JP2005225101A - 画像出力装置 - Google Patents

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JP2005225101A JP2004036559A JP2004036559A JP2005225101A JP 2005225101 A JP2005225101 A JP 2005225101A JP 2004036559 A JP2004036559 A JP 2004036559A JP 2004036559 A JP2004036559 A JP 2004036559A JP 2005225101 A JP2005225101 A JP 2005225101A
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貞之 岩井
Yuichiro Kanoshima
雄一郎 彼島
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尚人 白石
Naoki Miyatake
直樹 宮武
Yoshiaki Hayashi
善紀 林
Kazunari Tonami
一成 戸波
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Abstract

【課題】形成した画像に対応する情報を無線交信素子に記憶させて情報管理を簡易化し、無線交信素子が破壊されるのを防止すると共に、無線交信素子が用紙に適正に付与されているか否かをチェックできるようにする。
【解決手段】画像形成直後の用紙42に対して付与される予定のフィルムシート94のRFIDチップとの間で、無線交信装置102が無線交信を行って固有のIDを読み出すと共に、RFIDチップをチェックし、さらに、用紙42に付与された後のRFIDチップとの間で無線交信装置104が無線交信を行って、適正なRFIDチップが用紙42に付与されたか否かをチェックし、正常に動作しないことが確認された場合は、仕上げ装置15内に設けられたマークスタンプ105によって「無効文書」等のスタンプが押され区別することができる。【選択図】 図10−1



Description

本発明は、画像を形成して出力する用紙の付加価値を高めるようにした画像出力装置に関するものである。
近年、企業などでは、インターネットやパソコンを始めとするIT技術の普及により、その知的生産活動において自ら多種多様の電子情報を作成し、それを複写機やプリンタ等の画像出力装置を用いて用紙に画像出力することを行っている。この出力された用紙や書類は、情報共有の手段として会議等で配布されることにより、知的生産活動に活用されている。そして、配布された用紙や書類は、受け取った人が持ち帰って、そのままの状態で保管するか、画像読取装置などを用いて画像情報としてJPEGなどのイメージファイルに変換して、保管している。このように、配布された用紙や書類を更なる知的生産活動のための情報源として活用するためには、これらをさらに複写したり、変換したJEPGなどのイメージファイルから直接出力するようにしたり、イメージファイルをパソコンなどで加工してから出力する必要があった。
すなわち、上記用紙や書類に出力された内容はアナログ情報であるが、これらの情報を再利用したり、容易に再加工できるようにするためには、デジタル情報に変換することが望ましい。そこで、光学的な画像読取装置を使ってアナログ情報をデジタル情報に変換する場合、例えば読取り原稿がテキストと、グラフや表などのイメージとが混在していても、全てイメージ情報としてデジタル情報に変換される。
しかしながら、このような画像読取装置によって光学変換処理を行うと、レンズやCCD(個体撮像素子)のMTF特性といった物理的な要因のため、情報品質が劣化することがある。また、イメージ情報に変換して情報量が大きくなった場合、画像圧縮処理を行うことも可能であるが、圧縮率を上げると情報品質が劣化するおそれが出てくる。さらに、OCR(光学読取装置)等を使って画像処理する場合は、原稿に含まれるテキストなどをテキストデータとして抽出することが可能となるが、変換精度が未だ不充分なため、原稿からの情報品質の劣化は免れない。
そこで、上記原稿は、作成者がパソコン等を使って電子的に作成し、何らかの印刷装置を使って出力したものであるため、原稿自体の電子情報が存在しているはずであり、原稿と一緒に電子情報を渡すことも考えられる。しかし、その手段としては、フレキシブルディスク(FD)、CD−ROM、CD−Rといった記録媒体に電子情報を書き込んで渡したり、インターネットを介して電子メールで送る場合は、別途作業が必要になることから、余分な手間がかかる。
また、出力された用紙や書類については、その内容に応じて整理され運用されるのが普通である。例えば、報告書などを分野別にファイリングして保存する行為は、オフィスなどでは一般的に行われているが、ひとたび出力された紙をファイリングする際に、ファイルに検索用のインデックスを付けておかなければなければどこに保存したかわからなくなり、再度その情報を取り出す時に、もう一度ファイリングされた資料を全部読み返す必要があるなど、時間や手間がかかっていた。
このため、近年では、個別情報を電子的に保持し、電磁誘導により非接触で情報伝達が可能なID素子(RFID:Radio Frequency IDentification)技術が開発され、物の識別管理のために応用され始めている。このようなID素子(以下、RFIDチップともいう)を用いた個体認識技術は、流通分野におけるバーコードに替わる技術として注目されている(例えば、非特許文献1参照)。
このようなRFIDチップに記憶された電子情報は、非接触で読み出しを行うことができるため、文書の用紙中やその表面にこのRFIDチップを埋設もしくは添付することで、書類の整理や流通を容易にする試みが始まっている。例えば、これに関連すると思われる文献としては、予めICチップが組み込まれた用紙に対して情報を印刷したり、印刷処理された用紙に対して、印刷処理直後ではなく、印刷処理した後でICチップを添付するといった方法、あるいは、ICチップの構造に関する発明が記載されている(特許文献1〜5参照)。但し、以下に述べる特許文献には、ICチップが用いられているが、このICチップと上記した近接無線通信可能なID素子(RFIDチップ)とが同じものであるか否かについては明確に謳われていない。
例えば、ICチップ入りペーパとして、予め通常の紙の一部にICチップを貼り付けたり、ICチップを梳き込んだペーパを使って文書データの印刷を行い、これと並行して当該文書データをIC部分に記録するものがあった(例えば、特許文献1参照)。
また、非接触型ICを冊子状印刷物の表あるいは裏の表紙に貼り付けた冊子状印刷物があった(例えば、特許文献2参照)。
さらに、非接触により所望の情報を送受することができ、所望の部材に貼り付け可能な貼り付け面を有するICタグがあった(例えば、特許文献3参照)。
また、用紙の所要位置に非接触型データ送受信体を取り付け、それを覆うように透明フィルムを貼り付けるICカード付き申込書があった(例えば、特許文献4参照)
また、本願出願人のICカードに関する特許文献としては、IC素子等を内包させて整形し、優れた平滑面を有する樹脂製のICカードがあった(例えば、特許文献5参照)。
1999年8月「モノに情報を貼り付ける RFIDタグとその応用」情報処理学会誌 40巻8号(第846頁〜850頁) 特開2000−285203号公報 特開2001−287477号公報 特開2001−167237号公報 特開2002−324224号公報 特開平10−337983号公報
しかしながら、このような背景技術にあっては、上記非特許文献1に示すように、ID素子(RFIDチップ)に関する技術が開発され、ようやく物の識別管理などに応用され始めたところで、上記特許文献1〜4には必ずしも明確に記載されていないが、そこで使われているICチップやICタグと上記ID素子(RFIDチップ)とが仮に同じものであったとしても、上記特許文献1〜4の何れも印刷する前の用紙中やその表面に予めRFIDチップを埋設あるいは添付したものが用いられている点で共通している。
そこで、上記したICチップやICタグとRFIDチップとが同じであると仮定して、上記特許文献1〜4に示すように、予めRFIDチップを備えた用紙を使って印刷を試みた場合、以下に述べるような課題が生じる。
