JP2005231348A - 印刷版材料、その現像方法及び印刷版材料用支持体 - Google Patents

印刷版材料、その現像方法及び印刷版材料用支持体 Download PDF

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Abstract

【課題】 鮮明な印刷画像を有し、機上現像性、耐刷性が良好であり、非画線部の汚れも無く、優れた印刷適性を有する印刷版材料及びその現像方法を提供する。
【解決手段】 粗面化処理を施したアルミニウム基材上に、機上現像可能な感熱画像形成層を有する印刷版材料であって、該粗面化処理を施したアルミニウム基材の表面は、ベーマイトの突起を生ずるベーマイト化処理されており、生成したベーマイトの突起の平均高さが30nm〜200nm、底面の平均径が10nm〜100nmであり、かつ該感熱画像形成層は熱重合性または熱架橋性素材を含有することを特徴とする印刷版材料。
【選択図】 図1

Description

本発明は、印刷版材料及びその現像方法に関し、さらに詳しくは、コンピューター・トゥー・プレート(CTP)方式により画像形成が可能な印刷版材料、その現像方法及び印刷版材料用支持体に関する。
印刷データのデジタル化に伴い、安価で取り扱いが容易でPS版と同等の印刷適性を有したCTPが求められている。特に近年、特別な薬剤による現像処理が不要であって、ダイレクトイメージング(DI)機能を備えた印刷機に適用可能であり、また、PS版と同等の使い勝手を有する、汎用タイプのサーマルプロセスレスプレートへの期待が高まっている。
一般的に、サーマルプロセスレスプレートの画像形成に主として用いられるのは近赤外〜赤外線の波長を有するサーマルレーザー記録方式である。この方式で画像形成可能なサーマルプロセスレスプレートには、大きく分けて、後述するアブレーションタイプ、熱融着タイプ、相変化タイプ、及び重合/架橋タイプが存在する。
アブレーションタイプとしては、多数開示されて(例えば、特許文献1〜6参照。)おり、これらは、例えば、基材上に親水性層と親油性層とをいずれかの層を表層として積層したものである。表層が親水性層であれば、画像様に露光し、親水性層をアブレートさせて画像様に除去して親油性層を露出することで画像部を形成することができる。
熱融着タイプとしては、親水性層もしくはアルミ砂目上に画像形成層に熱可塑性微粒子と水溶性の結合剤とを用いたもの(例えば、特許文献7参照。)が挙げられる。アグファ社製のThermo Liteはこのタイプのプロセスレスプレートである。この方式であれば融着させられるエネルギーが有れば良く、アブレーションタイプ、相変化タイプと比べて、画像形成に必要なエネルギーが少なくて済み、高出力のレーザーを用いれば高速化も可能である。
相変化タイプとしては、印刷時に除去されない親水性層中に、疎水化前駆体粒子を含有させ、露光部を親水性から親油性へと相変化させるというもの(例えば、特許文献8参照。)が挙げられる。
重合/架橋タイプとしては、公知の方法が(例えば、特許文献9参照。)挙げられる。この方法であればアルミ基材の粗面を利用でき、画像形成層は3次元架橋をする為強固にでき、更には画像形成層が強固である為にアンカー効果によりアルミ機材と画像形成層との接着性も強固になり、耐刷性が大幅に向上できる。
これらのCTP版材は特別な薬剤による現像処理を行わない方式であるが、現像処理のプロセスが無い分、基材の表面形状が、現像性、耐刷性及び地汚れに与える影響は、従来のPS版や現像処理の必要なサーマルタイプCTP、フォトポリマータイプCTP版と比較して格段に大きくなっている。従来の基材の表面性をそのまま用いると画像形成層の強度と機上現像性のバランスが保てず、印刷機上で現像できない、もしくは機上現像できても地汚れが多い、耐刷性が悪い等の影響が出てしまい、従来の基材表面の特性では印刷性能に限界があった。
印刷版材料の従来技術としては、更に特許文献10、11を挙げることができる。
特開平8−507727号公報 特開平6−186750号公報 特開平6−199064号公報 特開平7−314934号公報 特開平10−58636号公報(第4〜6頁) 特開平10−244773号公報(第2〜3頁) 特許第2938397号明細書(第3〜5頁、実施例1) 特開平11−240270号公報(第4〜6頁) 米国特許第6,548,222号明細書 特開2000−255177号公報(第3頁) 特開2001−71654号公報(第3頁)
本発明の目的は、鮮明な印刷画像を有し、機上現像性、耐刷性が良好であり、非画線部の汚れも無く、優れた印刷適性を有する印刷版材料、その現像方法及び印刷版材料用支持体を提供することにある。
本発明の上記目的は、以下の構成により達成することができる。
(請求項1)
粗面化処理を施したアルミニウム基材上に、機上現像可能な感熱画像形成層を有する印刷版材料であって、該粗面化処理を施したアルミニウム基材の表面は、ベーマイトの突起を生ずるベーマイト化処理されており、生成したベーマイトの突起の平均高さが30nm〜200nm、底面の平均径が10nm〜100nmであり、かつ該感熱画像形成層は熱重合性または熱架橋性素材を含有することを特徴とする印刷版材料。
(請求項2)
前記ベーマイト化処理後にアルミニウム基材を親水性素材で処理することを特徴とする請求項1に記載の印刷版材料。
(請求項3)
