JP2005231315A - グレーズドセラミックス基板およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】硬質印字媒体用のサーマルヘッド用基板として用いることができ、凹凸差が大きく、かつ、凸状グレーズ層の頂部、壁面部、裾部の各々のグレーズ層の厚みが薄く均一なグレーズドセラミックス基板を提供する。
【解決手段】略台形状もしくは略半円状をなす断面形状の凸部が1列ないし複数列形成された凹凸面を有するセラミックス基板の全面もしくは部分面にグレーズ層を有するグレーズドセラミックス基板において、凸部を一体的に形成したセラミックス基板であり、該セラミックス基板の凹凸差を1.0mm以上にする。
【選択図】図1

Description

本発明は、特に樹脂系カード等の硬質印字媒体用のサーマルヘッドに用いるグレーズドセラミックス基板に関する。
サーマルヘッド用の発熱抵抗体形成用基板として、一般的にはセラミックス基板が用いられ、該セラミックス基板上にグレーズ層を形成し、その上に発熱抵抗体が形成される。上記グレーズ層は下地基板の面粗さを補完し平滑面を得る目的ならびに蓄熱効果を得る目的とから形成されるものである。
特に近年、サーマルヘッドを用いたプリンタの用途は拡がり、印字媒体も一般的な紙から、各種カードやチケット用、さらに硬質の樹脂系のものまで使用され、かつ、高速印字性能が要求されようになってきている。
一方、曲がりにくい硬質印字媒体は、該硬質印字媒体を略フラットパスせざるを得ず、略フラットパスするためには、上記硬質印字媒体と印字リボンを介し接触するサーマルヘッドの発熱抵抗体部分に所望の高さが要求される。それは、上記発熱抵抗体の駆動回路が印字媒体走行直下に配置され、かつ、その上部に保護カバー等が設置されるため、印字媒体と接触する発熱抵抗体部分に必要な高さのある凸部を形成しなかった場合には、印字媒体の走行時に上記保護カバーなどと接触し印字媒体に擦れ等のキズが発生するためである。また、凸部を高くした場合、高速印字処理を行うためには、蓄熱性の高いグレーズ層は薄いものが好ましい。
これらの要求に対応するために、先ず、図9(a)に示すように、セラミックスグリーンシート100を積層した成形体を研削して凹凸を形成した後に焼成し、図9(b)に示す凸状セラミックス基板102を作製したり、或いは、セラミックスグリーンシート100を積層し焼成後に研削して凸状セラミックス基板102を作製した。その後、図9(c)に示すように、上記凸状セラミックス基板102に印刷法によりグレーズ層103を形成し、図9(d)に示すように、凸状グレーズ層103をマスク104によりカバーした上でスプレー法により凸部の壁面部ならびに裾部にグレーズ層103b、103cを形成するグレーズドセラミックス基板101があった(特許文献1)。
特開平5−177855号公報
しかしながら、特許文献1の凸状セラミックス基板102は、グリーンシート100をバインダーを含む密着液で積層後焼成するものであるが、前記積層部が完全に密着しているかの確認ができないために積層部に巣と呼ばれる密着不良が発生したり、また、積層した基板の凸部形成のための研削において、グリーンシート100の1枚の厚み以上の凹凸差dを形成すると、図10(a)、(b)に示すように、積層境界部分の壁面部102bにチッピング状の段差Sが発生し、特に前記した密着不良による巣があると大きな段差Sが発生するという課題があった。
また、サーマルヘッド用等の大型基板で量産化されているものは、ドクターブレード法によりグリーンシート100を成形されたものであり、ドクターブレード法によるグリーンシート100の成形は、その厚みを厚く成形しようとすると、スラリーが剥離紙上を横方向に拡がりグリーンシート100の成形方向に対する幅方向の厚みが均一に成形出来ないことと、また、厚みが厚くなるとスラリーの乾燥が困難となりピンホールが発生しやすいなどの問題があるために、焼成後換算の基板厚みが1.0mm程度のものが量産化されており、従って、上記基板厚みの1.0mmを超えるような凹凸差dを有する凸部を設けることは困難であった。
