JP2005231110A - 印刷制御装置、印刷制御方法および印刷制御プログラム - Google Patents

印刷制御装置、印刷制御方法および印刷制御プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】 N種類のインク滴を記録可能な印刷装置にて高精度に環境の変化による色の変動を補償することができなかった。
【解決手段】 印刷媒体上にインク量の異なるN種類(Nは2以上の整数)のインク滴を記録可能な印刷装置を駆動するにあたり、画像を形成する画素の色を印刷装置で使用するインク色毎の階調値で表現した画像データを取得し、所定の基準環境における上記階調値と上記N種類の各インク滴の記録量との対応関係を示す記録量特定データを取得し、上記印刷装置がおかれた環境を示す環境情報を取得し、上記記録量特定データを参照して、上記取得した環境情報が示す環境における上記階調値と上記N種類の各インク滴の記録量との対応関係を示す現環境記録量特定データを取得し、同現環境記録量特定データを参照して上記画像データにおける各画素の階調値を記録量に変換し、同記録量によって印刷を実施させる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、環境に応じて印刷を実行する印刷制御装置、印刷制御方法および印刷制御プログラムに関する。
印刷装置においては、特定の入力画像データに基づいて同等の印刷結果を得るためにカラーマッチングがなされる。カラーマッチングは、通常、入力画像データが示す色と出力色とが一致するように作成された色変換テーブルを予め作成するなどして実現される。しかし、印刷装置による出力色は当該印刷装置がおかれる環境によって異なることがあり、この場合、共通の色変換テーブルを利用すると環境変化に対応したカラーマッチングを行うことができない。そこで、温度変化による色の変動を補償する技術が開発されている(例えば、特許文献1,特許文献2)。
特開2001−54943号公報 特開平10−278315号公報
上記従来技術では、N種類のインク滴を記録可能な印刷装置にて高精度に環境の変化による色の変動を補償することができなかった。より具体的には、特許文献1においては、上述の色変換テーブルを修正することによって温度変化による色の変動を補償しているが、このような構成では、N種類のインク滴を吐出可能な印刷装置において、N種類のインク滴毎に個別の調整をすることができない。すなわち、色変換テーブルの値を修正して温度補償を行うので、N種類のインク滴毎の相対的な記録量は変動させない。
しかし、実際には温度によってN種類のインク滴毎に異なる影響を受けることがあり、この場合には色の変動を補償することができない。例えば、大小2種のインク滴を吐出する構成において、温度の上昇によって大きなインク滴の吐出量が減り、小さなインク滴の吐出量が増える場合、上述の従来例においてはこのようなインク滴の変動を的確に補償することができなかった。
この状況は、上述の特許文献2においても同様に発生し得る。すなわち、N種類のインク滴を吐出させるためにヘッドに対して印加する電圧を個別に調整できない状況では、高精度に色の変動を保守することができない。より具体的には、大小2種のインク滴を吐出する構成において、小インク滴を吐出するための電圧を2回印加することによって大インク滴を吐出することがある。このような場合には、大インク滴の吐出量を増加させ、小インク滴の吐出量を減少させるなどの調整を行うことができず、インク滴の変動を的確に補償することができなかった。また、上記従来技術においては、環境の変化として温度の変化しか考慮していないが、出力色は温度以外の環境条件によって影響を受け得る。従って、温度のみを考慮していると、高精度に色の変動を補償できない場合があった。
本発明は、上記課題にかんがみてなされたもので、N種類のインク滴を記録可能な印刷装置にて高精度に環境の変化による色の変動を補償することが可能な印刷制御装置、印刷制御方法および印刷制御プログラムを提供することを目的とする。
上記目的の少なくとも一つを達成するため、N種類のインク滴を吐出可能な印刷装置にて環境情報を取得可能に構成するとともに予め基準環境下での記録量特定データを作成し、所定の記録媒体に記録しておく。本願発明にかかる印刷制御装置では、上記印刷装置にて取得した環境情報を現在の環境として取得し、上記基準環境における記録量特定データから現在の環境下における現環境記録量特定データを算出する。そして、当該現環境記録量特定データを参照して、画像データの階調値を記録量に変換すれば、現環境下で高精度にカラーマッチングを行いつつ印刷を実行することができる。
また、上述の特許文献1のように色変換テーブルの値を修正する構成と比較して、必要とされるリソース,修正に必要なデータの準備作業,キャリブレーション作業の三点がいずれも少なくて済むという利点がある。すなわち、通常、色変換テーブルでは3次元の入力階調値に対してインク色数分の次元(6次元等)の出力階調値を対応づける必要があり、173個などの多数の参照点について対応関係を規定する必要がある。一方、上記階調値とN種類のインク滴の記録量とを対応づけた記録量特定データでは、当該階調値について33個程度の参照点を特定し、各参照点についてN種類のインク滴の記録量を定義できれば充分である。
従って、色変換テーブルと比較して記録量特定データの方が圧倒的に容量が少なく、少ないリソースで環境変動に対応した色の補償を実施することができる。さらに、各基準環境下で記録量特定データの正確性を検証したり、印刷装置において経時変化が生じた後に記録量特定データの内容を調整するためにキャリブレーション作業を行うとしても、記録量特定データのデータの方が情報量が少ないので、より少ない作業にてキャリブレーションを実施することが可能である。
本発明において、N種類のインク滴を印刷媒体上に記録する構成としては種々の構成を採用可能である。すなわち、ここでは、インク滴の大きさ(インク滴の量)が可変であり、印刷媒体上に異なる大きさの画素を形成できればよい。このため、Nは2以上であればよいが、一画素の階調を2bitで表現できるため、3種類のインク滴を使用する構成がよく使用されている。
画像データにおいては、画素の色を印刷装置で使用するインク色毎の階調値で表現していればよく、画像データ取得手段では、少なくともこの画像データを取得することができればよい。すなわち、一般の印刷制御において、インク色以外の色を色成分とした表色系で表現された入力画像データについて色変換を行うことによってインク色毎の階調値で色を表現した画像データとする処理が多用される。このような構成であっても、画像データ取得手段において変換後の画像データが取得できればよい。
むろん、インク色毎の階調値で色を表現した画像データを入力画像データとして印刷処理を行う場合には、画像データ取得手段にて取得するデータと入力画像データとが一致する。インク色毎の階調値においては、印刷装置にて印刷媒体上にインクを記録したときの明度変化や濃度変化あるいはインク量の変化を表現することができれば良く、各変化量の値域を階調値域に対応させ、各量の強度等を階調値で表現することができればよい。
いずれにしても、当該階調値によれば、各インクを印刷媒体上に記録したときの明度や濃度あるいはインク量を一義的に特定することができるので、各階調値が意味する量をN種類のインク滴の記録量に対応させることによって記録量特定データを定義することができる。このデータは両者を対応づけることができれば良く、両者の関係を対応づけたテーブルデータや関数など、種々の構成を採用可能である。むろん、N種類の各インク滴において記録量と単位面積に対する記録率とは一対一に対応するので、インクの記録量と記録率とは等価である。さらに、インク滴の記録量を表現するために階調値を使用するなど種々の構成を採用可能である。
さらに、本発明においては、基準環境下における記録量特定データが予め決められる。すなわち、異なる環境下では、環境によるインク量の変動等、印刷結果に影響を及ぼす要因が生じ、環境毎に異なる出力色になり得る。そこで、現在の環境と対比できるように、基準環境を定義し、各基準環境下での記録量特定データを定義する。
当該記録量特定データを参照することができれば、基準の環境と現在の環境との関係に基づいて、色の変動を補償するためにどのように記録量を変化させれば環境の変化を補償することができるのかを把握することができる。そこで、環境情報取得手段にて現在の環境を取得すれば、現環境記録量特定データ取得手段によって現在の環境と基準環境との関係から現環境記録量特定データを取得することができる。環境情報取得手段においては、印刷装置がおかれた環境を示す環境情報を取得することができれば良く種々の構成を採用可能である。