第1の課題としては、現在オフィスで一般に使用されているコピー機やプリンタの作像方法として、主に乾式電子写真方式が用いられている。この乾式電子写真装置は、顕像化粒子であるトナーを主とした樹脂からなる顔料を含んだ荷電粒子が使われ、電気的な作用によって画像を形成し、用紙に対しては帯電特性を利用して静電気的に画像を用紙に転写している。そして、この転写を行う場合、一般的には用紙のトナー画像が載る部分の背面にコロナチャージャや転写バイアスローラといった帯電部材が用いられ、トナーと反極性の電荷を与えることで転写を行っている。その印加電圧は、転写バイアスローラ方式のように低いものでも、ローラへの印加電圧が500V、コロナチャージャといった高電圧を用いるものではワイヤ印加電圧が3kV〜10kVにも達する。しかし、一般的な半導体プロセスで作成されるRFID素子のICチップは、静電気に対して耐性が低く、特許文献1〜4に示すように最初からRFIDチップを備えた用紙を使い、オフィスで一般的に使用されている印刷装置を使って画像を印刷すると、静電気の影響によりRFIDチップが機能を果たさなくなるという課題が考えられる。
また、第2の課題としては、印刷に使用する用紙が給紙装置内に複数枚スタックされた状態で保存され、そこから一枚ずつ印刷装置内に補給されていたため、印刷用紙同士が擦れることで紙同士が摩擦帯電したり、搬送経路内を通過する際に発生する静電気などによって放電する可能性が高く、給紙部分において静電気の影響によりRFIDチップが機能を果たさなくなるおそれがあるといった課題が考えられる。この課題は、作像プロセスに静電気を用いない、昇華方式プリンタやインクジェット方式のプリンタなどにおいても同様に生じるおそれのある課題である。
もちろん、印刷前の用紙に予めRFIDチップなどを備えた状態で情報を印刷する場合の利点としては、既に用紙に備わっているRFIDチップ内の情報を非接触で読み出し、その情報に応じた内容を印刷することが可能なため、例えば、有価証券やIDカードなどの印刷物の真贋性を保証する必要のある印刷物に対しては有効である。ところが、印刷物に対して印刷直後ではなく、後からRFIDチップなどを添付する場合については、印刷物とRFIDチップとの関係が一対一に対応するように管理しなければならず、その管理は非常に煩雑になると共に、仮に人手を介して管理する場合にはミスが生じ易くなり、好ましくないという課題があった。
また、複数の印刷用紙が合わさって一つの冊子として存在している書類などに対して、RFIDチップにより流通、管理などを行う場合は、複数の印刷用紙に対して、一枚に一つずつのRFIDチップが必要になるわけではなく、綴じられた一部(一冊)に対して一個のRFIDチップがあれば事足りる。このため、上記のように予め印刷用紙にRFIDチップが添付されたものを使用するシステムでは、全てのページにRFIDチップが添付されている用紙を使用するか、特定ページにのみRFIDチップが添付されている用紙を使用することになる。前者の場合は、コストがかさむ上、一冊に対して複数のRFIDチップが備わることから、RFIDチップの管理が煩雑になる。また、後者の場合は、印刷機の給紙機構に、特定ページ用と一般ページ用の少なくとも2種類の用紙が供給できるようにする必要がある上、複雑な丁合を行わなければならず、コストがかかるという課題が生じる。さらに、RFIDチップの備わった特定用紙と、それ以外の一般用紙との関係は本来は一対一に対応しているべきものである。しかし、出力後に丁合する際にずれてしまうと、出力内容とIDとが異なってしまうという課題があった。
さらに、上記特許文献5については、IC素子を内包するICカードに関する発明であるが、本願発明の目的や構成などが全く異なっている。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、所望の画像を用紙に形成し、形成した画像に一対一で対応する情報が記憶される無線交信素子を個々の用紙、あるいは束ねた複数の用紙毎に低コストかつ適正に付与して、情報管理を簡易化すると共に、画像形成過程における無線交信素子の破壊を防止し、無線交信素子自体および用紙に対する無線交信素子の付与状態が適正か否かがチェック可能な画像出力装置を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、請求項1にかかる発明は、用紙に画像を形成する画像形成手段と、画像形成直後の用紙に対して近接無線交信が可能な無線交信素子を付与する無線交信素子付与手段と、備えたことを特徴とする。
また、請求項2にかかる発明は、請求項1に記載の画像出力装置において、前記無線交信素子付与手段により付与される無線交信素子は、前記用紙に付与される面に予め粘着物質が塗布されており、前記無線交信素子付与手段は、前記無線交信素子を前記画像形成直後の用紙の所定位置に押圧して貼り付けることを特徴とする。
また、請求項3にかかる発明は、請求項1に記載の画像出力装置において、前記無線交信素子付与手段は、前記画像形成直後の用紙に対してその少なくとも一部を覆う粘着面を備えたシート部材を貼付する際に、該シート部材と前記画像形成直後の用紙との間に前記無線交信素子を挟んで固定することを特徴とする。
また、請求項4にかかる発明は、請求項1に記載の画像出力装置において、前記無線交信素子付与手段は、前記画像形成直後の用紙に対してその少なくとも一部を覆い、一定の条件下で粘着性を発揮する粘着面を備えたシート部材を貼付する際に、該シート部材と前記画像形成後の用紙との間に前記無線交信素子を挟み、一定の条件下で粘着性を発揮させたシート部材によって固定することを特徴とする。
また、請求項5にかかる発明は、請求項4に記載の画像出力装置において、前記一定の条件とは、用紙に形成された画像に対して熱と圧力を加えて定着させる熱定着工程に関する条件であることを特徴とする。
また、請求項6にかかる発明は、請求項3〜5のいずれか一つに記載の画像出力装置において、前記シート部材は、透明もしくは半透明で構成され、シート部材の貼付後も用紙に形成された画像を読み取り可能にしたことを特徴とする。
また、請求項7にかかる発明は、請求項3〜5のいずれか一つに記載の画像出力装置において、前記シート部材には、前記無線交信素子の付与される位置が識別可能なマークが記載されていることを特徴とする。
また、請求項8にかかる発明は、請求項3〜5のいずれか一つに記載の画像出力装置において、前記シート部材には、前記無線交信素子のアンテナ部材が付与されていることを特徴とする。
また、請求項9にかかる発明は、請求項1に記載の画像出力装置において、前記無線交信素子付与手段は、画像形成直後の複数の用紙に対して前記無線交信素子を付与するものであって、前記複数の用紙を束ねる製本手段をさらに備え、前記製本手段は、前記複数の用紙に対して前記無線交信素子を付与して一体化させる前記無線交信素子付与手段を兼ねていることを特徴とする。
また、請求項10にかかる発明は、請求項9に記載の画像出力装置において、前記製本手段は、粘着剤を利用して前記無線交信素子と一体化すると共に、複数の用紙を束ねることを特徴とする。
また、請求項11にかかる発明は、請求項9に記載の画像出力装置において、前記製本手段は、前記無線交信素子と一体化された貫通部材によって前記複数の用紙を貫通して束ねることを特徴とする。
また、請求項12にかかる発明は、請求項11に記載の画像出力装置において、前記貫通部材は、用紙を束ねるステープラーの針であることを特徴とする。
また、請求項13にかかる発明は、請求項11に記載の画像出力装置において、前記貫通部材は、用紙を束ねる束ねひもであることを特徴とする。
また、請求項14にかかる発明は、請求項9〜13のいずれか一つに記載の画像出力装置において、前記製本手段によって無線交信素子と一体化され、複数の用紙を束ねる部材を兼ねている部分は、前記無線交信素子のアンテナ部として機能するようにしたことを特徴とする。
また、請求項15にかかる発明は、請求項1〜14のいずれか一つに記載の画像出力装置において、前記無線交信素子付与手段によって画像形成直後の用紙に無線交信素子を付与した後、無線交信素子が正しく用紙に付与されているか否かを確認する付与確認手段をさらに備えていることを特徴とする。
また、請求項16にかかる発明は、請求項15に記載の画像出力装置において、前記付与確認手段によって無線交信素子が正しく用紙に付与されていないことが判明した場合に、当該用紙を無効または破棄する用紙処理手段をさらに備えていることを特徴とする。