一方で、比較的高い凹凸差dを有するセラミックス基板を作製しても、前記スプレー法を用いてグレーズ層103をセラミックス基板上に形成すると、流動性の高いグレーズペーストを用いるため、壁面部103bは極端に薄く、そして、裾部103cは厚くなりグレーズ層103の厚みt2、t3を精度良く形成することができないという課題があった。
特に、グレーズ層103の薄くなる場所は壁面部103cの上部であり、凸状頂部103aの長手方向において、厚みt2の厚みバラツキが大きく、これはグレーズの焼成後において上記厚みバラツキが起因し凸状頂部103aにうねりが生じる。該うねりの大きいグレーズドセラミック基板をサーマルヘッドに用いると、印字媒体に濃度ムラが発生する。一方で、グレーズ層103の厚みが厚くなると、グレーズ層103の蓄熱効果が増大して熱応答性が悪くなるため、印字媒体を高速印字させると尾引きが発生するという課題があった。
上記課題に鑑み、本発明のグレーズドセラミックス基板は、略台形状もしくは略半円状をなす断面形状の凸部が1列ないし複数列形成された凹凸面を有するセラミックス基板の全面もしくは部分面にグレーズ層を有するグレーズドセラミックス基板において、上記凸部をセラミックス基板と一体的に形成し、該セラミックス基板の凹凸差が1.0mm以上であることを特徴とする。
さらに、前記グレーズ層の凸状頂部の厚みが20〜80μmであって、該凸状頂部から裾部にわたるグレーズ層の厚みが、上記凸状頂部の厚みに対し−20%〜+40%の厚みであって、かつ、上記凸状頂部の長手方向の最大うねりが0.3μm以下であることを特徴とする。
また、本発明のグレーズドセラミックス基板の製造方法は、セラミックス基板の少なくとも一方の主面を研削して凹凸面を形成した後、該凹凸面に合致する形状をなすブレードを用いてガラスペーストをコーティングし、得られた基板を焼成することを特徴とする。
このように本発明のグレーズドセラミックス基板によれば、凸部を一体的に形成したセラミックス基板からなるため、壁面部にチッピング状の段差の発生のないセラミックス基板を作製できる。従って、本発明のセラミックス基板上に形成したグレーズ層は、凸状の壁面部から裾部にかけての表面粗さ最大高さRtが小さく抑えられ前記グレーズ面に発熱抵抗体や電極パターンを薄膜形成しても、断線やショート等の不良発生を防止できる。また、セラミックス基板の凹凸差を1.0mm以上とすることにより、前記セラミックス基板上にグレーズ層を形成して作製されたグレーズドセラミックス基板を設けたサーマルヘッドを用いると、プラスチック等の硬質印字媒体の略フラットパスが可能となる。
さらに、前記グレーズ層の凸状頂部の厚みが20〜80μmであって、該凸状頂部から裾部にわたるグレーズ層の厚みが、上記凸状頂部の厚みに対し−20%〜+40%の厚みであるため、上記凸状頂部に隣接する壁面部のグレーズ層の厚みバラツキを抑制できる。また、上記凸状頂部の長手方向の最大うねりを0.3μm以下としたため、上記グレーズドセラミックス基板をサーマルヘッドに用いたときに、印字濃度ムラを防止できる。また、裾部におけるグレーズ厚みが上記凸状頂部の厚みに対し+40%以下であるために、蓄熱性の高いグレーズ層の体積増加を抑制できる。即ち、上記グレーズドセラミックス基板をサーマルヘッドに用いたときに、硬質印字媒体へのフルカラー高速印字における熱応答性が良好なために尾引きの発生を防止できる。
さらに、本発明のグレーズドセラミックス基板の製造方法によれば、セラミックス基板を研削し凹凸面を形成した後、該凹凸面に相対する形状をなすブレードを用いてガラスペーストをコーティングし、得られた基板を焼成する工程を含んでいるので、凹凸差の大きい凹凸面を有するセラミックス基板であっても、該セラミックス基板の凸状頂部、凸部の壁面部、及び裾部に均一な厚みでグレーズ層を形成できるとともに、ガラスコーティングによるブレードの消耗も少ないため、量産性に適し、また多数個取り基板の作製に適している。
