JP2005226133A - 金属帯の間接通電式連続電解エッチング方法および間接通電式連続電解エッチング装置 - Google Patents

金属帯の間接通電式連続電解エッチング方法および間接通電式連続電解エッチング装置 Download PDF

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Abstract

【課題】金属帯の進行速度変動をも含め安定した電解エッチングが可能な、金属帯の間接通電式連続電解エッチング方法および間接通電式連続電解エッチング装置を提供する。
【解決手段】金属帯のエッチングパターンが形成されたエッチング面と相対向して、複数個の電極を、順次、A系、B系、A系、B系、・・・と配設し、A系とB系の電極の間で、(I)時間M=3〜10msecの間にA系電極が陰極となる電圧印加と、(II)時間N=4M〜20Mmsecの間にA系電極が陽極となる電圧印加とを交互に繰り返し、(I)から(II)への電圧印加の移行の際に、A系とB系の電極間に電圧を印加しない時間を挿み、さらに、金属帯の進行速度を検出して(I)及び(II)の電圧印加の大きさ、ならびに金属帯単位面積あたりの(I)及び(II)の電圧印加時間の長さをほぼ一定に保持する。
【選択図】図3

Description

本発明は、金属帯の間接通電式連続電解エッチング方法および間接通電式連続電解エッチング装置に関し、特に、金属帯の進行速度の所定基準速度からの変動時にも安定した電解エッチングを行うことのできる、金属帯の間接通電式連続電解エッチング方法および間接通電式連続電解エッチング装置に関するものである。
鋼帯などの金属帯に、電気絶縁性のエッチングマスク(エッチングレジスト)を選択的に(エッチングパターンを付与して)形成し、電解エッチングにより連続して溝加工することにより、金属帯の材料特性を改善する従来技術の例としては、特許文献1や特許文献2等で開示されている、変圧器その他の電気機器の鉄心としての用途に好適な低鉄損方向性電磁鋼板の製造方法の発明の例がある。
連続式の電解エッチングには、間接通電方式か、または直接通電方式が検討されてきたが、例えば、特許文献3で開示されている直接通電式電解エッチング装置の発明で認識された課題のように、間接通電方式では、短絡電流が流れ、正確なエッチング量の制御を行うことが困難であることから、従来、工業的には、連続式の電解エッチッグに間接通電方式が採用されることはなかった。
従来の金属帯の直接通電式連続電解エッチング装置の概略を、特許文献3で開示されている発明を例にして、以下に説明する。すなわち、当該装置は、図8に示すように、片面に電気絶縁性のエッチングレジストが施された金属帯の電解エッチング装置であって、電解エッチング槽2と、陽極であるコンダクターロール16と、当該コンダクターロール16と金属帯1を介在して相接するように配設されたバックアップロール17と、電解エッチング槽2の電解液3に浸漬された陰極15と、金属帯1を電解液3に浸漬するための浸漬用ロール13、14とを有し、金属帯1のエッチングレジスト面が下向きに通板され、当該金属帯1のエッチングレジスト面側と相対向して陰極15が上向きに、かつ当該エッチングレジスト面と陰極間距離が所定間隔となるように配設され、コンダクターロール16が金属帯1のエッチングレジストが施されていない面に、バックアップロール17が金属帯1のエッチングレジスト面にそれぞれ当接されるように配設されている。陽極と陰極は直流電源装置7に接続され、金属帯1への直接通電により、電解エッチングが施される。また、コンダクターロール16は、電解エッチング槽2の電解液3の外側に配設され、短絡電流の発生が防止されている。
ところで、電解エッチングとは異なるものの隣接技術分野である電解酸洗の技術分野では、間接通電式での金属帯の連続処理方法が工業的に実用化されている。その中で、特に特許文献4には、図9に示すように、電解槽2内における陽極18と陰極15の間に非導電性材料6を配設することで漏れ電流を有利に低減できる効果を奏する鉄鋼材料の電解酸洗装置の発明が開示されている。
特開昭63−042332号公報 特公平08−006140号公報 特開平10−204699号公報 特開平06−220699号公報
上記従来技術の直接通電式の連続電解エッチングでは、コンダクターロールから金属帯へ直接通電する方法であるため、金属帯のコンダクターロールが当接する側の片面は、当然のことながら電気伝導性(導電性)を維持しておく必要がある。このような従来技術では、エッチングパターンを形成した電気絶縁性のエッチングレジストを施して電解エッチッグを行うことができるのは、一度の処理では、金属帯のコンダクターロールが当接しない側の片面だけとならざるを得ない。そのため、金属帯の両面に電解エッチングを施す必要がある場合には、片面ずつ計2回の処理工程を経る必要があることになり、製造コストが増大するだけでなく生産性が悪いという問題があった。
