JP2005223444A - 複合機 - Google Patents

Abstract

【課題】 待機状態や非使用時等における複合機の占有面積を減少させる。
【解決手段】 画像読み取り部と画像記録部とを有する複合機において、画像読み取り部を複合機上部で回転させ固定することにより、水平面に対する画像読み取り部の投影面積を減少させる。この結果、複合機の占有面積が減少する。
【選択図】 図４

Description

本発明は、フラットベッド型のスキャナを上部に配置した複合機に関する。

従来、ビジネス向けとして発展してきたファクシミリ・スキャナ・プリンタの機能を持つ複合機がパソコンやインターネットの普及に伴い、一般家庭にも普及し始めている。オフィス向けの場合は一定の占有面積を取ることについて、特に問題では無いが、一般家庭においては設置場所の確保が問題になる。また、読み取りユニットは記録ユニットの上面に設けられることが必然の為、記録ユニット・読み取りユニットの双方を同様に小型にしない限りは占有面積を減らすことができなかった。

従来、占有面積を減らす方法としては、読み取りユニットをシートフィーダー型にして小型の記録ユニットとの組み合わせで単体のプリンタと同等レベルの大きさにした製品はあるが、フラットベッドを採用した製品では、ある一定以上の小型化が困難だった。ビジネス向けの利用と違い、家庭用に設置する場合では、コピー用途の利用割合は少なく、ユーザーが主体的に行う機能としてはプリンタの出力作業、ユーザー不在の場合はファクシミリの受信待ち受け等、待機状態の方が多い。そのため、読み取りユニットを使用できない待機状態が存在してもデメリットにはならない。

従来の家庭用複合機は図１２に示すように記録部が小型に出来る余地がある場合も読み取りユニットに合わせて、一体化させる傾向があり、使用者が装置の占有面積を小さくすることは出来なかった。記録ユニットのメンテナンスの為に読み取りユニットを持ち上げる構造（図１３参照）はあるが、開閉角度が制限されており、大きく開閉させることはできなかった。

特許文献１では原稿画像読み取り部をレールに沿って可動な構成としている。これにより、原稿画像読み取り部は画像形成部の上部又は側面に移動することができ、画像形成部の操作性が向上し、メンテナンスが容易になっている。
特開２００１−３６６８０号公報

複合機はプリンタ・スキャナ・ファクシミリ等の機能を盛り込むため、単体のプリンタやスキャナよりも本体が大型になる。小型の記録部を用いたとしてもフラットベッド型のスキャナを使用する為、読み取りユニットの投影面積よりも装置を小さくすることはできない。使用・非使用を問わず装置が占有する面積は変わらない為、家庭や小規模事務所等の狭い場所への導入に対して障壁になっていた。

本発明は上記問題に鑑み、占有面積を減少させる複合機を提供することを目的とする。

上記問題を解決する為に、本発明の複合機は、画像読み取り部と画像記録部とを有し、上記画像読み取り部と上記画像記録部とは連結部によって連結され、上記画像読み取り部の水平面に対する投影面積が上記画像記録部の水平面に対する投影面積よりも大きく、上記画像読み取り部は常に上記画像記録部の上部に配置され、上記連結部を支点として回転することを特徴とする。

また本発明の複合機では、上記連結部は上記画像読み取り部の回転角度を制限するストッパーを有することを特徴とする。

また本発明の複合機では、上記画像読み取り部は原稿を抑える為のカバーを有し、上記カバーを固定する為の固定機構を有することを特徴とする。

また本発明の複合機は、上記画像読み取り部と上記画像記録部との間に更に補助連結部を有することを特徴とする。

また本発明の複合機では、上記補助連結部はラックによって構成されることを特徴とする。

また本発明の複合機では、上記補助連結部は油圧ダンパーによって構成されることを特徴とする。

また本発明の複合機では、上記補助連結部はばねによって構成されることを特徴とする。

本発明によれば、画像読み取り部を画像記録部の上部で回転させ、画像読み取り部の水平面への投射面積を画像記録部の投射面積より小さくすることができる。即ち複合機の占有面積を減少させることができる。

