JP2005224429A - 異常陰影判定装置およびそのプログラム - Google Patents

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Abstract

【課題】 医用画像における異常陰影の検出性能を向上させる。
【解決手段】 被写体の所定の部位を異なる時期に撮影して得られた過去画像100と現在画像110を記憶し、被写体の所定の部位を撮影して得られた現在画像110に基づいて異常陰影の候補領域を抽出する。抽出した候補領域が異常陰影であるか否かを判定するために使用される第1の指標を求め、候補領域が現れた位置における過去画像100と現在画像110との差異を第2の指標として求めて、第1の指標と第2の指標とに基づいて、候補領域が異常陰影であるか否かを判定する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、被写体を撮影した医用画像に現れた陰影が異常陰影であるか否かを判定する異常陰影判定装置およびそのプログラムに関するものである。
従来より、医療分野においては、被写体の放射線画像を読影して病変部を発見し、またその病変部の状態を観察して、疾病の有無や進行状況の診断を行うことが一般的に行なわれている。しかしながら、放射線画像の読影は読影者の経験や画像読影能力の高低によって左右され、必ずしも客観的なものとはいえなかった。
例えば、乳癌の検査を目的として撮影されたマンモグラフィ(乳房を被写体とした診断用放射線画像)においては、その画像から癌化部分の特徴の一つである腫瘤陰影や微小石灰化陰影等の異常陰影を検出することが必要であるが、読影者によっては必ずしも的確にその異常陰影の範囲を指摘することができるとは限らない。このため、読影者の技量に依存することなく、腫瘤陰影や微小石灰化陰影を始めとする異常陰影を的確に検出することが求められていた。
この要望に応えるものとして、診断用画像として取得された被写体の画像データに基づき、その画像データが表す画像中の異常陰影の候補を計算機を用いて自動的に検出する異常陰影候補検出処理システム(計算機支援画像診断装置:CAD(Computer Aided Diagnose))が提案されている(例えば、特許文献1、特許文献2等)。
この異常陰影候補検出処理システムは、異常陰影の濃度分布の特徴や形態的な特徴に基づいて、異常陰影候補を計算機を用いて自動的に検出するものであり、主として腫瘤陰影を検出するのに適したアイリスフィルタ処理や、主として微小石灰化陰影を検出するのに適したモフォロジーフィルタ処理等を利用して異常陰影の候補領域を検出する。
アイリスフィルタ処理は、画像信号の濃度勾配の集中度の最大値を表すアイリスフィルタ出力値と所定の閾値とを比較することにより、画像中における乳癌の特徴的形態の一つである腫瘤陰影の候補領域を検出するのに有効な手法であり、一方、モフォロジーフィルタ処理は、画像信号に対して、検出しようとする微小石灰化陰影よりも大きいサイズの構造要素を用いたモフォロジー演算処理の出力値と所定の閾値とを比較することにより、画像中における乳癌の特徴的形態の一つである微小石灰化陰影の候補領域を検出するのに有効な手法である。
この異常陰影候補検出処理システムは、アイリスフィルタ処理やモフォロジーフィルタ処理により検出された異常陰影の候補領域およびその近傍領域を含む局所領域を関心領域(以下、ROIという)として設定し、このROI画像に含まれる異常陰影の候補領域の属性(腫瘤陰影または微小石灰化陰影の別)に応じて強調処理等の特化された画像処理をROI画像に対して施し、一方、原画像の全体画像に対しても読影性能向上のために所定の画像処理を施している。さらに、異常陰影候補検出処理システムは、読影を行ないやすいように画像処理が施された全体画像と、上記特化された画像処理が施されたROI画像とを1つの画像として、CRT等の画像表示手段やレーザプリンタ等のプリント手段等に出力している。具体的にマンモグラフィを読影する際には、例えば図7に示すように、CRTの表示画面に向かって右側に、右側乳房の全体画像と検出された異常陰影候補P30′およびその近傍領域P31を含むROI画像Wとを重ねて表示し、向かって左側に異常陰影が検出されなかった左側乳房の全体画像を表示するようにレイアウトされた1つのレイアウト画像情報をCRTに出力している。
