JP2005223935A - 最大側方分離法による多チャネルの能動マトリックス音再生 - Google Patents

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Abstract

【課題】複数のラウドスピーカによる適切な増幅後に再生のための1対の立体音入力信号のさまざまな出力信号への復号を含む音再生システム。
【解決手段】入力ストリームを複数の出力ストリームにデコードするデコーダであって、該入力ストリームは、左入力信号と右入力信号とを含み、該複数の出力ストリームは、該入力指向性成分と該入力非指向性成分とにそれぞれ対応する複数の出力指向性成分と複数の出力非指向性成分とを含み、該デコーダは、該左および右入力信号のそれぞれを遅延させることにより、遅延された左および右入力信号を提供する遅延部と、該左および右入力信号を受け取り、該左および右入力信号に基づいて左右ステアリング信号と中央サラウンドステアリング信号とを生成するステアリング部であって、該左右ステアリング信号および該中央サラウンドステアリング信号は該所定の方向を表す、デコーダ。
【選択図】図4

Description

(発明の分野)
本発明は、聴取者を取り囲むように配置された複数のラウドスピーカによる適切な増幅後に再生のための1対の立体音入力信号のさまざまな出力信号への復号を含む音再生システムに関する。
特に、本発明は、入力オーディオ信号の指向的にコード化された成分の方向の如何に拘わらず非指向的にコード化された成分を一定の音レベルに維持しながら、 立体信号の左成分と右成分との間の高分離を伴う最適な音響心理学的性能を有する復号マトリックスを生成する1組の設計基準およびその解決法に関する。
更に、本発明は、本発明によるデコーダによる再生のため2チャネルへの多チャネル音のコード化に関する。
(発明の背景)
左右1対の立体音の入力オーディオ信号を複数の出力信号へ復号する装置は、サラウンド音デコーダまたはプロセッサと一般に呼ばれる。サラウンド音デコーダは、N個の出力信号を生じるように左右の入力オーディオ信号を異なる割合で組合わせることによって働く。入力オーディオ信号の色々な組合わせが、それぞれ 特定の出力信号に含まれる左または右の入力オーディオ信号の比率に関する2N個の係数が存在する、N行×2列のマトリックスに関して数学的に記述される。
マトリックス係数は固定することもでき、この場合はマトリックスは受動型(passive)と呼ばれ、あるいはマトリックス係数は1つ以上の制御信号によ り規定される方法で時間的に変化することもでき、この場合はマトリックスは能動的(active)と言われる。復号マトリックスにおける係数は、実数または複素数である。実際には、複素数の係数は、高価である正確な直角位相ネットワークの使用を含み、従って、大半の最近のサラウンド音デコーダはこれらネッ トワークは含まず、従って全てのマトリックス係数は実数である。本文に述べる多くの作業では、マトリックス要素もまた実数である。実数の係数は安く、従って本文に述べる能動エンコーダでコード化される5チャネル・フィルム(five channel film)を最適に復号することになる。
しかし、実係数は、本願に述べる如き受動エンコーダを用いて5チャネルの元の信号からコード化されたフィルムを復号する時は最適ではなく、また従来技術の 標準的な4チャネルのエンコーダで作られたフィルムを復号する時も最適ではない。このようなフィルムを最適に復号するデコーダ設計に対する修正についても述べる。デコーダの入力に対する位相補正器について記述されるが、補正はマトリックス要素を複素数にすることによっても行うことができる。
係数が一定であるマトリックスとして規定されるDolbyサラウンド・マトリックスの如き受動型マトリックスにおいては、係数の適切な選択によって幾つかの理想的特性が達成される。これらの特性は、下記を含む。即ち、標準的エンコーダでコード化される信号は、そのコード化された方向の如何に拘わらず等しい大きさで受動型マトリックス・デコーダにより再生されることになる。
デコーダに対する2つの入力が相関のないように即ち、非相関信号録音された音楽の如き特定のコード化方向がない信号は、全ての出力チャネルにおいて等しい大きさで再生されることになる。
入力信号が、指向的にコード化された成分と相関しない成分との組合わせである時、指向的にコード化された成分のコード化方向が変化するので、相関しない成分の大きさあるいは明瞭な分離において変化がない。
受動型デコーダの短所は、入力信号の指向的および相関しない両成分の分離が最適でないことである。例えば、前方の中心からくるように意図された信号は、左 右の前方の出力チャネルにおいても、通常は僅かに3dBのレベル差で再生される。従って、大半の最近のデコーダは、主要な音源の明らかな方向を持つマトリックス係数の部分的バリエーションを用い、即ち、かかるデコーダは受動的ではなく能動的である。
元のDolbyサラウンド・デコーダ・フォーマットにおいては、唯一つの後部チャネル出力が与えられ、これが典型的に1つ以上のラウドスピーカで再生され、かかる全てのラウドスピーカが並行して駆動され、その結果後部チャネルにおいては左右の分離がない。しかし、反対方向にコード化される信号間では高い分離が生じる。
先行特許は、1対の立体音のオーディオ信号の多くの出力信号への変換のための能動型マトリックス・サラウンド音デコーダの多くの特質について記載してき た。従来技術は、指向的にコード化された信号成分の明瞭な方向が、振幅の和とその差との間の比の対数と共に、立体音対の左右のチャネルにおける成分の振幅の比の対数からどのように決定できるかを記述してきた。かかる技術は、このように得られあるいは多の方法で得られる指向性の制御信号の平滑化に関する多くの技術と共に、本願において前提とされる。かかる2つの指向性制御信号が使用可能な形態で存在するものとする。本発明の目的のためには、これらの指向性制御信号は、おそらくは、1つのディジタル・オーディオ信号のサブチャネルに記録された方向の情報から得ることができる。
本発明は、これらの指向性制御信号が、2つの入力における信号をとってこれら信号を指向性制御信号に依存する適当に変化する比率で多くの出力チャネルへ分配する能動マトリックスの制御において用いられる方法に関する。
このようなマトリックスの一例は、Scheiberの米国特許第3,959,590号に示されている。同じ用途の別のマトリックスは、米国特許第5,046,098号に記載されたMandellのマトリックスである。4つの出力を持つマトリックスについては、Greisingerの米国特許第4,862,502号に詳細に記載され、このマトリックスの詳細な数学的説明は、6出力マトリックスの数学的説明と共に、Greisingerの米国特許第5,136,650号に記載されている。別の6出力マトリックスについては、Fosgateの米国特許第5,307,415号に記載されている。これらの従来のマトリックスは全て、先に述べた如き指向性制御信号の制御下で入力オーディオ信号を種々の出力間に分配する。
これらマトリックスの各々は、やや異なるように構成されるが、それぞれの場合で各出力が2つの入力信号の和で形成され、各入力信号は最初に係数で乗じられ る。このように、従来技術における各マトリックスは、各出力に対して2つの係数の値を知り、これら係数が先に述べた如き指向性情報を提供する指向性制御信号の関数としてどのように変化するかを知ることによって完全に規定することができる。これら2つの係数は、N×2マトリックスのマトリックス要素であり、 ここで、Nは出力チャネルの数であり、これがデコーダの特性を完全に規定するる。大半の従来技術においては、これらマトリックス要素は明確に記述されないが、与えられる記述から推定することができる。特定の実施の形態においては、これらマトリックスも容易に測定することができる。
1992年8月4日発行のGreisingerの米国特許第5,136,650号は、指向性制御信号に対する各マトリックス要素の完全な機能的依存性を記載している。
上記のGreisinger特許の発行以来、フィルム産業は「5プラス1」離散音の規格を開発した。5つの別個の全帯域幅のオーディオ・チャネル、即ち、中心、左前方、右前方、左後方および右後方を含み、減少された帯域幅の第6の オーディオ・チャネルが非常に低い周波数の効果に供されたサウンドトラックを持つ多くの劇場映画の封切りおよび幾つかの家庭での発表がなされている。このようなサウンドトラックの再生は、オーディオ・トラックを(5+1)出力チャネルに解除し圧縮解除するのに特殊なディジタル・ハードウェアを必要とする。 しかし、アナログとディジタルの両方の2チャネル・サウンドトラック・マトリックスコード化フォーマットを用いる、前に封切られたフィルム・プリントおよびビデオの非常に大きな選択肢がある。このようなサウンドトラックは、標準化された4チャネル/2チャネル・エンコーダを用いて混合プロセス中にコード化される。
Greisinger他による以前の研究が種々の信号、即ち、入力信号、その和およびその差、および指向性制御信号により制御される種々の利得増幅器を 通った後の同じ4つの信号の複雑な和に関してデコーダの出力について記載しているが、デコーダをディジタルあるいはアナログのハードウェア構成要素で具現できるように、特定の入力と関連する各出力の項を集めることによりマトリックスを閉鎖形態で完全に記述することが可能である。
2チャネルのサウンドトラック・マトリックスコード化のための標準的なエンコーダは諸制約があり、本発明によるサウンドトラック・デコーダにより復号される時に良好な性能を達成する2チャネル・マトリックス・コード化サウンドトラックを生成するため、改善された受動型エンコーダまたは能動型エンコーダを用いることができる。
(発明の概要)
本発明は、音響心理学的性能を最適化するある特性を持つ能動型マトリックスの実現に関する。
本発明は、意図された方向にオーディオ成分を再生する際には直接含まれない出力における指向的にコード化されたオーディオ成分を減じ、指向信号の如何に拘 わらず非指向性信号の左右のチャネル成分間の高い分離を保持しながら、意図された方向が存在してもこれと無関係に指向的にコード化された信号が存在するかどうかに拘わらず、非指向性信号の総合オーディオ電力レベルとして定義される大きさを有効に一定に維持しながら、かかる信号に対する一定の総合電力を維持 するように意図された方向にオーディオ成分を再生する際に直接含まれる出力におけるコード化されたオーディオ成分を指向的に強調するように構成された可変マトリックス値を持つサラウンド音デコーダである。
望ましい実施の形態においては、指向的にコード化された成分および非指向性成分を含む1対の左右のオーディオ入力信号を聴取領域を取り囲むラウドスピーカ を介して再生するための複数の出力チャネルへ再分配するためにサラウンド音デコーダが提供され、かつ左右のオーディオ信号の指向性内容を決定してこれから少なくとも左右の指向信号および中心のサラウンド指向信号を生成するための回路を内蔵している。
当該デコーダは、遅れた左右のオーディオ信号を生じるように左右のオーディオ入力信号の各々を遅らせる遅延回路と、対に構成された出力チャネル数と、遅れ た左のオーディオ信号を受取る各対の第1の要素および遅れた右のオーディオ信号を受取る第2の要素との2倍に等しい数の乗算器で、各乗算器が出力信号を生じるためその入力オーディオ信号を可変マトリックス係数で乗じ、可変マトリックス係数は指向信号(steering signal)の一方または両方で制御されることを含み。複数の出力チャネルの各々に1つずつ複数の加算装置が設けられ、加算器の各々が1対の乗算器の出力信号を受取ってその出力に複数の出力信号の1つを生じる。デコーダは、意図された方向にオーディオ成分を再生する際に直接含まれない出力における指向的にコード化されたオーディオ成分を減じるように構成され、指向信号に無関係に非指向性信号の左右のチャネル成分間の高い分離を保持しながら、かつかかる信号に対して一定の総合電力を維持するように意図された 方向にオーディオ成分を再生する際に直接含まれる出力における指向的にコード化されたオーディオ成分を強調するように構成され、かつまた指向的にコード化された信号が存在するかどうかに拘わらず、かつ意図された方向があってもこれに無関係に非指向性信号の総合オーディオ電力レベルとして規定された大きさを 有効に一定に維持するように構成された可変マトリックス値を有する。
