JP2005230758A - 光触媒担持体 - Google Patents

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昭雄 向井
Akihiro Kato
陽弘 加藤
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Abstract

【課題】 担持する光触媒の表面積を大きく確保することのできる光触媒担持体を実現する。
【解決手段】 アナターゼ型の酸化チタン(TiO)等より成る光触媒を保持して成る透光性の多数の多孔質吸着材12同士を、透光性の接着剤14を介して接着することにより構成されている光触媒担持体10。また、アナターゼ型の酸化チタン(TiO)等より成る光触媒を保持して成る透光性の多数の多孔質吸着材12を網状容器22内に収納することにより構成されている光触媒担持体18。上記多孔質吸着材12は、シリカゲルや、バイコールガラス等の多孔質ガラスで構成される。
【選択図】 図1

Description

この発明は、光触媒を担持して成る光触媒担持体に係り、特に、担持する光触媒の表面積を大きく確保することのできる光触媒担持体に関する。
酸化チタン(TiO)等の光触媒は、紫外線等の光の照射を受けると活性化して強力な酸化還元作用を生じ、窒素酸化物(NO)、硫黄酸化物(SO)等の有害化合物や汚濁物等を効果的に分解する作用を発揮するものであることから、この光触媒を担持させて成る光触媒担持体を用いて空気や水の浄化を行う試みが成されている。
ところで、上記光触媒による有害化合物や汚濁物等の分解は、これら有害化合物や汚濁物等が光触媒に接触することによって生じる作用である。従って、光触媒による空気や水の浄化能力を向上させるためには、光触媒の表面積をできるだけ拡大することが望ましい。
そこで、本出願人は、先に、基体の表面に、表面を光触媒で被覆された多数の繊維状体を、上記基体表面に対して立設状態で被着して成る光触媒担持体を提案した(特開2003−205244号)。
図8に示すように、この光触媒担持体60は、ガラス、樹脂、金属等の適宜な材料より成る平板状の基体62の表面に、アナターゼ型の酸化チタン(TiO)より成る光触媒64で被覆された多数の細長い繊維状体66が、接着剤68を介して、上記基体62表面に対して略垂直に立設状態で被着されている。この繊維状体66は、図9及び図10に示すように、ガラス繊維や樹脂繊維等の繊維70の表面に光触媒64をコーティングして構成されているものである。
上記光触媒担持体60における繊維状体66表面の光触媒64に、図示しない紫外線ランプ等からの紫外線が照射されると、光触媒64が活性化して該光触媒64表面に接触した空気や水の浄化を行うことができるのである。
特開2003−205244号
上記光触媒担持体60は、光触媒64で被覆された多数の繊維状体66を、基体62表面に対して略垂直に立設状態で被着したことから、基体62の表面積が、被着された多数の繊維状体66の表面積分増大することとなり、その結果、基体62表面に配置される光触媒64の表面積を拡大できるものであった。
しかしながら、光触媒による空気や水の浄化能力を向上させるためには光触媒の表面積をできるだけ拡大することが望ましいことから、担持する光触媒の表面積を、より一層大きく確保できる光触媒担持体の出現が望まれていた。
本発明は、上記要請に応えるためになされたものであり、その目的とするところは、担持する光触媒の表面積を大きく確保することのできる光触媒担持体の実現にある。
上記の目的を達成するため、本発明に係る光触媒担持体は、多数の透光性の多孔質吸着材を、透光性の接着剤を介して接着すると共に、上記多孔質吸着材の表面及び細孔内に光触媒を保持せしめて成ることを特徴とする。
この場合、上記多孔質吸着材と共に反射材を、上記透光性の接着剤を介して接着するようにしても良い。
また、本発明に係る他の光触媒担持体は、多数の透光性の多孔質吸着材を網状容器内に収納すると共に、上記多孔質吸着材の表面及び細孔内に光触媒を保持せしめて成ることを特徴とする。
この場合、上記多孔質吸着材と共に反射材を、上記網状容器内に収納するようにしても良い。
上記多孔質吸着材としては、シリカゲル又は多孔質ガラスが該当する。