例えば、印刷装置に温度や湿度等の環境に関する情報を取得可能なセンサを設け、当該センサにて検出された情報を環境情報取得手段にて取得する構成を採用可能である。むろん、環境情報においては環境に関する情報を示すことができれば良く、上記温度や湿度以外にも種々の環境に関する情報、例えば、気圧など種々の情報を採用可能である。
さらに、印刷装置がおかれた環境を示す環境情報は、出力色に影響を及ぼす要因となる環境に関する情報であればよく、印刷装置の周囲の環境情報であっても良いし、印刷装置の内部や印刷装置内部の特定の部位の環境情報であっても良く、種々の情報を採用可能である。いずれにしても、基準環境との比較によって色の変動を補償し得るような環境を印刷装置がおかれた環境として定義すればよい。むろん、環境としての定義は、基準環境としても同様であり、印刷装置の周囲の環境や印刷装置の内部や印刷装置内部の特定の部位の環境等を基準の環境とすることができる。
印刷実行手段においては、上記画像データをN種類のインク滴の記録量に変換し、当該記録量によって印刷を実施させることができれば良く、種々の構成を採用可能である。例えば、N種類のインク滴毎に当該記録量に基づいてハーフトーン処理を実施し、ハーフトーン処理後のデータにて吐出インク滴の位置を特定しつつ印刷を実行する印刷データを生成し、印刷装置に受け渡す構成等を採用可能である。
基準環境における記録量特定データを参照して現環境における現環境記録量特定データを算出するための具体的な構成例として、複数の基準環境下での記録量特定データを参照し、現環境と複数の基準環境との関係から現在の環境下での現環境記録量特定データを算出しても良い。すなわち、基準環境の記録量特定データの現環境記録量特定データとでは、同じ階調値に対する記録量の対応関係が異なり得るが、その変動の様子が温度や湿度の環境の変動に連動するとすれば、環境条件の対応関係から現環境記録量特定データを算出することが可能になる。
かかる構成においては、上記特許文献1と比較した場合の上記有利な効果に加えてさらに有利な効果がある。すなわち、複数の基準環境毎に記録量特定データを用意する構成においては、記録量特定データ容量×基準環境数の容量が必要とされるので、基準環境数毎に色変換テーブルを用意する場合と比較して容量を抑える効果はより顕著に現れる。さらに、記録量特定データを作成するに際し、各階調値における出力色が複数の基準環境下で略共通になるような記録量を基準環境毎に把握する必要があるが、上述のように色変換テーブルよりも記録量特定データの方が、その情報量が少ないので、より少ない作業で温度補償に必要なデータの準備作業を行うことができる。
上記基準環境は、現在の環境と比較する比較対象となり、比較によって現在の環境下の現環境記録量特定データを取得できるように選べばよく種々の構成を採用可能である。ここで、本発明における色変動の補償効果を際だたせるために、何らかの工夫を行って基準環境を選定するのが好ましい。例えば、複数の環境において共通の記録量で色を実際に出力し、出力後の色を測色した場合に所定値以上の色差が生じている場合に、その環境を基準環境とする。
すなわち、ある程度の色差が生じる場合には、色の変動を補償すべきであるが、わずかな色差であれば色の変動の補償が不要であるか、補償をしても目に見える効果が小さいので、確実に色差が生じるような環境を基準とする。この結果、現環境記録量特定データによる顕著な色変動補償効果を得ることが可能になる。
また、上記階調値と上記N種類の各インク滴の記録量との対応関係を示す記録量特定データについて、現環境に合わせた現環境記録量特定データを取得するので、N種類のインク滴毎に個別に修正を行うのが好ましい。このような修正を実現するための記録量特定データとして好適な構成例として、N種類の各インク滴毎に記録量を調整して各階調値における出力色が複数の基準環境下で略共通になるような定義を採用可能である。
すなわち、このように定義された記録量特定データであれば、基準環境と現環境との関係からN種類のインク滴毎に現環境記録量特定データを算出することが可能になる。従って、環境の変化に伴うインク滴の変化傾向がN種類のインク滴毎に異なり、または、変化傾向が逆になっていたとしても、その変化に応じて現環境記録量特定データを算出することが可能になり、非常に高精度に色の変動を補償することができる。
さらに、現環境記録量特定データを算出する際の具体的な処理手法として、補間演算を採用しても良い。すなわち、共通の色を出力するために、基準環境下で必要とされる記録量と現環境下で必要とされる記録量とに差が生じるが、この差は温度や湿度などの環境条件によって生じるので、基準環境と現環境との相対関係を考慮すれば、現環境において必要とされる記録量を予測することが可能である。より具体的には、記録量の差が環境情報の差に比例して生じると考えて線形的に補間演算を行っても良いし、記録量の差が環境情報の差に依存するある特性で生じると考えて当該特性を記述した補間関数を算出しても良く、種々の構成を採用可能である。
環境情報として採用する情報の種類は、1種類に限られず、温度と湿度とを同時に考慮するなど複数種類の環境情報を同時に扱うことができる。現環境記録量特定データを補間演算によって算出する場合、n種類(nは自然数)の情報を環境情報とし、基準環境としてn+1個以上の環境を定義する。例えば、1種類の環境情報について基準環境から記録量特定データを補間するのであれば、2つ以上の基準環境を定義すれば現環境と基準環境との相対関係を算出することができ、現環境記録量特定データを算出可能になる。尚、同じ温度についての情報であっても、印刷装置内の異なる部位についての温度を検出するように構成し、各部位毎に別種類の環境情報としても良い。すなわち、同じ物理量であってもその部位毎に、異なる環境情報として扱うことも可能である。
さらに、複数の基準環境の記録量特定データを必須としないでも現環境記録量特定データを算出可能である。例えば、基準環境の記録量特定データを補正することによって現環境記録量特定データを算出するように構成すれば、少なくとも一つの基準環境の記録量特定データを用意することで現環境記録量特定データを算出可能になる。より具体的には、基準環境における記録量特定データと上記現環境記録量特定データとの差分を補償するための補償データを予め用意し、所定の記録媒体に記録しておく構成を採用可能である。
かかる構成によれば、所定の記録媒体から当該補償データを取得して参照することによって、基準環境の記録量特定データをどのように補償すべきかを容易に把握することができ、N種類のインク滴を記録可能な印刷装置にて高精度に環境の変化による色の変動を補償することが可能になる。むろん、現環境と基準環境における記録量データの差分を補償する際に、N種類の各インク滴毎に別個の補償量で補正を行うのが高精度化の上では好ましいが、N種類の各インク滴毎に共通の補償量とすることも可能である。すなわち、補償を行わない場合と比較して高精度化が図れるのであれば共通の補償量であってもよい。この場合には、N種類の各インク滴毎に別個の補償量とする場合と比較して容易に補正を実施することが可能である。
さらに、複数の環境情報に対応した補正係数によって補償データを構成することも可能である。すなわち、記録量特定データに乗じることによって現環境記録量特定データが算出されるように補正係数を定義する。現在の環境によって、基準環境の記録量特定データからの補正量が異なり得ることから、環境が異なることによって当該補正係数は異なり得る。そこで、複数の環境情報に対して補正係数を対応づけて補償データとすれば、任意の環境における補正係数を取得し、現環境記録量特定データを算出することが可能になる。
このような補正係数の算出法としては、種々の手法を採用可能である。例えば、上記基準環境の記録量特定データを用いて複数の階調値を複数の記録量に変換し、基準環境と複数の環境とで印刷を行えば、各環境における影響を受けた状況での印刷物が得られる。この印刷物を測色機等によって測色すれば、各記録量における測色値が得られる。上記複数の階調値のうち、同じ階調値にて得られる印刷物を比較しても環境条件によって測色値は異なり得るので、同じ階調値については同じ測色値になるように、現環境についての記録量を補正できればよい。
