本発明は上記の従来の問題点に鑑みて発明したものであって、静電霧化装置を乾燥させた後に安定して静電霧化装置を運転してナノサイズの帯電微粒子水を浴室内に放出して効果的に浴室内における臭いの除去とカビの発生防止ができる静電霧化装置を有する浴室を提供することを課題とするものである。
上記課題を解決するために本発明に係る静電霧化装置を有する浴室は、浴室1に配設したナノサイズの帯電微粒子水を発生させるための静電霧化装置2と、静電霧化装置2を乾燥させるための乾燥手段3とを備え、静電霧化装置2の運転の開始を乾燥手段3の運転よりも遅延させて運転するように制御する制御部4を設けて成ることを特徴とするものである。
このような構成とすることで、静電霧化装置2の運転開始に先だって乾燥手段3により静電霧化装置2を乾燥させるので、浴室1内に静電霧化装置2を配設したと言えども、静電霧化装置2の電極部分等から結露水や水分を乾燥手段3により乾燥除去した後に、はじめて静電霧化装置2を運転して活性種を含有するナノサイズの帯電微粒子水(以下、ナノサイズのミストと称する)を浴室1内に放出して、活性種を含有するナノサイズのミストにより浴室1内の空気の脱臭及び室内壁面等に付着した臭いを除去し、更に、浴室内に浮遊するカビの胞子を顕著に減らすことができ、この結果、浴室の壁や床に付着した水や湯の近傍でカビが繁殖するのを十分に防ぐことができる。
また、乾燥手段3が、外部空気を浴室1内に取り込むと共に浴室1内の空気を浴室1外に排気する排気運転を行う換気装置5により構成してあることが好ましい。
このような構成とすることで、浴室1に備わっている換気装置5を静電霧化装置2の乾燥手段3として有効に利用できて、これにより浴室1内に配設する静電霧化装置2内に特別に温風発生装置やヒータを設ける必要がなくて静電霧化装置2を小型化できて、浴室1内に配設するに当たって静電霧化装置2が邪魔にならないようにできると共に、特別に静電霧化装置2のみを乾燥させるための装置を別途特別に設ける必要がないので、コストダウンを図ることができる。
また、乾燥手段3が、外部空気を浴室1内に取り込んで浴室1内の空気を排気するに当たって、排気空気の一部を浴室1内に戻して循環させる排気・循環運転を行う換気装置5により構成してあることが好ましい。
このような構成とすることで、排気空気の一部を浴室1内に戻して循環させることで浴室1内に配設した静電霧化装置2から発生させたナノサイズのミストを浴室1から外に直ぐに排気してしまうのではなく、再び浴室1内に戻して循環することにより、ナノサイズのミストを浴室1内の隅々まで飛散させて浴室1内に留めておくことができて、浴室1内の隅々まで臭い除去、カビの発生防止効果を発揮できるものである。
また、乾燥手段3が、外部空気を浴室1内に取り込んで浴室1内の空気を外部に排気することで乾燥する換気運転と、外部空気を浴室1内に取り込んで浴室1内の空気を排気するに当たって、排気空気の一部を浴室1内に戻して循環させる排気・循環運転との両運転形態を選択自在とした換気装置5により構成してあることが好ましい。
このような構成とすることで、換気装置5の運転を目的に応じて排気運転と排気・循環運転とのいずれかに切換えて運転できるものである。
また、静電霧化装置2の運転に先だって行われる乾燥手段3単独の運転が換気運転であり、換気運転の後に、乾燥手段3が排気・循環運転に切替ると共に静電霧化装置2が運転されるように制御することが好ましい。
このような構成とすることで、静電霧化装置2の運転に先立つ換気装置5の運転を換気運転で行うことで、浴室1内に設置した静電霧化装置2を効果的に乾燥させ、次に、静電霧化装置2を運転させると共に換気装置5を排気・循環運転させてナノサイズのミストを直ぐに排気することなく浴室1内の隅々まで飛散させて効果的に浴室内の臭い除去、カビの発生防止を行うことができるものである。
また、換気装置5に排気・循環運転により浴室1内に返送される排気の一部を加熱するための加熱手段6を設け、換気運転の後に運転される排気・循環運転の初期に加熱手段6によって排気の一部を加熱して浴室1内に返送すると共にその後の排気・循環運転において加熱手段6をオフにして排気の一部を浴室1内に返送するように制御することが好ましい。
