JP2005225872A - アディポネクチン産生増進剤 - Google Patents

アディポネクチン産生増進剤 Download PDF

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Abstract

【課題】
安全で、かつ活性が高く、しかもクルクミンのように着色しておらず、このため適用範囲の広い、アディポネクチンの体内産生を促進、増強する薬剤を提供する。
【課題を解決するための手段】
アディポネクチンの体内産生を促進、増強する薬剤の活性成分として、以下の一般式(1)で示される化合物を使用する。
【化1】

Description

本発明は、医薬品あるいは健康食品において有用な、動物脂肪細胞におけるアディポネクチン産生を増強もしくは促進する薬剤、2型糖尿病血糖降下剤、及び高脂血症治療剤に関する。
細胞から放出され細胞間相互作用を媒介することにより生体の働きを制御するサイトカインの1つとして、最近アディポネクチンという蛋白質性因子が同定され、その不足が2型糖尿病や動脈硬化症等の生活習慣病の発症に密接に関連していることが明らかになった。そして、直接的な注射投与や当該遺伝子を組みこんだアデノウイルスベクターの導入・発現で血中アディポネクチン濃度を増加させることにより、糖尿病モデルマウスの血糖値を低下させたり、動脈硬化につながる血管病変の形成を抑制できることが実験的に証明された(非特許文献1〜3参照)。実際の応用でも、肥満の改善剤(USPatent Application 20020132773)、抗炎症剤、単球系細胞の増殖抑制剤(特許文献1参照)、肝繊維化抑制剤(特許文献2参照)等としてアディポネクチンを使用する方法が開発されている。このように、体外で生産されたアディポネクチンの投与も有用であるが、体内におけるその産生不良を改善したり、さらなる増強をはかることは、長期にわたる生活習慣病の予防と治療にとって非常に重要である。
アディポネクチンは主として脂肪組織の脂肪細胞により産生される。脂肪細胞は中胚葉由来の前駆脂肪細胞からさまざまなホルモンの影響下で分化して生じる。実験的な分化の誘導は、インスリンと糖質グルココルチコイドの存在下に、cAMP分解酵素阻害剤であるイソブチルメチルキサンチン(IBMX)(非特許文献4参照)、非ステロド系抗炎症剤のインドメタシン(非特許文献5参照)、2型糖尿病の治療薬であるチアゾリジンジオン類(TZD)(特許文献3、非特許文献6参照)、血管拡張剤のプロスタサイクリン(PGI2)(非特許文献7参照))等を作用させることにより行なわれるが、実際に分化した細胞によるアディポネクチンの産生が上記IBMXを用いたLoefflerらの研究やTZDを用いたMaedaらの研究において確認された。また、Maedaらの研究では糖尿病モデルマウスにおいてTZDを経口摂取させた群では摂取させていない群よりも血中アディポネクチン濃度が顕著に上昇したことが確認され、さらにヒトの場合でも耐糖能の低下している患者においてTZDの服用による血中アディポネクチン濃度の上昇が確認されている。
このように、体内のアディポネクチンレベルを上昇させる医薬品がすでに知られているが、いずれも安全性や副作用の点で問題がある。すなわち、IBMXは医薬品として認可されたものではないし、TZDは肝毒性が強いため、服用は医師の厳重なコントロール下にされねばならず、さらにインドメタシンやプロスタサイクリン等も本来別の薬理活性を持つ医薬品であるため、生活習慣病の予防や軽い段階での治療に簡単に用いられるものではない。従って、糖尿病や動脈硬化が急増しその対策が社会問題となっている現在、これらの生活習慣病の予防、治療に手軽に利用できる薬剤として、アディポネクチンの体内産生を促進、増強する作用を持つ安全な物質の開発が求められている。このような観点から、例えば大豆蛋白を含む飼料で飼育した糖尿病モデルマウスにおけるアディポネクチンの血中濃度の上昇(非特許文献8参照)が報告されているが、十分な効果はない。本発明者等は最近、カレー粉の原料で食用となるウコン根茎の有機溶媒抽出物やそれに含まれるクルクミンが培養脂肪細胞のアディポネクチン産生を促進、増強することを見出し特許出願した(特願2003-292718号)。クルクミンは強力な抗酸化作用(特許文献4参照)を持つと共に、抗糖尿病・抗うつ病・抗腫瘍・抗炎症作用等を持つ生理活性物質であることが明らかにされ各方面で使用されている(特許文献5〜7,非特許文献9参照)。従って、クルクミンを含むアディポネクチン産生増強,促進剤の安全性は高い。
しかしながら、クルクミンはその強烈な黄色が製品の嗜好性や商品価値に不都合な場合がある。クルクミンの応用に当たり、抗酸化性等の機能を保ったままその黄色を消す方法として還元反応でテトラヒドロクルクミンに変換する方法(特許文献8参照)がある。しかし、本発明者の実験ではテトラヒドロクルクミンはクルクミンに比べて、アディポネクチン産生促進作用は著しく減少していた。
特開2000-256208号公報 特開2002-363094号公報 米国特許第6153432号明細書 特開2003-064360号公報 特開2003-128539号公報 特開2003-113117号公報 特開2003-055202号公報 特開平11-235192号公報 下村伊一郎他、実験医学、Vol. 20, No.12, 1762 − 1767 (2002) A.H. Berg et al., Nature Medicine, 7, 947 − 953 (2001) Y. Okamoto, Circulation, 106, 2767 − 2770 (2002)) A.K.G. Loeffler, Horm. Metab. Res., 32, 548 − 554(2000) H. Ye et al., Biochem. J., 330, 803 −809 (1998) N. Maeda et al., Diabetes, 50, 2094 −2099 (2001) R. Negrel et al., Biochem.J.、257,399 − 405 (1989) A. Nagasawa et al., Horm.Metab. Res., 34, 635 − 639 (2002) Chan et al., Biochem. Pharmacol., 55,1955 − 1962(1998)
本発明の課題は、上記従来技術の問題点を解消することにあり、安全で、かつ活性が高く、しかもクルクミンのように着色しておらず、適用範囲の広いアディポネクチンの体内産生を促進、増強する薬剤を提供し、また、2型糖尿病血糖降下剤、高脂血症治療剤を提供する点にある。
かかる状況において、本発明者らは鋭意検討の結果、クルクミンと共通の部分構造を有し、以下に示す一般式(1)で示されるヒドロキシ桂皮酸のエステルやアミド誘導体が目的の生物活性を持つことを発見し、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は以下の1)〜21)に示されるとおりのものである。
1) 下記一般式(1)で示される化合物を活性成分として含有することを特徴とする、動物脂肪細胞におけるアディポネクチン産生を増強もしくは促進する薬剤。
・・・(1)
(ただし、式1中においてR1は水酸基またはアルコキシ基を表し、Xはイミノ基(−NH−基)または酸素原子(−O−基)を表し、R2は炭素数1〜10の2価脂肪族炭化水素基を表し、R3は水素原子(H)、又は芳香族炭化水素基もしくは複素環基を表し、これらの環は水酸基もしくはアミノ基により置換されていてもよい。)
2) 活性成分が、フェルラ酸β−フェネチルエステルであることを特徴とする、1)に記載の薬剤。
3) 活性成分が、N-(β-フェネチル)フェルラミドであることを特徴とする、1)に記載の薬剤。
4) 活性成分が、N-フェルロイルチラミンであることを特徴とする、1)に記載の薬剤。
5) 活性成分が、N-フェルロイルトリプタミンであることを特徴とする、1)に記載の薬剤。
6) 活性成分が、シナミルフェルレートであることを特徴とする、1)に記載の薬剤。
7) 活性成分が、N-(3-フェニルプロピル)フェルラミドであることを特徴とする、1)に記載の薬剤。
8) 活性成分が、N-プロピルフェルラミドであることを特徴とする、1)に記載の薬剤。
9) 活性成分が、カフェイン酸β−フェネチルエステルであることを特徴とする、1)に記載の薬剤。
10) さらに、テオフィリン、カフェイン、もしくはテオブロミンのいずれか1つ以上を含有することを特徴とする、1)〜9)のいずれかに記載の薬剤。
11) テオフィリン、カフェイン、もしくはテオブロミンからなる、1)〜9)のいずれかに記載の薬剤の活性増強剤。
12) 上記1)に記載の一般式で表される化合物を活性成分として含有することを特徴とする、2型糖尿病血糖降下剤