そこで、基準環境での測色値と複数の環境での測色値とを比較し、略同一の測色値を与える階調値を基準環境と複数の環境とで抽出する。このとき、基準環境と複数の環境とで階調値が異なり得るので、両者の比を補正係数とする。かかる構成においては、階調値に現環境の補正係数を乗じることによってその階調値にて出力されるべき色を現環境で出力させるための補正後の階調値を算出することができる。すなわち、基準環境の記録量特定データを参照して当該補正後の階調値に対する記録量を取得し、当該記録量に対して補正前の階調値を対応づければ、現環境記録量特定データを作成することができる。
以上の構成においても、非常に容易に環境毎の差異を補償して印刷を実行可能である。むろん、補正係数は上記N種類の各インク滴毎に別個の値とするのが高精度化の上では好ましいが、N種類の各インク滴毎に共通の補正係数値とすることも可能である。すなわち、補償を行わない場合と比較して高精度化が図れるのであれば共通の補正係数値であってもよい。この場合には、N種類の各インク滴毎に別個の補正係数とする場合と比較して容易に補償データを作成することが可能である。
以上の構成は、N種類のインク滴を記録可能な印刷装置にて高精度に環境の変化による色の変動を補償するための構成であるが、同様の技術的思想に基づく方法の発明も成立する。従って、請求項11にかかる発明においても、基本的には上記と同様の作用となる。また、本発明を実施しようとする際に、コンピュータにて所定のプログラムを実行させて色の変動を補償する場合もある。従って、本発明はそのプログラムとしても適用可能であり、請求項12にかかる発明においても、基本的には上記と同様の作用となる。
むろん、請求項2〜請求項10に記載された構成を上記方法やプログラムに対応させることも可能である。また、いかなる記憶媒体もプログラムを提供するために使用可能である。例えば、磁気記録媒体や光磁気記録媒体であってもよいし、今後開発されるいかなる記録媒体においても全く同様に考えることができる。また、一部がソフトウェアであって、一部がハードウェアで実現される場合においても本発明の思想において全く異なるものではなく、一部を記録媒体上に記録しておいて必要に応じて適宜読み込む形態のものも含まれる。
ここでは、下記の順序に従って本発明の実施の形態について説明する。
(1)印刷制御装置の構成:
(1−1)大中小振り分けデータの構成:
(2)印刷制御処理:
(2−1)現環境における大中小振り分けデータの作成:
(3)第2の実施形態:
(4)他の実施例:
(1)印刷制御装置の構成:
図1は本発明にかかる印刷制御装置となるコンピュータの概略構成を示すブロック図である。コンピュータ10は演算処理の中枢をなす図示しないCPUや記憶媒体としてのROMやRAM等を備えており、HDD15等の周辺機器を利用しながら所定のプログラムを実行することができる。コンピュータ10にはシリアル通信用I/O19aを介してキーボード31やマウス32等の操作用入力機器が接続されており、図示しないビデオボードを介して表示用のディスプレイ18も接続されている。さらに、プリンタ40とはUSB用I/O19bを介して接続されている。
本実施形態におけるプリンタ40は複数色のインクを充填するインクカートリッジを色毎に着脱可能な機構を備えており、この機構にCMYKlclm(シアン、マゼンタ、イエロー、ブラック、ライトシアン、ライトマゼンタ)の各インクのカートリッジを搭載する。プリンタ40においては、これらのインク色を組み合わせて多数の色を形成可能であり、これにより印刷媒体上にカラー画像を形成する。また、本実施形態において、プリンタ40は異なる3種のインク量でインク滴を吐出可能であり、1画素について4階調の表現が可能である。本明細書ではインク滴の大きさに着目し、各インク滴を大中小ドットと呼ぶ。本実施形態におけるプリンタ40はインクジェット方式のプリンタであるが、インクジェット方式の他にもレーザー方式等、種々のプリンタに対して本発明を適用可能である。
さらに、CMYKlclmの6色の有色インクを使用する構成が必須というわけではなく、CMYKの4色やCMYKlclmDY(ダークイエロー)の7色を使用する構成であってもよい。むろん、他の色、例えばR(レッド)やV(バイオレット)をlclmインクの代わりに使用してもよいし、CMY以外の色、例えばKインクについて濃淡インクを使用してもよい。
本実施形態におけるプリンタ40は、内部に温度センサ40aと湿度センサ40bとを備えており、当該温度センサ40aによって検出した温度を示す温度データおよび湿度センサ40bによって検出した湿度を示す湿度データを出力可能である。すなわち、USB用I/O19bを介してこれら温度データおよび湿度データをコンピュータ10に受け渡すことができる。
図2はこのようなプリンタ40の構成例を示す図である。同図において、プリンタ40は、紙送りモータMfによって印刷媒体Pを搬送する機構と、キャリッジモータMcによってキャリッジ41をプラテンの軸方向に往復動させる機構と、キャリッジ41に搭載された印刷ヘッド41aを駆動してインクの吐出およびドット形成を行う機構と、これらの紙送りモータMf,キャリッジモータMc,印刷ヘッド41aおよび操作パネル42等の制御を司る制御回路43とを備えている。
このキャリッジ41には、上記CMYKlclmの各色インクを収納するインク収納部が備えられ、キャリッジ41に搭載されたインク吐出用ヘッドのピエゾ素子を駆動することによって図示しないノズルNzからインク滴が吐出される。むろん、インクを吐出するための機構はピエゾ素子に限られず、バブル等を利用する構成であっても良い。本実施形態においては、制御回路43によって所定のパターンの電圧を生成可能であり、キャリッジ41に搭載されたピエゾ素子に対して印加する電圧パターンを調整することによって上述のように3種のインク量でインク滴を吐出できるようにしている。
尚、本実施形態においては、小ドットのインク滴を吐出するためのパターンおよび中ドットのインク滴を吐出するためのパターンとの2種類の電圧パターンが予め用意されている。大ドットは、小ドットのインク滴を吐出するための電圧パターンをピエゾ素子に対して2度続けて印加することによって生成される。従って、本実施形態において、小ドットの重量を増加させるとともに大ドットの重量を減少させるなど、大小ドットで逆特性になるように電圧パターンで調整することはできない。
本実施形態におけるプリンタ40は、上述のように温度センサ40aと湿度センサ40bとを備えている。温度センサ40aは温度変化が生じることによって印刷結果に影響を及ぼすような部位の温度を検出するセンサであり、湿度センサ40bは湿度変化が生じることによって印刷結果に影響を及ぼすような部位の湿度を検出するセンサである。これらのセンサによる検出結果を示す温度データおよび湿度データは制御回路43に対して出力され、制御回路43は所定のインタフェースを介してこれらのデータをUSB用I/O19bに対して出力する。
尚、温度センサ40aにおいては、印刷結果に影響を及ぼし得る部位の温度を検出することができれば良く、種々の部位の温度を検出対象として採用可能である。例えば、印刷媒体の表面周辺の温度を検出したり、キャリッジ41におけるヘッド周辺の温度を検出したり、インクカートリッジ内のインク温度を検出するなど種々の部位の温度を採用可能である。むろん、湿度センサ40bにおいても同様であり、種々の部位の湿度を検出対象として採用可能であるし、プリンタ40に接続されるセンサを利用してプリンタ40の外部における環境情報を取得しても良い。
また、図1に示す構成において、コンピュータ10とプリンタ40の接続インタフェースも上述のものに限る必要はなくパラレルインタフェースやSCSI接続,無線接続など種々の接続態様を採用可能であるし、今後開発されるいかなる接続態様であっても同様である。さらに、本実施形態においてはコンピュータ10によって印刷制御装置を構成しているが、プリンタ40に搭載するプログラム実行環境によって本発明にかかる印刷制御処理を実施可能に構成し、プリンタ40に対して直接的に接続されるデジタルカメラから画像データを取得して印刷制御処理を行ってもよい。むろん、同様の構成においてデジタルカメラにて印刷制御処理を実施してもよいし、他にも分散処理によって本発明にかかる印刷制御処理を実施するなど種々の構成を採用可能である。画像を取り込むスキャナと画像を印刷するプリンタ等が一体となったいわゆる複合機において本発明にかかる印刷制御処理を行ってもよい。
