JP2005226631A - 内燃機関用燃料噴射制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 各気筒の燃焼状態を検出する検出機器を備えたもので、検出機器の個体差、経時変化に係わらず、各気筒の燃焼状態を表す代表値を精度よく検出可能な内燃機関用燃料噴射制御装置を提供する。
【解決手段】 内燃機関1の各気筒に燃料を噴射供給する燃料噴射弁2と、内燃機関1の運転状態に応じて燃料噴射量を決定する噴射量決定手段(100)と、気筒内の燃焼状態を検出する燃焼状態検出手段(60)と、各気筒の噴射による発熱量が気筒間で略等しくなるように燃料噴射量を補正させる運転領域にて、内燃機関が運転されていることを検出する特定運転状態検出手段S201と、特定運転状態検出手段S201によって検出される運転領域で内燃機関が運転されているとき、燃焼状態検出手段60で検出される燃焼状態に係わる代表値Tiの偏差ΔTiに応じて、代表値Tiを補正する補正量TOFFSETを決める代表値補正手段S202〜S210とを備えている。
【選択図】 図2
【解決手段】 内燃機関1の各気筒に燃料を噴射供給する燃料噴射弁2と、内燃機関1の運転状態に応じて燃料噴射量を決定する噴射量決定手段(100)と、気筒内の燃焼状態を検出する燃焼状態検出手段(60)と、各気筒の噴射による発熱量が気筒間で略等しくなるように燃料噴射量を補正させる運転領域にて、内燃機関が運転されていることを検出する特定運転状態検出手段S201と、特定運転状態検出手段S201によって検出される運転領域で内燃機関が運転されているとき、燃焼状態検出手段60で検出される燃焼状態に係わる代表値Tiの偏差ΔTiに応じて、代表値Tiを補正する補正量TOFFSETを決める代表値補正手段S202〜S210とを備えている。
【選択図】 図2
Description
本発明は、内燃機関用燃料噴射制御装置に関する。
内燃機関に燃料が所定量より大きく供給される場合に燃焼室内の燃焼温度が過度して内燃機関が損傷することを防止するため、燃焼室内の燃焼温度を計測する温度検出器を設置するものがある(特許文献1参照)。特許文献1では、燃焼温度が所定の閾値温度を超えないように燃料噴射量を補正する技術が開示されている。
なお、各気筒に供給される燃料噴射量は各気筒に設けられた燃料噴射弁のバネ定数等の個体差に影響され、燃焼温度は燃焼室の形状ばらつき等の圧縮率に係わる個体差に影響されるため、特許文献1の技術では、全気筒に、または少なくとも隣合う気筒に対して少なくとも1つに、温度検出器を設けている。
特開平6−146982号公報
上記従来の燃料噴射制御装置は、例えば各気筒の燃焼温度の平均値から、各気筒の偏差に応じて燃料噴射量を補正し、所定の最高燃焼温度を超えないように燃焼温度を制御することは可能である。しかしながら、実際には温度検出器自体にも個体差があり、同一の燃焼温度であっても、検出する温度にばらつきが生じる場合がある。また、温度検出器は一般に温度センサを用いるため、温度センサから出力される信号が経時変化するおそれがある。
例えば、内燃機関の運転される回転の全域において、各気筒間の燃料噴射量ばらつきを小さく抑えたい場合において、従来技術の燃料噴射制御装置では、回転速度に係わらず燃料噴射量のばらつきを小さくすることは可能であるが、検出機器の個体差、経時変化等の影響により精度よく補正することは難しい。
なお、温度センサから出力される信号は、気筒内の燃焼状態に係わる代表値を構成する。
本発明は、このような事情を考慮してなされたものであり、その目的は、内燃機関の各気筒の燃焼状態を検出するための検出機器を備えたものにおいて、検出機器の個体差、経時変化に係わらず、各気筒の燃焼状態に係わる代表値を精度よく検出可能な内燃機関用燃料噴射制御装置を提供することにある。
また、別の目的は、内燃機関の各気筒の燃焼状態を検出するための検出機器を備えたものにおいて、検出機器の個体差、経時変化に係わらず、各気筒の燃焼状態に係わる代表値を精度よく検出可能であるとともに、運転される全回転域にて内燃機関に悪影響を与えることなく、精度よく気筒間の燃料噴射量ばらつきを小さくすることが可能な内燃機関用燃料噴射制御装置を提供することにある。
本発明の請求項1によると、内燃機関の各気筒に搭載され、気筒に燃料を噴射供給する燃料噴射弁と、燃料噴射弁に燃料を加圧して圧送する燃料供給手段と、内燃機関の運転状態に応じて燃料噴射量を決定する噴射量決定手段と、気筒内状態を検出する検出手段と、各気筒の噴射による燃焼後の最高回転数を気筒間にて略等しくなるように燃料噴射量を補正する補正手段とを備え、補正手段により各気筒へ補正された燃料噴射量が供給されるとき、検出手段の検出による出力値を、各気筒間で等しくなるように出力補正することを特徴とする。
これによると、気筒内状態を検出する方法として、各気筒の噴射による燃焼温度を検出する温度検出手段あるいは筒内圧力を検出する圧力検出手段等検出手段を用いるものにおいて、各気筒の噴射による燃焼後の最高回転数を気筒間にて略等しくなるように燃料噴射量を補正する補正手段とを備え、補正手段により各気筒へ補正された燃料噴射量が供給されるとき、例えば温度検出手段等の検出手段の検出による出力値を、各気筒間で等しくなるように出力補正するので、気筒内状態を検出する温度検出手段の温度検出のばらつきの補正ができる。
本発明の請求項2によると、内燃機関の各気筒に搭載され、気筒に燃料を噴射供給する燃料噴射弁と、燃料噴射弁に燃料を加圧して圧送する燃料供給手段と、内燃機関の運転状態に応じて燃料噴射量を決定する噴射量決定手段と、気筒内の燃焼状態を検出する検出手段と、各気筒の噴射による発熱量が気筒間で略等しくなるように燃料噴射量を補正させる運転領域にて、内燃機関が運転されていることを検出する特定運転状態検出手段と、特定運転状態検出手段によって検出される運転領域で内燃機関が運転されているとき、検出手段で検出される燃焼状態に係わる代表値の偏差に応じて、前記代表値を補正する補正量を決める代表値補正手段とを備えていることを特徴とする。
これによると、気筒内の燃焼状態を検出する方法として、各気筒の噴射による燃焼温度を検出する温度検出手段あるいは筒内圧力を検出する圧力検出手段等検出手段を用いるものにおいて、各気筒の噴射による発熱量が気筒間で略等しくなるように燃料噴射量を補正させる運転領域にて内燃機関が運転されていることを特定運転状態検出手段により検出されるとき、例えば燃焼状態に係わる代表値としての燃焼温度おける各気筒間の偏差に応じて、その代表値を補正する補正量を決める代表値補正手段を有するので、燃焼状態を検出する温度検出手段の温度検出のばらつきの補正が代表値補正手段によって可能である。
さらに、特定運転状態検出手段によって上記運転領域にあることを認識する度に、温度検出手段等の代表値を検出する検出手段のばらつき補正ができる。したがって、検出手段つまり検出機器の個体差や経時変化に係わらず、各気筒の燃焼状態を表す代表値を精度よく検出することが可能である。
本発明の請求項3によると、燃焼状態検出手段による燃焼状態の検出または推定は、燃焼室内の燃焼温度および燃焼室内の筒内圧力のうちのいずれかに基いて推定することを特徴とする。
これによると、燃焼状態検出手段による燃焼状態の検出または推定は、燃焼室内の燃焼温度および燃焼室内の筒内圧力のうちのいずれかに基いて推定するものに適用して好適である。
