JP2005227256A - 膜厚測定装置 - Google Patents

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Abstract


【課題】位置精度の高い膜厚測定装置を提供する。
【解決手段】
基板61上に導電性薄膜を形成し、パターニングして測定用コイル部64と、それを取り囲む導電性リング68を形成する。この測定用コイル部64を測定対象物に近接させ、交流電流を流すと、測定対象物内に渦電流が誘起される。測定用コイル部64周囲が導電性リング68で取り囲まれており、導電性リング68よりも外側には渦電流が広がらないので、位置精度の高い測定を行うことができる。導電性リング68に換え、中心部とは逆向きのコイルを外周に配置して測定用コイル部を構成してもよい。
【選択図】 図19

Description

本発明は膜厚測定装置の技術分野にかかり、特に、測定対象物に渦電流を生じさせて膜厚測定を行う膜厚測定装置に関する。
導電性薄膜の膜厚を測定する装置として渦電流式の膜厚計がある。薄膜に近づけたコイルに交流電圧を印加すると薄膜に誘起された渦電流によりコイルのインピーダンスが変化することを利用した装置である
従来は、コイルとしてソレノイドが用いられているが、その空間分解能は十分ではなく、より高い分解能が要求されている。ここでの空間分解能は、薄膜の端での膜厚計の出力の振舞いに関するもので、薄膜の端まで膜厚をいかに正しく測定できるかを表すものである。
測定対象の薄膜とコイルの間の距離を一定に保つために、例えば静電容量式の変位センサが用いられる
従来は変位センサとコイルを別々に製作した後、治具を用いて変位センサの下端とコイルの下端の位置が合うように組み立てているが、それらの相対的な位置を精度よく組み付けるのは困難であり、また、装置の部品点数が多く、必要な作業量も多いという問題があった。
特開2002−148010 特開2002−148011 特開2002−148012
本発明は、部品点数が少なく、位置精度が高い膜厚計を提供することにある。
上記課題を解決するため、請求項1記載の発明は、測定対象物の近くに測定用コイル部を配置し、前記測定用コイル部に交流電圧を印加し、前記測定対象物内に渦電流を生じさせ、前記渦電流の影響により生じた前記測定用コイルのインピーダンス値の変化を電圧として測定し、前記測定対象物の厚みを求めるように構成された膜厚測定装置であって、前記測定用コイル部は、基板上に形成された導電性薄膜がパターニングされて構成された膜厚測定装置である。
請求項2記載の発明は、前記測定用コイル部と、前記測定用コイル部とは別の基準用コイル部と、二個の抵抗素子とをブリッジ接続したインピーダンスブリッジを用い、前記渦電流の影響により、前記ブリッジに生じた電圧を測定する請求項1記載の膜厚測定装置であって、前記基準用コイル部は、基板上に形成された導電性薄膜がパターニングされて構成が請求項1記載の膜厚測定装置である。
請求項3記載の発明は、前記測定用コイル部を取り囲む導電性リングを有する請求項1又は請求項2のいずれか1項記載の膜厚測定装置である。
請求項4記載の発明は、前記導電性リングは、前記導電性薄膜がパターニングされて構成されている請求項3記載の膜厚測定装置である。
請求項5記載の発明は、前記測定用コイル部上には絶縁膜が配置され、前記絶縁膜上の前記測定用コイル部の中心位置を含む少なくとも一部領域を取り囲む位置に導電性リングが配置された請求項1又は請求項2のいずれか1項記載の膜厚測定装置である。
請求項6記載の発明は、前記導電性リングと前記測定対象物との間の静電容量を測定する静電容量センサコントローラを有する請求項3乃至請求項5のいずれか1項記載の膜厚測定装置である。
請求項7記載の発明は、前記測定用コイル部は、基板上に形成された導電性薄膜がパターニングされて形成された請求項1記載の膜厚測定装置である。
請求項8記載の発明は、前記基準用コイル部は、基板上に形成された導電性薄膜がパターニングされて形成された請求項2記載の膜厚測定装置である。
請求項9記載の発明は、測定対象物の近くに測定用コイル部を配置し、前記測定用コイル部に交流電圧を印加し、前記測定対象物内に渦電流を生じさせ、前記渦電流の影響により生じた前記測定用コイルのインピーダンス値の変化を電圧として測定し、前記測定対象物の厚みを求めるように構成された膜厚測定装置であって、前記測定用コイル部は、同一方向に複数回巻き回わされ、流れる電流が同じ方向に回転する順コイルと、前記順コイルよりも巻数が少なく、流れる電流が前記順コイルとは逆向きに回転する逆コイルとを有する膜厚測定装置である。
請求項10記載の発明は、前記順コイルの中心と前記逆コイルの中心とは略一致された請求項9記載の膜厚測定装置である。
請求項11記載の発明は、前記順コイルは前記逆コイルの外周よりもはみ出ないように配置された請求項10記載の膜厚測定装置である。
請求項12記載の発明は、前記測定用コイル部と、前記測定用コイル部とは別の基準用コイル部と、二個の抵抗素子とをブリッジ接続したインピーダンスブリッジを用い、前記渦電流の影響により、前記ブリッジに生じた電圧を測定する請求項9乃至請求項11のいずれか1項記載の膜厚測定装置であって、前記基準用コイル部は、同一方向に複数回巻き回わされ、流れる電流が同じ方向に回転する順コイルと、前記順コイルよりも巻数が少なく、流れる電流が前記順コイルとは逆向きに回転する逆コイルとを有する膜厚測定装置である。
請求項13記載の発明は、前記測定用コイル部を取り囲む導電性リングを有する請求項9乃至請求項12のいずれか1項記載の膜厚測定装置である。
請求項14記載の発明は、前記測定用コイル部の前記順コイルはパターニングされた導電性薄膜で構成された請求項9乃至請求項13のいずれか1項記載の膜厚測定装置である。
請求項15記載の発明は、前記測定用コイル部の前記順コイルは基板上に配置された請求項14記載の膜厚測定装置である。
請求項16記載の発明は、前記測定用コイル部の前記逆コイルはパターニングされた導電性薄膜で構成された請求項9乃至請求項15のいずれか1項記載の膜厚測定装置である。
請求項17記載の発明は、前記測定用コイル部を取り囲む導電性リングを有する請求項9乃至請求項16のいずれか1項記載の膜厚測定装置である。
請求項18記載の発明は、前記導電性リングと前記測定対象物との間の静電容量を測定する静電容量センサコントローラを有する請求項17記載の膜厚測定装置。
先ず、本発明の動作原理を説明する。
従来用いられたソレノイドは長さ(厚み)があるために、一端を薄膜に近づけると、他端は薄膜から離れてしまう。例えば、図1に示したaのような部分である。
本発明の発明者等は、下記に示すような薄膜に誘起される渦電流の径方向の分布から、この部分aが空間分解能を低下させていることを見出した。そして、その問題を解決するためには、図2のように、コイルを同一平面上に巻くことを案出した。以後、図2のようなコイルを平面コイルと呼ぶことにする。
ソレノイドと平面コイルの空間分解能を比較するために、コイルに流した電流により薄膜に誘起された渦電流密度の径方向の分布を計算した。計算結果を図3と4に示す。
計算に用いたソレノイドのパラメーターは、長さ1.71mm、外径2.4mm、内径0.4mm。1層につき10巻き、6層、合計60巻き、コイル下端から薄膜までの距離h=0.3mm、自己インダクタンスLC=1.75x10-6H,抵抗RC=0.66Ωとした。
平面コイルのパラメーターとしては、外径2.36mm、内径0.28mm、0.04mm間隔で27巻き、h=0.15mm、LC=7.7x10-7H、RC=28Ωまたは14Ωとした。