また、金属帯の片面だけの電解エッチングの場合でも、処理前の金属帯の両面が何らかの前処理で既に電気絶縁性の被膜に覆われていて、その被膜は製品上除去できないか除去することが経済的に大きな負担となる場合には、上記従来技術そのものが電解エッチングに適用できないという問題があった。
以上のような問題は、電解エッチングを直接通電式から間接通電式に変更することにより解決できる可能性があるが、間接通電式の電解エッチングは、工業的に前例がない技術であるだけに、電解エッチング条件や電解エッチング後の品質(溝形状等)の安定性等、不明な事項が多く、技術的には未完成なものと言わざるを得ない。
そこで、本発明者らは、上記の従来技術の問題点を有利に解決するために、従来、工業的に実用化されていなかった間接通電式の連続電解エッチング技術を採用することを検討した。この間接通電式の検討で、新たにエッチング部の溝形状の安定性が問題となったが、この問題はエッチング部での陽極反応による電解液の淀み(電解沈殿物)が原因であることを突き止めた。さらに検討を重ねた結果、この電解液の淀みは極短期間の陰極反応によるHガスを周期的に発生させれば解消することができ、ひいてはエッチング部の溝の幅、溝の深さをより均一とすることができることを知見して、金属帯の間接通電式連続電解エッチング方法および間接通電式連続電解エッチング装置に関する発明を完成させるとともに、その発明につき先に特願2003−207618号にて特許出願した。
しかしながら、上記の特願2003−207618号で開示された発明は、金属帯の進行速度が所定の基準速度(許容範囲を含む。)内である定常状態での電解エッチングを前提とするものであって、電解エッチングの開始時や終了時、ないし操業トラブル時等で金属帯の進行速度が変動する場合等の非定常状態での電解エッチングの課題やその解決手段までは開示されていなかった。
本発明は、上記の問題を有利に解決して、金属帯の進行速度が変動する場合等の非定常状態をも含めて安定して電解エッチングを行うことのできる、金属帯の間接通電式連続電解エッチング方法および間接通電式連続電解エッチング装置を提供することを目的とするものである。
まず、本発明に至るまでの予備的な検討について説明する。
すなわち、金属帯の間接通電式連続電解エッチングについて基礎的なデータを収集するために、上記特許文献4に記載の「電解酸洗」に関する発明に類似の、片側の表面にエッチングマスクが選択的に(エッチングパターンを付与して)形成され、残る片側の表面にエッチングマスクが全面的に形成された金属帯に、進行速度一定で、「電解エッチング」により連続して溝加工する予備実験を行った。
図6は、実験装置の概略を長手方向垂直断面図で示すものである。主たる構成は、連続して通板される片側の表面にエッチングマスクが選択的に(エッチングパターンを付与して)形成された金属帯1のエッチング面と相対向して金属帯1の進行方向に、電極a4′、電極b5′を順次設置し、金属帯1と電極a4′、電極b5′の間に電解液3を充填し、電極a4′と電極b5′の間に、直流電源装置7を配置している。直流電源装置7と電極a4′の間には、開閉器9が、直流電源装置7と電極b5′の間には抵抗21が設置されている。この開閉器9を閉にすることにより、電極a4′と電極b5′の間で、電極a4′が陽極となる電圧印加を行う。また、開閉器9を開とすることにより、電圧印加を中断する。また、上記抵抗21を増加・減少させることにより、電極a4′と電極b5′の間で電極a4′に印加する正の電圧を増加・減少させる。なお、金属帯1の搬送ロールとして、電解槽2の入出側には、リンガーロール11、12が設置され、電解液3の槽外への流出を抑制している。槽内には、シンクロール13、14が設置され、電極a4′、電極b5′と金属帯1の距離を一定に保持している。
図7に、従来の金属帯の電解酸洗の場合の電圧印加の例に倣った、図6の実験装置における電極a4′と電極b5′の間の電極a4′に対する電圧印加の例を示す。この電圧印加により、電解電流が、電極a4′より、同電極に相対する電解液3、金属帯1のエッチングパターン部を通って金属帯1へ流れ、さらには電極b5′に相対する金属帯1のエッチングパターン部、電解液3を経て電極b5′へと流れる。
なお、電極a4′と電極b5′の間の電解槽2内には、電解液3を介して、電極a4′から電極b5′へ、直接、電流が流れることを抑制する目的で、非電導性材料からなる遮蔽板6が設置されている。また、電極a4′は、いわゆるアノード(陽極)であり電極自身がエッチングされることのないようにPt系の不溶性電極を採用し、一方、電極b5′は、いわゆるカソード(陰極)でありSUS316からなる電極を採用した。
以上のような図6の実験装置を用いて、本発明者らは、金属帯1を一定の進行速度で通板し、電極a電極b間で電極aに、図7に示した電圧印加を行い、エッチングマスクが選択的に(エッチングパターンを付与して)形成された金属帯1の電解エッチングによる溝加工を行って、その溝の形状(幾何学形状、溝の幅、溝の深さ)を観察した。