このような構成とすることで、排気・循環運転の初期に加熱手段6によって排気の一部を加熱して浴室1内に返送することで、静電霧化装置2をより効果的に乾燥できて、浴室1内が高湿度の場合であっても対応できるものであり、排気の一部を加熱して返送して効果的に静電霧化装置2を乾燥した後に、排気・循環運転において加熱手段6をオフにして排気の一部を浴室1内に返送するので、少ないエネルギーコストで効果的に静電霧化装置2を乾燥し且つナノサイズのミストを浴室1内の隅々まで飛散させて効果的に浴室1内の臭い除去、カビの発生防止を行うことができるものである。
また、換気装置5に排気・循環運転により浴室1内に返送される排気の一部を加熱するための加熱手段6を設け、静電霧化装置2の運転に先だって行われる乾燥手段3単独の運転が排気・循環運転であり、該一定時間の排気・循環運転の後に静電霧化装置2を運転すると共に乾燥手段3は排気・循環運転を継続し且つ排気・循環運転中に浴室1内に返送される排気を加熱手段6で加熱するように制御することが好ましい。
このような構成とすることで、排気・循環運転中に浴室1内に返送される排気を加熱手段6で加熱して返送することで、静電霧化装置2を効果的に乾燥させ、しかも、静電霧化装置2で発生させたナノサイズのミストを浴室1内の隅々まで飛散させて効果的に浴室内の臭い除去、カビの発生防止をする際に浴室1内に返送される排気が加熱してあることで、浴室1内を加熱、乾燥できて、浴室1内で洗濯物の乾燥が同時にでき、しかも、この時、洗濯物の臭いをナノサイズのミストにより除去し、また、カビの発生を防止できるものである。
また、静電霧化装置2の運転の終了よりも遅延して排気・循環運転が終了することが好ましい。
静電霧化装置2でナノサイズのミストを発生させる際に、オゾンが発生する可能性があるが、静電霧化装置2の運転の終了よりも遅延して排気・循環運転が終了するように制御することで、発生したオゾンを浴室1から外部に排出することができ、その後に浴室1内で入浴する際にオゾンが存在しない環境下で入浴ができるものである。
また、換気装置5単独又は換気装置5と静電霧化装置2とを連動させて運転操作を行うためのリモコン装置7を設け、リモコン装置7と換気装置5との間で通信を行うために常時且つ静電霧化装置2に関係なくつながっている通信路を設け、該通信路の途中にリモコン装置7と換気装置5との通信を一時的に遮断して静電霧化装置2からリモコン装置7への信号に切換える信号経路切換え手段8を設け、静電霧化装置2からリモコン装置7に信号を伝える際だけ信号経路切換え手段8により換気装置5からのリモコン装置7への通信を一時的に遮断して静電霧化装置2からリモコン装置7に信号を送るようにして信号経路切換え手段8が構成してあることが好ましい。
このような構成とすることで、リモコン装置7により換気装置5を静電霧化装置2と連動させて運転制御できるだけでなく、静電霧化装置2の故障などにより静電霧化装置2の電源が遮断されてたり、静電霧化装置2の通信回路部が故障していたりしても、リモコン装置7と換気装置5との間における信号送受信が妨げられることがなく、リモコン装置7により換気装置5を単独で運転して浴室1の換気や乾燥ができるものである。
また、換気装置5単独又は換気装置5と静電霧化装置2とを連動させて運転操作を行うためのリモコン装置7を設け、リモコン装置7と換気装置5との間で通信を行う送受信路を設け、該送受信路における換気装置5からリモコン装置7に信号を送信するための送信路の途中に信号経路切換え手段8を設け、リモコン装置7と換気装置5との間で常時行っている通信を一時的に遮断して静電霧化装置2からリモコン装置7への信号に切換えるタイミングを決める切換えタイミング決定手段を設け、タイミング決定手段で決定されたタイミングで信号経路切換え手段8を切換えて換気装置5からのリモコン装置7への信号を一時的に遮断して静電霧化装置2からのリモコン装置7に信号を送信するようにしてなることが好ましい。
このような構成とすることで、静電霧化装置2は、換気装置5とリモコン装置7との間で常時行なっている通信を必要な時に一時的に遮断してリモコン装置7に信号を送信でき、これにより、リモコン装置7により換気装置5の運転に連動して静電霧化装置2を運転することができるものである。
また、静電霧化装置2からの送信のタイミングが、換気装置5からリモコン装置7に送信される信号の1セット終了をタイミング決定手段により認識することで決定されるものであることが好ましい。
このような構成とすることで、換気装置5からの信号がリモコン装置7に1セット分正確に送られてはじめて、静電霧化装置2からリモコン装置7に信号が送られることになって、換気装置5からリモコン装置7に正確に情報を送りながら、且つ、静電霧化装置2からリモコン装置7に信号を送ることができるものである。