以下、本発明の実施形態について説明する。図1は、本発明によるグレーズドセラミックス基板1の一実施例を示す断面図であって、図1(a)はセラミックス基板20の凸部形状が略台形状、図1(b)は凸部形状が略半円状、また図1(c)は凸部が複数列形成された多数個取りのものである。
本発明のグレーズドセラミックス基板1は、図1に示すように、比較的大きい凹凸差dを持った凹凸面22を有するセラミックス基板20の凹凸面22側に、該凹凸面22の全面、もしくは図示しないが凹凸面22に対して部分的にグレーズ層30を形成することにより作製されている。
そして本発明のグレーズドセラミックス基板1は、凸部21を一体的に形成したセラミックス基板20であり、セラミックス基板20の凹凸差dが1.0mm以上で形成されている。これは、凸部21を一体的に形成しない場合、即ち、積層したグリーンシートを研削し焼成後凸部21を形成したり、あるいは、積層したグリーンシートを焼成後研削し、凸部21を形成したグレーズドセラミックス基板では、図10(a)、(b)を用いて上述したように、凸状の壁面部102bから裾部102cにかかる積層境界部で上記研削によるチッピング状の段差Sが生じる。この段差Sは、セラミックス基板20にグレーズ層30を形成する際に、図9(d)で示す壁面部103bから裾部103cの表面粗さ最大高さRtを大きくする要因となるため、グレーズ層30上にサーマルヘッド用の発熱抵抗体を形成すると、該発熱抵抗体に断線やショート不良を発生させる。
一方、セラミックス基板20の凹凸差dを1.0mm以上とすることにより、セラミックス基板20上にグレーズ層30を形成した場合、該グレーズ層30の凹凸差tもほぼ1.0mm以上を確保できるため、このグレーズドセラミックス基板1に発熱抵抗体層等を形成しサーマルヘッド用基板として用いても、プラスチック等の硬質印字媒体においても略フラットパスを維持することができる。ここで、セラミックス基板20の凹凸差dが1.0mm未満であると、グレーズ層30の凹凸差tが小さくなるため、グレーズ層30の裾部30c上に発熱抵抗体駆動回路やその保護カバー等が形成されると、印字媒体と接触しやすくなり、特に、曲がりにくい硬質印字媒体の略フラットパスは困難となる。
さらに、凸状頂部30aのグレーズ層30の厚みt1が20〜80μmであって、凸状頂部30aから裾部30cにわたるグレーズ層の厚みt2及びt3が、凸状頂部30aの厚みt1に対し−20%〜+40%の厚みであって、かつ、図2に示す、凸状頂部30aの長手方向の最大うねりWが0.3μm以下であることが好ましい。ここで、グレーズ層30を形成するガラスペーストには流動性の低いものを用いるが、壁面部30bのグレーズ層30の厚みt2を厚みt1と同じ厚みで形成することは困難であり、厚みt2は厚みt1に比べてやや薄く形成される。さらに、グレーズ層30を所定の温度で焼成すると、焼成後の冷却時に軟化したグレーズが凸状頂部30aに引っ張られるという現象が生じ、壁面部30bのグレーズ層の厚みt2が薄くなる。即ち、凸状頂部30aのグレーズ層30の厚みt1が20μm未満になると、上述したグレーズ層30の引っ張り現象により、焼成後の壁面部31bのグレーズ層の厚みt2が薄くなり、セラミックス基板20の壁面部22bの露出や、厚みt2の厚みバラツキが大きくなる場合がある。併せて、厚みt2が厚みt1に対してマイナス20%を超えて薄くなると、上記厚みバラツキがさらに増大する可能性がある。
また、凸状頂部30aの厚みt1が80μmを超えると、蓄熱性の高いグレーズ層30の体積が増大するため、サーマルヘッドとして用いたときに熱応答性が低下し、印字媒体に尾引き現象が発生し高画質の印字が困難になる場合がある。併せて、裾部30cのグレーズ層30の厚みt3は厚みt1に比べて厚く形成されるが、厚みt1に対してプラス40%を超えて厚くなると、上述した熱応答性が低下するとともに、硬質印字媒体を印字するための凹凸差tを得られなくなる可能性がある。