本発明の請求項4によると、燃焼状態検出手段は、燃焼温度を検出する温度検出手段を備えることを特徴とする。
これによると、燃焼状態の検出または推定する方法として、各気筒の燃焼温度を検出する温度検出手段を有する場合、温度検出手段の温度検出ばらつきを気筒間で補償することが可能である。
本発明の請求項5によると、燃焼状態検出手段は、筒内圧力を検出する圧力検出手段を備えることを特徴とする。
これによると、燃焼状態の検出または推定する方法として、各気筒の筒内圧力を検出する圧力検出手段を有する場合、圧力検出手段の検出ばらつきを気筒間で補償することが可能である。
本発明の請求項6によると、代表値は、燃焼温度および筒内圧力のうちいずれかにおける最高値または膨張行程中の平均値であることを特徴とする。
これによると、燃焼室で生じる燃焼状態を表す代表値として、燃焼温度および筒内圧力のうちいずれかにおける最高値または膨張行程中の平均値を適用して好適である。例えば、気筒毎に発生する最高値の偏差に応じて、最高値を感知する検出器の感知ばらつきを所定の補正量にて補正することができる。
本発明の請求項7によると、運転領域はアイドル安定状態であって、運転領域がアイドル安定状態にあるとき、各気筒の回転速度変動を検出する検出手段と、各気筒毎の回転速度変動の偏差に応じて、気筒間の回転速度変動を平滑化するように各気筒の燃料噴射量を補正する不均量補償制御手段を備えることを特徴とする。
これによると、運転領域がアイドル安定状態にあるとき、各気筒毎の回転速度変動の偏差に応じて気筒間の回転速度変動を平滑化するように各気筒の燃料噴射量を補正する不均量補償制御手段いわゆるFCCB制御手段を備えるものに適用して好適である。
本発明の請求項8によると、請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の内燃機関用燃料噴射制御装置において、内燃機関が補正手段による補正制御が適さない運転状態にあるときに、各気筒の出力値に基いてこれら出力値が略等しくなるように、燃料噴射量を補正する第2の補正手段を有することを特徴とする。
内燃機関の回転変動は回転速度が高くなるほど大きくなるため、燃焼後の最高回転数等の回転変動に係わる補正手段を実行する運転領域は、該補正手段による補正制御が適する運転状態として、例えば、回転速度が比較的低いアイドル運転状態などのアイドル安定状態にある領域に制約される。
これに対して、請求項8に記載の内燃機関用燃料噴射制御装置では、内燃機関が補正手段による補正制御が適さない運転状態にあるときに、例えば温度検出手段などの検出手段により検出された各気筒の排気温度等に係わる出力値に基いて、これら出力値が略等しくなるように、燃料噴射量を補正する第2の補正手段を有する。その結果、アイドル安定状態、およびアイドル安定状態以外の高回転速度等の状態において、それぞれ補正手段、第2の補正手段を実行することで、各気筒の燃料噴射量のばらつきが小さくなるように補正される。
なお、補正手段では、例えば燃焼後の最高回転数を等しくなるようにすることで回転変動による内燃機関への悪影響が抑制される。また、第2の補正手段では、排気温度の平均値と各気筒の排気温度との偏差に基いて補正されるので、内燃機関が損傷する過度な燃焼最高温度に達しないように排気温度が抑制される。
したがって、検出機器の個体差、経時変化に係わらず、各気筒の燃焼状態に係わる代表値を精度よく検出可能であるとともに、運転される全回転域にて内燃機関に悪影響を与えることなく、精度よく気筒間の燃料噴射量ばらつきを小さくすることが可能である。
本発明の請求項9によると、請求項2から請求項7のいずれか一項に記載の内燃機関用燃料噴射制御装置において、特定運転状態検出手段により検出される運転状態以外の領域にあるときに、検出手段で検出される各気筒の代表値に基いてこれら代表値が略等しくなるように、燃料噴射量を補正する第2の補正手段を有することを特徴とする。
これによると、上記運転領域、および上記運転領域以外の高回転速度領域等の領域において、それぞれ、各気筒の燃焼室内の発熱量が略等しくなるように燃料噴射量が補正され、各気筒の排気温度などの燃焼状態に係わる代表値が等しくなるように燃料噴射量が補正される。したがって、上記運転領域および上記運転領域以外の領域、すなわち全回転域にて、内燃機関に悪影響を与えることなく、精度よく気筒間の燃料噴射量ばらつきが小さくなるように補正される。
本発明の請求項10によると、内燃機関の各気筒に搭載され、気筒に燃料を噴射供給する燃料噴射弁と、燃料噴射弁に燃料を加圧して圧送する燃料供給手段と、内燃機関の運転状態に応じて燃料噴射量を決定する噴射量決定手段と、気筒内の燃焼状態を検出する検出手段と、各気筒の噴射による燃焼後の最高回転数を気筒間で略等しくなるように燃料噴射量を補正する補正手段と、補正手段を実行する運転領域にて内燃機関が運転されていることを検出する特定運転状態検出手段と、特定運転状態検出手段により検出される運転領域以外の領域にあるときに、検出手段で検出される各気筒の前記代表値に基いてこれら代表値が略等しくなるように、燃料噴射量を補正する第2の補正手段とを備えていることを特徴とする。
これによると、上記運転領域、および上記運転領域以外の領域において、それぞれ、補正手段により各気筒の燃焼後の最高回転数を略等しくなるように燃料噴射量が補正され、第2の補正手段により各気筒の排気温度などの燃焼状態に係わる代表値が等しくなるように燃料噴射量が補正される。その結果、上記運転領域および上記運転領域以外の領域、すなわち全回転域にて、内燃機関に悪影響を与えることなく、精度よく気筒間の燃料噴射量ばらつきが小さくなるように補正される。
本発明の請求項11によると、特定運転状態検出手段によって検出される前記運転領域で内燃機関が運転されているとき、検出手段で検出される燃焼状態に係わる代表値の偏差に応じて、代表値を補正する補正量を決める代表値補正手段とを備えていることを特徴とする。
これによると、検出機器の個体差、経時変化に係わらず、各気筒の燃焼状態に係わる代表値を精度よく検出可能であるとともに、運転される全回転域にて内燃機関に悪影響を与えることなく、精度よく気筒間の燃料噴射量ばらつきを小さくすることが可能である。
以下、本発明の内燃機関用燃料噴射制御装置を、蓄圧式燃料噴射制御装置に適用して具体化した実施形態を図面に従って説明する。
(第1の実施形態)
図1は、本実施形態の燃料噴射システムの全体構成を示す構成図である。図2は、図1中のECUにおいて各気筒の燃焼室の燃焼温度を検出する温度検出手段の検出ばらつきを補償する制御処理を示すフローチャートである。
図1は、本実施形態の燃料噴射システムの全体構成を示す構成図である。図2は、図1中のECUにおいて各気筒の燃焼室の燃焼温度を検出する温度検出手段の検出ばらつきを補償する制御処理を示すフローチャートである。
図1に示すように、蓄圧式燃料噴射制御装置は、例えば自動車等の車両に搭載された多気筒(例えば、4気筒)のディーゼルエンジン(以下、エンジンと呼ぶ)1の運転状態または運転条件、車両の走行状態および運転者の操作量(意志)等を各種センサにより検出して、エンジンコントロールユニット(エンジン制御ユニット)(以下、ECUと呼ぶ)100に伝えて、各種センサからのセンサ信号により最適な目標噴射量(指令噴射量)、目標噴射時期(指令噴射時期)、目標噴射期間(指令噴射期間)および目標噴射圧力(指令噴射圧力)を演算し、それぞれを制御する複数個(本実施例では4個)のインジェクタ(電磁式燃料噴射弁)2および高圧供給ポンプ(燃料供給ポンプ)(以下、サプライポンプと呼ぶ)3等に指令するように構成されている。