本発明は主としてアナログの実施の形態に関して記述されるが、本発明の利点はディジタル信号プロセッサとして実現することができることである。
本発明の利点は、復号マトリックスの設計が全ての出力チャネルにおいて高い左右の分離を行うことである。
本発明の他の利点は、主なコード化信号の方向に無関係にかかる高い分離を維持することである。
本発明の別の利点は、任意のコード化されない非相関信号の総合出力エネルギ・レベルが主なコード化信号の方向に無関係に一定に維持することである。
本発明の別の利点は、(5+1)チャネルの別個のサラウンドトラックレリース(release)の音と厳密に一致するようにこれまでコード化されたサラウンドトラックを再生することができることである。
本発明の更に他の利点は、1つの受動型マトリックス・コード化を5チャネルのオリジナルから非常に僅かな独自の相違で5つ以上のチャネルへ復号する5チャネル・サラウンドトラックの2つのチャネルへ与えることである。
本発明の他の利点は、受動的な5チャネルのエンコーダで達成可能な性能より左右のサラウンド入力に関して良好な性能を持つ能動型エンコーダを提供することである。
本発明のデコーダは能動型5チャネルのエンコーダにより最適に動作するが、本発明の別の利点は、付加的な位相補正ネットワークにより、従来技術の標準的な4チャネルの受動型エンコーダまたは本発明の特質である5チャネルの受動型マトリックス・エンコーダでコード化された映画のサラウンドトラックをも最適に再生することができることである。
(本発明の詳細な記述)
本発明の望ましい実施の形態は、他のチャネル数を持つデコーダに対しても適用され得る一般設計原理に触れるが、最大側方分離を備えた5チャネルと7チャネルのデコーダを含んでいる。
受動型マトリックスの設計において、コーディングは標準的なドルビー・サラウンド・マトリックスに従うものと仮定され、デコーダは、デコーダからの左の出力信号が左の入力×1を含み、中心が左の入力×0.7(厳密には、√0.5、即ち、0.7071)プラス右の入力×0.7であり、右の出力信号が右の入力信号×1であり、後方出力が左の入力×0.7および右の入力×−0.7であるような、4つの出力を有する。
図1において、従来技術による受動型ドルビー・サラウンド・マトリックス・デコーダ1の簡素化された図であり、かかる信号の関係が維持される。「左」および「右」のオーディオ信号は、それぞれ入力端子2、4に印加され、利得がそれぞれ1のバッフア増幅器6、8によりバッファされる。これら信号はまた、信号コンバイナ(signal combiner)10、12により先に述べた比率で組合わされる。バッファ6、8の出力は、それぞれ「左」および「右」の出力端子14、16に現れ、信号コンバイナ10、12の出力は、「中心」出力端子18および「サラウンド」出力端子20に現れる。
先に述べたように、このマトリックスは、全ての方向において一定の利得を持ち、入力が相関しない時、全ての出力は振幅において等しい。
受動型マトリックス設計を4つ以上のチャネルに拡張することが可能である。
左後方のスピーカを備えたいならば、適切なマトリックス要素を用いることにより適切な信号を作ることができるが、一義的な解を作るのに更なる条件が要求され、信号の相関しない成分の大きさは全ての出力において等しくなければならず、分離は反対方向に高くなければならない。
マトリックス要素は、出力の方向角の正弦および余弦により与えられる。例えば、角度αが全左出力に対してα=0となり、前方中心における出力に対して 90°となるように定義されるならば、前方中心マトリックス要素は、
左マトリックス要素=cos(α/2)(1)
右マトリックス要素=sin(α/2) (2)
このように、α=90°の場合、両方のマトリックス要素は、標準ドルビー・サラウンド・マトリックスにより定義されるように、0.71である。
式(1)および(2)により定義される如きマトリックス要素は、α=0(全左)ないしα=180°(全右)に対して有効であり、ここで、左のマトリックス要素の符号が変化する。左後方象限に対しては、αが0°から−90°になり、その結果、右成分の符号は負である。しかし、右後方象限に対しては、左マトリックス要素の符号は負である。中心後方では、α=270°または−90°であ り、2つの成分は等しく符号が逆であり、従来とおり、右信号の係数はこの場合は負である。これは、式(1)および(2)におけるαの範囲を[−90°,270°)として示すことにより指定することができ、ここで、角形括弧は隣接する制限値を含むことを示し、括弧は制限がその範囲に含まれないことを示す。
2つの出力間の分離は、デシベル(dB)単位で表わされた1つの出力における信号のレベルと他の出力における信号のレベル間の差として定義される。このた め、全左信号がある場合、右入力成分はゼロであり、左および中心の出力における成分はそれぞれ1および0.71×左入力信号である。この分離は、0.71のレベル比、即ち−3dB(マイナス符号は、通常は省かれる)。
90°の角度差を持つ任意の2つの方向間の分離は、このマトリックスに対しては常に3dBである。90°より小さい角度で分離される方向の場合は、分離は 3dBより小さい。例えば、全後方(α=−90°)および左後方(α=−45°)における出力は、下式により与えられる分離を有する。即ち、
分離=cos(45°)*L/(cos(22.5°)*L)=0.77=2.3dB (3)。
この状況は、能動的マトリックスにより改善することができる。能動的マトリックスの目的は、デコーダ入力における指向的にコード化された信号がある時、隣 接する出力間の分離を増すことである。入力が完全に相関しない「音楽」からなる時にかかるデコーダがどのように挙動するか、また指向性の信号と音楽の混合がある時にデコーダがどのように挙動するかという質問が生じ得る。このような関係において、先に用いられ立体音のオーディオ入力信号から得られるものとす る両指向性制御信号が有効にゼロであるという複雑さの相関しない信号を示すのに単語「音楽」を用いることにする。
現在の技術におけるデコーダにより種々の成功度で下記の設計基準が満たされるならば、これら基準が任意の能動的マトリックスに適用される。
A.相関しない信号がない時、指向性信号の再生に関与するチャネルと関連しないチャネルから最小限の出力がなければならない。例えば、右側と中心との間の 中間の場所で再生されるよう意図される信号は、左右のチャネルには出力を生じてはならない。同様に、中心に対して意図される信号は、左側出力または右側出力のいずれにも出力を持ってはならない(これは、サラウンド音再生に拡張される如き対になるミキシングの原理である)。
B.指向性信号のためのデコーダからの出力は、コード化される方向の如何に拘わらず等しいラウドネス(loundness)を持たねばならない。即ち、一 定レベルの指向性成分が全ての方向に移動されるならば、種々の出力の2乗和が一定でなければならない。大半の現在の技術のデコーダは、この基準を完全に達成するものではない。ラウドネス・エラーは全てのデコーダにあるが、かかるエラーは実際には重要でない。これが、一定ラウドネス基準である。
C.入力信号の音楽成分(即ち、相関しない)のラウドネスは、入力の指向性成分がどのように移動されるかに無関係に、かつ指向性成分および音楽の相対レベ ルに無関係に、全ての出力チャネルにおいて一定でなければならない。かかる要件は、マトリックス要素が方向と共に変化する時、各出力に対するマトリックス要素の2乗和が一定でなければならないことを意味する。現在の技術におけるデコーダは、しばしば顕著であるほどにかかる基準に従わない。これは、一定出力 基準と呼ばれる。
D.相関しない音楽成分のみの再生と指向性信号のみの再生との間の遷移は、それらの相対レベルが変化する時、平滑に生じて音の明らかな方向の偏位を含んで はならない。この基準もまた、現在の技術におけるデコーダにより種々顕著に裏切られる。これは、一定方向基準と呼ばれる。
一般に使用されるサラウンド音再生システムである「ドルビー・プロ−ロジック」に対する仕様に従わなければならないフィルム・デコーダにおいては、先の基準Dは適用せず、その代わり、下記の基準Eを満たさなければならない。
E.部屋の前方で左から中心を経て右への任意の方向からくることを意図する信号は、入力信号の相関しない成分が少ないか無い(即ち、音楽は存在しない)時、受動型ドルビー・サラウンド・マトリックスにおいてかかる信号が持つレベルに対して3dBだけレベルが増幅されねばならない。音楽が主な入力信号である(相関しない成分が存在しない)時、このレベルは増幅されない。このように、デコーダが音楽のみの信号から純粋に指向的にコード化された信号への遷移を行う時、前方の半球空間における指向性信号のレベルは上昇されねばならない。
「ドルビー・プロ−ロジック」仕様と一致するデコーダの最適設計は、強い指向的にコード化された信号がある出力を除いて、全てのチャネルにおいて一定であ る相関しない音楽を含まなければならず、これらチャネルにおける音楽は音楽に対する指向性信号の強さに比例する最大3dBだけレベルが上昇し得る。音楽のレベルは、指向的にコード化された信号がないどんな出力においても決して低下してはならない。これは、最小利得ライディング(gain−riding)基準と呼ばれる。
全ての現在の能動型マトリックス・デコーダにおいては、暗黙の動作原理は、指向的にコード化されない信号が無い場合は、所望の出力チャネル数で構成される 時マトリックスが先に述べた受動型マトリックスと逆にならねばならないことである。このような仮定は一見妥当なように見えるが、音響心理学的認識の観点からは必要でも望ましくもない。本発明によるデコーダは、上記仮定を下記の要件で置換する。即ち、 F.能動型デコーダ・マトリックスは、相関しない音楽信号の再生中と指向的にコード化された信号の存在時の音楽信号の両方において、常に最大の側方分離を備えねばならない。例えば、音楽信号が左側にバイオリンのみ、右側にセロのみを含むならば、これらの場所は同時に存在する指向性信号の強さまたは方向に無 関係に維持されねばならない。この要件は、強い指向的にコード化された信号がこれを再生してはならない出力から除去されている時は、単に緩められるに過ぎない。かかる条件下では、マトリックス要素が更なるエネルギを指向される方向と反対方向から影響を受けるチャネルへ追加するように変更されなければ、音楽はレベルが低下する。これは分離を減じるが、かかる分離の低減は、強い指向的にコード化される信号が存在時に聴き取ることが難しい。
高い分離ほ必要(特に、指向的にコード化される信号が無い時に)は、音響心理学から生じる。従来技術は、全ての方向が等しく重要であるとして取扱われる本 質的に対称的なマトリックスについて考えた。しかし、このことは実際には妥当しない。人間は、2つの耳を持ち、映画を観たり音楽を聴く場合、略々前方を向く。このため、前方および側方の音は異なって受け取られる。
4dBまでの分離を有する音場とそれ以上を有する音場との間に劇的な相違がある。(この事実は、前方から後方の分離は犠牲にするが、受動型デコーダにおい て8dBを越える側方分離を有するCBSSQマトリックスにおいて認識された。)発明者の意見では、離散型5チャネルの映画の再生と従来のマトリックス再生との間の相違は、サラウンド・チャネル 間の低い側方分離によるものである。Greisingerの米国特許第5,136,650号は、当該要件(F)の値を認識し、更に2つのチャネルが聴取者の側に置かれるように設計される6チャネル・デコーダについて記載する。これらの出力は、出力の指向成分が前方半球へ向けられる限り、左後方と右後方の出 力チャネルに対する所望の特性を有する。即ち、これら出力は、その方向に無関係に指向される成分のレベルを減じ、また指向的にコード化された信号が無い時は完全な左右の分離を呈する。先に述べた特許に記載された出力は、指向される信号が存在する時は無指向的にコード化された音楽に対しては一定レベルを持た ず、この短所が本発明において正されている。