さらに、凸状頂部30aの長手方向の最大うねりWが0.3μmを超えると、図示省略するが、凸状頂部30aに形成された発熱抵抗体を含むヘッド部分と印字リボンを介し印字媒体との接触の均一化が困難となるため、サーマルヘッドとして用いたときに印字濃度ムラが発生する場合がある。ここで、グレーズ層30の凹凸面30dの表面粗さRaは0.04μm以下、表面粗さ最大高さRtは0.4μm以下であれば、発熱抵抗体や電極を問題なく薄膜形成できる。また、グレーズ層30の表面粗さRaを上記値以下とするためには、セラミックス基板20の凹凸面22の表面粗さRaを0.5μm以下とすることが望ましい。
次に、本発明のグレーズドセラミックス基板1の製造方法を説明する。まず、セラミックス基板20の材質としてはアルミナ、窒化アルミニウム等のセラミックスが相応しく、公知の、ロールコンパクション法等によりグリーンシートを成形する。特にセラミックス基板20の全厚みdを1.5mm以上、さらには、2.0mm以上とし、かつ多数個取りが可能な大型グレーズドセラミックス基板1を作製するためには、押し出し成形品ではセラミックスの充填密度差から反りが発生しやすく、またドクターブレード法ではスラリーが剥離紙上を横方向に拡がり幅方向に均一な厚みを確保するのが困難であるとともに、スラリーの乾燥も困難となりピンホールが発生しやすいなどの問題が生じやすい。即ち、厚みが厚く、大型で、かつ反りの少ない基板を得るためにはロールコンパクション法によるものが好ましい。それらの製法により成形されたグリーンシートを所望のサイズに切断し、所定の温度で焼成しセラミックス基板20を得る。
図3はセラミックス基板20を用いた本発明のグレーズドセラミックス基板1の製造方法を説明するための断面図であって、図3(a)に示すように、セラミックス基板20の少なくとも一方の主面を研削し凹凸面22を形成する。次に、図3(b)に示すように、セラミックス基板20の凹凸面22に合致する形状のブレード4を用いてガラスペースト5をコーティングする。次に、ガラスペースト5をコーティングしたセラミックス基板20を焼成すると、図3(c)に示す、グレーズドセラミックス基板1が作製できる。
また、セラミックス基板20に凸部21を形成する方法としては、機械研削またはサンドブラスト法等があるが、研削深さが図1(a)で示す凹凸差dが1.0mm以上と深いために、機械研削が相応しい。即ち、図4に示すように、複数の凹凸面61を有するロール状砥石60を用いてセラミックス基板20上に、複数の凸部21を同時に形成することが量産性に適している。ここで、研削は少なくとも2工程以上実施することが好ましく、初回は番手を#100〜200、仕上げ研磨の番手は#800〜1500で実施することにより、セラミックス基板20の凸状頂部22aの表面粗さRaを0.5μm以下とすることができる。尚、ロール状砥石60の材質はダイヤモンドが適している。
上記凸部21の形成方法としてサンドブラスト法もあるが、セラミックス基板20の凸部21を略半円状に形成することは困難であるが、略台形状については、図示省略するがマスクを多段階に分けてセラミックス基板20に被せて実施することにより形成可能である。
次に、ガラスペースト5をコーティングする際は、図3(b)に示すように、セラミックス基板20の凹凸面22にガラスペースト5を塗布し、凹凸面22に合致する形状のブレード4を所望のグレーズ層30の凸状頂部の厚みt1を得るための間隙gを介して位置させ、ガラスペースト5のコーティングのためのブレード4を10〜20cm/sec.の速度で凸部21に沿って移動させ、セラミックス基板20上の凹凸面22上にガラスペースト5をコーティングする。
その後、ガラスペースト5が晶質化しない温度で焼成してグレーズ層30とすることにより、本発明のグレーズドセラミックス基板1を作製することができる。ここで、焼成温度カーブにもよるが、入炉前に100℃前後の温度で約5分間乾燥させることが好ましい。