また、換気装置5単独又は換気装置5と静電霧化装置2とを連動させて運転操作を行うためのリモコン装置7を設け、リモコン装置7に換気装置5の操作スイッチ9を設け、同一操作スイッチ9の操作時に静電霧化装置2がオンになっている状態では換気装置5の運転に連動して静電霧化装置2運転する連動運転モードで運転し、且つ、同一操作スイッチ9の操作時に静電霧化装置2がオフになっている状態では換気装置5のみが運転する単独運転モードで運転し、上記連動運転モードにおける換気装置5の運転モードと、単独運転モードにおける換気装置5の運転モードとを異なるモードとすることが好ましい。
このような構成とすることで、リモコン装置7の操作スイッチ9を操作することで、静電霧化装置2がオンになっている場合には、静電霧化装置2と換気装置5とを連動して運転する連動運転モードで運転し、静電霧化装置2がオフになっていている場合には、換気装置5のみを単独で運転する単独運転モードで運転し、しかも、両運転モードにおける換気装置5の運転モードを異ならせることで、静電霧化装置2と連動して運転する際に効果的な換気装置5の運転と、換気装置5単独運転の際に効果的な換気装置5の運転とを自動的に変更できるものである。
本発明は、浴室内に静電霧化装置を配設したと言えども、静電霧化装置の電極部分等から結露水や水分を乾燥手段によりあらかじめ乾燥除去した後に、静電霧化装置を運転して活性種を含有するナノサイズの帯電微粒子水(ナノサイズのミスト)を浴室内に放出して、活性種を含有するナノサイズのミストにより浴室内の空気の脱臭及び室内壁面等に付着した臭いを除去し、更に、カビの発生を防止することができ、これにより、静電霧化装置の短絡を防止しながら、イオンに比べて滞留時間の長いナノサイズのミストにより浴室内の脱臭、カビの発生の防止ができるという効果がある。
以下、本発明を添付図面に示す実施形態に基いて説明する。
浴室1には静電霧化装置2が配設してあり、静電霧化装置2は例えば浴室1の壁10に取付けてあるが、浴室1内にナノサイズの帯電微粒子水(ナノサイズのミスト)を浴室1内に放出できれば特に、壁10に取付けるもののみ限定されない。また、本発明においては静電霧化装置2を乾燥させるための乾燥手段3が設けてあるが、この乾燥手段3としては、浴室1に備えられている換気装置5が乾燥手段3を構成する場合、あるいは静電霧化装置2にヒータや温風発生装置を設けてこれらヒータや温風発生装置により乾燥手段3を構成する場合とがある。いずれにしても、静電霧化装置2の運転は乾燥手段3の運転よりも遅延して運転開始されるように制御されるものであり、乾燥手段3により静電霧化装置2を乾燥した後に、静電霧化装置2の運転が行なわれるようになっている。
図2乃至図6には静電霧化装置2が示してあり、この静電霧化装置2は図4に示すように本体ケース11、本体ケース11を覆う化粧カバー12、化粧カバー12に設けた放電ユニット嵌め込み用開口部21から本体ケース11に着脱自在に嵌め込まれる放電ユニット14により構成してある。
本体ケース11は前面上部が放電ユニット14を嵌め込んで保持するための放電ユニット嵌め込み部15となり、前面下部が高電圧を印加するための高電圧発生部40や制御部4を内装した収納部16となっており、この収納部16は密閉構造となっており、外部から内部に水が浸入しないようになっている。収納部16の前面には静電霧化装置2の電源を手でオン、オフするための電源スイッチ17が設けてある。放電ユニット嵌め込み部15の奥部の両側にはそれぞれ高電圧発生部40に接続してある本体側端子部19、20が設けてある。また、本体ケース11の放電ユニット嵌め込み部15の奥に対応する部分には高電圧発生部40から高電圧を供給したり、供給を停止したりするためのリードスイッチ41が設けてあって、該リードスイッチ41は外部からの水の浸入がないように本体ケース11内に水密的に内装してある。
化粧カバー12は本体ケース11の前面部を覆うように本体ケース11に取付けられるものであり、化粧カバー12の前面上部には放電ユニット嵌め込み部15と連通する放電ユニット嵌め込み用開口部21が設けてあり、更に、化粧カバー12の前面下部には電源スイッチ17が露出するための開口22が設けてある。また、化粧カバー12の上面部には放出口23が設けてある。