前記感熱画像形成層に含有される熱重合性または熱架橋性素材が粒子状であることを特徴とする請求項1又は2に記載の印刷版材料。
(請求項4)
請求項1、2又は3に記載の印刷版材料を用い機上現像することを特徴とする印刷版材料の現像方法。
(請求項5)
請求項1乃至3のいずれか1項に記載の印刷版材料に用いられることを特徴とする印刷版材料用支持体。
本発明により、鮮明な印刷画像を有し、機上現像性、耐刷性が良好であり、非画線部の汚れも無く、優れた印刷適性を有する印刷版材料、その現像方法及び印刷版材料用支持体を提供することができる。
本発明を更に詳しく説明する。本発明の印刷版材料は、粗面化処理を施したアルミニウム基材上に、画像形成層を塗設し、刷機上で現像できる印刷版材料である。
本発明は、粗面化処理を施したアルミニウム基材上に、機上現像可能な感熱画像形成層を有する印刷版材料であって、該粗面化処理を施したアルミニウム基材の表面は、ベーマイトの突起を生ずるベーマイト化処理されており、生成したベーマイトの突起の平均高さが30nm〜200nm、底面の平均径が10nm〜100nmであり、かつ該感熱画像形成層は熱重合性または熱架橋性素材を含有することを特徴とする。
本発明における機上現像とは、通常のオフセット印刷機に露光済みの印刷版材料を取り付けて印刷を行った際、版面に与えられた湿し水と印刷インキの作用により印刷版材料の未露光領域の画像形成層が印刷の初期に選択的に除去されることを意味している。
(アルミニウム基材)
本発明に係る基材としては、印刷版の基板として使用される公知のアルミニウム材料を使用することができる。基材の厚さとしては、印刷機に取り付け可能であれば特に制限されるものではないが、50〜500μmのものが一般的に取り扱いやすい。
アルミニウム板は、通常その表面に存在する圧延・巻取り時に使用されたオイルを除去するためにアルカリ、酸、溶剤等で脱脂した後に使用される。脱脂処理としては特にアルカリ水溶液による脱脂が好ましい。
本発明に係るアルミニウム基材は粗面化処理を施されている。
アルミニウム板表面の粗面化処理は、種々の方法により行われるが、例えば、機械的に粗面化する方法、電気化学的に表面を溶解粗面化する方法及び化学的に表面を選択溶解させる方法により行われる。機械的方法としては、ボール研磨法、ブラシ研磨法、ブラスト研磨法、バフ研磨法などの公知の方法を用いることができる。また、電気化学的な粗面化法としては塩酸又は硝酸電解液中で交流又は直流により行う方法がある。また、特開昭54−63902号公報に開示されているように両者を組み合わせた方法も利用することができる。この様に粗面化されたアルミニウム板は、好ましくは、アルカリエッチング処理及び中和処理された後、表面の保水性や耐摩耗性を高めるために陽極酸化処理が施される。アルミニウム板の陽極酸化処理に用いられる電解質としては、多孔質酸化皮膜を形成する種々の電解質の使用が可能で、一般的には硫酸、リン酸、蓚酸、クロム酸あるいはそれらの混酸が用いられる。それらの電解質の濃度は電解質の種類によって適宜決められる。
陽極酸化の処理条件は用いる電解質により種々変わるので一概に特定し得ないが一般的には電解質の濃度が1〜80質量%溶液、液温は5〜70℃、電流密度5〜60A/dm2、電圧1〜100V、電解時間10秒〜5分の範囲であれば適当である。陽極酸化皮膜の量は1〜10g/m2が耐刷性、非画像部の傷による所謂「傷汚れ」の防止の面から好ましい。
本発明に係るアルミニウム基材は、ベーマイト化処理を施すことを特徴とする。ベーマイト化処理の条件としては、アルミニウム板に陽極酸化処理を行った後、熱水、水蒸気で処理を行うことも出来るが、好ましくは酢酸アンモニウム、ケイ酸ナトリウム、亜硝酸ナトリウム、重クロム酸塩等の水溶液に浸漬する。処理時の温度としては好ましくは70〜100℃、より好ましくは75〜90℃であり、処理時間は好ましくは5〜120秒、より好ましくは10〜90秒である。水溶液のpHとしては好ましくは7〜11であり、より好ましくは7.5〜10.5である。
これらの条件の範囲内であればアルミニウム表面にベーマイト(Al23(H2O))の構造が形成される。
本発明の支持体は上記条件で処理することにより得られる。
本発明において、ベーマイトの突起の平均高さとは、ベーマイトの突起の高さの平均値である。ベーマイトの突起の高さを図1で説明する。
図1は本発明に係るアルミニウム基材の断面の模式図であり、Hはベーマイトの突起Pの高さを表し、Lはベーマイトの突起Pの底面の径を表す。
ベーマイトの突起の高さ及び底面の径は、本発明に係るベーマイト化処理されたアルミニウム基材の電子顕微鏡による断面写真から測定される。
本発明に係るベーマイトの突起の平均高さとは、任意の50個のベーマイトの突起の高さを測定し、その高さの平均値をいう。
本発明に係るベーマイトの底面の平均径とは、任意の50個のベーマイトの突起の底面の径を測定し、その底面の径の平均値をいう。
上記電子顕微鏡による断面写真からの測定は、50,000倍での電子顕微鏡写真(日立製作所性走査型電子顕微鏡、S−600)をとることにより行われる。
本発明においては、前記ベーマイト化処理後にアルミニウム基材を親水性素材で処理することが好ましい。
又、本発明に係る突起の平均高さと底面の平均径の比(平均高さ/底面の平均径)は、1〜3が好ましく、特に1.5〜2.6が好ましい。
親水性素材で処理するとは、親水性素材をベーマイト化された表面に親水性素材を接触させることをいい、親水性素材を含む溶液に接触させることが好ましい。