なお、実験に用いた金属帯1は、仕上焼鈍された方向性珪素鋼板であり、その両側の表面には仕上焼鈍中に生成したフォルステライト(MgSiO)被膜と、さらにその被膜上に張力付与型被膜(燐酸系の絶縁被膜)が塗布後、焼き付けられて形成されている。そして、その片側の表面には、レーザ光線によりフォルステライト被膜と張力付与型被膜を選択的に除去して地鉄を露出させたエッチングパターンが形成されている。なお、この張力付与型被膜は、電気絶縁性被膜であるため、エッチングマスクとして利用することができる。また、電解液3は、NaClの水溶液を用いた。
図5に、本発明の目標とする電解エッチングで形成される溝形状(イ)と、本実験の電解エッチングで形成された溝形状の観察結果例(ロ)〜(ニ)を示す。ここで観察された電解エッチングの溝形状は、(ロ)傾斜型、(ハ)幅拡がり型、(ニ)局部エッチング型と分類できるように、幾何学形状が非常に不安定であり、溝の幅、溝の深さも大きく変動しやすいことが判明した。
このような問題に対し、本発明者らは、金属帯の鋼種を変更し、あるいは、電解条件(NaCl濃度、電解液温度、溝部の実効電流密度)を変更して、諸々の条件における溝の形状を調査したが、溝の形状を安定させ、溝の深さ、溝の幅のばらつきを大幅に減少させることはできなかった。本発明者らは、さらに検討を重ねるうちに、エッチング溝形状の不安定さは、エッチング部での陽極反応による電解液の淀み(電解沈殿物)が主原因であることを突き止めた。そこで、この電解液の淀みの解消についてさらに検討した結果、極短期間の陰極反応によるHガスを周期的に発生させればエッチング部の電解液の淀みを解消することができ、ひいてはエッチング部の溝の幅、溝の深さをより均一とすることができることを知見した。
以上の知見は、金属帯が一定の進行速度で通板されている場合(定常状態)での電解エッチングを前提とするものであるが、実際の連続電解エッチング処理ラインによる溝加工では、エッチング設備の上流ないし下流設備の影響(例えば、処理する複数の金属帯のエッチング設備の上流での接合、エッチング設備の下流設備での金属帯の分割等)による金属帯の進行速度の減速(速度変化)が避けられない。さらには、操業トラブル時等での金属帯の進行速度の変動等も想定される。
そこで、本発明者らは、更に、金属帯の進行速度が変化しても、電解エッチングにより形成される溝の形状の安定化を図ることを鋭意研究した。その結果、エッチング部での陽極反応のための電圧印加と、同部での陰極反応によるHガス発生(電解液の淀み解消)のための極短期間の電圧印加の両条件を固定し、両電圧印加の間に電圧印加をしない時間を挟むとともに、金属帯の進行速度の変動(減速)をこの電圧を印加しない時間の増減(増加)で吸収すれば、電解エッチング部での陽極反応および陰極反応には進行速度変動の影響が及ぶことはないので、電解エッチングの溝の形状のバラツキの発生を有利に回避できることを見出した。
本発明は、以上の新知見に基づき更に検討を進めてはじめて完成されたものであり、その要旨とするところは、以下のとおりである。
(1) 金属帯の片面または両面をエッチング面とし、少なくとも該エッチング面にエッチングパターンを付与したエッチングマスクが形成された金属帯に、間接通電式電解エッチングにより連続的に溝加工する、金属帯の間接通電式連続電解エッチング方法であって、
前記金属帯のエッチング面と相対向して、複数個の電極を、前記金属帯の進行方向に、順次、A系、B系、A系、B系、・・・と配設し、
前記金属帯と前記電極群の間に電解液を充填して、A系とB系の電極の間で、
(I)時間M=3〜10msecの間にA系電極が陰極となる電圧印加と、
(II)時間N=4M〜20Mmsecの間にA系電極が陽極となる電圧印加と
を交互に繰り返し、
前記(I)の電圧印加から前記(II)の電圧印加への移行の際に時間αmsec(α>0)間、および、前記(II)の電圧印加から前記(I)の電圧印加への移行の際に時間βmsec(β>0)間、前記A系電極とB系電極の間に電圧を印加しない時間の区間を挿み、
さらに、金属帯の進行速度を検出して該進行速度が所定の基準速度から変動した場合には、その速度変動に応じて前記電圧を印加しない時間(α、β)の長さを調整することにより、前記(I)および(II)の電圧印加の大きさ、ならびに金属帯単位面積あたりの(I)および(II)の電圧印加時間の長さをほぼ一定に保持することを特徴とする、金属帯の間接通電式連続電解エッチング方法。
(2) 金属帯の片面または両面をエッチング面とし、少なくとも該エッチング面にエッチングパターンを付与したエッチングマスクが形成された金属帯に、間接通電式電解エッチングにより連続的に溝加工する、金属帯の間接通電式連続電解エッチング装置であって、