エンジン1は、シリンダ、シリンダヘッド、およびオイルパン等から構成された4サイクル4気筒エンジンである。なお、エンジン1の各気筒の吸入ポートは、吸気弁(インテークバルブ)11により開閉され、排気ポートは排気弁(エキゾーストバルブ)12により開閉される。また、各気筒内には、連接棒を介してクランク軸13に連結されたピストン14が摺動自在に配設されている。
インジェクタ2は、エンジン1のシリンダヘッドに、各気筒に対応して取付けられている。これらのインジェクタ2は、噴射孔を形成したノズルボディ内に、噴射孔を開閉するノズルニードルを摺動自在に収容した燃料噴射ノズル、ノズルニードルを開弁方向に駆動する電磁弁(ニードル駆動手段、ソレノイドアクチュエータ)、およびノズルニードルを閉弁方向に付勢するスプリング等のニードル付勢手段等により構成されている。
これらのインジェクタ2からエンジン1への燃料噴射は、ノズルニードルに連結されたコマンドピストンの背圧制御室(圧力制御室)内の燃料圧力を制御する電磁弁(図示せず)への通電および通電停止(ON/OFF)により電子制御される。各気筒のインジェクタ2の電磁弁が開弁している間、蓄圧室としてのコモンレール17内に蓄圧された高圧燃料がエンジン1の各気筒の燃焼室内に噴射される。なお、インジェクタ2の内部リーク燃料または圧力制御室からの排出燃料(インジェクタ2を開弁するために用いた燃料)は、リターン配管33を経て燃料タンク15に還流するように構成されている。
サプライポンプ3は、吸入した燃料を加圧して吐出口からコモンレール17へ高圧燃料を圧送する高圧供給ポンプであり、燃料タンク15から燃料を汲み上げるフィードポンプ(低圧供給ポンプ)6を備えている。フィードポンプ6からサプライポンプ3の加圧室への燃料経路には、その燃料経路の開口度合(弁開度または開口面積)を調整することで、サプライポンプ3からコモンレール17への燃料吐出量(ポンプ吐出量、ポンプ圧送量)を変更する電磁アクチュエータとしての吸入調量弁(リニアソレノイドアクチュエータ)7が取付けられている。
吸入調量弁7は、図示しないポンプ駆動回路を介してECU100からのポンプ駆動信号によって電子制御されることにより、フィードポンプ6からサプライポンプ3の加圧室内に吸入される燃料の吸入量を調整する吸入量調整用電磁弁であり、各インジェクタ2からエンジン1の各気筒内へ噴射供給する燃料噴射圧力(以下、コモンレール圧と呼ぶ)を変更する。そして、サプライポンプ3は、燃料タンク15から燃料を吸入して加圧し、ECU100より指令された燃料吐出量をコモンレール17に圧送する。このコモンレール17内のコモンレール圧は、燃料圧力検出手段としての燃料圧力センサ18によって測定され、ポンプ駆動指令値(ポンプ駆動電流値)と噴射量指令値(パルス状のインジェクタ駆動電流、インジェクタ噴射指令パルス)とがECU100で算出される。
コモンレール17は、連続的に燃料噴射圧力に相当する高圧燃料を蓄圧するために、コモンレール17に蓄圧される高圧燃料が、供給配管(以下、高圧配管と呼ぶ)20を介してサポライポンプ3から供給される。なお、コモンレール17から燃料タンク15へ燃料を戻すためのリターン配管21が設けられている。そして、コモンレール17には、リターン配管21の開口度合を調整することが可能な常閉型の減圧弁22が配置されている。この減圧弁22は、減圧弁駆動回路を介してECU100から印加される減圧弁駆動電流値によって電子制御されることにより、例えば減速時またはエンジン停止時に速やかにコモンレール17内のコモンレール圧を高圧から低圧へ減圧させる機能を有する。なお、減圧弁22の代わりに、コモンレール17とリターン配管21との間に、コモンレール17内のコモンレール圧が限界設定圧力を超えることがないように、コモンレール17内の燃料圧力を逃がすためのプレッシャリミッタを取付けるようにしてもよい。
なお、ここで、インジェクタ2とサプライポンプ3とコモンレール17とは、エンジン1へ燃料供給する燃料噴射手段を構成する。サプライポンプ3は、コモンレール17を介してインジェクタ2に燃料を加圧して圧送する燃料供給手段を構成する。
ECU100には、制御処理、演算処理を行なうCPU、各種プログラムおよびデータを保存する記憶装置(ROM、RAM等のメモリ)、入力回路、出力回路、電源回路、インジェクタ駆動回路、およびポンプ駆動回路等の機能を含んで構成される周知の構造のマイクロコンピュータが設けられている。そして、燃料圧力センサ18から出力される検出信号(電圧信号)や燃料温度センサ34から出力される検出信号、その他の各種センサからのセンサ信号は、A/D変換器でA/D変換された後に、ECU100に内蔵されたマイクロコンピュータに入力されるように構成されている。また、ECU100は、エンジンキーをIG位置にして、図示しないイグニッションスイッチがオン(ON)すると、メモリ内に格納された制御プログラムに基いて、例えばインジェクタ2の電磁弁、サプライポンプ3の吸入調量弁7、スロットルバルブ39を駆動するアクチュエータ40、および排気ガス還流量(EGR量)を調節するEGRバルブ42等の各制御部品のアクチュエータを電子制御するように構成されている。
そして、ECU100は、クランク軸(クランクシャフト)13に取付けられたクランク角度センサ4、およびカム軸(カムシャフト)23に取付けられたカム角度センサ5とからのクランク軸回転パルスおよびカム軸回転パルスの信号を基準にして、各気筒のインジェクタ2の噴射時期およびサプライポンプ3の圧送期間を決めることで、コモンレール17内の実燃料圧力(実コモンレール圧)を指令噴射圧力に保持する。クランク角度センサ4は、エンジン1のクランク軸13に固定された磁性体製のタイミングロータ(シグナルロータ)24、このタイミングロータ24の周面に対向するように配置された電磁ピックアップコイル、および磁束を発生させる永久磁石(マグネット)等で構成された電磁式回転センサであり、クランク軸13の回転角度を検出する。なお、ECU100は、クランク角度信号(NEパルス信号)の間隔時間を計測することによって、エンジン回転速度(NE)を検出する。タイミングロータ24には、所定角度(例えば10°)毎に凸状歯が複数個形成されている。タイミングロータ24が回転すると、凸状歯が電磁ピックアップコイルに対して近接離反するため、電磁誘導によって電磁ピックアップコイルからクランク角度信号(NEパルス信号)が出力される。そして、カム角度センサ5は、エンジン1のカム軸23に固定された磁性体製のタイミングロータ(シグナルロータ)27、このタイミングロータ27の周面に対向するように配置された電磁ピックアップコイル、および磁束を発生させる永久磁石(マグネット)等で構成された電磁式回転センサであり、カム軸23の回転角度を検出する。タイミングロータ27には、所定角度毎に凸状歯が複数個配置されている。