13) 上記1)に記載の一般式で表される化合物を活性成分として含有することを特徴とする、高脂血症治療剤
14) 活性成分が、フェルラ酸β−フェネチルエステルであることを特徴とする、上記12)に記載の薬剤。
15) 活性成分が、N-(β-フェネチル)フェルラミドであることを特徴とする、上記12)に記載の薬剤。
16) 活性成分が、N-フェルロイルトリプタミンであることを特徴とする、上記12)に記載の薬剤。
17) 活性成分が、フェルラ酸β−フェネチルエステルであることを特徴とする、上記13)に記載の薬剤。
18) 活性成分が、N-(β-フェネチル)フェルラミドであることを特徴とする、上記13)に記載の薬剤。
19) 活性成分が、N-フェルロイルトリプタミンであることを特徴とする、上記13)に記載の薬剤。
20) 活性成分が、N-ベンジルフェルラミドであることを特徴とする、1)に記載の薬剤。
21) 活性成分が、N-フルフリルフェルラミドであることを特徴とする、1)に記載の薬剤。

本発明の一般式(1)で示される化合物は、動物においてアディポネクチンの産生を増強ないし促進し、2型糖尿病において血糖値を低下させ、また、血中グリセロールやコレステロールの濃度を低下させる。
一方、アディポネクチンの産生増強物質として知られている前記したTZDやインドメタシン等の物質は、安全性、副作用の問題を抱えているのに対し、本発明のフェルラ酸誘導体の多くは、園芸作物やプロポリス等健康増進剤あるいは漢方薬の成分として、我々の身近にあり、場合によれば喫食あるいは服用されていたものであるため、本発明の薬剤は安全性が高いものといえる。
さらに、上記したように、アディポネクチンは、インスリンが産生されているにもかかわらず血糖値が低下しないいわゆる生活習慣病の2型糖尿病を予防、治療する効果を有するが、これのみでなく動脈硬化につながる血管病変の抑制、肥満改善、抗炎症、単球系細胞の増殖抑制、肝繊維化抑制等、多くの重要な生理作用を有するものである。上記一般式(1)の化合物が、アディポネクチンの産生増強ないし促進作用、2型糖尿病における血糖降下作用、及び血中グリセロール、コレステロール濃度の低下作用を有することは、動物実験により確認されている。しかも、本発明の一般式(1)で示される化合物は無色であり、クルクミンのように着色しておらず、健康食品あるいは健康飲料等の添加物としても有利である。したがって、本発明により提供される薬剤は、安全で極めて有用な薬剤である。
本発明において使用する化合物は、以下の一般式で表される。
・・・(1)
(ただし、式1中においてR1は水酸基またはアルコキシ基を表し、Xはイミノ基(−NH−基)または酸素原子(−O−基)を表し、R2は炭素数1〜10の2価脂肪族炭化水素基を表し、R3は水素原子(H)、又は芳香族炭化水素基もしくは複素環基を表し、これらの環は水酸基もしくはアミノ基により置換されていてもよい。)
上記式(1)中の置換基を例示すると、Rのアルコキシ基としてはメトキシ基等、Rの炭素数1〜10の置換基としては、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、ビニレン基等が挙げられ、Rの芳香族炭化水素基としては、フェニル基、トリル基、ナフチル基等、同複素環基としては、3−インドリル基、2−インドリル基、5−イミダゾリル基、2−フリル基、2−チエニル基、2−ピリジル基等が例示され、これらの芳香族炭化水素基や複素環基は、水酸基あるいはアミノ基により置換されていてもよい。
上記一般式1で示される化合物は無色であり、それぞれ単独で、もしくはテオフィリンやカフェインとの共存下において、ヒトやマウスの前駆脂肪細胞の脂肪細胞への分化を促進し、それに伴いこれらの細胞におけるアディポネクチンの産生も促進・増強する。この活性は化合物の構造と濃度によっては対応する濃度のクルクミンよりも強い。
さらに、本発明の化合物のうち、好ましいものの化学構造を具体的に例示すると、以下の1a〜1h及び1i、1jの化合物が挙げられる。併せてクルクミンの化学構造を示す。
これら化合物の置換基を、一般式(1)の置換基に対応させて以下に示す
1aの化合物(フェルラ酸β−フェネチルエステル);一般式(1)中、R1=OMe, X=O, R2=CH2CH2, R3=C6H5である化合物。
1bの化合物(N-(β-フェネチル)フェルラミド); 一般式(1)中、R1=OMe, X=NH, R2=CH2CH2, R3=C6H5である化合物。
1cの化合物(N-フェルロイルチラミン);一般式(1)中、R1=OMe, X=NH, R2=CH2CH2, R3=C6H5-OHである化合物。
1dの化合物(N-フェルロイルトリプタミン);一般式(1)中、R1=OMe, X=NH, R2=CH2CH2, R3=3-Indolylである化合物。
1eの化合物(シナミルフェルレート);一般式(1)中、R1=OMe, X=O, R2=CH2CHCH, R3=C6H5である化合物。
1fの化合物(N-(3-フェニルプロピル)フェルラミド);一般式(1)中、R1=OMe, X=NH, R2=CH2CH2CH2, R3=C6H5である化合物
1gの化合物(N-プロピルフェルラミド);一般式(1)中、R1=OMe, X=NH, R2=CH2CH2CH2, R3=Hである化合物。
1hの化合物(カフェイン酸β−フェネチルエステル);一般式(1)中、R1=OH, X=O, R2=CH2CH2, R3=C6H5である化合物。
1iの化合物(N-ベンジルフェルラミド);一般式(1)中、R1=OMe, X=NH, R2=CH2,
R3=C6H5である化合物。
1jの化合物(N-フルフリルフェルラミド); 一般式(1)中、R1=OMe, X=NH, R2=CH2, R3=2-Furylmethylである化合物。
一般式(1)においてR1がメトキシ基(OMe)である化合物、すなわちフェルラ酸の誘導体はヒト前駆脂肪細胞の培養に添加した時、クルクミンでは細胞に障害を与える100μMの濃度でもネクロシスを起こさず正常な脂肪蓄積と分化を起こしたことから考えて、安全性は高いと判断される。また、式1a、1b、1c、1d、1hの化合物はプロポリス(P. Georgieva et al., Z. Naturforsch., 52c, 60 − 64 (1997))、セリ科Notopterygium属植物(S. Zschocke et al., Planta Med., 63, 203 − 206 (1997))、ペチュニア (Y. Jassey et al., Physiol. Veg., 20, 641 − 650 (1982))、甜菜(T.S. Kujala et al., Eur. Food Res. Technol. 214, 505 − 510(2002))、胡椒(T. Yoshihara et al., Agric. Biol. Chem., 45, 2593 − 2598 (1981))、ナス(T. Yoshihara et al., Agric. Biol. Chem., 42, 623 − 627 (1978))、トウモロコシ(A. Ehmann, Phytochem., 13, 1979−1983 (1974))等、食品・食用作物、園芸植物、漢方薬原料植物等に含まれることが知られているので、この点からも本化合物の安全性は高い。
このような本発明における式1で示される化合物のアディポネクチン産生増強作用、2型糖尿病における血糖降下作用、及び血中グリセロール、コレステロール濃度の低下作用はテオフィリン、カフェイン、テオブロミン等、茶やコーヒーに通常含まれるキサンチン誘導体を併用することにより一層増大する。これらキサンチン誘導体は平滑筋弛緩、中枢神経興奮、利尿など多彩な生理作用を示すが、生化学的には生体内セカンドメッセンジャーのcAMPを分解するホスホジエステラーゼを阻害することが知られている。アディポネクチン遺伝子のプロモーター部分には転写因子CEBPの結合配列が多数存在する(Das et al., Biochem. Biophys. Res. Commun., 280, 1120 − 1129 (2001);Schaeffler et al., Biochem. Biochim. Acta, 1399, 187 − 197(1998); Saito et al., Gene, 229, 67 − 73 (1999))ことから考えて、CEBPの発現増加と活性化に寄与するcAMPの分解を抑制し体内レベルを上昇させればアディポネクチン遺伝子の転写も促進されるのではないかと予想される。この発想に基づき既知のcAMPホスホジエステラーゼ阻害剤の中で、通常の食物に含まれる化合物としてテオフィリン等を取り上げて検討した結果、これらのキサンチン誘導体と一般式(1)で示される化合物の組み合わせが培養細胞におけるアディポネクチンの産生増強に著効を示すことが見出された。