本発明の光触媒担持体にあっては、比表面積が極めて大きい多数の多孔質吸着材を、透光性の接着剤を介して接着すると共に、これら多孔質吸着材の表面及び細孔内に光触媒を保持せしめたことから、担持する光触媒の表面積を大きく確保することができる。
上記多孔質吸着材と共に反射材を、上記透光性の接着剤を介して接着した場合には、光触媒を活性化させる光を様々な方向に反射させて光触媒への照射効率を向上させることができる。
また、本発明の他の光触媒担持体にあっては、比表面積が極めて大きい多数の多孔質吸着材を網状容器内に収納すると共に、これら多孔質吸着材の表面及び細孔内に光触媒を保持せしめたことから、担持する光触媒の表面積を大きく確保することができる。
上記多孔質吸着材と共に反射材を、上記網状容器内に収納した場合には、光触媒を活性化させる光を様々な方向に反射させて光触媒への照射効率を向上させることができる。
以下、図面に基づき、本発明に係る光触媒担持体の実施形態を説明する。
図1及び図2は、本発明に係る第1の光触媒担持体10を示すものであり、該第1の光触媒担持体10は、アナターゼ型の酸化チタン(TiO)等より成る光触媒(図示せず)を保持して成る多数の透光性の多孔質吸着材12同士を、透光性の接着剤14を介して接着することにより構成されている。
上記光触媒は、紫外線の照射を受けて活性化する光触媒だけでなく、可視光の照射を受けて活性化する可視光型光触媒を用いることもできる。
上記透光性の接着剤14は、例えば、アルカリシリケート結合物、エチルシリケート結合物、アルコキシラン結合物、有機官能基を部分的に導入したアルコキシラン結合物及び有機ポリマーを反応させたアルコキシラン結合物等の無機結合材やハイブリッド系無機結合材を用いることができる。
上記透光性の多孔質吸着材12は、径が10nm〜50nm程度の細孔を多数有する直径0.1mm〜5mm程度のビーズ状のシリカゲルで構成されており、細孔の比表面積が50m/g〜300m/g程度と極めて大きいものである。光触媒は、上記多孔質吸着材12の表面のみならず、細孔内にも吸着保持されている。
上記多孔質吸着材12の表面及び細孔内に光触媒を保持させるには、例えば、粒径が多孔質吸着材12の細孔径より小さい光触媒微粒子の分散液中に、多孔質吸着材12を浸漬した後、乾燥・焼成させることにより行うことができる。
上記多孔質吸着材12に保持された光触媒に、光触媒活性化作用を有する波長の光(紫外線や可視光)が照射されると、光触媒が活性化して該光触媒に接触した空気や水の浄化を行うことができるのである。
而して、上記第1の光触媒担持体10にあっては、比表面積が極めて大きい多数の多孔質吸着材12同士を接着剤14を介して接着すると共に、これら多孔質吸着材12の表面及び細孔内に光触媒を保持せしめたことから、担持する光触媒の表面積を大きく確保することができる。
上記の通り、多孔質吸着材12及び接着剤14は透光性を有していることから、多孔質吸着材12の表面及び細孔内に保持した光触媒に光を十分に照射することが可能である。また、多数の細孔を有する多孔質吸着材12は、通気性、通水性に優れていることから、光触媒と、空気や水との接触効率が良好である。
図3及び図4は、第1の光触媒担持体10の変形例を示すものであり、この第1の光触媒担持体10の変形例は、多数の多孔質吸着材12と共に複数のビーズ状の反射材16を、透光性の接着剤14を介して接着して成る。
上記反射材16は、アルミニウム等の光反射率の高い材料で構成することができる。また、表面が光反射率の高い白色と成された部材で反射材16を構成しても良い。
このように、多孔質吸着材12と共に反射材16を用いることにより、光触媒を活性化させる光を様々な方向に反射させて光触媒への照射効率を向上させることができる。
図5及び図6は、本発明に係る第2の光触媒担持体18を示すものであり、該第2の光触媒担持体18は、金属や樹脂等より成り、多数の連通孔20を備えた網状容器22内に、多数の上記多孔質吸着材12を収納して構成したものである。
この第2の光触媒担持体18にあっては、比表面積が極めて大きい多数の多孔質吸着材12を網状容器22内に収納すると共に、これら多孔質吸着材12の表面及び細孔内に光触媒を保持せしめたことから、担持する光触媒の表面積を大きく確保することができる。