(a)電解エッチング槽と、
(b)前記金属帯の、少なくともエッチング面と相対向する側に、前記金属帯の進行方向に、順次、A系、B系、A系、B系、・・・と複数個の電極が配設され、かつ、前記電解エッチング槽の電解液に浸漬される電極群と、
(c)前記金属帯の同一面に相対向し、かつ、互いに隣接するA系とB系の電極の間に配設された非導電性材料の遮蔽板と、
(d)A系とB系の電極の間で、(I)所定のM時間、A系電極が陰極となる電圧制御と、(II)所定のN(N>M)時間、A系電極が陽極となる電圧制御と、(III)前記(I)の電圧印加から前記(II)の電圧印加への移行の際の時間αmsec(α>0)間、および、前記(II)の電圧印加から前記(I)の電圧印加への移行の際の時間βmsec(β>0)間、前記A系電極とB系電極の間に電圧を印加しない電圧制御と、(IV)金属帯の進行速度が所定の基準速度から変動した場合には、その速度変動に応じて前記電圧を印加しない時間(α、β)の長さを調整することにより、前記(I)および(II)の電圧印加の大きさ、ならびに金属帯単位面積あたりの(I)および(II)の電圧印加時間の長さをほぼ一定に保持する電圧制御を行う電源装置と
を有することを特徴とする、金属帯の間接通電式連続電解エッチング装置。
本発明によれば、片面ずつの処理とならざるを得ない直接通電式電解エッチングで金属帯の両面を電解エッチングする場合の非効率の問題や、金属帯の両面にエッチングマスクを有する金属帯の電解エッチングは直接通電式電解エッチングでは処理できないという従来の問題点を間接通電式連続電解エッチングの採用により有利に解決できる。しかも、本発明によれば、採用した間接通電式連続電解エッチングで新たに顕在化した電解エッチング溝形状の問題を、金属帯の進行速度が安定した定常状態のみならず進行速度が変動する場合等の非定常状態をも含めて、電解エッチング溝形状を安定させ、溝の幅、溝の深さをより均一とすることができる。特に、電源トランスの鉄心等に利用される歪取り焼鈍後に鉄損が劣化し難い低鉄損一方向性珪素鋼板の製造に好適な、金属帯の間接通電式連続電解エッチング方法および間接通電式連続電解エッチング装置を提供することができるため、その効果は絶大である。
以下、図面を参照しながら、本発明を実施するための最良の形態について説明する。
図1に、本発明に係る、金属帯の片面または両面をエッチング面とし、少なくとも該エッチング面にエッチングパターンを付与したエッチングマスクが形成された金属帯に、間接通電式連続電解エッチングにより溝加工する設備の構成図を、長手方向垂直断面図で模式的に示す。
主たる構成は、連続して通板される片側の表面にエッチングマスクが選択的に形成された金属帯1のエッチング面と相対向して金属帯1の進行方向に、電極A4、電極B5を順次設置し、金属帯1と電極A4、電極B5の間に電解液3を充填し、電極A4と電極B5の間に、直流電源装置7、8を配置している。直流電源装置7、8と電極A4の間には、それぞれ、開閉器9、10が設置されており、また、直流電源装置7、8と電極B5の間には、それぞれ、開閉器9′、10′、抵抗22、23が設置されている。開閉器9、9′を閉にし、開閉器10、10′を開にすることにより、電極A4と電極B5の間で電極A4に正の電圧を印加し、また、開閉器9、9′を開にし、開閉器10、10′を閉とすることにより、電極A4と電極B5の間で電極A4に負の電圧を印加する。なお、開閉器9、9′10、10′をすべて、開とすることにより、電圧印加を中断する。また、上記抵抗22、23を増加・減少させることにより、電極A4と電極B5の間で電極A4に印加する正、負の電圧を増加・減少させる。なお、ここでは、電解エッチングの電気回路の電気抵抗が変化しない場合は、単位時間あたりの通電量の制御は電圧制御で代替できることを前提としている。
なお、電解槽2の入出側には、金属帯1の搬送ロールとして、リンガーロール11、12が設置され、電解液3の槽外への流出を抑制している。槽内には、シンクロール13、14が設置され、電極A4、電極B5と金属帯1の距離を一定に保持している。また、電極A4から電極B5へ、あるいは、電極B5から電極A4へ、電解液3を介して直接電流が流れる漏れ電流を抑制する目的で、電極A4と電極B5の間の電解槽2内に非導電性材料からなる遮蔽板6が設置されている。
図2に、本発明による金属帯が一定速度で進行する定常状態のときの電極Aと電極Bの間の電極Aへの電圧印加例を示す。
通常、電極A4と電極B5との間で電極A4に正の電圧印加または負の電圧印加をそれぞれ行うことにより、所定の電解電流が流れるよう調整されている。例えば、電極A4への電圧印加が正の電圧印加(電極Aが陽極となる)の場合は、所定の電解電流が、電極A4より、同電極に相対する電解液3、金属帯1のエッチングパターン部(陰極となる)を通って金属帯1へ流れ、さらには電極B5に相対する金属帯1のエッチングパターン部(陽極となる)、電解液3を経て電極B5(陰極となる)へと流れる。この電解電流により、電極B5に相対する側の金属帯1のエッチングパターン部では、陽極反応
