JP2005225616A - 製本の集積装置 - Google Patents

Abstract

【課題】 複数の集積部を設けなくとも高速での連続搬送が可能で、一台の機械であってもスタッカー方式とコンベア方式での集積が行なえる製本の集積装置を提供する。
【解決手段】 製本集積装置１は製本搬送台２とデリバリーテーブル３からなる。製本搬送台２は揺動自在な製本押え部材５とキッカー６を配設し製本搬送路端部にはカウント用センサー７を有する。デリバリーテーブル３は、水平台８の製本集積位置に長孔９を開設しロッド１２ａを突設する。水平台８には製本搬送台２の下端に脱着可能に架設し得る受板１５を回動自在に備える。ロッド１２ａは前進時に長孔９より突設して製本群１７に当接する状態を保ち、後退する際には長孔９の下面に隠れ連続して落下する次群の製本１６には接触しない。
【選択図】 図１

Description

この発明は、雑誌やカタログ等の製本を行う所謂中綴製本機のデリバリー部における集積装置に関するものである。

中綴製本機は、印刷され折り畳まれた紙片を１部ずつ丁合チェーンの所定位置に供給するフィーダー部と、チェーンに載って移動した紙片の厚さが正しいか否かを判定するキャリパー部と、キャリパー部で厚さが正しいと判定された紙片を表紙とともに針金又はノリ等で綴じ合わせる綴じ部と、綴じた紙片の三方を指定された大きさに断裁するトリマー部と、指定の大きさに仕上って出て来た製本を指定の部数に分けるデリバリー部とを連結した構成となっている。

デリバリー部は、トリマー部である三方断裁機に接続する水平搬送機構を備え、その終端部には適宜間隔毎に水平搬送される製本の数をカウントする光電スイッチなどのセンサーを持ったカウント機構が設けられていた。三方断裁機で断裁され１部ずつコンベアによって搬送されてくる製品になった本は、カウント信号により設定部数毎にデリバリーテーブル上に集積されていた。このような製本の集積装置としては、例えば下記に示すような従来技術があった。
特開昭６４−１７７５６号公報 特開平８−２５８４５１号公報

これらの集積装置は、所謂スタッカーと呼称される装置であって、例えば特許文献１にはカウント機構の制御信号により左右に拡開する２基のフォーク状受皿と、これらの下部に配設して落下する製本を上載するターンテーブルと、設定冊数の製本群を他に押し出すプッシャーを備える集積装置が開示されていた。

受皿は例えばエアシリンダーを用いたクランク機構等によって、設定部数だけ本を積む毎に拡開するようになっている。本は水平搬送機構のコンベアで搬送され、順次第一の受皿上に落とされる。本の部数の計数は例えば、コンベア上で光電スイッチでカウントすることで行われる。そして、設定冊数になると制御回路の信号によりシリンダが作用し第一受皿を開き、直下に配設する第二の受皿上に所定数の製本を供給する。

その後第一の受皿は開いたままの状態を維持し、水平搬送機構から連続的に搬送供給される製本を直接第二の受皿に集積し合計の集積冊数が所定数に達すると制御信号により第二受皿がシリンダの作用で開き、設定冊数の製本群をテーブル上に供給する。集積された製本群はシリンダで往復運動するプッシャーによってターンテーブルの上から押し出される。

この時点で第二受皿は直ちに閉じる一方、第二受皿の集積部数が設定冊数に達した時の信号によって第一受皿が閉じ、連続して搬送される製本を受け止める。即ち従来のスタッカー方式の集積装置にあっては、連続搬送の流れを妨げないよう第二受皿の開閉動作を第一受皿が時間的に補助する構造であった。

ところでスタッカー方式の集積装置は、水平搬送機構から受皿に送り込む構造であったため比較的厚め（例えば１ｍｍ以上）の製本に適するもので、１ｍｍ以下の薄い冊子を分ける場合には所謂コンベア方式の集積装置が用いられて来た。

コンベア方式の場合、三方断裁機の水平搬送機構から製本搬送路であるデリバリーテーブル上に等間隔で製本を順次送り出し、この台に設ける揺動自在な製本押え部材の作用で製本が慣性力で流れ出すのを抑制しつつ、冊子の一部が重なった所謂サシミでの蓄積製本群の分別作業を行なっていた。

このデリバリーテーブル上には所謂キッカーが設けられ、制御回路の信号によりキッカーが作用して当該冊子を押し出しその上載位置をずらして、蓄積製本群の区切りをつけていた。作業者はこの区切りの冊子から前部を取りまとめ設定冊数の製本群として、次工程に送っていた。

しかし、従来の製本の集積装置においてスタッカー方式を採用する場合には、高速での連続搬送を行なうために複数の集積部が必須であった。このため、分配装置を設けねばならず、構造が複雑となり、又部品損耗も激しくなりがちであった。