図3、4は、渦電流及びその時間変化が小さい場合、即ち、渦電流による「コイルでの鎖交磁束」の変化がコイル自身のそれより小さく無視できる場合の結果であり、以下のようにして求めた。
コイルに流れる電流を円電流の重ね合わせと考え、円電流によるベクトルポテンシャルA(r,t)を求め、E=−∂A(r,t)/∂tより電場Eを求め(B=rotA、rotE=−∂B/∂tより)、J=σEにより渦電流密度Jの径方向分布を求めた。σは電気伝導度である。コイル電流ICについてはdIC/dt=「0ではない一定値」としてJ(r)を求めた。
コイル電流の時間変化はdIC/dt=1A/sとし、1/σ=2×10-8(Ωm)としている。この場合、渦電流は時間変化しないので、コイルに影響せず、渦電流間の相互作用もない。渦電流による鎖交磁束が時間変化せず誘導起電力を生じないということである。周波数が低い場合や薄膜のシート抵抗が大きい場合に相当する(周波数が高い場合や薄膜のシート抵抗が小さい場合の結果は後で示す)。
図4の平面コイルでは、図3のソレノイドより径が小さい領域に渦電流が集中していることが分かる。内径、外径共に同様にもかかわらず、このような差が出るのは、ソレノイドの「図1のaの部分」に起因する。即ち、薄膜から遠いコイル部分が空間分解能を低下させている。
本発明が対象とする膜厚計はコイルのインピーダンスの変化をとらえて出力するが、コイルのインピーダンス変化に寄与するのは「渦電流がコイルに作る鎖交磁束」であるので、それを比較すべきである。その鎖交磁束を図5に示した。
「径方向(半径r)に分割した渦電流Ie(r)」と「そのループ(半径はr)とコイルとの相互インダクタンスM(r)」との積を実線で示した。図中の点線は、実線をrまで積分し、「r=10mmまで積分した値」で規格化したものである。この値が例えば0.8となる半径を比較すると、平面コイルではソレノイドの半分なので、空間分解能が2倍になると言える。
周波数が高い場合や薄膜のシート抵抗が小さい場合の渦電流の径方向分布を計算した結果を図6〜9に示す。渦電流が小さいとして計算した結果と同様であり、前述の議論が成り立つことが示された。なお、計算は以下のようにして行った。
薄膜を半径0.5,1.0,1.5,2.0,2.5mmの5つのループとみなし(図10参照)、抵抗値算出のための幅は0.5mmとした。コイルへの印加電圧をcosωtとすると(Vpp=2Vということ)、コイルと各ループでの電圧についての等式からなる下記の「各電流に関する連立微分方程式」が成り立つ。IC:コイル電流、LC:コイルの自己インダクタンス、RC:コイルの抵抗で、IN 、LN,RN(N=1−5)は各ループの電流(即ち渦電流)、自己インダクタンス、抵抗である。ループ間のMNM、コイルとループ間のMCN(MIJ=MJI,MII=LI)が相互インダクタンスである。LC,RC,LN,RN,MNM,MCNを予め求めておき、連立微分方程式を解くことでコイル電流IC(t)、渦電流IN(t)の時間変化が求まる。渦電流IN(t)の最大値(振幅)をループ半径に対してプロットし、渦電流の径方向分布とした。なお、L,Mは鎖交磁束の計算から求めた。
Figure 2005227256
感度についての計算結果を図11に示す。インピータンスブリッジの出力電圧の比較である。平面27巻きコイルの感度はソレノイドのそれより高く、従って、同じ感度のコイルで比較すれば、平面コイルの空間分解能はソレノイドに比べ、さらに高くなる。
即ち、例えば平面コイルの巻き数を27巻きより減らし外径を小さくすると、感度が低下してソレノイドと同程度の感度になるが、空間分解能は27巻の平面コイルよりもさらに向上することになる。
なお、この計算は以下のようにして行った。式(1)から求めたコイル電流IC(t)より式(2)のようにコイルのインピーダンスZが求まる。電流振幅の半分I0からZを求め、位相のずれφを求めて、Z=Z・exp[iφ]を求める。これをコイルの元のインピーダンスと比較してインピーダンスの変化分(式(3))を求める。
Figure 2005227256
Figure 2005227256
コイルのインピーダンスが渦電流により変化し、図12のインピーダンスブリッジ(マクスウェルブリッジ)が平衡からずれた場合の出力電圧VXは式(4)で与えられる(Ra=Rbの場合)
Figure 2005227256
即ち、E0、Re、Leが決まればVxが求まる。ここではE0は1VとしてVxを計算した。
平面コイルと静電容量式変位センサの電極を、同一の基板上にフォトリソグラフィーを用いて薄膜で作製することで、コイルと変位センサの相対位置精度が飛躍的に向上し、相対的な位置を合わせるための治具やそのための作業が不要になる。
渦電流式膜厚計の感度を落とすことなく、空間分解能を従来の少なくとも2倍以上に向上でき、膜の端まで膜厚を正しく測定できるようになる。
変位センサとの相対位置精度が向上する。
測定周波数を上げることで、測定対象の薄膜自体による磁束の遮蔽効果により渦電流が相対的に中心に集中するために、膜厚計の空間分解能が向上する。
測定周波数を上げ、さらにコイルの近傍に導電性のリングを設けることで、リングによる遮蔽効果が起きて、空間分解能がさらに向上する。
図24(c)の符号52は、本発明の測定装置に用いられる平面コイルの第一例である。
この第一例の平面コイルの製造工程を説明すると、同図(a)に示すように、ポリイミド板等の絶縁基板61に形成された孔に、二本のリード線651、652を裏面側から挿入し、リード線651、652の先端を、絶縁基板61表面の高さと一致させた状態で、その表面にスパッタリング法等の成膜方法によって銅薄膜等の金属薄膜62を形成する。
次いで同図(b)に示すように、フォトリソグラフ工程とエッチング工程によって金属薄膜62を渦巻き状(平面30巻き)にパターニングする。二本のリード線651、652は、一方が絶縁基板61の中央付近に位置し、他方が縁付近に位置しており、渦巻きの両端は、それぞれリード線651、652に接続される。
次いで、同図(c)に示すように、パターニングした金属薄膜62にメッキすることで金属薄膜62表面にメッキ層63を形成し、コイル部64を構成させると、平面コイル52が得られる(同図(c))。図16は、その斜視図である。コイル部64は、内径0.3mm、外径2.7mm、40μmピッチ、30巻きである。リード線651、652は、平面コイル52同士の接続や、後述する第1、第2の抵抗素子14、15やインピーダンスメータ5との接続に用いられる。
図25の符号11は、上記平面コイル52を用いた本発明の第一例の膜厚測定装置である。
図25に示すように、この膜厚測定装置11は、例えば、駆動系(移動機構)3によって駆動される基板ステージ3a上に支持されたシリコンウェハ等の基板50の上方に配置される測定部2を有している。
この駆動系3はコンピュータ4からの命令によって動作するように構成され、基板ステージ3aを上下及び水平方向に移動させることにより、測定部2と基板50との相対的な位置を変えるようになっている。
本実施の形態の測定部2には、例えば、プラスチック等の絶縁材料からなる支持部2aが設けられ、この支持部2aに、渦電流センサ20と、レーザセンサ30が取り付けられている。
ここで、渦電流センサ20は、基板50の近傍に配置されている。基板50上には測定対象物である導電膜51が形成されており、渦電流センサ20は、この導電膜51に近接するようになっている。
この渦電流センサ20は、例えばポリアセタール樹脂等の絶縁材料からなる筺体を有しており、その筺体内には、上記平面コイル52と同じ構造の測定用平面コイル11と基準用平面コイル12とが配置されている。
