JP2005226155A - 耐食性,耐アルカリ性に優れた化成処理鋼板 - Google Patents

耐食性,耐アルカリ性に優れた化成処理鋼板 Download PDF

Info

Publication number
JP2005226155A
JP2005226155A JP2004239889A JP2004239889A JP2005226155A JP 2005226155 A JP2005226155 A JP 2005226155A JP 2004239889 A JP2004239889 A JP 2004239889A JP 2004239889 A JP2004239889 A JP 2004239889A JP 2005226155 A JP2005226155 A JP 2005226155A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
chemical conversion
steel sheet
valve metal
corrosion resistance
film
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2004239889A
Other languages
English (en)
Inventor
Shigeyasu Morikawa
茂保 森川
Masanori Matsuno
雅典 松野
Shinya Furukawa
伸也 古川
Koichiro Ueda
耕一郎 上田
Hirobumi Taketsu
博文 武津
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Steel Nisshin Co Ltd
Original Assignee
Nisshin Steel Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nisshin Steel Co Ltd filed Critical Nisshin Steel Co Ltd
Priority to JP2004239889A priority Critical patent/JP2005226155A/ja
Publication of JP2005226155A publication Critical patent/JP2005226155A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C23COATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; CHEMICAL SURFACE TREATMENT; DIFFUSION TREATMENT OF METALLIC MATERIAL; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL; INHIBITING CORROSION OF METALLIC MATERIAL OR INCRUSTATION IN GENERAL
    • C23CCOATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; SURFACE TREATMENT OF METALLIC MATERIAL BY DIFFUSION INTO THE SURFACE, BY CHEMICAL CONVERSION OR SUBSTITUTION; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL
    • C23C22/00Chemical surface treatment of metallic material by reaction of the surface with a reactive liquid, leaving reaction products of surface material in the coating, e.g. conversion coatings, passivation of metals
    • C23C22/05Chemical surface treatment of metallic material by reaction of the surface with a reactive liquid, leaving reaction products of surface material in the coating, e.g. conversion coatings, passivation of metals using aqueous solutions
    • C23C22/06Chemical surface treatment of metallic material by reaction of the surface with a reactive liquid, leaving reaction products of surface material in the coating, e.g. conversion coatings, passivation of metals using aqueous solutions using aqueous acidic solutions with pH less than 6
    • C23C22/40Chemical surface treatment of metallic material by reaction of the surface with a reactive liquid, leaving reaction products of surface material in the coating, e.g. conversion coatings, passivation of metals using aqueous solutions using aqueous acidic solutions with pH less than 6 containing molybdates, tungstates or vanadates
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C23COATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; CHEMICAL SURFACE TREATMENT; DIFFUSION TREATMENT OF METALLIC MATERIAL; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL; INHIBITING CORROSION OF METALLIC MATERIAL OR INCRUSTATION IN GENERAL
    • C23CCOATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; SURFACE TREATMENT OF METALLIC MATERIAL BY DIFFUSION INTO THE SURFACE, BY CHEMICAL CONVERSION OR SUBSTITUTION; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL
    • C23C22/00Chemical surface treatment of metallic material by reaction of the surface with a reactive liquid, leaving reaction products of surface material in the coating, e.g. conversion coatings, passivation of metals
    • C23C22/05Chemical surface treatment of metallic material by reaction of the surface with a reactive liquid, leaving reaction products of surface material in the coating, e.g. conversion coatings, passivation of metals using aqueous solutions
    • C23C22/60Chemical surface treatment of metallic material by reaction of the surface with a reactive liquid, leaving reaction products of surface material in the coating, e.g. conversion coatings, passivation of metals using aqueous solutions using alkaline aqueous solutions with pH greater than 8

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Metallurgy (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)
  • Chemical Treatment Of Metals (AREA)

Abstract

【課題】 加工後やアルカリ脱脂後にも化成皮膜が優れた耐食性,密着性を維持する化成処理鋼板を提供する。
【解決手段】 めっき鋼板を基材とし、有機樹脂,バルブメタル化合物,アンモニウム塩及び/又はアミン類を含む化成皮膜が基材表面に形成されており、化成皮膜中の全窒素に対するNCO基を構成する窒素の比率(窒素比)が0.8〜0.95の範囲に調整されている。バルブメタル化合物にはTi,Zr,Hf,V,Nb,Mo,W,Si,Al等の酸化物,水酸化物,フッ化物等があり、少なくとも1種が酸化性を有する酸素酸塩であることが好ましい。
【選択図】 なし