また、ECU100は、アクセルペダルの踏込み量(アクセル操作量、アクセル開度)を測定するアクセル開度センサ30、およびエンジン1の冷却水温度を検出する冷却水温センサ31等からセンサ信号を入力するように構成されている。そして、ECU100は、エンジン1の運転条件に応じた最適な指令噴射圧力(=目標燃料圧力:PFIN)を演算し、ポンプ駆動回路を介してサプライポンプ3の吸入調量弁7を駆動する吐出量制御手段を有している。なお、具体的には、ECU100は、エンジン回転速度(NE)と指令噴射量(QFIN)とに応じて目標燃料圧力(PFIN)を算出し、この目標燃料圧力(PFIN)を達成するために、サプライポンプ3の吸入調量弁7へのポンプ駆動信号(ポンプ駆動電流値)を調整して、サプライポンプ3より吐出される燃料の圧送量(ポンプ吐出量)を制御するように構成さている。
また、ECU100は、各気筒のインジェクタ2から噴射される燃料噴射量を個別に制御する機能を有する。なお、具体的には、ECU100は、基本噴射量決定手段と、指令噴射量決定手段と、噴射時期決定手段と、噴射期間決定手段と、インジェクタ駆動手段とから構成されている。基本噴射量決定手段は、エンジン回転速度(NE)とアクセル開度(ACCP)と予め実験等により測定して作成した特性マップとによって最適な基本噴射量(Q)を算出する機能を有する。指令噴射量決定手段は、基本噴射量(Q)に、冷却水温センサ31によって検出された冷却水温(THW)または燃料温度センサ34によって検出された燃料リーク温度(燃料温度:THF)等を考慮した噴射量補正量を加味して指令噴射量(QFIN)を算出する機能を有する。噴射時期決定手段は、指令噴射量(QFIN)とエンジン回転速度(NE)と予め実験等により測定して作成した特性マップから指令噴射時期(TFIN)を算出する機能を有する。噴射期間決定手段は、コモンレール圧(NPC)と指令噴射量(QFIN)と予め実験等により測定して作成した特性マップからインジェクタ2への通電パルス時間(噴射指令パルス時間:TQ)を算出する機能を有する。インジェクタ駆動手段は、各気筒のインジェクタ2の電磁弁に、指令噴射時期(TFIN)から噴射指令パルス時間(TQ)が経過するまでの間、パルス状のインジェクタ駆動電流(インジェクタ噴射指令パルス)を印加する機能を有する。
また、ECU100は、各気筒の燃焼室内の燃焼状態を検出または推定する機能を有する。なお、具体的には、燃焼室内の燃焼状態を検出または推定する方法として、ECU100は、燃焼温度を検出可能な温度検出手段とを有する。温度検出手段は、エンジン1の各気筒に取り付けられる温度センサ60(詳しくは、各気筒に1個の温度センサ60a、60b、60c、60d)である。ECU100は、これら温度センサ60によって検出した温度信号が入力され、燃焼温度を表す代表値としての各気筒の最高燃焼温度を検出または推定する。なお、代表値としては、最高燃焼温度に限らず、膨張行程中の平均値を推定するものであってもよい。
なお、以下本実施形態で説明する燃焼状態を表す代表値は、温度センサ60a、60b、60c、60dによって検出される最高燃焼温度とする。
また、ECU100は、エンジン1のアイドル運転等のアイドル安定状態にあるときに、各気筒の爆発行程毎の回転速度変動を検出し、各気筒毎の回転速度変動の検出値と前記気筒の回転速度変動の平均値とを比較し、気筒間の回転速度変動を平滑化するように、エンジン1の各気筒への最適な燃料噴射量を、気筒毎に調整(補正)する不均量補償制御(FCCB制御)手段を有する。なお、詳しくは、ECU100は、回転速度変動検出手段と、回転速度変動算出手段と、気筒別噴射量補正手段とから構成されている。回転速度変動検出手段は、各気筒の爆発行程毎の最高回転速度と最低回転速度から回転速度変動を検出する機能を有する。回転速度変動算出手段は、各気筒毎の回転速度変動の検出値と前記気筒の回転速度変動の平均値とから、気筒間の回転速度変動の偏差を算出する機能を有する。気筒別噴射量補正手段は、算出した気筒間の回転速度変動の偏差に応じて、各気筒への最適な燃料噴射量を個々に補正する機能を有する。
なお、ここで、FCCB制御手段は、各気筒の燃焼室内で発生する発生熱量が略等しくなるように各気筒への燃料噴射量を個々に補正する手段(以下、気筒別制御手段と呼ぶ)を構成する。なお、この気筒別制御手段は、エンジン1の運転状態が、アイドル運転等の運転領域からなるアイドル安定状態にあるときに行なわれる学習制御である。
なお、燃料噴射量の制御精度を向上させる目的で、燃料圧力センサ18によって検出されるコモンレール17内のコモンレール圧(NPC)がエンジン1の運転状態に応じて設定される目標燃料圧力(PFIN)と略一致するように、サプライポンプ3へのポンプ駆動電流値をフィードバック制御することが好ましい。なお、吸入調量弁7へのポンプ駆動電流値の制御は、デューティ(DUTY)制御により行なうことが好ましい。例えばコモンレール圧(NPC)と目標燃料圧力(PFIN)との偏差(ΔP)に応じて単位時間当りのポンプ駆動信号のオン/オフの割合(通電時間割合、デューティ比)を調整して、吸入調量7の弁開度を変化させるデューティ制御を用いることで、高精度なデジタル制御が可能である。
次に、上述した構成を有する本実施形態の噴射制御方法ついて、図2に従って説明する。
図2に示すように、S201(Sはステップ)では、学習前提(検定)条件であるFCCB制御手段による気筒別噴射量制御を行なう運転状態にあるか否かを判定する。学習前提条件が成立しているならば、S204からS207の制御処理に従って各気筒毎に、温度センサ60(60a、60b、60c、60d)で検出する燃焼室内の最高燃焼温度の偏差に応じて温度センサ60a、60b、60c、60dごとの感知ばらつきを補正する補正量(補償量)TOFFSETを求める。
なお、詳しくは、S201では、(1)まずエンジン1または車両に取り付けられたエンジン1の運転状態を検出する各種センサ、スイッチからの信号によりエンジン1の燃焼状態がアイドル安定状態であるか否かを確認する。アイドル安定状態にないならば、図2に示すように、通常モードと判断し、当該制御処理を終了する。逆にアイドル安定状態にあるならば、S202へ移行する。なお、エンジン1の運転状態を検出できる各種センサ、スイッチとは、ギヤポジション、クラッチ、スタータ、燃料圧力センサ18、クランク角度センサ4、アクセル開度センサ、アイドルアクセル位置センサ40、排気温センサ等がある。
(2)次に、エンジン1または車両に取り付けられた環境条件を検出できる各種センサからの信号がエンジン1の運転状態として想定した運転領域にある特定運転状態となり得るように事前に定められた範囲内にあるか否かを確認する。なお、環境条件を検出できる各種センサとしては、燃料温度センサ34、アイドルアクセル位置センサ40、吸入空気量センサ44、吸気温センサ45、O2センサ37、排気温センサ等がある。
(3)次に、エンジン1または車両に取り付けられたエンジン1の負荷状態を検出できる各種センサ、スイッチ、制御指令値からの信号によりエンジン負荷が所定の範囲内であることを確認する。これらの例としては、ラジエータ用電動ファン、電気ヒータ、ヘドライド、電磁ブレーキ等の電気負荷を検出可能なスイッチ、センサ、エアコン、パワーステアリング等のコンプレッサ、ポンプ負荷を検出できるスイッチ、センサやアイドル回転速度変化またはアイドル回転速度を所定値に維持するために必要なISC噴射量の変化量等がある。