測定用平面コイル11と基準用平面コイル12は、後述するように、インピーダンスメータ5に接続されている。
また、レーザセンサ30は、渦電流センサ20の上方の所定の位置に取り付けられている。
このレーザセンサ30はレーザセンサコントローラ6によって制御されるもので、基板50上の導電膜51上の所定の位置(本実施の形態では渦電流センサ20の近傍)を照射し、反射光からレーザセンサ30と導電膜51表面間の距離を高精度(例えば、誤差±1μm程度)で測定できる機能を有している。
さらに、これらインピーダンスメータ5とレーザセンサコントローラ6はコンピュータ4に接続され、このコンピュータ4においてデータの解析を行うようになっている。
図27は、本実施の形態の渦電流センサの構成を示す回路図であり、図28は、渦電流センサ20内の測定用平面コイル11と基準用平面コイル12の相対的な位置関係を説明するための図であり、測定用平面コイル11は導電膜51に近接する位置に配置され、基準用平面コイル12は、導電膜51から測定用平面コイル11よりも遠い位置に配置されており、基準用平面コイル12に流れる電流では、導電膜51に渦電流が誘起されないように構成されている。また、測定用平面コイル11と基準用平面コイル12とは、相互に磁気結合しないように離間されている。
以下、図27を用いて本発明の測定原理を説明する。
図27の符号10は、Maxwellブリッジと呼ばれるインピーダンスブリッジを示している。
このインピーダンスブリッジ10は、上記測定用平面コイル11のコイル部64(測定用コイル部)と基準用平面コイル12のコイル部64(基準用コイル部)の他、第1、第2の抵抗素子14、15を有しており、二個のコイル部64と二個の抵抗素子14、15とがブリッジ接続されて構成されている。
ブリッジ接続を説明すると、測定用平面コイル11のコイル部64と基準用平面コイル12のコイル部64とは、接続中点23において互いに直列接続され、また、第1、第2の抵抗素子14、15は、同様に、接続中点24において互いに直列接続されており、測定用平面コイル11と基準用平面コイル12のコイル部64の直列接続回路と、第1、第2の抵抗素子14、15の直列接続回路は、その両端の並列接続点21、22において互いに並列接続されている。
測定用平面コイル11のコイル部64のインピーダンスの大きさと、基準用平面コイル12のコイル部64のインピーダンスの大きさを等しくし、また、第1、第2の抵抗素子14、15のインピーダンスを等しくすると、インピーダンスブリッジ10のバランスがとれているため、インピーダンスメータ5内の交流電圧源により、並列接続点21、22に交流電圧VDを印加しても、接続中点23、24の間に電圧は現われない。
これは導電膜51の影響が無い場合であり、インピーダンスブリッジ10のバランスが取れていても、基板50が基板ステージ3a上に乗せられ、基板50が渦電流センサ20に近づいた場合、測定用平面コイル11に流れる交流電流により、基板50の内部や、基板50の表面の導電膜51中に渦電流が生じ、測定用平面コイル11のインピーダンス成分の大きさが変化する。
その結果、インピーダンスブリッジ10のバランスがくずれ、接続中点23、24の間に交流電圧VSが現れる。
ここで、インピーダンスブリッジ10に印加する交流電圧VDを、
D = VD0・exp(iωt)
で表した場合、接続中点23、24の間に現れる交流電圧VSは、
S = VS0・exp(iωt+φ) =VS0・exp(iωt)・cos(φ) + i・VS0・exp(iωt)・sin(φ)
で表される。
測定用平面コイル11や基準用平面コイル12のインピーダンスの中で、レジスタンス成分が無視できるほど小さい場合、接続中点23、24に現れる交流電圧VSのうち、印加した交流電圧VDに同期した位相の電圧と、90°ずれた位相の電圧とを求めると、その比から、渦電流の影響によって測定用平面コイル11のインダクタンス成分が変化した大きさ、即ち、測定用平面コイル11のインダクタンス成分の変化量ΔLが求められる。
インダクタンス成分の変化量ΔLは、基板50中の渦電流損失に対応した値であり、交流電圧VDの周波数は既知であるから、基板50や基板50表面の導電膜(例えば銅薄膜)51の比抵抗が既知であれば、膜厚が求められる。
一般に、基板50の本体が絶縁性基板であれば、導電膜51中にだけ渦電流が生じ、他方、基板50の本体が半導体基板であっても、導電膜51に比較して導電率が低く、半導体基板中に生じた渦電流は無視できるため、インダクタンス成分の変化量ΔLは、導電膜51中に生じた渦電流による影響と見てよい。
ただし、測定用平面コイル11のインダクタンス成分の変化量ΔLは、導電膜51の材質の他、測定用平面コイル11と基板50表面の導電膜51との距離Wに強く依存する。
そこで、既知の膜厚Dを有する導電膜51に対し、距離Wと、インダクタンス成分の変化量ΔLとを測定し、それらを対応付けて記憶データとし、データベースを構成しておく。
そして、未知の膜厚Dを有する基板50を測定用平面コイル11に近づけ、高精度の変位センサを用いて測定用平面コイル11と基板50表面の導電膜51との距離Wを測定するとともに、上記方法によってインダクタンス成分の変化量ΔLを測定し、上述したデータベースに照合することで、未知の膜厚Dを求めることが可能になる。
もっとも、データベースを作製したときの導電膜51と未知の膜厚Dの導電膜51の材質が同じである等、導電率が一定であることが条件になる。
なお、実際には、予め、膜厚が異なる導電膜51を有する複数の基板50を用意し、触針式の膜厚測定装置等で各基板50の導電膜51の膜厚Dを測定しておき、距離Wを変えて、各基板50に対するインダクタンス成分の変化量ΔLを測定し、膜厚D、距離W、変化量ΔLの測定値と共に記憶データとして記憶装置中に記憶しておくことによりデータベースが得られる。
本実施の形態において膜厚の測定をする場合には、測定すべき導電膜51が形成された基板50を基板ステージ3aによって搬送し、測定部2の下方に位置させる。
そして、レーザセンサ30からレーザを照射し、そのスポットが導電膜51上の所定の膜厚測定部位に位置するように基板50を移動し、レーザセンサ30によって導電膜51との間の距離を測定する。
この測定値は、渦電流センサ20の測定用平面コイル11と導電膜51間の距離(変位量)に変換される。そして、この変位量と予めコンピュータ4に記憶させておいた値とを比較し、その差分がゼロになるように基板ステージ3aを駆動して基板50を上下動させる。
次いで、渦電流センサ20が上記膜厚測定部位に位置するように基板50を平行移動して渦電流センサ20を動作させ、この膜厚測定部位に渦電流を発生させる。そして、インピーダンスメータ5によって測定用平面コイル11のインダクタンスを測定する。この測定値は、上述した原理によって測定用平面コイル11のインダクタンス成分の変化量ΔLに変換してコンピュータ4に記憶させる。
そして、この測定用平面コイル11のインダクタンス成分の変化量ΔLと、測定用平面コイル11と導電膜51間の距離とを用い、予め求めておいたこれらの相関関係のデータベースに基づき導電膜51上の当該部位の膜厚を算出する。
その後、基板ステージ3aを駆動して基板50を平行移動させ、次の測定部位まで測定部2を移動させる。そして、上述した方法によってこの位置の導電膜51の膜厚を測定する。以下、同様の動作を繰り返すことにより、導電膜51の複数の部位の膜厚を測定する。