Description

本発明は、外装材,内装材,表装材,車両用鋼板等に使用され、耐食性,耐アルカリ性に優れた化成処理鋼板に関する。
外装材,内装材,表装材,車両用鋼板等に耐食性の良好なめっき鋼板が使用されているが、湿潤雰囲気,排ガス雰囲気,海塩粒子飛翔雰囲気等に長期間曝されると、めっき鋼板の表面に白錆が発生する。白錆の発生は、環境の悪化に伴い助長される傾向にあり、各種建築物の外観を著しく劣化させる原因である。
めっき鋼板をクロメート処理することにより白錆を防止できるが、クロメート処理では有害なCrイオンを含む廃液の処理にかかる負担が大きいので、Crイオンを含まない水系処理液を用いた化成処理がクロメート処理の代替として注目されている。
たとえば、活性水素含有アミノ基,エポキシ基等の反応性官能基を有するシランカップリング剤成分とベンゼン環主体の水溶性重合体からなる化成処理液が特許文献1に、コロイダルシリカ,バナジン酸アンモニウムを水溶性樹脂に配合した処理液が特許文献2に、Al,Mg,Mn等の金属イオンを水溶性樹脂に配合した処理液が特許文献3に紹介されている。
特開平9-241576号公報 特開平11-310757号公報 特開2001-192852号公報
水との相溶性を高めるため水酸基,カルボン酸基等の官能基を多量に含んでいる水系樹脂を用いて化成皮膜を形成すると、未反応の官能基が皮膜に残存しやすい。化成皮膜に残存している官能基は、めっき鋼板の加工時に使用した潤滑油を除去し、或いは加工後のめっき鋼板を表面清浄するためにアルカリ脱脂する際に脱脂剤のカチオン成分と反応しやすく、化成皮膜の溶解,剥離の原因となる。化成皮膜が溶解,剥離すると、アルカリ脱脂されためっき鋼板の耐食性が低下する。
本発明は、水溶性樹脂液から成膜された化成皮膜にアンモニウム塩及び/又はアミン類,バルブメタル化合物が共存すると耐食性,耐アルカリ性が向上するとの知見をベースとし、水酸基,カルボン酸基等の官能基で水溶性を付与した水系樹脂を含んでいるにも拘らず、加工後やアルカリ脱脂後においても化成皮膜が優れた耐食性を維持する化成処理鋼板を提供することを目的とする。
本発明の化成処理鋼板は、めっき鋼板を基材とし、有機樹脂,バルブメタル化合物,アンモニウム塩及び/又はアミン類を含む化成皮膜が基材表面に形成されており、化成皮膜中の全窒素に対するNCO基を構成する窒素の比率(窒素比)が0.8〜0.95の範囲にあることを特徴とする。
バルブメタルにはTi,Zr,Hf,V,Nb,Mo,W,Si,Alから選ばれた1種又は2種以上が使用され、酸化物,水酸化物,酸素酸塩,フッ化物等として配合される。バルブメタル化合物は、少なくとも1種が酸化性を有する酸素酸塩であることが好ましい。
水酸基,カルボキシル基等の官能基の導入で水溶性が付与された水系樹脂を含む化成皮膜は、加工後のアルカリ脱脂や表面清浄用のアルカリ脱脂で溶解しやすく、基材に対する密着性も低下しやすい。化成皮膜の溶解や密着性低下は、アルカリ脱脂液に含まれているカチオン成分と官能基のHとの置換反応に起因するものと考えられる。
カチオン成分と官能基のHとの置換反応が要因であるとすると、官能基をブロックする作用を呈する成分を化成皮膜に含ませることによって化成皮膜の溶解や密着性低下が抑えられることが予想される。かかる前提で、官能基をブロックする作用を呈する成分について種々調査・検討した結果、アンモニウム塩及び/又はアミン類が好適な成分であり、バルブメタル化合物の共存によってアンモニウム塩及び/又はアミン類の作用が高められることを見出した。
化成皮膜の溶解や密着性低下に及ぼすアンモニウム塩及び/又はアミン類,バルブメタル化合物の影響は次のように推察され、後述の実施例でも支持される。なお、以下の説明では、カルボン酸基:R-COOHを官能基とした例で説明するが、アンモニウム塩及び/又はアミン類のブロック作用は水酸基でも同様に説明できる。
