JP2005225939A - ハードコート塗料及びこれを用いた成形体 - Google Patents

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Abstract

【課題】 顔料を加えた場合であっても硬化した際の顔料の偏在を抑制し、顔料の有する機能的性質を十分に発揮することができ、表面硬度に優れたものとすることのできるハードコート塗料を提供する。また、顔料の偏在を抑制し、表面硬度に優れたハードコート塗膜を有する樹脂成形体を提供する。
【解決手段】 本発明のハードコート塗料は、樹脂成分として多官能(メタ)アクリレート、顔料、及び熱ラジカル発生剤を含有するものである。また、本発明の成形体は、前記ハードコート塗料を熱硬化させてなるハードコート塗膜を樹脂成形体の表面に有するものである。
【選択図】 なし

Description

本発明は、表面硬度に優れた塗膜を付与するハードコート塗料に関し、特に顔料を含有させても顔料の偏在を抑制するハードコート塗料に関する。
従来より、ガラス板の代替品として、耐破壊性に優れた樹脂成形体が用いられていることは広く知られている。しかしながら、樹脂成形体は、ガラス板と比較して表面硬度が低く、表面の擦傷、及び引っかき等により傷が付き易いという重大な欠陥を有する。
かかる樹脂成形体が損傷するのを防止するために、ハードコート塗料を樹脂成形体の表面にコーティングする方法が一般的に用いられている。これらハードコート塗料は、通常は優れた表面硬度を付与するために、電離放射線を照射して硬化させる方法が用いられている(例えば、特許文献1参照)。
近年では、樹脂成形体を家電製品の表示部分や自動車計器用表示板として用いるために、ハードコート塗料中に導電性顔料を含有させたものが用いられている(例えば、特許文献2参照)。また、印刷物の表面やディスプレイ表面の光の反射を防止するために、高屈折率顔料を含有させたハードコート塗料から高屈折率ハードコート層を形成し、該層上に低屈折率層を形成したものが用いられている(例えば、特許文献3参照)。
特開2003−334891号公報(段落番号0020、0021) 特開平11−343430号公報(請求項1) 特開平11−77874号公報(請求項1、段落番号0027〜0029)
かかるハードコート塗料を硬化させる方法として、上記のような電離放射線を照射して硬化させる方法では、上記のような機能的性質を備えた顔料を加えた場合、かかる性質を十分に発揮することができないという問題があった。
上記の問題を解決するために、硬化した際の顔料の有する機能的性質を十分に発揮し、かつ、表面硬度に優れた工業的に普及し得るハードコート塗料及びこれを用いた成形体が切望されていた。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究した結果、顔料の機能的性質を十分に発揮することのできない原因が、顔料の偏在にあることを見いだした。つまり、電離放射線を照射して硬化させる方法を用いると、電離放射線入射部分の塗膜表面からラジカル重合により硬化が始まるため、顔料が塗膜中に均一に存在せず、電離放射線入射部分の塗膜表面とは反対側に顔料の偏在が起こるということがわかった。そしてさらに研究を続けた結果、電離放射線を照射して硬化させる方法の代わりに、熱により硬化させる方法を用いると、ラジカルの発生が塗膜全体で起こるため、顔料の偏在が抑制され、顔料が塗膜中に均一に存在することを見いだした。
本発明は、上述の事情に鑑みなされたもので、顔料を加えた場合であっても硬化した際の顔料の偏在を抑制し、顔料の有する機能的性質を十分に発揮することができ、表面硬度に優れたものとすることのできるハードコート塗料を提供することを目的とする。また、本発明は、顔料の偏在を抑制し、表面硬度に優れたハードコート塗膜を有する樹脂成形体を提供することを目的とする。
即ち、本発明のハードコート塗料は、樹脂成分として多官能(メタ)アクリレート、顔料、及び熱ラジカル発生剤を含有することを特徴とするものである。
好ましくは、前記顔料は、導電性顔料であることを特徴とするものである。
好ましくは、前記熱ラジカル発生剤は、1分間の半減期を得るための分解温度(以下、「1分間半減期温度」という。)が120℃以下のものであることを特徴とするものである。
また、本発明の成形体は、上記本発明のハードコート塗料を熱硬化させてなるハードコート塗膜を樹脂成形体の表面に有することを特徴とするものである。
なお、本発明でいう「半減期」とは、熱ラジカル発生剤が分解して、その活性酸素量が1/2になるまでに要する時間をいう。
本発明のハードコート塗料は、樹脂成分として多官能(メタ)アクリレート、顔料、及び熱ラジカル発生剤を含有するものであるから、硬化した際の顔料の偏在を抑制し、顔料の有する機能的性質を十分に発揮することができ、表面硬度に優れたものとすることができる。