又従来の製本集積装置は、所謂スタッカー方式とコンベア方式が何れも専用機として用いられており、一台で双方の集積方法を兼ねる機械はなかった。

この発明は、上記のような従来の製本集積装置が有する問題点を解消すべくなされたものであり、複数の集積部を設けなくとも高速での連続搬送が可能な製本の集積装置を提供することを目的としている。又、一台の機械であっても所謂スタッカー方式とコンベア方式での集積が行なえる製本の集積装置を提供することを目的としている。

上記課題を解決するため、この発明の製本の集積装置は、三方断裁機にて断裁された製本を適宜間隔毎に搬送する製本供給部と、搬送される製本の数を計測するカウント部と、供給された製本を順次上載しながら設定されたカウント毎に当該製本に当接してその上載位置をずらす往復動押圧部材と、設定冊数の製本群を集積するデリバリーテーブルを備える製本の集積装置において、前記デリバリーテーブルは、前記製本供給部の下部に配設して製本集積位置に長孔を開設する水平台であり、前記往復動押圧部材は、ロッド昇降機構を備え前記長孔より出入可能にロッドを突設すると共に前記長孔に沿って移動するプッシャーを備えることを特徴とするものである。

この集積装置は、所謂スタッカー方式で集積する装置であって、カウント部の制御信号に基づきプッシャーを作動して設定冊数の製本群を次工程に押し出す。ロッド昇降機構は例えばエアシリンダーで作動し、前進時には長孔より突設して製本群に当接する状態を保ち、押出後に後退する時には、長孔の下面に隠れることで、長孔上の製本集積位置に連続して落下する次群の製本には接触しない構成とする。

製本供給部は三方断裁機に含まれる構成でもよいし、三方断裁機の下流に別の水平搬送機構のコンベアを設ける構成でもよい。製本の部数の計数は、三方断裁機の内部に設けるセンサーでもよいし、コンベア上に設けるセンサーを利用してもよい。

プッシャーには例えばエアーシリンダーを接続して設定冊数になると制御回路の信号によりシリンダが作動して、ロッドを長孔に沿って前進させ、送出し位置まで到達した後、直ちに後退させる。

請求項２記載の製本の集積装置の製本供給部は、製本搬送路に揺動自在な製本押え部材を備え、前記往復動押圧部材は、設定されたカウント毎に当該製本に当接してその上載位置をずらすキッカーをこの製本搬送路に有し、前記デリバリーテーブルは、前記製本搬送路の下端に脱着可能に架設して前記製本集積位置を覆蓋する受板を付設することを特徴とするものである。

受板は所謂コンベア方式での集積が行なえるよう適宜長さの冊本受とする。製本搬送路にはコンベアを設け、等間隔で順次送り出される製本を揺動自在な押え部材で流れを抑制しつつ、冊子の一部が重なった所謂サシミでの蓄積製本群を受板上に形成する。

キッカーは制御回路の信号により当該冊子を押し出しその上載位置をずらして蓄積製本群の区切りをつける。作業者はこの区切りの冊子から前部を取りまとめ設定冊数の製本群として次工程に送る。

受板を脱着することにより、コンベア式とスタッカー式を共用するもので、コンベア方式の場合には送り出し速度を遅くし、スタッカー方式の場合にはコンベアの速度を速くすると同時に冊本受けを取り外す。

この発明の製本の集積装置は、水平台の製本集積位置に長孔を開設し、この長孔に沿って移動するプッシャーを設け、プッシャーのロッドを昇降機構により長孔より出入可能に構成するので、前進時には長孔より突設して製本群に当接する状態を保ち、押出後に後退する時には、長孔の下面に隠れることで、長孔上の製本集積位置に連続して落下する次群の製本には接触しない構成が可能となる。従って複数の集積部を設けなくとも高速での連続搬送が可能となる。

請求項２記載の製本の集積装置は、製本搬送路の下端に脱着可能に架設して製本集積位置を覆蓋する受板を付設するので、一台の機械であっても所謂スタッカー方式とコンベア方式での集積が行なえる。

次にこの発明の実施の形態を添付図面に基づき詳細に説明する。図１は製本の集積装置の平面図、図２及び図３は夫々図１のII−II断面又はIII−III断面を示す断面図である。製本集積装置１は前工程の図示しない三方断裁機に接続する製本搬送台２と、この下流下部に配設するデリバリーテーブル３からなる。

製本搬送台２は、台面に幅広のコンベアベルト４を配設し、上面に揺動自在な製本押え部材５を備えると共に、その側部にキッカー６を配設し、製本搬送路端部にはカウント用センサー７を有する。これらキッカー６及びセンサー７は図示しない制御盤及び操作盤に接続する。

デリバリーテーブル３は、水平台８の製本集積位置に２条の長孔９，９を開設し、その下流に複数条の送出しベルト１０を並設すると共に、長孔９，９の間にも１条のベルト１１を配設する。各長孔９にはプッシャー１２の一部を構成するロッド１２ａを突設する。