先に述べた特許におけるエンコーダ設計は、多数の市販されたデコーダを作るように修正して用いられた。かかるデコーダに対する後方の半球におけるマトリッ クス設計が発見的に開発されたが、一般には、先に述べた要件をかなりよく満たしている。しかし、最適以上の音楽の「ポンピング」が生じ、左右の後方出力間の指向信号の漏洩が所定レベルより多い。本文の文脈では、「ポンピング」とは、指向的にコード化された信号の方向に対応する指向制御信号の変動による音楽信号の聴覚的な変化である。
両方の理由から、デコーダ設計を改善することが必要であり、本発明がかかる設計研究の結果生まれた。先の要件AないしFがマトリックスを一義的に指すことが判り、このことは以下に数学的に述べることにする。
数学的な簡素化のため、デコーダの設計において前提とされるエンコーダは、簡単な左右のパン・ポット(left−right pan pot)である。
左から中心へ、右へ指向させる時は、先の式(1)および(2)により示されるように、標準的な正弦−余弦カーブが用いられる。これらの式は、下記形態に書き直すことができる。
L=cos t (4)
R=sin t (5)
但し、 t=α/2 (6)。
前記の正面への指向モードにおいては、角度tが0°から90°へ変化する。
部屋の後半部における左から後方(サラウンド)から右への指向のためには、右チャネルのパン・ポット出力の極性が反転される。これは、下記の対の式により表わされる。
L=cos t (7)
R=−sin t (8)
t=45°である時に全後方指向が生じ、左サラウンドへ指向し、t=22.5°である時に左と右間の中間位置が生じる。
かかるコーディングの先に述べた受動型マトリックスのマトリックス要素への類似性に注目されたい。しかし、ここで、指向角度は2で除され、後方指向のための符号の変化が明確に含まれる。
デコーダの設計において、入力コーディング指向角度が変化する時、どの出力が与えられ、入力の指向された成分の振幅が各出力においてどのように変化するか が最初に決定されねばならない。以下の数学的記述においては、この関数は任意であり得る。しかし、ラウドネスが2つの出力間の信号パンとして保持されるように、一定のラウドネス基準である要件Bを満たすためには、これらの振幅関数に対する幾つかの明瞭な選択肢が存在する。
前方左の、右と中心の出力が存在するものとすると、これら出力のそれぞれに対する振幅関数は、角度tの2倍の正弦と余弦となるものと仮定される。例えば、 tが左t=0°から中心t=45°へ変化する時、出力の振幅は下記でなければならない。即ち、
左出力=cos2t (9)
中心出力=sin2t (10)
右出力=0 (11)。
tが中心から右へ移動する時、t=45°から90°となり、
左出力=0 (12)
中心出力=sin(2t−90°)=−cos2t (13)
右出力=cos(2t−90°=sin2t (14)。
これらの関数は、左と中心間および右と中心間のソースの最適な配置を生じる結果となる。これらの関数はまた、マトリックス問題に対する非常に簡単な解決法 を生じる結果となる。上記の場合のいずれにおいても、部屋の後方における再生のため意図される任意の出力信号は明らかにゼロでなければならない。
改善されたデコーダの5チャネルのバージョンを設計する際には、後方半球において左と左サラウンド、t=0ないしt=22.5°間に指向される信号は、下式でなければならず、
左後方出力=sin4t (15)
右後方出力=0 (16)
かつ、左サラウンドと全後方間に指向される時、総合後方出力は同じままでなければならない。これを達成するため用いられるマトリックス係数は一定でなく、全後方において右入力に対するマトリックス要素を左後方出力への指向がゼロになるように変動する。
7チャネルの実施の形態においては、tが0から22.5°になる時、左方と左方の両後方出力における出力はsin4tに比例して等しくかつ平滑に上昇しなければならない。tが22.5°から45°になる時、左側の出力が6dBに下がり、左側後方の出力は2dBに増え、各出力の2乗和である総合ラウドネスを一定に保持する。
先に述べたように、改善されたデコーダでは、指向信号が完全に後方に対するものである時でも、左後方出力に対する右入力に対する(および、右後方出力に対 する左入力に対する)マトリックス要素がゼロである結果として完全な分離を生じるので、左後方と右後方の出力が相関しない音楽に対する最大分離を生じる。指向角度tが0から22.5°になる時、右後方が指向信号に対するゼロ出力を持つが、音楽の出力が一定となり左後方における音楽信号と最小限の相関を有す るように、前記指向信号の打ち消しを行うため用いられるマトリックス要素が調整される。
サラウンド音場における相関を更に減じるためには、7チャネルの実施の形態が側方チャネルに約15msの時間的遅延を含み、両バージョンにおいて、後方チャネルが約25msだけ遅延される。
指向された条件下の種々の出力に対してラウドネス関数がいったん選定されると、これら関数が左から右への対称性を有し、指向角度に対するマトリックス要素の機能的依存度を計算することができる。
標準的なドルビー・サラウンド装置は、全てのサラウンド・ラウドスピーカが同位相に接続され、ドルビー・スクリーニング劇場が同様に装備される。しかし、図1に関して先に述べた標準的な受動型マトリックスが、左後方および右後方の出力における問題を有する。左からサラウンドへのパンがLとL−R間の遷移を結果として生じ、右からサラウンドへのパンがRからR−Lになる。このように、2つの後方出力が、完全に後方へ指向される時に、位相から外れる。とりわけ米国特 許第5,307,415号に記載されたフォスゲートの6軸デコーダが、このような位相的異常を呈する。このようなデコーダを聴く際、面のフライバイ(fly−by)の如き後方指向音が後方において薄弱かつフェージー(phasey)になった時、位相反転が認識し得ない程度に感じられた。本発明のデコーダは、全後方指向下の右後方出力の符号を反転させる移相器を含む。移相は、サラウンドにわたる中心の対数比のの関数として行われ、前方への指向がある時は不動作状態になる。この目的のための典型的な移相器は、図5aおよび図5bに関して以下に記述される。
現実のエンコーダは、先に述べなかったパンほど簡単ではない。しかし、入力の指向角度を検出する方法の慎重な選定により、標準的な4チャネル・エンコーダの問題を大幅に回避することができる。
このように、4チャネル・エンコーダで作られる標準的なフィルムは、後方半球における実質的な指向的な操作量で復号することになる。
従来のGreisingerの米国特許第5,136,650号の図1に示される如き従来技術による標準的エンコーダ21を示す図2において、図示のように、対応する端子22、24、26および28、および信号コンバイナと移相要素へ印加される4つの入力信号L、R、CおよびS(それぞれ、左、右、中心およびサラウンドに対する)が存在する。端子22からの左(L)信号23と、端子 24からの中心(C)信号25とは、それぞれ比1と0.707で信号コンバイナ30へ印加され、端子26からの右(R)信号27と中心(C)信号25とは、同様に信号コンバイナ32へ同じ比で印加される。信号コンバイナ30の出力31は、移相器34へ印加され、信号コンバイナ32の出力33は、第2の同 じ移相器38へ印加される。端子28からのサラウンド(S)信号29は、移相器34、38に対して90°の位相遅れを有する第3の移相器36へ印加される。移相器34の出力35は、移相器36の出力37の0.707倍と共に、信号コンバイナ40へ印加される。同様に、移相器38の出力39は、信号コンバイナ42において移相器36の出力37の−0.707倍で組合わされる。エンコーダの出力AおよびBは、それぞれ信号コンバイナ40、42の出力信号41、43である。
数学的には、これらエンコーダ出力は、下式により記述することができる。即ち、
左出力(A)=L+0.707C+0.707jS (17)
右出力(B)=R+0.707C−0.707jS (18)。
標準的4チャネルのエンコーダは5チャネルの離散フィルムでは動作しないが、本発明による改善されたデコーダで非常に良好に働く5チャネルのエンコーダを設計することは可能である。このようなエンコーダは、図3に関して記述されている。
新たなエンコーダ48の付加的な要素は、先に述べた図2の標準的エンコーダ21の前方に適用される。
左信号51、中心信号53および右信号55は、それぞれ図3の端子50、52、54へ印加される。左、中心および右のチャネルの各々において、それぞれ移相関数φ(f)(φとして示される)を持つ全域通過移相器56、58および60が、信号経路に挿入される。左のサラウンド信号63は、入力端子62へ印加され、次いで移相関数φ−90°を持つ全域通過移相器66 を通るよう印加される。入力端子64からの右サラウンド信号65は、φ−90°移相器68へ印加される。
信号コンバイナ70は、移相器56からの左移相出力信号57を移相器66からの左サラウンド移相出力信号67の0.83倍と組合わせてLを付した出力信号71を生じ、この信号は端子76を介して標準的エンコーダ21の左入力端子22へ印加される。
同様に、信号コンバイナ72は、移相器60からの右移相出力信号61を移相器68からの右サラウンド移相出力信号69の−0.83倍と組合わされてRを付した出力信号73を生じ、この信号は端子82を介して標準的エンコーダ21の右入力端子26へ印加される。
同様に、信号コンバイナ74は、移相器66からの左サラウンド移相出力信号67の−0.53倍を、移相器68からの右サラウンド移相出力信号69の0.53倍と組合わせてSを付した出力信号75を生じ、この信号は端子80を介して標準的エンコーダ21のサラウンド入力端子28へ印加される。
Cを付した中心移相器58の出力信号59は、端子78を介して標準的エンコーダ21の中心入力端子24へ印加される。
図3のエンコーダは、離散入力LS、L、C、RおよびRSの任意の信号が、本発明のデコーダにより正しく再生されるコード化された信号を生じるという特性を有する。標準的エンコーダの出力AおよびBが同象限内にあるため、2つのサラウンド入力LS、RSにおいて同位相にある信号が全後方指向入力を生じ、前記2つ のサラウンド入力における異なる位相にある信号が指向されない信号を生じる。
図2の標準的エンコーダと関連して用いられる図3のエンコーダの数学的記述は、下式で与えられる。即ち、
A=(L+j0.83LS)+0.71C+0.38(LS−RS)(19)
B=(R−j0.83RS)+0.71C−0.38(LS−RS)(20)。
能動型マトリックスを用いる現在の全てのサラウンド・デコーダが、入力信号から与えられる情報に基くマトリックス係数を制御する。本発明のデコーダを含む全ての現在のデコーダが、整流され平滑化された左および右の入力信号AおよびB、それらの和(A+B)およびそれらの差(A−B)の対数を見出すことによって、かかる情報を得る。これら4つの対数は、次に、差し引かれて左右の信号の比l/rの対数と、サラウンドにわたる中心に対するc/sとして識別される和 と差の信号の比の対数とを得る。本文の記述では、l/rおよびc/sは、デシベル単位で表わされるものとし、左チャネルが右より大きければl/rは正であり、信号が前方に指向されるならばc/sは正であり、即ち、和の信号は差の信号より大きい。上記の5チャネルの受動型エンコーダにおける減衰値は、LS入 力のみが駆動される時にl/rの同じ値を生じるように選定され、角度tが22.5°(後方)に設定された時にデコーダを設計するため簡素化されたエンコーダが使用されることが判る。この場合、l/rは2.41、即ち約8dBである。
A=costおよびB=±sintとなるように2つの入力チャネル間に簡素化されたエンコーダにより分配されるモノーラル信号の場台は、l/rおよび c/sは独立的でない。指向角度tを見出すためには、右のレベルで除した左のレベルの逆正接を見出しさえすればよく、あるいは、全左方をt=0と定義するならば、先に述べたようにl/rがdB単位であるならば、
t=90°−arctan(10Λ((l/r)/20)) (21)
度となる。
しかし、指向が前方かあるいは後方であるかを決定するため2つのレベルが大きさのみで比較されるので、前方の指向では正、後方の指向では負となるc/sの符号を知るだけでよい。