放電ユニット14は、図3乃至図6に示すように、水のような液を溜める液溜め部24と、液溜め部24より液を搬送する多孔質材からなる搬送部25と、搬送部25による液の搬送方向に対向するように配置された対向電極26と、液溜め部24から搬送部25の対向電極26側先端に至る経路中の液に電圧を印加するための液印加電極27と、対向電極26、液印加電極27にそれぞれ接続されたユニット側端子部28、29と、前カバー板30とで構成してある。
ここで、上記放電ユニット14は図3(b)に示すように、前カバー板30を前面に設けた水のような液を溜めるための液溜め部24となる容器と、ユニット本体18とに分離出きるように構成してある。
前カバー板30は液溜め部24を構成する容器の前面に設けてあり、該前カバー板30には液溜め部24内の液面を目視で確認するための液面確認用窓31が設けてあり、更に前カバー板30の上部には前面通気用開口部32が設けてある。また、液溜め部24を構成する容器の後側面部には磁石44が内装してある。
ユニット本体18の主体は絶縁部材により形成してあり、この絶縁部材により構成したユニット本体18にカーボンのような導電材を混入した合成樹脂やSUSのような金属で形成した対向電極26、液印加電極27を装着してこの対向電極26や液印加電極27の周囲を上記ユニット本体18を構成する絶縁材料で覆ってあり、該絶縁材料の一部に上記ユニット側端子部28やユニット側端子部29が露出している。また、搬送部25は多孔質セラミック、多孔質金属等の多孔質材で棒状に形成してあり、棒状の搬送部25の上端は針状に尖った針状霧化部となっている。この棒状の搬送部25は、1乃至複数本液印加電極27に取付けられ、搬送部25の上部が液印加電極27よりも上方に突出し、下部が液印加電極27から下方に突出して上記液溜め部24内に入れられた液と接触するようになっている。そして、ユニット本体18を液溜め部24に着脱自在に取付けることができるようになっており、図3(a)のように放電ユニット14を放電ユニット嵌め込み部15から取外した状態で、図3(b)のようにユニット本体18を液溜め部24から取り外すことで液溜め部24に水のような液を入れることができるようになっている。
上記のような構成の放電ユニット14は図2のように化粧カバー12の放電ユニット嵌め込み用開口部21から放電ユニット嵌め込み部15に嵌め込んで取付けるものであり、嵌め込んで取付けた状態で、放電ユニット嵌め込み部15の奥部の両側にはそれぞれ設けられた本体側端子部19、20に放電ユニット14の両側に設けたユニット側端子部28、29が電気的に接続されると共に、液溜め部24を構成する容器の後側面部に設けた磁石44により本体ケース11の放電ユニット嵌め込み部15の奥部に対応する位置に設けたリードスイッチ41がオンとなって高電圧発生部40から高電圧が発生可能な状態となる。一方、放電ユニット嵌め込み部15から放電ユニット14を取り外すと、リードスイッチ41がオフになって高電圧発生部40から高電圧の発生が停止されるようになっており、これにより、放電ユニット14を取り外した状態で、放電ユニット嵌め込み部15内の奥部にある本体側端子部19、20に指を触れたり、他の物を差し入れて触れたりしても感電などの危険がないようようにしてある。
高電圧発生部40から高電圧が供給されて対向電極26と液印加電極27に高電圧が印加されると、多孔質材で形成されている搬送部25が毛細管現象により液溜め部24に入れてある液を吸い上げている時、搬送部25の上端の針状霧化部が液印加電極27側の実質的な電極として機能する。高電圧発生部40は、低電圧電流(例えば5〜30v)を高電圧電流(例えば、3〜7kv)に昇圧するようになっている。
そして、高電圧発生部40により実質的な電極として機能する搬送部25の上端と対向電極26との間に高電圧を印加することで、搬送部25の先端の針状部に達した水はここでレイリー分裂を起こしてナノメータサイズの粒子径のミスト(例えば10〜30ナノメータ)となる霧化を生じさせる静電霧化がなされ、化粧カバー12の上面部の放出口23から浴室1内に放出される。このようにして発生して浴室1内に放出された帯電微粒子水(ナノサイズのミスト)はラジカルを含有する上に粒子径がナノメータサイズであるために、空気中に放出された時の寿命が長くて拡散性が大であり、浴室1内の壁面、あるいは、浴室1内の入浴用品、シャワーヘッド、シャワーホース、腰掛けなどの付着臭いを効率良く且つ効果的に消臭することができ、また、細菌、カビ菌、ウイルスなどに対しても効果的に作用し、不活性化することができ、特に、浴室1内における空気中及び壁等に付着したカビの除去及び抗カビ効果という作用があり、浴室1内におけるカビの発生を効果的に防止することができる。ここで、静電霧化装置2により発生するナノサイズのミストを浴室1に放出する本発明においては、従来のイオン発生装置により発生したイオンを浴室1に放出するものに比べて、滞空時間が15分〜30分程度と長く、浴室1内の隅々までナノサイズのミストが拡散し飛散して、浴室1内における脱臭、カビ発生防止を効果的に行なうことができるようになっている。