先述のIBMXも同様の作用機作で用いられるが、非天然の合成化合物である。これに対してテオフィリンやカフェインはIBMXに比べて作用はよりマイルドであるものの、天然物として日常飲料から摂取されているため、より安全であると考えられる。
本発明において使用する一般式(1)で示される化合物は水酸基の保護、または無保護の状態でジシクロヘキシルカルボジイミド等のカップリング剤を用いる公知の方法で合成される(T.R. Burke et al., J. Med. Chem., 38, 4171−4178(1995); M. Villegas et al., Physiol. Plant., 78, 414 − 420(1990); C.F. Tseng, Chem. Pharm. Bull., 40, 396 − 400 (1992);J.P. Ley, Int. J. Cosmetic Sci., 23, 35 − 48 (2001))。また、フェノール基を保護したフェルラ酸等の酸クロライドを用いる方法でも容易に合成できる。さらに、上述したように食用作物等の植物にも含まれているので、そこから抽出することもできる。この場合、不都合な夾雑物がない限り、粗抽出物や部分精製品として用いることもできる。したがって、本発明の動物脂肪細胞におけるアディポネクチン産生を増強もしくは促進する薬剤、2型糖尿病における血糖降下剤及び高脂血症治療剤には、上記のような化学合成によるものの他、このような粗抽出物や部分精製品を使用して一般式(1)の化合物を含有させたものも含まれる。
このような植物からの一般式(1)で表される化合物の抽出は水やエタノールを用い常法により、容易に行なえる。また、精製は水/有機溶媒二相系での分配や各種のクロマトグラフィー操作等公知の方法で行なえばよい。一方、一般式(1)で示される化合物やそれを含む抽出物と組み合わせてアディポネクチンの産生をさらに増強するためには、テオフィリン、カフェイン、もしくはテオブロミン等のキサンチン誘導体をいずれか1つまたは2つ以上を混合して使用する。これらは茶葉やコーヒー豆、カカオ豆等から抽出できるし、公知の方法で容易に合成もできる。本発明に用いる場合、これらは純品として、あるいは茶・コーヒー等の粗抽出物の形で式1の化合物に混合してもよいし、単独で飲用水等に添加し、式1の化合物を含む飲用水等の摂取後、引き続いて飲用摂取することにより利用してもよい。本発明に用いる場合、式1の化合物の添加量は化合物の種類、精製の方法や程度、求められる効果の程度により、生理的に安全な範囲で加減する。例えば式1aの化合物の添加量は飲用水の1mlもしくは食物の1gあたり数mg以下とする。テオフィリン、カフェイン、もしくはテオブロミン等のキサンチン誘導体の添加量については常用されるコーヒーや緑茶に含まれる濃度に準ずるものとする。
すなわち、カフェインは飲用水の1mlもしくは食物の1gあたり0.1mgから0.5mg(約3 mM)、テオフィリンは飲用水の1mlもしくは食物の1gあたり0.01mgから0.05mg(約0.3
mM)、テオブロミンは飲用水の1mlもしくは食物の1gあたり0.1mgから2mg(約10mM)等を目安にするが、総摂取量や摂取形態に応じて、生理的に安全な範囲内で適宜増減する。
次に、本発明を実施例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
フェルラ酸β−フェネチルエステル(1a)の合成
フェルラ酸(シグマ社製、カタログNo.F3500)の57 mgを0.5 mlの乾燥テトラヒドロフラン (THF) に溶かし、次いで、氷冷下に60 mgのジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)と0.1 mlのTHFの混合液を添加した。10分後にβ-フェネチルアルコールの50μlを添加し、よく混合後4℃に静置した。2時間後、DCCの60 mgをTHFの0.1 mlに溶かした溶液を再度添加、混合した。一夜冷蔵庫に放置後、3 mlの酢酸エチルを加え、結晶を濾別した。濾液をエバポレータで濃縮し、分取の薄層クロマトグラフィー(20x20cm、0.5 mm厚、ヘキサンとアセトンの2:1混液で展開)で精製し、化合物1aを無色オイルとして得た(23.2 mg、収率27%)。機器分析の結果:MS m/z: 298.1194 (M+)(calcd. C18H18O4=298.1204);1H-NMR (CDCl3) δ:3.018 (2H, t, J = 7 Hz, CH2),3.924 (3H, s, OMe), 4.419 (2H, t, J = 7 Hz, CH2), 5.896 (1H, br. s, OH), 6.270 (1H, d, J = 15.9 Hz, CH=CH), 6.912 (1H, d, J = 8 Hz, H-5), 7.017(1H, d, J = 2 Hz, H-2), 7.062 (1H, dd, J = 8 and 2 Hz, H-6), 7.2−7.4 (5H, m, phenyl), 7.598 (1H, d, J = 15.9 Hz, CH=CH). この分析結果から、得られた化合物の構造が1aであることを確認した。
N-(b-フェネチル)フェルラミド(1b)の合成
55 mgのフェルラ酸に対して、β-フェネチルアルコールの代りにβ-フェネチルアミンの40μlを用いDCCを50 mgづつ2回に分けて添加した以外は実施例1と同様に反応、処理を行ない、分取の薄層クロマトグラフィーで精製した30 mgのガム状物質をベンゼンから結晶化させ、13.5 mgの針状晶を得た(収率16%)。分析値: 融点115 − 116 ℃、MS m/z: 297.1359 (M+)(calcd. C18H19NO3=297.1364);1H-NMR (CDCl3) δ:2.886 (2H, t, J = 7 Hz, CH2),3.660 (2H, dt, J = 7 and 6 Hz, CH2), 3.902 (3H, s, OMe), 5.569 (1H, t, J = 6 Hz, NH), 5.85 (1H,br. s., OH), 6.163 (1H, d, J = 15.7 Hz, CH=CH), 6.887 (1H, d, J = 8 Hz, H-5),6.964 (1H, d, J = 2 Hz, H-2), 7.036 (1H, dd, J = 8 and 2 Hz, H-6), 7.2 − 7.4(5H, m, phenyl), 7.530 (1H, d, J = 15.7 Hz, CH=CH). この分析結果から、得られた化合物の構造が1bであることを確認した。なお、本化合物は文献[Tsengら、Chem. Pharm. Bull., 40, 396 − 400 (1992); Jassey et al., Physiol. Veg.,
20, 641 − 650 (1982)]に現れているが、物理的性状は何ら記載がなく、結晶で単離し物理的・スペクトル的性質を報告したのは本発明が初めてと思われる。
N-フェルロイルチラミン(1c)の合成
10 mgのフェルラ酸を用い、β-フェネチルアルコールの代りにチラミン(2−(4−ヒドロキシフェニル)エチルアミン)を3級ブタノールに溶かしてから添加した以外は実施例1と同様に反応、処理を行ない、分取薄層クロマトグラフィーで精製後、アセトン-クロロホルムから結晶化させ、12.5 mgの微細針状晶を得た(収率78%)。分析値: 融点142 − 143 ℃ [文献値 144.5〜145℃、Yoshihara et al., Agric. Biol. Chem., 45, 2593 − 2598 (1981)]、MS m/z: 313.1324 (M+)(calcd. C18H19NO4=313.1313); 1H-NMR (CDCl3+10% MeOH-d4) δ:2.762 (2H, t, J = 7 Hz, CH2), 3.546 (2H, t, J = 7 Hz, CH2), 3.866 (3H, s, OMe), 6.197 (1H, d, J = 15.4 Hz, CH=CH),6.771 (2H, d, J = 8 Hz, H-2’,6’), 6.839 (1H, d, J = 8 Hz, H-5), 6.962 (1H, d, J = 2 Hz, H-2), 6.997 (1H, m, H-6), 7.027 (2H, d, J = 8 Hz, H-3’,5’), 7.474 (1H, d, J = 15.4 Hz, CH=CH). この分析結果から、得られた化合物の構造が1cであることを確認した。
N-フェルロイルトリプタミン(1d)の合成
