりすることにより糸走行停止状態と判定されれば(S4,YES)、次のステップS5に移り、図3の補正部8において再度、基準点補正処理が行なわれる。
ステップS5における基準点補正処理も、ステップS2で行なった基準点補正と同様の手順で行なわれ、補正部8において、糸走行停止状態判定後A/D変換部5から補正部8に入力された受光電圧と設定値記憶部9に記憶されている所定の設定値Vとを比較して、糸走行停止状態における受光電圧が所定の設定値Vになる様、投光側駆動電圧x、即ち投光部2への駆動信号が補正される。
ステップS5による基準点補正処理が済むと、次のステップS6の投光側駆動電圧(※2)取得処理に移り、今度は投光側駆動電圧の値(※2)として補正部8より出力される駆動パルスの出力周波数fの値が、図3の光調整部7の補正部8から投光電圧指令値出力部15に入力されるほか、異常判定部10の比較部12に入力される。このとき、異常判定部10の記憶部11には既に、先の基準点補正処理(S2)後に補正部8から入力された投光側駆動電圧の値(※1)が、駆動パルスの出力周波数fのかたちで格納されている。
ステップS6の投光側駆動電圧(※2)取得処理が済んだら、ステップS7に移り、ステップS6で取得された投光側駆動電圧(※2)と、記憶部11に記憶された上述の投光側駆動電圧(※1)との比較が行なわれる。
比較の結果、両者の差が所定の許容範囲内であれば(S7,YES)、ステップS5で基準点補正を行なったときもステップS2同様、検出ヘッド1’内に滞留物が無い状態であったと判断し、滞留物無しとの判定を行なう。滞留物無しと判定された場合には、ステップS5における基準点補正も正常に行なわれたことになるので、特に警報等を発することなくそのままステップS3に戻り、そして、次の滞留物存否判定に供するために、ステップS6で取得された基準点補正(S5)後の投光側駆動電圧xの値(※2)として補正部8より出力された出力周波数fの値を、異常判定部10の記憶部11に記憶する(S3)。
ステップS3に戻った後は、上記と同様の流れで検出ヘッド内の異物滞留判定ルーチンが継続される。尚、2回目のステップS7では、異常判定部10の記憶部11に記憶されている前回のステップS6で取得された投光側駆動電圧xの値(※2)と、今回新たにステップS6で取得された投光側駆動電圧値とが比較される。
一方、ステップS7における比較の結果、両者の差が所定の許容範囲外であると判断されれば(S7,NO)、ステップS2で基準点補正を行なったときとは違ってステップS5で基準点補正を行なったときには検出ヘッド1’内に何らかの滞留物有りとの判定を行なう。滞留物有りと判定された場合には、検出ヘッド1’の投光部2と受光部3との間には、風綿や埃、或いは糸くず等の異物が滞留した状態又は、糸が検出ヘッド1’内に引っ掛かった状態の儘、ステップS5で基準点補正が実施されたことになるので、検出ヘッド1’内に滞留物が存在していないのが確実な状況下で最初の基準点補正が行なわれたとき(S2)と比べて、基準点がずれた状態になっている。基準点がずれた状態の儘では、受光部3からの信号を利用した糸走行/停止状態の判定や、スラブその他の糸欠陥の検出或いは糸品質の解析を行なうことが出来なくなったり、或いは検出等された結果に誤りが生じたりする結果となるので、この状態を解消する処理が行なわれる(S8,S9)。
即ち、図3の異常判定部10にアラーム14又はバルブ制御部17が接続されている通り、滞留物有りの判定された場合(S7,NO)には外部に警報を発する様、アラーム14に指令が行なわれるか(S8)、或いはバルブ制御部17に開弁指令が行なわれ、圧空バルブの開放制御が行なわれる(S9)。
アラームによる場合、オペレータに検出ヘッド1’の清掃を促すべく、外部に警報が発せられる(S8)。