カルボン酸基:R-COOHを含む水系樹脂液にアンモニウム塩,アミン類を添加すると、水溶液中で解離したアンモニウムイオン,アミンイオンがカルボン酸基と反応してアミド結合を生成する。アミド結合は、化成皮膜中のカルボン酸基をブロックし、アルカリ脱脂しても化成皮膜のカルボキシル基がアルカリ脱脂液のカチオン成分と反応せず、耐アルカリ性が向上する。反応系に共存するバルブメタル化合物は、カルボキシル基とアンモニウムイオン,アミンイオンとの反応を促進させる触媒機能を呈し、ほとんどのカルボン酸基がアンモニウム,アミンでブロックされる。触媒作用を呈するバルブメタル化合物としては、Ti,Zr,V,Moの酸化物,酸素酸塩が好適である。
R-COOH + R-NH2 → R-CO-NH-R
+ NH4 → R-CO-NH2
カルボン酸基等の極性基をブロックすると、通常は基材への密着性が低下する。しかし、カルボン酸基のブロックにアンモニウム塩,アミン類を使用すると、カルボン酸基に対して反応性があり皮膜の高分子化に常用されているオキサゾリン基含有の架橋剤と異なり、樹脂の末端にインヒビター的な作用をもつ結合を作るため、カルボン酸基の低減から懸念される密着性低下を補い、化成皮膜の耐食性、耐アルカリ性が向上する。
また、めっき層に高い反応性を示す酸化性のある酸素酸塩をバルブメタル化合物として添加することにより、基材/化成皮膜の界面にめっき成分を含む反応層が形成され、皮膜密着性,耐食性,耐アルカリ性が更に向上する。
アンモニウム塩,アミン類は、特にウレタン系の水系樹脂で耐食性,耐アルカリ性を大幅に向上させる。ウレタン系にみられる飛躍的な改善は、カルボン酸基との反応の他に、ウレタン系樹脂の末端にあるイソシアネート基とアンモニウム塩,アミンとの反応で生じたウレア結合により化成皮膜の架橋密度が上昇した結果と推察される。架橋密度の上昇は、化成皮膜の耐水性を向上させ、アルカリ脱脂液や界面活性剤の皮膜透過量を減少させる。
-R-N=C=O + R-NH2,NH4 → R-NHCONH-R
(イソシアネート基) (ウレア基)
アンモニウム塩,アミン類の高い錯体形成能,水溶性も化成皮膜の性能向上に寄与する。すなわち、化成処理液中でアンモニウム塩,アミン類がバルブメタルと錯体を形成するため、皮膜乾燥時にバルブメタル化合物が凝集せず化成皮膜に均質分散し、結果として化成皮膜の緻密性,耐水性,耐食性が向上する。
化成皮膜中で解離しているアンモニウムイオン,アミンイオンは、透過水分との反応でアンモニウム塩,アミノ化合物となって皮膜/めっき層の界面に再析出し、めっき層の腐食を抑制する。アンモニウム塩,アミノ化合物の再析出は、化成皮膜のピンホールや加工時に生じた皮膜欠陥部等を自己修復し、皮膜欠陥を介して露出するめっき層を腐食性雰囲気から保護する。
バルブメタル化合物は、アンモニウム塩,アミン類の錯体形成能により均一分散して化成皮膜を緻密化し、耐水性,耐食性を改善する。アンモニウムイオン,アミンイオンとカルボン酸基とのアミド結合を促進させる触媒作用も呈する。触媒作用の点では、V,Moの酸素酸塩が好適である。
酸化性を有する酸素酸塩は、化成皮膜のピンホールや加工時に生じた皮膜欠陥を介してめっき層が露出している部分に溶出してめっき層を酸化する作用も呈する。めっき成分とバルブメタル化合物との反応生成物でめっき層の露出部が覆われるので、化成皮膜が自己修復され、良好な耐食性が持続する。自己修復作用は、可溶性塩を作りやすいアンモニウム塩,アミン類との組合せによっても助長される。