また、本発明の成形体は、上述したハードコート塗料を熱硬化させてなるハードコート塗膜を表面に有するため、顔料の偏在を抑制することによって顔料の有する機能的性質を十分に発揮することができ、表面硬度に優れたものとすることができる。
まず、本発明のハードコート塗料について説明する。
本発明のハードコート塗料は、樹脂成分として多官能(メタ)アクリレート、顔料、及び熱ラジカル発生剤を含有することを特徴とするものである。以下、各構成要素の実施の形態について説明する。
本発明のハードコート塗料の樹脂成分は、主として多官能(メタ)アクリレートである。多官能(メタ)アクリレートは、多官能(メタ)アクリレートモノマー及び/または多官能(メタ)アクリレートプレポリマーから構成されてなるものである。樹脂成分として多官能(メタ)アクリレートを含有させることにより、硬化した際の塗膜の架橋密度が上がり、表面硬度に優れるものとすることができる。
多官能(メタ)アクリレートモノマーとしては、例えば、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトール(メタ)テトラアクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。また、これらの多官能(メタ)アクリレートモノマーを変性したものも利用することができる。これらの多官能(メタ)アクリレートモノマーは単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、硬化した際に優れた表面硬度が得られるトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレートが好適に用いられる。
多官能(メタ)アクリレートプレポリマーとしては、例えば、ポリエステル(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、ポリエーテル(メタ)アクリレート、ポリオール(メタ)アクリレート、メラミン(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらの中でも、塗料中の顔料を分散し易いという点からエポキシ(メタ)アクリレートが好適に用いられる。
本発明のハードコート塗料の樹脂成分としては、本発明の性能を損なわない範囲内であれば、可撓性を付加させる目的等で、アセチルセルロース、ニトロセルロース等のセルロース誘導体、酢酸ビニル及びその共重合体、塩化ビニル及びその共重合体等のビニル系樹脂、ポリビニルホルマール等のアセタール樹脂、アクリル樹脂及びその共重合体、メタクリル樹脂及びその共重合体等のアクリル系樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアミド樹脂等の熱可塑性樹脂等の、多官能(メタ)アクリレート以外の樹脂を含有させることができる。
ハードコート塗料中の全樹脂成分における多官能(メタ)アクリレートの含有量は、70重量%以上とすることが好ましく、80重量%以上とすることがより好ましい。多官能(メタ)アクリレートの含有量を70重量%以上とすることにより、塗膜を十分な表面硬度とすることができる。
次に、本発明のハードコート塗料の顔料としては、特に制限されることはないが、本発明においては、塗膜を硬化した際の顔料の偏在によって機能的性質が十分に発揮し難くなる、導電性顔料、高屈折率顔料、低屈折率顔料、反射性顔料、紫外線吸収性顔料等において、特に顕著な効果を発揮する。その中でも、特に導電性顔料を用いた場合に顕著な効果を発揮する。
ここで、一般に導電性顔料としては、例えば、アンチモンドープ酸化錫(ATO)、錫ドープ酸化インジウム(ITO)、アルミニウムドープ酸化亜鉛、金、銀、パラジウム等が挙げられる。
高屈折率顔料としては、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、酸化セリウム、酸化鉛、酸化インジウム、アンチモンドープ酸化錫(ATO)、錫ドープ酸化インジウム(ITO)、酸化錫等の金属酸化物が挙げられる。
低屈折率顔料としては、ケイ素の酸化物、リチウム、ナトリウム、マグネシウム、アルミニウム、カルシウム、ランタン、ネオジム、パラジウム等のフッ化物が挙げられる。
反射性顔料としては、アルミニウム、銅、亜鉛、鉄、クロム、ニッケル、モリブデン、ブロンズ及びパール顔料等が挙げられる。
紫外線吸収性顔料としては、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化セリウム等が挙げられる。