また、請求項17にかかる発明は、請求項1〜16に記載の画像出力装置において、前記画像形成後の用紙に付与される前の無線交信素子との間で無線交信を行う無線交信手段をさらに備え、前記無線交信手段によって前記無線交信素子から得られた情報と用紙に形成される画像情報とを対応付けることを特徴とする。
請求項1にかかる画像出力装置は、画像形成手段によって用紙に画像を形成し、その画像形成直後の用紙に対して、無線交信素子付与手段により近接無線交信が可能な無線交信素子を付与するようにしたため、画像形成動作と連動して同一装置内で画像形成後の用紙に無線交信素子を低コストで添付可能となり、無線交信素子が破壊されるのを防止すると共に、当該用紙に形成された画像内容と無線交信素子の情報とを一対一に対応させることが可能となって、無線交信素子による書類の流通、管理を容易かつ確実に行えるという効果を奏する。
請求項2にかかる画像出力装置は、無線交信素子の用紙に付与される面に粘着物質が塗布され、その無線交信素子を画像形成直後の用紙の所定位置に押圧するだけで貼り付けられるようにしたため、低コストで簡便に用紙に無線交信素子が添付できるという効果を奏する。
請求項3にかかる画像出力装置は、画像形成直後の用紙の少なくとも一部を覆う粘着面を備えたシート部材を貼付する際に、シート部材と用紙との間に無線交信素子を挟んで固定するようにしたため、シート部材の粘着面によって無線交信素子を用紙上に確実に保持、固定することができ、低コストで簡便な添付が可能になるという効果を奏する。
請求項4にかかる画像出力装置は、画像形成直後の用紙の少なくとも一部を覆い、一定の条件下で粘着性を発揮する粘着面を備えたシート部材を貼付する際に、シート部材と用紙との間に無線交信素子を挟んで、一定の条件下で固定するようにしたため、用紙に無線交信素子を添付した後、一定の条件下で粘着性を発揮する粘着面を備えたシート部材によって無線交信素子を用紙上に確実に保持、固定することができ、低コストで簡便な添付が可能になるという効果を奏する。
請求項5にかかる画像出力装置は、用紙上に形成されたトナー画像を熱と圧力とで定着させる熱定着工程に関する条件を一定の条件としたため、用紙に無線交信素子を添付した後、熱定着工程において与えられる熱量により粘着面が粘着性を発揮し、無線交信素子を用紙上に確実に保持、固定することができ、一般的なオフィスなどで使用されている乾式電子写真装置をそのまま用いることで、低コストで簡便に無線交信素子が添付できるという効果を奏する。
請求項6にかかる画像出力装置は、シート部材を透明もしくは半透明で構成して、シート部材の貼付後も用紙に形成された画像を読み取り可能にしたため、無線交信素子を添付するシート部材の大きさや貼付する位置などの制約が少なくなり、画像出力装置本来の機能をなるべく阻害しないようにして、低コストで簡便に無線交信素子が添付できるという効果を奏する。
請求項7にかかる画像出力装置は、シート部材における無線交信素子の付与位置に識別可能なマークを記載するようにしたため、シート部材で無線交信素子を覆った場合でも無線交信素子の付与位置が不明になることを防ぐことができるので、無線交信による通信時に容易に通信を行うことができるという効果を奏する。
請求項8にかかる画像出力装置は、シート部材に無線交信素子のアンテナ部材が付与されているため、別にアンテナ部材を構成する必要がなくなり、全体的なコストが低く抑えられると共に、アンテナ面積が大きくとれることから通信が安定し、アンテナ部材が無線交信素子を固定する部材を兼ねていることから保管場所が少なくて済み、扱いやすくなるという効果を奏する。
請求項9にかかる画像出力装置は、画像形成直後の複数の用紙に対して無線交信素子を付与する際に、製本手段によって複数の用紙を束ねると共に、その複数の用紙に無線交信素子を付与して一体化させることから、無線交信素子付与手段も兼用することができ、複数の用紙を束ねる製本手段によって無線交信素子の付与も同時に行えるようになり、特別な装置を新たに開発する必要がなく、例えば通常のオフィス機器に用いられている用紙を束ねるフィニッシャー機能を兼用するだけで、製本と無線交信素子の添付という両方の機能を低コストで追加できるという効果を奏する。
請求項10にかかる画像出力装置は、製本手段が粘着剤を利用して複数の用紙を束ねると共に、無線交信素子と一体化するようにしたため、通常のオフィス機器で複数の用紙を束ねるフィニッシャー機能のうち、粘着剤を利用した製本手段を用いることが可能となり、特別な装置を新たに開発する必要がなく、製本と無線交信素子の添付という両方の機能を低コストで追加できるという効果を奏する。
請求項11にかかる画像出力装置は、製本手段が無線交信素子と一体化された貫通部材によって複数の用紙を貫通して束ねるようにしたため、通常のオフィス機器で複数の用紙を束ねるフィニッシャー機能のうち、機械的保持方式を利用した製本手段を用いることが可能となり、特別な装置を新たに開発する必要がなく、製本と無線交信素子の添付という両方の機能を低コストで追加できるという効果を奏する。
請求項12にかかる画像出力装置は、貫通部材として用紙を束ねるためのステープラーの針を用いたため、通常のオフィス機器で複数の用紙を束ねるフィニッシャー機能のうち、ステープラー方式を利用した製本手段をそのまま用いることが可能となり、特別な装置を新たに開発する必要がなく、製本と無線交信素子の添付という両方の機能を低コストで追加できるという効果を奏する。
請求項13にかかる画像出力装置は、貫通部材として用紙を束ねる束ねひもを用いたため、通常のオフィス機器で複数の用紙を束ねるフィニッシャー機能のうち、樹脂や繊維などのひも状、あるいは金属などのワイヤー状の束ねひもを使った製本手段をそのまま用いることが可能となり、特別な装置を新たに開発する必要がなく、製本と無線交信素子の添付という両方の機能を低コストで追加できるという効果を奏する。
請求項14にかかる画像出力装置は、製本手段によって無線交信素子と一体化され、複数の用紙を束ねる部材を兼ねている部分を無線交信素子のアンテナ部として機能するようにしたため、通常のオフィス機器で複数の用紙を束ねるフィニッシャー機能のうち、用紙を束ねる束ねひも部分がアンテナを兼ねていることから、低コストで無線交信素子の通信感度の向上を図ることができるという効果を奏する。
請求項15にかかる画像出力装置は、無線交信素子付与手段によって画像形成直後の用紙に無線交信素子を付与した後、その無線交信素子が正しく用紙に付与されているか否かを確認する付与確認手段をさらに備えているため、画像形成直後の用紙に無線交信素子が正しく付与されたか否かをその場で確実にチェックすることができるという効果を奏する。
請求項16にかかる画像出力装置は、付与確認手段によって無線交信素子が正しく用紙に付与されていないことが判明した場合、その用紙を無効または破棄する用紙処理手段をさらに備えているため、適正に交信できない無線交信素子が付与された用紙が出回って、印刷物の管理ができなくなることを未然に防ぐという効果を奏する。
請求項17にかかる画像出力装置は、画像形成後の用紙に付与される前の無線交信素子との間で無線交信を行う無線交信手段を備え、その無線交信手段によって無線交信素子から得られた情報と用紙に形成される画像情報とを対応付けるようにしたため、画像形成後の用紙に無線交信素子を後付けする場合であっても、用紙に添付される無線交信素子と事前に交信して、その内容を確認しておくことにより、無線交信素子内の情報と用紙に形成された画像情報とを一対一で対応付けられるという効果を奏する。
以下に、本発明にかかる画像出力装置の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。
図1は、本実施例に係る画像出力装置の概要を説明する斜視図であり、図2は、図1の画像出力装置の内部機構の全体構成を説明する縦断面図であり、図3は、本実施例で用紙に付与する無線交信素子の構成例を示す図である。図1に示す画像出力装置10は、原稿17の画像を読み取る画像読取部11、読み取った画像信号に基づいて画像形成用のデータに変換処理する画像処理部12、画像出力する記録媒体が用紙18であって、その用紙18を供給可能にスタックしておく用紙トレイ13、用紙に画像情報を形成するための画像形成手段としての画像形成部14、画像が形成された用紙に対して後処理を行う仕上げ装置15、および、その仕上げ装置15の中で無線交信素子19を用紙18に対して付与する無線交信素子付与手段としての無線交信素子付与部16などにより構成されている。ここでは、画像出力装置10の一例として、一般的にオフィスで普及している電子写真方式のカラーレーザプリンタを取り上げたが、モノクロレーザプリンタでも勿論よく、電子写真方式以外のプロセスによるプリンタであってもかまわない。また、画像出力形式は、原稿読み取り装置を備えた複写機であってもよく、また、原稿の読み取り方式もデジタル方式あるいはアナログ方式のいずれであってもよい。