実際には、デコーダに対する入力信号は、図2に示されるように、パン・ポットから得られるのではなく象限移相器を用いるエンコーダから得られる。更に、ほとんど常に相関されない「音楽」が指向された信号と共に存在する。
以降の記述では、マトリックス要素を指定する問題は、コード化された空間の象限のどれが用いられるかに従って、4つの部分、即ち、左前方、左後方、右前方あるいは右後方に分類される。
左前方、中心、右前方、左側、右側、左後方および右後方の出力を持つ7チャネルのデコーダを仮定する。各出力に対して2つのマトリックス要素が指定されねばならず、これらは指向のための象限に従って異なる。右前方および右後方の使用減係数は、マトリックスが左右の対称性を有するので、前後の軸に関する反射により見出すことができ、従って、この場合左前方と左後方の指向効果のみが得られる。
前方象限に対しては、ドルビー・サラウンドに対する要件Eではなく前記の要件Dが用いられるものとし、後で補正を追加する。
前方の指向は、Greisinger(米国特許第5,136,650号)に類似するが、本発明における指向について記載する関数は異なるものであり、一義的である。これらを見出すため、各出力を個々に考えなければならない。
左方出力は、中心の指向信号が左前方チャネルに現れることを欲しないため、角度tが0から45°へ変化する時にゼロヘ減少しなければならない。t=0が全左方ならば、角度は下式で定義される。
ts=arctan(10Λ((c/s)/20))−45° (22)。
左出力は、マトリックス要素LL×左入力+マトリックス要素LR×右入力である。簡素化エンコーダからの全指向信号は、この範囲にわたって、左入力A=cos tsと、右入力B=sintsを結果として生じる。tが関数FL(ts)に従って増加するに伴い左出力におけるレベルが平滑に減じることが求められ、これは当該事例では、デコーダ がcos(2ts)に等しいものと仮定される。このように、左出力は、下式により記述される。即ち、
左出力=LLcosts+LRsin ts =FL(ts)=Cos(2ts) (23)。
相関しない音楽に対する出力が一定であるならば、マトリックス係数の2乗和は1でなければならない。即ち、
LL2+LR2=1 (24)。
基本的には全ての出力に対して同じ形態にあるこれらの式は、2つの解を持つLFRに対する象限式を結果として得る。各場合において、これらの解の1つが他 方よりも非常に選好される。左出力に対しては、
LR=sin ts cos(2ts)+/−cos ts sin(2ts)(25)
LL=cos ts cos(2ts)−/+sin ts sin(2ts)(26)。
式(25)ではマイナスであり式(26)ではプラスである望ましい符号を選定し、数学的な同定を行えば、これら式は次のように更に簡単になる。
LL=cos ts (27)
LR=−sin ts (28)。
右出力は、角度tsの同じ範囲にわたりゼロでなければならない、即ち、
右出力=RLcosts+RRsin ts=0 (29)。
再び、相関しない音楽は一定でなければならず、従って
RL2+RR2=1 (30)
かつ、これら結果に対する同様な理由つけによりこれらは RL=−sin ts (31)
RR=cos ts (32)
を道びく。
中心出力は、指向が左方または右方へ移動する時に平滑に減じなければならず、またこの減少は、c/sの大きさではなく、l/rの大きさで制御されなければ ならない。左方向または右方向における強い指向は減少を生じなければならない。これは、中心左方マトリックス要素CLと中心右方マトリックス要素CDRに対して非常に異なる値を生じる結果となり、これが指向が右から左へ切換わる時にスワップ(swap)することになる。指向角度に基づくl/rは、ここでは tlと呼ばれる。指向が全中心すなわち指向信号が無い時に全左方において0から45°になるものとする。
tl=90°−arctan(10Λ((l/r)/20)) (33)
但し、l/rはdB単位で表わされる。
中心出力は、tlが0(全左方)から45°(中心)へ変わる時に平滑に増加しなければならない。かかる増加に対する関数はFC(tl)と呼ばれ、これは当 該実施の形態においてはsin(2tl)に等しい。上記の方法により、
中心出力=CLcos tl+CRsin tl=FC(tl)
=sin(2tl)(34)。
再び、音楽の一定のラウドネスに対しては、 CL2+CR2=1 (35)
これは、下記の解を生じる。
CR=sin tlsin(2tl)−/+cos tlcos(2tl) (36)
CL=cos tlsin(2tl)+/−sin tlcos(2tl) (37)。
望ましい符号は、式(36)ではプラス、式(37)ではマイナスである。
前方指向中の後方出力に対するマトリックス要素は、前方出力に対する要素ほど得るのが簡単ではない。これらを得るためには、Greisinger(米国特許第5,136,650号)に示された論議および方程式を用いる。
問題は、指向が無い時は左後方LRLのマトリックス要素が1となることを必要とするが、左または中心の指向中はこのチャネルからの指向出力を必要としない ことである。先に用いた方法によるならば、信号が左または中心へ指向される時は出力を生じないマトリックス要素を得るが、指向が無い時には、出力は2つの入力信号の和となる。これは従来の解決法であり、その場合には指向が停止する時は分離が劣化する。全分離を必要とし、このことは、指向を用いずにLRLが1でなければなず、LRRがゼロでなければならないことを意味する。
この問題を解決するためには、マトリックスはl/rの値とc/sの値の両方に従って作らなければならない。左側および右側の出力が「補助出力」である Greisinger(米国特許第5,136,650号)において解決法が与えられる。この特許で得られた解決法は、左側出力における全ての角度における指向成分を打ち消す問題を解決するが、指向が全中心になる時、出力の音楽成分は3dBだけ減じる。
係数を係数(cos ts+sin ts)で乗じることによってこのような欠点を避けるように係数を訂正することができ、ここで、tsはc/sが1である時ゼロである角度であり、この角度はc/sが大きく正である時に45°まで増加する。下式において、角度tsおよびtlがそれぞれc/sおよびl/rから得られる。
ts=arctan(c/s)−45° (38)
tl=arctan(l/r)−45° (39)
ここで、tlが中心出力に対して前に定義された角度とは異なることに注目されたい。
前記特許の用語において、幾つかの可変利得増幅器(VGA)に対する入力で生じる制御信号がそれぞれ左、中心、右およびサラウンドに対してGL、GC、 GRおよびGSと呼ばれ、これらから2つの補助信号GSLおよびGSRが左および右のサラウンドVGAに対して得られる。ここに述べた係数は、それぞれc/sから得た角度tsとl/rから得たtlの2つの角度の関数として左および右の係数を得るためG値の直線的組合わせを用いる。
それにおける定義により、
GL=((costl−sin tl)/cos tl)=1−tan tl (40)
GC=2(sin ts/(cos ts+sin ts)) (41)
(前掲の特許の印刷時に省略された2の係数がある)
GS=0 (42)
(これは前方の象限であるから)、および
GSL=GL((1−sin tl)/cos tl)
=GL(sec tl−tan tl)
=(1−tan tl)(sec tl−tan tl) (43)
および、左右の補助信号は、下式により与えられる。即ち、
LS=A(1−GSL)−0.5(A+B)GC −0.5(A−B)GS−BXGL (44)
RS=B(1−GSR)−0.5(A+B)GC +0.5(A−B)GS−A×GR (45)。
このように、係数LSLおよびLRLは、下式により与えられる。即ち、
Figure 2005223935
これは、ある操作の後に、下式となる、
LSL=LRL=(cos ts+sin ts)(sec tl−1)
×(sec tl−tan tl)−sin ts (47)
Figure 2005223935
この式は、ある操作の後に、下式となる、
LSR=LRR=(costs+sin ts)(tan tl−1)−sin ts(49)。
右側および後方の出力は、入力が左と中心間に指向される時、前の方法により見出すことができるが、使用された指向角度は、c/sから得たtsでなければならず、その結果、指向が無い時は右入力に反転することになる。中心へ指向される信号を除去することのみを必要とする。解を得る式は、
右後方出力=RRL cos ts−RRR sin ts=0 (50)
および
RRL2+RRR2=1 (51)。
これは、次の解を生じる。即ち、
RRR=RSR=cos ts RRL=RSL=sin ts (52)。
上式は、前方指向のためのマトリックス要素を完全に規定する。後方の指向のためには、c/sが負である時、下記のことが真である。即ち、左および右の主要素は、角度tsがlog(c/s)の絶対値から決定されることを除いて、前方指向に対しては同じである。この対数は下式を生じる。即ち、
ts=arctan(10Λ(s/c)/20))−45(53)。
また、交差マトリックス要素の符号は反転して、下式を生じる。即ち、
LL=cos ts(54)
LR=sin ts (55)
および RL=sin ts (56)
RR=cos ts (57)。
中心のマトリックス要素は、これら要素がl/rから得た角度にのみ依存するので後方指向において同じであり、c/sの符号には依存しない。
左側方出力と右側方出力は、指向が小さいかゼロである時は全分離を持たねばならない。しかし、強い左側方指向が存在する時、左側方出力と後方出力における信号は除去されねばならない。
tlが0から22.5°へ変わる時、中心指向のためには、tlに対する前の定義をいる。
tl=90°−arctan(10Λ((l/r)/20)) (58)。
強い指向においては、tl=0°である時は左側方出力と左後方出力はゼロであるが、sin 4tl値に従ってtlと共に増加する。信号A=cos t、B=−sin tにより表わされる相関しない音楽が存在する時、側方および後方に等しい出力を持つためには、係数LSL、LRL、LSRおよびRSRは下式を満たさねばならない。
LSL=LRL (59)
LSR=LRR (60)。
指向中の振幅はFS(tl)=sin 4tlに従い、その結果
LSL costl−LSR sin tl=FS(tl) (61)。
音楽が一定レベルを持たねばならないためには、
LSL2+LSR2=1 (62)。
前のように解くと、
−LSR=Sin tl FS(tl)+/−cos tl√(1−FS(tl)2) (63)
LSL=cos tl FS(tl)−/+sin tl√(1−FS(tl)2) (64)。
前のように、望ましい符号を簡単化して用いて、
−LSR=sin tl sin 4tl+cos tl cos 4tl (65)
LSL=cos tl sin 4tl−sin tl cos 4tl (66)。
上式は、更に下式へ約することができる。即ち、
−LSR=cos 3tl (67)
LSL=sin 3tl (68)。
右側方出力と右後方出力は、左後方象限に指向が存在する時は左入力が本質的にないが、中心または後方に指向された信号を除去しなければならず、従って c/sに感応する項が含まれねばならない。異なる遅延を除いて、右側方出力と右後方出力は等しく、下式を解かねばならない。即ち、
右後方/側方出力=RSLcos ts+RSR sin ts=0 (69)
RSL2+RSR2=1 (70)。
上式は、下記の解を生じる。即ち、
RSL=sin ts (71)
RSR=cos ts (72)。
これまでは、デコーダの設計は初めに設定された全ての要件を満たしている。