化成処理される原板には、電気めっき,溶融めっき,蒸着めっき等で製造された亜鉛めっき鋼板,Zn-5%Al,Zn-55%Al等のZn-Alめっき鋼板,Zn-Mgめっき鋼板,Zn-Niめっき鋼板,Zn-Al-Mgめっき鋼板,Zn-Feめっき鋼板等の亜鉛系めっき鋼板だけでなく、Alめっき鋼板,Al-Siめっき鋼板,Al-Mgめっき鋼板等のAl系めっき鋼板,鉛又は鉛合金めっき鋼板,錫又は錫合金めっき鋼板等がある。溶融めっき後に合金化処理を施した合金化亜鉛めっき鋼板も、化成処理用原板に使用できる。
化成処理液は、有機樹脂,バルブメタル化合物,アンモニウム塩及び/又はアミン類を配合することにより調整される。
有機樹脂としてはウレタン系,アクリル系,エポキシ系,オレフィン系から選ばれた一種又は二種以上の水溶性又は水分散性樹脂が好ましく、なかでも有機ポリイソシアネート化合物とポリオール化合物とを反応して得られる水溶性又は水分散性のウレタン樹脂,特に自己乳化型ウレタン樹脂が好適である。
有機ポリイソシアネート化合物には、フェニレンジイソシアネート,トリレンジイソシアネート,ジフェニルメタンジイソシアネート,ナフタレンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート、シクロヘキサンジイソシアネート,イソホロンジイソシアネート,ノルボルナンジイソシアネート,キシリレンジイソシアネート,テトラメチルキシリレンジイソシアネート等の脂環族ジイソシアネートが使用される。ポリオール化合物には、ポリエステルポリオール,ポリエーテルポリオール,ポリカーボネートポリオール,ポリアセタールポリオール,ポリアクリレートポリオール,ポリブタジエン系等のポリオレフィンポリオール等がある。
化成処理液の有機樹脂濃度は、好ましくは1〜400g/lの範囲で調整される。有機樹脂濃度:1g/l以上で品質に見合った十分な膜厚を確保できるが、400g/lを超える高濃度では化成処理液の長期安定性が低下する虞がある。
バルブメタル化合物は、酸化物,酸素酸塩,水酸化物,リン酸塩,フッ化物等として配合されるが、酸化物,酸素酸塩,リン酸塩が好適である。化成処理液中でバルブメタル化合物が必ずしも可溶状態である必要はなく、シリカゾル,アルミナゾル,チタニアゾル等の処理液中で均一分散するバルブメタル化合物も使用できる。
バルブメタル化合物として酸化性のある六価モリブデン,六価タングステン,五価バナジウム等の酸化物や酸素酸塩を配合すると、化成皮膜のピンホールや加工時に生じた皮膜欠陥等を介してめっき層が露出している部分に溶出してめっき層を酸化(バルブメタル化合物は還元)し、めっき成分,バルブメタル化合物の化合物を再析出させる自己修復作用が発現する。酸素酸塩にはアンモニウム塩,アルカリ金属塩,アルカリ土類金属塩,水素酸塩等があり、特に六価モリブデン,五価バナジウムのアンモニウム塩が好適である。
バルブメタル化合物は、好ましくはバルブメタル換算0.05〜200g/lの割合で化成処理液に配合される。有機樹脂の官能基とアミン類,アンモニウム塩との反応を促進させる触媒効果は0.05g/l以上のバルブメタル化合物でみられるが、200g/lを超える過剰添加は化成処理液の長期安定性を低下させる虞がある。
アンモニウム塩にはリン酸塩,フッ化物,金属塩等を使用可能であるが、好ましくはリン酸アンモニウム,リン酸水素二アンモニウム,リン酸二水素アンモニウム等のリン酸塩やフッ化アンモニウムを使用する。アミン類には金属塩があるが、ジメチルアミン,トリメチルアミン,ジエチルアミン,トリエチルアミン等の脂肪族アミン、シクロヘキシルアミン,ヘキサメチレンジアミン等の脂環族アミン、トリエタノールアミン,イソプロパノールアミン,ジエチルエタノールアミン等のアルカノールアミンも配合できる。
