JP2005226230A - 視覚障害者用手摺り - Google Patents

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Abstract

【課題】識字量にかかわらず、進行すべき方向の変化をその手前で確実に知り得ることができ、且つ見栄えが良い視覚障害者用手摺りを提供すること。
【解決手段】視覚障害者用手摺りに関して、長手方向に凸部(周突起11)又は凹部(周溝10)が断続的に配置されており、延びる方向が変化する屈曲部分の前後位置では、凸部(周突起11)又は凹部(周溝10)の密度が高くなっている。延びる方向が変化する屈曲部分の前後位置において、屈曲部分に近づくにつれ徐々に又は凸部(周突起11)又は凹部(周溝10)の密度が高くなっていくようにしてある。
【選択図】図1

Description

この発明は、視覚障害者用手摺りに関するものである。
階段等の比較的危険な場所において安全に視覚障害者を誘導・案内する手段として、従来から手摺りが用いられている。
従来は上記手摺りの表面に点字を配設(点字を付与したシールを貼り付け又は点字ピンを打ち込む)し、これにより視覚障害者が自分がいる場所や行き先等の情報を知り得るようにしていた(例えば、特許文献1。)。
しかしながら、視覚障害者でも点字の知識は個人差があり、聴覚情報が多い現在では、その識字率も益々低下しているのが実情である。さらに、上記のような点字では、前方の状況、つまり自分自身が階段の手前にいること、曲がり角の手前にいることや、少し先で手摺りがなくなることの情報を得ることができず、視覚障害者には手摺りがあるにもかかわらず常に危険が付きまとっていた。
したがって、視覚障害者の間では、識字量にかかわらず、進行すべき方向の変化を確実に知り得るような視覚障害者用手摺りが開発することを待ち望んでいる。
なお、この種の手摺りは屋内は勿論、屋外にも設置されるべきものであるから、見栄えが悪いものは好まれない。
実開平5−69776号公報
そこで、この発明では識字量にかかわらず、進行すべき方向の変化をその手前で確実に知ることができ、且つ見栄えが良い視覚障害者用手摺りを提供することを課題とする。
(請求項1記載の発明)
この発明は、延びる方向が変化する屈曲部分の前後位置では、凸部又は凹部を設けてある。
(請求項2記載の発明)
この発明は、長手方向に凸部又は凹部が断続的に配置されており、延びる方向が変化する屈曲部分の前後位置では、他の部分より凸部又は凹部の密度が高くなっている。
(請求項3記載の発明)
この発明は、請求項1又は2記載の発明に関し、延びる方向が変化する屈曲部分から450〜1500mm前後では凸部又は凹部の密度が高くなっている。
(請求項4記載の発明)
この発明は、請求項1乃至3のいずれかに記載の発明に関し、延びる方向が変化する屈曲部分の前後位置において、屈曲部分に近づくにつれ徐々に凸部又は凹部の密度が高くなっていくようにしてある。
(請求項5記載の発明)
この発明は、エンド部の手前位置では、凸部又は凹部を設けてある。
(請求項6記載の発明)
この発明は、長手方向に凸部又は凹部が断続的に配置されており、エンド部の手前位置では、それまでの部分より凸部又は凹部の密度が高くなっている。
(請求項7記載の発明)
この発明は、請求項5又は6記載の発明に関し、エンド部から450〜1500mmまでの間では凸部又は凹部の密度が高くなっている。
(請求項8記載の発明)
この発明は、請求項5乃至7のいずれかに記載の発明に関し、エンド部の手前位置において、エンド部に近づくにつれ徐々に凸部又は凹部の密度が高くなっていくようにしてある。
(請求項9記載の発明)
この発明は、請求項1乃至8のいずれかに記載の発明に関し、凸部又は凹部は、断面形状において略上半分又は全周に形成されている。
上記発明の視覚障害者用手摺りは、識字量にかかわらず、進行すべき方向の変化をその手前で確実に知ることができ、且つ見栄えが良い。
以下にこの発明の視覚障害者用手摺りを実施するための最良の形態としての実施例について詳細に説明する。
図1はこの実施例1の視覚障害者用手摺り1を建物Tに沿って設置した状態の上面図、図2は前記視覚障害者用手摺り1の断面図、図3は前記視覚障害者用手摺り1の斜視図を示している。
(視覚障害者用手摺り1の基本的構成について)
この視覚障害者用手摺り1は、図1〜3に示すように、パイプにより形成された手摺りの延びる方向を、建物Tの角部Kに合わせて90°方向に屈曲させてあり、またパイプ周面には長手方向に周溝10(凹部)が間隔を設けて断続的に配置されている。ここで、図1に示す(a点〜o点)及び(b点〜o点)の範囲、すなわち角部Kから1000mm(450〜1500mmの範囲にできる)前後の範囲Xでは、隣合う周溝10,10相互間長さは70mm(5〜150mmの範囲にできる)に設定してあると共に、それ以外の直線部分(a点からA側)及び(b点からB側)では隣合う周溝10,10相互間長さを前者と区別が可能な2倍程度の寸法に設定してある。