そして、図2に示すように、画像出力装置10の内部機構は、原稿を自動搬送させて順次コンタクトガラス21上に供給する原稿搬送部20、原稿画像を走査しながら光学的に読み取る画像読取部11、画像読取部11で読み取った画像信号を処理して色別に画像の書き込みを行う画像書込部22、画像書込部22で書き込んだ画像を色別に現像する作像部23、現像されたトナー画像を重ね合わせる中間転写ベルト24、中間転写ベルト24に形成された画像を用紙に転写する転写装置25、用紙に転写されたトナー画像を定着させる定着部26、転写装置25へ用紙を供給する給紙部27、仕上げ装置15において画像形成直後の用紙に無線交信素子のRFIDチップを付与する無線交信素子付与手段としての無線交信素子付与部16、および所望の画像を形成しRFIDチップが付与された用紙を排出する排紙トレイ28などにより構成されている。
また、図3に示す無線交信素子30は、無線通信機能と、情報を記憶するメモリなどを備えていて、情報を電子的に保持して電磁誘導により非接触で情報伝達が可能なID素子(RFID:Radio Frequency IDentification)のことを指している(以下、RFIDチップ30ともいう)。このRFIDチップ30は、既知の技術であって、図3に示すように、アンテナ部としてのコイル31、コイル31と共にLC発振回路(あるいは、LC共振回路)を構成するコンデンサ32、電源部33、復号化部34、符号化部35、スイッチ36、交信制御部37、およびメモリ38などにより構成されている。
このRFIDチップの動作原理は、外部から一定の周波数の電波が与えられると、コイル31に電流が誘起され、電荷が電源部33に蓄積されると共に、電源部33に蓄積された電荷から得た電力を用いて、メモリ38に記憶された情報を交信制御部37が読み出して符号化部35で符号化し、スイッチ36をON/OFFさせてコイル31のアンテナ部から電波を送信するように動作する。RFIDチップ30に用いられるメモリ38は、読み出し専用型および読み書き可能型のいずれであってもよく、ここでは半導体メモリを使用している。
一般に、RFIDチップの通信距離は、主に電磁波の周波数によって決まる。すなわち、低周波タイプのものは通信距離が長く、高周波タイプのものは通信距離が短いという特性がある。低周波タイプのものは、占有容積が大きく、コストも高い反面、通信距離が10m程度まで可能であるため、遠隔通信に向いている。他方、高周波タイプのものは、通信距離が1mmから数cmと短く、近接無線交信に限られるが、全体を微小サイズに形成できることから、占有容積の小さいシート状にも加工可能であり、低コスト化できるという特徴がある。そこで、本実施例1では、通信距離が高々数mm以下の高周波タイプのRFIDチップ30を使っている。これは混信を防ぐことができ、電力が小さくて済む上、非常に微細に構成できることを考慮したものである。特に、小型化できることから、シート状の対象物(用紙など)に添付して用いることに適している。
次に、用紙に画像を形成する動作について、図1および図2を用いて説明する。画像読取部11で読み取られた原稿の画像信号に基づいて画像処理部12で画像処理が行われ、画像形成用の黒(BL)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)の各色信号に変換して、画像書込部22へ送信する。
画像書込部22は、図示省略したが、レーザ光源と、回転多面鏡等の偏向器と、走査結像光学系およびミラー群などからなるレーザ走査光学系、あるいは、一次元もしくは二次元に多数のLEDが配列したLEDアレイと、結像光学系からなるLED書込み系などからなり、上記の各色信号に対応した4つの書込光路から、作像部23の各色毎に設けられた感光体ドラムBL、Y、M、Cに対して、各色信号に応じた画像書込が行われる。
作像部23には、黒(BL)用、イエロー(Y)用、マゼンタ(M)用、シアン(C)用の各感光体ドラムBL、Y、M、Cが備えてあり、この各色用の感光体には通常OPC感光体が用いられる。そして、各感光体ドラムの周囲には、詳細説明を省略したが、帯電装置、上記書込部からのレーザ光の露光部、黒、イエロー、マゼンタ、シアンの各色用の現像装置、一次転写装置、クリーニング装置、除電装置等が配設されている。なお、ここでは、現像装置に2成分磁気ブラシ現像方式を用いている。
画像を書き込む前の感光体は、感光体の画像書込部22の上流側に設けられた帯電装置によって感光体表面を約−700Vに帯電し、前述した画像書込部によって感光体上に光書込みが行われると、光書込み部分の電位が消失し、感光体上に静電潜像が作成され、その後の現像工程によって静電潜像を現像することができる。
中間転写ベルト24は、各感光体BL、Y、M、Cと転写装置25との間に介在し、この間に各感光体から各色のトナー像が順次重ね合わせて転写され、感光体上のトナー顕像を坦持する。転写方式としては、ベルトを挟み込むように感光体と対向して設けられた、転写電荷付与部によって転写電界を発生させることで、静電的に転写するようにする。中間転写ベルト24が最終画像形成部を抜けると、その中間転写ベルト24上には4色のトナーが重なったカラーの画像が形成されている。なお、ここでは、中間転写ベルトを使用した例で説明したが、機械レイアウト、求められる精度、大きさなどから中間転写ドラム方式を採用してもよい。また、カラー機ではなくモノクロ機の場合は、中間転写体は不要となるため、感光体から直接用紙にトナー画像を転写するようにしてもよい。
本実施例の中間転写ベルト方式の場合は、転写紙である用紙が給紙部27から給紙された後、レジストローラを介して二次転写手段へと導入され、中間転写ベルト24と二次転写ローラが接触するところで画像が用紙に転写されて、カラー画像が形成される。
画像転写後の用紙は、定着装置26に搬送され、定着ローラにより熱と圧力を加えることで画像定着処理が行われ、最終的なカラー画像が得られる。その後、トナー画像を用紙に転写し終えた中間転写ベルトは、二次転写位置より下流に設けられた中間転写ベルトクリーニング手段によって転写残トナーが除去され、再び作像部23によって次の画像が形成される。
定着装置から排出された画像形成後の用紙を両面印刷する場合は、用紙反転装置を経由して表裏反転され、再び転写装置25に給紙することにより、先の画像形成面とは反対側の面にも画像が形成され定着される。このように、定着装置から排出された片面、もしくは両面印刷済みの用紙は、後処理を行うための仕上げ装置(フィニッシャーともいう)15に搬送される。
仕上げ装置15内には、用紙を折りたたむ機能、用紙に対してファイリング整理がし易くなるようにファイリング用の穴をあけるパンチ機能、複数枚の用紙を合本して冊子とする製本機能、予め用意された用紙を表紙などに丁合する丁合機能などが通常備わっている。しかし、本発明では、さらに仕上げ装置15内に印刷直後の用紙に対して無線交信可能なRFIDチップを付与する無線交信素子付与機能(無線交信素子付与部16)を備えている点に特徴がある。
用紙に付与するRFIDチップは、一つ一つが独立に切り離されており、用紙に対して所定の位置に連続的に付与されるようになっている。また、付与位置については、ユーザからの指定によって変えることが可能であり、例えば、用紙に縦方向に印刷する場合は用紙短辺側の左上(印刷開始位置付近)に付与したり、用紙に横方向に印刷する場合は長辺側用紙の左上(印刷開始位置付近)に付与するように指定することができる。