本発明においては、浴室1内において、上記のように静電霧化装置2によりナノサイズのミストを発生させるに当たり、先行して乾燥手段3により静電霧化装置2の乾燥を行ない、浴室1内に設置した静電霧化装置2の乾燥後に静電霧化装置2による上記のようなナノサイズのミスト発生の運転を行うことに特徴があるのであるが、次に、乾燥手段3について詳述する。
図1に示す実施形態においては、乾燥手段3としては浴室1に備えられている換気装置5で乾燥手段3を構成した例を示している。
換気装置5は、浴室1の天井部に取付けられ、該換気装置5は図8に示すように、浴室1からの排気が入る流入部33と、換気装置5に流入した排気を外部(屋外)に排気するための排気部34と、換気装置5に流入した排気の一部を浴室1内に返送するための返送部35と、流入部33から換気装置5内に流入した排気を全部排気部34から排気するか、流入部33から換気装置5内に流入した排気の一部を排気部34から排気すると共に他の一部を返送部35から浴室1内に再び戻すように切換えるための切換え部36と、ファン37、返送される排気の一部を加熱自在とした加熱手段6と、ファン37の制御や切換え部36の切換え制御や加熱手段6の制御を行うための換気装置用制御部38とを備えている。
該換気装置5は、少なくとも、カビシャット運転モード、乾燥運転モード、連続換気単独運転モードを有している。カビシャット運転モードには、図9に示すように、静電霧化装置2の電源スイッチ17がオンとなっている場合に換気装置5と静電霧化装置2とが連動して運転されるカビシャット連動運転モードと、静電霧化装置2の電源スイッチ17がオフとなっている場合に換気装置5のみが単独で運転されるカビシャット単独運転モードがある。また、乾燥運転モードには、図10に示すように、静電霧化装置2の電源スイッチ17がオンとなっている場合に換気装置5と静電霧化装置2とが連動して運転される乾燥連動運転モードと、静電霧化装置2の電源スイッチ17がオフとなっている場合に換気装置5のみが単独で運転される乾燥単独運転モードがある。また、連続換気単独運転モードは、静電霧化装置2の電源スイッチ17のオン、オフに関係なく換気装置5のみが単独で連続運転するモードである。
脱衣室39にはリモコン装置7が設けてあり、該リモコン装置7と換気装置5とは図7に示すように、通信を行うための有線の通信路でつながっており、該通信路の途中に、静電霧化装置2の制御部4が接続してある。この制御部4には図7に示すように高電圧発生部40、リードスイッチ41、電源スイッチ17、静電霧化装置2の動作表示をするためのLED表示部等が接続してある。
制御部4には信号遮断/通過回路8a、信号出力回路8bよりなる信号経路切換え手段8が設けてある。すなわち、リモコン装置7と換気装置5とを接続する通信路は、リモコン装置7と換気装置5との間で通信を行うために常時且つ静電霧化装置2に関係なくつながっているが、静電霧化装置2の制御部4に設けたマイコン4aからリモコン装置7に信号を伝える際だけ信号経路切換え手段8により換気装置5からのリモコン装置7への通信を一時的に遮断して静電霧化装置2からリモコン装置7に信号を送るように構成してある。このように静電霧化装置2の制御部4に設けたマイコン4aからリモコン装置7に信号を伝えない時は、リモコン装置7と換気装置5との間で通信を行うために常時且つ静電霧化装置2に関係なくリモコン装置7と換気装置5とがつながっており、したがって、例えば、施工上の問題や故障等により静電霧化装置2の電源が遮断されている場合や、静電霧化装置2の制御部4側の通信回路が故障していたり、あるいは静電霧化装置2の電源スイッチ17がオフとなっている時、静電霧化装置2側に関係なく、信号経路切換え手段8はリモコン装置7と換気装置5との間で信号がやり取りできるように接続され、リモコン装置7により換気装置5の単独運転が可能となっている。
そして、静電霧化装置2の制御部4に設けたマイコン4aにはリモコン装置7と換気装置5との間で常時行っている通信を一時的に遮断して静電霧化装置2からリモコン装置7への信号に切換えるタイミングを決める切換えタイミング決定手段が設けてあり、タイミング決定手段で決定されたタイミングで信号経路切換え手段8を切換えて換気装置5からのリモコン装置7への信号を一時的に遮断して静電霧化装置2からのリモコン装置7に信号を送信するようになっている。