また、本発明はベーマイト化処理の後に、親水性化合物で浸漬処理を行うことが、好ましい。
好適に用いられる親水性化合物としては、クエン酸、カルボキシメチルセルロース、キトサン、プルラン、アルギン酸、シュウ酸、フタル酸、ギ酸、フィチン酸、ヘキサフルオロリン酸アンモニウム、グリシン、ポリビニルホスホン酸、その他糖類化合物、及びこれらのナトリウム塩を挙げることができる。pHは7〜11が好ましく、温度は60〜100℃が好ましく、処理時間は5〜120秒が好ましい。
また、裏面のすべり性を制御する(例えば版胴表面との摩擦係数を低減させる)目的で、裏面コート層を設けた基材も好ましく使用することができる。
(光熱変換素材)
本発明に係る画像形成層は、光熱変換素材を含有することが好ましい。
好ましい光熱変換素材としては下記のような素材を挙げることができる。
一般的な赤外吸収色素であるシアニン系色素、クロコニウム系色素、ポリメチン系色素、アズレニウム系色素、スクワリウム系色素、チオピリリウム系色素、ナフトキノン系色素、アントラキノン系色素などの有機化合物、フタロシアニン系、ナフタロシアニン系、アゾ系、チオアミド系、ジチオール系、インドアニリン系の有機金属錯体などが挙げられる。具体的には、特開昭63−139191号、特開昭64−33547号、特開平1−160683号、特開平1−280750号、特開平1−293342号、特開平2−2074号、特開平3−26593号、特開平3−30991号、特開平3−34891号、特開平3−36093号、特開平3−36094号、特開平3−36095号、特開平3−42281号、特開平3−97589号、特開平3−103476号等に記載の化合物が挙げられる。これらは一種又は二種以上を組み合わせて用いることができる。
また、特開平11−240270号、特開平11−265062号、特開2000−309174号、特開2002−49147号、特開2001−162965号、特開2002−144750号、特開2001−219667号に記載の化合物も好ましく用いることができる。
顔料としては、カーボン、グラファイト、金属、金属酸化物等が挙げられる。
カーボンとしては特にファーネスブラックやアセチレンブラックの使用が好ましい。粒度(d50)は100nm以下であることが好ましく、50nm以下であることが更に好ましい。
グラファイトとしては粒径が0.5μm以下、好ましくは100nm以下、更に好ましくは50nm以下の微粒子を使用することができる。
金属としては粒径が0.5μm以下、好ましくは100nm以下、更に好ましくは50nm以下の微粒子であれば何れの金属であっても使用することができる。形状としては球状、片状、針状等何れの形状でも良い。特にコロイド状金属微粒子(Ag、Au等)が好ましい。
金属酸化物としては、可視光域で黒色を呈している素材、または素材自体が導電性を有するか、半導体であるような素材を使用することができる。
前者としては、黒色酸化鉄や二種以上の金属を含有する黒色複合金属酸化物が挙げられる。後者とては、例えばSbをドープしたSnO2(ATO)、Snを添加したIn23(ITO)、TiO2、TiO2を還元したTiO(酸化窒化チタン、一般的にはチタンブラック)などが挙げられる。又、これらの金属酸化物で芯材(BaSO4、TiO2、9Al23・2B2O、K2O・nTiO2等)を被覆したものも使用することができる。これらの粒径は、0.5μm以下、好ましくは100nm以下、更に好ましくは50nm以下である。これらの光熱変換素材のうち黒色酸化鉄や二種以上の金属を含有する黒色複合金属酸化物がより好ましい素材として挙げられる。
黒色酸化鉄(Fe34)としては、平均粒子径0.01〜1μmであり、針状比(長軸径/短軸径)が1〜1.5の範囲の粒子であることが好ましく、実質的に球状(針状比1)であるか、もしくは、八面体形状(針状比約1.4)を有していることが好ましい。
このような黒色酸化鉄粒子としては、例えば、チタン工業社製のTAROXシリーズが挙げられる。球状粒子としては、BL−100(粒径0.2〜0.6μm)、BL−500(粒径0.3〜1.0μm)等を好ましく用いることができる。また、八面体形状粒子としては、ABL−203(粒径0.4〜0.5μm)、ABL−204(粒径0.3〜0.4μm)、ABL−205(粒径0.2〜0.3μm)、ABL−207(粒径0.2μm)等を好ましく用いることができる。
さらに、これらの粒子表面をSiO2等の無機物でコーティングした粒子も好ましく用いることができ、そのような粒子としては、SiO2でコーティングされた球状粒子:BL−200(粒径0.2〜0.3μm)、八面体形状粒子:ABL−207A(粒径0.2μm)が挙げられる。
黒色複合金属酸化物としては、具体的には、Al、Ti、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Sb、Baから選ばれる二種以上の金属からなる複合金属酸化物である。これらは、特開平8−27393号公報、特開平9−25126号公報、特開平9−237570号公報、特開平9−241529号公報、特開平10−231441号公報等に開示されている方法により製造することができる。
本発明に用いる複合金属酸化物としては、特にCu−Cr−Mn系またはCu−Fe−Mn系の複合金属酸化物であることが好ましい。Cu−Cr−Mn系の場合には、6価クロムの溶出を低減させるために、特開平8−27393号公報に開示されている処理を施すことが好ましい。これらの複合金属酸化物は添加量に対する着色、つまり、光熱変換効率が良好である。