信号が帰属しない場合は信号は出力から除去され、指向がない時は全分離は維持され、音楽は、指向には無関係に全ての出力において一定レベルを有する。不都合 なことには、後方象限(rearquadrant)における後方出力に対してこれら全ての要件を満たすことができない。仮定の1つが破棄されねばならず、破棄しても全く問題とならないも のは、指向が全後方になる時の一定の音楽レベルの仮定である。標準的なフィルム・デコーダは、後方スピーカに対してレベルを増幅せず、このため、標準的なフィルム・デコーダは、音響効果が後方へ移動する時は音楽レベルを増加しない。標準的なフィルム・デコーダは、後方チャネルにおける分離はしない。強い後 方指向中は、音楽レベルを3dBだけ増加させることによってのみ必要とする後方分離を生じることができる。これは、実施においては受入れられる以上である。これらの条件下における音楽レベルのある増加は聴こえず、このことが更に望ましい。
l/rレベル比から得られた指向角度tlに基いて、後方に対するマトリックス要素を見出してきた。tl=22.5°からtl=45°へ移動する時、中心の対サラウンド比(c/s)の対数は大きな負の値になるが、dB単位で表わされたこの比はゼロに減じる。
tl=22.5°における指向性信号が非指向性音楽へフェード・ダウンされる時に生じることについて考察しよう。この場合、再び、非指向性音楽が主体にな る時、l/rの対数はゼロに減じる。指向が後方へ強くなる場合は、このケースを先に述べたケースから弁別する必要がある。最良の解決法は、l/rがゼロになる時、音楽l/rを一定に保持しながら、マトリックス要素を高い分離に対して緩和させることである。その結果、下式を得ることが容易である。即ち、
tl=90°−arctan(l/r)(73)
LRL=cos(45°−tl) (74)
LRR=−sin(45°−tl) (75)。
ここで、tlは22.5°から45°になる。これらのマトリックス要素は、音楽レベルを一定に保持するが、これら要素は、信号が後方になる時、指向された信号の出力を3dBだけ減じさせる。LRL値を比c/sの対数における増加に比例する量だけブーストすることによって、この状態をc/sへの依存度を増すこと により固定することができる。後方出力レベルを一定に保持するのに必要なブースト値を求めて解くと、下表に結果を表わすことができる。即ち、
表1:c/sによるRBOOSTの変動
c/s(dB) RBOOST
−32 0.41
−23 0.29
−18 0.19
−15 0.12
−13 0.06
−11 0.03
−9 0.01
−8 0.00。
これらの結果に関して、5チャネル・バージョンにおける左後方出力のマトリックス係数は、
LSL=cos(45°−tl)+RBOOST(logc/s) (76)
LSR=−sin(45°−tl) (77)。
また、右チャネルに対しても同様に、
RSL=sin(45°−tl) (78)
RSR=cos(45°−tl)+RBOOST(log c/s) (79)。
本発明の7チャネルの実施の形態の場合、全左方から左後方への指向の場合に左側方係数と左後方係数が等しかったことを想起して、指向が全後方になる時左側方チャネルと右側方チャネルにおける出力の所望の減少を考慮に入れるよう、c/sに対する更なる依存性を加える。側方出力の低減は、指向される信号におけ る一定出力を維持するため、対応する後方出力におけるブーストにより伴われる。また、分離を僅かに減じる交差項を増すことも望ましいが、これは明らかに聴こえない。
c/sの値から得られる角度tsを用いて、後方側方ブースト関数RSBOOST(ts)を定義する。即ち、
ts=90°−arctan(s/c)
但し、tsは22.5°から45°へ変化し、その結果、RSBOOST関数がts=22.5°におけるゼロからts=45°における0.5へ増大する。
従って、
RSBOOST=0.5sin(2(ts−22.5°)) (80)。
また、側方出力に対しては、
LSL=cos(45°−tl)+RBOOST(log c/s)−RSBOOST(ts) (81)
LSR=−sin(45°−tl) (82)
RSL=sin(45°−tl) (83)
RSR=cos(45°−tl)+RBOOST(log c/s)−RSBOOST(ts) (84)
および、後方出力に対しては、
LRL=cos(45°−tl)+RBOOST(log c/s)+0.5RSBOOST(ts) (85)
LRR=−sin(45°−tl) (86)
RRL=sin(45°−tl) (87)
RRR=cos(45°−tl)+RBOOST(log c/s)+0.5RSBOOST(ts) (88)。
フィルム・デコーダ・モードの場合、上記の基準Dを基準Eで置換しなければならず、これで前方チャネルのレベルを全ての前方向において3dBだけブーストすることになる。マトリックスは、指向中に同様に得られるブースト項を前方要素に加えることによって、この方法を実施するようにすることができる。例え ば、左方の指向中、ここではLFLと呼ばれるLLマトリックス要素はl/rに依存するブースト関数により増加されなければならず、この場合、下記の2つの角度を定義する。即ち、
tlr=90°−arctan(l/r)(89)
trl=90°−arctan(r/l) (90)。
従って(即ち、前記式(27))、
LFL=costs+LFBOOST(tlr) (91)
および、右への指向に対しては、
RFR=costs+LFBOOST(trl) (92)。
両方の中心マトリックス要素もまた、中心の指向中にブーストされる。
CL=sin tl+0.71LFBOOST(ts) (93)
CR=cos tl+0.71LFBOOST(ts) (94)。
これらの式は、フィルム・デコーダに対する付加的な要件を完全に指定する。
中心チャネルのラウドスピーカが無い時は、ドルビー仕様が、中心チャネル出力が、−3dB即ち0.707の利得で左前方出力および右前方出力に追加されな ければならないことを示唆する。これが適正なレベルで中心チャネルのダイアログを再生するが、これが左右間の分離を減じる。例えば、指向が無い時は、中心出力は0.71L+0.71Rである。これを左右に追加すると、(1.5L+0.5R)の左出力と(1.5R+0.5L)の右出力とを生じ、その結果分離 が0.5/1.5=9.5dBに減じられる。
この効果を避けるため、c/sから得た角度tsを用いて、中心指向がある時に左右のマトリックス要素を修正するのがよい。その結果、
LFL=1+LFBOOST(ts)(95)
RFR=1+LFBOOST(ts) (96)
LFR=RFL=0 (97)。
前に得られたマトリックス係数とは異なり、これらはダイアログを左右のチャネルから除去せず、また、指向が前方の半球にある限り、音楽に対する全左右分離を維持しながら、このダイアログを室内の適切なラウドネスに保持する。
図4に示された望ましい5チャネルの実施の形態においては、先に述べた7チャネルの5チャネルが実現され、デコーダが左、中心、右、左後方および右後方の出力を提供し、左側方出力と右側方出力が省かれる。上記の数学的記述から、15msの遅延を実現するブロック96、118にたいして更に10msの遅延を持つ、図示の左右のサラウンド出力に対するものと類似する回路によって、7チャネル・デコーダの左後方出力と右後方出力に対する回路が得られることが理解される。
7チャネル・デコーダ、フィルム・デコーダ・モードおよび最後の部分における無くなった中心チャネル・モードについて述べた如きRBOOST、 RSBOOSTおよびLFBOOST関数の追加は、当業者には明らかな簡単な修正である。ディジタル構成においては、これら関数は、マトリックス出力信号を生成するため必要な乗算および加算を行う前に、指向方向に基く適切な定義により角度tsおよびtlから得る適切なブースト式を対応するマトリックス係数 に追加することからなるに過ぎない。
図4のデコーダ90においては、入力端子92、94がそれぞれ、直接に、あるいは典型的なオーディオ再生媒体を介して送信/記録および受信/再生後に、典型的に図2、図3または図7のエンコーダからの出力であるAおよびBを付した左右の立体音のオーディオ入力信号を受取る。
端子92におけるA信号は、同様な期間に完了するl/rおよびc/s信号を結果として生じることになる信号処理を可能にするように、以下に述べる他の回路要素へ印加する前に、短い(典型的に、15ms)遅延を通過し、これにより制御信号が適切なラウドスピーカへ指向させる正確に正しい時間に遅延したオーディオ信号について動作する。
端子92からのA信号は、単一利得(unity gain buffer)バッファ98によりバッファされて整流回路100と対数増幅器102へ送られる。
同様に、端子94からのB信号は、バッファ104、整流器106および対数増幅器108を介して送られる。
対数増幅器102および108のそれぞれA"およびB"を付した出力は、減算器110により組合わされてl/r指向制御信号を生じ、この信号はスイッチ 112を介して以下に述べるマトリックス回路へ送られる。スイッチ112の別の位置には、抵抗114とコンデンサ116を含む時定数がこの経路に介挿されてl/r信号の出力の遷移を遅らせる。
端子94からのB信号もまた、先に述べた理由から15msの遅延を介して送られる。
端子92、94からの信号AおよびBは、アナログ加算器120において組合わされ、整流器122により整流され、対数増幅器124を介して送られる。
同様に、信号AおよびBは、減算器126において減算され、次いで整流器128および対数増幅器130を介して送られる。対数増幅器124、130からの 信号は、減算器132において組み合わされ信号c/sを生じ、この信号はスイッチ134を介して送られる。スイッチ134の別の位置では、信号が、対応する構成要素114、116と同じ値を有する、抵抗136およびコンデンサ138により形成される時定数を通過する。これまで、制御電圧生成回路について記 述した。このような回路に典型的であるように、信号l/rおよびc/sは、これら信号の左Aおよび右B、および中心(和)およびサラウンド(差)の振幅間の比率の対数に比例して変化する。
マトリックス要素は、前の式に従ってモデルとなる係数に従ってそれぞれラベル表示される回路ブロック140〜158によって表わされる。このため、例えば、LLとラベルが付されたブロック140は、適当に式(27)、(54)、(91)または(95)により記述される機能を行う。それぞれの場合におい て、この機能は、矢印によりこのブロックに対する入力として示されるc/s出力に依存して、これをオーディオ信号入力ではなく制御入力として示す。オーディオ入力は、遅延ブロック96を通過した後に左の入力信号Aの遅延されたバージョンであり、これはブロック140における係数LLにより乗じられてこのブロックから出力信号を生じる。
幾つかのマトリックス要素の出力は加算器160〜168において加算されることにより、5つの出力L、C、R、LSおよびRSをそれぞれ端子172、174、176、178および180に与える。先に述べたように、信号RSは、出力端子180へ与えられる前に、可変移相器170を介して送られる。移相 器170は、信号c/sが前方から後方へ指向する時、0°から180°へ変化する位相シフトを生じるように信号c/sにより制御される。
デコーダの7チャネルのバージョンにおいては、図4に示されるそれらの対応要素と同じ点から送られる、回路要素152〜158、166、168および170が、それぞれ152〜158に対応するブロックにお いて係数LRL、LRR、RRLおよびRRR、およびこれらブロックの前またはブロック166および168に対応する加算器要素後に挿入されるブロック 96および118に類似する更に10msの遅延を付して複写される。
アナログ形態が図4に示されるが、ディジタル信号プロセッサ(DSP)チップを用いて、完全にディジタル形態でデコーダ機能を実現することが可能であり、かつ物理的にはるかに簡単にすることもできる。このようなチップは、当業者には周知ものであり、図4のブロック図は、種々の信号の遅延、乗算および加算を行うと共に、本発明によるデコーダの全機能を提供するよう先に示した式に用いられるように、信号l/rおよびc/s、およびかかる信号から角度tlおよびtsを得るようにかかるDSPにおいて動作するプログラムとして容易に実現される。
図5aにおいて、移相器170のアナログ・バージョンが示される。この移相器回路においては、入力信号RS'が演算増幅器182によりバッファされた後、利得1を規定する入力抵抗186と等しいフィードバック抵抗188と共に第2の演算増幅器184によって反転される。増幅器182、184の出力は、それぞれ可変抵抗190およびコンデンサ192を介して第3の演算増幅器196へ印加され、この増幅器が可変抵抗190、コンデンサ192の接合における電圧をバッファして、出力信号RSを図4の端子180へ与える。この回路は、全通過特性を持つ従来の単一極の移相器である。