以上述べたように本実施の形態によれば、渦電流センサ20の測定用平面コイル11におけるインダクタンスの変化量と、レーザセンサ30にて測定された変位量に基づいて導電膜51の厚さを測定するものであり、測定用平面コイル11は平面コイルであるから、従来のコイルを用いた膜厚測定装置に比べて、位置と膜厚とを正確に対応付けることができる。
また、本実施の形態によれば、部品点数が少なくて済むので、安価に膜厚の測定を行うことが可能になる。
なお、本実施の形態においては、渦電流センサ20と導電膜51との間の相対的な距離を常に一定の値に保つことにより、常に同一の条件で渦電流センサ20におけるインダクタンスの変化量を測定することができるので、より正確な膜厚の測定を行うことが可能になる。
次に、本発明の第二例の膜厚測定装置を説明する。図26の符号12は、本発明の第二例の膜厚測定装置であり、以下、上記実施の形態と対応する部分については同一の符号を付しその詳細な説明を省略する。
図26に示すように、第二例の膜厚測定装置12では、例えば円筒形状に形成された筺体内に、渦電流センサ20の一部を構成する測定用平面コイル11と基準用平面コイル12とが上下方向に配置されている(測定用平面コイル11が下)。
測定用平面コイル11と基準用平面コイル12には、コイル部64の渦巻き中心位置に貫通孔が形成されており、レーザセンサ30のレーザビームLが渦電流センサ20に向けて射出されると、基準用平面コイル12と測定用平面コイル11の貫通孔を通り、基板50に照射され、反射光は同じ貫通孔を逆順に通り、レーザセンサ30に入射するようになっている。即ち測定用平面コイル11と基準用平面コイル12の貫通孔を通るようにレーザセンサ30の位置が定められている。
さらに、導電膜51上において、渦電流センサ20によって渦電流を発生させる部位と、レーザセンサ30によって変位を測定する部位とが一致するように構成されている(図4中符号Pによって示す)。
このような構成を有する本実施の形態によれば、導電膜51の膜厚と、導電膜51と測定用平面コイル11との間の距離とを、基板50を移動させなくても両方測定できるので都合がよい。その他の構成及び作用効果については上述の実施の形態と同一であるのでその詳細な説明を省略する。
次に、インピーダンスの実部と虚部の測定結果から式(4)を用いてブリッジの出力電圧を計算した結果を図13に示す。ここでもE0を1VとしてVxを計算した。薄膜の端の領域での振舞いであり、Xが正の領域に導電性薄膜がある。この測定ではXの0点は正確ではなかったが、空間分解能の評価には問題ない。コイルと薄膜間の距離は、ソレノイド、平面コイル共に0.3mmであり、測定周波数は1MHZである、1MHZでは平面30巻きコイルの感度が高くなることは計算からも期待できないが、それでも、ソレノイドよりも出力は大きい。5MHZに上げれば、平面30巻きコイルの感度はさらに1桁以上増大することが計算では見積もられている。この図から平面コイルでは薄膜端での出力電圧の立ち上がりが鋭く、平面コイルの空間分解能が高いことが分かる。
なお測定に用いたソレノイドのパラメーターは、図6、7、11を求めたときのソレノイドのそれと同一ではないが、同様の値である。
図13のデータを、出力電圧の変化分ΔVとしてプロットしたのが図14である。
ΔV=const.exp(−X/r0)として特性半径r0を定義すると、ソレノイドではr0=1.32mm、平面30巻きコイルではr0=0.67mmとなり、空間分解能が約2倍に向上していることを示している。つまり、計算で示したことが実験で確認できたということである。
インピーダンスの実部と虚部の測定結果から式(4)を用いてブリッジの出力電圧を計算することの妥当性については、そのような計算結果と実際のブリッジ出力電圧の測定値を比較して両者が良い精度で一致することを確認済みである。図15にその結果を示す。測定結果はアンプで増幅されており、また、計算ではブリッジ両端の電圧振幅を単に便宜上1Vとしているだけなので、大きさの比較は無意味であり、出力電圧のXへの依存性を比較すればよい。両者がよく一致していることが分かる。なお、ここでの結果は、図13とは異なる薄膜端でのソレノイドでの結果である。
以上から、平面コイルを用いることで膜厚計の空間分解能が向上することを確認できたと言える。
以上は測定周波数が低い極限での計算結果から空間分解能を論じ、その極限として扱える周波数の1MHZでの測定結果からその発明の効果が実証された。測定周波数が低い極限とは、渦電流が作る磁場が、コイルが作る磁場に比べて無視できるほど小さい場合である。測定周波数を上げると渦電流が作る磁場を無視できなくなる。
上記計算は、測定対象の薄膜を仮想的なループに分割して考え、それらループに流れる渦電流を計算したが、高い周波数ではそれらのループ間で相互に作用し合うことになる。即ち、「あるループaに流れる渦電流によるループbでの鎖交磁束」が、「コイルによるループbでの鎖交磁束」に比べて無視できなくなり、ループbでの渦電流はループaでの渦電流(の時間変化)に影響される(式(1)参照)。
測定周波数が高い場合の渦電流の径方向分布の例は上述した通りであるが、測定周波数を上げることにより空間分解能を向上させることもできる。
測定周波数が1MHZと10MHZで渦電流の径方向分布の計算結果を図17に示す。1MHZが○、10MHZが●である。計算方法は上述したとおりである。
コイル部は外径2.36mm、内径0.28mm、0.04mm間隔で27巻きの平面コイルで、薄膜までの距離h=0.15mm、自己インダクタンスLC=7.7x10-7H,抵抗RC=28Ωとし、コイルにかける電圧の振幅を1V、測定対象の薄膜のシート抵抗を0.02Ωとした。銅の膜厚に換算すると約1μmとなる。周波数が増すことで薄膜での鎖交磁束の時間変化が大きくなり渦電流が増大する(コイルのインピーダンスの増大によりコイルに流れる電流は減少している)が、径方向の分布が変化している。r=2.5mmでの渦電流値は同様だが、r=0.5や1.0mmでの渦電流値は2倍以上に増大している。即ち、渦電流が径の小さい領域に集中していることになる。測定される膜厚は、渦電流が生じている領域の平均膜厚になるので、渦電流が生じる領域が小さいことは、狭い領域の平均膜厚を測定することになり、空間分解能が向上することになる。
このことは、径の大きい領域で渦電流の増大が抑えられたと見ることができ、コイルによる「薄膜における径の大きいループでの鎖交磁束」の一部が、「径の小さいループを流れる渦電流」により打ち消されたと考えることができ、一種の遮蔽効果と言える。
図17に示した結果を、r=0.5mmでの渦電流値を1として径方向分布をプロットしたのが図18である。図中の実線は測定周波数が低い極限での計算結果である。1MHZではそれと同様の結果となり、10MHZでは分布形状が向上する(空間分解能が向上する)ことを示している。r=2.0や2.5mmでは相対的な渦電流値が1MHZの場合に比べて半分程度に低下している。薄膜のできるだけ端まで膜厚を正しく測ろうとする場合には、このように径の大きい渦電流値を小さくすることが重要である。
さらなる解決策として、高い周波数と導電性リングを併用することがある。平面コイルとリングの概略図を図19に示す。コイルの外側に導電性リングを配置した例である。
この平面コイル53を図16の平面コイル52と同じ部材には同じ符号を付すと、図19の平面コイル53は、図16の平面コイル52のコイル部64の周囲に導電性リング68が配置されている。