あるいは、同一患者の撮影方向の異なる複数の画像データ(内外側斜方向(MLO : medio-lateral oblique)、頭尾方向(C-C : cranio-caudal)等)に対して上記画像処理を施して、異常陰影候補の検出精度の向上を図っているものもある。
特開平8−294479号公報 特開平8−287230号公報 特開平9−167238号公報
しかしながら、実際の読影に際しては、上述のように同一患者の左右乳房画像データや同一患者の撮影方向の異なる複数の画像データから得られた結果がCRTに出力された画像のみの観察からは判定が困難な場合も多い。そこで、実際には、過去画像が存在する場合には過去画像と比較検討を行い、異常陰影が現れた同位置に異常陰影が撮影されているかや、その異常陰影が大きくなっているか小さくなっているかに基づいて判定が行われている。
本発明は、上記事情に鑑み、過去画像を利用することにより高性能な異常陰影の検出を可能にする異常陰影検出方法、装置およびその方法を実行するプログラムを提供することを目的とするものである。
本発明の異常陰影判定装置は、被写体の所定の部位を異なる時期に撮影して得られた第1の画像と第2の画像を記憶する記憶手段と、
前記第1の画像に基づいて異常陰影の候補領域を抽出する候補領域抽出手段と、
前記候補領域の特徴を表す第1の指標を得る第1の指標取得手段と、
前記候補領域が現れた位置において、前記第1の画像と前記第2の画像との差異の程度を表す第2の指標を求める第2の指標取得手段と、
前記候補領域の第1の指標と前記第2の指標とに基づいて、前記候補領域が異常陰影であるか否かを判定する判定手段とを備えたことを特徴とするものである。
本発明のプログラムは、コンピュータを、
被写体の所定の部位を異なる時期に撮影して得られた第1の画像と第2の画像を記憶する記憶手段と、
前記第1の画像に基づいて異常陰影の候補領域を抽出する候補領域抽出手段と、
前記候補領域の特徴を表す第1の指標を得る第1の指標取得手段と、
前記候補領域が現れた位置において、前記第1の画像と前記第2の画像との差異の程度を表す第2の指標を求める第2の指標取得手段と、
前記候補領域の第1の指標と前記第2の指標とに基づいて、前記候補領域が異常陰影であるか否かを判定する判定手段として機能させることを特徴とするものである。
「異なる時期に撮影して得られた第1の画像と第2の画像」とは、例えば、同じ被写体を近時撮影した画像を第1の画像とし、同じ被写体を過去撮影して得た画像を第2の画像とする。あるいは、同じ被写体を近時撮影した画像を第2の画像とし、同じ被写体を過去撮影して得た画像を第1の画像としてもよい。
「異常陰影の候補領域」とは、候補領域検出手段に用いられるアイリスフィルタ処理やモフォロジーフィルタ処理等によって被写体の放射線画像等から検出され、腫瘤陰影や微小石灰化陰影の候補となった領域を示すものであり、異常陰影に限らず、画像上の特徴が腫瘤陰影や微小石灰化陰影と同様の特徴を示すために上記の処理によって誤検出された正常組織の陰影をも含むものを意味する。
「第1の指標」は、候補領域の画素およびその周辺画素の画像信号値等から算出される候補領域における異常陰影の度合を示すものであり、例えば、指標としては、異常陰影のパターンクラスからのマハラノビス距離に基づく値や、正常陰影のパターンクラスからのマハラノビス距離に基づく値を利用することが可能である。また、異常陰影の度合を表す指標としては、アイリスフィルタやモフォロジーフィルタの出力値を利用することも可能であり、この他にも上記指標には、異常陰影の度合を表す値であればいかなる値も利用可能である。
「候補領域が現れた位置」とは、候補領域として抽出された領域のみならずその周辺の領域を含んだ位置を意味し、「候補領域が現れた位置における前記第1の画像と前記第2の画像との差異」は、例えば、現在画像において抽出された候補領域とその周辺において、対応する第1の画像と第2の画像の画素の差異である。具体的に、差異は、第1の画像と第2の画像が現在画像と過去画像である場合、現在画像と過去画像とを比べて現在画像では候補領域の大きさが大きくなった場合にはその大きさの違いとして現れる。あるいは、過去画像と現在画像とを比べて候補領域の大きさが変らない場合であっても、候補領域に含まれる輝度が高くなった場合には、差異は、画素値の差として現れる。