可変抵抗180は、信号が前方へ指向される時、移相器の反転周波数が高くなるように信号c/sにより制御され、その結果後方の出力信号が(マトリックス係数により)異なる位相にあるが信号が後方へ指向する時に低減し、その結果後方出力信号が右後方出力RSの反転により同位相となる。位相シフトが全ての周波数において同じではないが、この移相器の音響心理学的効果は快適であり、後方 信号の位相同期性(phasiness)を減じる。当業者には明らかなように、更に複雑な多極の移相器を用いることもできるが、全ての出力チャネルにおける更なる回路を必要とし、従ってこのことが望ましい場合に1つの後方チャネルの位相を平滑に反転させるコスト効率のよい方法を提供するものではない。
図5bには、図4の回路の遅延ブロック170のディジタル的な実施の形態の実現に用いることができる従来の可変ディジタル遅延要素が示される。この回路では、図5aのアナログ移相器に対するものと同じ機能を行うように、利得値gが制御信号c/sの値により制御される。この回路においては、加算器200に印加される信号が加算され遅延ブロック202により遅延され、このブロックの出力は加算器200の入力の1つに対して、利得gの乗算器204を介してフィードバックさ れる。RS'信号は、乗算器204の多の入力へ印加され、また乗算器206へも印加され、ここで係数−gで乗算される。遅延ブロック202からの出力信号 は、乗算器208において(1−g2)により乗算され、加算器210において乗算器206からの信号へ加算されて加算器210の出力に信号RSを生じる。
移相器の性能は図5aにおけるそのアナログ対応物の性能と全く同じではないが、これは所望の効果を提供するため充分に類似している。
図6aないし図6eは、図4のデコーダの種々のマトリックス係数のバリエーションと、このデコーダの動作を更に明らかにするための図4の説明に対する前項の式により記述されるその強化法とを図形的に示している。
図6aにおいて、カーブAおけるBは、c/sの値が0dBから約33dBまでにわたる時、係数LL(LFL)および−LR(−LFR)のバリエーションを示している。これらのカーブは、式(27)および(28)において得られる如 き正弦−余弦則に従う。RR(RFR)およびLR(RFL)のバリエーションは、右前方象限(right front quadrant)における指向のための形態において類似している。
カーブCおよびDは、比較のため前のGreisingerの米国特許第5,136,650号によるデコーダに対するLFLおよびLFRの対応する値をそれぞれ示している。強い中心指向における値0.5に近づくこれらのカーブにおいては、音楽成分は3dB低すぎ、従って0.71において出会う新たなデコーダのカーブAおよびBが一定の音楽レベルを提供するが、前のカーブはそうではない。
図6bには、中心(0dB)から左方(33dB)へ指向するl/rにおける中心の係数CLおよびCRを表わすカーブEおよびFを示している。指向が左へ移動する時、右係数CRはゼロに減少するが、左係数CLは3dBだけ増加する。指向が右に対する時、同様な考慮が反対方向であるがあてはまる。
カーブGおよびHは、Greisingerの前掲の特許のデコーダにおけるCLおよびCRをそれぞれ表わし、カーブGが必要な3dBだけ増加しない時、再び音楽レベルが一定に維持されないことを示す。
図6cにおいて、比l/rが0dB(無指向か、あるいは後方指向)から全左方指向を表わす33dBになる時、カーブJおよびKは、後方指向中係数LSLおよびLSRの値をそれぞれ表わす。音楽のレベルが室内で一定を維持するようにLSR信号が増加する間、左方の信号を左方サラウンド・チャネルから左信号を除去している時、LSLのカーブJがゼロに減じる。これらカーブから、後方への22.5°の指向角度に対応する破断点が8dBにあることが明らかである。ここで、マトリックス要素は、入力が指向信号のみを持つ時、合計(r.m.s.形式)1にならねばならない。これは、カーブから判るように、マトリックス要素がcos22.5°即ち0.92およびsin22.5°即ち0.38の値を持つならば、達成される。
この文脈では、信号が完全に後方に指向される時か、あるいは信号の指向成分が無い時、l/rがゼロdBであり得ることに注目されたい。いずれの場合も、マトリックスは、要求される全ての左右の分離に対して緩和する。
図6dにおいて、カーブLは、表1に先に示したRBOOST値を表わし、その後は式(76)および(79)において用いられる。指向が全後方に対する時LSLの値は小さ過ぎ、従ってRBOOSTの値がこれを音楽レベルを一定に保持するため加算される。LSLのみがブーストされ、従って完全な分離が維持される。c/sが−8dBから−33dB(全後方)へ変化する時、RBOOSTの値はc/sのみに依存し、即ち、グラフのx軸はdB単位のc/sである。
図6dには、値RSBOOSTを表わすカーブMもまた示される。デコーダの7チャネルのバージョンにおいては、左後方(−8dB)と全後方(−33dB)間に指向する時、この値は左側方係数から差し引かれ、その半分が左後方成分に加算される。再び、軸は−(c/s、dB単位)であり、このカーブは、先の式 (80)に表わされるように、ゼロから0.5になる。
最後に、図6eには、式(39)について先に述べたように、音楽のレベルを一定に保持するため制御信号c/sが後方および側方サラウンド・チャネルに印加された補正係数(sin ts+cos ts)のバリエーションを表わすカーブNが示される。
図7において、映画のサウンドトラック・コーディングにおける使用に一般的に適し、特に先に述べたデコーダの実施の形態に関して適する能動型エンコーダが示される。
図7において、同じ5つの信号LS、L、C、RおよびRSが、図3のエンコーダにおけるように対応して番号を付した端子62、50、52、54、64へそれぞれ印加される。これら信号の各々に対して、これら信号の各々の振幅の対数に比例する信号を与える対応するレベル検出器および対数増幅器がある。これら要素は、212ないし230の番号が付される。対数信号は、入力 LS、L、C,RおよびRSに対応してラベルlsl、ll、cl、rlおよびrslが付されている。これらの信号レベルは、動作について以下に述べるコンパレータ・ブロック(図示せず)において比較される。
減衰器254および256は、LS信号をそれぞれ係数0.53および0.83だけ減衰させ、減衰器258および260は、RS信号をそれぞれ係数0.83および0.53だけ減衰させる。
5つの入力信号の各々が全域通過移相器ネットワークを通過し、232、234で示されるブロックが減衰器254、256からの減衰されたLS信号に対して位相シフト関数φおよびφ−90°をそれぞれ与え、ブロック236、238お よび240がL、CおよびRS信号の各々に対して位相シフト関数φをそれぞれ与える。信号コンバイナ242が0.38LSを−0.38RSと加算して、位相シフト関数φを持つ移相器244に対して中心サラウンド信号を与える。移相器ブロック246および248が、減衰器258および260からのRSチャネ ルに位相シフト関数φ−90°およびφをそれぞれ与える。
信号結合マトリックス250は、減衰器254により減衰されるLS(φ)信号に利得sinθLSを、減衰器256により減衰されたLS(φ−90°)信号に利得(cosθLS)を、L(φ)信号およびC(φ)信号に利得0.707を、およびサラウンド信号S=(0.38LS−0.38RS)にS(φ)で示される位相φを加えて、端子44に左出力信号Aを生じる。
類似のマトリックス252が、RS(φ)信号に利得sinθRSを、RS(φ−90°)信号に利得(cosθRS)を、R(φ)信号、C(φ)信号に利得0.707およびS(φ)信号を加えて、端子46に右出力Bを生じる。
指向角度θLSおよびθRSは、本発明の当該実施の形態において下記の方法で対数振幅信号lsl、ll、cl、rlおよびrslに従って作られる。
信号lslが残りの信号のいずれより大きい時は常に、θLSが90°に接近し、さもなければ、θLSは0に接近する。これらの値は、平滑なカーブの極限である。同様に、信号rslが多の信号のいずれよりも大きければ、θRSが90°に接近し、さもなければ、θRSが0に接近する。
かかる動作モードの特定の利点は、信号が入力LSまたはRSへ印加される時、エンコーダの出力は実数であり、2.41:1(8dB)における比l/rを生じることであり、この比は簡素化されたエンコーダおよび受動型エンコーダにより与えられる同じ値である。
マトリックスにおける実数ではなく複素係数を持つ本発明によるデコーダの一部を示す図8において、同図は、(図4のデコーダにより生成される信号l/rおよびc/sに加えて)第3の制御信号ls/rsを生成する方法を示し、これはマトリックスにおける複素係数の生成を行うために、図4のデコーダの前方に置かれる図9の別の位相シフト・ネットワークを変動させるために用いられる。
信号AおよびBが、図4の端子92、94の代わりに端子300、302へそれぞれ印加されることが判る。周波数fの位相関数φ(f)を持つ全域通過位相シフト・ネットワーク304と、位相関数φ(f)−90°を持つ第2の全域通過位相シフト・ネットワーク306とが、端子300から信号Aを受取る。ネットワーク304からの移相信号は、減衰器308において係数−0.42だけ減衰され、ネットワーク306からの遅い直角移相信号は、減衰器310において係数0.91だけ減衰され る。減衰器308、310の出力は、加算器312において加算される。
端子302における信号Bは、加算器312の出力が移相器314の出力における信号Bに対して65°だけ偏位された信号Aであるように、全域位相シフト・ネットワーク314を介して送られる。
加算器312の出力は、減衰係数0.46で減衰器316を介して加算器318の1つの入力へ送られ、ここで移相器314からの移相信号Bに加算される。
同様に、移相器314の出力は、同じ係数0.46で減衰器320により減衰されて加算器322へ送られ、ここで移相されたA信号である加算器312の出力に加算される。受動型エンコーダのLS入力のみに印加される信号が加算器308に出力生じないように、減衰器308、310、316および320における係 数の特定の選択が行われ、RS入力へ印加される信号のみが加算器322に出力を生じない。このため、目的は、デコーダの入力として信号がエンコーダの左側方または右側方へのみ印加られている場合を認識する回路を設計することである。これは、条件が存在する時に2つの信号の一方または他方がゼロになるよう に、打ち消し技術によってなされる。
加算器322の出力がレベル検出器328および対数増幅器330を介して送られるが、加算器318の出力はレベル検出回路324および対数増幅器326へ送られる。対数増幅器326および330の出力は、その対数比に比例する出力を生じる減算器332へ送られる。この出力は、スイッチ334により選択され、あるいは、図4に示された対応する構成要素と同じ値を持つ抵抗336およびコンデンサ338により形成されるR−C時定数からの出力は、スイッチ334により代替的に選択されて、指向信号ls/rsとして端子340へ送られる。
このように、信号ls/rsは、信号が受動型エンコーダのLS入力に印加される時は最大の正値となるか、あるいは信号がRS入力へ印加される時は最大の負値となる。
信号ls/rsの目的は、図4のデコーダへ印加される入力位相を制御することである。この理由から、図9のネットワークは、図4の端子92および94へ印加される信号AおよびB間に介挿される。
図9に示される回路は、位相関数φの移相器342を含み、この移相器は減衰値cosθRSを持つ減衰器344が後置される図8の304と同じ移相器でよく、図8の306と同じ移相器でよい位相関数φ−90°の移相器348は、減衰係数sineθRSを持つ減衰器348を介して送られる。減衰器344および348の出力は、加算器350により加算されて、図4の端子92に直接接続されるべき端子352に修正されたA信号を与える。