ここで、静電霧化装置2からの送信のタイミングは、換気装置5からリモコン装置7に送信されるスタートビット、データビット、ストップビットよりなる信号の1セットの終了をタイミング決定手段により認識することで決定されるものであり、これにより、換気装置5からの信号がリモコン装置7に1セット分正確に送られてはじめて、静電霧化装置2からリモコン装置7に信号が送られることになって、換気装置5からリモコン装置7に正確に情報を送りながら、且つ、静電霧化装置2からリモコン装置7に信号を送ることができるようになっている。
リモコン装置7には複数の操作スイッチ9が設けてあり、複数の操作スイッチ9としては少なくとも、カビシャット用の操作スイッチ9aと、乾燥用の操作スイッチ9bと、連続換気用の操作スイッチ9cとを備えている。
カビシャット用の操作スイッチ9aをオン操作すると、リモコン装置7から換気装置5を経て静電霧化装置2に電源が入っているかという問い合わせ信号が静電霧化装置2の制御部4のマイコン4aに入力され、静電霧化装置2の電源スイッチ17がオンとなっていると、信号経路切換え手段8が切換えられて電源オンの信号が静電霧化装置2からリモコン装置7に送られ、この信号を受けてリモコン装置7から換気装置5の制御部にカビシャット連動運転モードで換気装置5を運転するための運転信号が送られると共に該換気装置5を介して静電霧化装置2の制御部4のマイコン4aにカビシャット連動運転モードにより静電霧化装置2を運転するための運転信号が送られ、該運転信号に基いて、換気装置5がカビシャット連動運転モードで運転されると共に、静電霧化装置2がカビシャット連動運転モードで運転される。
このカビシャット連動運転モードによる運転は、図9に示すように、まず、換気装置5によりファン37を強運転すると共に切換え部36を図8(a)のように流入部33から換気装置5内に流入した排気を全部排気部34に排気するように切換制御して換気運転を行う(この間、静電霧化装置2は運転を行わない)ことで、浴室1のドアの隙間などから脱衣室内の空気を浴室1内に吸い込むと共に浴室1内の空気を換気装置5に吸い込み排気部34から外部に排気して、浴室1内及び換気装置5を換気し、この換気運転を1時間行った後、換気装置5の運転を排気・循環運転に自動的に切換えて運転すると共に、静電霧化装置2により静電霧化運転を行う。上記排気・循環運転はファン37を強運転すると共に切換え部36を図8(b)のように流入部33から換気装置5内に流入した排気の一部を排気部34から外部に排気すると共に排気の他の一部を返送部35から浴室1内に再び戻すように切換制御する。これにより、浴室1のドアの隙間などから脱衣室内の空気を浴室1内に吸い込むと共に浴室1内の空気を換気装置5に吸い込み、排気の一部を外部に排気すると共に、他の一部を浴室1内に返送して浴室1内で循環させる運転となる。
このように、換気装置5の運転開始から1時間遅延して静電霧化装置2の運転を行うことで、浴室1内に配置した静電霧化装置2の対向電極26、液印加電極27等に付着していた結露水等の水が乾燥され、安定して且つ安全に静電霧化ができることになる。しかも、静電霧化装置2の運転に先だって換気装置5を換気運転することで、換気装置5を始めから換気・循環運転する場合に比べて静電霧化装置2の乾燥が効果的に行え、乾燥後に静電霧化装置2を運転する際には換気装置5の運転を排気・循環運転に切換えることで、浴室1内に放出されたナノサイズのミストが換気装置5により排気される際、排気の一部を再び浴室1に戻して循環させることで、ナノサイズのミストが外部に排出されにくく、浴室1内を乾燥させながら、ナノサイズのミストを浴室1内の隅々まで循環させて、活性種を含有するナノサイズのミストにより浴室内の空気の脱臭及び室内壁面等に付着した臭いを除去し、更に、カビの発生を効果的に防止することができるものである。
換気装置5による上記排気・循環運転は、静電霧化装置2の運転が終了した後、遅延させ(例えば5分遅延させ)て排気・循環運転を終了するように制御されるようになっている。つまり、静電霧化装置2でナノサイズのミストを発生させる際に、オゾンが発生する可能性があるが、静電霧化装置2の運転の運転の終了よりも遅延して排気・循環運転が終了するように制御することで、発生したオゾンを浴室1から外部に排出することができ、上記カビシャットモードの運転後に、浴室1内を入浴のために利用する際、浴室1内にオゾンが残留して、入浴する人にオゾンによる悪影響を与えないようにしている。