また、第2の指標取得手段は、
前記第1の画像と前記第2の画像とを位置合せする位置合せ手段を有し、
位置合せをした前記第1の画像と前記第2の画像とから前記第2の指標を取得するものが望ましい。
また、前記第1の指標は、前記第1の画像から抽出された候補領域の複数の特徴量に基づいて分類した各パターンクラスからのマハラノビス距離の尤度比でもよい。
また、分類したパターンクラスは、前記候補領域が異常陰影であるパターンクラスと正常陰影であるパターンクラスとに分類したものであってもよい。
また、第2の指標は、前記第1の画像と前記第2の画像と差分であってもよい。
また、第1の画像が、現在画像であり、前記第2の画像が、過去画像であってもよい。
さらに、記憶手段に複数の過去画像が蓄積保管されている場合には、
第2の指標取得手段は、該複数の過去画像のうち最も古い過去画像との差分を求めるものが好ましい。
本発明によれば、現在画像に基づいて抽出した異常陰影の候補領域が異常陰影であるか否かを判定するために、候補領域の特徴を表す指標(例えば、マハラノビス距離)と、候補領域が現れた位置における過去画像と現在画像との差異に基づいて、候補領域が異常陰影であるか否かを判定することにより、大きさや輝度が変化しない構造物等の正常陰影と、癌等の進行度合いによって大きさや輝度が変化する異常陰影とを正確に判別することが可能になる。また、癌等の陰影であっても、大きさや輝度に変化がない場合や、大きさが小さくなっている場合には症状が好転していることを判定することも可能となり、判定精度を向上させることができる。
また、過去画像と現在画像とを位置合せを行うようにすれば、撮影時に発生する位置ずれをなくし、より正確な判定を行うことが可能になる。
また、マハラノビス距離の尤度比は判定精度が高く、これを用いることによって、判定性能を向上させることが可能である。
候補領域が異常陰影であるパターンクラスと正常陰影であるパターンクラスとに分類することで、異常陰影か正常陰影かを判別することができる。
また、過去画像と現在画像とでは、病状の進行具体によって異常陰影の候補領域の大きさが変化することが多く、過去画像と現在画像の差分によって、正確に異常陰影であるか否かを判定することが可能である。
さらに、複数の過去画像が蓄積保管されている場合には、過去画像のうち最も古い過去画像との差分を求めるようにすれば、差が大きく現れ判定が容易になる。
以下、図面を参照して本発明の異常陰影判定装置の実施の形態について説明する。
図1に示すように、異常陰影判定装置1は、被写体の前記所定の部位を異なる時期に撮影して得られた第1の画像と第2の画像を記憶する記憶手段30と、第1の画像に基づいて異常陰影の候補領域を抽出する候補領域抽出手段10と、候補領域が異常陰影であるか否かを判定するために使用される第1の指標を得る第1の指標取得手段20と、候補領域が現れた位置において、第1の画像と第2の画像との差異の程度を表す第2の指標を求める第2の指標取得手段40と、第1の指標と第2の指標とに基づいて候補領域が異常陰影であるか否かを判定する判定手段50とを備えている。
以降、第1の画像を近時撮影した現在画像110とし、第2の画像を過去に撮影した過去画像100とした場合を例に説明を行う。
過去画像100は、過去に被写体の所定の部位を撮影した画像であり、現在画像110は、過去画像100に撮影されている被写体と同一の被写体の同一部位を撮影したものである。
記憶手段30は、過去画像100や現在画像110を異常陰影判定装置1のメモリ上やハードディスク等の大容量記憶装置に記憶されたものである。例えば、CR(computed radiography)等のモダリティで撮影された現在画像110や過去画像100が、ネットワークを介して異常陰影判定装置1に送信されて、異常陰影判定装置1のメモリ上に記憶されたものである。あるいは、現在画像110や過去画像100がDVD等の可搬型の記憶媒体に記録され、異常陰影判定装置1が読取装置を備えたものであり、現在画像110や過去画像100をDVD等の記憶媒体から読み取って異常陰影判定装置1のメモリ上に記憶したものでよい。あるいは、モダリティで撮影された現在画像110は異常陰影判定装置1のメモリ上に記憶され、過去画像100は、ハードディスク等の大容量記憶装置や、ネットワークで接続されたファイルサーバ等に蓄積されたものでもよい。