(4)最後にエンジン回転速度が安定していることを示す、噴射量指令値、ISC補正量、燃料噴射圧力、噴射時期指令値等が所定の範囲内であることを確認する。
(5)このときの運転状態にてFCCB制御を行なっていることを確認する。
上記の(1)〜(4)と(5)を全て満足し、別途規定する実施禁止条件ではないときに、学習前提条件が成立したとして、S202へ移行する。
なお、ここで、S201は、各気筒の燃焼室内での発熱量が略等しくなるように各気筒の燃料噴射量を補正させる運転領域にて内燃機関が運転されていることを検出する特定運転状態検出手段を構成する。
S202では、現在検定中の温度センサを表す(i番目の温度センサ)フラグ(以下、第1フラグと呼ぶ)iを設定し、第1フラグ状態をi=0とする。なお、本実施例では、第1フラグi=0、1、2、3に対して、それぞれ、例えば第1気筒(#1気筒)に搭載の温度センサ60a、第2気筒(#2気筒)に搭載の温度センサ60b、第3気筒(#3気筒)に搭載の温度センサ60c、および第4気筒(#4気筒)に搭載の温度センサ60dが検定中の温度センサとして対応する。また、nは4(n=4)となる。
S203では、i番目(詳しくは、現在検定中の0番目)の温度センサ60aが検出する最高燃焼温度(以下、認識温度と呼ぶ)Tiと全気筒の温度センサ60a〜60dの認識温度の平均値(ΣTi/n)との偏差ΔT(=Ti―ΣTi/n)を算出し、偏差ΔTが所定の閾値(一定値)以上か否かを判定する。偏差が一定値以上であれば、S205へ移行する。逆に、偏差が一定値未満であれば、S204へ移行する。
S204では、i番目(詳しくは、0番目)の温度センサ60aの感知ばらつきのばらつき補正が完了した、または完了したとみなして、ばらつき補正完了数を表すフラグ(以下、第2フラグと呼ぶ)lをインクリメントし(l=l+1)、S208へ移行する。
S205では、偏差ΔTiが負数でないか否かを判定する。偏差ΔTが負数であれば、S207へ移行する。逆に偏差ΔTiが正数または0で(0以上で)あれば、S206へ移行する。
S206では、現在検定中のi番目(詳しくは、現在検定中の0番目)の温度センサ60aの認識温度Tiが平均値より大きいため、i番目(詳しくは、現在検定中の0番目)の温度センサ60aの認識温度Tiを補正量TOFFSETだけ減少させ(Ti=Ti−TOFFSET)、S208へ移行する。
S207では、現在検定中のi番目(詳しくは、現在検定中の0番目)の温度センサ60aの認識温度Tiが平均値より小さいため、i番目(詳しくは、現在検定中の0番目)の温度センサ60aの認識温度Tiを補正量TOFFSETだけ増加させ(Ti=Ti+TOFFSET)、S208へ移行する。
S208では、第2フラグ状態lから、全気筒数分n(実施例ではn=4)のばらつき補正が完了していない(l≠n)か否かを判定する。全気筒数分nのばらつき補正が完了していないならば、S209へ移行する。逆に、全気筒数分nのばらつき補正が完了している(l=n)ならば、当該制御処理を終了する。
S209では、第1フラグ状態iから、#(n+1)気筒のn番目(詳しくは、本実施例では3番目)の温度センサ60dの検定中(i=n)か否かを判定する。#(n+1)気筒のn番目の温度センサ60dの検定中であれば、S211へ移行する。逆に、#(n+1)気筒のn番目の温度センサ60dの検定中でない(i≠n)ならば、S210へ移行する。
S211では、全気筒の検定を終了しても全気筒の温度センサ60a〜60dにおけるばらつき補正が完了していないと判断し、第1および第2フラグi、lを初期化(i=l=0)して、再び、S203からS210の制御処理を始める。
S210では、第1フラグiをインクリメントして(i=i+1)、(i+1)番目(詳しくは、1番目)の温度センサ60bの検定を行なうため、S203からS210の制御処理を行なう。
なお、ここで、補正量TOFFSETは、定数、もしくはエンジン回転速度等による変数とする。S206およびS207のうちの少なくともいずれかの制御処理を繰り返し行なうことで偏差ΔTiを一定値未満にできたとき、現在検定中のi番目の温度センサ60aの認識温度Tiにおけるばらつき補正が完了する。
なお、制御処理S208の制御処理の判定でl=nならば、全気筒の温度センサ60a〜60dのばらつき補正(補償)するための各温度センサにおける補正量(補償量)TOFFSETが決まる。
なお、ここで、S202からS210の制御処理は、特定運転状態検出手段S201によって検出される運転領域でエンジン1が運転されているとき、燃焼温度検出手段60により検出される燃焼状態を表す代表値(認識温度)の偏差に応じて、代表値を補正する補正量を決める代表値補正手段を構成する。
次に、本実施形態の作用効果を説明すると、(1)燃焼室内の燃焼状態を検出または推定する燃焼状態検出手段として、燃焼温度を検出する温度検出手段としての温度センサ60(60a、60b、60c、60d)を有するものにおいて、ECU100は、
各気筒の燃焼室内の発熱量が略等しくなる運転領域でエンジン1が運転されていることを特定運転状態検出手段S201により検出されるとき、温度センサ60a、60b、60c、60dで検出される各気筒の燃焼状態を表す代表値としての認識温度(詳しくは、最高燃焼温度)の偏差に応じて、その代表値(認識温度)を補正する補正量を決める代表値補正手段を有するので、燃焼状態を検出する温度センサ60a、60b、60c、60dの温度検出のばらつき補正が可能である。
各気筒の燃焼室内の発熱量が略等しくなる運転領域でエンジン1が運転されていることを特定運転状態検出手段S201により検出されるとき、温度センサ60a、60b、60c、60dで検出される各気筒の燃焼状態を表す代表値としての認識温度(詳しくは、最高燃焼温度)の偏差に応じて、その代表値(認識温度)を補正する補正量を決める代表値補正手段を有するので、燃焼状態を検出する温度センサ60a、60b、60c、60dの温度検出のばらつき補正が可能である。
さらに、特定運転状態検出手段によって上記運転領域(詳しくは、FCCB制御が行なわれるアイドル安定状態)(以下、特定領域とも呼ぶ)にあることを認識する度に、繰り返し学習して、燃焼状態を表す燃焼温度を検出する温度センサ60a、60b、60c、60dのばらつき補正ができる。これにより、全気筒の温度センサ60a〜60dのばらつき補正(補償)するための各温度センサにおける補正量(補償量)TOFFSETを繰り返し学習することが可能である。
したがって、検出機器としての温度センサ60a、60b、60c、60dの個体差や経時変化に係わらず、各気筒の燃焼状態を表す認識温度(最高燃焼温度)を精度よく検出することが可能である。
(2)本実施形態では、燃焼状態検出手段による燃焼状態の検出または推定は、燃焼室内の燃焼温度に基いて推定する。燃焼状態検出手段は、その燃焼温度を検出する温度検出手段としての温度センサ60a、60b、60c、60dを備えるので、燃焼状態の検出または推定する方法として、燃焼状態を表す代表値としての認識温度(最高燃焼温度)を温度センサ60a、60b、60c、60dで行なうとき、温度センサ60a、60b、60c、60d自体の温度検出ばらつきを気筒間で補償することが可能である。