印刷やファクシミリ受信に支障をきたすことなく、原稿読み取り部の設置位置を変更できる複合機を以下のように実現した。

本発明を適用したスキャナ・プリンタ・ファクシミリ複合機を図１に示す。
図１は通常の使用状態である。記録ユニット２に対して読み取りユニット１が前方にはみ出した配置になっている。読み取りユニットを使用する時には、図２のように原稿押さえカバー７をあげて、原稿台６に原稿を配置し、カバーを閉めて、読み取り動作を行う。
読み取り動作を行わない場合には、図４のように、ヒンジ９を中心にして読み取りユニット１を上方に開き、垂直に立てておくことが出来る。

図１のスキャナ・プリンタ・ファクシミリ複合機は、インクジェットプリンターを使用した小型の記録ユニット２の上にフラットベッド型の読み取りユニット１が配置されている。記録ユニット２が床に接触している面積は読み取りユニット１の投影面積よりも小さい（図３側面図参照）。

記録ユニット２は記録紙カセット部３にセットされた記録紙４を内部へ給紙し、記録後、前方の記録紙受け５へ記録紙４を排出する。
読み取りユニット１は原稿を載せる為の読み取り台６と原稿押さえ用カバー７で構成されている（図２参照）。原稿押さえカバーの端は読み取り台に設けられた回転支点８と連結しており、１８０度の範囲内で自由に開閉できる（図２及び図３参照）。

読み取りユニット１はヒンジ９により記録ユニット２と連結している。ヒンジ９を支点として読み取りユニットは水平位置からほぼ垂直の状態まで開閉できる。ヒンジには回転角度を制限する為のストッパー１０が設けてあり、９０度よりもさらに開いた状態で保持する場合にはストッパー１０の角度をさらに広げることで調整する。これは設置場所の条件により完全な垂直が保てない場合や、読み取りユニット１をより安定して直立させるための調整台である（図１、２、４参照）。読み取りユニット１が垂直に立った状態では、記録ユニットメンテナンス用カバー１８は直接見えている。

読み取りユニット１を垂直に立てたときに原稿押さえカバー７が開かないように原稿押さえカバー７の端には半固定用の固定機構が設けられている。固定機構は磁石１１と鉄板１２により構成されている（図２）。

読み取りユニット１と記録ユニット２の間にはラック１３が付けられている。ラック１３には円形のゴムが接しており、読み取りユニット１が急激に落下しないようにブレーキを常にかけている（図５、図６参照）。図５は読み取りユニット１を開いた状態。ラックは９０度以上開く為、刀と鞘のような２枚構成になっている。刀の部分は鞘から抜けないように内部の端が鞘部の口よりも大きく出来ている。ゴムと接する鞘の部分のみゴムの圧力を受ける為、開き角度が少ない場合は開閉がスムーズに行える。
図６は読み取りユニットを閉じた状態である。この時にはラック１３は本体の中に全て収納される。

図１は通常の使用状態の図である。この状態から読み取りユニットの手前側を手動で持ち上げてゆくと垂直な状態まで開くことができ（図４）、そのまま待機状態として保持しておくことができる。

本実施例では、読み取りユニットと記録ユニットの間のラックを棒状の油圧ダンパーやバネを使用した緩衝機構にしている（図７、８、９、１０）。

図７、８は自動車等のトランクカバーに使用される棒状の油圧ダンパー１４を使用した場合である。読み取りユニットを閉じた時には図７のよう縮んだ状態で、開いた時には図８のように伸びた状態で保持される。

図９、１０はダンパーをコイルバネ１５に置き換えた場合である。コイルバネの場合は読み取りユニットが閉じた場合にバネが読み取りユニット１を開こうとする力が保存されるため、図１１に示すように読み取りユニット１と記録ユニット２の間に固定用の爪１６と溝が設けてある。読み取りユニット側に設けられた爪はコイルバネ１７に押され記録ユニット２の側面に設けられた溝にはまりこむことで読み取りユニットの開く力をロックする。