これらの複合金属酸化物は平均1次粒子径が1μm以下であることが好ましく、平均1次粒子径が0.01〜0.5μmの範囲にあることがより好ましい。平均1次粒子径が1μm以下とすることで、添加量に対する光熱変換能がより良好となり、平均1次粒子径が0.01〜0.5μmの範囲とすることで添加量に対する光熱変換能がより良好となる。ただし、添加量に対する光熱変換能は、粒子の分散度にも大きく影響を受け、分散が良好であるほど良好となる。したがって、これらの複合金属酸化物粒子は、層の塗布液に添加する前に、別途公知の方法により分散して、分散液(ペースト)としておくことが好ましい。
分散には適宜分散剤を使用することができる。分散剤の添加量は複合金属酸化物粒子に対して0.01〜5質量%が好ましく、0.1〜2質量%がより好ましい。
これらの中で、本発明においては色素を用いることが好ましく、可視光での着色の少ない色素を用いることがより好ましい。
(感熱画像形成層)
感熱画像形成層は、赤外線レーザーによる露光によって発生する熱により画像形成するものである。本発明の画像形成層は、熱重合性又は熱架橋性を有する素材を含有する。
重合又は架橋可能な素材とは、画像露光することにより、感熱画像形成層中で重合または架橋する素材をいう。
重合可能な素材としては、重合性不飽和基を有する化合物が挙げられる。重合性不飽和基を有する化合物としては、例えば分子内に、重合可能なエチレン性二重結合を有する化合物であり、一般的なラジカル重合性のモノマー類、紫外線硬化樹脂に一般的に用いられる分子内に重合可能なエチレン性二重結合を複数有する多官能モノマー類や、多官能オリゴマー類を用いることができる。
これらの重合可能なエチレン性二重結合含有化合物に特に限定は無いが、好ましいものとして、例えば、2−エチルヘキシルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、グリセロールアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、ノニルフェノキシエチルアクリレート、テトラヒドロフルフリルオキシエチルアクリレート、テトラヒドロフルフリルオキシヘキサノリドアクリレート、1,3−ジオキサンアルコールのε−カプロラクトン付加物のアクリレート、1,3−ジオキソランアクリレート等の単官能アクリル酸エステル類、或いはこれらのアクリレートをメタクリレート、イタコネート、クロトネート、マレエートに代えたメタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸エステル、例えば、エチレングリコールジアクリレート、トリエチレングルコールジアクリレート、ペンタエリスリトールジアクリレート、ハイドロキノンジアクリレート、レゾルシンジアクリレート、ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールのジアクリレート、ネオペンチルグリコールアジペートのジアクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールのε−カプロラクトン付加物のジアクリレート、2−(2−ヒドロキシ−1,1−ジメチルエチル)−5−ヒドロキシメチル−5−エチル−1,3−ジオキサンジアクリレート、トリシクロデカンジメチロールアクリレート、トリシクロデカンジメチロールアクリレートのε−カプロラクトン付加物、1,6−ヘキサンジオールのジグリシジルエーテルのジアクリレート等の2官能アクリル酸エステル類、或いはこれらのアクリレートをメタクリレート、イタコネート、クロトネート、マレエートに代えたメタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸エステル、例えばトリメチロールプロパントリアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、トリメチロールエタントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートのε−カプロラクトン付加物、ピロガロールトリアクリレート、プロピオン酸・ジペンタエリスリトールトリアクリレート、プロピオン酸・ジペンタエリスリトールテトラアクリレート、ヒドロキシピバリルアルデヒド変性ジメチロールプロパントリアクリレート等の多官能アクリル酸エステル酸、或いはこれらのアクリレートをメタクリレート、イタコネート、クロトネート、マレエートに代えたメタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸エステル等を挙げることができる。
また、プレポリマーも上記同様に使用することができる。プレポリマーは、1種又は2種以上を併用してもよいし、上述の単量体及び/又はオリゴマーと混合して用いてもよい。