(3)本実施形態では、燃焼状態を表す代表値は、燃焼温度の最高値つまり最高燃焼温度である。気筒毎に発生する最高燃焼温度の偏差に応じて、最高燃焼温度を感知する検出器としての温度センサ60a、60b、60c、60dの感知ばらつきを所定の補正量にて補正することができる。例えば、燃焼状態を表す代表値として最高燃焼温度を監視し、所定の許容最高燃焼温度を超えないように燃焼温度を制御する場合、精度よく最高燃焼温度を監視できる。
(4)特定運転状態検出手段によって検出される運転領域がアイドル安定状態にあるとき、各気筒の回転速度変動を検出する検出手段と、各気筒毎の回転速度変動の偏差に応じて、気筒間の回転速度変動を平滑化するように各気筒の燃料噴射量を補正する不均量補償制御手段いわゆるFCCB制御手段を備えていることが好ましい。これによると、不均量補償制御手段によって各気筒の燃焼室内で発生する発生熱量が略等しくなるように各気筒への燃料噴射量を個々に補正することができるので、温度センサ60a、60b、60c、60dの検出ばらつきを補償するための燃焼室内の燃焼状態として、気筒間の発熱量を略等しく設定できるため、温度センサ60a、60b、60c、60dの認識温度を容易に補正することができる。
(第2の実施形態)
以下、本発明を適用した他の実施形態を説明する。なお、以下の実施形態においては、第1の実施形態と同じもしくは均等の構成には同一の符号を付し、説明を繰返さない。
以下、本発明を適用した他の実施形態を説明する。なお、以下の実施形態においては、第1の実施形態と同じもしくは均等の構成には同一の符号を付し、説明を繰返さない。
第2の実施形態では、第1の実施形態で説明した特定運転領域(詳しくはFCCB制御による補正制御を行なう運転領域)を認識して燃焼状態を表す燃焼温度を検出する温度センサ60a、60b、60c、60dの検出ばらつきを補正したが、図3、図4に示すように、特定運転領域にないときつまりFCCB制御による補正制御に適さない運転状態にあるときには、各温度センサ60a、60b、60c、60dの検出する各気筒の燃焼温度(詳しくは排気温度)に係わる出力値に基いてこれら出力値が略等しくなるように各気筒の燃料噴射量を補正する。図3は、本実施形態における各気筒間の噴射量に係わるばらつきを補正する制御処理を示すフローチャートである。図4は、図3中のFCCB制御による補正制御に適さない運転状態にあるときに実施する噴射量補正と各気筒の排気温度の関係を説明するグラフである。
図3に示すように、特定運転領域、および特定運転領域以外の運転状態すなわちFCCB制御による補正制御に適さない運転状態では、それぞれ、FCCB制御による燃料噴射量の補正、温度センサ60a、60b、60c、60dの燃焼温度検出による各気筒の燃焼温度(以下、排気温度と呼ぶ)の平均値とこれら排気温度の偏差に基いて燃料噴射量の補正が行なわれる。なお、ここで、特定運転領域にてFCCB制御により燃料噴射量を補正する制御処理S302は、補正手段(以下、第1の補正手段と呼ぶ)を構成し、特定運転領域以外の運転状態にて温度センサ60a、60b、60c、60dの検出による各気筒の排気温度の平均値とこれら排気温度の偏差に基いて燃料噴射量を補正する制御処理S303〜S305は、第2の補正手段を構成する。
なお、詳しくは、図3に示すように、S301では、エンジン1の運転状態が特定運転領域(低回転領域等のアイドル安定状態)か否かを判定する。言い換えると、S301では、各気筒の燃料噴射量ばらつきを補正する手段として、第1の補正手段S302および第2の補正手段S303〜S305のうちいずれの手段を用いるべき運転状態にあるかを判定する。エンジンの運転状態が特定運転領域にあるならば、S302へ移行し第1の補正手段を行なう。逆に、エンジンの運転状態が特定運転領域にないならば、S303へ移行し第2の補正手段を行なう。
S302では、FCCB制御による制御処理を実施する。なお、FCCB制御(気筒別制御手段)については第1の実施形態で説明したので、詳細説明は省略する。
S303では、温度センサ60a、60b、60c、60dにより各気筒の排気温度Tobを所定の一定時間の間、測定する。なお、各気筒の排気温度Tobは、図4に示すように、便宜上、例えば第1気筒(1cyl)をTob1、第2気筒(2cyl)をTob2、第3気筒(3cyl)をTob3、第4気筒(4cyl)をTob4、および各気筒の排気温度の平均値をTobxとする。なお、一実施例では、図4に示すように、温度センサ60a、60b、60c、60dにより検出された各気筒の排気温度は、Tob3>Tob2>Tob1>Tob4の関係にあり、Tob1はTobxとほぼ等しい。
S304では、排気温度の平均値Tobxと各気筒の排気温度Tob1、Tob2、Tob3、Tob4の偏差に応じて燃料噴射量を増減させる。図4に示すように、Tob1は平均値Tobxにほぼ等しいため、燃料噴射量の補正は実施されない。Tob2、Tob3は平均値Tobxより高いため、平均値との偏差に応じて燃料噴射量が減らされる。逆に、Tob4は平均値Tobxより低いため、平均値との偏差に応じて燃料噴射量が増やされる。なお、S304では少なくとも4気筒のうちいずれかが補正される。本実施例では、まず、第1の気筒(1cyl)が補正されるものとする。
S305では、S304の制御処理で全気筒分の燃料噴射量の補正が完了したか否かを判定する。全気筒分の補正が完了していないならば、S304へ移行する。逆に全気筒分の補正が完了しているならば、当該制御処理を終了する。なお、全気筒分の燃料噴射量の補正が完了していない間は、例えば第2の気筒(2cyl)、第3の気筒(3cyl)、第4の気筒(4cyl)の順で、第2の補正手段による燃料噴射量の補正が順次行なわれるように、S304およびS305の制御処理を繰り返し行なう。
なお、図3に示すように、S302を制御処理をする度に、S200の制御処理による温度センサ60a、60b、60c、60dの検出ばらつきを補償すること好ましい。S302のECCB制御による制御処理の実施回数が所定回数(例えば5回)に達する度に、S200の制御処理を行なってもよい。なお、ここで、S200の制御処理は、第1の実施形態で説明した制御処理S201〜S211のうち、S202〜S211の制御処理を備えている。S301の制御処理がS201の制御処理に対応している。
なお、ここで、エンジン1の回転変動は回転速度(NE)が高くなるほど大きくなるため、燃焼後(詳しくは、爆発行程中)の最高回転数、あるいはその行程中の最高回転速度と最低回転速度とから求まる回転速度変動等の回転変動に係わる第1の補正手段(FCCB制御)を実行する特定運転領域は、回転速度が比較的低い低回転領域、アイドル運転状態などのアイドル安定状態にある領域に制約される。第1の補正手段S302、および第2の補正手段S303〜S305がそれぞれ実行される運転領域は、それぞれ低回転領域、アイドル安定状態などの特定運転領域、特定運転領域以外の運転領域(FCCB制御による補正制御に適さない運転領域)であり、概ね、低回転速度領域、高回転速度領域である。