顔料の大きさについては、特に制限されることはないが、本発明において透明性が要求される場合には、二次平均粒子径で150nm以下が好ましく、100nm以下とすることがより好ましい。150nm以下とすることにより、ハードコート塗料を塗膜化した際に塗膜中の顔料による光の乱反射を防止し、透明性の低下を抑制することができる。なお、本発明の顔料の平均粒子径は、動的光散乱法で測定したものである。
このようなハードコート塗料中の全樹脂成分と顔料との体積比は特に制限されることはないが、上限として全樹脂成分1に対し顔料3以下の場合に、顔料の偏在を抑制することができるという本発明の効果を顕著に発揮することができる。また、顔料の体積比の下限としては顔料の性質によって異なるため一概にはいえないが、導電性顔料を用いた場合には、導電性の機能的性質を十分に発揮し得るという点から、全樹脂成分1に対し、顔料1以上であることが好ましい。
次に、本発明のハードコート塗料の熱ラジカル発生剤としては、過酸化物系熱ラジカル発生剤、アゾ系熱ラジカル発生剤、レドックス系熱ラジカル発生剤等の種々の熱ラジカル発生剤が用いられる。
過酸化物系熱ラジカル発生剤は、ビス(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート、ジ−n−プロピルパーオキシジカーボネート、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート等のパーカーボネート、ベンゾイルパーオキサイド、2,4−ジクロルベンゾイルパーオキサイド等のジアシルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ−(t−ブチルパーオキシ)−ヘキサン等のジアルキルパーオキサイド、1,1−ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘキサン等のパーオキシケタール、t−ブチルパーオキシベンゾエート等のアルキルパーエステル等の有機系のものと、過酸化カリウム、過酸化ナトリウム、過酸化カルシウム等の無機系のものが挙げられる。
アゾ系熱ラジカル発生剤としては、1,1’−アゾビス(1−アセトキシ−1−フェニルメタン)、2,2’−アゾビス(2−メチルブタンアミドオキシム)ヒドロクロリドテトラヒドレート、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2−(カルバモイルアゾ)イソブチロニトリル、2−フェニルアゾ−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル等が挙げられる。
レドックス系熱ラジカル発生剤としては、クメンヒドロペルオキシド−鉄(II)塩、過酸化ベンゾイル−ジメチルアニリン等が挙げられる。
熱ラジカル発生剤は、1分間半減期温度が、120℃以下であることが好ましく、95℃以下であることがより好ましい。120℃以下とすることにより、樹脂成形体の熱による物性の損失を防ぐことができるからである。このようなものとしては、例えばビス(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート、1,1’−アゾビス(1−アセトキシ−1−フェニルメタン)等が挙げられる。
ハードコート塗料中の熱ラジカル発生剤の含有量は、多官能(メタ)アクリレート100重量部に対し、上限として10重量部以下とすることが好ましく、下限としては、1重量部以上とすることが好ましい。10重量部以下とすることにより、熱ラジカル発生剤の影響による塗膜の性能の低下を防止させることができる。また、1重量部以上とすることにより、十分な熱硬化をさせることができる。
本発明のハードコート塗料には、分散剤を添加させることが好ましく、分散剤としては、高分子系分散剤、界面活性剤系分散剤、カップリング剤系分散剤等が挙げられる。
また、本発明のハードコート塗料には、本発明の効果を阻害しない範囲であれば、必要に応じて、滑剤、着色剤、顔料、帯電防止剤、難燃剤、抗菌剤、防カビ剤、紫外線吸収剤、光安定剤、熱安定剤、酸化防止剤、可塑剤、レベリング剤、流動調整剤、消泡剤、貯蔵安定剤等の添加剤を添加してもよい。
以上のように、本発明のハードコート塗料によれば、樹脂成分として多官能(メタ)アクリレート、顔料、及び熱ラジカル発生剤を含有することにより、塗料の硬化の際にラジカルの発生が塗膜全体で起こるため、顔料の偏在を防ぎ、顔料の有する機能的性質を十分に発揮することができ、表面硬度に優れたものとすることができる。
なお、本発明のハードコート塗料は、顔料を塗料中に分散させる観点から有機溶剤を含有させて使用することが好ましい。この有機溶剤としては、多官能(メタ)アクリレート及び他の樹脂成分と均一に混合することが可能で、かつ顔料の分散性を阻害するものでなければ特に限定されないが、常圧での沸点が50〜205℃のものが適当である。このような有機溶剤としては、例えばエタノール、イソプロピルアルコール、ノルマルプロピルアルコール、ノルマルブチルアルコール等のアルコール類、ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、ジオキサン等のエーテル類、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド類が挙げられる。