ここで、ガラスペースト5は、45〜60質量%SiO、5〜30質量%BaO、10〜20質量%CaO、5〜10質量%Al、0〜10質量%B系のグレーズガラス(転移点685℃、軟化点845℃)を用いるのが好ましい。
また、ブレード4の材質は、コーティング作業において変形しないものであれば、特に限定するものではないが、好ましい材質としてステンレス、アルミニウム、セラミックス、ガラス等があげられる。尚、図5に示すように、ブレード4の刃先形状は、コーティング時の進行方向L側の刃先4aが図5(a)のようなC面、或いは図5(b)のようなR面が好ましく、特に刃先先端部4bは平滑でないと、コーティングされたグレーズ層30の表面に尾引きが表れるため、刃先先端部4bの表面粗さRaは少なくとも0.15μm以下とすることが望ましい。
以上、本発明のグレーズドセラミックス基板の製造方法によれば、凹凸差tが大きく、かつグレーズ層30の厚みバラツキが極めて小さいグレーズドセラミックス基板を提供することができる。
本発明のグレーズドセラミックス基板を以下のように作製した。
(実施例1)アルミナ含有率96質量%のアルミナ粉末を用い、ロールコンパクション法にてグリーンシートを成形し、所定の外辺寸法に切断後に焼成し、厚みが2.0mmの平板状のセラミックス基板20を作製した。
次に、図4に示すような凸部61aが4連、凹部61cが3連あり、各々凸部61aと凹部61c間に傾斜面61bを有するダイヤモンド製の番手#100であるロール状砥石60でセラミックス基板20を一度研削し、さらに、同一形状のロール状砥石60でダイヤモンド製の番手#1000に変えてセラミックス基板20の表面を仕上げ研削を施して、図6に示すようなセラミックス基板20上に凸部21の高さdを1.0mm、裾部22cの幅d3を2.0mm、テーパー角度θが45°の凹凸面22を形成した。
尚、図6に示すように、セラミックス基板20の研削は、ロール状砥石60の凸部61aが4連であるために、セラミックス基板20の幅方向にA、B、Cの3回に分けて移動し研削するもので、その際、裾部22cはx、yの2箇所をオーバーラップして研削した。ここで、ロール状砥石60の凹凸面61の凸部61aは4連を用いたが、その連設数は特に限定するものではない。
次に、45〜60質量%SiO、5〜30質量%BaO、10〜20質量%CaO、5〜10質量%Al、0〜10質量%Bの組成で混合し、常温における粘度が約140kcpsのガラスペースト5を作製した。セラミックス基板20上にガラスペースト5を塗布し、ブレード4をグレーズ層30の凸状頂部30aの厚みt1が50μmとなるように隙間gを介して位置させ、ブレード移動速度15cm/sec.にてセラミックス基板20上にコーティングした。尚、ブレード4はステンレス製であり、図5(b)に示す刃先4aがR形状を有し、その先端部4bの表面粗さRaが0.10μmであって、セラミックス基板20の凹凸面22に合致する形状を有している。
その後、ガラスペースト5をコーティングしたセラミックス基板20を100℃の雰囲気中に5分間放置し乾燥させた後、トンネル型焼成炉で最高温度1150℃で焼成することにより、凹凸差tが1.0mmの非晶質化した凸状のグレーズ層30を有するグレーズドセラミックス基板1を作製した。また、図7にその平面図を示し、長さX=300mm、幅Y=90mmの中に、略台形状の凸状頂部30aを有する9個取りのグレーズドセラミックス基板1を作製し、試料番号1とした。
また、比較例として、アルミナ含有率96質量%の粉末を用い、ドクターブレード法にてグリーンシートを成形し、バインダーを含む密着液を塗布してグリーンシートを積層し、所定の外辺寸法に切断し、焼成することにより、図8(a)に示すように、厚みdが2.0mmでグリーンシートの積層から成る平板状のセラミックス基板202を作製した。尚、グレーズ層を形成し研削する工程は上記本発明実施例と同じとし、図4に示すローラー状砥石60を用い、研削用のダイヤモンドの番手並びに研削寸法も同一で研削することにより、図8(b)に示す凸部221を形成し、さらに、本発明実施例と同一のガラスペースト5、並びに、ブレード4を用いセラミックス基板202の凸部221の焼成後のグレーズ層厚みが50μmとなるようにガラスペースト5のコーティングを行い、乾燥、焼成し、図8(c)に示すグレーズドセラミックス基板201を作製し試料番号2とした。