以上説明した制御処理を有する内燃機関用燃料噴射制御装置の作動を、以下図4に従って説明する。エンジン1の運転状態が特定運転領域にあるとき(S301の判定でYESのとき)には、第1の補正手段としてのFCCB制御の制御処理S302を実施する。第1の補正手段S302では、回転変動を、例えば各気筒の爆発行毎の最高回転数と最低回転数とから検出し、各気筒毎の回転速度変動の検出値と前記気筒の回転速度変動の平均値とから、気筒間の回転速度変動の偏差を算出する。そして、算出した気筒間の回転速度変動の偏差に応じて、各気筒の燃料噴射量は、最適な燃料噴射量に個々に補正され、その結果、エンジン1に悪影響を与えない回転変動の範囲内で、各気筒の燃料噴射量ばらつきが小さくなる。一方、エンジン1の運転状態が特定運転領域以外の運転状態にあるとき(S301の判定でNOのとき)には、第2の補正手段としての制御処理S303〜S305を実施する。第2の補正手段S303〜S305では、各気筒に設けられている温度センサ60a、60b、60c、60dが検出した出力値から、各気筒の排気温度Tob1、Tob2、Tob3、Tob4が検出または推定される。温度センサ60a、60b、60c、60dが検出した各気筒の排気温度Tob1、Tob2、Tob3、Tob4とこれら排気温度の平均値Tobxとの偏差に応じて、各気筒の燃料噴射量は、最適な燃料噴射量に個々に補正され、その結果、エンジン1に悪影響を与えない排気温度の範囲内で、各気筒の燃料噴射量ばらつきが小さくなる。
さらに、特定運転領域において、温度センサ60a、60b、60c、60dの検出ばらつきが補償されるので、温度センサ60a、60b、60c、60dの個体差、経時変化に係わらず、第2の補正手段S303〜S305を実行する際に各気筒の燃焼状態に係わる代表値Tob1、Tob2、Tob3、Tob4を精度よく検出することができる。
次に、本実施形態の作用効果を説明すると、(1)特定運転領域にないときつまりFCCB制御による補正制御が適さない運転領域にあるときに、温度センサ60a、60b、60c、60dにより検出された各気筒の排気温度等に係わる出力値Tob1、Tob2、Tob3、Tob4に基いて、これら出力値が略等しくなるように、燃料噴射量を補正する第2の補正手段S303〜S305を有する。その結果、特定運転領域(低回転速度領域などのアイドル安定状態)、および特定運転領域以外の高回転速度領域等の状態において、それぞれ第1の補正手段S302、第2の補正手段S303〜S305を実行することで、各気筒の燃料噴射量のばらつきが小さくなるように補正される。
なお、第1の補正手段S302では、例えば燃焼後の最高回転数を等しくなるようにすることで回転変動によるエンジン1への悪影響が抑制される。また、第2の補正手段S303〜305では、排気温度の平均値Tobxと各気筒の排気温度Tob1、Tob2、Tob3、Tob4との偏差に基いて補正されるので、エンジン1が損傷する過度な燃焼最高温度に達しないように排気温度Tob1、Tob2、Tob3、Tob4が抑制される。
したがって、温度センサ60a、60b、60c、60dなどの検出機器の個体差、経時変化に係わらず、各気筒の燃焼状態に係わる代表値Tob1、Tob2、Tob3、Tob4を精度よく検出可能であるとともに、運転される全回転域にてエンジン1に悪影響を与えることなく、精度よく気筒間の燃料噴射量ばらつきを小さくすることが可能である。
(2)なお、言い換えると、特定運転領域、および特定運転領域以外の領域すなわちFCCB制御による補正制御が適さない運転領域において、それぞれ、第1の補正手段S302により各気筒の燃焼室内の発熱量が略等しくなるように燃料噴射量が補正され、第2の補正手段S303〜305により各気筒の排気温度などの燃焼状態に係わる代表値Tob1、Tob2、Tob3、Tob4が等しくなるように燃料噴射量が補正される。その結果、特定運転領域および特定運転領域以外の領域、すなわち全回転域にて、エンジン1に悪影響を与えることなく、精度よく気筒間の燃料噴射量ばらつきが小さくなるように補正される。
(3)特定運転領域、および特定運転領域以外の領域では、それぞれ第1の補正手段S302、第2の補正手段S303〜S305を実行することで、各気筒の燃料噴射量のばらつきが小さくなるように補正される。さらに、第2の補正手段を実行しない特定運転領域では、温度センサ60a、60b、60c、60dの検出ばらつきが補償されるので、温度センサ60a、60b、60c、60dの個体差、経時変化に係わらず、第2の補正手段S303〜S305を実行する際に各気筒の燃焼状態に係わる代表値Tob1、Tob2、Tob3、Tob4を精度よく検出することができる。したがって、温度センサ60a、60b、60c、60dなどの検出機器の個体差、経時変化に係わらず、各気筒の燃焼状態に係わる代表値Tob1、Tob2、Tob3、Tob4を精度よく検出できるとともに、運転される全回転域にてエンジン1に悪影響を与えることなく、精度よく気筒間の燃料噴射量ばらつきを小さくすることができる。
(その他の実施形態)
以上説明した本実施形態では、燃焼状態を表す代表値を検出する検出手段として温度センサ60a、60b、60c、60dを用いるものとして説明したが、燃焼温度を検出する温度センサ60に代えて、筒内圧力を検出する圧力センサを用いてもよい。各気筒に設けられた圧力センサの認識圧力(例えば最高筒内圧力)の偏差に応じて、代表値補正手段S202〜S210によって認識圧力を補正する補正量を決めることが可能である。
以上説明した本実施形態では、燃焼状態を表す代表値を検出する検出手段として温度センサ60a、60b、60c、60dを用いるものとして説明したが、燃焼温度を検出する温度センサ60に代えて、筒内圧力を検出する圧力センサを用いてもよい。各気筒に設けられた圧力センサの認識圧力(例えば最高筒内圧力)の偏差に応じて、代表値補正手段S202〜S210によって認識圧力を補正する補正量を決めることが可能である。
なお、この場合、燃焼状態検出手段による燃焼状態の検出または推定は、燃焼室内の筒内圧力に基いて推定する。燃焼状態検出手段は、その筒内圧力を検出する圧力検出手段としての気筒数に応じた圧力センサを備えるので、燃焼状態の検出または推定する方法として、燃焼状態を表す代表値としての認識圧力(例えば最高筒内圧力)を複数の圧力センサで行なうとき、これら圧力センサ自体の圧力検出ばらつきを気筒間で補償することが可能である。
以上説明した本実施形態では、温度センサ60a、60b、60c、60dによって検出される代表値として、最高燃焼温度を使用するものとして説明したが、エンジン1の膨張行程中の平均値としてもよい。不均量補償制御手段によって各気筒の燃焼室内で発生する発生熱量が略等しくなるように各気筒への燃料噴射量が個々に補正される運転領域にて、認識温度の補正が行なわれるため、認識温度として、エンジン1の膨張行程中の平均値を補正することもできる。
以上説明した本実施形態では、上記運転領域として、アイドル安定状態であって、FCCB制御手段によるFCCB制御中としてが、アイドル安定状態でなくとも、FCCB制御により回転速度変動が平滑化した後に所定時間の燃焼状態を表す燃焼温度または筒内圧力の代表値(最高値等)が安定した運転状態あれば、同様に、燃焼状態を検出または推定する燃焼状態検出手段が使用する検出機器の検出ばらつきを気筒間で補償することが可能である。