一方、圧空バルブ開放制御が行なわれる場合には、不図示の空気噴出装置から図3のバルブ18及びクリーニングノズル19を介してヤーンクリアラ1の検出ヘッド1’周辺に圧縮空気を噴射して、検出ヘッド1’に付着したり挟まったりした風綿や埃、或いは糸くず又は、引っ掛かった糸等を吹き飛ばす処置が施される(S9)。
なお、ステップS8又はS9の後、オペレータによる清掃又は圧縮空気噴射による清掃が行なわれると、ステップS5に戻り、再び基準点補正(S5)、投光側駆動電圧取得(S6)及び比較(S7)の処理が行なわれるので、結果的に上記アラーム又は開弁指令は、ステップS7での比較の結果、比較されている双方の投光側駆動電圧値の差が所定の許容範囲内にあるとしてステップS7から滞留物無しの判定(S7,YES)が出力されるまで継続される。
以上のように、本実施例のヤーンクリアラ1では、検出ヘッド内に滞留物が存在した状態の儘基準点補正が実施され、検出ヘッド内に異物の無い状態で基準点補正されたときと比べて基準点がずれた状態にあることを、素早くかつ確実に検出出来ると共に、異物滞留が検出された場合には、外部に警報を発したり、或いは圧縮空気を噴射して吹き飛ばしたり等の処置を迅速に講ずることが出来る。
従って本発明の糸監視方法及びその装置によれば、受光部3からの信号を利用した正確な糸走行/停止状態の判定や、スラブその他の糸欠陥の検出或いは糸品質の解析をなし得る。
上記実施例1では、ステップS3において記憶、ステップS6において取得、又ステップS7において比較されるのは投光側の駆動電圧値(実施例1では便宜上、光調整部7の補正部8より出力される駆動パルスの出力周波数fの値を指し示している)であったが、投光側の駆動電圧値に換えて受光側の電圧値を利用しても、実施例1の場合と同様に検出ヘッド内の滞留物を素早くかつ確実に検出出来る上、これに迅速に対処することが出来る。以下、図5と図6を用いて、本実施例に係る糸監視方法及び同装置につき説明する。ここで、図5は本実施例のヤーンクリアラの構成を示すブロック図、図6は本実施例の検出ヘッド内の滞留物存否判定ルーチンを示す図である。
[構成]
はじめに、ヤーンクリアラ1の構成に関して説明する。検出ヘッド1’に関しては、実施例1と同様である。一方、制御装置4については、各構成要素の接続関係その他が実施例1のものと比較して一部相違している。これは、実施例1と実施例2では、以下の様に検出ヘッド内の異物滞留の判定方法が異なることによるものである。
即ち、上記実施例1では受光電圧を所定の設定値Vに補正(基準点補正,S5)後の投光側駆動電圧xを取得し(S6)、これを基に基準点補正の異常判定を行なって検出ヘッド1’内の異物滞留を判定する(S7)。一方、この実施例2では、糸走行が停止した直後、基準点補正前の受光電圧値を検出し、これを前記所定の設定値Vと比較することによって検出ヘッド内の異物滞留を判定する。このように、実施例2では受光電圧値が予め記憶されている所定の設定値Vになっているかどうかを判定するので、投光側の駆動電圧値を走行停止の度に記憶せずに済み、従って図5に示す通り異常判定部10に記憶部を設ける必要はない。
その他、本実施例の制御装置4の構成は実施例1のものと比較して一部相違しているので、図5に基づき以下説明する。
実施例1同様、制御装置4はマイクロコンピュータからなり、A/D変換部5、糸走行状態判定部6、光調整部7、異常判定部10及び投光電圧指令値出力部15を備えている。