次に、上記の本発明のハードコート塗料を熱硬化させてなるハードコート塗膜を樹脂成形体の表面に有する成形体について説明する。
樹脂成形体としては、「フィルム」、「シート」、「プレート」等のいかなる厚みのものであっても良く、また例えば表面に凹凸を有していたり、立体的な形態のものであっても良い。
樹脂成形体の樹脂の種類は、特に限定されないが、フィルムやシートの場合は、例えば、アクリル、スチレン、アクリル−スチレン共重合体、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレン、アセチルセルロース等の樹脂からなるものが挙げられ、プレート等の場合は、アクリル、スチレン、アクリル−スチレン共重合体、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル等の樹脂からなるものが挙げられる。
樹脂成形体の表面には、本発明のハードコート塗料との接着性を向上する目的で易接着処理を施してもよく、また別途易接着層を設けてもよい。
本発明の成形体は、このような樹脂成形体に上記本発明のハードコート塗料を、従来公知のコーティング方法、例えば、ディップコーター、バーコーター、ダイコーター、ブレードコーター、スピンコーター、ロールコーター、グラビアコーター、フローコーター、スプレー、スクリーン印刷等によって、上述の樹脂成形体上に塗布した後、熱硬化させることによって得ることができる。
熱により硬化させる方法としては、樹脂成形体の耐熱温度により異なるため一概にはいえないが、100〜150℃で、2分以上加熱する方法が採用できる。
このようなハードコート塗膜の厚みとしては、一般的に塗料を硬化した際の顔料の偏在という問題が生じ易い、顔料の二次平均粒子径より大きいものを用いた場合に本発明の顕著な効果が得られる。また、ハードコート塗膜自体の厚みの下限としては、樹脂成形体の種類により異なるので一概にはいえないが、表面硬度を保つため、通常3μm以上とすることが好ましい。また、上限としては、瞬時に熱が塗膜全体にかかり、ラジカルを均一に発生させ顔料の偏在を抑制し得るという点から、10μm以下とすることが好ましい。
以上のように本発明の成形体は、上述したハードコート塗料を熱硬化させてなるハードコート塗膜を樹脂成形体の表面に有するため、硬化の際にラジカルの発生が塗膜全体で均一に起こることから、顔料の偏在を抑制し、顔料の有する機能的性質を十分に発揮することができ、表面硬度に優れたものとすることができる。このようにして得られる本発明の成形体は、導電性、耐擦傷性が必要な家電製品の表示部分や自動車計器用表示板等の用途に用いることが可能であり、また、反射防止性、耐擦傷性が必要な印刷物の表面やディスプレイ表面等の用途に用いることが可能である。
また、本発明の成形体の表面に有するハードコート塗膜は、熱硬化させて形成したものであるため、紫外線吸収性顔料を加えた場合であっても、紫外線を照射させて硬化させる場合に生じ得る、塗膜の硬化不良という問題は生じ得ない。
以下、実施例により本発明を更に説明する。なお、「部」は特に示さない限り、重量基準とする。
[実施例1]
1.ハードコート塗料の作製
下記組成のハードコート塗料のうち過酸化物系熱ラジカル発生剤を除いたものを混合し、サンドミル分散機(ナノミル:浅田鉄工社)を用いてATO微粒子の二次平均粒子径が150nm以下となるように分散した後、過酸化物系熱ラジカル発生剤を添加して実施例1のハードコート塗料を作製した。
<実施例1のハードコート塗料>
・多官能(メタ)アクリレートプレポリマー 5部
(ビスフェノールA型エポキシアクリレート、官能基数2、
分子量1100)
・多官能(メタ)アクリレートモノマー 5部
(トリプロピレングリコールジアクリレート)
・ATO微粒子(一次平均粒子径30nm) 38部
(導電性粉末T-1:三菱マテリアル社)
・高分子系分散剤 2部
・過酸化物系熱ラジカル発生剤 1部
(パーロイルIPP:日本油脂社、1分間半減期温度:88.3℃)
・メチルエチルケトン 50部
2.上記ハードコート塗料を用いた成形体の作製
厚み125μmのポリエステルフィルム(ルミラーT60:東レ社)を樹脂成形体として、このフィルムの一方の面に実施例1のハードコート塗料をロールコーター法で塗布し130℃で5分間加熱乾燥させ、厚み3μmのハードコート塗膜を形成し、上記ハードコート塗料を用いた実施例1の成形体を作製した。
[実施例2]
実施例1のハードコート塗料の代わりに、下記組成のハードコート塗料を用いた以外は、実施例1と同様にして、実施例2のハードコート塗料とこれを用いた成形体を作製した。