アンモニウム塩,アミン類の配合量は、N換算:0.05〜50g/lの範囲で選定することが好ましい。0.05g/l以上の配合量で、有機樹脂の官能基との反応が十分に進行し、耐アルカリ性が向上する。しかし、50g/lを超えて過剰添加すると、フリーのアンモニウム塩,アミン類が多くなり、耐水性,耐食性の低下が懸念される。
有機樹脂,バルブメタル化合物,アンモニウム塩,アミン類の他に、基材との密着性を高め、更に塗装後耐食性を改善するため、官能基を多く含む多価フェノール類を化成処理液に添加しても良い。多価フェノール類には、タンニン酸,カテキン酸,フラボノイド等がある。多価フェノール類の添加効果は0.05g/l以上でみられるが、20g/lを超える過剰添加は化成処理液の安定性を低下させる。
必要に応じ、フッ素系,ポリエチレン系,スチレン系等の有機ワックスや二硫化モリブデン,タルク等の無機潤滑剤を添加しても良い。低融点のワックスは、皮膜乾燥時に表面にブリードすることにより潤滑性を発現する。高融点ワックスや無機潤滑剤は化成皮膜に分散するが、皮膜最表層では島状分布で露出することにより潤滑性を付与する。有機ワックスや無機潤滑剤の配合量は、0.5〜50g/lの範囲で選定される。
更に、基材に対する化成皮膜の密着性を改善するため、シランカップリング剤を添加しても良い。シランカップリング剤には、アミノ基,エポキシ基,ビニル基,メルカプト基,アクリロイルオキシ基,アルコキシ基等の官能基をもつ常用の化合物を使用できる。
調製された化成処理液は、ロールコート法,スピンコート法,スプレー法等で化成処理用原板に塗布される。塗布後、水洗することなく乾燥することにより、所定性能をもつ化成皮膜がめっき層の表面に形成される。化成皮膜の乾燥は常温でも可能であるが、連続操業を考慮すると50℃以上に保持することにより乾燥時間を短縮することが好ましい。保持温度が高温になるほど乾燥時間は短縮されるが、過度の高温加熱では有機樹脂が分解して所定性能をもつ化成皮膜が得られなくなる虞があるので、乾燥温度の上限を200℃に設定する。
化成処理液の塗布量は、乾燥後に膜厚0.1〜5μmの化成皮膜が形成される量に調整される。化成皮膜は、0.1μm以上の膜厚で十分な環境遮断能を呈するが、5μmを超える厚膜で形成しても膜厚増加に見合った性能の向上が期待できず、却って化成処理液の多量消費による処理コストの上昇を招く。
化成皮膜に含まれるバルブメタル化合物は、バルブメタル換算付着量が0.1〜200mg/m2の範囲となるように調整することが好ましい。0.1mg/m2未満の付着量では十分な耐食性が得られず、逆に200mg/m2を超える付着量では耐食性改善効果が飽和するばかりでなく、化成皮膜の耐水性低下が懸念される。化成皮膜に含まれる有機樹脂,アンモニウム塩,アミン類の含有量は化成処理液の組成に依存するが、アンモニウム塩,アミン類をN換算付着量で0.01〜50mg/m2の範囲に調整することが好適である。N換算付着量:0.01mg/m2以上で耐食性に有効な自己修復作用を有する必要量のアンモニウム塩,アミン類が確保されるが、50mg/m2を超えると耐水性,耐食性,耐アルカリ性の低下が懸念される。
化成皮膜に含まれているNCO基を構成する窒素は、全窒素に対する比率(窒素比)で0.8〜0.95の範囲に制御する必要がある。窒素比は、たとえばめっき層の表面から化成皮膜の表面まで皮膜厚み方向に沿って5点の測定点を設定し、各測定点でESCA分析し、各測定点のN1ピークからNCO基を形成するN(NCO)を分離し、原子比率:N(NCO)/N(全窒素)を各測定点で算出し、算出結果を平均化することにより求められる。0.8未満の窒素比は、化成皮膜に含まれているアンモニウム塩及び/又はアミン類が多いことを意味し、耐水性,耐アルカリ性,耐食性にとって好ましくない。逆に窒素比が0.95を超えると、化成皮膜が緻密化して耐アルカリ性は向上するが、耐食性向上に有効な自己修復作用を呈するアンモニウム塩,アミン類が減少し、耐食性が低下する。