22 mgのフェルラ酸を用い、β-フェネチルアルコールの代りにトリプタミン(3−(2−アミノエチル)インドール)のテトラヒドロフラン溶液を添加した以外は実施例1と同様に反応処理し、分取薄層クロマトグラフィーで精製後、クロロホルムから結晶化させ、1dの微細針状晶15 mgを得た(収率39%)。分析値: 融点163 − 165 ℃、 MS m/z: 336.1424 (M+)(calcd. C20H20NO3=336.1473);1H-NMR (CDCl3+10% MeOH-d4) δ:3.047 (2H, t, J = 7 Hz, CH2), 3.722 (2H, t, J = 7 Hz, CH2), 3.892 (3H, s, OMe), 6.161 (1H, d, J = 15.7 Hz, CH=CH), 6.859 (1H, d, J = 8 Hz, H-5), 6.965(1H, d, J = 2 Hz, H-2), 7.012 (1H, dd, J = 8 and 2 Hz, H-6), 7.079 (1H, s, H-2''), 7.121 (1H, m, H-5'' or 6''), 7.205 (1H, m, H-6'' or 5''),7.395 (1H, m, H-7'' or 4''), 7.486 (1H, d, J = 15.7 Hz, CH=CH), 7.628 (1H,m, H-4'' or 7'')。 この分析結果から、得られた化合物の構造が1dであることを確認した。
シナミルフェルレート(1e)、N-(3-フェニルプロピル)フェルラミド(1f)、N-プロピルフェルラミド(1g)の合成
β-フェネチルアルコールの代りにシナミルアルコール、3-フェニルプロピルアミン、またはn-プロピルアミンを用いて実施例1と同様に反応処理、精製し、1e、1f、1gをそれぞれ収率51%、91%、及び25%で得、各構造をH-NMRスペクトルで確認した。
N-ベンジルフェルラミド(1i)、N-フルフリルフェルラミド(1j)の合成
公知の方法で合成したO-アセチルフェルラ酸クロライドの0.3 gをトルエン6 mlに溶かし、0.15 mlのベンジルアミンと0.3 mlのピリジンを含む2 mlのトルエン(氷冷)に添加、室温で1時間攪拌、反応させ、生成物を20mlの酢酸エチルで抽出した。酢酸エチル層を少量の水、10%クエン酸、10%NaHCO3、及び飽和NaCl水溶液で順次洗浄後、ロータリー・エバポレーターで濃縮した。この残渣を20 mlのエタノールに溶かし、ヒドラジン一水和物の0.16 mlを入れ、室温に1時間放置しアセチル基を除去した。次いで酢酸を0.16 ml加え、濃縮後、酢酸エチルの20 mlと水10 mlを加え分液ロート中で振り、分離した有機層を少量の飽和塩化ナトリウム水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥後、ロータリー・エバポレーターで濃縮した。得られた油状物を分取の薄層クロマトグラフィー(シリカゲル、ベンゼン:酢酸エチル=3:1)で精製し、ベンゼン/アセトン/へキサンの混液から結晶化させ、0.22g(収率66%)のN-ベンジルフェルラミド(1i)を微細針状晶として得た。分析値: 融点123〜129℃、MS m/z: 283.1199 (M+)(calcd. C17H17NO3=283.1207); 1H-NMR(CDCl3) δ: 3.897 (3H, s, OMe), 4.577 (2H, d, J = 6 Hz, CH2), 5.955 (2H, br. s, OH, NH), 6.289 (1H, d, J = 16 Hz, CH=CH), 6.902 (1H, d, J = 8 Hz, H-5), 6.982 (1H, d, J = 2 Hz, H-2), 7.055 (1H, dd, J = 8, 2 Hz, H-6), 7.28 − 7.57 (5H, m, phenyl), 7.603 (1H, d, J = 16 Hz, CH=CH)。これらの分析結果から、得られた化合物の構造が1iであることを確認した。また、ベンジルアミンの代わりに0.15 mlのフルフリルアミンを上記と同様にO-アセチルフェルラ酸クロライドと反応させ、ヒドラジン一水和物処理を経て、生成物をベンゼン/アセトン/へキサンの混液から結晶化させ、0.21g(収率65%)のN-フルフリルフェルラミド(1j)を微細針状晶として得た。分析値: 融点91〜92℃、MS m/z: 273. 0997 (M+)(calcd. C15H15NO4=273.1000);1H-NMR (CDCl3) δ: 3.906 (3H, s, OMe), 4.577 (2H, d, J = 6 Hz, CH2), 5.905 (1H, br. s, OH), 5.936 (1H, br. s, NH), 6.267 (1H, d, J = 16 Hz, CH=CH), 6.270 (1H, dd, J = 3, 1 Hz, H-3’), 6.331 (1H, dd, J = 3, 2 Hz, H-4’), 6.903 (1H, d, J = 8 Hz, H-5), 6.983 (1H, d, J = 2 Hz, H-2),7.053 (1H, dd, J = 8, 2 Hz, H-6), 7.364(1H, dd,J = 2, 1 Hz, H-5’), 7.586 (1H, d, J = 16 Hz, CH=CH)。これらの分析結果から、得られた化合物の構造が1jであることを確認した。
マウス3T3-L1前駆脂肪細胞株(大日本製薬株式会社より購入)を10%の牛胎仔血清(FBS)を含むDMEM培地で3日間前培養後、EDTA-トリプシン液で回収し、5x 104 cells/mlの懸濁液とし、あらかじめコラーゲンコーティングを施した12-wellのマルチウェルプレートに1ウェルあたり2 ml植え込んだ。3日間培養後、培地(10%の牛胎仔血清を含むDMEM培地)の半分(1ml)を新鮮培地に交換し、次いで上記のフェルラ酸誘導体のエタノール溶液(30 mM)を6.7 μlづつ添加した。コントロールには純エタノールを同量添加した。10日間培養後、位相差顕微鏡で細胞内脂肪球の蓄積を確認してから培地を除去し、PBS(1 ml/well)で2回洗浄後、各ウェルの細胞を1 mlのPBSと共にセルスクレーパーで剥がし、遠心分離(6000 rpm、3分)で集めた。上清を捨て、各チューブの細胞を1%のTween 20を含むlysis緩衝液の20μlと共にピペッティングし、次いでボルテックス処理で破壊・抽出した。これを遠心分離にかけ(12000 rpm、20分)上清を回収し、蛋白濃度を測定した。上清の一定量を取り1mg/mlの蛋白濃度においてSDS処理し、ポリアクリルアミドゲルによる電気泳動を行ない、常法によるウェスタンブロッティングでアディポネクチンを検出した。
用いた1次抗体はケミコン社製のmouse anti-adiponectin, mouse monoclonal antibody(Catalog No. MAB3608)であり、2次抗体はZymed社製のrabbit anti-mouse Ig G1-HRP conjugate (Catalog No. 61-0120)である。バンドの検出にはAmersham Biosciences 社製ECL Plus測定キットを用いた。さらに、比較のためβ-アクチンもウェスタンブロッティングで検出したが、用いた1次抗体はSanta Cruz社製のanti-b-actin (C-11, sc-1615)であり、2次抗体はZymed社製のrabbit anti-goat IgG(H+L)-HRP conjugate (Catalog No. 81-1620)である。結果を図1に示す。この結果から供試したフェルラ酸β-フェネチルエステル(1a)とフェルラ酸アミド誘導体1b、1c、1dにマウス3T3-L1前駆脂肪細胞より分化した脂肪細胞のアディポネクチン産生を増強する作用のあることがわかる。
アディポネクチン遺伝子発現の増強をRT-PCRで確認した。 実施例6と同様に12-wellのマルチウェルプレートに植え込んだマウス3T3-L1前駆脂肪細胞を3日間培養後、培地の半分を新鮮な培地に交換し、サンプルのエタノール溶液(30 mM)を6.7 μlづつ添加した。コントロールには純エタノールを6.7μl添加した。10日間培養し、位相差顕微鏡による観察でサンプル添加ウェルにおいて細胞内脂肪球の発達を確認後培地を捨て、PBS(1 ml/well)で1回洗浄後、各ウェルの細胞を0.3 mlのイソゲン(和光純薬製)と混和しRNAを抽出した。イソゲンの製造元から添付の説明書にしたがってDNAと蛋白質を除き、全RNAをイソプロピルアルコールで沈殿させ、エタノールで洗い、風乾後、10μlの水に溶かし、RNA量を260/280nmにおける吸光度から求めた。このRNAをプロメガ社の逆転写酵素システムでcDNAとし、このテンプレートを用いてアディポネクチン遺伝子発現をPCRで確認した。