図4は、実施例1において用紙に付与するRFIDチップの構成を説明する図であり、図5は、図4のRFIDチップを使って用紙に付与する動作手順を説明する図である。図4に示すように、用紙に付与するRFIDチップ40の面には、粘着物質41が予め塗布してあるため、RFIDチップ40を矢印Aのように用紙42に対して押し付けるだけで、容易に添付することができる。この付与動作は、図2の仕上げ装置15内の無線交信素子付与部16にて行われる。その動作手順は、図5に示すように、画像形成直後の用紙42が無線交信素子付与部16に送られると(白抜き矢印C方向)、予め粘着物質41が塗布されたRFIDチップ40が用紙42の指定位置に付与した後(矢印B)、加圧ローラ50の間を通過させることで、RFIDチップ40を用紙42に確実に固定することができる。
また、上記図4に示したRFIDチップ40の粘着物質41は、常温で粘着性を示すものに限らず、一定の条件下で粘着性を示す物質を用いることも可能である。例えば、一定の温度以上に加熱すると溶融して粘着性を示すが、冷却すると再び固化して用紙に固定することができる樹脂状物質を用いてもよい。その際、図5に示す無線交信素子付与部16に設けられた加圧ローラ50は、定着ローラのように内部にヒータが配置され、加熱と加圧とが同時に行われるように構成する必要がある。
もちろん、乾式電子写真方式を採用する画像出力装置の場合は、顕像化粒子であるトナーを加熱して溶融させ、紙面に定着させる定着部26を備えているのが一般的であるため、トナー画像を用紙に転写した後、加熱によって粘着性を示す物質が塗布されたRFIDチップ40を指定位置に付与し、トナー画像の定着工程と同時にRFIDチップを固定するように構成してもよい。この場合、仕上げ装置15内に無線交信素子付与部16を別途形成する必要がないため、その分低コスト化できる。
さらに、一定の条件下で粘着性を示す物質には、光照射など外部からの物理的な刺激によって粘着性を発揮する物質を用いることができる。その場合、無線交信素子付与部16には、RFIDチップ40に塗布した物質に応じた物理的な刺激を発生させる機構を設ける必要がある。
このように、本実施例1によれば、画像形成直後の記録媒体(用紙など)に対して、粘着物質が塗布された近接無線交信可能な無線交信素子を付与するようにしたため、無線交信素子の情報と記録媒体に形成された画像内容とを対応させることが可能となり、既存の画像出力装置を大幅に変更することなく、低コストで簡便な機構により実現することができる。特に、本実施例1では、無線交信素子を画像形成直後の用紙に付与して、無線交信素子が静電気の影響で破壊される可能性のある乾式電子写真方式などの画像形成工程を経ないようにしたため、添付された無線交信素子を使って信頼性のある印刷物の流通、管理を容易かつ確実に行うことができる。
実施例2の特徴は、上記実施例1のように無線交信素子であるRFIDチップ自体に粘着性を示す物質を与えなくても、粘着性を有するシート部材と紙との間にRFIDチップを挟み、シート部材で覆い被せて固定するように構成した点にある。
図6−1および図6−2は、実施例2にかかるシート部材を用いてRFIDチップを用紙に付与する動作手順を説明する図であり、図6−3は、シート部材を用いてRFIDチップを用紙に固定した状態を示す図6−2のF−F線断面図であり、図7は、RFIDチップの固定位置を示す表示を設けたシート部材を用いてRFIDチップを用紙に固定する動作を説明する図であり、図8は、シート部材に透明または半透明のフィルムを用いてRFIDチップを用紙に固定する動作を説明する図である。
シート部材61を用いてRFIDチップ60を画像形成直後の用紙42に固定する場合は、図6−1に示すように、RFIDチップ60を指定位置に付与し(矢印D)、図6−2に示すように、その上から粘着性を有するシート部材61を覆い被せることにより(矢印E)、RFIDチップ60をシート部材61と用紙42との間に挟んで、確実に固定することができる(図6−3参照)。
また、図6−1〜図6−3に示すように、不透明なシート部材で覆ってRFIDチップを固定する場合は、シートが大きいとユーザから見てRFIDチップがどこにあるのかわからなくなるおそれがある。特に、微小サイズのRFIDチップを用いた場合は、無線交信可能な範囲が比較的近接した状態に限定されるため、近接読み取りする場合のチップの位置を示す必要がある。そこで、本実施例2では、図7に示すように、シート部材70の表面にRFIDチップを固定する位置を表示したマーク71が描かれていて、このマーク71の位置にRFIDチップが固定されるようにシート部材70で覆って固定する。これにより、ユーザは、常にマーク71によりRFIDチップの位置を確かめることができ、RFIDチップに対する近接読み取りを確実に行うことができる。
また、上記したように、RFIDチップを固定するためのシート部材は、画像形成後の用紙表面の少なくとも一部を覆ってしまうため、貼る位置によっては限られた紙面の一部が遮ぎられて、下に書かれた画像情報が見えなくなったり、シート部材を貼るために印字領域が制限されるのでは本末転倒となる。そこで、本実施例2では、図8に示すように、画像形成直後の用紙42の指定位置にRFIDチップ60を付与した後、白抜き矢印H方向からラミネートフィルムシート81の間を通して、用紙42全体を覆うようにしたため、RFIDチップ60の固定位置がわかる上、用紙42に形成された画像も光透過性シートを介してシート下の画像面に書かれた内容を読むことができる。ここでは、シート部材80に透明なラミネートフィルムを用いたが、これに限定されず、半透明なシートでも貼ることによってシート下の画像面に書かれた画像内容が読める材質であればよい。また、図8では、用紙42の全面を透明なシート部材80で覆った例を示したが、透明シートを使って図6や図7に示すように用紙の一部を覆うようにしても勿論よい。
このように、本実施例2によれば、実施例1のようにRFIDチップに粘着物質を塗布したり、圧着させるための加圧ローラ50(図5参照)などが不要となり、図6−1および図6−2に示すように、RFIDチップ60を付与してシート部材61を覆いかぶせるだけの簡易な機構で足りるため、無線交信素子付与部16を低コストに構成することができる。
また、本実施例2によれば、RFIDチップの固定位置をシート部材70の表面にマーク71として表示したため、ユーザがマーク71の位置を確かめるだけで、RFIDチップに対して近接読み取りを確実に行うことができる。
さらに、本実施例2によれば、RFIDチップを固定するためのシート部材として、シート下の画像内容が読める透明あるいは半透明の光透過性部材を採用したため、シート下の画像が見えなくなったり、印字領域が制限されるのを防止することができる。
本発明の画像出力装置は、画像形成直後の用紙に付与されるRFIDチップとの間で通信を行って、情報を保存したり読み書きを行うため、集積回路の本体以外に外部と通信を行うためのアンテナ部が必要となる。アンテナ部は、面積が大きければ大きいほど通信が安定するため、本体の加工とは別に作られ、本体と接合して用いられることが多い。そこで、本実施例3では、本発明がRFIDチップを固定するためのシート部材を採用していることから、そのシート部材にアンテナの機能を兼用させるようにした点に特徴がある。
例えば、RFIDチップを用紙上に固定するシート部材にアンテナを形成すれば、RFIDチップとアンテナ部の接合を、この画像出力装置内で行うことが可能となり、より低コストで保存スペースを最小にすることができる。
図9−1は、RFIDチップを用紙に固定するシート部材にアンテナ部を形成して両者を結合させた実施例3に係るフィルムシートの概念図であり、図9−2は、図9−1のフィルムシートを側面から見たI方向矢指図である。そこで、図9−1に示すように、RFIDチップ92を保持するためのシート90を、例えば、PETやポリエステルなどの樹脂シートをベースとして、その表面に薄膜の導電層を形成してアンテナ部91とし、そのアンテナ部91とRFIDチップ92とを導電性接着剤などで結合している。このような樹脂フィルムのシート90上に形成されたアンテナ用の導電層は、導電性インクなどの導電性ペーストを印刷したり、金属の蒸着やスパッタリングなど様々な手法を用いて形成することができる。
また、図9−2に示すように、用紙に貼り付ける面には、粘着物質95が塗布されており、図9−1のようにロール状に巻かれたフィルムシート94は、それぞれの切り取り線93に沿って1つ1つ切り離され、画像形成直後の用紙の指定位置に付与される。ここでは、シート幅を30mm程度とし、厚み50μmの透明なPETフィルムのシート90の上にアンテナ部91となる導電性樹脂層をインクジェット法やオフセット印刷法で予め形成されている。そして、そのアンテナ部91の一部にRFIDチップ92が一つずつ電気的に導通をもって接合してある。このようなフィルムの裏面側には、粘着層95が塗布されていて、さらに一個一個分離し易いように30mm程度の間隔で切り取り線93が入っている。そして、上記した粘着層95が表に出るようにロール状に巻き取られてフィルムシート94が構成され、この状態で画像出力装置に供給されている(図10−1参照)。