この平面コイル53の製造工程を説明すると、図30(a)に示すように、ポリイミド板等の絶縁基板61に形成された孔に、三本のリード線651、652、66を裏面側から挿通し、各リード線651、652、66の先端を絶縁基板61表面の高さと一致させた状態で、その表面にスパッタリング法等の成膜方法によって銅薄膜等の金属薄膜62を形成する。
次に、フォトリソグラフ工程とエッチング工程によって金属薄膜62をパターニングし、渦巻き状の金属薄膜62aと、その渦巻き状の金属薄膜62aを取り囲むリング状の金属薄膜62bとを形成する(同図(b))。
三本のリード線651、652、66は、中央付近の位置と、外周よりもやや内側の位置と、外周付近の位置にそれぞれ配置されており、渦巻き状の金属薄膜61の両端は、中央付近の位置と、外周よりもやや内側位置のリード線651、652にそれぞれ接続され、リング状の金属薄膜62bは、外周付近に位置するリード線66に接続される。
次いで、同図(c)に示すように、両方の金属薄膜62a、62bををメッキし、金属薄膜12表面にメッキ層63a、63bをそれぞれ形成し、渦巻き状のコイル部64と、円形リング状の導電性リング68とを構成させる。
コイル部64は、渦巻き状の金属薄膜62aとその表面のメッキ層63aから構成され、導電性リング68は、円形リング状の金属薄膜62bとその表面のメッキ層63bから構成されており、コイル部64と導電性リング68とは分離され、電気的に絶縁されている。
コイル部64は、二本のリード線651、652に接続されており、導電性リング68は、他のリード線66に接続されている。以上により、平面コイル53が得られる。
図29の符号13は本発明の第三例の膜厚測定装置であり、図30(c)の平面コイル53を測定用平面コイル11と基準用平面コイル12に用いている。
この膜厚測定装置13は、上記第一、第二例の膜厚測定装置11、12がレーザセンサ30を用いていたのに対し、静電容量センサコントローラ7を有している。
測定用平面コイル11と基準用平面コイル12とは、渦電流センサ20が有する絶縁性の筺体内に収容されており、測定用平面コイル11が下側、基準用平面コイル12が上側、即ち、測定用平面コイル11が基板50に近い位置に配置され、基準用平面コイル12が、測定用平面コイル11よりも遠い位置に配置されている。
基準用平面コイル11の絶縁基板61は、コイル部64と導電性リング68が配置された面が、下側に向けられており、基板50が渦電流センサ20の真下位置に配置されたときに、コイル部64と導電性リング68は、基板50上の導電膜51に対し、一定の隙間を持って近接するように構成されている。
測定用平面コイル11と基準用平面コイル12のコイル部64は、第1、第2例の測定装置11、12と同様に、渦電流センサ20内に配置され、第1、第2の抵抗素子14、15と共に、図27に示すようなインピーダンスブリッジ10を構成している。
コイル部64に接続されたリード線651、652は、インピーダンスブリッジ10を構成するために用いられており、インピーダンスメータ5内の交流電源を動作させると、インピーダンスブリッジ10に交流電圧が印加され、渦電流の影響でインピーダンスブリッジ10に生じた電圧が測定されるうようになっている。
他方、測定用平面コイル11の導電性リング68に接続されたリード線66と、基準用平面コイル12の導電性リング68に接続されたリード線66は、静電容量センサコントローラ7に接続されており、測定用平面コイル11の導電性リング68と金属薄膜51との間の静電容量を測定し、測定値から測定用平面コイル11と金属薄膜51との間の距離を求め、基板ステージ3aを上下動させ、金属薄膜51と測定用平面コイル11の間の距離を設定通りの大きさにする。
次に、静電容量センサコントローラ7は、測定用平面コイル11が有する導電性リング68と基準用平面コイル12が有する導電性リング68に同じ大きさの直流電圧を印加する(直流電圧の印加は、接地電位に接続する場合を含む。)か、又は、両方とも浮遊電位に置き、インピーダンスメータ5によってインピーダンスブリッジ10に交流電圧を印加すると、導電性リング68の遮蔽効果により、金属薄膜51の、導電性リング68が取り囲む領域よりも外側の領域に対応する位置で渦電流の発生が抑制されるため、インピーダンスブリッジ10に生じた交流電圧の大きさから、導電性リング68が無い場合よりも狭い領域の膜厚を測定することが可能になる。
このような構成により、導電膜51上において、測定用平面コイル11のコイル部64によって渦電流を発生させる領域と、測定用平面コイル11の導電性リング68によって距離を測定する領域とが一致する。
上記の手順を所望位置で繰り返すことで、金属薄膜51の面内膜厚分布を求めることができる。
上記遮蔽効果を説明するため、導電性リング68に関する式を加えた次の連立方程式を解いた。
Figure 2005227256
RC(=MCR)はコイル部と導電性リングとの相互インダクタンス、MRN(=MNR)は導電性リングと薄膜上の仮想のループN(N=1〜5)との相互インダクタンス、LRは導電性リングの自己インダクタンス、RRは導電性リングの抵抗値、IRは導電性リングに流れる電流である。導電性リング以外は前述の計算と同じである。
測定周波数を10MHZ、導電性リングの半径を1.5mm、導電性リングの抵抗を0.375と0.0375Ωとしたときの結果を図17と図18に◇と◆で前述の結果と合わせて示す。コイル部は前述と同じ外径約2.4mmの27巻き平面コイルである。導電性リングの抵抗0.375Ωは幅0.5mm、厚さ1μmの銅薄膜、0.0375Ωは幅0.5mm、厚さ10μmの銅薄膜に対応する。
図20は図18を片対数で示したもので、rが1.5mm以上の領域での渦電流が導電性リングにより20から30%減少していることが分かる。その結果、1MHZの場合と比べて、r=1.5mmで1/2に、r=2.5mmで1/3に渦電流が減少していることが分かる。それにより空間分解能が向上する。
また、測定周波数を上げると誘起される渦電流が増大するので、膜厚計の感度が増す。図21は前述の27巻き平面コイル(導電性リングなし)でのブリッジの出力電圧の「シート抵抗RSの逆数」に対する依存性を周波数を変えてプロットしたものである。測定周波数を上げることで感度と空間分解能の両方が向上すると言える。
なお、導電性リング68を静電容量測定に使用せず、遮蔽効果だけを利用してもよい。その場合、レーザセンサ30及びレーザセンサコントローラ6を設け、レーザ光によって距離を測定してもよい。
なお、本発明は上述の実施の形態に限られることなく、種々の変更を行うことができる。
例えば、上述の実施の形態においては、基板を上下動及び水平移動させることによって膜厚測定位置を変えるようにしたが、本発明はこれに限られず、渦電流センサ20を水平方向や上下方向に移動させてもよい。
また、上述の実施の形態においては、渦電流を発生させて膜厚を測定する際に、測定対象物である導電性薄膜51と測定用平面コイル11とのいずれか一方又は両方を移動させ、その間の距離を一定にするようにしたが、金属薄膜51と測定用平面コイル11との間の距離を変えず、予め求めておいたデータベースに基づいて、インピーダンスブリッジ10に生じた電圧の測定値を補正し、正確な膜厚を測定することも可能である。
さらに、本発明は、例えば、金属膜成膜装置やCMP装置等の種々のプロセス行う装置に適用でき、また、シリコンウェハやガラス基板等の種々の基板にも適用しうるものである。
上記は導電性リング68は、コイル部64の外に配置したが、導電性リング68は、コイル部64と電気的に絶縁されていれば、コイル部64上に積層することもできる。
例えば、図31に示した平面コイル54のように、コイル部64を作製した後、その表面を絶縁層67で覆い、絶縁層67上に導電性リング68を配置することができる。