用いたプライマーは次の通りである:マウスアディポネクチン、5’-AAGGACAAGGCCGTTCTCT-3’及び5’-TATGGGTAGTTGCAGTCAGTTGG-3’;対照用のβ-アクチン、5’-GACGAGGCCCAGAGCAAGAGA-3’及び5’-TAGATGGGCACAGTGTGGGTGA-3’。PCRはパーキン・エルマー社製のAmpliTaq DNA polymeraseを用い、添付のマニュアルに従って行なった。変性は94℃で1分、アニーリングは64℃で1分、重合は72℃で1分間行ない、アディポネクチン遺伝子については全部で31回、アクチン遺伝子については28回繰返した。PCR産物の電気泳動結果を図2に示す。サンプルを添加して培養した細胞では明らかにアディポネクチンの発現がコントロールよりも増加している。次いでこの結果を定量PCRで確認した。コルベット社製のRotor-Gene 2000 Real-Time Cyclerを用い、Qiagen社製のQuantiTect SYBR Green PCRシステムでβ-アクチンに対するアディポネクチンの遺伝子の相対的な発現量を定量した。プライマーは上記と同様である。結果を図3に示す。市販(Sigma社製)のカフェイン酸β-フェネチルエステル(1h)や実施例1〜4で合成したフェルラ酸β-フェネチルエステル(1a)、フェルラ酸アミド誘導体1b、1c、もしくは1dの添加により、アディポネクチンの遺伝子発現が用量依存的に増強されることがわかる。
正常ヒト前駆脂肪細胞(三光純薬製)を10 %のFBSと2 mMグルタミンを添加したPBM培地(PBM増殖培地、PBMは三光純薬製)で4日間前培養後、細胞をEDTA-トリプシン液で回収し、PBM増殖培地に4x 104 cells/mlの割合で懸濁し、あらかじめコラーゲンでコートした96-wellプレートに0.2 mlづつ植え込んだ。5%のCO2存在下、37℃で4日間培養後、培地をPBM基本分化培地[PBM増殖培地にインスリン(10μg/ml)とデキサメタソン(0.1μM)を添加したもの]に、さらに100または500μMのテオフィリンまたは500μMのカフェインを添加、もしくは添加していない培地に交換した(0.2 ml/well)。これらの各ウェルに前記の実施例1〜5で得たフェルラ酸誘導体のエタノール溶液(10又は3 mM)を2μlづつ添加した。コントロールには2μlのエタノールのみを添加した。
10日間インキュベート後、細胞をホルマリン固定し、次いでORO試薬(Ramirez-Zacarias et al., Histochemistry, 97, 493 − 497 (1992))とGiemsa試薬で染色した。これらの細胞の顕微鏡観察から、前記フェルラ酸誘導体を添加した場合に脂肪細胞が増加すること、また、フェルラ酸誘導体に加えてテオフィリン又はカフェインを加えると脂肪細胞の増加が一層促進されることを確認した。N-(b-フェネチル)フェルラミド(1b)を用いた場合の顕微鏡写真を図4に示す。さらに、上記と同様に培養、処理した別なウェルの培地を吸引除去後、1%ホルムアルデヒド−PBS(++)溶液で固定、0.2 % Triton X100−PBS(++)溶液で細胞膜透過性処理、2%BSA入りPBS(++)でブロッキングの各操作を行なった後、ケミコン社製のhuman anti-adiponectin, mouse monoclonal antibody (Catalog No. MAB3604)を含む2%BSA-PBS(++)を各ウェルに50μlづつ加え、1次抗体反応を37℃で1時間行なった。細胞をPBS(++)で繰返し洗浄後、Sigma社製のFITC-conjugated anti-mouse IgG(Catalog No. F0257)を含む2%BSA-PBS(++)で2次抗体反応を1時間行い、洗浄後、蛍光顕微鏡で観察した。顕微鏡写真を図5に示す。AからHの各葉において右側の写真は位相差顕微鏡写真であり、脂肪蓄積細胞は多数の小球を包蔵した細胞として観察される。また、左側は右側と同視野の蛍光顕微鏡写真である。フェルラ酸誘導体を添加した場合に出現した脂肪蓄積細胞が抗体を介して結合したFITCによる強い緑色蛍光を発していることから、抗原であるアディポネクチンを発現していることが確認された。
実施例8と同様に培養した正常ヒト前駆脂肪細胞(三光純薬製)をPBM増殖培地に4 x 104 cells/mlの割合で懸濁し、コラーゲンでコートした12-wellプレートに2 mlづつ植え込んだ。4日間培養後、培地をPBM基本分化培地に交換した(2 ml/well)。この培養物に20 mMのカフェイン水溶液を最終濃度500μMになるように添加し、次いで前記の実施例1〜5で得たフェルラ酸誘導体のエタノール溶液(3、10、30 mM)を6.7μlづつ添加した。コントロールには6.7 μlのエタノールのみを添加した。11日間インキュベート後、培地を吸引除去し、PBSで2回洗浄後、実施例6と同様にして細胞を回収し、lysis緩衝液(1サンプルあたり20μl)で抽出処理した。抽出液は蛋白質を定量後、総蛋白濃度0.5 mg/mlにおいてSDS処理し、ポリアクリルアミドゲルによる電気泳動を行ない、ウェスタンブロッティングでアディポネクチンとβ-アクチンを検出した。1次抗体としてケミコン社製のhuman anti-adiponectin, mouse monoclonal antibody (Catalog No. MAB3604)を用いた以外は実施例6と同じ抗体を用いた。結果を図6に示すが、フェルラ酸アミド誘導体1b、1c、1d、1fやフェルラ酸エステル1aの添加でアディポネクチンの産生が増強されることがわかる。同様の実験を実施例5で得たフェルラ酸アミド誘導体1iと1j(50及び100μM)を用いて行なった。ただし、今回はカフェインを添加しなかった。また、比較のために1bも再度実験した。結果を図15に示すが、フェルラ酸アミド誘導体1iと1jもアディポネクチン産生増強作用を有することがわかる。
正常ヒト前駆脂肪細胞に対して、カフェインの代りに100μMのテオフィリンを用い、これを添加した場合と添加しない場合について、実施例9と同様の実験を行なった。ただし、lysis緩衝液は1サンプルあたり10μlを用い、SDS処理時の総蛋白濃度は1mg/mlとした。結果を図7に示すが、図中に記載したフェルラ酸誘導体によるアディポネクチン産生増強作用が100μMのテオフィリンの共存で一層強化されることが確認された。
正常ヒト前駆脂肪細胞を、実施例9と同様の条件下で11日間培養し、培地を除去、洗浄後、各ウェルの細胞をイソゲン0.3 mlで抽出した。実施例7と同様にRNAを精製、RT-PCRを行ないアディポネクチン遺伝子の発現を確認した。ヒトアディポネクチンのプライマーは文献(Yokota et al., J. Clin. Invest., 109, 1303 − 1310 (2002))に記載の5’-TGTTGCTGGGAGCTGTTCTATG-3’及び5’-ATGTCTCCCTTAGGACCAATAAG-3’を用い、β−アクチンのプライマーは実施例7と同じもの(マウス、ヒト共通部分)を用いた。PCRの条件は、アディポネクチンについてアニーリングを60℃で行ない、30回増幅を繰返した以外は実施例7に記載したところと同様である。PCR産物を電気泳動で分析した結果を図8に示す。この結果からフェルラ酸誘導体によりヒトアディポネクチン遺伝子の発現が促進・増強されていることがわかる。さらに、実施例7と同様に定量PCR法でβ-アクチンに対するアディポネクチンの遺伝子の相対的な発現量を定量した。プライマーは上記と同様である。結果を図9に示すが、アディポネクチン遺伝子の発現はコントロールに比べて、100μMのN-(b-フェネチル)フェルラミド(1b)の添加で290倍に増強される等、供試したいずれのフェルラ酸誘導体でも増強されることを確認した。
実施例11におけるカフェインの代りに500μMまたは100μMのテオフィリンを用い、これを添加した場合と添加しない場合について、実施例11と同様の実験を行なった。結果を図10、11、12に示すが、フェルラ酸誘導体1b、1d、1c、1aによるアディポネクチン遺伝子発現の増加が100ないしは500μMのテオフィリンの共存で一層強化されることがわかる。
正常ヒト前駆脂肪細胞を実施例8と同様に96-wellプレートに植え込み、5%のCO2存在下、37℃で3日間培養後、培地をPBM基本分化培地に100 μMのテオフィリンを添加、もしくは添加していない培地に交換した(0.2 ml/well)。これらの各ウェルに2 mMのN-(b-フェネチル)フェルラミド又は2 mMのクルクミンのエタノール溶液を2μlづつ添加した。コントロールには2μlのエタノールのみを添加した。10日間インキュベート後、細胞をホルマリン固定し、ORO試薬とGiemsa試薬で染色した。顕微鏡写真を図13のaからfに示す。また、別なウェルについては実施例8と同様に細胞を固定、膜透過性処理後、human anti-adiponectinとFITC-conjugated anti-mouse IgGを用い蛍光免疫染色した。蛍光顕微鏡写真を図13g、i、kに、さらにそれぞれと同一視野の位相差顕微鏡写真を図13h、j、lに示す。この結果から、N-(b-フェネチル)フェルラミド(1b)は20μMの濃度においてクルクミンと同等以上の効力で脂肪細胞の分化とアディポネクチン発現を促進、増強することがわかる。