なお、アンテナ部が形成されたシート部材を用いてRFIDチップを画像形成直後の用紙へ付与する場合は、(1)用紙上にRFIDチップを付与した後、上からシート部材で覆って固定したり、(2)予め画像出力装置内にRFIDチップを供給する段階でシートとRFIDチップとが一体化されたものを用意しておき、画像形成直後の用紙へシートと一緒に付与したり、あるいは、(3)画像出力装置にシートとRFIDチップとを別々に供給し、用紙に付与する前に予め装置内でシートとRFIDチップを一体化させてから用紙に添付する何れの形態も採用可能である。その中で最も簡便なものは、上記(2)の形態であって、本実施例3で例示したものである。
このように、本実施例3によれば、RFIDチップが無線交信するのに必要なアンテナ部を別個に形成するのではなく、RFIDチップを固定するためのシート部材にアンテナ部を設け、両者を電気的に導通をもって結合させることで、RFIDチップを固定すると同時にアンテナ部が形成されるため、低コストにすることができ、無線交信感度が向上すると共に、アンテナ部の保管場所が少なくて済むことから、扱いやすくなる。
実施例4の特徴は、用紙に付与する前のRFIDチップ、あるいは、用紙に付与した後のRFIDチップの少なくとも一方との間で近接無線交信のできる無線交信装置が設けられ、RFIDチップに記憶された情報を読み出すか、あるいは、必要に応じて画像出力装置本体から得られた画像情報をRFIDチップに記録できるように構成した点にある。
図10−1は、画像形成後の用紙に対して一個一個RFIDチップを付与する機構とその後の仕上げ装置を説明する図であり、図10−2は、図10−1の仕上げ装置部分の別の構成例を説明する図である。まず、図10−1に示すように、画像形成された用紙42を図の左方向へ搬送する搬送ローラ100,101、用紙に付与する複数のRFIDチップがロール状に巻かれたフィルムシート94(図9−1参照)、用紙に付与する前のRFIDチップと近接無線交信を行う無線交信手段としての無線交信装置102、フィルムシート94を一個一個分離しながら用紙42に貼り付けていく貼り付けコロ103、用紙42に張り付けた後のRFIDチップと近接無線交信を行う付与確認手段としての無線交信装置104、および、用紙に付与されたRFIDチップが無線交信装置104によって正常に動作しないことが確認された場合に、「無効文書」等のスタンプを押す仕上げ装置15内に設けられたマークスタンプ105などによって構成されている。
また、図10−2に示す仕上げ装置15内には、用紙に付与されたRFIDチップが上記無線交信装置104によって正常に動作しないことが確認された場合に、文書自体を裁断して破棄するための2つの噛み合わせ刃からなるシュレッダー106,107を配置する構成を採用することもできる。
以下、図10−1と図10−2を用いて動作を説明する。まず、図10−1に示すように、画像形成された用紙42が搬送ローラ100,101によって搬送されてくると、ここでは半月形状をした貼り付けコロ103が矢印方向に1回転して、フィルムシート94を用紙42側に押圧して貼り付けると共に、切り取り線で一個ずつ切り離すようにする。この実施例4では、貼り付ける前のフィルムシート94に形成されたRFIDチップ(図示省略)との間で近接無線交信を行う無線交信装置102が設けられている。この無線交信装置102は、用紙42にフィルムシート94を貼り付ける前に、どのRFIDチップが付与されるかを確認することができる。例えば、各RFIDチップに唯一無二のユニークなIDが一つ一つ振ってあって、無線交信装置102がそのIDコードを読み取り、その内容に基づいて印刷データを決めたい場合として、用紙に印刷する情報を暗号化し、その暗号の符号化コードにRFIDチップのIDを使うことがある。こうすることで、印刷物一枚ごとに符号化コードが異なり、復号化する場合には、RFIDチップと無線交信して得られた情報に基づいて復元すればよいため、秘匿性も格段に向上する。このように、印刷物に付与される前のRFIDチップとの間で予め近接無線交信を行うことが可能な無線交信装置102を用いて、印刷内容を決定するようにすれば、用紙42に付与されるRFIDチップと印刷された内容とがより密接したものとなる。
また、無線交信装置104は、貼り付けコロ103によって用紙42に付与された後のRFIDチップとの間で近接無線交信を行うものである。この無線交信装置104は、用紙42に正しくRFIDチップが付与されたかどうかを確認する機能を持っている。すなわち、RFIDチップが正しく動作しない状態の用紙42が出力された場合は、文書の管理や流通時において、RFIDチップが適正に動作するものとそうでないものとが混在してしまい、適正な管理が行えなくなるからである。そこで、これを防止するため、RFIDチップを添付した後の用紙42に対して無線交信装置104を用いて一度だけ交信を行い、問題のないことを確認する。この確認は、RFIDチップの情報を読み出すだけでなく、必要があれば印刷情報をRFIDチップ内に書き込むようにすることも可能である。仮に、この段階でRFIDチップが正常に動作しないことが確認された場合は、当該文書(用紙42)を正式文書として扱えないように処理する必要がある。そこで、本実施例4では、図10−1に示すように、画像出力装置の仕上げ装置15内に(矢印J方向から)搬送されてきた用紙42に対して、例えば「無効文書」といった文言が書かれたスタンプを押すマークスタンプ105が設けられている。このため、適正に動作しないRFIDチップが添付された用紙には、「無効文書」と明記することができ、これによって正式文書とそうでない文書とが明確に区別可能となり、混在を防止することができる。
さらに、本実施例4では、図10−2に示すように、画像出力装置の仕上げ装置15内に(矢印K方向から)搬送されてきた用紙42に対して、RFIDチップごと裁断するシュレッダー106,107が設けられている。このため、適正に動作しないRFIDチップが添付された用紙は、それ自体が破棄されるので、正式文書のみを出力することができる。なお、シュレッダー106,107を用いて文書を破棄したままでは、当該文書が抜けてしまうため、再発行処理を行う必要がある。
また、本実施例4では、図10−1の無線交信装置102と104のいずれかを使って、用紙に印刷した情報、もしくは、これから印刷する情報に関する内容をRFIDチップに書き込むようにすることができる。例えば、RFIDチップ内の情報格納領域であるメモリ38(図3参照)の容量に余裕がある場合は、印刷された情報の一部あるいは全てを格納してもよい。より具体的には、印刷内容のテキスト部分、印刷内容の要約、キーワードなどをRFIDチップ内のメモリに格納しておけば、文書のファイリングを行った後でも目的の文書のファイリング位置を特定する一助となる。
また、RFIDチップ内のメモリに分類用のインデックス、内容のダイジェスト、印刷された情報量、暗号化された印刷内容の解読用キーワード、印刷された色情報、印刷物の著作者情報、使用許可情報などを格納しておけば、後から文書内容を光学的に読み取って画像処理を行い、デジタルデータ化するといった煩雑な処理を行わなくても、印刷された文書に関連する情報を容易に得ることができる。
さらに、印刷を行うときに印刷情報そのものではなく、副次的に発生した情報として、例えば、印刷した用紙、印刷機、通信手段の情報、印刷された場所、時間などの情報、印刷された情報を処理する際に使われている画像処理の内容、印刷物の印刷位置、印刷する際に本来の印刷情報から故意に欠落させた情報の補完情報、印刷物の暗号化方法などについても、無線交信を行ってRFIDチップ内のメモリに格納することができる。これらの格納情報は、書類を管理する際などに役立てることができる。