この場合、導電性リング68の直径を小さくすることができるので、渦電流の発生位置を、コイル部64の中心位置に集中させることができ、より狭い領域の膜厚を測定することができる。
例として、図31の平面コイル54のように、導電性リング68の半径を1.0mmとし、導電性リング68をコイル部64上に積層させた他は、図17の計算に用いたのと同じパラメータに設定して計算した。
計算結果を図22と図23に示す。図23は図22の結果をr=0.5mmでの渦電流値を1としてプロットしたものである。リングが小さい分、遮蔽効果が内側によっており、r=1.0mmでの渦電流値の減少も顕著になり、空間分解能がさらに向上する。
他の例として、本発明には、径の異なる導電性リングを複数個用いてもよい。
また、中心に穴のあいた導電性リングではなく、そのかわりに穴のない「薄膜」を用いることも考えられる。コイル部の上または下、或いは上下両方に前述のリングと同程度のシート抵抗値の薄膜をつけておけばよい。
なお、上記各実施例では、測定用コイル部と基準用コイル部の両方に平面コイルを用いたが、インピーダンスブリッジのバランスがとれていれば、基準用コイル部は立体的なコイルであってもよい。
また、上記実施例では、測定用コイル部や基準用コイル部を平面コイルとする場合に、絶縁基板61上に金属薄膜を形成し、それをパターニングしたが、予めパターニングされた金属薄膜を絶縁基板61上に配置してもよい。例えば、樹脂フィルム上に金属薄膜を形成した後、パターニングし、それを絶縁基板61上に貼付することができる。
また、図45(a)〜(d)に示すように、絶縁性の基板71(同図(a))の表面をエッチングやレーザ等による掘削によって、所望のコイルパターンの溝73を形成し(同図(b))、その表面にスクリーン印刷法やインクジェット法等によって金属膜74を形成し(同図(c))、溝73内を金属膜74で充填する。そして、溝73内の部分以外の部分をエッチングや研磨によって除去すると、溝73内に配線膜75が形成される。この配線膜75によって測定用コイルや基準用コイルや導電性リングを構成させることができる。
また、上記フィルム上のパターニングされた金属薄膜や、溝73内の配線膜によって、後述する順コイルや逆コイルやも構成させることができる。
次に、本発明の更に進んだ実施例を説明する。
上記実施例では、径が大きい領域で渦電流は流れている。
例として、50μmピッチ、20巻きの平面コイルの場合を図32に点線で示す。内径は100μm、外径は2mmである。コイルにより誘起された半径rの渦電流が、そのコイルに作る鎖交磁束をプロットしたもので、10mmまでの積分値が1になるように規格化してある。
コイルと測定対象の薄膜との距離は0.15mmとし、iは1から20までの整数としたときに、i番目のコイルの半径r(i)は、
r(i)=0.05xi(mm)
であり、i=1〜20の円電流の重ね合わせとして扱っている。測定周波数が低い極限での計算結果である。例えば、r=1.5mmでの値はピークの値の20%ほどあり、無視できない。つまり、「コイルの中心が薄膜の端から1.5mmの位置にあるとき」には、「コイルの中心が薄膜の端から十分離れた位置にあるとき」と比べて渦電流の流れ方やそれがコイルに作る鎖交磁束が異なるわけで、コイルのインピーダンスも異なり、その結果、膜の端の近くでは膜厚を正しく測定できないことになる。このような「径の大きい領域での渦電流」が空間分解能を低下させており、薄膜の端まで正しく膜厚を測るためには、「径の大きい領域での渦電流」を小さくするのが好ましい。
本願発明者等は、従来コイルの外側に巻き方が逆のコイルを設けることで、「径の大きい領域での渦電流」を小さくできることを見いだした。そのような測定用又は基準用の精密測定コイルの第一例を図33の符号101に示す。
このコイルは同一方向に渦巻き状に巻き回わされた5本の単位コイル1041〜1045から成る順コイルと、その外側に順コイルとは逆向きに巻回された1本の単位コイル1051から成る逆コイルを有している。
順コイルの一端は第1のリード1201に接続され、他端は逆コイルの一端に接続されており、逆コイルの他端が第2のリード1202に接続されており、その結果、第1、第2のリード1201、1202の間に電圧を印加し、順コイルに右回りに回転する電流が流れるとすると、逆コイルには左回りに回転する電流が流れる。
要するに、順コイルに流れる電流の回転方向と逆コイルに流れる電流の回転方向とは逆向きであり、その結果、順コイルが形成する磁界の向きと逆コイルが形成する磁界の向きは逆になる。
この第一例の精密測定コイル101及び後述する第二例以降の精密測定コイル102〜109では、順コイルの中心軸線と逆コイルの中心軸線は一致しており、逆コイルは順コイルの最外周の近傍位置に配置されている。第一例の精密測定コイル101では、逆コイルは順コイルを取り囲む位置に配置されている。
その結果、順コイルの最外周の単位コイル1045よりも外側に広がる磁界は逆コイルによって打ち消される。
逆コイルの巻数は順コイルの巻数よりも少ないので、順コイルの逆コイルが位置する領域の内側には磁束が残る。その結果、磁束が順コイルの中央位置に集中するので、分解能が向上する。
この精密測定コイル101の断面図を図37に示す。精密測定コイル101は、基板111を有しており、該基板111上に、順コイルと逆コイルを構成するようにパターニングされた金属膜112が配置されている。金属膜112表面にはメッキ層113が形成されている。
この精密測定コイル101、及び後述する各精密測定コイル102〜107は、図25の膜厚測定装置11の測定用平面コイル11や基準用平面コイル12に用いることができる。
また、基板111に貫通孔を形成し、該貫通孔の周りに順コイルと逆コイルを巻けば、貫通孔をレーザビームLが貫通できるので、図26の膜厚測定装置12の測定用平面コイル11や基準用平面コイル12に用いることができる。
以下、上記のように順コイルと逆コイルが同じ基板上に配置され、両方が同一平面に位置しているコイルについてのシミュレーション結果を示す。
前述の20巻き平面状の順コイルの外側の同一面上に、半径1.15mmで逆向きの1巻きの逆コイルを設け、直列につないだ場合を考える。このとき、半径rの渦電流がコイルに作る鎖交磁束(10mmまでの積分値が1になるように規格化)を前述の図32に実線で示す。逆向きに巻いた外側の逆コイルにより、径の大きい渦電流が抑制されており、例えば、r=1.5mmでの値は、逆コイルがないときに比べて20%程度減少している。一方、ピークの高さは逆に増大している。これらから、渦電流式膜厚計の空間分解能が向上することが分かる。
次に、上記と同じ20巻きの平面状の順コイルの外側に5巻きの逆コイルを設けた場合について説明する。5巻きの順コイルの半径r(i)(i=1〜5)は、
r(i)=1.0+0.05xi(mm)
である。
測定対象の薄膜までの距離は0.4mmとする。即ち、順コイルと逆コイルは同一平面にあるが、測定対象の薄膜は内側の20巻きコイルとは異なる面上にある。このときの計算結果を図34に示す。誘起された半径rの渦電流が作るコイルでの鎖交磁束である。
20巻きの順コイルのみの場合に比べて、ピークの高さは半分程度に減少するが、例えば、r=1.5mmでの値は1/40に減少している。rがそれより大きい領域では、さらに大きく減少している。
膜厚計としての感度は若干低下するが、rが大きい領域、即ちr>1.5mmでの渦電流を無視できるくらいに減少でき、それにより空間分解能が向上することが分かる。