以上、得られた試料番号1、2のグレーズドセラミックス基板について、凸状頂部30a、230aのグレーズ層の厚みt1、壁面部30b、230bから裾部30c、230cにわたるグレーズ層30、230の厚みの最小値tmin.と厚みの最大値tmax.を測定した。厚みt1、tmin.、tmax.の測定は、基板の任意の10箇所ずつを横断する形に切断し、金属顕微鏡にて倍率200倍で各々測定し、その平均値をデータとした。
次に、試料番号1、2のグレーズドセラミックス基板について、壁面部30b、230bから裾部30c、230cにかけての表面粗さ最大高さRtを、表面粗さ計(小坂研究所株式会社製SE−2300型)を用い、触針径0.5μmR、測定速度0.5mm/sec.で測定した。尚、上記表面粗さ最大高さRtはグレーズドセラミックス基板上の任意の単体基板の10箇所について、凸状グレーズ層の壁面部から裾部にかけて触針を走行させ平均値を求めたものである。
さらに、試料番号1、2のグレーズドセラミックス基板を各10シート準備し、それらをグレーズ層の厚みを測定するために破壊した1単体を除く、各89個の単体について、蒸着法で成膜しエッチング処理して形成したTaの発熱抵抗体における断線等の不良発生の確認を実施した。ここで単体とは、多数個取り基板用で作製したグレーズドセラミックス基板を1つずつ分割した単体基板を示している。結果は表1に示すとおりである。
Figure 2005231315
この表1から、比較例である試料番号2のグレーズドセラミックス基板201は、グリーンシートを積層して作製したため、凸部221を形成する研削工程において、凸部221の壁面部222bにチッピング状の段差Sが生じたため、グレーズ層230の壁面部230bから裾部230cにかけての表面粗さ最大高さRtが高くなり、発熱抵抗体に断線が生じた。
これに対して、本発明の実施例である試料番号1のグレーズドセラミックス基板1は、凸部21を一体的に形成したセラミックス基板20であったため、凸部21の壁面部に段差Sが生じなかったので、グレーズ層30の壁面部30bにおける厚みバラツキを抑制でき、発熱抵抗体の形成不良を防止することができた。
(実施例2)上記実施例1の本発明の実施例である試料番号1のグレーズドセラミックス基板1において、凸状頂部30aのグレーズ層30の厚みt1と壁面部30bから裾部30cにわたるグレーズ層30の厚みの最小値tmin.、最大値tmax.とグレーズドセラミックス基板1をサーマルヘッドプリンタに用いた場合の印字効果について検証した。各々のグレーズ層の厚みは実施例1と同じ方法で測定した。
さらに、グレーズドセラミックス基板1の凸状頂部30aについて、表面粗さ計(小坂研究所株式会社製SE−2300型)を用いて触針0.5μmR、測定速度0.5mm/sec.で任意の10箇所で長手方向各30mmあたりの最大うねりを測定し、その平均値を最大うねりWとした。
次に、グレーズドセラミックス基板1の単体基板について、図示省略するが、電極パターン、発熱抵抗体パターンを薄膜形成し、その上部に保護膜層をグレーズにて形成しサーマルヘッドプリンタを組み立て作製した。
次に、硬質印字媒体としてプラスチックを用いdpi300、印字速度150mm/10sec.でフルカラー高速印字を行い、濃度ムラならびに尾引きの有無について評価を行った。ここで、濃度ムラのないものは○、濃度ムラのあるものは×、尾引きのないものは○、有るものは×と評価した。結果は表2に示すとおりである。
Figure 2005231315