プッシャー１２は、このロッド１２ａを長孔９より出入可能とするエアーシリンダーからなる昇降機構１２ｂと、これを保持する台座１２ｃと、台座１２ｃに連結して往復動せしめるエアーシリンダー１２ｄと、往復動する台座１２ｃに追随してこれを支持するチェーン状帯材１２ｅを備え、昇降機構１２ｂ及びエアーシリンダー１２ｄは図示しない制御盤及び操作盤に接続する。

昇降機構１２ｂ及びエアーシリンダー１２ｄは制御盤を介して図示しないエアシリンダー駆動用電磁バルブに接続し、ロッド１２ａの上昇・下降、プッシャー１２の前進・後退を行なう。

水平台８には移動可能なガイド板１３と、２本の支柱１４，１４を立設し、支柱１４間には製本搬送台２の下端に脱着可能に架設し得る受板１５を回動自在に軸支する。

この製本集積装置１はコンベア式とスタッカー式の集積方法を共用するものであり、先ずスタッカー式で使用する場合の作用を説明する。スタッカー方式の場合には、製本搬送台２のコンベアベルト４の速度を速くすると同時に受板１５を回動して製本集積位置を開放する。図示しない操作盤に基づき、往復動押圧部材はプッシャー１２側を有効とする。

図示しない三方断裁機から供給される製本１６は、コンベアベルト４上を適当間隔毎に水平搬送され、センサー７が搬送される製本の数をカウントする。製本集積位置に設定冊数の製本１６が集積されるとセンサー７のカウント信号から制御盤を介して送られる制御信号によりプッシャー１２を作動してロッド１２ａを長孔９に沿って前進させ、設定冊数の製本群１７をベルト１０上に押し出す。

ロッド１２ａは作動状態を示す図４のように、前進時には長孔９より突設して製本群１７に当接する状態を保つが、ベルト１０に押し出した後に後退する際には、昇降機構１２ｂを作動して長孔９の下面に隠す。この状態でエアーシリンダー１２ｄがロッド１２ａを初期位置に戻す時、長孔９上の製本集積位置には既に次群の製本１６が連続して落下しているが、これには接触しない。初期位置に戻った後ロッド１２ａを長孔９より突設して次のサイクルに入る。

次にコンベア式で使用する場合の作用を図５及び図６に基づき説明する。図５はコンベア方式の製本集積装置の平面図、図６は図５のVI−VI断面を示す断面図である。コンベア方式の場合には、製本搬送台２のコンベアベルト４の速度を遅くすると同時に受板１５を回動して水平台８の製本集積位置を覆蓋する。この時往復動押圧部材はキッカー６側を有効とする。

前工程の三方断裁機から供給される製本１６は、コンベアベルト４上を適当間隔毎に水平搬送され、図示しない三方断裁機に内設するセンサーが搬送される製本１６の数をカウントする。等間隔で順次送り出される製本１６は揺動自在な押え部材５でその流れを抑制され、冊子の一部が相互に重なった所謂サシミでの蓄積製本群を受板１５上に形成する。

キッカー６は制御回路の信号により設定冊数に該当する冊子１９を押し出し、その上載位置をずらして蓄積製本群１８に区切りをつける。作業者はこの区切りの冊子１９から前部を取りまとめ設定冊数の製本群として次工程に送る。

製本の集積装置の平面図である。 図１のII−II断面を示す断面図である。 図１のIII−III断面を示す断面図である。 スタッカー方式での作動状態を示す集積装置の断面図である。 コンベア方式の製本集積装置の平面図である。 図５のVI−VI断面を示す断面図である。

符号の説明

１ 製本集積装置
２ 製本搬送台
３ デリバリーテーブル
４ コンベアベルト
５ 製本押え部材
６ キッカー
７ センサー
８ 水平台
９ 長孔
１０ 送出しベルト
１２ プッシャー
１５ 受板
１６ 製本
１７ 製本群

Claims (2)

1. 三方断裁機にて断裁された製本を適宜間隔毎に搬送する製本供給部と、搬送される製本の数を計測するカウント部と、供給された製本を順次上載しながら設定されたカウント毎に当該製本に当接してその上載位置をずらす往復動押圧部材と、設定冊数の製本群を集積するデリバリーテーブルを備える製本の集積装置において、前記デリバリーテーブルは、前記製本供給部の下部に配設して製本集積位置に長孔を開設する水平台であり、前記往復動押圧部材は、ロッド昇降機構を備え前記長孔より出入可能にロッドを突設すると共に前記長孔に沿って移動するプッシャーを備えることを特徴とする製本の集積装置。
2. 前記製本供給部は、製本搬送路に揺動自在な製本押え部材を備え、前記往復動押圧部材は、設定されたカウント毎に当該製本に当接してその上載位置をずらすキッカーをこの製本搬送路に有し、前記デリバリーテーブルは、前記製本搬送路の下端に脱着可能に架設して前記製本集積位置を覆蓋する受板を付設することを特徴とする製本の集積装置。

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