図34のデータを、10mmまでの積分値が1になるように規格化したのが図35である。半径rの渦電流の寄与の比較であり、空間分解能を比較できる。ピークの位置が0.8mmから0.7mmへの移動し、ピークの高さも1.5倍程度高くなり、r>1mmでの値は減少しており、空間分解能の向上を示している。特筆すべきは、r>1.5mmでの渦電流の寄与の大幅な減少である。r=1.5mmでは1/15に減少し、r=2.0mmでは1/54に減少している。このことにより、薄膜の端までの膜厚の正確な測定が可能になる。
図35のデータをrまで積分した結果を示したのが図36である。半径がr以下の渦電流の、「コイルでの鎖交磁束」への寄与の割合である。r>1.5mmの渦電流の寄与が、「20巻きコイルのみ」では15%と大きいのに対し、逆5巻きを加えた場合は0.4%以下と非常に小さくできることを示している。
20巻きコイルの自己インダクタンスLは約3.1×10-7H、「20巻き順コイル+5巻き逆コイル」のLも約3.1×10-7Hと見積もられる。つまり、この例ではLはほとんど変わらない。
空間分解能を向上するには、コイルの径を小さくすればよいが、径を小さくするとLが小さくなり、インピーダンスが小さくなって計測器とのマッチングが悪くなるという問題がある。
また元々のインピーダンスが小さいと、膜厚の変化によるインピーダンスの変化量も小さく、膜厚計としての感度が低下する。
Lは径に比例することと巻き数の2乗に比例する。例えば、ピッチを変えずに径を半分にすると、巻き数も半分になり、Lは1/2x(1/2)2=1/8とかなり小さくなる。計測器とのマッチングや膜厚計としての感度低下が問題となる場合は、径を小さくしても、巻き数を減らさない、或いは、巻き数を増やすことで対策することができる。
例えば、径を半分にしてもピッチも半分にすれば巻き数は変わらないので、Lは1/2となる。このときコイルを成す線の長さは1/2となる。コイルの抵抗Rはジュール熱の発生の問題から大きくしたくないので、Rを変えないとすると、コイルを形成する薄膜の厚さは従来と同じにしないといけない(ピッチが半分で線幅が1/2、長さが1/2なので、厚さが同じときにRも同じになる。)
ピッチ40μmで、線幅20μm、厚さ5μmから10μmの場合の上記実施例において、ピッチを半分にすると20μmとなり、線幅は10μmとなる。厚さは5μmから10μmと変わらない。このピッチや線幅では、線幅と線の間隔と膜厚が同程度になり、作製が困難になってくる。
仮にこのようなピッチが半分のコイルを作製した場合、相似の関係から、図36のr=1.5mmでの値は0.968となる(20巻きのr=3mmでの値から)。つまり、r>1.5mmの渦電流の寄与が3.2%ということである。従って、本発明を用いた場合の前述の「0.4%以下」よりも劣ってしまう。このことから本発明の優位性が分かる。
なお、図44に示した本発明の第二例の精密測定コイル102のように、逆コイルを取り囲む導電性リング106を配置することもできる。この場合は空間分解のが更に向上するし、導電性リング106に接続した第3のリード1203を静電容量センサコントローラ7に接続することで、導電性リング106と金属薄膜51の間の静電容量を測定し、測定値から測定用平面コイル11と金属薄膜51との間の距離を求めることができる。
上記は、順コイルと逆コイルを同じ基板111上に形成し、順コイルと逆コイルを同じ平面上に配置したが、本発明はそれに限定されるものではない。
図38の符号103は本発明の第三の精密測定コイルを示している。
複数本の単位コイル1041〜1045で構成された順コイル表面に絶縁膜114が配置され、絶縁膜114上に単位コイル1051が配置されており、その絶縁膜114上の単位コイル1051によって逆コイルが構成されている。
図39〜42の第四例〜第七例の精密コイル104〜107も第三例の精密コイル103と同様に二層構造であり、順コイルと逆コイルの相対的な位置関係が異なっている。
第三例の精密測定コイル103では、逆コイルは順コイルの最外周の部分に位置しているが、図39の第四例の精密測定コイル104では、逆コイルは順コイルの外側に位置し、順コイルを囲んでいる。
図40の第五例の精密測定コイル105は、複数の単位コイル1051、1052によって逆コイルが構成されており、逆コイルの内側半分は順コイルの外周部分の上に位置し、外側半分は順コイルよりも外側に位置している。
図41の第六例の精密コイル106は、順コイルの最外周の単位コイル1046の上と、それよりも内側に位置する単位コイル1045の上にも逆コイルが配置されている。
図42の第七例の精密測定コイル107は、逆コイルの巻数が順コイルの巻数よりも少ないものの、逆コイルの巻数が第一例〜第六例の精密測定コイル101〜106よりも多く、順コイルの最外周の単位コイル1045よりも外側上と、最外周の単位コイル1045上と、最外周よりも内側の単位コイル1044上に逆コイルが配置されている。
上記の第三〜第七例の精密測定コイル103〜107では、リード線は省略されているが、順コイルの一端と逆コイルの一端は、それぞれ別のリード線に接続されており、他端同士は絶縁膜114を貫通する配線膜によって互いに接続されており、リード線間に電圧を印加し、順コイルと逆コイルに電流を流すと、逆コイルには、順コイルに流れる電流の回転方向とは逆向きに回転する電流が流れ、逆コイルには、順コイルに生じる磁界と逆向きの磁界が生じるようになっている。
以上は、順コイルと逆コイルの両方が平面コイルであったが、本発明はそれに限定されるものではない。
図43(a)の符号108は、本発明の第八例の精密測定コイルを示しており、螺旋状の順コイル130に対し、平面上に配置された逆コイル131が接続されている。逆コイル131は順コイル103の一端に配置されている。
逆コイル131の直径は、順コイル130の直径よりも大きく、上記第一〜第七例の精密測定コイル101〜107と同様に、逆コイル131が順コイル130の外周付近の磁界を打ち消しており、順コイル130の外周よりも外側に順コイルの磁界が形成されないようになっている。
図43(b)は、第八例のコイル108の断面図である。この例は逆コイル131の巻数は一回であるが、同一平面上に二回以上の複数回巻き回すことができる。
逆コイルは平面コイルに限定されるものではなく、図43(c)ように、立体状の順コイル130の外周に立体状の逆コイル132を配置してもよい。
第八、第九例の精密測定コイル108、109を測定用コイルに用いて測定する場合は、測定対象物表面には、順コイル130の逆コイル131が配置された側の端部を向ける。
なお、上記では、順コイルと逆コイルを接続し、順コイルと逆コイルに同じ電源から電流を供給したが、順コイルと逆コイルを接続せず、別の電源にそれぞれ接続して電流を供給することもできる。その場合、順コイルと逆コイルに大きさが異なる電流を流すことができる。