Me→Me+e(金属帯が鋼帯の場合、Fe→Fe2++2e
により電解エッチングが進行することになる。逆に、電極A4への電圧印加が負の電圧印加(電極Aが陰極となる)の場合は、上記の場合と逆向きに所定の電流が流れることになるが、上記の電極B5(陽極となる)に相対する側の金属帯1のエッチングパターン部(陰極となる)では、陰極反応(電子受容反応)
2H+2e→H
により発生したHガスにより、電解エッチング中に発生したエッチングパターン部近傍の電解液の淀み(溶解沈殿物)を減少させることができる。
なお、本発明では、電極A4も電極B5も、ともに陽極になる場合と陰極になる場合があることから、陽極の場合に電極自身が電解エッチングされることのないように例えばPt系等の不溶性材料から製作するのがよい。
また、金属帯を高速で電解エッチング処理する手段として、電解槽のなかの電極配置を電極A、電極B、電極A、電極B・・・・・・、電極A、電極Bと複数設置することが有効である。さらに、電解槽を複数設置することも有効である。なお、本明細書では、複数の電極Aまたは電極Bを総称してA系電極またはB系電極といい、単に電極Aまたは電極Bということもある。
図2で示す電圧印加のパターンについて、A系とB系の電極の間で、(I)時間M=3〜10msecの間にA系電極が陰極となる電圧印加と、(II)時間N=4M〜20Mmsecの間にA系電極が陽極となる電圧印加とを、交互に繰り返すことが必要である。
上記(I)のA系電極を陰極、B系電極を陽極とする場合、Mを電圧印加時間(msec)とするとき、Mが3msec未満の時間の電圧印加では、エッチングで形成された溝部の表面でのHガスの発生が溝の中の電解液(沈殿物)の淀みを除去するのに充分でなく、一方、Mが10msec超の時間の電圧印加では、電解エッチングの電流効率の低下を招くことから、時間M=3〜10msecと規定した。
また、上記(II)のA系電極を陽極、B系電極を陰極とする場合、Nを電圧印加時間(msec)とするとき、Nが4Mmsec未満の電圧印加では、電解エッチングの電流効率の低下を招き、一方、Nが20Mmsec超の電圧印加では、電解エッチングで形成された溝の中の淀み(沈殿物)が大きくなりすぎ、溝のなかの電解液(沈殿物)の淀みを除去するのが困難になることから、時間N=4M〜20Mmsecと規定した。
また、前記(I)の電圧印加から前記(II)の電圧印加への移行の際に時間αmsec(α>0)間、および、前記(II)の電圧印加から前記(I)の電圧印加への移行の際に時間βmsec(β>0)間、前記A系電極とB系電極の間に電圧を印加しない時間の区間を挿むことも電解エッチングを安定して行うことに有効である。実際の電解エッチング設備では、電解電源装置と電極A、電極Bとの間、あるいは、電極A、電極Bと金属帯との間にそれぞれ電気的な、いわゆるLC回路が形成され、印加電圧の陽極、陰極の切替のときに生じる時間遅れが問題となる場合があるからである。このLC回路による時間遅れの問題は、設備規模が大きくなるほど顕在化することになる。
ただし、金属帯が一定速度で進行する定常状態のときは、αまたはβが10msec超となる長い電圧印加しない時間を採用すると、電解エッチング速度の低下、あるいは、電解エッチング設備(電解槽)の長大化を招くので好ましくなく、また、αまたはβが1msec未満では、上記のLC回路による時間遅れの問題の有効な解決手段とはなりえないため、αまたはβは1〜10msecの範囲にするのが望ましい。
ここで、電極A、電極Bを複数設置するとき、あるいは、電解槽を複数設置するときの電極の配置について説明する。一般的にいえば、金属帯の進行方向の最後の電極は、電解液中の物質の陰極反応による金属帯(陰極)への付着を防止する(金属帯のエッチングパターン部を陽極にする)観点から、陰極であることが望ましい。本発明では、電極Aと電極Bとは、陽極と陰極とに交互に切り替えて使用されるが、上記(I)、(II)の電圧印加での時間配分は常にN>Mであるため、B系電極が主として陰極となる。そこで、金属帯の進行方向の最後の電極は、上記の電解液中の物質の金属帯への付着を防止する観点から、主として陰極となるB系とすることが望ましい。
本発明者らは、図1に示した設備の電極A電極B間で電極Aに、図2に示した電圧印加を行い、エッチングパターンを付与したエッチングマスクが形成された金属帯を一定速度で進行させ、電解エッチングによる溝加工を行って、その溝の形状(幾何学形状、溝の幅、溝の深さ)を観察した。その結果、本発明による電解エッチングで形成された溝の形状は非常に安定化し、全て、図5の(イ)のような凹型の形状となり、溝の幅、溝の深さもより均一となり、バラツキは大幅に改善されていることを確認した。