4種類のめっき鋼板A〜Dを化成処理原板に使用し、表1の水性樹脂液を塗布・乾燥することにより化成皮膜を原板表面に形成した。化成皮膜の膜厚は、水性樹脂液の塗布量によって種々変更した。
A:付着量20g/m2,板厚0.8mmの電気亜鉛めっき鋼板
B:付着量20g/m2,板厚0.8mmの溶融Zn-6質量%Al-3質量%Mg合金めっき鋼板
C:付着量40g/m2,板厚0.8mmの溶融Zn-55質量%Al合金めっき鋼板
D:付着量40g/m2,板厚0.8mmの溶融Al-9質量%Si合金めっき鋼板
Figure 2005226155
化成皮膜が設けられためっき鋼板から試験片を切り出し、ESCA分析した。ピーク分離により分析結果から皮膜中の全窒素及びNCO基の窒素を抽出し、全窒素に対するNCO基の窒素の比率(窒素比)を算出した。
また、次の試験で平坦部耐食性,加工部耐食性,耐アルカリ性を調査した。
〔平坦部腐食試験〕
試験片の端面をシールし、JIS Z2371に準拠して35℃の5%NaCl水溶液を噴霧した。塩水噴霧を所定時間継続した後、試験片表面を観察した。試験片表面に発生している白錆の面積率を測定し、白錆発生面積率が5%以下を◎,5〜10%を○,10〜30%を△,30〜50%を▲,50%以上を×として平坦部の耐食性を評価した。
〔加工部腐食試験〕
エリクセン試験機を用いて試験片を7mm押出加工することによりめっき層にクラックを入れた後、JIS Z2371に準拠して35℃の5%NaCl水溶液を噴霧した。塩水噴霧を所定時間継続した後、試験片の加工部表面を観察した。加工部表面に発生している白錆の面積率を測定し、白錆発生面積率が5%以下を◎,5〜10%を○,10〜30%を△,30〜50%を▲,50%以上を×として加工部耐食性を評価した。
〔アルカリ浸漬試験〕
アルカリ脱脂液(パルクリーン364S:日本パーカライジング株式会社製)20g/lを用い、60℃に保持したアルカリ脱脂液に試験片を2分浸漬した後、アルカリ脱脂液から引き上げた試験片を水洗,乾燥した。乾燥後の試験片を平坦部腐食試験に供し、同じ基準で評価した平坦部耐食性をもって耐アルカリ性を判定した。
表2,3の調査結果にみられるように、化成皮膜の窒素比を0.8〜0.95の範囲に維持した本発明例では、何れも平坦部耐食性,加工部耐食性,耐アルカリ性に優れていた。これに対し、0.8〜0.95を外れた窒素比では、NCO基の窒素が過剰の試験No.9,過少の試験No.10の何れにおいても耐食性,耐アルカリ性が劣り、特に加工部やアルカリ脱脂材の耐食性が著しく低下していた。
Figure 2005226155
Figure 2005226155
Figure 2005226155
Figure 2005226155
以上に説明したように、バルブメタル化合物とアンモニウム塩及び/又はアミン類とを共存させた化成皮膜は、密着性向上のために導入されている水酸基,カルボキシル基等の官能基がアンモニウム塩,アミンでブロックされているので、アルカリ脱脂しても皮膜溶出や密着性低下がなく、良好な耐食性が維持される。化成皮膜にピンホール,加工欠陥等が生じても、アンモニウム塩,アミン類,バルブメタル化合物とめっき層のめっき成分との反応で生じた難溶性反応生成物により化成皮膜が自己修復される。そのため、加工性,耐食性が高位にバランスし、外装材,内装材,表装材,車両用鋼板等、広範な分野に適した素材として使用される。