図7は、第2の光触媒担持体18の変形例を示すものであり、この第2の光触媒担持体18の変形例は、多数の多孔質吸着材12と共に複数のビーズ状の反射材16を、上記網状容器22内に収納して構成したものである。
このように、多孔質吸着材12と共に反射材16を網状容器22内に収納することにより、光触媒を活性化させる光を様々な方向に反射させて光触媒への照射効率を向上させることができる。
尚、光触媒への光の照射効率を向上させるため、上記網状容器22を透光性樹脂等の透光性材料で構成し、光が網状容器22によって遮られないようにしても良い。
また、光触媒の表面積を拡大させるため、上記網状容器22に光触媒を担持させるようにしても良い。
上記光触媒としては、上記の酸化チタン以外に、ZnO、SrTiO、BaTiO、Fe等、光触媒作用を有する他の金属酸化物を用いることができるが、アナターゼ型の酸化チタンが、光触媒活性に優れており最も好適に使用できる。
上記においては、透光性の多孔質吸着材12をシリカゲルで構成した場合を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、バイコールガラス等のnm単位の多数の細孔を有する多孔質ガラスで上記多孔質吸着材12を構成しても良い。
尚、本発明の上記光触媒担持体10,18を、空気等の気体の浄化用に使用する場合には、上記多孔質吸着材12の表面をシリコン樹脂や、テトラフルオロエチレンの重合体(ポリテトラフルオロエチレン、PTFE)であるテフロン(登録商標)等の撥水性のある気体透過性樹脂で被覆しても良い。
このように、多孔質吸着材12の表面を撥水性のある気体透過性樹脂で被覆すると、多孔質吸着材12が空気中の水分を細孔内に吸着することが抑制され、その結果、浄化対象の気体を効率よく細孔内に吸着して、細孔内の光触媒と接触させることができる。
また、第1の光触媒担持体10の場合には、上記シリコン樹脂やテフロン(登録商標)等の撥水性のある気体透過性樹脂を透光性の接着剤14として用いて、多数の多孔質吸着材12同士を接着するようにしても良い。この場合にも、接着剤14として用いた撥水性のある気体透過性樹脂によって、多孔質吸着材12が空気中の水分を細孔内に吸着することが抑制され、その結果、浄化対象の気体を効率よく細孔内に吸着して、細孔内の光触媒と接触させることができる。
本発明に係る第1の光触媒担持体を模式的に示す正面図である。 本発明に係る第1の光触媒担持体を模式的に示す平面図である。 第1の光触媒担持体の変形例を模式的に示す正面図である。 第1の光触媒担持体の変形例を模式的に示す平面図である。 本発明に係る第2の光触媒担持体を模式的に示す正面図である。 本発明に係る第2の光触媒担持体を模式的に示す平面図である。 第2の光触媒担持体の変形例を模式的に示す正面図である。 従来の光触媒担持体を示す断面図である。 従来の光触媒担持体における繊維状体の拡大縦断面図である。 従来の光触媒担持体における繊維状体の拡大横断面図である。
符号の説明
10 第1の光触媒担持体
12 多孔質吸着材
14 透光性の接着剤
16 反射材
18 第2の光触媒担持体
20 連通孔
22 網状容器

Claims (5)

  1. 多数の透光性の多孔質吸着材を、透光性の接着剤を介して接着すると共に、上記多孔質吸着材の表面及び細孔内に光触媒を保持せしめて成ることを特徴とする光触媒担持体。
  2. 上記多孔質吸着材と共に反射材を、上記透光性の接着剤を介して接着して成ることを特徴とする請求項1に記載の光触媒担持体。
  3. 多数の透光性の多孔質吸着材を網状容器内に収納すると共に、上記多孔質吸着材の表面及び細孔内に光触媒を保持せしめて成ることを特徴とする光触媒担持体。
  4. 上記多孔質吸着材と共に反射材を、上記網状容器内に収納して成ることを特徴とする請求項3に記載の光触媒担持体。
  5. 上記多孔質吸着材が、シリカゲル又は多孔質ガラスであることを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の光触媒担持体。
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