プレポリマーとしては、例えばアジピン酸、トリメリット酸、マレイン酸、フタル酸、テレフタル酸、ハイミック酸、マロン酸、こはく酸、グルタール酸、イタコン酸、ピロメリット酸、フマル酸、グルタール酸、ピメリン酸、セバシン酸、ドデカン酸、テトラヒドロフタル酸等の多塩基酸と、エチレングリコール、プロピレングルコール、ジエチレングリコール、プロピレンオキサイド、1,4−ブタンジオール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトール、1,6−ヘキサンジオール、1,2,6−ヘキサントリオール等の多価のアルコールの結合で得られるポリエステルに(メタ)アクリル酸を導入したポリエステルアクリレート類、例えば、ビスフェノールA・エピクロルヒドリン・(メタ)アクリル酸、フェノールノボラック・エピクロルヒドリン・(メタ)アクリル酸のようにエポキシ樹脂に(メタ)アクリル酸を導入したエポキシアクリレート類、例えば、エチレングリコール・アジピン酸・トリレンジイソシアネート・2−ヒドロキシエチルアクリレート、ポリエチレングリコール・トリレンジイソシアネート・2−ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシエチルフタリルメタクリレート・キシレンジイソシアネート、1,2−ポリブタジエングリコール・トリレンジイソシアネート・2−ヒドロキシエチルアクリレート、トリメチロールプロパン・プロピレングリコール・トリレンジイソシアネート・2−ヒドロキシエチルアクリレートのように、ウレタン樹脂に(メタ)アクリル酸を導入したウレタンアクリレート、例えば、ポリシロキサンアクリレート、ポリシロキサン・ジイソシアネート・2−ヒドロキシエチルアクリレート等のシリコーン樹脂アクリレート類、その他、油変性アルキッド樹脂に(メタ)アクリロイル基を導入したアルキッド変性アクリレート類、スピラン樹脂アクリレート類等のプレポリマーが挙げられる。
これらの中でも、エチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート等の多官能メタクリレートモノマーが特に好ましく用いられる。
感熱画像形成層中に含有される重合可能な素材の割合は、10質量%〜99質量%が好ましく、30質量%〜95質量%が特に好ましい。
(架橋可能な素材)
架橋可能な素材とは、画像露光による発熱により架橋して硬化する素材であり、熱硬化性樹脂が好ましく用いられる。
熱硬化性樹脂としては、カルボン酸誘導体系エチレン性不飽和化合物、スルホン酸誘導体系エチレン性不飽和化合物、アンモニウム塩系エチレン性不飽和化合物、アルコール系エチレン性不飽和化合物の少なくとも一つをモノマー成分として含有する高分子化合物及びその誘導体、水性ウレタン樹脂、水溶性ポリエステル、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート系ポリマー、ポリ(ビニルメチルエーテル−co−無水マレイン酸)、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート系架橋重合体、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート系架橋重合体、油変性アルキド樹脂、ビニル変性アルキド樹脂、エポキシ変性アルキド樹脂、メラミン樹脂、シリコン・アクリル樹脂、エポキシアクリル樹脂、アクリル樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、イソシアネート系化合物、カルボジイミド系化合物、キシレン樹脂、グアナミン樹脂、ジアリルフタレート樹脂、フラン樹脂、ポリイミド、ロジン変性マレイン酸樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂等が挙げられこれらは必要に応じ架橋剤と共に用いられる。
感熱画像形成層中に含有される架橋可能な素材の割合は、10質量%〜99質量%が好ましく、30質量%〜95質量%が特に好ましい。
また、感熱画像形成層には上述の光熱変換素材を含有させてもよく、0.1質量%〜10質量%で含有するのが好ましい。
感熱画像形成層には、上記の重合可能な素材のを含む場合は、これらの素材の重合を開始し得る重合開始剤を含有するのが好ましい。
重合開始剤としては、スルホニウム塩化合物、ヨードニウム塩化合物、チタノセン化合物、鉄アレーン化合物、トリハロメチルトリアジン化合物、ビスイミダゾール化合物、アシルホスフィンオキシド化合物、ベンゾイン誘導体、N−フェニルグリシン誘導体、ポリハロゲン化合物等が挙げられる。
熱重合性素材または熱架橋性素材としては、上記のなかでも特に水溶性、水分散性である素材が好ましい。
又、熱重合性素材または熱架橋性素材は、感熱画像形成層中で粒子状であることが機上現像性の面から好ましい。
粒子状で存在させるには、熱重合性素材または熱架橋性素材の粒子を含む分散液を基材上に塗布し乾燥させればよい。
感熱画像形成層には、熱溶融性微粒子および熱融着性微粒子を含有させることもできる。これらは一般的にワックスとして分類される素材で形成された微粒子である。物性としては、軟化点40℃以上120℃以下、融点60℃以上150℃以下であることが好ましく、軟化点40℃以上100℃以下、融点60℃以上120℃以下であることが更に好ましい。融点が60℃未満では保存性が問題であり、融点が300℃よりも高い場合はインキ着肉感度が低下する。