ソレノイドの概略図。aの部分は測定対象の薄膜から離れている。 平面コイルの概略図。 ソレノイドを用いた場合の薄膜での渦電流密度の径方向分布。 平面コイルを用いた場合の薄膜での渦電流密度の径方向分布。 渦電流がコイルに作る鎖交磁束の比較の図。 2つの方法で計算した渦電流の径方向分布。ソレノイドで1MHZの場合。実線は、渦電流が小さい極限での計算結果で、縦軸のスケールは黒丸に合わせるように変えてある。●は、渦電流の大きさや周波数に制限がない場合の計算結果である。図7から図9でも同じである。 2つの方法で計算した渦電流の径方向分布の比較。ソレノイドで10MHZの場合。 2つの方法で計算した渦電流の径方向分布の比較。平面18巻きで1MHZの場合。 2つの方法で計算した渦電流の径方向分布の比較。平面18巻きで10MHZ の場合。 渦電流の大きさや周波数に制限を設けない場合の計算モデルの概略図。 ブリッジの出力電圧とシート抵抗RSの関係の計算結果。ソレノイドと平面コイルでの比較である。周波数を図中に記した。 インピーダンスブリッジの概略図。 インピーダンスの測定結果から計算したブリッジの出力電圧。薄膜の端での振舞いを、ソレノイドと平面コイルで比較した。 図13のデータをプロットし直したもの。出力電圧を規格化し、変化量をXに対してプロットした。 「インピーダンスの測定結果から計算したブリッジの出力電圧」と「測定したブリッジの出力電圧」の比較。ソレノイドでの結果で、薄膜は図13とは異なる。 作成した平面コイルの概略斜視図。 渦電流の径方向分布の計算結果。○:測定周波数1MHZ、●:10MHZ(リングなし)。◇:10MHZ、リング(0.375Ω)あり。◆:10MHZ、リング(0.0375Ω)あり。リングの半径は1.5mmである。 図17のデータをr=0.5mmでの値を1としてプロットしたもの。 導電性リングを配置した平面コイルの概略斜視図。 図18のデータを片対数で表示したもの。 ブリッジの出力電圧、測定対象の薄膜のシート抵抗RS、測定周波数の関係を計算した例。 リングの半径が1.0mmのときの薄膜に誘起される渦電流の計算結果。○:1MHZ(リングなし。リングがあってもほとんど変わらない。)□:10MHZ、リング(0.25Ω)あり。■:10MHZ、リング(0.025Ω)あり。 図22のデータをr=0.5mmでの値を1としてプロットしたもの。 (a)〜(c):本発明に用いることができる平面コイルの製造工程の一例。 本発明の第一例の膜厚測定装置。 本発明の第二例の膜厚測定装置。 インピーダンスブリッジを説明するための回路図。 測定用平面コイルと基準用平面コイルの位置関係を説明するための図 本発明の第三例の膜厚測定装置。 (a)〜(c):本発明に用いることができる平面コイルの製造工程の他の例。 本発明に用いることができる平面コイルの変形例。 径が大きい領域で渦電流が流れている根拠を示すグラフ 本発明の第一例の精密測定コイル 本発明の一例の精密測定コイルの特性の計算結果を示すグラフ 図34のグラフを規格化したグラフ 図35のデータをrまで積分した結果を示したグラフ 本発明の第一例の精密測定コイルの断面図 本発明の第三例の精密測定コイルの断面図 本発明の第四例の精密測定コイルの断面図 本発明の第五例の精密測定コイルの断面図 本発明の第六例の精密測定コイルの断面図 本発明の第七例の精密測定コイルの断面図 (a)〜(c):本発明の第八例の精密測定コイルの断面図 本発明の第二例の精密測定コイル (a)〜(d):本発明のコイルの他の製造方法
符号の説明
1〜13……膜厚測定装置
7……静電容量センサコントローラ
10……インピーダンスブリッジ
11……測定用平面コイル
12……基準用平面コイル
14、15……抵抗素子
64……コイル部
61……基板
101〜107……精密測定コイル

Claims (19)

  1. 測定対象物の近くに測定用コイル部を配置し、前記測定用コイル部に交流電圧を印加し、前記測定対象物内に渦電流を生じさせ、前記渦電流の影響により生じた前記測定用コイルのインピーダンス値の変化を電圧として測定し、前記測定対象物の厚みを求めるように構成された膜厚測定装置であって、
    前記測定用コイル部は、パターニングされた導電性薄膜で構成された膜厚測定装置。
  2. 前記測定用コイル部と、前記測定用コイル部とは別の基準用コイル部と、二個の抵抗素子とをブリッジ接続したインピーダンスブリッジを用い、前記渦電流の影響により、前記ブリッジに生じた電圧を測定する請求項1記載の膜厚測定装置であって、
    前記基準用コイル部は、パターニングされた導電性薄膜で構成された膜厚測定装置。
  3. 前記測定用コイル部を取り囲む導電性リングを有する請求項1又は請求項2のいずれか1項記載の膜厚測定装置。
  4. 前記導電性リングは、パターニングされた導電性薄膜で構成された請求項3記載の膜厚測定装置。
  5. 前記測定用コイル部上には絶縁膜が配置され、
    前記絶縁膜上の前記測定用コイル部の中心位置を含む少なくとも一部領域を取り囲む位置に導電性リングが配置された請求項1又は請求項2のいずれか1項記載の膜厚測定装置。
  6. 前記導電性リングと前記測定対象物との間の静電容量を測定する静電容量センサコントローラを有する請求項3乃至請求項5のいずれか1項記載の膜厚測定装置。
  7. 前記測定用コイル部は、基板上に形成された導電性薄膜がパターニングされて形成された請求項1記載の膜厚測定装置。
  8. 前記基準用コイル部は、基板上に形成された導電性薄膜がパターニングされて形成された請求項2記載の膜厚測定装置。
  9. 測定対象物の近くに測定用コイル部を配置し、前記測定用コイル部に交流電圧を印加し、前記測定対象物内に渦電流を生じさせ、前記渦電流の影響により生じた前記測定用コイルのインピーダンス値の変化を電圧として測定し、前記測定対象物の厚みを求めるように構成された膜厚測定装置であって、
    前記測定用コイル部は、同一方向に複数回巻き回わされ、流れる電流が同じ方向に回転する順コイルと、
    前記順コイルよりも巻数が少なく、流れる電流が前記順コイルとは逆向きに回転する逆コイルとを有する膜厚測定装置。
  10. 前記順コイルの中心と前記逆コイルの中心とは略一致された請求項9記載の膜厚測定装置。
  11. 前記順コイルは前記逆コイルの外周よりもはみ出ないように配置された請求項10記載の膜厚測定装置。
  12. 前記測定用コイル部と、前記測定用コイル部とは別の基準用コイル部と、二個の抵抗素子とをブリッジ接続したインピーダンスブリッジを用い、前記渦電流の影響により、前記ブリッジに生じた電圧を測定する請求項9乃至請求項11のいずれか1項記載の膜厚測定装置であって、
    前記基準用コイル部は、同一方向に複数回巻き回わされ、流れる電流が同じ方向に回転する順コイルと、
    前記順コイルよりも巻数が少なく、流れる電流が前記順コイルとは逆向きに回転する逆コイルとを有する膜厚測定装置。
  13. 前記測定用コイル部を取り囲む導電性リングを有する請求項9乃至請求項12のいずれか1項記載の膜厚測定装置。
  14. 前記測定用コイル部の前記順コイルはパターニングされた導電性薄膜で構成された請求項9乃至請求項13のいずれか1項記載の膜厚測定装置。
  15. 前記測定用コイル部の前記順コイルは基板上に配置された請求項14記載の膜厚測定装置。
  16. 前記測定用コイル部の前記逆コイルはパターニングされた導電性薄膜で構成された請求項9乃至請求項15のいずれか1項記載の膜厚測定装置。
  17. 前記測定用コイル部を取り囲む導電性リングを有する請求項9乃至請求項16のいずれか1項記載の膜厚測定装置。
  18. 前記導電性リングと前記測定対象物との間の静電容量を測定する静電容量センサコントローラを有する請求項17記載の膜厚測定装置。
  19. 同一方向に複数回巻き回わされ、流れる電流が同じ方向に回転する順コイルと、
    前記順コイルよりも巻数が少なく、流れる電流が前記順コイルとは逆向きに回転する逆コイルとを有し、
    前記順コイルと前記逆コイルは同じ基板上に配置され、前記逆コイルの内周に前記順コイルが配置された精密測定コイル。
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