候補領域抽出手段10は、現在画像110にアイリスフィルタ処理やモフォロジーフィルタ処理を施して異常陰影の候補領域を抽出する。本実施の形態においては、アイリスフィルタ処理を用いて癌等の症状として現れる異常陰影の候補領域を抽出する方法について具体的に説明する。
医用画像上に現れる異常陰影のうち、例えば、放射線画像に撮影された癌化した部分の腫瘤陰影は、おおむね丸味をおびた輪郭を持ち、かつ、画像上では周囲に比べて画素値が大きな領域として観測される。このような腫瘤陰影は、半球状で同じ濃度が同心円状に広がる形状の領域(以降、円形凸領域と呼ぶ)で、濃度値の分布が周縁部から中心部に向かうにしたがって濃度値が低くなるという濃度値の勾配が認められる。その勾配線は腫瘤の中心方向に向かって集中するもので、濃度値の勾配を勾配ベクトルとして算出し、その勾配ベクトルの集中度から腫瘤陰影の疑いがある候補領域を抽出することができることが知られている(詳細は、例えば、魏 軍、荻原 義裕、清水 明伸、小畑 秀文、“こう配ベクトルの点集中性フィルタの特性解析”、電子情報通信学会論文誌(D-II) Vol.J84-D-II No.7,pp.1289-1298,2001.を参照)。
そこで、この勾配ベクトルの集中度を利用して腫瘤陰影の疑いがある候補領域の抽出を行う。勾配ベクトルは計算対象となる画像を構成する全ての画素について、下記式(1)に示す計算式に基づいた画像データの勾配ベクトルの向きφを求める。
Figure 2005224429
上式のf11 〜f55は、図2に示すように、画素jを中心とした縦5画素×横5画素のマスクの外周上の画素に対応した画素値(画像データ)である。
そこで、対象となる画像を構成する全ての画素について、勾配ベクトルの集中度Cを式(2)にしたがって算出する。
Figure 2005224429
ここで、Nは注目画素を中心に半径lの円内に存在する画素の数であり、θj は、注目画素とその円内の各画素jとを結ぶ直線と、その各画素jにおける上記式(1)で算出された勾配ベクトルとがなす角である(図3参照)。したがって上記式(2)で表される集中度Cは、各画素jの勾配ベクトルの向きが集中する画素で大きな値をとる。
つまり、腫瘤陰影近傍の各画素jの勾配ベクトルは、腫瘤陰影のコントラストの大小に拘らず、その腫瘤陰影の略中心部に向くため上記集中度Cが大きな値を採り、この集中度Cが大きな値を採る画素が、腫瘤陰影の中心部の画素ということができる。一方、血管などの線状パターンの陰影は勾配ベクトルの向きが一定方向に偏るため集中度Cの値は小さい。したがって、画像を構成する全ての画素について上記集中度Cの値を算出し、その集中度Cの値が予め設定された閾値を上回るか否かを評価することによって、腫瘤陰影等の候補領域を抽出することができる。
このような集中度を評価するものの中には、腫瘤の大きさや形状に左右されない検出力を達成するために、フィルタの大きさと形状に工夫をしたものがあるが、アイリスフィルタはフィルタサイズが腫瘤に適応して変化するフィルタで、図4に示すように、注目画素を中心に2π/M度毎のM種類の方向(図4においては、25 度ごとの16方向を例示)の放射状の線上の画素のみで上記集中度の評価を行うものである。
アイリスフィルタにおける1つの半直線での集中度は式(3)で与えられる。
Figure 2005224429
ここで、cは、式(2)の集中度であり、N1とN0はそれぞれ注目画素から数えた半直線上の最小画素数および最大画素数である。このとき、アイリスフィルタの出力は式(4)のようになる。
Figure 2005224429
フィルタの定義式からもわかるように、アイリスフィルタのサポート領域は注目画素毎に変動し、その概念図は図5に示すように、注目画素の出力はM本の半直線の集中度で表し、一つの半直線におけるフィルタの計算範囲は式(3)が最大になるところ(点線の範囲)まで及ぶものであり(詳細は、例えば、特開平8−294479号公報を参照)、これにより候補領域を抽出することができる。