本実施形態にかかるコンピュータ10では、図1に示すように、プリンタドライバ(PRTDRV)21と入力機器ドライバ(DRV)22とディスプレイドライバ(DRV)23とがOS20に組み込まれている。ディスプレイDRV23はディスプレイ18における画像やプリンタのプロパティ画面等の表示を制御するドライバであり、入力機器DRV22はシリアル通信用I/O19aを介して入力される上記キーボード31やマウス32からのコード信号を受信して所定の入力操作を受け付けるドライバである。
PRTDRV21では図示しないアプリケーションプログラムから印刷指示が行われた画像について所定の処理を行って印刷を実行可能である。PRTDRV21は、印刷を実行するために画像データ取得モジュール21aと色変換モジュール21bと大中小ドット生成モジュール21cとハーフトーン処理モジュール21dと印刷データ生成モジュール21eとを備えている。上述の印刷指示がなされると上記PRTDRV21が駆動され、PRTDRV21はディスプレイDRV23にデータを送出して、印刷媒体や画質,印刷速度などの印刷条件を示す情報を入力させる図示しないUIを表示する。
上記キーボード31やマウス32等を操作して利用者が当該UIにて印刷に必要な情報を入力し、また、印刷の実行指示を行うと、上記PRTDRV21の各モジュールが起動され、各モジュールによって上記画像データの各画素データに対する処理が実施され、印刷データが生成される。生成された印刷データはUSB用I/O19bを介してプリンタ40に出力され、プリンタ40は当該印刷データに基づいて印刷を実行する。
より具体的には、上記画像データ取得モジュール21aは印刷対象の画像やを示す画像データ15aを取得する。このとき、画像データ15aの画素数に過不足があれば印刷に必要な画素を確保するため適宜解像度変換処理を行う。この画像データ15aはRGB(レッド,グリーン,ブルー)の各色成分を階調表現して各画素の色を規定したドットマトリクス状のデータであり、本実施形態では各色256階調であり、sRGB規格に従った表色系を採用した画像データである。
本実施形態においてはこの画像データ15aを例にして説明するが、YCbCr表色系を採用したJPEG画像データやCMYK表色系を採用した画像データ等、種々のデータを採用可能である。むろん、Exif2.2規格(Exifは社団法人電子情報技術産業協会の登録商標)に準拠したデータ、Print Image Matching(PIM:PIMはセイコーエプソン株式会社の登録商標)に対応したデータ等について本発明を適用することもできる。
色変換モジュール21bは各画素の色を示す表色系を変換するモジュールであり、HDD15に記録されたLUT(色変換テーブル)15bを適宜参照して画像データ15aのsRGB表色系をプリンタ40が搭載するインク色(CMYKlclm)を成分とするCMYKlclm表色系に変換する。LUT15bはsRGB表色系とCMYKlclm表色系とのそれぞれによって色を表現するとともに両者を対応づけ、複数の色についてこの対応関係を記述したテーブルである。従って、sRGB表色系で表現した任意の色に関し、その周りの色であってLUT15bに規定されたsRGBの色を参照すれば補間演算によって当該任意の色に対応したCMYKlclm表色系の色を算出することができ、色変換を実施することができる。
また、当該CMYKlclm表色系のデータはCMYKlclmの各色について256階調で階調表現した画像データであり、各階調値が各画素、各色のインク量に対応している。すなわち、階調値0で各色インクを記録しない状態を表現し、階調値255で各色インクを最大限記録する状態を表現している。階調値0〜255においては、階調値変化とインク量変化とを線形に対応させたり、階調値変化と明度変化とを線形に対応させるなど、種々の構成を採用可能である。
本実施形態にかかるプリンタ40は上述のように大中小ドットを吐出可能であり、大中小ドット生成モジュール21cは上記256階調のCMYKlclmデータに基づいて、各色毎に大中小ドットの記録量を示すデータに変換する。すなわち、本実施形態においては、CMYKlclmデータの各階調値と大中小それぞれのドットの記録量を示す階調値とを対応づけた大中小振り分けデータが予め用意されており、この大中小振り分けデータを参照することによって大中小ドットへの変換を行う。
(1−1)大中小振り分けデータの構成:
以下、本実施形態における大中小振り分けデータの構成を詳説する。本実施形態では、HDD15に記録された複数の大中小振り分けデータ15c〜15gを利用する。ここで、大中小振り分けデータ15c〜15fは、図1に示すように基準環境1〜基準環境4について作成された振り分けデータであり、各基準環境を示す基準環境情報が大中小振り分けデータ15c〜15fのそれぞれに対応づけられている。また、大中小振り分けデータ15gは、現在の環境におけるCMYKlclmデータの各階調値と大中小それぞれのドットの記録量を示す階調値との対応関係を規定した大中小振り分けデータであり、振り分けデータ修正モジュール21fによって生成される。
基準環境1〜基準環境4の環境情報においては、環境条件として温度および湿度を特定しており、温度と湿度とのいずれかまたは双方が異なることによって、異なる環境を特定する。例えば、下付数値が異なる文字は異なる値であるとして、基準環境1において温度T1,湿度H1、基準環境2において温度T2,湿度H1、基準環境3において温度T2,湿度H2、基準環境4において温度T1,湿度H2などとする。むろん、温度と湿度とのいずれかが異なっていれば、異なる環境となるが、総ての基準環境にて温度、湿度が異なる構成等も採用可能である。
大中小ドットの階調値においては、大中小の各ドットを記録しない状態を階調値0で表現し、大中小の各ドットを最大限記録する状態を階調値255で表現する。階調値0〜255においては、階調値変化と大中小各インク滴のドット数変化とを線形に対応させたり、階調値変化と大中小各インクが記録された状態での明度変化とを線形に対応させるなど、種々の構成を採用可能である。
但し、大中小振り分けデータによって決定された階調値に従って印刷を実施したときに、CMYKlclmデータの階調値が示す色を再現するように大中小ドットの階調値を決定する必要がある。すなわち、基準環境1〜基準環境4のように環境条件が変動すると、同じ電圧パターンでピエゾ素子を駆動しても大中小ドットの吐出量が変動したり、印刷媒体上でインク滴の広がり度合いが変動するなどして、色が変動し得る。
そこで、CMYKlclmデータの階調値が共通であれば、印刷結果としての出力色も共通となるように、基準環境毎に大中小ドットの階調値を決定する。より具体的には、例えば、CMYKlclmデータにおいて調整対象となる複数のターゲット階調値を設定する。また、予め仮の大中小振り分けデータを決定しておく。そして、このターゲット階調値に対応する仮の大中小ドットの階調値を算出し、算出されたパッチを印刷する処理を基準環境1〜基準環境4のそれぞれで行う。この結果出力される色は通常異なるが、大中小ドットの階調値を調整すれば色を変動させられるので、大中小ドットの階調値を調整してパッチを印刷する処理を繰り返し、基準環境1〜基準環境4にて同じ色になるようにする。
このような処理によれば、CMYKlclmデータの階調値が共通であるときに出力色も共通になるように、各基準環境における大中小振り分けデータ15c〜15fを決定することができる。むろん、大中小振り分けデータ15c〜15fの決定手法としては他にも種々の構成が採用可能であるし、他の各種条件、例えば、バンディングやにじみが発生しないような制限条件を考慮して大中小ドットの記録量を決定しても良い。さらに、大中小振り分けデータにおいて、階調値域も0〜255に限定されず、より狭いあるいは広い階調値域を採用しても良い。
図3は、以上のようにして決定される大中小振り分けデータを説明する説明図であり、例として大中小振り分けデータ15c,15d、すなわち、基準環境1,2における振り分けデータの示している。同図において、横軸はCMYKlclmデータの階調値、縦軸は大中小ドットの階調値を示している。同図に示す例において、小ドットの階調値は、CMYKlclm階調値の増加とともに一旦増加するが、CMYKlclm階調値がある値を超えると小ドット階調値が増加せず、さらにCMYKlclm階調値が他の値を超えると小ドット階調値は逓減する。中ドット階調値において、階調値自体は異なるがその変化傾向は小ドットの階調値と同様である。