使用可能な素材としては、パラフィンワックス、ポリオレフィンワックス、ポリエチレンワックス、マイクロクリスタリンワックス、脂肪酸エステルワックス、脂肪酸系ワックス等が挙げられる。これらは分子量800から10000程度のものである。又、乳化しやすくするためにこれらのワックスを酸化し、水酸基、エステル基、カルボキシル基、アルデヒド基、ペルオキシド基などの極性基を導入することもできる。更には、軟化点を下げたり作業性を向上させるためにこれらのワックスにステアロアミド、リノレンアミド、ラウリルアミド、ミリステルアミド、硬化牛脂肪酸アミド、パルミトアミド、オレイン酸アミド、米糖脂肪酸アミド、ヤシ脂肪酸アミド又はこれらの脂肪酸アミドのメチロール化物、メチレンビスステラロアミド、エチレンビスステラロアミドなどを添加することも可能である。又、クマロン−インデン樹脂、ロジン変性フェノール樹脂、テルペン変性フェノール樹脂、キシレン樹脂、ケトン樹脂、アクリル樹脂、アイオノマー、これらの樹脂の共重合体も使用することができる。
これらの中でもポリエチレンワックス、マイクロクリスタリンワックス、脂肪酸エステルワックス、脂肪酸系ワックスの何れかを含有することが好ましい。これらの素材は融点が比較的低く、溶融粘度も低いため、高感度の画像形成を行うことができる。又、これらの素材は潤滑性を有するため、印刷版材料の表面に剪断力が加えられた際のダメージが低減し、擦りキズ等による印刷汚れ耐性が向上する。
又、熱溶融性微粒子は水に分散可能であることが好ましく、その平均粒径は機上現像性、解像度などの面から0.01〜10μmであることが好ましく、より好ましくは0.1〜3μmである。
又、熱溶融性微粒子は内部と表層との組成が連続的に変化していたり、もしくは異なる素材で被覆されていてもよい。
被覆方法は公知のマイクロカプセル形成方法、ゾルゲル法等が使用できる。層中の熱溶融性微粒子の含有量としては、層全体の1〜90質量%が好ましく、5〜80質量%がさらに好ましい。
熱融着性微粒子としては、熱可塑性疎水性高分子重合体微粒子が挙げられ、高分子重合体微粒子の軟化温度に特定の上限はないが、温度は高分子重合体微粒子の分解温度より低いことが好ましい。高分子重合体の質量平均分子量(Mw)は10、000〜1、000、000の範囲であることが好ましい。
高分子重合体微粒子を構成する高分子重合体の具体例としては、例えば、ポリプロピレン、ポリブタジエン、ポリイソプレン、エチレン−ブタジエン共重合体等のジエン(共)重合体類、スチレン−ブタジエン共重合体、メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体等の合成ゴム類、ポリメチルメタクリレート、メチルメタクリレート−(2−エチルヘキシルアクリレート)共重合体、メチルメタクリレート−メタクリル酸共重合体、メチルアクリレート−(N−メチロールアクリルアミド)共重合体、ポリアクリロニトリル等の(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸(共)重合体、ポリ酢酸ビニル、酢酸ビニル−プロピオン酸ビニル共重合体、酢酸ビニル−エチレン共重合体等のビニルエステル(共)重合体、酢酸ビニル−(2−エチルヘキシルアクリレート)共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン等及びそれらの共重合体が挙げられる。これらのうち、(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸(共)重合体、ビニルエステル(共)重合体、ポリスチレン、合成ゴム類が好ましく用いられる。
高分子重合体微粒子は乳化重合法、懸濁重合法、溶液重合法、気相重合法等、公知の何れの方法で重合された高分子重合体からなるものでもよい。溶液重合法又は気相重合法で重合された高分子重合体を微粒子化する方法としては、高分子重合体の有機溶媒に溶解液を不活性ガス中に噴霧、乾燥して微粒子化する方法、高分子重合体を水に非混和性の有機溶媒に溶解し、この溶液を水又は水性媒体に分散、有機溶媒を留去して微粒子化する方法等が挙げられる。又、何れの方法においても、必要に応じ重合あるいは微粒子化の際に分散剤、安定剤として、ラウリル硫酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ポリエチレングリコール等の界面活性剤やポリビニルアルコール等の水溶性樹脂を用いてもよい。
又、熱融着性微粒子は水に分散可能であることが好ましく、その平均粒径は機上現像性、解像度の面から0.01〜10μmであることが好ましく、より好ましくは0.1〜3μmである。
又、熱融着性微粒子は内部と表層との組成が連続的に変化していたり、もしくは異なる素材で被覆されていてもよい。
被覆方法は公知のマイクロカプセル形成方法、ゾルゲル法等が使用できる。
層中の熱可塑性微粒子の含有量としては、層全体の1〜90質量%が好ましく、5〜80質量%がさらに好ましい。
また、感熱画像形成層には上述の光熱変換素材を含有させることができる。さらに画像形成層には、水溶性の界面活性剤を含有させることができる。Si系、又はF系等の界面活性剤を使用することができるが、特にSi元素を含む界面活性剤を使用することが印刷汚れを生じる懸念がなく、好ましい。該界面活性剤の含有量は感熱画像形成層全体(塗布液としては固形分)の0.01〜3質量%が好ましく、0.03〜1質量%が更に好ましい。
さらに、pH調整のための酸(リン酸、酢酸等)またはアルカリ(水酸化ナトリウム、ケイ酸塩、リン酸塩等)を含有していても良い。
感熱画像形成層の付き量としては、0.01〜10g/m2であり、好ましくは0.1〜3g/m2であり、さらに好ましくは0.2〜2g/m2である。