ところで、上記のように換気装置5をまずファン37の強運転による換気運転で1時間運転し、その後、換気装置5の運転を排気・循環運転に切換えて運転するに当たり、浴室1内の湿度や温度をセンサ(図示せず)により検出し、この湿度や温度の検出結果に基き、湿度が高い場合など、加熱手段6をオンにして排気・循環運転の初期に加熱手段6によって排気の一部を加熱して浴室1内に返送すると共にその後の排気・循環運転においては加熱手段6をオフにして排気の一部を浴室1内に返送するように制御したり、あるいは、湿度や温度の検出結果に基き、湿度が低い場合など、加熱手段6をオフにして排気・循環運転を加熱することなく冷風の状態で浴室1内に返送するように制御するものである。
これにより、静電霧化装置2、浴室1内をより効果的に乾燥できて、浴室1内が高湿度の場合であっても対応できるものであり、また、加熱排気を返送して浴室1内の湿度が低下すると加熱手段6をオフにして排気の一部を浴室1内に返送するので、少ないエネルギーコストで効果的に静電霧化装置2を乾燥し且つナノサイズのミストを浴室1内の隅々まで飛散させて効果的に浴室内の臭い除去、カビの発生防止を行うことができるものである。
一方、静電霧化装置2の電源スイッチ17がオフの状態の時にカビシャット用の操作スイッチ9aをオン操作すると、リモコン装置7から換気装置5を経て静電霧化装置2に電源が入っているかという問い合わせ信号が静電霧化装置2の制御部4のマイコン4aに入力されるが、静電霧化装置2に電源が入っていないので、信号経路切換え手段8が切換えられることがなくて電源オンの信号が静電霧化装置2からリモコン装置7に送られることはなく、したがって、この場合はリモコン装置7から換気装置5の制御部にカビシャット単独運転モードで換気装置5を運転するための運転信号が送られる。
このカビシャット単独運転モードによる運転は、まず、図9に示すように、換気装置5のファン37を強運転すると共に切換え部36を図8(a)のように流入部33から換気装置5内に流入した排気を全部排気部34に排気するように切換えるように制御して換気運転を1時間行って浴室1内の乾燥を行い、1時間経過後に、換気装置5の運転を切換え部36はそのままにしてファン37を弱運転にして換気運転する。ここで、換気装置5をまず換気運転で1時間強運転し、その後、換気装置5の運転を換気弱運転に切換えて運転するに当たり、浴室1内の湿度や温度をセンサ(図示せず)により検出し、この湿度や温度の検出結果に基き、湿度が高い場合など、加熱手段6をオンにして1時間の換気強運転の後に加熱手段6をオフにして排気の一部を浴室1内に返送する排気・循環運転を一定時間行い、その後、換気弱運転に切換えるようにしてもよい。
次に、乾燥用の操作スイッチ9bをオン操作すると、リモコン装置7から換気装置5を経て静電霧化装置2に電源が入っているかという問い合わせ信号が静電霧化装置2の制御部4のマイコン4aに入力され、静電霧化装置2の電源スイッチ17がオンになっていると、信号経路切換え手段8が切換えられて電源オンの信号が静電霧化装置2からリモコン装置7に送られ、この信号を受けてリモコン装置7から換気装置5の制御部に乾燥連動運転モードで換気装置5を運転するための運転信号が送られると共に該換気装置5を介して静電霧化装置2の制御部4のマイコン4aに乾燥連動運転モードにより静電霧化装置2を運転するための運転信号が送られ、該運転信号に基いて、換気装置5が乾燥連動運転モードで運転されると共に、静電霧化装置2が乾燥連動運転モードで運転される。
この乾燥連動運転モードによる運転は、浴室1内に洗濯物を干して乾燥させる際の運転で、図10に示すように、まず、換気装置5によりファン37を強運転すると共に、切換え部36を図8(b)のように流入部33から換気装置5内に流入した排気の一部を排気部34から外部に排気すると共に排気の他の一部を返送部35から浴室1内に再び戻すように切換えるように制御し、更に加熱手段6をオンにすることで、排気の一部を加熱して浴室1内に返送しながら浴室1内を乾燥する排気・循環運転を行うことで、浴室1内及び換気装置5の乾燥を行う。この排気の一部を加熱して浴室1内に返送しながら浴室1内を乾燥する排気・循環運転を15分行った後、上記換気装置5の排気・循環運転に連動して静電霧化装置2の静電霧化運転を行う。