なお、実験に用いた金属帯1は、仕上焼鈍された方向性珪素鋼板であり、その両側の表面には仕上焼鈍中に生成したフォルステライト(MgSiO)被膜と、さらにその被膜上に張力付与型被膜(燐酸系の絶縁被膜)が塗布後、焼き付けられて形成されている。そして、その片側の表面には、レーザ光線によりフォルステライト被膜と張力付与型被膜を選択的に除去して地鉄を露出させたエッチングパターンが形成されている。なお、この張力付与型被膜は、電気絶縁性被膜であるため、エッチングマスクとして利用することができる。また、電解液3は、NaClの水溶液を用いた。
また、前記(I)の電圧印加のときの単位時間あたりの通電量(電流密度)を、前記(II)の電圧印加のときの単位時間あたりの通電量以下とすることも、電解エッチングを効率的に行うことに有効であり望ましい実施の形態である。前記(I)の電圧印加のときの単位時間あたりの通電量が前記(II)の電圧印加のときの単位時間あたりの通電量を超えると、電解エッチング速度の低下、あるいは、電解エッチング設備(電解槽)の長大化を招くので好ましくないからである。
一方、前記(I)の電圧印加のときの単位時間あたりの通電量を、10A/dm以上とすることも、電解エッチングを安定して行うことに有効である。10A/dm未満では、発生Hガスの噴出力が小さく、電解エッチングで形成された溝の中の淀みを除去する効率が悪くなり好ましくないからである。
実際の電解エッチング処理ラインによる溝加工では、エッチング設備の上流ないし下流設備の影響、例えば、処理する複数の金属帯のエッチング設備の上流での接合、エッチング設備の下流設備での金属帯の分割等、による金属帯の進行速度の減速(速度変化)が避けられない。本発明者らは、更に、金属帯の進行速度が変化しても、電解エッチングにより形成される溝の形状の安定化を図ることを研究した。
図4は、従来の電解エッチングにおいて、一般的に採用されているのと類似の、金属帯の進行速度が変化するときの電極Aと電極Bの間の電極Aへの電圧印加例であり、金属帯単位面積あたりの電解電流を一定にするよう進行速度に応じて、上記(I)、(II)の印加電圧を減少させている。しかし、本発明のような「電解エッチングによる溝加工」では、前記(I)の電圧印加のときの単位時間あたりの通電量を、10A/dm以上とすることが、電解エッチングを安定して行うことに有効であり、単位時間あたりの通電量をこの数値未満にするような(I)の印加電圧は好ましくないので、この方法は採用できない。
このような問題を解決するための本発明による金属帯の進行速度が変動するときの電極Aと電極Bの間の電極Aへの電圧印加の例を、図3に示す。この場合、前記(I)、(II)の印加電圧(E(I)、E(II))は、金属帯の所定の基準速度、減速速度に関わらず一定となるよう制御される。一方、前記(I)の電圧印加から前記(II)の電圧印加への移行の際の前記A系電極とB系電極の間に電圧を印加しない時間αmsec(α>0)、前記(II)の電圧印加から前記(I)の電圧印加への移行の際の前記A系電極とB系電極の間に電圧を印加しない時間βmsec(β>0)は、金属帯の単位面積あたりの上記(I)、(II)の電圧印加時間(M、N)が一定となるように変更される。
いま、金属帯の進行の基準速度をV、そのときの(I)、(II)の電圧印加時間をMmsec、Nmsec、電圧印加をしない時間をαmsec、βmsec、一方、金属帯の減速速度をVv、そのときの(I)、(II)の電圧印加時間をMv msec、Nv msec、電圧印加をしない時間をαv msec、βv msecとするとき、以下の関係が成り立つ。
{Mv/(Mv+Nv+αv+βv)}/{M/(M+N+α+β)}
={Nv/(Mv+Nv+αv+βv)}/{N/(M+N+α+β)}
= Vv/V
加えて、本発明による方法では、金属帯の進行速度の変化(減速)(V→Vv)に対し、電圧印加をしない時間αmsec、βmsecのみを変更(増加)(α→αv、β→βv)し、前記(I)、(II)の電極Aと電極Bの間の電極Aへの印加電圧(E(I)、E(II))および印加時間(M=Mv、N=Nv)を変えないよう制御するので、印加電圧と通電量の間に連続な関係が成り立たなくても、金属帯の進行速度の変化による電解エッチングの溝形状のバラツキが生じることはない。
本発明に使用する電解電源装置は、上記の直流電源装置と開閉器による切替システムに限定されるものではなく、上記の電圧印加サイクルを取れるものであれば、方式を問わない。いわゆる、6相半波整流波形の、トランジスター方式でも、インバータ方式でも有効である。また、抵抗も必ずしも単独に設置する必要はなく、上記の(I)の電圧印加のときの通電量を制御できるものであれば、方式は問わず、勿論、直流電源方式と組み合わせたものでもかまわない。