本発明の好ましい態様としては、波長が700〜1100nmのレーザーにより露光して感熱画像形成層がベーマイト化処理表面に接着するものである。
(保護層)
感熱画像形成層の上層として例えば感熱画像形成層上に保護層を設けることもできる。保護層に用いる素材としては、上述の水溶性樹脂、水分散性樹脂を好ましく用いることができる。
また、特開2002−019318号や特開2002−086948号に記載されている親水性オーバーコート層も好ましく用いることができる。保護層の付き量としては、0.01〜10g/m2であり、好ましくは0.1〜3g/m2であり、さらに好ましくは0.2〜2g/m2である。
(機上現像方法)
本発明に係る感熱画像形成層の好ましい態様としては、赤外線レーザーでの画像露光による発熱により、重合あるいは架橋する感熱画像形成であり、赤外線レーザー露光部が架橋又は重合により親油性の画像部となり、未露光部が除去されて非画像部となる。未露光部の除去は、水洗によっても可能であるが、印刷機上で湿し水およびまたはインキを用いて除去する、いわゆる機上現像する。
印刷機上での画像形成層の未露光部の除去は、版胴を回転させながら水付けローラーやインキローラーを接触させて行うことができるが、下記に挙げる例のような、もしくは、それ以外の種々のシークエンスによって行うことができる。また、その際には、印刷時に必要な湿し水水量に対して、水量を増加させたり、減少させたりといった水量調整を行ってもよく、水量調整を多段階に分けて、もしくは、無段階に変化させて行ってもよい。
(1)印刷開始のシークエンスとして、水付けローラーを接触させて版胴を1回転〜数十回転回転させ、次いで、インキローラーを接触させて版胴を1回転〜数十回転回転させ、次いで、印刷を開始する。
(2)印刷開始のシークエンスとして、インキローラーを接触させて版胴を1回転〜数十回転回転させ、次いで、水付けローラーを接触させて版胴を1回転〜数十回転回転させ、次いで、印刷を開始する。
(3)印刷開始のシークエンスとして、水付けローラーとインキローラーとを実質的に同時に接触させて版胴を1回転〜数十回転回転させ、次いで、印刷を開始する。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例1
(基材A−1)
厚さ0.24mmのアルミニウム板(材質1050、調質H16)を、50℃の1質量%水酸化ナトリウム水溶液中に浸漬し、溶解量が2g/m2になるように溶解処理を行い水洗した後、25℃の0.1質量%塩酸水溶液中に30秒間浸漬し、中和処理した後水洗した。
次いでこのアルミニウム板を、塩酸10g/L、アルミを0.5g/L含有する電解液により、正弦波の交流を用いて、ピーク電流密度が50A/dm2の条件で電解粗面化処理を行なった。この際の電極と試料表面との距離は10mmとした。電解粗面化処理は12回に分割して行い、一回の処理電気量(陽極時)を40C/dm2とし、合計で480C/dm2の処理電気量(陽極時)とした。また、各回の粗面化処理の間に5秒間の休止時間を設けた。
電解粗面化後は、50℃に保たれた1質量%水酸化ナトリウム水溶液中に浸漬して、粗面化された面のスマット含めた溶解量が1.2g/m2になるようにエッチングし、水洗し、次いで25℃に保たれた10%硫酸水溶液中に10秒間浸漬し、中和処理した後水洗した。次いで、20%硫酸水溶液中で、20Vの定電圧条件で電気量が150C/dm2となるように陽極酸化処理を行い、さらに水洗して、基材A−1を得た。
(基材A−2)
基材A−1を、酢酸アンモニウムの0.1%水溶液に85℃、5秒間浸漬した以外は、基材A−1と同一である。
基材A−1の断面を走査型電子顕微鏡(S−800、日立製作所製)を用いて5万倍で観察し、ベーマイトの突起の高さ及び底面の径を測定して、平均高さ、及び底面の平均径を求めた。
ベーマイトの突起の平均高さは20nm、ベーマイトの突起の底面の平均径は5nmであった。
(基材A−3)
基材A−1を、酢酸アンモニウムの0.1%水溶液に85℃、15秒間浸漬した以外は、基材A−1と同一である。
上記基材A−2と同様にして平均高さ、及び底面の平均径を求めた。
ベーマイトの突起の平均高さは120nm、ベーマイトの突起の底面の平均径は60nmであった。
(基材A−4)
基材A−1を、酢酸アンモニウムの0.1%水溶液に95℃、60秒間浸漬した以外は、基材A−1と同一である。
上記基材A−2と同様にして平均高さ、及び底面の平均径を求めた。
ベーマイトの突起の平均高さは250nm、ベーマイトの突起の底面の平均径は110nmであった。
(基材A−5)
基材A−1を、カルボキシメチルセルロース・ナトリウム塩の0.1%水溶液に90℃、30秒間浸漬した以外は、基材A−1と同一である。
(基材A−6)
基材A−2を、更に、カルボキシメチルセルロース・ナトリウム塩の0.1%水溶液に90℃、30秒間浸漬した。
(基材A−7)
基材A−3を、更に、カルボキシメチルセルロース・ナトリウム塩の0.1%水溶液に90℃、30秒間浸漬した。
(基材A−8)
基材A−4を、更に、カルボキシメチルセルロース・ナトリウム塩の0.1%水溶液に90℃、30秒間浸漬した。
(基材A−9)
基材A−1を、酢酸アンモニウムの0.1%水溶液に80℃、10秒間浸漬した以外は、基材A−1と同一である。
上記基材A−2と同様にして平均高さ、及び底面の平均径を求めた。
ベーマイトの突起の平均高さは31nm、ベーマイトの突起の底面の平均径は12nmであった。