このように、排気の一部を加熱して浴室1内に返送しながら浴室1内を乾燥する排気・循環運転を行うことで浴室1、静電霧化装置2の乾燥を短時間で行うことができ、更に、排気の一部を加熱して浴室1内に返送しながら浴室1内を乾燥する排気・循環運転を15分行った後に、該排気の一部を加熱して浴室1内に返送しながら浴室1内を乾燥する排気・循環運転と連動して静電霧化装置2により浴室1内にナノサイズのミストを放出することで、浴室1内に放出されたナノサイズのミストが換気装置5により排気される際、排気の一部を加熱して再び浴室1に戻して循環させることで、ナノサイズのミストが外部に排出されにくく、浴室1内を乾燥させながら、加熱された温度の高い循環空気流に乗ってナノサイズのミストを浴室1内の隅々まで循環させて、活性種を含有するナノサイズのミストにより浴室内の空気の脱臭及び室内壁面等に付着した臭いを除去し、更に、カビの発生を効果的に防止することができるものである。
換気装置5による上記排気・循環運転は、静電霧化装置2の運転が終了した後、遅延させ(例えば5分遅延させ)て排気・循環運転を終了するように制御されるようになっている。
一方、静電霧化装置2の電源スイッチ17がオフの状態で、乾燥用の操作スイッチ9bをオン操作すると、リモコン装置7から換気装置5を経て静電霧化装置2に電源が入っているかという問い合わせ信号が静電霧化装置2の制御部4のマイコン4aに入力されるが、静電霧化装置2に電源が入っていないので、信号経路切換え手段8が切換えられることがなくて電源オンの信号が静電霧化装置2からリモコン装置7に送られることはなく、したがって、この場合はリモコン装置7から換気装置5の制御部に乾燥単独運転モードで換気装置5を運転するための運転信号が送られる。
この乾燥単独運転モードによる運転は、浴室1内に洗濯物を干して乾燥させるための運転で、図10に示すように、換気装置5によりファン37を強運転すると共に、切換え部36を図8(a)のように流入部33から換気装置5内に流入した排気の一部を排気部34から外部に排気すると共に排気の他の一部を返送部35から浴室1内に再び戻すように切換えるように制御し、更に加熱手段6をオンにすることで、排気の一部を加熱して浴室1内に返送しながら浴室1内を乾燥する排気・循環運転を行うことで、浴室1内及び換気装置5の乾燥を行う。
また、連続換気用の操作スイッチ9cをオン操作すると、換気装置5のみが連続換気運転で運転される。この連続換気運転は切換え部36を図8(a)のように流入部33から換気装置5内に流入した排気を全部排気部34に排気するように切換えるように制御すると共にファン37を弱運転する。これにより浴室1のドアの隙間などから脱衣室内の空気を浴室内に吸い込むと共に浴室1内の空気を換気装置5から外部に排気する運転を連続して行う。この場合、静電霧化装置2の電源スイッチ17がオンとなっていても換気装置5のみが連続換気運転を行い、この場合、静電霧化装置2は運転しない。
ところで、連続換気用の操作スイッチ9cをオンにして連続換気運転で運転している最中に、カビシャット用の操作スイッチ9aや乾燥用の操作スイッチ9bをオン操作すると、連続換気運転が中断されて、上記したカビシャットモードや乾燥モードの運転に切換えられ、カビシャットモードや乾燥モードの運転がタイマー等により終わると、再び連続換気運転に自動的に切替るようになっている。
ここで、リモコン装置7に追加運転用のスイッチ9dを設け、この追加運転用のスイッチ9dを操作することで、タイマー等で終了時期が決められる上記カビシャットモードや乾燥モードの本来の運転終了時間後に更に、カビシャットモードや乾燥モードでの運転を所定時間継続できるようにしている。これにより、カビシャットモードや乾燥モードでの運転から、入浴までの間の時間が長い場合等、浴室1内を継続して乾燥させることができ、カビの発生防止を図ることができるものである。
ところで、対向電極26、静電霧化装置2の内部の液印加電極27を配置した部分は静電霧化装置2の上面の放出口23と、前面の前面通気用開口部32とで外部に連通しており、上記のように乾燥手段3を浴室1の換気をする換気装置5により構成すると、換気装置5の運転で浴室1を流れる空気流が、放出口23→静電霧化装置2の内部の液印加電極27を配置した部分→前面通気用開口部32という流れ、又は、前面通気用開口部32→静電霧化装置2の内部の液印加電極27を配置した部分→放出口23という流れとなって、静電霧化装置2の内部の液印加電極27を配置した部分を効果的に乾燥できるものである。