以上説明した本実施形態では、各気筒の燃焼室内で発生する発生熱量が略等しくなるように各気筒への燃料噴射量を個々に補正する方法として、FCCB制御手段を用いて、気筒別に噴射制御したが、FCCB制御手段は、エンジン1のアイドル運転等のアイドル安定状態にあるときに、各気筒の爆発行程毎の回転速度変動を検出し、各気筒毎の回転速度変動の検出値と前記気筒の回転速度変動の平均値とを比較し、気筒間の回転速度変動を平滑化するように、各気筒への最適な燃料噴射量を、気筒毎に調整(補正)するものに限らず、各気筒の噴射による燃焼後の最高回転数を気筒間にて略等しくなるように燃料噴射量を補正するものであってもよい。
以上説明した本実施形態では、エンジン1が損傷する過度な燃焼最高温度に達しないように燃焼状態を管理するための燃焼状態を表す代表値として、排気温度Tob1、Tob2、Tob3、Tob4で説明したが、排気温度に限らず、爆発行程中の燃焼最高温度、あるいは燃焼平均温度であってもよい。
1 エンジン(内燃機関)
2 インジェクタ(燃料噴射弁、電磁式燃料噴射弁)
3 サプライポンプ(高圧供給ポンプ、燃料供給ポンプ)
7 吸入調量弁
17 コモンレール(蓄圧室)
60(60a、60b、60c、60d) 温度センサ(温度検出手段)
100 ECU(エンジン制御ユニット、制御手段、補正手段)
2 インジェクタ(燃料噴射弁、電磁式燃料噴射弁)
3 サプライポンプ(高圧供給ポンプ、燃料供給ポンプ)
7 吸入調量弁
17 コモンレール(蓄圧室)
60(60a、60b、60c、60d) 温度センサ(温度検出手段)
100 ECU(エンジン制御ユニット、制御手段、補正手段)
Claims (11)
- 内燃機関の各気筒に搭載され、前記気筒に燃料を噴射供給する燃料噴射弁と、
前記燃料噴射弁に燃料を加圧して圧送する燃料供給手段と、
前記内燃機関の運転状態に応じて燃料噴射量を決定する噴射量決定手段と、
前記気筒内状態を検出する検出手段と、
前記各気筒の噴射による燃焼後の最高回転数を前記気筒間にて略等しくなるように前記燃料噴射量を補正する補正手段とを備え、
前記補正手段により前記各気筒へ補正された前記燃料噴射量が供給されるとき、
前記検出手段の検出による出力値を、前記各気筒間で等しくなるように出力補正することを特徴とする内燃機関用燃料噴射制御装置。 - 内燃機関の各気筒に搭載され、前記気筒に燃料を噴射供給する燃料噴射弁と、
前記燃料噴射弁に燃料を加圧して圧送する燃料供給手段と、
前記内燃機関の運転状態に応じて燃料噴射量を決定する噴射量決定手段と、
前記気筒内の燃焼状態を検出する検出手段と、
前記各気筒の噴射による発熱量が前記気筒間で略等しくなるように前記燃料噴射量を補正させる運転領域にて、前記内燃機関が運転されていることを検出する特定運転状態検出手段と、
前記特定運転状態検出手段によって検出される前記運転領域で前記内燃機関が運転されているとき、
前記検出手段で検出される前記燃焼状態に係わる代表値の偏差に応じて、前記代表値を補正する補正量を決める代表値補正手段とを備えていることを特徴とする内燃機関用燃料噴射制御装置。 - 前記検出手段により検出される前記燃焼状態に係わる代表値は、前記燃焼室内の燃焼温度および前記燃焼室内の筒内圧力のうちのいずれかに基く出力特性であることを特徴とする請求項2に記載の内燃機関用燃料噴射制御装置。
- 前記検出手段は、前記燃焼温度を検出する温度検出手段を備えることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の内燃機関用燃料噴射制御装置。
- 前記検出手段は、前記筒内圧力を検出する圧力検出手段を備えることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の内燃機関用燃料噴射制御装置。
- 前記代表値は、前記燃焼温度および前記筒内圧力のうちいずれかにおける最高値または膨張行程中の平均値であることを特徴とする請求項2に記載の内燃機関用燃料噴射制御装置。
- 前記運転領域はアイドル安定状態であって、
前記各気筒の回転速度変動を検出する回転速度変動検出手段と、
前記運転領域がアイドル安定状態にあるときに、前記各気筒毎の回転速度変動の偏差に応じて、前記気筒間の回転速度変動を平滑化するように前記各気筒の前記燃料噴射量を補正する不均量補償手段とを備えていることを特徴とする請求項2から請求項6のいずれか一項に記載の内燃機関用燃料噴射制御装置。 - 請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の内燃機関用燃料噴射制御装置において、
前記内燃機関が、前記補正手段による補正制御が適さない運転状態にあるときに、前記各気筒の前記出力値に基いてこれら出力値が略等しくなるように、前記燃料噴射量を補正する第2の補正手段を有することを特徴とする内燃機関用燃料噴射制御装置。 - 請求項2から請求項7のいずれか一項に記載の内燃機関用燃料噴射制御装置において、
前記特定運転状態検出手段により検出される前記運転状態以外の領域にあるときに、前記検出手段で検出される前記各気筒の前記代表値に基いてこれら代表値が略等しくなるように、前記燃料噴射量を補正する第2の補正手段を有することを特徴とする内燃機関用燃料噴射制御装置。 - 内燃機関の各気筒に搭載され、前記気筒に燃料を噴射供給する燃料噴射弁と、
前記燃料噴射弁に燃料を加圧して圧送する燃料供給手段と、
前記内燃機関の運転状態に応じて燃料噴射量を決定する噴射量決定手段と、
前記気筒内の燃焼状態を検出する検出手段と、
前記各気筒の噴射による燃焼後の最高回転数を前記気筒間で略等しくなるように前記燃料噴射量を補正する補正手段と、
前記補正手段を実行する運転領域にて前記内燃機関が運転されていることを検出する特定運転状態検出手段と、
前記特定運転状態検出手段により検出される前記運転領域以外の領域にあるときに、前記検出手段で検出される前記各気筒の前記代表値に基いてこれら代表値が略等しくなるように、前記燃料噴射量を補正する第2の補正手段とを備えていることを特徴とする内燃機関用燃料噴射制御装置。 - 前記特定運転状態検出手段によって検出される前記運転領域で前記内燃機関が運転されているとき、
前記検出手段で検出される前記燃焼状態に係わる代表値の偏差に応じて、前記代表値を補正する補正量を決める代表値補正手段とを備えていることを特徴とする請求項10に記載の内燃機関用燃料噴射制御装置。
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JP2004113503A JP2005226631A (ja) | 2004-01-16 | 2004-04-07 | 内燃機関用燃料噴射制御装置 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2013204583A (ja) * | 2012-03-29 | 2013-10-07 | Osaka Gas Co Ltd | エンジン及びその燃料供給方法 |
JP2015140664A (ja) * | 2014-01-27 | 2015-08-03 | マツダ株式会社 | 燃料噴射制御装置 |
-
2004
- 2004-04-07 JP JP2004113503A patent/JP2005226631A/ja active Pending
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