なお、この視覚障害者用手摺り1は、図2に示すように、建物Tの壁面にボルト止めされた受け部材2により受け止められている。
(視覚障害者用手摺り1の優れた効果について)
視覚障害者Mは、障害者用手摺り1を手で掴みながら歩いていくと、a点においてそれまでと周溝10,10相互間長さが相違していることを触覚的に感じとり、少し先に曲がり角があることに気づく。そこで、視覚障害者Mは歩く速度をおとして注意をしながら前進することになる。つまり、この視覚障害者用手摺り1では、視覚障害者Mは少し先が角部Kであることを事前に認知することができ、転倒等の危険を回避することができる。
逆の方向に向かって歩いている場合は、視覚障害者Mの手が手摺りのb点にきたときには、少し先に曲がり角があることに気づく。
図4はこの実施例2の視覚障害者用手摺り1を階段Sに設置した状態の正面図を示している。
この視覚障害者用手摺り1は、図4に示すように、パイプにより形成された手摺りの延びる方向を、階段の傾斜角に合わせて屈曲させてあり、またパイプ周面には長手方向に周溝10(凹部)が間隔を設けて断続的に配置されている。ここで、図4に示す(c点〜o点)及び(d点〜o点)の範囲、すなわち屈曲部o点から1000mm(450〜1500mmの範囲にできる)前後の範囲Yでは、隣合う周溝10,10相互間長さは70mm(5〜150mmの範囲にできる)に設定してあると共に、それ以外の直線部分(a点からA側)及び(b点からB側)では隣合う周溝10,10相互間長さを前者と区別が可能な2倍程度の寸法に設定してある。
(視覚障害者用手摺り1の優れた効果について)
視覚障害者Mは、障害者用手摺り1を掴みながら歩いていくと、c点においてそれまでと周溝10,10相互間長さが相違していることを触覚的に感じとり、少し先に曲がり階段の降り始めがあることに気づく。そこで、視覚障害者Mは歩く速度をおとして注意をしながら前進することになる。つまり、この視覚障害者用手摺り1では、視覚障害者Mは少し先が階段の降り始めになることを事前に認知することができ、転倒等の危険を回避することができる。
逆に、D側から階段を登ってきた場合では、d点において視覚障害者Mはそれまでと周溝10,10相互間長さが相違していることを触覚的に感じとり、少し先で階段の登りが終了することに気づく。
図5はこの実施例3の視覚障害者用手摺り1を建物Tに沿って設置した状態の上面図を示している。
この視覚障害者用手摺り1では、図5に示すように、エンド部Eの手前位置1000mm(450〜1500mmの範囲にできる)では、周溝10の密度を高くしてある。ここで、周溝10,10相互間長さは、図5に示す(a点〜e点)の範囲では70mm(5〜150mmの範囲にできる)に、それ以外の直線部分(a点からA側)では前者と区別が可能な2倍程度の寸法に設定してある。
この視覚障害者用手摺り1によると、視覚障害者はエンド部Eの手前位置1000mm程度で、エンド部Eの存在を感じ取ることができ、転倒等の危険を回避することができる。
この視覚障害者用手摺り1は基本的には実施例1〜3とほぼ同様であるが、図6に示す如く周溝10に変えて上半分の周突起11を採用しており、前記周突起11,11相互間距離を、上記実施例1、2の周溝10,10と同じ間隔に設定している。
なお、周突起11は全周形成されたものでもよい。
要するに、手摺り1におけるパイプの上半分のうち少なくとも頂部に上記実施例1、2の周溝10,10と同じ間隔で凸部を設けるようにすればよいのである。
(その他)
上記実施例1、2の視覚障害者用手摺り1において、周溝10はパイプの上半分に形成されたものでもよく、さらには、パイプの上半分のうち少なくとも頂部に上記実施例1、2の周溝10,10と同じ間隔で凸部を設けるようにしてもよい。
上記実施例1、2に変えて、延びる方向が変化する屈曲部分の前後位置において、屈曲部分に近づくにつれ徐々に凸部(略上半分の周突起、全周の周突起、頂部の突起)又は凹部(略上半分の周溝、全周の周溝、頂部の凹み)の密度が高くなっていくようにしてあるものとすることができる。
上記した実施例等における凸部(略上半分の周突起、全周の周突起、頂部の突起)の突出寸法又は凹部(略上半分の周溝、全周の周溝、頂部の凹み)の深さ寸法は、0.5〜5mmに設定してある。
上記した全ての実施例において、延びる方向が変化する屈曲部分の前後位置(450〜1500mm)以外の部分や、エンド部の手前位置(450〜1500mm)以外の部分に、凸部(略上半分の周突起、全周の周突起、頂部の突起)又は凹部(略上半分の周溝、全周の周溝、頂部の凹み)を設けていないものとすることができる。
この実施例1の視覚障害者用手摺りを建物に沿って設置した状態の上面図。 前記視覚障害者用手摺りの断面図。 前記視覚障害者用手摺りの斜視図。 この実施例2の視覚障害者用手摺りを階段に設置した状態の正面図。 この実施例3の視覚障害者用手摺りを階段に設置した状態の正面図。 この実施例4の視覚障害者用手摺りの斜視図。
符号の説明
K 角部
S 階段
1 視覚障害者用手摺り
10 周溝(凹部)
11 周突起(凸部)