このように、本実施例4によれば、画像形成後の用紙に対してRFIDチップを添付することは種々の利点がある上、用紙に対して添付する前と後のRFIDチップに対して無線交信可能な無線交信装置を設けることにより、印刷内容とRFIDチップとを対応付けたり、適正なRFIDチップか否かを事前にチェックすることができるので、画像形成された文書の管理を容易かつ確実に行うことができる。特に、画像形成後の用紙を出力する際に、自動的にRFIDチップが付与されるのと並行して、RFIDチップとの間で無線交信を行って必要な情報の読み出しや書き込みを行うことができるため、管理の簡便さが一層増加し、ユーザの負荷を軽減することができる。このように、オフィスなどにおいて、ユーザに意識させることなく、いつの間にか適正かつ印刷内容と対応したRFIDチップがすべての用紙に添付されている状態を実現することができる。
上記実施例では、画像形成後の用紙一枚一枚に対してRFIDチップを付与する場合について説明したが、必ずしも用紙一枚一枚に付与する必要はない。例えば、通常の書類は文書として複数枚の用紙が合わさってひとまとまりになり、冊子や本のように束ねて綴じられた状態で流通し、保管されている。このため、これらを管理する場合は、一枚一枚の用紙単位ではなく、まとまった冊子状の単位で管理すべきものとなる。
そこで、本実施例5では、画像形成された複数枚の用紙を束ねて綴じたり、製本したものについて、各用紙一枚一枚にRFIDチップを付与するのではなく、一つのまとまり(冊子や本)に対して一つのRFIDチップを自動的に付与するようにした点に特徴がある。特に、従来のオフィスで一般的に使われている複写機などでは、印刷後の複数の用紙を束ねて綴じたり、製本する機能を後処理を行う仕上げ装置に持たせたものがあり、これらの機能と兼用させることによって、ユーザが違和感なく冊子や本に対してRFIDチップを付与できる上、従来から使われている既存の装置をそのまま転用できることから、コストを低く抑えることができる利点がある。
この実施例5では、上記実施例1で説明した仕上げ装置(フィニッシャー)15の機能のうち、複数の用紙を束ねて一つの冊子とする製本機能において、用紙を綴じ合わせる機能とRFIDチップの付与機能とを兼ね備えたものを使用している。以下、図11〜図15を用いて各例を具体的に説明する。
(粘着物質を用いた製本例)
図11−1は、複数の印刷用紙を重ね合わせた状態を示す斜視図であり、図11−2は、光硬化性の粘着物質を塗布してRFIDチップを付与する状態を説明する斜視図であり、図11−3は、製本完了状態を示す斜視図である。まず、図11−1に示すように、重ね合わせた複数の印刷用紙110を、図11−2に示すように、粘着性の接着剤を複数の印刷用紙110の端部に亘って塗布して固化させて束ねる。この製本方法は、現在の製本で広く使われているもので、ここでは硬化速度の速い、例えば紫外線硬化接着剤(UV硬化接着剤)112を塗布ローラ111を使って塗布し、RFIDチップ113を塗布した紫外線硬化接着剤112の中に埋め込んで、紫外線ランプ114を使って紫外線115を照射することにより、接着剤を硬化させ、用紙を綴じると共にRFIDチップを一体化させている。そして、図11−3に示すように、表紙116を付けて製本することにより、1つの冊子に対してRFIDチップ113を一つずつ付与することができる。
(粘着シートを用いた製本例)
図12−1は、粘着シートと複数の印刷用紙との間にRFIDチップを挟んで束ねる状態を説明する斜視図であり、図12−2は、製本完了状態を示す斜視図である。図12−1に示すように、粘着性を有するシート120を使って複数の印刷用紙110をまとめる場合は、予め粘着物質が塗布された粘着シート120とRFIDチップ113とを用意し、この粘着シート120で印刷用紙110の端部を覆うことにより、シートの粘着性を利用して複数枚の用紙を束ねることができる。その際、RFIDチップ113は、製本時に粘着シート120と用紙110との間に付与して固定してもよいが(図中の矢印M方向)、付与する直前に仕上げ装置15内で粘着シート120と一体化した後、印刷用紙110の端部を覆ってまとめるようにしてもよい。これにより、図12−2に示すように、1つの冊子に対してRFIDチップ113を一つずつ付与することができる。
(ステープラーを用いた製本例)
図13−1は、複数の印刷用紙を重ねてRFIDチップ付きステープラーを打ち込む前の状態を示す斜視図であり、図13−2は、複数の印刷用紙にステープラーを打ち込んで綴じた状態を示す斜視図であり、図13−3は、RFIDチップ付きステープラーを打ち込んで複数の印刷用紙を綴じた状態の断面図である。複数の印刷用紙の束ね方としては、図13−1に示すように、ここでは複数の印刷用紙110に対してステープラー130を矢印N方向に貫通させて綴じることにより、一冊の冊子にまとめるものである。ここでは、ステープラー130に予めRFIDチップ131が固定され、一体化されたものを用いている。図13−2は、複数の印刷用紙110をステープラー130が貫通して綴じると共に、そのステープラー130の頭部に一体化されたRFIDチップ131も同時に冊子と一体化される。この綴じた状態の断面形状を示したのが図13−3である。なお、図13−2では、ステープラー130を1個所だけで綴じた例を示したが、正式に製本する場合は、複数個のステープラー130を使用することが考えられる。しかし、その場合の他のステープラー130については、RFIDチップ131の付いていないステープラーを使用する。これは、1つの冊子に対して1つのRFIDチップ131が付与されていればよいからである。
(ハトメを用いた製本例)
図14−1は、複数の印刷用紙を重ねてRFIDチップ付きハトメを打ち込む前の状態を示す斜視図であり、図14−2は、図14−1のハトメ部分の断面図であり、図14−3は、複数の印刷用紙にRFIDチップ付きハトメを打ち込んで綴じた状態を示す斜視図であり、図14−4は、図14−3のハトメ部分の断面図である。複数の印刷用紙を貫通することで束ねる貫通部材としては、上記ステープラー以外にハトメなどを用いることができる。図14では、RFIDチップ141と一体化されたハトメ140を用いた例を示したが、これ以外にもリベット形状のものを用いて実施することも可能である。図14−1および図14−2に示すように、複数の印刷用紙110に対してハトメ140が貫通可能な径の貫通孔142を開け、ハトメ140を打ち込んで貫通させる。続いて、図14−3および図14−4に示すように、複数の印刷用紙110を貫通したハトメ140の先端部143を潰すことにより、複数の印刷用紙110を束ねて綴じることができる。
(ワイヤを用いた製本例)
図15−1は、複数の印刷用紙を重ねてRFIDチップ付きワイヤで結束する前の状態を示す斜視図であり、図15−2は、複数の印刷用紙をRFIDチップ付きワイヤで結束した状態を説明する斜視図であり、図15−3は、RFIDチップ付きワイヤで結束して複数の印刷用紙を綴じた状態の断面図である。複数の印刷用紙を貫通することで束ねる貫通部材としては、さらに樹脂や繊維によるひも状のもの、あるいは、金属などによるワイヤ状のものなどを用いることができる。図15では、RFIDチップ151と一体化された長いワイヤ150を用いた例を示している。図15−1に示すように、複数の印刷用紙110に対してRFIDチップ151と一体化されたワイヤ150を用意し、図15−2に示すように、ワイヤ150を使って複数の印刷用紙110を交互に縫い込むことにより束ねたものである。これを図15−3で見ると、複数の印刷用紙110がワイヤ150によって交互に縫い込まれて束ねられていると同時に、ワイヤ150と一体化されたRFIDチップ151が付与されている。なお、複数の用紙を束ねている部分は、機械的に用紙を結束させるためにある程度の断面積と長さとが必要となる。また、RFIDチップ151は、上述したようにアンテナ部が別に必要となり、このアンテナ部が面積的に大きければより無線交信の感度が向上する。従って、ここでは金属製のワイヤ150を用いていることから、これをRFIDチップ151と導通結合させて、アンテナ部として利用できるように構成している。
このように、本実施例5によれば、複数の印刷用紙を束ねて綴じたり製本する場合は、複数の用紙を粘着物質、粘着テープ、貫通部材などを使って束ねると共に、その束ねられた本や冊子の単位で無線交信素子としてのRFIDチップを1つずつ自動付与する動作を、従来から複写機などの画像出力装置において後処理している仕上げ装置の機能を転用するだけで、低コストにて実現することが可能となる。