Claims (4)

  1. めっき鋼板を基材とし、有機樹脂,バルブメタル化合物,アンモニウム塩及び/又はアミン類を含む化成皮膜が基材表面に形成されており、化成皮膜中の全窒素に対するNCO基を構成する窒素の比率(窒素比)が0.8〜0.95の範囲にあることを特徴とする耐食性,耐アルカリ性に優れた化成処理鋼板。
  2. 有機樹脂が水溶性又は水分散性のウレタン樹脂である請求項1記載の化成処理鋼板。
  3. バルブメタルがTi,Zr,Hf,V,Nb,Mo,W,Si,Alから選ばれた1種又は2種以上である請求項1記載の化成処理鋼板。
  4. バルブメタル化合物の少なくとも1種が酸化性を有する酸素酸塩である請求項1記載の化成処理鋼板。
JP2004239889A 2004-01-16 2004-08-19 耐食性,耐アルカリ性に優れた化成処理鋼板 Pending JP2005226155A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004239889A JP2005226155A (ja) 2004-01-16 2004-08-19 耐食性,耐アルカリ性に優れた化成処理鋼板

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004008893 2004-01-16
JP2004239889A JP2005226155A (ja) 2004-01-16 2004-08-19 耐食性,耐アルカリ性に優れた化成処理鋼板

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2005226155A true JP2005226155A (ja) 2005-08-25

Family

ID=35001102

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004239889A Pending JP2005226155A (ja) 2004-01-16 2004-08-19 耐食性,耐アルカリ性に優れた化成処理鋼板

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2005226155A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2015072154A1 (ja) * 2013-11-14 2015-05-21 日新製鋼株式会社 化成処理液および化成処理鋼板
CN105723016A (zh) * 2013-11-14 2016-06-29 日新制钢株式会社 化学转化处理液及化学转化处理钢板

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2015072154A1 (ja) * 2013-11-14 2015-05-21 日新製鋼株式会社 化成処理液および化成処理鋼板
JP2015117433A (ja) * 2013-11-14 2015-06-25 日新製鋼株式会社 化成処理液および化成処理鋼板
CN105723016A (zh) * 2013-11-14 2016-06-29 日新制钢株式会社 化学转化处理液及化学转化处理钢板
US20160237572A1 (en) * 2013-11-14 2016-08-18 Nisshin Steel Co., Ltd. Chemical conversion treatment solution and chemically converted steel sheet
EP3070186A4 (en) * 2013-11-14 2017-07-26 Nisshin Steel Co., Ltd. Chemical conversion treatment solution and chemically converted steel sheet
AU2014348133B2 (en) * 2013-11-14 2017-10-12 Nisshin Steel Co., Ltd. Chemical conversion treatment solution and chemically converted steel sheet
RU2643023C2 (ru) * 2013-11-14 2018-01-29 Ниссин Стил Ко., Лтд. Раствор для химической конверсионной обработки и подвергнутый химической конверсионной обработке стальной лист

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP1997934B1 (en) Composition for metal surface treatment, metal surface treatment method, and metal material
JP5446057B2 (ja) 化成処理用亜鉛系めっき鋼板およびその製造方法、並びに化成処理鋼板
KR100347449B1 (ko) 내식성이 우수한 표면처리 강판 및 그 제조방법
CN101321894B (zh) 用于钢表面腐蚀防护处理的湿碰湿方法和无铬的酸性溶液
AU2008248694B2 (en) Preliminary metallizing treatment of zinc surfaces
US20040167266A1 (en) Surface treatment for metal, process for surface treatment of metallic substances, and surface-treated metallic substances
KR100999328B1 (ko) 표면 처리 강판
JP3844643B2 (ja) 下地処理剤、及び下地処理方法
KR20020070460A (ko) 유기피복 강판 및 그의 제조방법
EP1074309A2 (en) Phosphate-treated steel plate
JP4646966B2 (ja) 金属表面処理剤、金属材料の表面処理方法及び表面処理金属材料
JP3927167B2 (ja) 耐食性,耐黒変性に優れた溶融Mg含有亜鉛合金めっき鋼板
JP4970773B2 (ja) 金属表面処理剤、金属材の表面処理方法及び表面処理金属材
JPH07216268A (ja) 耐食性、塗装密着性に優れた亜鉛含有金属めっき鋼板用表面処理剤
JPH0939157A (ja) プレス成形性および耐孔あき腐食性に優れた有機複合被覆鋼板
JP4795646B2 (ja) 耐食性,塗装性,接着性に優れた亜鉛系めっき鋼板
JP2005226155A (ja) 耐食性,耐アルカリ性に優れた化成処理鋼板
JPS6013078A (ja) 2層クロメ−ト処理鋼板
JP2004143549A (ja) 亜鉛系めっき鋼板用化成処理液
JP2005256156A (ja) クロムフリー表面処理剤及び表面処理金属材料
JP2010047796A (ja) 表面処理亜鉛系めっき鋼板
JP3543194B2 (ja) 金属材料用クロムフリー表面処理剤及び表面処理金属材料
JP2005126812A (ja) 耐食性,塗装性,接着性に優れた亜鉛系めっき鋼板
JPH08325760A (ja) 耐食性に優れた亜鉛含有金属めっき鋼板用表面処理剤
JPH07278844A (ja) スポツト溶接性にすぐれる有機被覆防錆鋼板

Legal Events

Date Code Title Description
RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20070313

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070611

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20071105

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090804

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20091201