大ドットの階調値は、CMYKlclm階調値がある値を超えると有限の値を持ち、CMYKlclm階調値の増加とともに逓増する。基準環境1,2の双方とも、CMYKlclm階調値の変化に対する大中小ドット階調値の変化傾向は類似しており、図3には示していないが、基準環境3,4についても同様である。但し、大中小ドット階調値の値自身や大中小ドットの相対量は基準環境1〜基準環境4のそれぞれで異なっている。
例えば、図3に示す基準環境1と基準環境2を比較すると、基準環境1における大中ドット階調値は基準環境2の大中ドット階調値より大きいが、基準環境1における小ドット階調値は基準環境2の小ドット階調値より小さい。このように、基準環境毎に大中小ドット階調値の相対関係が異なり得るのは、上述のように、基準環境毎に大中小ドットの階調値を調整して大中小振り分けデータ15c〜15fを作成しているからであり、この構成によって高精度に色の補償を行うことが可能になる。
尚、本実施形態においては、上述のようにピエゾ素子に対する印加電圧調整によって大小ドットの吐出量を逆特性に調整することが不可能である。しかし、大中小振り分けデータ15c〜15fにおける調整では、大小ドットの記録量を逆特性、すなわち、一方を増加させて他方を減少させるように構成することが可能である。従って、この意味からも高精度に色の補償を行うことが可能であると言える。
また、実際の大中小振り分けデータ15c〜15gは、複数(例えば33個)のCMYKlclm階調値に対して大中小ドットの階調値を対応づけた離散的なデータであるが、このデータを参照すれば、補間演算等によって各CMYKlclm階調値の間の大中小ドット階調値を容易に算出することができ、実質的に図3に示すグラフのような特性を取得することが可能である。むろん、ここで示す大中小振り分けデータ15c〜15fの構成や階調値等はその一例であり、種々の構成を採用可能である。
本実施形態において振り分けデータ修正モジュール21fは、以上の大中小振り分けデータ15c〜15fを参照して、現環境における大中小振り分けデータ15gを作成する。このために、振り分けデータ修正モジュール21fは、基準データ取得部21f1と環境データ取得部21f2と補間演算部21f3とを備えている。基準データ取得部21f1は、HDD15に記録されている大中小振り分けデータ15c〜15fを参照し、任意のCMYKlclm階調値に対する大中小ドットそれぞれの階調値を取得するモジュールである。
環境データ取得部21f2は、上記USB用I/O19bを介して上記温度センサ40aおよび湿度センサ40bが検出した温度データおよび湿度データを取得するモジュールである。補間演算部21f3は、上記基準データ取得部21f1が取得した大中小ドットそれぞれの階調値およびその基準環境の環境情報と上記環境データ取得部21f2が取得した現在の温度および湿度から、補間演算によって現在の温度および湿度における大中小ドット階調値を算出するモジュールである。この演算の詳細は後述する。
本実施形態において、補間演算部21f3によって算出された大中小ドット階調値は一時記憶されるようになっており、複数のターゲット階調値(CMYKlclm階調値)に対して同様の処理を行うことにより、複数のターゲット階調値と大中小ドット階調値との対応関係が記録される。そして、所定数のターゲット階調値について対応関係を記録したら、そのデータを大中小振り分けデータ15gとし、HDD15に記録する。尚、以上の構成において、大中小振り分けデータ15c〜15fは、CMYKlclmのインク色毎に作成しても良いし、各色共通としても良い。
図1の構成において、大中小ドット生成モジュール21cは大中小振り分けデータ15gを参照し、色変換モジュール21bによる色変換後のCMYKlclmデータをCMYKlclmの色毎に大中小ドット階調値に変換する。ハーフトーン処理モジュール21dは、以上のようにして生成された大中小ドットの階調値を参照し、各階調値に対応したインク量に相当する記録をプリンタ40にて実現するために画素毎の階調数を減じるハーフトーン処理を実施する。すなわち、各画素毎にインクの吐出/非吐出および吐出するインク滴の大きさ(大中小のいずれか)を特定したハーフトーン画像データを生成する。
印刷データ生成モジュール21eはかかるハーフトーン画像データを受け取って、プリンタ40で使用される順番に並べ替え、一回の主走査にて使用されるデータを単位にして逐次プリンタ40に出力する。すなわち、プリンタ40にお吐出ノズル列では副走査方向に複数の吐出ノズルが並設されるため、副走査方向に数ドット分離れたデータが同時に使用される。そこで、主走査方向に並ぶデータのうち同時に使用されるべきものがプリンタ40にて同時にバッファリングされるように順番に並べ替える。
そして、印刷データ生成モジュール21eは並べ替え処理後のデータに画像の解像度などの所定の情報を付加して印刷データを生成し、上記USB用I/O19bを介してプリンタ40に出力する。プリンタ40にて画像を形成するために必要なすべてのデータが転送されると、プリンタ40にて印刷媒体上に画像が形成される。以上の処理において、大中小ドット階調値への変換が大中小振り分けデータ15gを参照して実施されることにより、現在の温度および湿度にてCMYKlclmデータが示す色を適正に出力することが可能になる。
(2)印刷制御処理:
以上の構成によって、コンピュータ10はプリンタ40の制御装置として機能し、CMYKlclmデータを大中小ドット階調値に変換する際に、環境による変動の補償を行っている。図4は、印刷制御処理のフローチャートであり、この図を参照しながら印刷制御処理および環境による変動の補償を実施する様子を説明する。利用者が図示しないアプリケーション等によって画像の印刷実行を指示すると、図4に示す処理が開始され、ステップS100において上記画像データ取得モジュール21aは上記画像データ15aを取得する。このとき、必要に応じて解像度変換を実行する。解像度変換処理が行われると、上記色変換モジュール21bは、ステップS105にて上記HDD15に記憶されたLUT15bを取得し、当該LUT15bを参照するとともに補間処理によって上記解像度変換後のRGBデータをCMYKlclmデータに変換する。
(2−1)現環境における大中小振り分けデータの作成:
次にステップS110〜S145にて、上記振り分けデータ修正モジュール21fが現在の温度および湿度においてカラーマッチングを行うことができる大中小振り分けデータ15gを作成する。まず、ステップS110において、環境データ取得部21f2が現在の環境情報(T0,H0)を取得する。ここで、T0は現在の温度を示す温度データ、H0は現在の湿度を示す湿度データであり、上記温度センサ40aおよび湿度センサ40bが検出したデータである。
ステップS115においては、基準データ取得部21f1が上記大中小振り分けデータ15c〜15fに対応づけられた基準環境情報(T1,T2,H1,H2)を取得する。ステップS120においては、後述する補間演算を実施するための補間係数(S1〜S4)を算出する。
図5は、当該補間係数および後述する補間演算を説明するための説明図である。同図に示すグラフにおいて、横軸は温度,縦軸は湿度である。このグラフにおいては、各軸に上述の基準環境情報(T1〜T2,H1〜H2)および現在の環境情報(T0,H0)を書き込んである。グラフ上で基準の環境情報(T1,H1)が示す位置St1は上記基準環境1に相当し、同様に基準の環境情報(T2,H1)が示す位置St2は上記基準環境2、基準の環境情報(T2,H2)が示す位置St3は上記基準環境3、基準の環境情報(T1,H2)が示す位置St4は上記基準環境4に相当する。グラフ上の位置Nは現在の環境情報(T0,H0)に相当する。
本実施形態による補間演算は、環境情報のグラフ上の相対位置関係に基づいて行っており、この演算のためにグラフ上の面積を補間係数として算出する。すなわち、図5に示すように位置Nと位置St1〜位置St4のいずれかとを対角の頂点とする矩形を考え、その矩形の面積S1〜S4を算出し、これを補間係数とする。尚、図5に示す例では、位置St1を含む矩形の面積がS3であり、位置St2を含む矩形の面積がS4、位置St3を含む矩形の面積がS1、位置St4を含む矩形の面積がS2である。
ステップS120にて、補間係数としてこの面積S1〜S4を算出したら、上記基準データ取得部21f1は、ステップS125において大中小振り分けデータ15c〜15fを取得し、図示しないRAM等に一時記憶する。ステップS130では、大中小振り分けデータ15gとして記録すべきCMYKlclm階調値の値を一つ選択してターゲット階調値とする。このとき、上記RAMに一時記憶された大中小振り分けデータ15c〜15fを参照し、ターゲット階調値に対応する大中小ドット階調値を取得する。