本発明は、金属帯の片面または両面をエッチング面とし、少なくとも該エッチング面にエッチングパターンを付与したエッチングマスクが形成された金属帯に、連続して、間接通電式の電解エッチングにより安定して溝加工する場合のすべてに対して有効である。金属帯の片面のみをエッチング面とする場合の残る片側の面は、エッチングマスクを全面的に形成してもよいし、形成しなくてもよい。
なお、本明細書では、金属帯の片側の表面を電解エッチングする装置は図1で例示したとおりであるが、金属帯の両側の表面を電解エッチングする装置は、図1で例示した装置において、電極部と電源装置部を図10の装置のように金属帯の上面側と下面側の両側に配設するだけであるため、本発明例としての詳細な説明を省略する。
本発明による効果は、特に、表面にエッチングマスクが形成された仕上焼鈍された珪素鋼板に電解エッチングを施した「歪取り焼鈍による鉄損劣化がない耐歪取り焼鈍低鉄損一方向性珪素鋼板」について顕著である。これは、このような珪素鋼板では、電解エッチングで形成される溝形状のバラツキがそのまま磁性のバラツキとなって問題が顕在化するからである。
もちろん、張力付与型被膜(燐酸系の絶縁被膜)が塗膜され、その片側の表面にエッチングマスクが選択的に形成された、フォルステライト(MgSiO)を有しない方向性珪素鋼板でもその効果は有効である。
以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明する。
電解エッチング前の金属帯は、下記条件下で、最終板厚まで冷間圧延され、脱炭焼鈍された後、MgOからなる焼鈍分離材が両側の表面に塗布・乾燥処理され、さらに、仕上焼鈍され、仕上焼鈍中に両表面に生成したフォルステライト(MgSiO)被膜の上に張力付与型被膜(燐酸系の絶縁被膜)が塗布されて焼き付けられた方向性珪素鋼板であり、その片側の表面には、さらに、レーザ光線によりフォルステライト被膜と張力付与型被膜が選択的に除去されて地鉄が露出したエッチングパターンが形成されている方向性珪素鋼板である。なお、この張力付与型被膜は、電気絶縁性被膜であるため、エッチングマスクとして利用することとした。
上記のような前処理が施された方向性珪素鋼板に、図1または図6に示す間接通電式連続電解エッチング装置を用いて、電解エッチング処理を施した。
[方向性珪素鋼板] 板厚 0.22mm、板幅 1000mm
[エッチングマスク] 鋼帯長手方向に直角な方向(鋼帯幅方向)に、3mmピッチ、
幅0.2mmのエッチングパターンを有する。
[電解液] 組成500g−NaCl/l、液温 60℃
[目標溝深さ] 0.02mm
[電解電流] 350C/dm
[帯鋼の進行速度] 基準速度に対し20%、40%、60%、80%、100%の加減
速を一定時間で繰り返す。
電解エッチング後、各速度のサンプルを採取し、鋼帯の幅方向における電解エッチングで形成された溝の形状パターン、溝の深さのばらつきを評価した。
表1に、図1または図6に示す装置に、図2〜図4、図7のいずれかの電圧印加をしたときの試験条件と結果を示す。
No.1〜5に示される本発明例では、溝の形状は全て凹型(イ)で安定しており、その結果、溝の深さのバラツキ(%)((溝の深さの標準偏差)/(溝の深さの平均値)×100)は、極めて小さいことが分かる。さらに、進行速度変化をさせたNo.1〜4は、基準速度で速度変化のないNo.5と比べ、溝形状および溝の深さのバラツキ(%)は遜色なく良好なこともわかる。
一方、電極Aへの負の電圧印加時間が短い比較例のNo.6、および、正の電圧印加時間/負の電圧印加時間の比率が20を超える比較例のNo.7、8では、溝の形状は、一部凹型(イ)が認められるものの、依然として、溝の形状が、傾斜型(ロ)、幅拡がり型(ハ)、局部エッチング型(ニ)が混在しており、その結果、溝の深さのバラツキは大きく、満足できる品質ではなかった。
また、従来の金属帯に対する電圧印加方法(図4)に類似の比較例のNo.9では、溝の形状は、凹型(イ)は殆ど認められず、傾斜型(ロ)、幅拡がり型(ハ)、局部エッチング型(ニ)が大半であり、その結果、溝の深さのばらつきは大きいものであった。
さらに、また、従来の電圧印加法による比較例のNo.10、11は、溝の形状は、凹型(イ)は認められず、傾斜型(ロ)、幅拡がり型(ハ)、局部エッチング型(ニ)が混在しており、その結果、溝の深さのばらつきはさらに大きいものであった。加えて、進行速度を変化させたNo.10は、基準速度で速度変化のないNo.11と比べ、溝の深さのバラツキ(%)は、一層悪いこともわかる。
Figure 2005226133