本実施例では、光調整部7は補正部8と設定値記憶部9とからなる一方、異常判定部10には記憶部が特に必要とされない点が実施例1と異なっている。更に本実施例では、異常判定部10における比較処理のため、比較対照の一方側の受光電圧がA/D変換部5を経て比較部12に直接入力されるほか、比較対照の他方側の設定値記憶部9に記憶されている所定の設定値Vも比較部12に直接入力される様構成されている点が実施例1と異なっている。
尚、比較部12における比較の結果、滞留物有りと判定された場合は図5に示されるアラーム14やバルブ制御部17に信号を送出する処置がされる一方、滞留物無しと判定された場合には、光調整部7の補正部8に対して基準点補正を実施すべき旨の指令が行なわれる様構成されている。
[動作]
以下では、この実施例2に係るヤーンクリアラ1における検出ヘッド内の異物滞留判定ルーチンが実行される様子を、図6のフローチャートに基づいて説明する。検出ヘッド内の滞留物存否判定ルーチンをスタートさせてから(S0)、紡績ユニット50の起動確認(S1)を経て、受光側電圧値が所定の設定値Vになる様、投光側の駆動電圧値を補正(基準点補正,S2)するまでの動作は、実施例1の場合と同様である。また、ステップS2における最初の基準点補正は、オペレータによる目視確認等により検出ヘッド1’内に異物が滞留していない、糸が引っ掛かっていないのが確実な状況下で行なわれる点も、実施例1の場合と同様である。
ステップS2における最初の基準点補正終了後、紡績ユニット50での糸生成が行なわれ、糸走行が始まる。実施例1では糸走行直前の投光側駆動電圧値を記憶(※1)する処理が行なわれるが(図4のS3)、この実施例2ではこれを行なわず直接、糸走行停止判定に移り、図5の糸走行状態判定部6が糸Yの走行又は停止を判定する(S20)。ここで糸走行状態判定部6で糸走行停止と判定されれば(S20,YES)、次の受光電圧(※4)取得処理に移り(S21)、図5に示される様に受光電圧はA/D変換部5を経て比較部12に直接入力される。このとき、光調整部7の設定値記憶部9に記憶されている設定値V(※3)も、比較部12に入力される。こののち、ステップS22に移り、受光電圧(※4)と設定値V(※3)との比較が行なわれる。
比較の結果、受光電圧(※4)と設定値V(※3)との差が所定の許容範囲内であれば(S22,YES)、次のステップS23に入り、基準点補正処理が実行される。このとき、図5の比較部12からは、光調整部7の補正部8に対して基準点補正を実施すべき旨の指令が行なわれる。補正部8により受光電圧が所定の設定値Vに一致する様基準点補正が行なわれた後は、ステップS20に戻り、再び図5の糸走行状態判定部6において、受光部3からの信号に基づき、糸走行停止状態になったか否かの監視が続行される。
一方、ステップ22における比較の結果、受光電圧(※4)と設定値(※3)との差が所定の許容範囲外であると判定されれば(S22,NO)、検出ヘッド1’の投光部2と受光部3との間に風綿や埃、糸くず等の異物が滞留しているか、又は糸Yが引っ掛かっていると判断されたことになり、実施例1と同様、図5のアラーム14やバルブ制御部17に信号を送出して、外部に警報を発してオペレータに検出ヘッド1’の清掃を促すか(S24)、或いはバルブ制御部17に開弁指令を行ない、バルブ18を開放して検出ヘッド1’周辺に圧縮空気を噴射して滞留物を吹き飛ばす処置が施される(S25)。
なお、ステップS24又はS25の後、オペレータによる清掃又は圧縮空気噴射による清掃が行なわれると、ステップS21に戻り、再び受光電圧取得(S21)、比較(S22)の処理が行なわれるので、結果的に上記アラーム又は開弁指令は、ステップS22での比較の結果、受光電圧(※4)と設定値V(※3)との差が所定の許容範囲内にあるとしてステップS22から滞留物無しの判定(S22,YES)が出力されるまで継続される。