表2の結果より、試料番号3は厚みt1が10μmと薄く、厚みt1以外のグレーズ層の厚みt2及びt3の最小値tmin.が7μm(厚みt1に対してマイナス30%)、最大値tmax.が18μm(厚みt1に対してプラス80%)であり、凸状頂部30aの長手方向の最大うねりWが大きくなったため、硬質印字媒体であるプラスチックへのフルカラー高速印字において、濃度ムラが発生した。
また、試料番号9は厚みt1が90μmと厚かったため、グレーズ層の体積が増加するので、グレーズ層の蓄熱作用が増大し、熱応答性が低下する。この熱応答性の低下により高精度な印字ができなくなり、プラスチックに尾引きが発生した。
これらに対して、試料番号4〜8では、凸状頂部30aのグレーズ層の厚みt1が20〜80μmであり、厚みt1以外のグレーズ層の厚みt2及びt3が厚みt1に対して−20%〜+40%であり、最大うねりWを0.3μm以下に抑制できたため、硬質印字媒体であるプラスチックへのフルカラー高速印字において、濃度ムラや尾引きは発生しなかった。尚、上述した本発明の実施例は、セラミックス基板20の凹凸差dが1.0mm以上と大きかったために、プラスチックのような硬質印字媒体に印字を可能としたのは言うまでもない。
本発明は、サーマルプリンタヘッドに用いられるグレーズ基板およびその製造方法に利用可能で、特に硬質紙、樹脂系カードに印字するサーマルヘッドに用いるグレーズドセラミックス基板として好適である。
(a)〜(c)は本発明のグレーズドセラミックス基板の一例を示す断面図である。 グレーズドセラミックス基板に形成されたグレーズ層のうねりを示す断面図である。 (a)〜(c)は本発明のグレーズドセラミックス基板の製造方法の一例を示す断面図である。 ロール状砥石の断面図である。 (a)、(b)はブレードの要部断面図である。 本発明のグレーズドセラミックス基板に用いられるセラミックス基板の断面図である。 本発明のグレーズドセラミックス基板の平面図である。 (a)及び(b)は従来の凸状セラミックス基板を示す断面図であり、(c)は従来のグレーズドセラミックス基板の断面図である。 (a)〜(d)は従来のグレーズドセラミックス基板の形成方法を示す断面図である。 (a)は従来の凸状セラミックス基板の平面図、(b)にその断面図を示す。
符号の説明
1、101、201・・・グレーズドセラミックス基板
20、102、202・・・セラミックス基板
21、221・・・凸部
22・・・凹凸面
22a、102a、222a・・・凸状頂部
22b、102b、222b・・・壁面部
22c、102c、222c・・・裾部
30、103、230・・・グレーズ層
30a、103a、230a・・・凸状頂部
30b、103b、230b・・・壁面部
30c、103c、230c・・・裾部
30d・・・凹凸面
4・・・ブレード
4a・・・刃先
4b・・・刃先先端部
5・・・ガラスペースト
60・・・ロール状砥石
61・・・凹凸面
61a・・・凸状頂部
61b・・・壁面部
61c・・・裾部
104・・・マスク

Claims (3)

  1. 凸部が1列ないし複数列形成された凹凸面を有するセラミックス基板の全面もしくは部分面にグレーズ層を有するグレーズドセラミックス基板において、上記凸部をセラミックス基板と一体的に形成し、該セラミックス基板の凹凸差が1.0mm以上であることを特徴とするグレーズドセラミックス基板。
  2. 前記グレーズ層の凸状頂部の厚みが20〜80μmであって、該凸状頂部から裾部にわたるグレーズ層の厚みが、上記凸状頂部の厚みに対し−20%〜+40%の厚みであって、かつ、上記凸状頂部の長手方向の最大うねりが0.3μm以下であることを特徴とする請求項1記載のグレーズドセラミックス基板。
  3. セラミックス基板の少なくとも一方の主面を研削して凹凸面を形成した後、該凹凸面に合致する形状をなすブレードを用いてガラスペーストをコーティングし、得られた基板を焼成することを特徴とするグレーズドセラミックス基板の製造方法。
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