本発明に係る、少なくとも片側の表面にエッチングパターンを付与したエッチングマスクが形成された金属帯に、間接通電式電解エッチングにより連続して溝加工する装置の長手方向垂直断面図による概略説明図である。 本発明に係る、金属帯を基準速度で進行させるときのA系電極とB系電極の間でのA系電極への電圧印加例を示す図である。 本発明に係る、金属帯の進行速度が変動するときの、A系電極とB系電極の間でのA系電極への電圧印加の例を示す図である。 電解エッチングにおいて、金属帯の進行速度が変動するときに、従来から一般的に採用されているものと類似の、A系電極とB系電極の間でのA系電極への電圧印加の例を示す図である。 電解エッチングで形成される溝の断面形状のパターンを分類して示す図である。 従来の金属帯に対する電解酸洗装置に類似のもので、本発明に至る予備実験に用いた装置であって、少なくとも片側の表面にエッチングパターンを付与したエッチングマスクが形成された金属帯に、間接通電式電解エッチングにより連続して溝加工する装置の長手方向垂直断面図による概略説明図である。 従来の金属帯に対する電解酸洗で用いられる電圧印加に類似のもので、本発明の予備実験で用いた、図6の実験装置における電極aと電極bの間の電極aへの電圧印加例を示す図である。 従来の金属帯の直接通電式連続電解エッチング装置の概略を、長手方向垂直断面図で説明する図である。 従来の金属帯の間接通電式連続電解酸洗装置の概略を、長手方向垂直断面図で説明する図である。 本発明に係る、別の、表裏両側の表面にエッチングパターンを付与したエッチングマスクが形成された金属帯に、間接通電式電解エッチングにより連続して溝加工する装置の長手方向垂直断面図による概略説明図である。
符号の説明
1 金属帯
2 電解槽(電解エッチング槽)
3 電解液
4 電極A
4′電極a
5 電極B
5′電極b
6 遮蔽板(非導電性材料)
7、8 直流電源装置
9、9′、10、10′ 開閉器
11、12 リンガーロール
13、14 シンクロール(浸漬用ロール)
15 陰極
16 コンダクターロール
17 バックアップロール
18 陽極
21、22、23 抵抗

Claims (2)

  1. 金属帯の片面または両面をエッチング面とし、少なくとも該エッチング面にエッチングパターンを付与したエッチングマスクが形成された金属帯に、間接通電式電解エッチングにより連続的に溝加工する、金属帯の間接通電式連続電解エッチング方法であって、
    前記金属帯のエッチング面と相対向して、複数個の電極を、前記金属帯の進行方向に、順次、A系、B系、A系、B系、・・・と配設し、
    前記金属帯と前記電極群の間に電解液を充填して、A系とB系の電極の間で、
    (I)時間M=3〜10msecの間にA系電極が陰極となる電圧印加と、
    (II)時間N=4M〜20Mmsecの間にA系電極が陽極となる電圧印加と
    を交互に繰り返し、
    前記(I)の電圧印加から前記(II)の電圧印加への移行の際に時間αmsec(α>0)間、および、前記(II)の電圧印加から前記(I)の電圧印加への移行の際に時間βmsec(β>0)間、前記A系電極とB系電極の間に電圧を印加しない時間の区間を挿み、
    さらに、金属帯の進行速度を検出して該進行速度が所定の基準速度から変動した場合には、その速度変動に応じて前記電圧を印加しない時間(α、β)の長さを調整することにより、前記(I)および(II)の電圧印加の大きさ、ならびに金属帯単位面積あたりの(I)および(II)の電圧印加時間の長さをほぼ一定に保持することを特徴とする、金属帯の間接通電式連続電解エッチング方法。
  2. 金属帯の片面または両面をエッチング面とし、少なくとも該エッチング面にエッチングパターンを付与したエッチングマスクが形成された金属帯に、間接通電式電解エッチングにより連続的に溝加工する、金属帯の間接通電式連続電解エッチング装置であって、
    (a)電解エッチング槽と、
    (b)前記金属帯の、少なくともエッチング面と相対向する側に、前記金属帯の進行方向に、順次、A系、B系、A系、B系、・・・と複数個の電極が配設され、かつ、前記電解エッチング槽の電解液に浸漬される電極群と、
    (c)前記金属帯の同一面に相対向し、かつ、互いに隣接するA系とB系の電極の間に配設された非導電性材料の遮蔽板と、
    (d)A系とB系の電極の間で、(I)所定のM時間、A系電極が陰極となる電圧制御と、(II)所定のN(N>M)時間、A系電極が陽極となる電圧制御と、(III)前記(I)の電圧印加から前記(II)の電圧印加への移行の際の時間αmsec(α>0)間、および、前記(II)の電圧印加から前記(I)の電圧印加への移行の際の時間βmsec(β>0)間、前記A系電極とB系電極の間に電圧を印加しない電圧制御と、(IV)金属帯の進行速度が所定の基準速度から変動した場合には、その速度変動に応じて前記電圧を印加しない時間(α、β)の長さを調整することにより、前記(I)および(II)の電圧印加の大きさ、ならびに金属帯単位面積あたりの(I)および(II)の電圧印加時間の長さをほぼ一定に保持する電圧制御を行う電源装置と
    を有することを特徴とする、金属帯の間接通電式連続電解エッチング装置。
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