そして、補間演算部21f3は、ステップS135において以下の式(1)に従って補間演算を実施し、現在の大中小ドット階調値を算出する。
Figure 2005231110
ここで、Gは大中小ドット階調値であり、下付符号の第1項は上記図5に示す位置に相当しており、環境を指定する符号である。下付符号の第2項dは、大中小いずれかを指定する符号である。すなわち、各ドット階調値は大中小それぞれ分けて演算される。
同式(1)においては、補間係数によって各基準環境における大中小ドット階調値の加重平均を算出している。すなわち、位置Nにおける大中小ドット階調値は、位置St1〜St4と位置Nとの相対関係によって類推可能であり、各位置St1〜St4が位置Nに近いほど、各位置St1〜St4における大中小ドット階調値が位置Nにおける大中小ドット階調値に近い(寄与度が高い)と考える。本実施形態においては、その寄与度を上記補間係数S1〜S4で示しており、各位置St1〜St4における補間係数はその位置から位置Nを見て反対側に位置する矩形の面積であるとしている。そこで、本実施形態においては、上式(1)に示すように、位置St1における大中小ドット階調値GSt1,dに係数S1を乗じるなどの演算を行っている。
ステップS135によって補間演算を実施したら、得られた大中小ドット階調値とターゲット階調値とを対応づけて図示しないRAM等に一時記憶する(ステップS140)。そして、ステップS145においては、大中小振り分けデータ15gとして記録すべきCMYKlclm階調値を総てターゲットとして処理を行ったか否か判別し、全ターゲットについて処理を終了したと判別されるまでステップS130〜S145の処理を繰り返す。尚、ステップS140においては、大中小ドット階調値とターゲット階調値との対応関係を一時記憶するが、総てのターゲット階調値について処理を終了した後には、大中小振り分けデータ15gとしてHDD15に記録する。
以上の処理により、現在の温度T0および湿度H0における大中小振り分けデータ15gがHDD15に記録されることになるので、ステップS150では、大中小ドット生成モジュール21cが大中小ドットへの振り分けを行う。すなわち、大中小振り分けデータ15gを参照し、上記ステップS105で得られたCMYKlclm階調値を色毎に大中小ドット階調値に変換する。CMYKlclm各色の大中小ドット階調値が得られたら、ステップS155では、ハーフトーン処理モジュール21dが各色、各ドットの大きさ毎にハーフトーン処理を行う。
この結果、各色、各ドットの大きさ毎に各画素4階調で色を表現したデータが生成される。印刷データ生成モジュール21eは、ステップS160において当該ハーフトーン処理後のデータを受け取り、プリンタ40で使用される順番に並べ替える。そして、ステップS165においては、この並べ替えられたデータから印刷データを生成し、USB用I/O19bを介してプリンタ40に出力する。この結果、プリンタ40にて上記画像データ15aに基づく画像が印刷される。
以上のようにして印刷された画像は、大中小振り分けデータ15gに基づく変換を経ているので、現在の温度および湿度において高精度にカラーマッチングがなされる。尚、本発明においては、複数の基準環境毎に予め大中小振り分けデータを作成しておく必要があるが、上述のように、大中小振り分けデータはCMYKlclm階調値とドットの大きさの数とを対応づけたデータである。従って、一般的に、3次元(RGB等)と6次元(CMYKlclm等)あるいはそれ以上の次元数で色の対応関係を規定した色変換テーブルより非常に少ない情報量で構成される。
このため、複数の基準環境毎に大中小振り分けデータを用意するにあたり、非常に少ない労力で大中小振り分けデータを作成することができるし、それらのデータを保持するために必要な記憶容量としても非常に少なくて良い。さらに、各基準環境の大中小振り分けデータや現在の環境における大中小振り分けデータについて、キャリブレーションなどを行って微調整をする場合であっても、色変換テーブルより大中小振り分けデータの方が情報量が少ないので、非常に簡単にキャリブレーションを実施することが可能になる。
本発明においては、温度や湿度など、プリンタがおかれた環境(その環境でのプリンタ内の温度等を含む)が変化しても、その影響による色の変動を補償してカラーマッチングを行うことができる。従って、使用環境を選ばない非常に便利なプリンタを提供することができる。このようなプリンタの具体例としては、ビデオラックなど、熱伝導を阻害する部位(壁やガラス)に略囲まれた空間に収容可能なプリンタが挙げられる。
このようなビデオラック等においては扉の開閉等によって熱を放散し得るものの、プリンタ自体による発熱や他の機器(ビデオデッキやテレビジョン装置)等による発熱の影響を受けて、温度や湿度が変動し易い。しかし、本発明によれば、温度や湿度等の環境が変動したとしても、その変動に追従して色の変動を補償することができる。むろん、本発明の適用対象がビデオラックに収容可能なプリンタに限定されることはない。例えば、テレビジョン装置やビデオデッキ等に一体的に組み込まれたプリンタであっても環境条件が変動しやすい状況は同じであり、このようなプリンタに対して本発明を適用しても良い。
(3)第2の実施形態:
以上の実施形態においては、複数の基準環境の大中小振り分けデータから現環境の大中小振り分けデータを算出していたが、単一の基準環境の大中小振り分けデータを利用して各環境における大中小振り分けデータを生成しても良い。図6は、第2の実施形態における印刷制御装置のブロック図である。同図に示すように、当該第2の実施形態は図1に示す第1の実施形態とほぼ同様の構成にて実現可能である。
但し、予め用意しておくデータの態様と振り分けデータ修正モジュールにおける構成および処理が異なっている。ここでは、主に上記第1の実施形態と異なる点を説明する。尚プリンタ40の構成としても上記第1の実施形態と同様の構成にて実現可能である。図6に示す第2の実施形態では、基準環境用に作成された大中小振り分けデータ150cと補正係数テーブル150dとが予め作成され、HDD15に記録されている。
大中小振り分けデータ150cは、ある基準環境(温度Ts,湿度Hs)について作成されたデータである。すなわち、LUT15bを参照して得られたCMYKlclmデータを大中小振り分けデータ150cにて変換し、基準環境(温度Ts,湿度Hs)において印刷を行えば、画像データ15aが示す色と印刷される画像とでカラーマッチングを行うことができる。補正係数テーブル150dは複数の環境条件についてその補正係数を規定し、両者を対応づけたデータである。本実施形態において、補正係数は現環境における大中小振り分けデータ150gを作成する際に参照される係数であり、基準環境における出力と略同一の出力を得るための階調値を算出する際に参照される。
図7は、当該補正係数テーブル150dの構成を概略的に説明する説明図である。同図におけるテーブルの左側は環境条件(温度Tおよび湿度H)を示し、右側は補正係数Cを示している。すなわち、複数の環境条件の組み合わせに対して補正係数が対応づけられている。同図においては、x番目の組み合わせ(温度Tx,湿度Hx)についての補正係数がCxであることを示している。
尚、本実施形態における補正係数は階調値依存性のある値として定義されており、図7においては、補正係数C(階調値)として階調値依存性がある旨を示している。また、温度および湿度は連続的に変化する物理量であるため、総ての組み合わせに対応する補正係数を補正係数テーブル150dとするのは困難である。そこで、ある程度の数の補正係数を補正係数テーブル150dに登録するとともに、任意の温度および湿度の組み合わせについては、その周囲の温度および湿度に対応する補正係数から算出するように構成しても良い。むろん、他にも種々の構成を採用可能であり、任意の温度および湿度の組み合わせに対して温度および湿度が最も近いもの抽出して補正係数を参照するなどの構成を採用可能である。
図8は、補正係数Cの値を決定する際の手法の例を示す図である。同図において、横軸はCMYKlclmデータの階調値であり、縦軸はL***空間のL*成分である。図8は、各インク色単色で階調値を変化させて、基準環境と他の環境にて複数のパッチを印刷し、測色した結果をプロットしたものである。すなわちCMYKlclmデータにおいて特定の1色以外を総て階調値”0”とし、当該特定の1色にて階調値を変化させて複数のパッチのCMYKlclmデータを生成する。