図9の下部では、図8におけるように信号Bが端子302へ印加され、1つの分岐において、位相関数φの移相器354と減衰係数cosθLSの減衰器356とを介して送られ、他方の分岐において、この信号は位相関数φ−90°の移相器358と減衰係数sinθLSの減衰器360とを介して送られる。減衰器356および360からの信号は、減算器362において組合わされて、図4の端子94に直接接続されるべき端子364に修正された信号Bを与える。位相における変化の結果は、受動型エンコーダの入力LSまたはRSのみが信号により駆動されている時、デコーダの出力LSとRS間に良好な分離を生じることである。
制御信号ls/rsと指向角度θLSとの間の関係は、図9の組み込みグラフに示される。制御信号ls/rsが3dBに達すると、角度θLSが0°から変化し始めて信号ls/rsの高い値で65°まで上昇する。正確に補完的な関係が、rs/lsと呼ぶls/rsの逆数により制御される他の指向信号θRSに適用し、その結果rs/lsが3dBを越える時、値θRSが0°から上昇し始め、rs/lsがその最大値にある時−65°の漸近線まで移動する。θLSおよびθRSが変化するに伴い、マトリックス係数は、図4に示されるデコーダの主要部に対する入力における位相変化のため、有効に複素数となる。
図10は、位相シフト・ネットワークを簡素化することにより図7のエンコーダとは異なるエンコーダの代替的な実施の形態を示している。位相シフト・ネットワーク数は、実数信号をφ移相器を通して送る前にこれら信号を組合わせることにより減じることができ、この結果僅かに2個のφ位相シフト・ネットワークと2個のφ−90°位相シフト・ネットワークとなる。角度θLSおよびθRSの説明もまた簡素化される。lsl/rslが3dBより大きくなる時θLSは90°に接近し、さもなければ(ちょうど、デコーダ設計におけるように)ゼロとなる。同様に、rsl/lslが3dBより大きい時θRSは90°に接近し、さもなければ、ゼロである。
本発明の望ましい実施の形態について本文に記載したが、他の多くの可能な実施の形態が存在し、これらならびに他の修正および変更は、本発明の趣旨から逸脱することなく当業者には明らかであろう。
本発明の特性と信じられる新規な特徴が、請求の範囲に記載されている。本発明自体は、その他の特徴および利点と共に、添付図面に関して参照するとき、例示的な実施の形態の以降の詳細な記述によって最もよく理解されよう。
図1は、従来技術による受動型マトリックスのドルビー・サラウンド・デコーダのブロック図を示す。 図2は、従来技術による標準的なドルビー・マトリックス・エンコーダのブロック図を示す。 図3は、本発明による離散的な5チャネル・サラウンドトラックのドルビー・マトリックス互換コーディングを生成する5チャネル・エンコーダのブロック図を示す。 図4は、本発明によるデコーダの5チャネルの実施の形態のブロック図を示す。 図5aおよび図5bは、図4の回路において用いられる典型的な移相器に対する詳細な図を示す。 図6aないし図6bは、図4のデコーダにおける種々の信号間の関係を示す。 図6cないし図6dは、図4のデコーダにおける種々の信号間の関係を示す。 図6eは、図4のデコーダにおける種々の信号間の関係を示す。 図7は、本発明による能動型エンコーダのブロック図を示す。 図8は、図9の位相補正回路で使用されるls/rs信号の生成のための位相に感応する検出回路を示す。 図9は、制御信号ls/rsと指向角度θLSとの間の関係を示すグラフを含む受動的にコード化された映画のサラウンドトラックの最適なデコーディングのための図4のデコーダの前に用いられる入力位相補正回路を示す。 図10は、本発明による簡単な能動型エンコーダのブロック図を示している。

Claims (23)

  1. 入力ストリームを複数の出力ストリームにデコードするデコーダであって、
    該入力ストリームは、左入力信号と右入力信号とを含み、該入力ストリームは、入力指向性成分と入力非指向性成分とを含み、該入力指向性成分は、該左および右入力信号においてエンコードされており、該入力非指向性成分は、該左および右入力信号においてエンコードされており、
    該複数の出力ストリームは、該入力指向性成分と該入力非指向性成分とにそれぞれ対応する複数の出力指向性成分と複数の出力非指向性成分とを含み、該複数の出力指向性成分は、そのサウントが所定の方向から生じたように知覚されるように該複数の出力ストリームから再生されるべきサウンドを表し、該複数の出力非指向性成分は、そのサウントがすべての方向から生じたように知覚されるように該複数の出力ストリームから再生されるべきサウンドを表し、
    該デコーダは、
    該左および右入力信号のそれぞれを遅延させることにより、遅延された左および右入力信号を提供する遅延部と、
    該左および右入力信号を受け取り、該左および右入力信号に基づいて左右ステアリング信号と中央サラウンドステアリング信号とを生成するステアリング部であって、該左右ステアリング信号および該中央サラウンドステアリング信号は該所定の方向を表し、
    該複数の出力ストリームの2倍の数に等しい複数の乗算部であって、該複数の乗算部のそれぞれは対をなしており、該乗算部の各対の一方は、該遅延された左入力信号を受け取り、該遅延された左入力信号を第1の可変マトリックス係数に乗算することにより、第1の出力信号を生成し、該乗算部の各対の他方は、該遅延された右入力信号を受け取り、該遅延された右入力信号を第2の可変マトリックス係数に乗算することにより、第2の出力信号を生成する、複数の乗算部と、
    複数の加算部であって、該複数の加算部のそれぞれは、該第1の出力信号と該第2の出力信号とを該乗算部の1つの対から受け取り、該複数の出力ストリームのうちの1つを生成する、複数の加算部と
    を備え、
    該第1および第2の可変マトリックス係数は、該左右ステアリング信号と該中央サラウンドステアリング信号とに基づいて決定され、
    該複数の出力ストリームの第1のグループは、該複数の出力ストリームのうち、該所定の方向にサウンドを再生することが必要とされない出力指向性成分を含む少なくとも1つの出力ストリームを含み、該複数の出力ストリームの第2のグループは、該複数の出力ストリームのうち、該所定の方向にサウンドを再生することが必要とされる出力指向性成分を含む少なくとも1つの出力ストリームを含み、
    該第1のグループの該少なくとも1つの出力ストリームは、該第2のグループの該少なくとも1つの出力ストリームに比べて低減され、
    該複数の出力ストリームにおける該複数の出力非指向性成分および該複数の出力指向性成分の合計のパワーレベルは、一定であり、かつ、該所定の方向とは独立であり、
    該複数の出力ストリームにおける該複数の出力非指向性成分の合計のパワーレベルは、該複数の出力指向性成分が該複数の出力ストリームに存在するか否か、該複数の出力ストリームのうちの1つにおける該複数の出力非指向性成分のパワーが該複数の出力ストリームのうちの同一の1つにおける該複数の出力指向性成分のパワーに等しいか否かにかかわらず、一定である、デコーダ。
  2. 前記ステアリング部は、左右ステアリング部と、中央サラウンドステアリング部とを含み、
    該左右ステアリング部は、整流されかつ対数的に増幅された左入力信号と整流されかつ対数的に増幅された右入力信号との差から前記左右ステアリング信号を生成し、
    該中央サラウンドステアリング部は、整流されかつ対数的に増幅された左および右入力信号の和と整流されかつ対数的に増幅された左および右信号の差との差から前記中央サラウンド信号を生成する、請求項1に記載のデコーダ。
  3. 入力ストリームを複数の出力ストリームにデコードするデコーダであって、
    該入力ストリームは、左入力信号と右入力信号とを含み、該複数の出力ストリームは、左出力ストリームと中央出力ストリームと右出力ストリームと右サラウンド出力ストリームと左サラウンド出力ストリームとから構成されており、
    該デコーダは、
    該左入力信号と該右入力信号とを受け取る受け取り部と、
    該受け取り部に結合された遅延部であって、該左および右入力信号のそれぞれを遅延させることにより、遅延された左および右入力信号を提供する遅延部と、
    該受け取り部に結合されたステアリング部であって、該左および右入力信号を受け取り、該左および右入力信号に基づいて左右ステアリング信号(l/r)と中央サラウンドステアリング信号(c/s)とを生成するステアリング部と、
    該遅延部に結合された乗算部であって、該遅延された左および右入力信号を受け取り、該遅延された左および右入力信号に基づいて該複数の出力ストリームを生成する乗算部と
    を備え、
    該乗算部は、
    LL、LRという記号によって表される一対の左乗算部であって、該左入力信号および該右入力信号をそれぞれ乗算することにより、一対の左乗算信号を生成する一対の左乗算部と、
    CL、CRという記号によって表される一対の中央乗算部であって、該左入力信号および該右入力信号をそれぞれ乗算することにより、一対の中央乗算信号を生成する一対の中央乗算部と、
    RL、RRという記号によって表される一対の右乗算部であって、該左入力信号および該右入力信号をそれぞれ乗算することにより、一対の右乗算信号を生成する一対の右乗算部と、
    RSL、RSRという記号によって表される一対の右サラウンド乗算部であって、該左入力信号および該右入力信号をそれぞれ乗算することにより、一対の右サラウンド信号を生成する一対の右サラウンド乗算部と、
    LSL、LSRという記号によって表される一対の左サラウンド乗算部であって、該左入力信号および該右入力信号をそれぞれ乗算することにより、一対の左サラウンド信号を生成する一対の左サラウンド乗算部と、
    複数の加算部であって、該一対の乗算部のそれぞれが該複数の加算部のうちの1つに対応しており、該複数の加算部のそれぞれが該一対の乗算信号を合計することにより、その出力において該一対の乗算部に対応する該出力ストリームを生成する、複数の加算部と
    を含み、
    乗算部LL、LR、CL、CR、RL、RR、RSL、RSR、LSL、LSRの値は、該左右ステアリング信号と該中央サラウンドステアリング信号とによって決定され、
    乗算部CR、CLは、
    CR=sin(tl)sin(2tl)−/+cos(tl)cos(2tl)
    CL=cos(t1)sin(2tl)+/−sin(t1)cos(2tl)
    tl=90°−arctan(10^((l/r)/20)))
    によって与えられ、
    該中央サラウンドステアリング信号が正である場合には、
    LL=cos(ts)、LR=−sin(ts)、RL=−sin(ts)、RR=cos(ts)
    ts=arctan(10^((c/s)/20)))−45°
    LSL=cos((ts)+sin(ts))*(sec(t1)−1)*(sec(t1)−tan(t1))−sin(ts)
    LSR=((cos(ts)+sin(ts))*(tan(t1)−1)−sin(ts)
    RSL=sin(ts)、RSR=con(ts)
    ts=arctan(c/s)−45°、tl=arctan(l/r)−45°
    であり、
    該中央サラウンドステアリング信号が負である場合には、
    LL=cos(ts)、LR=sin(ts)、RL=sin(ts)、RR=cos(ts)
    ts=arctan(10^((c/s)/20)))−45°
    LSR=−cos(3tl)、LSL=sin(3tl)、RSL=sin(ts)、RSR=con(ts)
    tl=90°−arctan(10^((l/r)/20)))
    0≦tl≦22.5°
    LSL=cos(45°−tl)+RBOOST(log c/s)、LSR=−sin(45°−tl)、RSL=sin(45°−tl)、RSR=cos(45°−tl)+RBOOST(log c/s)
    ここで、BOOSTは、c/sに依存する定数であり、
    tl=90°−arctan(l/r)、