以上のように、この実施例2に係るヤーンクリアラを用いても、検出ヘッド内の滞留物の存在を素早くかつ確実に検出出来、検出ヘッド内に滞留物の無い状態で基準点補正されたときと比べて基準点がずれた状態に陥るのを防止出来る上、滞留している異物又は、引っ掛かった糸を除去するための処置を迅速に講ずることが出来る。
従って本実施例の様な構成であっても、受光部3からの信号を利用した正確な糸走行/停止状態の判定や、スラブその他の糸欠陥の検出或いは糸品質の解析をなし得る。
尚、本発明は上記各実施例記載のものに限られず、種々の設計変更が可能である。
例えば、上記各実施例では本発明の糸監視方法及びこれを実施するための糸監視装置(ヤーンクリアラ1)は空気式の紡績部を備える紡績機に対して適用されていたところ、適用対象はそのような紡績機に限定されず、空気式以外の各種紡績部を備えたものや、自動ワインダ、合糸機その他の繊維機械に対しても本発明を適用し得る。
又上記各実施例では、投光電圧指令値出力部15はF/V変換部とされ、駆動パルスの出力周波数fに対応した駆動電圧を出力して可変電圧源16に入力する様構成されているが、投光電圧指令値出力部15の構成はこれに限定されるものではない。即ち、図3、図5及び図7に示されている様に、投光電圧指令値出力部15を例えばD/Aコンバータとして構成しても構わない。このとき、光調整部7の補正部8はマイクロコンピュータのカウンタとして構成される。
尚、投光電圧指令値出力部15をD/Aコンバータとした場合、補正部8では、基準点補正の結果に応じてカウンタに入力された所望の投光電圧xに相応するデータ(カウンタ値)と不図示のクロック信号によって出力信号を変化させ、これを投光電圧指令値出力部15に送出する。投光電圧指令値出力部15では、補正部8で作成された出力信号にD/A変換を施して、これを可変電圧源16に送出する。可変電圧源16は、投光電圧指令値出力部15から出力される信号に基づき投光部2のLEDの発光量を増減する。
さらに、上記各実施例では、滞留物有りと判定されると(S7,NO或いはS22,NO)、アラーム又は圧空バルブ開放制御が行なわれる様構成されているが、このときの処置の仕方はこれらに限定されず、例えば紡績ユニット50を操業停止とする処置を行なっても構わない。
このように本発明は、ヤーンクリアラ自身の出力信号を用いるだけで検出ヘッド内の滞留物の存在を素早くかつ確実に検出出来、検出ヘッド内に異物又は、糸の引っ掛かりの無い状態で基準点補正されたときと比べて基準点がずれた状態が続くのを確実に阻止出来る上、滞留物の存在が検出された場合には、外部に警報を発したり、或いは圧縮空気を噴射して吹き飛ばしたり等の処置を迅速に講ずることが可能な、廉価で簡素であると共に、迅速且つ正確な糸監視方法及びその装置を提供できるものであることが明らかである。
従って本発明の糸監視方法及びその装置によれば、受光部3からの信号を利用した正確な糸走行/停止状態の判定や、スラブその他の糸欠陥の検出或いは糸品質の解析をなし得る。
紡績機の概要を示す図である。 ヤーンクリアラの検出ヘッドの投光電圧と受光電圧との関係を示す図である。 本発明の糸監視装置の構成の一例を示すブロック図である。 図3の糸監視装置を用いて本発明の糸監視方法を実施する際のフローチャートの一例を示す図である。 糸監視装置の構成の別の例を示すブロック図である。 図5に示す糸監視装置を用いて本発明の糸監視方法を実施する際のフローチャートの一例を示す図である。 従来の光電型ヤーンクリアラの構成を示すブロック図である。
符号の説明
A 空気紡績ノズル
B バックローラ
C カッタ
D 糸送りローラ
E エプロン
F フロントローラ
M ミドルローラ
P パッケージ
S スライバ
T ドラム
V 糸速度センサ
Y 紡績糸
1 ヤーンクリアラ