このCMYKlclmデータを上記大中小振り分けデータ150cにて大中小ドットの記録量に変換し、基準環境(温度Ts,湿度Hs)と他の環境(図8に示す例では温度Tx,湿度Hx)とにおいて当該記録量にてパッチを印刷する。このようにして同じ記録量に基づくパッチを印刷したとしても、温度および湿度によってインクの吐出量が異なるなどの影響を受け、出力色は異なり得る。
この結果、各パッチを測色したときの明度変化が環境条件によって異なり得る。すなわち、図8に示す例のように、各階調値に対する明度L*が環境条件によって異なることがある。尚、図8においては複数の階調値に対する明度から任意の階調値に対する明度を補間することにより、任意の階調値に対する明度を算出しても良いし、全階調値に対するパッチを印刷して明度を取得することも可能である。本実施形態においては、図8に示すような明度の差異に基づいて各環境条件下で共通の明度になる階調値を取得して補正係数を算出する。
より具体的には、階調値dxにおける基準環境下のパッチの測色結果がLx *であるときに、他の環境にて測色結果がLx *になるような階調値dx’を取得する。補正係数はこれらの階調値の比として定義され、Cx(dx)=dx’/dxである。すなわち、階調値dxにて出力すべき明度はLx *であるので、階調値dxにて印刷を実行しようとしているときに、環境条件が温度Tx,湿度Hxであれば、階調値に対して補正係数を乗じる。
そして、補正係数を乗じて得られた補正後の階調値dx’を大中小振り分けデータ150cで変換し、印刷を行えば、出力すべき明度Lx *にて印刷を実行することができる。すなわち、補正係数を用いれば、基準環境用の大中小振り分けデータ150cから所望の明度を出力させるための大中小ドットの記録量を取得することができる。そこで、本実施形態においては、複数の階調値に対して補正係数を算出し、上記図7に示すように階調値の関数として補正係数を定義する。また、複数の環境条件下で補正係数を算出して補正係数テーブル150dとしてHDD15に登録しておく。
本実施形態においては、補正係数テーブル150dの補正係数および大中小振り分けデータ150cに基づいて、現環境における大中小振り分けデータ150gを算出するようになっている。このために振り分けデータ修正モジュール210fは、基準データ取得部21f1と環境データ取得部21f2と補正部210f3とを備えている。基準データ取得部21f1と環境データ取得部21f2とは上記第1実施形態と同様であり、補正部210f3は、上記補正係数テーブル150dから現環境に対応した補正係数を取得して大中小振り分けデータ150cを補正するモジュールである。
第2の実施形態においても、振り分けデータ修正モジュール210fにて現環境における大中小振り分けデータ150gを作成しながら印刷を実行するようになっており、図9に示す処理フローを実施する。同図に示すフローにおいて、ステップS100〜S110,ステップS150〜S165における処理は、上記図4に示すフローと同様である。第2の実施形態においては、ステップS110にて環境データ取得部21f2が現在の環境情報(Tx,Hx)を取得すると、ステップS115’では基準データ取得部21f1が大中小振り分けデータ150cを取得する。
ステップS120’では、補正部210f3が現在の環境情報(Tx,Hx)を参照し、上記補正係数テーブル150dから対応する補正係数を取得する。ステップS130’では、任意の階調値について階調値dx×補正係数Cx(dx)にて補正後の階調値を算出する。また、大中小振り分けデータ150cを参照して当該補正後の階調値に対応する大中小ドットの記録量を取得する。
温度Tx,湿度Hxであるとき、当該取得した大中小ドットの記録量によって印刷を行うと、階調値dxにて印刷されるべき記録物の明度Lx *となる。そこで、ステップS140’では、補正前の階調値dxと上記取得した大中小ドットの記録量とを対応づける。この対応付けを複数の階調値について行うと大中小振り分けデータ150gとなり、補正部210f3は作成された大中小振り分けデータ150gをHDD15に記録する。この大中小振り分けデータ150gは現環境用の大中小振り分けデータであるため、ステップS150以降で当該大中小振り分けデータ150gを参照してCMYKlclmデータを大中小ドットの記録量に振り分け、印刷を行うことにより、現環境でカラーマッチングがなされた印刷物を得ることができる。
(4)他の実施例:
以上の実施形態は、本発明を実現するための例であり、むろん他の構成を採用することも可能である。例えば、環境情報として採用する温度や湿度は、一カ所の温度および湿度に限定されるわけではない。例えば、印刷媒体の表面周辺の温度、キャリッジ41におけるヘッド周辺の温度、インクカートリッジ内のインク温度など種々の部位の温度を検出可能に構成し、2以上の部位の温度を環境情報に含めるように構成する。この場合、第1の実施形態における補間演算としては、より高次元の空間内で基準環境に相当する位置と現在の環境に相当する位置を考えればよい。 すなわち、2カ所の温度および1カ所の湿度によって環境を特定するような場合、3次元直交空間で2カ所の温度および1カ所の湿度をそれぞれの直交軸に割り当てれば、基準環境の現環境に対する寄与度を体積によって示し、当該体積を補間係数として補間演算を行うなど、種々の構成を採用可能である。むろん、環境情報として4種類以上の情報を含めるとしても4次元以上の空間を想定し、同様に補間演算を行うことが可能である。むろん、一つの情報のみ(温度あるいは湿度のみ)を環境情報として採用しても良いし、基準環境の数としても4つに限定されることはない。尚、第2の実施形態においては、補正係数に対応づけられる環境情報の次元数が2より多くなる。
また、第1の実施形態における補間演算の手法としても、上述のものに限られない。すなわち、基準環境と現環境との相対関係を所定の座標系内の距離や面積あるいは体積等に相当すると考えて補間係数を作成する構成の他、複数の基準環境における環境情報および大中小ドット階調値から、環境情報を変数として大中小ドット階調値を求める高次関数(例えば、スプライン関数等)を算出し、変数に対して現環境の環境情報を代入する構成等を採用しても良い。
さらに、基準環境として採用する環境情報の値を選ぶ際に、種々の考え方に基づいて値を選定することが可能である。例えば、上述の例では、2つの基準環境にて温度あるいは湿度が同じ値であったが、このような選び方に限定されず、複数の基準環境で温度および湿度の値を総て異なる値にするなど、種々の構成を採用可能である。
尚、各基準環境において同じ大中小ドット階調値で印刷を行い、それぞれの出力を比較したとき、少なくとも目に見える程の色差(例えば、ΔE=1)が生じるように基準環境を選定するのが好ましい。すなわち、本発明では環境毎に異なる出力色を補償するので、補償による効果が目に見えるように予め基準環境を選定する。むろん、他の観点から基準環境を選定することも可能である。例えば、補間演算時の補間精度を考慮し、通常の使用環境における環境情報に対応する大中小ドット階調値が内挿補間によって算出できるように、環境情報の変動範囲において比較的、変動範囲端に近い環境を基準環境として選択することもできる。
さらに、常に本発明による色変動の補償を実施する構成が必須というわけではなく、本発明による色の補償を実施するか否かを問い合わせるUI等をディスプレイ18に表示し、キーボード31等の入力に応じて本発明による補償を実施するように構成しても良い。また、色変動の補償のために、現在の環境における大中小振り分けデータ15gを毎回作成する構成が必須というわけではない。例えば、色変換モジュール21bによる変換で得られたCMYKlclm階調値に対応する大中小ドット階調値のみを逐次算出して大中小ドット階調値を取得するように構成しても良い。
さらに、第2の実施形態において、補正係数が階調値に依存することによって、階調値毎に詳細な補正が実施できるが、階調値依存性のない補正係数を採用することも可能である。すなわち、複数の環境に対して定数の補正係数を対応づけるように構成しても良い。この場合であっても、環境条件毎の補償を実施しない場合と比較して良好なカラーマッチングを実施可能であることが多い。尚、補正係数としては種々の手法で算出可能であり、上記階調値依存性のある補正係数の平均値や、明度が大きく変動する階調値域に限って補正係数を算出して平均化した値を採用するなど、種々の構成を採用可能である。