N-(β-フェネチル)フェルラミド(FAPA)、フェルラ酸β−フェネチルエステル(FAPE)、N-フェルロイルトリプタミン(FATA)の大量調製
公知の方法で合成したO-アセチルフェルラ酸クロライドの30gをトルエン350mlに溶かした。この溶液を滴下ロートに入れ、25mlのβ-フェネチルアミンと50mlのピリジンを100mlのトルエンに混合した溶液に氷冷、攪拌下添加した。全量添加後、氷浴を去り、室温で一晩攪拌した。この反応液を2分し分液ロートに入れ500mlの酢酸エチルを加え、150及び100mlの水、150及び100mlの10%クエン酸水溶液、150及び100mlの10%NaHCO3水溶液、100及び50mlの飽和NaCl水溶液で順次洗浄した。有機層を合わせNa2SO4で乾燥後、ロータリー・エバポレーターで濃縮して得たアメ状物質を酢酸エチルから再結晶させ、32.6gのO-アセチル-N-(β-フェネチル)フェルラミドを得た。この全量を500mlのエタノールに溶かし、ヒドラジン一水和物の12mlを入れ、室温に1時間放置した。次いで酢酸を12ml加え、ロータリー・エバポレーターで濃縮した残渣に酢酸エチルの500mlと水100mlを加え、分液ロート中で激しく振とうした。有機層を飽和塩化ナトリウム水の200mlで2回洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥後、ロータリー・エバポレーターで濃縮した油状物をベンゼンから結晶化させ、28.3gのN-(β-フェネチル)フェルラミド(FAPA)を得た。収率81%。薄層クロマトグラフィー(シリカゲル、ベンゼン:酢酸エチル=1:1)とNMRスペクトルから実施例2で得た標品と同一物質であることを確認した。
次に、β-フェネチルアミンの代わりに21mlのβ-フェネチルアルコールをO-アセチルフェルラ酸クロライドの30gと反応させ上記と同様に処理し、O-アセチルフェルラ酸β−フェネチルエステル(アセトン-へキサンから結晶化、収率93%)を得、これをヒドラジンで処理し上記と同様に精製・濃縮後、オイルポンプで十分に乾燥し、32gのフェルラ酸β−フェネチルエステル(FAPE)を油状物として得た。収率91%。薄層クロマトグラフィー(シリカゲル、ベンゼン:酢酸エチル=3:1)とNMRスペクトルから実施例1で得た標品と同一物質であることを確認した。
さらに、β-フェネチルアミンの代わりに15gのトリプタミンを15gのO-アセチルフェルラ酸クロライドと反応させ、ヒドラジン処理を経て上記と同様に精製処理し、アセトン-クロロホルムから結晶化させ12.8gのN-フェルロイルトリプタミン(FATA)を得た。収率65%。薄層クロマトグラフィー(シリカゲル、ベンゼン:酢酸エチル=1:1)とNMRスペクトルから実施例4で得た標品と同一物質であることを確認した。
遺伝的に2型糖尿病を発症するKK-Ay/Ta Jc1マウス(オス、5週令、15匹、日本クレア社製)を、フェルラ酸β−フェネチルエステル(FAPEと略称)を1%(w/w)の割合で添加し、もしくは添加しないで調製した飼料で4週間にわたり飼育し、体重と摂餌量を定期的に測定し、また1週間に1度採血して血糖値、血中アディポネクチンレベル、血漿トリグリセリド及び総コレステロール濃度を測定した。飼料は日本クレア社製のCE-2粉末飼料の120 gあたり実施例14で合成したFAPEのエタノール溶液(0.2 g/ml)の6 ml又はエタノールの6 mlを加え、さらに2.4 gの馬鈴薯澱粉を水48 mlと混合・加熱して調製したゲルを加え全体を乳鉢と乳棒でよく混和後、直径15 cmのシャーレに固く充填し、その状態で3、4日風乾して調製した固形飼料を自由摂取させた。水は水道水をオートクレーブで滅菌したものを自由摂取させた。血糖やアディポネクチン測定のためのプラズマ(血漿)は、血液をマウス尾部先端から1回あたり9μl採取し、これを直ちに3μlのヘパリン溶液(50 mg/ml)と混合、遠心分離(12000 rpm、12分)で血球を除いて調製した。このプラズマ中のグルコースとトリグリセリド、総コレステロール濃度をそれぞれグルコースCII-テストワコー、トリグリセリドE-テストワコー、コレステロールE-テストワコー(いずれも和光純薬工業株式会社製)で測定した。一方、プラズマの2μlを水8μl及び2x SDS緩衝液の10μlと混合後、95℃で5分加熱処理し、電気泳動の試料とした。ポリアクリルアミドゲルによる電気泳動(各レーン2μlをアプライ)とウェスタンブロッティングによるアディポネクチンの検出は定法によって行った。用いた1次抗体はケミコン社製のmouse anti-adiponectin, mouse monoclonal antibody(Catalog No. MAB3608)であり、2次抗体はZymed社製のrabbit anti-mouse Ig G1-HRP conjugate(Catalog No. 61-0120)である。バンドの検出にはPharmacia社製ECL Plus測定キットを用いた。また泳動後のゲルについて、分子量8万前後の部分をCBB試薬で染色し血清アルブミンを検出した。これらのバンドをスキャナーで画像としてパソコンに取り込み、ゲル・プロ・アナライザー(ソフトウェア)でバンドの濃さを数値化した。これらの値から血清アルブミンを基準にした血中アディポネクチンの相対的なレベルを求めた。結果を表1〜表5に示す。コントロール群は7匹で出発したが、自傷行為で皮膚に異常の認められた2匹を除外してデータを計算した(FAPE群は8匹)。表1に示すように、コントロール群に比べてFAPE群のマウスでは体重増加と摂餌量はやや抑制されていた。表2はFAPE群マウスの血漿グルコース濃度は7〜10週令の間コントロール群より有意に低く、糖尿病発症による血糖増加がFAPEで抑制されることを示している。表3は血中アディポネクチンの測定結果であるが、9週令と10週令目ではコントロール群に比べFAPEの飼料添加により血中アディポネクチンレベルが有意に上昇することが示された。さらに、KK-Ay/Taマウスは糖尿病の進行と肥満に伴い血中脂肪も増加するので高脂血症のモデルにもなっている(特開2004-168720)。本実験で血漿トリグリセリドと総コレステロールを測定した結果(表4、表5)では、FAPEにより血中脂肪の増加が強力に抑制され、コレステロール濃度も9週令目において有意に減少していることが示された。
注1);フェルラ酸β−フェネチルエステル(FAPE)1%添加飼料で飼育したKK-Ay/Ta Jc1マウスの飼育期間中における体重増加と1日1匹あたりの平均摂餌量。平均摂餌量は各群の1週間における総摂餌量から計算した。マウスの数はコントロール群5匹、FAPE群8匹であり、数値は平均値(av)と標準偏差(sd)である。表中の*印はコントロールに比べて有意に低いことを表す(*はp<0.05、**はp<0.01)。体重についてn = 5又は8、摂餌量についてn = 35〜56。
注2);1%FAPE添加飼料で飼育したKK-Ay/Ta Jc1マウスの7週令目から10週令目における血漿グルコース濃度(mg/dL)。数値は平均値(av)と標準偏差(sd)である。表中の*印はコントロールに比べて有意に低いことを表す(*はp<0.05、**はp<0.01)。n = 10〜24。
注3);1%FAPE添加飼料で飼育したKK-Ay/Ta Jc1マウスの血中アディポネクチンレベル。アディポネクチンと血清アルブミンの電気泳動/ウェスタンブロットにおけるバンドの濃さ(デンシトメトリーによるカウント)の比の平均をコントロール群についての値を1として比較したデータである。表中の*印はコントロールに比べて有意に高い(p<0.05)ことを表す。n = 15〜29。
注4):1%FAPE添加飼料で飼育したKK-Ay/Ta Jc1マウスの7週令目から10週令目における血漿トリグリセリド濃度(mg/dL)の平均値(av)と標準偏差(sd)である。表中の**印はコントロールに比べて有意に低い(p<0.01)ことを表す。7週令目についてn = 5, 8、8〜10週令目についてn = 15, 24。
注5):1%FAPE添加飼料で飼育したKK-Ay/Ta Jc1マウスの7週令目から10週令目における血漿コレステロール濃度(mg/dL)の平均値(av)と標準偏差(sd)である。表中の*印はコントロールに比べて有意に低い(p<0.05)ことを表す。7週令目についてn = 5, 8、8〜10週令目についてn = 15, 24。