第1の指標取得手段20は、候補領域抽出手段10で抽出された候補領域が異常陰影であるか否かを判定するための指標を求める。上述のようにアイリスフィルタ等で異常陰影の候補領域を抽出した場合、抽出された候補領域に基づいて候補領域内部の濃度ヒストグラムを求め、このヒストグラムに基づく複数の特徴量、すなわち分散値、コントラスト、角モーメント等を算出し、さらに各特徴量を所定の重み付け関数で定義して新たな評価値を算出し、候補領域が異常陰影であるか否かを判定する方法が提案されている(詳細は、例えば、特開平9−167238号公報を参照)。そこで、この評価値を指標として用いることができる。
具体的には、上述の複数の特徴量に基づいて異常陰影を示すパターンクラスと正常陰影を示すパターンクラスに分けた場合、各パターンクラスの分布の中心からの分散を考慮した距離を表すマハラノビス距離Dmiに基づいた値を指標として用いることができる。
マハラノビス距離Dmiは下記式(6)で表される。
Figure 2005224429
マハラノビス距離を得るために、予め実験的に得られている正常陰影を示すパターンクラス(i=1)と異常陰影を示すパターンクラス(i=2)とを上述の各特徴量について学習しておき、式(7)に従って、正常陰影を示すパターンクラス(i=1)とのマハラノビス距離Dm1と、異常陰影を示すパターンクラス(i=2)とのマハラノビス距離Dm2とを求める。
正常陰影を示すパターンクラスとのマハラノビス距離Dm1が異常陰影を示すパターンクラスとのマハラノビス距離Dm2より近い場合、すなわちDm1<Dm2の場合は正常陰影である可能性が高く、正常陰影を示すパターンクラスとのマハラノビス距離Dm1より異常陰影を示すパターンクラスとのマハラノビス距離Dm2が近い場合、すなわちDm1>Dm2の場合は異常陰影である可能性が高いといえる(詳細は、例えば、特開平9−167238号公報、特開2002−74325号公報を参照)。そこで、候補領域が異常陰影であるか否かの判定を行う指標として、マハラノビス距離の尤度比(=Dm2/Dm1)を用いることができる。
第2の指標取得手段40は、記憶手段30に記憶されている過去画像100と現在画像110との差分を得る。例えば、腫瘤陰影等の病変部は病状の進行具合により、過去画像100に比べて陰影が大きくなったり小さくなったりする。そこで、候補領域は上述のマハラノビス距離等の現在画像110から得られた情報のみから異常陰影であるか否かの判定をするよりも、過去に撮影を行った過去画像100と現在画像110とを比較して、候補領域の大きさの変化に基づいて判定を行う方が正確に判定を行うことができる。あるいは、癌等の異常陰影は高輝度な陰影として現れることから輝度の変化に基づいて判定を行うようにしてもよい。一方、血管や乳腺等の構造物の陰影は大きさや輝度に変化がなく、陰影は大きさや輝度に変化がない候補領域は異常陰影ではない可能性が高い。そこで、過去画像と現在画像110との差異を表す第2の指標として差分を求め、候補領域抽出手段10で抽出した候補領域に含まれる画素の差分を求めて、前述のマハラノビス距離の尤度比と差分の双方に基づいて判定を行ったほうが良い結果が得られるものと推測される。また、候補領域は病状の進行に伴って大きくなる場合があるため、差分は候補領域内における画素の差分のみならず、候補領域とその周辺の領域に含まれる画素の差分を得るようにする。
過去画像100と現在画像110には、同一被写体の同一部位をなるべく同じ状態にして撮影が行われるが、実際には、撮影されている被写体の位置、大きさ、傾き等は多少異なって撮影される場合が多い。そこで、位置合せ手段41により位置合わせを行った後に差分を得たものの方が良好な結果が得られる。具体的に、図6に示すような乳房撮影画像で位置合せを行うには、例えば、過去画像100と現在画像110で乳房が対応する位置を3点(A、B、C)検出し、この3点に基づいてアフィン変換を行って現在画像110と過去画像100の位置合せを行う。
現在画像110上の位置をp=(x、y)とし、過去画像の位置をP=(X、Y)と表すものとすると、アフィン変換の一般式は、
X=ax+cy+m
Y=bz+dy+n
但し、a、b、c、d、m、nは定数、
ad−bc≠0