また、上記第2の実施形態では、基準環境における階調値と他の環境における階調値との比を算出して補正係数を算出していたが、むろん、基準環境下での大中小ドットの記録量に対して乗じることによって他の環境下でカラーマッチングを行うような補正係数を定義して補正係数テーブル150dを構成しても良い。さらに、上記第2の実施形態では、測色値として得られるL***値のうち、L*のみを利用して基準環境と他の環境とのカラーマッチングを行っていたが、各環境で比較すべき色成分はL*に限られない。
すなわち、a*やb*を比較しても良いし、2あるいは3個の色成分を同時に比較しても良い。この場合、基準環境と他の環境とで一致する測色値を取得できるとは限らないので、略一致する測色値を抽出して補正係数を算出すればよい。さらに、インクの色によって階調値の変動に対する各色成分の変動量が異なるので、色毎に異なる色成分を採用してもよい。例えば、イエローインクにおいては階調値に対してb*が最も大きく変動し、ブラックインクにおいては階調値に対してL*が最も変動することが多い。
そこで、この場合には、イエローインクについてb*成分にて基準環境と他の環境の比較を行って補正係数を算出し、ブラックーインクについてL*成分にて基準環境と他の環境の比較を行って補正係数を算出する。かかる構成によって、簡易な構成でありながらも正確に環境の変動を補償して正確なカラーマッチングを実施することが可能になる。
コンピュータの概略構成を示すブロック図である。 プリンタの構成例を示す図である。 大中小振り分けデータを説明する説明図である。 印刷制御処理のフローチャートである。 補間係数および補間演算を説明するための説明図である。 第2の実施形態のブロック図である。 補正係数テーブルの説明図である。 補正係数の値を決定する際の手法の例を示す図である。 第2の実施形態における印刷制御処理のフローチャートである。
符号の説明
10…コンピュータ、15a…画像データ、15c〜15g…大中小振り分けデータ、20…PRTDRV、21a…画像データ取得モジュール、21b…色変換モジュール、21c…大中小ドット生成モジュール、21d…ハーフトーン処理モジュール、21e…印刷データ生成モジュール、21f…振り分けデータ修正モジュール、21f1…基準データ取得部、21f2…環境データ取得部、21f3…補間演算部、40…プリンタ、40a…温度センサ、40b…湿度センサ

Claims (12)

  1. 印刷媒体上にインク量の異なるN種類(Nは2以上の整数)のインク滴を記録可能な印刷装置を駆動する印刷制御装置であって、
    画像を形成する画素の色を印刷装置で使用するインク色毎の階調値で表現した画像データを取得する画像データ取得手段と、
    所定の基準環境における上記階調値と上記N種類の各インク滴の記録量との対応関係を示す記録量特定データを取得する記録量特定データ取得手段と、
    上記印刷装置がおかれた環境を示す環境情報を取得する環境情報取得手段と、
    上記記録量特定データを参照して、上記取得した環境情報が示す環境における上記階調値と上記N種類の各インク滴の記録量との対応関係を示す現環境記録量特定データを算出する現環境記録量特定データ取得手段と、
    同現環境記録量特定データを参照して上記画像データにおける各画素の階調値を記録量に変換し、同記録量によって印刷を実施させる印刷実行手段とを具備することを特徴とする印刷制御装置。
  2. 上記記録量特定データ取得手段は各階調値における出力色が複数の基準環境下で略共通になるように当該基準環境毎に上記記録量が決められた複数の記録量特定データを取得し、上記現環境記録量特定データ取得手段は上記取得した環境情報が示す環境と上記複数の基準環境との関係から現在の環境下での上記N種類の各インク滴の記録量を示す現環境記録量特定データを算出することを特徴とする上記請求項1に記載の印刷制御装置。
  3. 上記複数の基準環境は、上記階調値について各基準環境下で共通の記録量で記録を行った場合に所定値以上の色差が生じるような複数の環境であることを特徴とする上記請求項2に記載の印刷制御装置。
  4. 上記記録量特定データでは、上記N種類の各インク滴毎に記録量を調整して各階調値における出力色が複数の基準環境下で略共通になるようにしてあることを特徴とする上記請求項2または請求項3のいずれかに記載の印刷制御装置。
  5. 上記現環境記録量特定データ取得手段は、上記取得した環境情報が示す環境と上記複数の基準環境との対応関係から補間演算によって上記現環境記録量特定データを算出することを特徴とする上記請求項2〜請求項4のいずれかに記載の印刷制御装置。
  6. 上記現環境記録量特定データ取得手段は、上記基準環境における記録量特定データと上記現環境記録量特定データとの差分を補償するための補償データを取得し、同補償データに基づいて上記記録量特定データを補正して上記現環境記録量特定データを算出することを特徴とする上記請求項1に記載の印刷制御装置。
  7. 上記補償データは、上記記録量特定データに乗じて現環境記録量特定データを算出するための補正係数が複数の環境情報に対して対応づけられたデータであることを特徴とする上記請求項6に記載の印刷制御装置。
  8. 上記補償データは、複数の階調値に対応する記録量を上記記録量特定データによって特定し、当該記録量によって上記基準環境下および複数の環境下で印刷を行った結果を測色し、特定の階調値についての基準環境下の測色値に対して略同一の測色値となる複数の環境下での階調値を取得するとともに両階調値の比に基づいて補正係数を算出することによって作成されることを特徴とする上記請求項7に記載の印刷制御装置。
  9. 上記基準環境および印刷装置がおかれた環境には、温度を含むことを特徴とする上記請求項1〜請求項8のいずれかに記載の印刷制御装置。
  10. 上記基準環境および印刷装置がおかれた環境には、湿度を含むことを特徴とする上記請求項1〜請求項9のいずれかに記載の印刷制御装置。
  11. 印刷媒体上にインク量の異なるN種類(Nは2以上の整数)のインク滴を記録可能な印刷装置を駆動する印刷制御方法であって、
    画像を形成する画素の色を印刷装置で使用するインク色毎の階調値で表現した画像データを取得する画像データ取得工程と、
    所定の基準環境における上記階調値と上記N種類の各インク滴の記録量との対応関係を示す記録量特定データを取得する記録量特定データ取得工程と、
    上記印刷装置がおかれた環境を示す環境情報を取得する環境情報取得工程と、
    上記記録量特定データを参照して、上記取得した環境情報が示す環境における上記階調値と上記N種類の各インク滴の記録量との対応関係を示す現環境記録量特定データを取得する現環境記録量特定データ取得工程と、
    同現環境記録量特定データを参照して上記画像データにおける各画素の階調値を記録量に変換し、同記録量によって印刷を実施させる印刷実行工程とを具備することを特徴とする印刷制御方法。
  12. 印刷媒体上にインク量の異なるN種類(Nは2以上の整数)のインク滴を記録可能な印刷装置を駆動する印刷制御プログラムであって、
    画像を形成する画素の色を印刷装置で使用するインク色毎の階調値で表現した画像データを取得する画像データ取得機能と、
    所定の基準環境における上記階調値と上記N種類の各インク滴の記録量との対応関係を示す記録量特定データを取得する記録量特定データ取得機能と、
    上記印刷装置がおかれた環境を示す環境情報を取得する環境情報取得機能と、
    上記記録量特定データを参照して、上記取得した環境情報が示す環境における上記階調値と上記N種類の各インク滴の記録量との対応関係を示す現環境記録量特定データを取得する現環境記録量特定データ取得機能と、
    同現環境記録量特定データを参照して上記画像データにおける各画素の階調値を記録量に変換し、同記録量によって印刷を実施させる印刷実行機能とをコンピュータに実現させることを特徴とする印刷制御プログラム。

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JP2005349606A (ja) * 2004-06-08 2005-12-22 Canon Inc インクジェット記録装置及び該装置における制御方法
JP2011131429A (ja) * 2009-12-22 2011-07-07 Brother Industries Ltd 制御装置及びコンピュータプログラム

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