1’ 検出ヘッド
2 投光部
3 受光部
4 制御装置
5 A/D変換部
6 糸走行状態判定部
7 光調整部
8 補正部
9 設定値記憶部
10 異常判定部
11 記憶部
12 比較部
13 入力部
14 アラーム
15 投光電圧指令値出力部
16 可変電圧源
17 バルブ制御部
18 バルブ
19 クリーニングノズル
30 巻取部
40 紡績部
45 ドラフトパート
50 紡績ユニット

Claims (5)

  1. 所定の駆動信号によって駆動され、走査される対象となる糸の状態に応じた検出信号を出力する検出ヘッドからの検出信号に基づいて、糸の状態を検出する糸監視方法であって、
    前記検出信号に基づいて第1の糸走行停止が判定されたとき、
    前記検出信号が所定の設定値となる様前記検出ヘッドの前記駆動信号を補正し、前記補正後の前記検出ヘッドの第1の駆動信号を記憶したのち、
    前記検出信号に基づいて第2の糸走行停止が判定されたとき、
    前記検出信号が所定の設定値となる様前記検出ヘッドの前記駆動信号を補正し、前記補正後の前記検出ヘッドの第2の駆動信号と、前記記憶された前記検出ヘッドの第1の駆動信号とを比較し、
    その比較結果に基づいて前記検出ヘッド内の滞留物の有無を判定することを特徴とする糸監視方法。
  2. 所定の駆動信号によって駆動され、走査される対象となる糸の状態に応じた検出信号を出力する検出ヘッドからの検出信号に基づいて、糸の状態を検出する糸監視方法であって、
    前記検出信号に基づいて糸走行停止が判定されたとき、その時点での前記検出信号と、予め記憶された所定の設定値とを比較し、
    その比較結果に基づいて前記検出ヘッド内の滞留物の有無を判定することを特徴とする糸監視方法。
  3. 走査される対象となる糸の状態に応じた検出信号を出力する検出ヘッドを備えた糸監視装置であって、
    前記検出ヘッドの駆動信号を出力する制御部を有し、
    前記制御部は、
    前記検出信号に基づいて糸の走行又は停止を判定可能な糸走行状態判定部と、
    前記糸走行状態判定部における糸走行停止判定に基づいて、前記検出信号が所定の設定値となる様前記検出ヘッドの前記駆動信号を補正する補正部と、
    前記糸走行状態判定部における第1の糸走行停止判定に基づき、前記補正部によって補正された前記検出ヘッドの第1の駆動信号を記憶する記憶部と、比較部とを有し、
    該比較部は、前記第1の糸走行停止判定後に行なわれる第2の糸走行停止判定に基づき、前記補正部によって補正された前記検出ヘッドの第2の駆動信号と、前記記憶部に記憶された前記第1の駆動信号とを比較することを特徴とする糸監視装置。
  4. 走査される対象となる糸の状態に応じた検出信号を出力する検出ヘッドを備えた糸監視装置であって、
    前記検出ヘッドの駆動信号を出力する制御部を有し、
    前記制御部は、
    所定の設定値を記憶する記憶部と、
    前記検出信号に基づいて糸の走行又は停止を判定可能な糸走行状態判定部と、比較部とを有し、
    該比較部は、前記糸走行状態判定部における糸走行停止判定に基づいて、その時点での前記検出信号と、前記記憶部に記憶された前記所定の設定値とを比較することを特徴とする糸監視装置。
  5. 前記検出ヘッドに向かって圧縮流体を噴射する噴射口と、
    前記検出ヘッドに向って噴射される前記圧縮流体を制御する流体制御手段とを備え、
    前記比較部における比較結果に基づいて前記流体制御手段が制御されることを特徴とする請求項3又は4に記載の糸監視装置。
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