(基材A−10)
基材A−1を、酢酸アンモニウムの0.1%水溶液に70℃、15秒間浸漬した以外は、基材A−1と同一である。
上記基材A−2と同様にして平均高さ、及び底面の平均径を求めた。
ベーマイトの突起の平均高さは32nm、ベーマイトの突起の底面の平均径は8nmであった。
(基材A−11)
基材A−1を、酢酸アンモニウムの0.1%水溶液に85℃、30秒間浸漬した以外は、基材A−1と同一である。
上記基材A−2と同様にして平均高さ、及び底面の平均径を求めた。
ベーマイトの突起の平均高さは195nm、ベーマイトの突起の底面の平均径は95nmであった。
(基材A−12)
基材A−1を、酢酸アンモニウムの0.1%水溶液に90℃、30秒間浸漬した以外は、基材A−1と同一である。
上記基材A−2と同様にして平均高さ、及び底面の平均径を求めた。
ベーマイトの突起の平均高さは198nm、ベーマイトの突起の底面の平均径は110nmであった。
(画像形成層の作製)
(画像形成層塗布液P−1)
水系分散ポリマー:NKポリマーRP−116E(新中村化学社製)
固形分35質量% 26.3質量部
ポリアクリル酸ナトリウム:アクアリックDL522(日本触媒社製)の水溶液、
固形分10質量% 10.0質量部
光熱変換色素:ADS830AT(American Dye Source社製)
のエタノール溶液、1質量% 30.0質量部
純水 33.7質量部
(画像形成層塗布液P−2)
水系ポリウレタン樹脂分散液:タケラックW−615(三井武田ケミカル社製、平均粒径:80nm)固形分35質量% 17.1質量部
水系ブロックイソシアネート:タケネートXWB−72−N67
(三井武田ケミカル社製)固形分45質量% 7.1質量部
ポリアクリル酸ナトリウム:アクアリックDL522(日本触媒社製)の水溶液、
固形分10質量% 5.0質量部
光熱変換色素:ADS830AT(American Dye Source社製)
のエタノール溶液、1質量% 30.0質量部
純水 40.8質量部
印刷版試料1〜13の作製
表1に示す構成で印刷版試料を作製した。作製時の条件としては、画像形成層をワイヤーバーを用いて塗布を行い、乾燥し、その後エイジング処理を行ない、印刷版試料1〜13を得た。
画像形成層
乾燥付き量:1.50g/m2
乾燥条件:55℃/3分
エイジング条件:40℃/24時間
画像形成層塗布液P−1を用いたものは、塗布、乾燥後は皮膜を形成した。また、P−2を用いたものは塗布、乾燥後、画像形成層中のポリウレタン樹脂は粒子状であった。
(赤外線レーザー露光による画像形成)
印刷版材料を露光ドラムに巻付け固定した。露光には波長830nm、スポット径が約20μmのレーザービームものを用い、露光エネルギーを250mJ/cm2として、2400dpi(dpiとは1インチ、即ち2.54cm当たりのドット数を表す)、175線で画像を形成した。露光した画像はベタ画像と1〜99%の網点画像とを含むものである。
(印刷方法)
印刷機として三菱重工業(株)製DAIYA1F−1を用いて、コート紙に、湿し水としてアストロマーク3(日研化学研究所製)2質量%、インキ(東洋インキ社製TKハイユニティ紅)を使用して印刷を行った。印刷版材料は露光後そのままの状態で版胴に取り付け、PS版と同じ刷り出しシークエンスを用いて印刷した。
(評価方法)
刷り出し枚数
印刷版を印刷機にセットして印刷を開始するし、ベタ画像部、非画線部ともに濃度が安定した最初の印刷物の枚数(刷り出し枚数)を測定して機上現像性の指標とした。20枚以下のものを合格とした。
耐刷性
3%網点画像が欠け始めた時点の印刷枚数を耐刷性の指標とした。100,000枚以上耐刷性のあるものを合格とした。
非画線部汚れ
印刷物のレーザーで露光していない部分(非画線部)の濃度を測定し、Macbeth RD918を用いてMのモードで測定した値が0.10未満であるものを合格とした。
Figure 2005231348
表1より、本発明の印刷版材料は鮮明な印刷画像を有し、機上現像性、耐刷性が良好であり、非画線部の汚れも無く、優れた印刷適性を有していることがわかる。
本発明に係るアルミニウム基材の断面の模式図である。
符号の説明
A アルミニウム基材
P ベーマイトの突起
H ベーマイトの突起の高さ
L ベーマイトの突起の底面の径

Claims (5)

  1. 粗面化処理を施したアルミニウム基材上に、機上現像可能な感熱画像形成層を有する印刷版材料であって、該粗面化処理を施したアルミニウム基材の表面は、ベーマイトの突起を生ずるベーマイト化処理されており、生成したベーマイトの突起の平均高さが30nm〜200nm、底面の平均径が10nm〜100nmであり、かつ該感熱画像形成層は熱重合性または熱架橋性素材を含有することを特徴とする印刷版材料。
  2. 前記ベーマイト化処理後にアルミニウム基材を親水性素材で処理することを特徴とする請求項1に記載の印刷版材料。
  3. 前記感熱画像形成層に含有される熱重合性または熱架橋性素材が粒子状であることを特徴とする請求項1又は2に記載の印刷版材料。
  4. 請求項1、2又は3に記載の印刷版材料を用い機上現像することを特徴とする印刷版材料の現像方法。
  5. 請求項1乃至3のいずれか1項に記載の印刷版材料に用いられることを特徴とする印刷版材料用支持体。
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