以上のように、本発明にかかる画像出力装置は、画像が形成された用紙を容易かつ低コストで情報管理することができる装置に有用であり、特に、無線交信素子の破壊を防止し、無線交信素子自体および用紙に対する無線交信素子の付与状態が適正か否かをチェックすることができる画像出力装置に適している。
本実施例に係る画像出力装置の概要を説明する斜視図である。 図1の画像出力装置の内部機構の全体構成を説明する縦断面図である。 本実施例で用紙に付与する無線交信素子の構成例を示す図である。 図4は、実施例1において用紙に付与するRFIDチップの構成を説明する図である。 図4のRFIDチップを使って用紙に付与する動作手順を説明する図である。 実施例2にかかるシート部材を用いてRFIDチップを用紙に付与する動作手順を説明する図である。 実施例2にかかるシート部材を用いてRFIDチップを用紙に付与する動作手順を説明する図である。 シート部材を用いてRFIDチップを用紙に固定した状態を示す図6−2のF−F線断面図である。 RFIDチップの固定位置を示す表示を設けたシート部材を用いてRFIDチップを用紙に固定する動作を説明する図である。 シート部材に透明または半透明のフィルムを用いてRFIDチップを用紙に固定する動作を説明する図である。 RFIDチップを用紙に固定するシート部材にアンテナ部を形成して両者を結合させた実施例3に係るフィルムシートの概念図である。 図9−1のフィルムシートを側面から見たI方向矢指図である。 画像形成後の用紙に対して一個一個RFIDチップを付与する機構とその後の仕上げ装置を説明する図である。 図10−1の仕上げ装置部分の別の構成例を説明する図である。 複数の印刷用紙を重ね合わせた状態を示す斜視図である。 光硬化性の粘着物質を塗布してRFIDチップを付与する状態を説明する斜視図である。 製本完了状態を示す斜視図である。 粘着シートと複数の印刷用紙との間にRFIDチップを挟んで束ねる状態を説明する斜視図である。 製本完了状態を示す斜視図である。 複数の印刷用紙を重ねてRFIDチップ付きステープラーを打ち込む前の状態を示す斜視図である。 複数の印刷用紙にステープラーを打ち込んで綴じた状態を示す斜視図である。 RFIDチップ付きステープラーを打ち込んで複数の印刷用紙を綴じた状態の断面図である。 複数の印刷用紙を重ねてRFIDチップ付きハトメを打ち込む前の状態を示す斜視図である。 図14−1のハトメ部分の断面図である。 複数の印刷用紙にRFIDチップ付きハトメを打ち込んで綴じた状態を示す斜視図である。 図14−3のハトメ部分の断面図である。 複数の印刷用紙を重ねてRFIDチップ付きワイヤで結束する前の状態を示す斜視図である。 複数の印刷用紙をRFIDチップ付きワイヤで結束した状態を説明する斜視図である。 RFIDチップ付きワイヤで結束して複数の印刷用紙を綴じた状態の断面図である。
符号の説明
10 画像出力装置
11 画像読取部
12 画像処理部
13 用紙トレイ
14 画像形成部
15 仕上げ装置
16 無線交信素子付与部
17 原稿
18 用紙
19 無線交信素子
20 原稿搬送部
21 コンタクトガラス
22 画像書込部
23 作像部
24 中間転写ベルト
25 転写装置
26 定着部
27 給紙部
28 排紙トレイ
30 無線交信素子(RFIDチップ)
31 コイル
32 コンデンサ
33 電源部
34 復号化部
35 符号化部
36 スイッチ
37 交信制御部
38 メモリ
40 RFIDチップ
41 粘着物質
42 用紙
50 加圧ローラ
60 RFIDチップ
61 シート部材
70 RFIDチップ
71 マーク
80 シート部材
81 ラミネートフィルムシート
90 シート
91 アンテナ部
92 RFIDチップ
93 切り取り線
94 フィルムシート
95 粘着物質
100,101 搬送ローラ
102 無線交信装置
103 貼り付けコロ
104 無線交信装置
105 マークスタンプ
106,107 シュレッダー
110 印刷用紙
112 紫外線硬化接着剤(UV硬化接着剤)
111 塗布ローラ
113 RFIDチップ
114 紫外線ランプ
115 紫外線
116 表紙
120 シート
130 ステープラー
131 RFIDチップ
140 ハトメ
141 RFIDチップ
142 貫通孔
143 先端部
150 ワイヤ
151 RFIDチップ

Claims (17)

  1. 用紙に画像を形成する画像形成手段と、
    画像形成直後の用紙に対して近接無線交信が可能な無線交信素子を付与する無線交信素子付与手段と、
    備えたことを特徴とする画像出力装置。
  2. 前記無線交信素子付与手段により付与される無線交信素子は、前記用紙に付与される面に予め粘着物質が塗布されており、
    前記無線交信素子付与手段は、前記無線交信素子を前記画像形成直後の用紙の所定位置に押圧して貼り付けることを特徴とする請求項1に記載の画像出力装置。
  3. 前記無線交信素子付与手段は、前記画像形成直後の用紙に対してその少なくとも一部を覆う粘着面を備えたシート部材を貼付する際に、該シート部材と前記画像形成直後の用紙との間に前記無線交信素子を挟んで固定することを特徴とする請求項1に記載の画像出力装置。
  4. 前記無線交信素子付与手段は、前記画像形成直後の用紙に対してその少なくとも一部を覆い、一定の条件下で粘着性を発揮する粘着面を備えたシート部材を貼付する際に、該シート部材と前記画像形成後の用紙との間に前記無線交信素子を挟み、一定の条件下で粘着性を発揮させたシート部材によって固定することを特徴とする請求項1に記載の画像出力装置。
  5. 前記一定の条件とは、用紙に形成された画像に対して熱と圧力を加えて定着させる熱定着工程に関する条件であることを特徴とする請求項4に記載の画像出力装置。
  6. 前記シート部材は、透明もしくは半透明で構成され、シート部材の貼付後も用紙に形成された画像を読み取り可能にしたことを特徴とする請求項3〜5のいずれか一つに記載の画像出力装置。
  7. 前記シート部材には、前記無線交信素子の付与される位置が識別可能なマークが記載されていることを特徴とする請求項3〜5のいずれか一つに記載の画像出力装置。
  8. 前記シート部材には、前記無線交信素子のアンテナ部材が付与されていることを特徴とする請求項3〜5のいずれか一つに記載の画像出力装置。
  9. 前記無線交信素子付与手段は、画像形成直後の複数の用紙に対して前記無線交信素子を付与するものであって、
    前記複数の用紙を束ねる製本手段をさらに備え、
    前記製本手段は、前記複数の用紙に対して前記無線交信素子を付与して一体化させる前記無線交信素子付与手段を兼ねていることを特徴とする請求項1に記載の画像出力装置。
  10. 前記製本手段は、粘着剤を利用して前記無線交信素子と一体化すると共に、複数の用紙を束ねることを特徴とする請求項9に記載の画像出力装置。
  11. 前記製本手段は、前記無線交信素子と一体化された貫通部材によって前記複数の用紙を貫通して束ねることを特徴とする請求項9に記載の画像出力装置。
  12. 前記貫通部材は、用紙を束ねるステープラーの針であることを特徴とする請求項11に記載の画像出力装置。
  13. 前記貫通部材は、用紙を束ねる束ねひもであることを特徴とする請求項11に記載の画像出力装置。
  14. 前記製本手段によって無線交信素子と一体化され、複数の用紙を束ねる部材を兼ねている部分は、前記無線交信素子のアンテナ部として機能するようにしたことを特徴とする請求項9〜13のいずれか一つに記載の画像出力装置。
  15. 前記無線交信素子付与手段によって画像形成直後の用紙に無線交信素子を付与した後、無線交信素子が正しく用紙に付与されているか否かを確認する付与確認手段をさらに備えていることを特徴とする請求項1〜14のいずれか一つに記載の画像出力装置。
  16. 前記付与確認手段によって無線交信素子が正しく用紙に付与されていないことが判明した場合に、当該用紙を無効または破棄する用紙処理手段をさらに備えていることを特徴とする請求項15に記載の画像出力装置。
  17. 前記画像形成後の用紙に付与される前の無線交信素子との間で無線交信を行う無線交信手段をさらに備え、
    前記無線交信手段によって前記無線交信素子から得られた情報と用紙に形成される画像情報とを対応付けることを特徴とする請求項1〜16に記載の画像出力装置。
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