で与えられる。この式に、図6に示した過去画像100と現在画像110の3点(A、B、C)の座標値を代入して、定数a、b、c、d、m、nを算出し、算出した結果に基づいて、現在画像110と過去画像100の位置合せを行って差分を求める。
判定手段50は、第1の指標取得手段20によって得た指標と第2の指標取得手段40で得た差分の双方に基づいて、候補領域が異常陰影であるか否かの判定を行う。例えば、指標として上述のマハラノビス距離の尤度比を用いた場合には、以下のルールに従って判定を行う。
(1)差分があるもの
差分が現れた異常陰影の候補領域は、病巣が新しく表れた、もしくは大きくなったものと考えられるため、異常陰影として判定する方向に重み付けする。
スコア=尤度比 × 1.5
とする。
(2)差分がないもの
差分がない異常陰影の候補領域は、病巣がない、もしくは変化がないものと考えられるため、異常陰影として判定しない方向に重み付けする。
スコア=尤度比 × 0.5
とする。
このように差分に応じて重み付けしたスコアが所定の値以上の場合には、異常陰影であると判定を行う。
そこで、従来のCADによって検出された異常陰影の判定結果と、上述で詳細に説明を行った過去画像を用いて異常陰影の判定性能の向上を図った場合の判定結果との比較を行う。下表に、ある検診施設の2000年、2001年、2002年の検診データから現在/過去画像のペアが存在する62人の画像データを用いて、検出性能がどの程度改善できるかを確認した結果を示す。TP(true positive)は、正しく判定が行われたものを表し、FP(false positive)は、異常陰影であるものを見落としたものである。また、TN(true negative)は、異常陰影でないものを異常陰影として拾ったものであり、FN(false negative)は、異常陰影でないものが正しく判定されたものである。
Figure 2005224429
上記の表1より、過去画像がない場合にはTPは13個であったが過去画像がある場合にはTPは19個に向上し、過去画像がない場合にはFPは21個あったが過去画像がある場合にはFPは19個に減少した。
また、記憶されている過去画像のうち古い画像の方が最近撮影された画像より変化が大きく差分が大きく現れる。そこで、記憶手段30に過去画像が複数記憶保管されている場合には、最も古い過去画像100を用いて現在画像110との差分を求めるようにした方がよい。
上述では、現在画像と過去画像の差分が所定の値以上であるか所定の値以下であるかに応じて、指標となる値に一定の重み付けして判別を行う場合について説明したが、重みを差分に依存させ、差分が大きいほど重みを大きくするようにしてもよい。
上述では、現在画像と過去画像の位置合せを行って差分を求める場合について説明したが、位置が略一致する場合には位置合せを行わないで差分を求めてもよい。
上述の実施の形態においては、候補領域抽出手段10がアイリスフィルタ処理を用いて異常陰影の候補領域を抽出する場合について説明を行ったが、モフォロジー処理を用いて乳癌等に表れる微小石灰化陰影を異常陰影の候補領域として抽出するようにしたものでもよい。モフォロジーフィルタ処理は、画像信号に対して、検出しようとする微小石灰化陰影よりも大きいサイズの構造要素を用いたモフォロジー演算処理の出力値と所定の閾値とを比較することにより、画像中に高輝度な領域として現れる乳癌の特徴的形態の一つである微小石灰化陰影の候補領域を検出する手法であり、マルチスケールλと構造要素(マスク)Bとを用いて検出を行うものである(詳細は、例えば、「多重構造要素を用いたモルフォロジーフィルタによる微小石灰化像の抽出」電子情報通信学会論文誌 D-II Vol.J75-D-II No.7 P1170 〜1176 1992年7月、「モルフォロジーの基礎とそのマンモグラム処理への応用」MEDICALIMAGING TECHNOLOGY Vol.12 No.1 January 1994 参照)。
異常陰影として上述の手法を用いて、微小石灰化陰影を検出する場合においては、候補領域の異常陰影であるか否かを表す第1の指標として石灰化陰影を抽出した画像の各画素の信号値や、各画素における石灰化の密度を示す値等を利用することができる。