実施例15と同様の方法で、ただし飼料中のFAPEの含量を0.2%及び0.5%(w/w)とし、KK-Ay/Ta Jc1マウス(オス、5週令、9匹)を4週間飼育した。体重と摂餌量の変化は実施例15の場合とほぼ同様であった。血漿グルコース、トリグリセリド濃度を測定した結果を表6に示すが、FAPEの含量0.2%でも血糖、血中脂質濃度抑制のために十分な効果があることが確認された。
注6):フェルラ酸β−フェネチルエステル(FAPE)の含量を0.2%又は0.5%とした飼料で飼育したKK-Ay/Ta Jc1マウスの7週令目から10週令目における血漿グルコース及びトリグリセリド濃度(mg/dL)。数値は平均値(av)と標準偏差(sd)である。表中の*印はコントロールに比べて有意に低いことを表す(*はp<0.05、**はp<0.01)。7週令目のグルコースとトリグリセリドについてそれぞれn = 6及びn = 3、その他はn = 7又は9。
KK-Ay/Ta Jc1マウス(オス、5週令、13匹)を、実施例14で調製したN-(β-フェネチル)フェルラミド(FAPA)を添加し、もしくは添加しないで調製した飼料を用いて4週間にわたり飼育し、体重、摂餌量、血糖値を定期的に測定した。飼料はCE-2粉末飼料120 gあたりFAPAのエタノール溶液(0.2 g/ml)の1.2 ml、3 ml、又は6 mlもしくはエタノールのみの6 mlを加え、実施例15と同様にして調製した固形飼料を自由摂取させた。水は水道水をオートクレーブで滅菌したものを自由摂取させた。血糖値はマウス尾部から微量採血しグルコースセンサー(三和化学研究所製グルテストNeoセンサー)を用いて測定し、また血漿グルコース濃度、血中アディポネクチンレベル、血漿トリグリセリド濃度を実施例15と同様にして測定した。結果を表7と図14に示す。表7に示すように、FAPA飼料群では体重増加と摂餌量がやや抑制される傾向が認められた。図14Aに示すように、血糖値、血漿グルコース濃度はFAPA飼料群ではコントロール群より減少したが、この減少割合はFAPA濃度が高いほど大きかった。血漿トリグリセリド濃度もFAPA含量に依存してコントロール群よりも減少していた(図14B)。さらに、図14Cの結果は、血中アディポネクチンのレベルがFAPAの飼料添加により、濃度依存的に上昇することを示す。
注7):N-(β-フェネチル)フェルラミド(FAPA)添加飼料で飼育したKK-Ay/Ta Jc1マウスの飼育期間中における体重増加と1日1匹あたりの平均摂餌量。平均摂餌量は各群の1週間における総摂餌量から計算した。マウスの数はコントロール群4匹、FAPA群各3匹、数値は平均値(av)と標準偏差(sd)である。表中の*印はコントロールに比べて有意に低いことを表す(*はp<0.05、**はp<0.01)。体重についてn = 3又は4、摂餌量についてn = 9〜28。
1%FAPA含有飼料とKK-Ay/Ta Jc1マウス(オス、5週令、13匹)を用いて実施例17と同様の実験を行なった。体重と摂餌量の測定結果を表8に、血漿グルコース、トリグリセリド、コレステロールの測定値を表9に、また、血中アディポネクチンレベルの測定結果を表10に示す。体重増加と摂餌量は実施例17の場合と同様にFAPAによりコントロールに比べて5〜10%程度抑制された。血漿中のグルコース、トリグリセリド、コレステロール濃度のいずれも、8週令から10週令にかけてFAPA飼料群はコントロール群より有意に低値を示しており、FAPAによる血糖、血中脂質の抑制が確認された。この抑制と反対に血中アディポネクチンレベルはFAPA飼料群で上昇していることが表10に示すように確認された。
注8); FAPAの1%添加飼料によるKK-Ay/Ta Jc1マウスの飼育実験を繰り返した際の体重増加と平均摂餌量。平均摂餌量は各群の1週間における総摂餌量から計算した。マウスの数はコントロール群6匹、FAPA群7匹、数値は平均値(av)と標準偏差(sd)である。表中の*印はコントロールに比べて有意に低いことを表す(*はp<0.05、**はp<0.01)。体重についてn = 6又は7、摂餌量についてn = 34〜49。
注9);1%のFAPA含有飼料で飼育したKK-Ay/Ta Jc1マウスの7週令目から10週令目における血漿中のグルコース、トリグリセリド、コレステロール濃度(mg/dL)。数値は平均値(av)と標準偏差(sd)である。表中の*印はコントロールに比べて有意に低いことを表す(*はp<0.05、**はp<0.01)。グルコースについてn = 6又は7、トリグリセリドとコレステロールについてn = 18〜21。
注10);1% FAPA添加飼料で飼育したKK-Ay/Ta Jc1マウスの血中アディポネクチンレベル。数値の意味は表3において説明したところと同様である。表中の*印はコントロールに比べて有意に高いことを表す(*はp<0.05、**はp<0.01)。9週令目についてn = 5又は6、10週令目についてn = 26又は39。
N-フェルロイルトリプタミン(FATA)を1%含有する固形飼料又はコントロールの飼料でKK-Ay/Ta Jc1マウス(オス、5週令、コントロール群4匹+FATA群4匹)を4週間飼育し、体重、摂餌量、血糖値を定期的に測定した。体重と摂餌量は各群で顕著な違いはなかった。血漿グルコース濃度の測定結果を表11に示すが、8、9週令目にFATA群はコントロール群より低い値を示し、FATAの血糖降下作用が確認された。また、血漿トリグリセリド濃度についても、8、9週令目にFATA群はコントロール群より低い値を示し、FATAの高脂血症抑制効果が確認された。
注11); N-フェルロイルトリプタミン(FATA)1%添加飼料で飼育したKK-Ay/Ta Jc1マウスの8週令目から10週令目における血漿グルコースとトリグリセリド濃度(mg/dL)。数値は平均値(av)と標準偏差(sd)である。表中の*印はコントロールに比べて有意に低いことを表す(*はp<0.05、**はp<0.01)。n = 9〜12。
マウス3T3-L1前駆脂肪細胞に実施例1〜4で得たフェルラ酸誘導体(各100μM)を添加、培養した時のアディポネクチンの産生をウェスタンブロット法で検出した結果を示す写真である。各誘導体について2つづつのウェルを使用して実験した。ただし、コントロールにはエタノールのみ(6.7μl)を添加した。各ウェルのサンプルについてβ−アクチンを検出した結果を上段に、アディポネクチンの検出結果を下段に示してある。 マウス3T3-L1前駆脂肪細胞にフェルラ酸誘導体(またはコントロール用にエタノールのみ)を添加し10日間培養後、RNAを抽出、β−アクチンとアディポネクチンのmRNAをRT-PCR法で増幅し、PCR産物(それぞれ長さ332bp及び219bp)を寒天ゲル電気泳動で検出した結果を示す写真である。培養時のフェルラ酸誘導体の濃度は図中に記載してある。+は逆転写酵素(RT)を添加し、−は添加せずにPCR反応を行なったことを示す。 マウス3T3-L1前駆脂肪細胞にフェルラ酸誘導体を10、33、または100μMの濃度で添加し(コントロールにはエタノールのみを添加)、10日間培養後、定量PCR法でβ−アクチンに対するアディポネクチン遺伝子の相対的な発現量を求めた結果を示すグラフである。コントロール及び各濃度のサンプルについて3つづつのウェルを用いて実験した。棒グラフは平均値、エラーバーは標準偏差である。 正常ヒト前駆脂肪細胞を96-wellプレートでインスリンとデキサメタソンの存在下にテオフィリン、カフェイン及び/又はフェルラ酸誘導体を添加、培養し、10日後に細胞内脂肪球をORO色素で染色した細胞の顕微鏡写真である。ORO染色後、全体をギムザで染色した。aからdのウェルにはコントロールとして2μlのエタノールのみ添加、eからhまでのウェルには30μMのN-(b -フェネチル)フェルラミド1bを添加した。また、bとfには100μMのテオフィリン、cとgには500μMのテオフィリン、dとhには500μMのカフェインを添加し、aとeにはそれと同量の純水を添加した。a’とf’はそれぞれaとfの拡大倍率における顕微鏡写真である。写真下の数字は用いた対物レンズと写真撮影用レンズの倍率である。 正常ヒト前駆脂肪細胞に10μg/mlのインスリン、0.1μMのデキサメタソン、及び500μMのカフェインの存在下において、図中に記載したフェルラ酸誘導体(100μM)を添加し10日間培養後、細胞を固定しアディポネクチンを抗アディポネクチン抗体及び蛍光ラベルした2次抗体で染色した標本の蛍光顕微鏡写真(A〜H各左側)及び同一視野の位相差顕微鏡写真(A〜H各右側)である。なお、いずれの場合も対物レンズは10倍、写真撮影用レンズは5倍の倍率のものを用いた。 