<実施例2のハードコート塗料>
・多官能(メタ)アクリレートプレポリマー 5部
(ウレタンアクリレート、官能基数2、分子量3400)
・多官能(メタ)アクリレートモノマー 5部
(ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート)
・ATO微粒子(一次平均粒子径30nm) 38部
(導電性粉末T-1:三菱マテリアル社)
・高分子系分散剤 2部
・過酸化物系熱ラジカル発生剤 1部
(パーロイルIPP:日本油脂社、1分間半減期温度:88.3℃)
・メチルエチルケトン 50部
[実施例3]
実施例1のハードコート塗料で過酸化物系熱ラジカル発生剤(パーロイルIPP:日本油脂社)の代わりに、アゾ系熱ラジカル発生剤(OTAZO-15:大塚化学社、1分間半減期温度:113℃)を用いた以外は、実施例1と同様にして、実施例3のハードコート塗料とこれを用いた成形体を作製した。
[比較例1]
実施例1のハードコート塗料で過酸化物系熱ラジカル発生剤の代わりに、光ラジカル発生剤(イルガキュア819:チバスペシャルティケミカルズ社)を用いた以外は、実施例1と同様にして、比較例1のハードコート塗料を作製した。その後、厚み125μmのポリエステルフィルムの一方の面に比較例1のハードコート塗料をロールコーター法で塗布乾燥し、高圧水銀灯により紫外線照射を行って硬化させて厚み3μmのハードコート塗膜を形成し、上記ハードコート塗料を用いた比較例1の成形体を作製した。
[比較例2]
実施例2のハードコート塗料で過酸化物系熱ラジカル発生剤の代わりに、光ラジカル発生剤(イルガキュア819:チバスペシャルティケミカルズ社)を用いた以外は、実施例2と同様にして、比較例2のハードコート塗料を作製した。その後、厚み125μmのポリエステルフィルムの一方の面に比較例2のハードコート塗料をロールコーター法で塗布乾燥し、高圧水銀灯により紫外線照射を行って硬化させて厚み3μmのハードコート塗膜を形成し、上記ハードコート塗料を用いた比較例2の成形体を作製した。
[比較例3]
実施例1のハードコート塗料の代わりに、下記組成のハードコート塗料を用いた以外は、実施例1と同様にして、比較例3のハードコート塗料とこれを用いた成形体を作製した。
<比較例3のハードコート塗料>
・アクリルポリオール樹脂 10部
(アクリディックA-807:大日本インキ化学工業社)
・ポリイソシアネート硬化剤 2部
(タケネートD110N:三井武田ケミカル社)
・ATO微粒子(一次平均粒子径30nm) 38部
(導電性粉末T-1:三菱マテリアル社)
・高分子系分散剤 2部
・メチルエチルケトン 50部
実施例、及び比較例で得られた成形体について、導電性及び表面硬度について評価した。評価結果を表1に示す。
(1)導電性の評価
実施例及び比較例の成形体を、10cm×10cmの大きさに切り、表面抵抗計(デジタルマルチメータ抵抗器:HEWLETT/PACKARD社)で測定し、表面抵抗値が1012Ω/□未満であったものを「○」、1013Ω/□以上であったものを「×」とした。
(2)表面硬度の評価
実施例及び比較例の成形体を、#0000のスチールウールに0.98N/cm2の加重を負荷して表面を10往復擦った後、表面の傷が10本以下であったものを「○」、表面の傷が15本以上であったものを「×」とした。
Figure 2005225939
表1から明らかなように実施例のハードコート塗料は、樹脂成分として多官能(メタ)アクリレート、顔料、及び熱ラジカル発生剤を含有するため、これを用いた成形体は、導電性および表面硬度の優れたものとなった。
一方、比較例1および2は、電離放射線を照射し硬化させる方法によってハードコート塗膜を形成したため、電離放射線入射部分の塗膜表面からラジカル重合により硬化が始まり顔料の偏在が起こり、導電性の劣るものとなった。比較例3は樹脂成分として多官能(メタ)アクリレートを含有していないため、顔料の偏在は生じなかったものの、表面硬度に劣るものとなった。なお、比較例3のものは、顔料の分散性が保てず、透明性の悪いものとなった。

Claims (4)

  1. 樹脂成分として多官能(メタ)アクリレート、顔料、及び熱ラジカル発生剤を含有することを特徴とするハードコート塗料。
  2. 前記顔料は、導電性顔料であることを特徴とする請求項1記載のハードコート塗料。
  3. 前記熱ラジカル発生剤は、1分間の半減期を得るための分解温度が120℃以下のものであることを特徴とする請求項1記載のハードコート塗料。
  4. 請求項1ないし3のいずれか1項記載のハードコート塗料を熱硬化させてなるハードコート塗膜を樹脂成形体の表面に有することを特徴とする成形体。
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