なお、第1の指標は、異常陰影であるか否かを表す値であれば上記以外にも種々利用することが可能であるが、候補領域が異常陰影であるか正常陰影であるかは、マハラノビス距離の尤度比を用いた判別結果の精度が高いため、尤度比を用いるのか望ましい。
また、第2の指標は差分のみならず比を用いるようにしてもよい。
さらに、上述では 第1の画像を現在画像とし、第2の画像を過去画像として説明したが、第2の画像を現在画像とし第1の画像を過去画像として、過去画像から異常陰影の候補領域の抽出を行って、異常陰影の現れた位置における過去画像と現在画像と差異を得て判定するようにしてもよい。
以上、詳細に説明したように過去画像と現在画像を比べることにより、大きさや輝度が変化しない構造物等の正常陰影と、癌等の進行度合いによって大きさや輝度が変化する異常陰影とを正確に判別することが可能になる。また、癌等の陰影であっても、大きさや輝度に変化がない場合や、大きさが小さくなっている場合には症状が好転していることを判定することも可能であり、判定精度を向上させることができる。
異常陰影判定装置の概略構成図 勾配ベクトルを表す図 勾配ベクトルの集中度を表す図 アイリスフィルタを説明するための図 アイリスフィルタのサポート領域の概念図 現在画像と過去画像の位置合せを説明するための図 従来のCADの表示画面の図
符号の説明
1 異常陰影判定装置
10 候補領域抽出手段
20 第1の指標取得手段
30 記憶手段
40 第2の指標取得手段
50 判定手段
100 過去画像
110 現在画像

Claims (8)

  1. 被写体の所定の部位を異なる時期に撮影して得られた第1の画像と第2の画像を記憶する記憶手段と、
    前記第1の画像に基づいて異常陰影の候補領域を抽出する候補領域抽出手段と、
    前記候補領域の特徴を表す第1の指標を得る第1の指標取得手段と、
    前記候補領域が現れた位置において、前記第1の画像と前記第2の画像との差異の程度を表す第2の指標を求める第2の指標取得手段と、
    前記候補領域の第1の指標と前記第2の指標とに基づいて、前記候補領域が異常陰影であるか否かを判定する判定手段とを備えたことを特徴とする異常陰影判定装置。
  2. 前記第2の指標取得手段が、
    前記第1の画像と前記第2の画像とを位置合せする位置合せ手段を有し、
    位置合せをした前記第1の画像と前記第2の画像とから前記第2の指標を取得するものであることを特徴とする請求項1記載の異常陰影判定装置。
  3. 前記第1の指標が、前記第1の画像から抽出された候補領域の複数の特徴量に基づいて分類した各パターンクラスからのマハラノビス距離の尤度比であることを特徴とする請求項1または2記載の異常陰影判定装置。
  4. 前記分類したパターンクラスが、前記候補領域が異常陰影であるパターンクラスと正常陰影であるパターンクラスとに分類したものであることを特徴とする請求項3記載の異常陰影判定装置。
  5. 前記第2の指標が、前記第1の画像と前記第2の画像と差分であることを特徴とする請求項1から4いずれか記載の異常陰影判定装置。
  6. 前記第1の画像が、現在画像であり、前記第2の画像が、過去画像であることを特徴とする請求項1から5いずれか記載の異常陰影判定装置。
  7. 前記記憶手段に複数の過去画像が記憶されており、
    前記第2の指標取得手段が、
    該複数の過去画像のうち最も古い過去画像との差分を求めるものであることを特徴とする請求項6記載の異常陰影判定装置。
  8. コンピュータを、
    被写体の所定の部位を異なる時期に撮影して得られた第1の画像と第2の画像を記憶する記憶手段と、
    前記第1の画像に基づいて異常陰影の候補領域を抽出する候補領域抽出手段と、
    前記候補領域の特徴を表す第1の指標を得る第1の指標取得手段と、
    前記候補領域が現れた位置において、前記第1の画像と前記第2の画像との差異の程度を表す第2の指標を求める第2の指標取得手段と、
    前記候補領域の第1の指標と前記第2の指標とに基づいて、前記候補領域が異常陰影であるか否かを判定する判定手段として機能させるためのプログラム。
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