正常ヒト前駆脂肪細胞にインスリン(10μg/ml)と0.1μMのデキサメタソンの存在下において、フェルラ酸誘導体及びカフェイン(500μM)を添加し10日間培養後、細胞を回収しアディポネクチンの生成をウェスタンブロット法で検出した結果を示す写真である。図中に記載した誘導体と濃度のそれぞれにつき2つのウェルを用いて実験した。各ウェルの細胞についてβ−アクチンを検出した結果を上段に、アディポネクチンの検出結果を下段に示してある。 正常ヒト前駆脂肪細胞にインスリン(10μg/ml)と0.1μMのデキサメタソンの存在下において、各フェルラ酸誘導体及びテオフィリン(100μM)を添加し、もしくは添加せずに10日間培養後、細胞を回収しアディポネクチンの生成をウェスタンブロット法で検出した結果を示す写真である。各々の場合につき2つのウェルを用いて実験した。+と−の符号はテオフィリンの有無を示す。各ウェルの細胞についてβ−アクチンを検出した結果を上段に、アディポネクチンの検出結果を下段に示してある。 正常ヒト前駆脂肪細胞にインスリンとデキサメタソンの存在下において500μMのカフェインと図中に記載したフェルラ酸誘導体(0、10、33、または100μM)を添加、10日間培養後、RNAを抽出し、β−アクチンとアディポネクチンのmRNAをRT-PCR法で増幅、PCR産物(それぞれ長さ332bp及び235bp)を寒天ゲル電気泳動で検出した結果を示す写真である。図中の+は逆転写酵素(RT)を添加し、−は添加せずにPCRを行なったことを示す。なお、IBMX(500μM)とindomethacin(200μM)はpositive controlとして使用した。 正常ヒト前駆脂肪細胞にインスリンとデキサメタソンの存在下において500μMのカフェインと図中に記載したフェルラ酸誘導体(0、10、33、または100μM)を添加、10日間培養後、RNAを抽出し、、定量PCR法でβ−アクチンに対するアディポネクチン遺伝子の相対的な発現量を求めた結果を示すグラフである。IBMXとindomethacinはpositive controlとして使用した。 正常ヒト前駆脂肪細胞にインスリンとデキサメタソンの存在下において500μMのテオフィリン及び/または図中に示したフェルラ酸誘導体(33または100 mM)を添加、10日間培養後、RNAを抽出し、β-アクチンとアディポネクチンのmRNAをRT-PCR法で増幅、PCR産物(それぞれ長さ332bp及び235bp)を寒天ゲル電気泳動で検出した結果を示す写真である。なお、図中RTで示される行の+は逆転写酵素(RT) を添加し、−は添加せずにPCRを行なったことを示す。 正常ヒト前駆脂肪細胞にインスリンとデキサメタソンの存在下において500μMのテオフィリン及び/または0、33、または100μMのN-(b-フェネチル)フェルラミド(1b)を添加し、10日間培養後、RNAを抽出し、β−アクチンとアディポネクチンの相対的な遺伝子発現量を定量PCR法で測定した結果を示すグラフである。 正常ヒト前駆脂肪細胞にインスリンとデキサメタソンの存在下において100μMのテオフィリン及び/または図中に示すフェルラ酸誘導体を添加し、10日間培養後、RNAを抽出し、β−アクチンとアディポネクチンの相対的な遺伝子発現量を定量PCR法で測定した結果を示すグラフである。 正常ヒト前駆脂肪細胞にインスリンとデキサメタソンの存在下においてテオフィリンとN-(b-フェネチル)フェルラミド(1b)またはクルクミンを添加、培養し、10日後に細胞内脂肪球をORO色素で染色(a〜f)もしくは抗体を用いアディポネクチンを蛍光免疫染色(g,i,k)した細胞の顕微鏡写真である。aにはコントロールとして2μlのエタノールのみ、bとgには100μMのテオフィリンとエタノール、cには20μMのN-(b-フェネチル)フェルラミド、dとiには20μMのN-(b-フェネチル)フェルラミドと100μMのテオフィリン、eには20μMのクルクミン、fとkには20μMのクルクミンと100μMのテオフィリンを添加した。h、j、lはそれぞれg、i、kと同一視野の位相差顕微鏡写真である。 1%FAPAを添加した飼料で飼育したKK-Ay/Ta Jc1マウスの血糖値(A)、同マウスの血漿トリグリセリド濃度(mg/dL)、並びに0%〜1%の含量にFAPAを添加した飼料で飼育したKK-Ay/Ta Jc1マウスの9週令目における血中アディポネクチンレベルの相対値(C)をそれぞれ示すグラフである。 図14(A)中、黒い棒は7週令目における全血中のグルコース濃度(mg/dL)、斜線を付した棒は9週令目における血漿中のグルコース濃度(mg/dL)の平均値であり、エラーバーは標準偏差を表す。図14(B)中、無色の棒はコントロール群、斜線を付した棒は0.2%FAPA飼料群、二重斜線の棒は0.5%FAPA飼料群、黒い棒は1%FAPA飼料群の平均値であり、エラーバーは標準偏差を示す。図14(C)中、縦軸はコントロール群の示す値の平均値を1とした場合の相対値、エラーバーは標準偏差を示す。図14(A)、(B)、(C)中の*印はコントロールに比べて有意に低い(A,B)又は有意に高い(C)ことを表す(*はp<0.05、**はp<0.01)。(A)についてn = 4〜12、(B)についてn = 7〜12、(C)についてn = 10〜15。 正常ヒト前駆脂肪細胞にインスリン(10μg/ml)と0.1μMのデキサメタソンの存在下において、フェルラ酸誘導体1i、1j又は1bを添加し13日間培養後、細胞を回収しアディポネクチンの生成をウェスタンブロット法で検出した結果を示す写真である。図中に記載した誘導体と濃度のそれぞれにつき2つのウェルを用いて実験した。各ウェルの細胞についてβ−アクチンを検出した結果を上段に、アディポネクチンの検出結果を下段に示してある。

Claims (21)

  1. 下記一般式(1)で示される化合物を活性成分として含有することを特徴とする、動物脂肪細胞におけるアディポネクチン産生を増強もしくは促進する薬剤。
    ・・・(1)
    (ただし、式1中においてR1は水酸基またはアルコキシ基を表し、Xはイミノ基(−NH−基)または酸素原子(−O−基)を表し、R2は炭素数1〜10の2価脂肪族炭化水素基を表し、R3は水素原子(H)、又は芳香族炭化水素基もしくは複素環基を表し、これらの環は水酸基もしくはアミノ基により置換されていてもよい。)
  2. 活性成分が、フェルラ酸β−フェネチルエステルであることを特徴とする、請求項1に記載の薬剤。
  3. 活性成分が、N-(β-フェネチル)フェルラミドであることを特徴とする、請求項1に記載の薬剤。
  4. 活性成分が、N-フェルロイルチラミンであることを特徴とする、請求項1に記載の薬剤。
  5. 活性成分が、N-フェルロイルトリプタミンであることを特徴とする、請求項1に記載の薬剤。
  6. 活性成分が、シナミルフェルレートであることを特徴とする、請求項1に記載の薬剤。
  7. 活性成分が、N-(3-フェニルプロピル)フェルラミドであることを特徴とする、請求項1に記載の薬剤。
  8. 活性成分が、N-プロピルフェルラミドであることを特徴とする、請求項1に記載の薬剤。
  9. 活性成分が、カフェイン酸β−フェネチルエステルであることを特徴とする、請求項1に記載の薬剤。
  10. さらに、テオフィリン、カフェイン、もしくはテオブロミンのいずれか1つ以上を含有することを特徴とする、請求項1〜9のいずれかに記載の薬剤。
  11. テオフィリン、カフェイン、もしくはテオブロミンからなる、請求項1〜9のいずれかに記載の薬剤の活性増強剤。
  12. 請求項1に記載の一般式で表される化合物を活性成分として含有することを特徴とする、2型糖尿病血糖降下剤
  13. 請求項1に記載の一般式で表される化合物を活性成分として含有することを特徴とする、高脂血症治療剤
  14. 活性成分が、フェルラ酸β−フェネチルエステルであることを特徴とする、請求項12に記載の薬剤。
  15. 活性成分が、N-(β-フェネチル)フェルラミドであることを特徴とする、請求項12に記載の薬剤。
  16. 活性成分が、N-フェルロイルトリプタミンであることを特徴とする、請求項12に記載の薬剤。
  17. 活性成分が、フェルラ酸β−フェネチルエステルであることを特徴とする、請求項13に記載の薬剤。
  18. 活性成分が、N-(β-フェネチル)フェルラミドであることを特徴とする、請求項13に記載の薬剤。
  19. 活性成分が、N-フェルロイルトリプタミンであることを特徴とする、請求項13に記載の薬剤。
  20. 活性成分が、N-ベンジルフェルラミドであることを特徴とする、請求項1に記載の薬剤。
  21. 活性成分が、N-フルフリルフェルラミドであることを特徴とする、請求項1に記載の薬剤。


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