    22.5°<tl≦45°
    である、デコーダ。
  4. 前記ステアリング部は、左右ステアリング部と、中央サラウンドステアリング部とを含み、
    該左右ステアリング部は、前記左入力信号を、該左入力信号を整流する整流器および該左入力信号の対数を計算する対数増幅器を介して通過させることにより左ステアリング信号を生成し、前記右入力信号を、該右入力信号を整流する整流器および該右入力信号の対数を計算する対数増幅器を介して通過させることにより右ステアリング信号を生成し、該左ステアリング信号と該右ステアリング信号との差を計算することにより前記左右ステアリング信号を生成し、
    該中央サラウンドステアリング部は、該左入力信号および該右入力信号の和を、該和を整流する整流器および該和の対数を計算する対数増幅器を介して通過させることにより中央ステアリング信号を生成し、該左入力信号および該右入力信号の差を、該差を整流する整流器および該差の対数を計算する対数増幅器を介して通過させることによりサラウンドステアリング信号を生成し、該中央ステアリング信号と該サラウンドステアリング信号との差を計算することにより前記中央サラウンドステアリング信号を生成する、請求項3に記載のデコーダ。
  5. 前記複数の出力ストリームは5つであり、すなわち、左出力ストリーム、中央出力ストリーム、右出力ストリーム、左サラウンド出力ストリーム、右サラウンド出力ストリームである、請求項1または請求項2に記載のデコーダ。
  6. 前記ステアリング部と前記複数の加算部のうちの1つに結合された可変位相シフタであって、前記中央サラウンドステアリング信号を受け取り、前記右サラウンド出力ストリームを提供する可変位相シフタをさらに備え、
    該中央サラウンドステアリング信号が全後方に方向づけられてエンコードされた入力を表す場合には、前記左サラウンド出力ストリームおよび前記右サラウンド出力ストリームの相対的な位相は、該中央サラウンドステアリング信号が位相において全後方に変化するにつれて変化し、前記左入力信号および前記右入力信号は、振幅が等しく、かつ、位相が反対となるように互いに関連付けられている、請求項1〜5のいずれかに記載のデコーダ。
  7. 前記複数の出力ストリームは7つであり、すなわち、左出力ストリーム、中央出力ストリーム、右出力ストリーム、左側方出力ストリーム、右側方出力ストリーム、左後方出力ストリーム、右後方出力ストリームである、請求項1に記載のデコーダ。
  8. 前記複数の出力ストリームは、右側方出力ストリームと左側方出力ストリームからさらに構成されている、請求項3に記載のデコーダ。
  9. 前記ステアリング部と前記複数の加算部のうちの2つに結合された可変位相シフタであって、前記中央サラウンドステアリング信号を受け取り、前記右側方出力ストリームと前記右後方出力ストリームとを提供する可変位相シフタをさらに備え、
    該中央サラウンドステアリング信号が全後方に方向づけられてエンコードされた入力を表す場合には、前記左側方出力ストリームおよび前記右側方出力ストリームと前記左後方出力ストリームおよび前記右後方出力ストリームとの相対的な位相は、該中央サラウンドステアリング信号が位相において全後方に変化するにつれて変化し、前記左入力信号および前記右入力信号は、振幅が等しく、かつ、位相が反対となるように互いに関連付けられている、請求項1〜5のいずれかに記載のデコーダ。
  10. 前記複数の乗算部の前記第1および第2の可変マトリックス係数は、各乗算部に対する該第1および第2の可変マトリックス係数の平方の和が望ましくない方向成分をキャンセルするために必要とされる値の変化にかかわらず1になるように変化し、それにより、前記複数の出力非指向性成分のパワーレベルの合計を維持する、請求項1〜3のいすれかに記載のデコーダ。
  11. 前記複数の乗算部の前記第1および第2の可変マトリックス係数は、前記入力指向性成分を含み、かつ、入力非指向性成分を含まない入力ストリームに対して、隣接する出力ストリームの出力レベルの変化が、非隣接の出力ストリームの完全なキャンセルを伴って、前記出力指向性成分の前記所定の方向に従うサイン/コサイン関係を近似するようになっており、それにより、該所定の方向が変化するにつれて該出力ストリームの見かけのラウドネスを変化させることなく、該所定の方向に該入力指向性成分を再生する、請求項1または請求項3に記載のデコーダ。
  12. 信号が前方出力ストリームに向かっている場合には、前記複数の乗算部の前記第1および第2の可変マトリックス係数は、該複数の乗算部の前記第1および第2の可変マトリックス係数のうちの少なくとも一方が該対応する出力ストリームの出力レベルを3dBだけブーストし、前記デコーダにフィルムサウンドトラックのデコードのための既存の標準と互換性のあるストリームを出力させる、請求項1または請求項3に記載のデコーダ。
  13. 前記中央出力ストリームに対する前記第1および第2の可変マトリックス係数は、前記左右ステアリング信号によって制御され、前記左および右出力ストリームのそれぞれに対する該第1および第2の可変マトリックス係数は、前記中央サラウンドステアリング信号によって制御され、前記左サラウンドおよび右サラウンド出力ストリームは、該左右ステアリング信号と該中央サラウンドステアリング信号とによって制御される、請求項1〜5のいすれかに記載のデコーダ。
  14. 前記中央出力ストリームに対する前記第1および第2の可変マトリックス係数は、前記左右ステアリング信号によって制御され、前記左および右出力ストリームに対する該第1および第2の可変マトリックス係数は、前記中央サラウンドステアリング信号によって制御され、前記左側方出力ストリームと前記右側方出力ストリームと前記左後方出力ストリームと前記右後方出力ストリームとは、該右左ステアリング信号と該中央サラウンドステアリング信号とによって制御される、請求項7または請求項8に記載のデコーダ。
  15. 前記左および右サラウンド出力ストリームに対する前記第1および第2の可変マトリックス係数は、前記左右ステアリング信号と前記中央サラウンドステアリング信号とによって決定されるステアリング方向が、前記左後方方向と前記右後方方向との間にある場合にはいつでも後方ブースト成分を含み、これにより、3dBよりも多くない分だけ出力非指向性成分のレベルを増大させる一方で、該左および右サラウンド出力ストリームにおける前記複数の出力指向性成分を維持する、請求項1〜5のいすれかに記載のデコーダ。
  16. 前記左および右後方出力ストリームに対する前記第1および第2の可変マトリックス係数は、前記左右ステアリング信号と前記中央サラウンドステアリング信号とによって決定されるステアリング方向が、前記左後方方向と前記右後方方向との間にある場合にはいつでも後方ブースト成分を含み、これにより、3dBよりも多くない分だけ出力非指向性成分のレベルを増大させる一方で、該左および右後方出力ストリームにおける前記複数の出力指向性成分を維持する、請求項7または請求項8に記載のデコーダ。
  17. 前記左および右の側方および後方出力ストリームに対する前記第1および第2の可変マトリックス係数は、前記複数の出力ストリームにおいて一定のラウドネスを維持する一方で前記所定の方向を前記後方方向にスムーズに移動させる比率で、該左および右側方出力ストリームに対応するマトリックス係数から減算され、かつ、該左および右後方出力ストリームに対応するマトリックス係数に加算される後方側方ブースト成分を含む、請求項7または請求項8に記載のデコーダ。
  18. 前記中央出力ストリームは、ラウドスピーカに伝達されず、前記左および右側方出力ストリームに対応する前記第1および第2の可変マトリックス係数は、前記中央サラウンドステアリング信号に依存する加算されたブースト因子によって補償されることにより、前記複数の出力ストリームにおける非指向性成分に対する完全な分離を維持する一方で該中央出力ストリームに対して意図された前記指向性出力成分を前記左および右出力ストリームの両方に正しいレベルで提供する、請求項1〜8のいずれかに記載のデコーダ。
  19. すべての部が、アナログ回路素子を含む、請求項1〜18のいずれかに記載のデコーダ。
  20. すべての部が、デジタル信号プロセッサによって実行されるデジタル信号処理アルゴリズムのコンポーネントである、請求項1〜18のいずれかに記載のデコーダ。
  21. パッシブエンコーダを用いてエンコードされた左サラウンドおよび/または右サラウンド出力ストリームの位相特性を検出する検出部と、
    左および右コンポジットオーディオ信号の間に挟まれ、かつ、デコーダに結合された位相補正部であって、該左および右入力信号を提供し、該検出部の出力によって制御される位相補正部と
    をさらに備え、
    該検出部は、前記デコーダに提供される該コンポジット左入力信号または該コンポジット右入力信号のいずれかの位相を修正し、純粋な左サラウンドもしくは右サラウンド信号が該位相補正部の入力に存在する場合には、該位相補正部からの信号は、おおよそ2.41:1の振幅比率、かつ、反対の位相にあり、それにより、その左サラウンドもしくは右サラウンド出力のそれぞれにおいて前記デコーダに出力信号のみを作成させる、請求項1〜20のいずれかに記載のデコーダ。
  22. 前記デコーダ部は、
    前記コンポジット左オーディオ入力信号および前記コンポジット右オーディオ入力信号からすべての周波数で65°位相差を有する信号の対応する対を生成する生成部と、
    1:0.46、0.46:1の比率で、それぞれ、該左および右位相シフト信号を結合する第1および第2の信号結合部と、
    該第1および第2の信号結合部の出力の相対レベルに比例する電圧を提供する第1および第2のレベル検出部と、
    該第1および第2のレベル検出部の出力信号の差分を求める差分部と
    を含む、請求項21に記載のデコーダ。
  23. 前記位相補正部は、
    前記左コンポジットオーディオ入力信号を受け取り、すべてのオーディオ周波数で直交位相関係にある関連信号の対を提供する第1および第2の全パス位相シフトネットワーク部であって、該第2の全パス位相シフトネットワークの位相は、該第1の全パス位相シフトネットワークの位相より遅れている、第1および第2の全パス位相シフトネットワーク部と、
    cos(θRS)およびsin(θRS)因子によって該第1および第2の全パス位相シフトネットワーク部の出力をそれぞれ減衰させる第1および第2の減衰部であって、θRSは前記検出部の出力から計算されるステアリング角度である、第1および第2の減衰部と、
    該第1および第2の減衰部の出力を加算することにより、修正された左コンポジットオーディオ信号を前記デコーダ部の前記左オーディオ入力端子に提供する信号加算部と、
    前記右コンポジットオーディオ入力信号を受け取り、すべてのオーディオ周波数で直交位相関係にある関連信号の対を提供する第3および第4の全パス位相シフトネットワーク部であって、該第4の全パス位相シフトネットワークの位相は、該第3の全パス位相シフトネットワークの位相より遅れている、第3および第4の全パス位相シフトネットワーク部と、
    cos(θLS)およびsin(θLS)因子によって該第3および第4の全パス位相シフトネットワーク部の出力をそれぞれ減衰させる第3および第4の減衰部であって、θLSは前記検出部の出力から計算されるステアリング角度である、第3および第4の減衰部と、
    該第3の減衰部の出力から該第4の減衰部の出力を減算することにより、修正された右コンポジットオーディオ信号を前記デコーダ部の前記右オーディオ入力端子に提供する信号減算部と
    を備え、
    前記検出部の出力が+3dB相対レベルから大きな正の値に変化するにつれて、該ステアリング角度θLSが0°から約65°変化し、レベル差が3dBより小さい場合には、0°のままであり、
    前記検出部の出力が−3dBから大きな負の値に変化するにつれて、該ステアリング角度θRSが0°から−65°に変化し、レベル差が−3dBより負である場合には、0°のままである、請求項21に記載のデコーダ。
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