Claims (9)

  1. 延びる方向が変化する屈曲部分の前後位置では、凸部又は凹部を設けてあることを特徴とする視覚障害者用手摺り。
  2. 長手方向に凸部又は凹部が断続的に配置されており、延びる方向が変化する屈曲部分の前後位置では、他の部分より凸部又は凹部の密度が高くなっていることを特徴とする視覚障害者用手摺り。
  3. 延びる方向が変化する屈曲部分から450〜1500mm前後では凸部又は凹部の密度が高くなっていることを特徴とする請求項1又は2記載の視覚障害者用手摺り。
  4. 延びる方向が変化する屈曲部分の前後位置において、屈曲部分に近づくにつれ徐々に凸部又は凹部の密度が高くなっていくようにしてあることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の視覚障害者用手摺り。
  5. エンド部の手前位置では、凸部又は凹部を設けてあることを特徴とする視覚障害者用手摺り。
  6. 長手方向に凸部又は凹部が断続的に配置されており、エンド部の手前位置では、それまでの部分より凸部又は凹部の密度が高くなっていることを特徴とする視覚障害者用手摺り。
  7. エンド部から450〜1500mmまでの間では凸部又は凹部の密度が高くなっていることを特徴とする請求項5又は6記載のの視覚障害者用手摺り。
  8. エンド部の手前位置において、エンド部に近づくにつれ徐々に凸部又は凹部の密度が高くなっていくようにしてあることを特徴とする請求項5乃至7のいずれかに記載の視覚障害者用手摺り。
  9. 凸部又は凹部は、断面形状において略上半分又は全周に形成されていることを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の視覚障害者用手摺り。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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EP2823797A1 (en) * 2013-07-09 2015-01-14 Airbus Operations GmbH Orientation for visually impaired passengers on-board a vehicle
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