図１１と同じロック機構は、原稿押さえカバーを半固定する機構としても使用できる。
読み取りユニットの開閉ヒンジにストッパーを設けず、背面の記録紙カセット部で支える構成としてもよい。

以上説明した実施例によれば、本発明は以下のような効果を奏する。
図１は本発明の通常使用時の状態である。この時に読み取りユニット１は装置前方に向かって張り出している為、全体の設置面積は通常の装置と変わらない。読み取りユニット１を垂直に立てた状態（図４）では、読み取りユニット１の張り出しが無くなる為、純粋に記録ユニット２のみの占有面積となり、非使用時には、その分省スペースになる。本発明と従来の複合機の側面図を図１４に示す（上が本発明、下が従来）。どちらも使用時の占有面積は同じ条件にしてあるが、待機時の占有面積には大きな違いが有る。

読み取りユニット１を立てた状態でも、記録ユニット２を使用する印刷やファクシミリの受信には支障が出ない。この待機状態では、記録ユニットの上を覆う読み取りユニットが無い為、記録ユニットのメンテナンスがしやすいという利点もある。

本発明は、ファクシミリ、プリンタ及びスキャナを１台で兼用する複合機に適用可能である。

本発明の通常使用時の状態を示す図である。 読み取りユニットの構成を示す図である。 記録ユニットと読み取りユニットとの連結部を示す図である。 読み取りユニットを記録ユニットに対して垂直に立てた状態を示す図である。 読み取りユニットを立てた場合におけるラックの状態を示す図である。 読み取りユニットを水平にした場合におけるラックの状態を示す図である。 ラックの代わりに油圧ダンパーを用いた複合機の図である（読み取りユニットを水平にした場合）。 ラックの代わりに油圧ダンパーを用いた複合機の図である（読み取りユニットを立てた場合）。 ラックの代わりにコイルバネを用いた複合機の図である（読み取りユニットを水平にした場合）。 ラックの代わりにコイルバネを用いた複合機の図である（読み取りユニットを立てた場合）。 読み取りユニットを閉じた状態に固定する為のロック機構を示す図である。 従来の複合機を示す図である。 従来の読み取りユニットを持ち上げる方式を採用する複合機を示す図である。 読み取りユニットの位置の変化による複合機の占有面積の変化を示す図である。

符号の説明

１ 読み取りユニット
２ 記録ユニット
３ 記録紙カセット
７ 原稿押さえカバー
９ ヒンジ
１０ ストッパー
１１ 磁石
１２ 鉄板
１３ ラック
１４ 油圧ダンパー
１５ コイルバネ

Claims (7)

1. 画像読み取り部と画像記録部とを有し、前記画像読み取り部と前記画像記録部とは連結部によって連結され、前記画像読み取り部の水平面に対する投影面積が前記画像記録部の水平面に対する投影面積よりも大きい複合機において、
   前記画像読み取り部は常に前記画像記録部の上部に配置され、前記連結部を支点として回転することを特徴とする複合機。
2. 前記連結部は前記画像読み取り部の回転角度を制限するストッパーを有することを特徴とする請求項１に記載の複合機。
3. 前記画像読み取り部は原稿を抑える為のカバーを有し、前記カバーを固定する為の固定機構を有することを特徴とする請求項２に記載の複合機。
4. 前記画像読み取り部と前記画像記録部との間に更に補助連結部を有することを特徴とする請求項１記載の複合機。
5. 前記補助連結部はラックによって構成されることを特徴とする請求項４に記載の複合機。
6. 前記補助連結部は油圧ダンパーによって構成されることを特徴とする請求項４に記載の複合機。
7. 前記補助連結部はばねによって構成されることを特徴とする請求項４に記載の複合機。

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