[全体構成とその動作]
以下、図面を適宜参照しながら本発明を実施するための最良の形態について説明する。図1は、画像形成装置としてレーザプリンタ(以下プリンタ)10の場合の外観構成図である。図1は本プリンタ10の正面図であり、図面上右側がプリンタ10の右側面、左側がプリンタ10の左側面となる。
図1に示すようにプリンタ10は、全体として露光ユニット20、感光体ドラム30、着脱部(現像器)40、一次転写ユニット51、中間転写体55、クリーニングユニット35、二次転写ユニット64、定着ユニット65、操作パネル80、及び制御ユニット100とから略構成される。
露光ユニット20は、図1に示すように感光体ドラム30の下部に位置し、半導体レーザ、ポリゴンミラー、F−θレンズ等から構成される。ホスト側から入力される印刷対象の画像データは、制御ユニット100によって、画像処理等が施された後、レーザ光駆動用のパルスデータに変換される。露光ユニット20は、このパルスデータに基づいて感光体ドラム30に対してレーザを照射する。
感光体ドラム30は、円筒状の導電性基材とその外周面に形成された感光層とから構成され、中心軸を中心に回転可能となるようにプリンタ10に設けられている。また、感光体ドラム30の下部には帯電ユニット31が設けられ、感光体ドラム30を帯電させる。帯電された感光体ドラム30に露光ユニット20からのレーザが照射されることで、ドラム30の表面上には静電潜像が形成される。これにより、感光体ドラム30は潜像を担持することになる。
現像器40は、現像ユニット(トナーカートリッジ)41、42、43、44を複数着脱可能なように構成される。本プリンタ10においては、すべて同色の現像剤(トナー)を収容したトナーカートリッジ41、42、43、44を装着することができる。例えば、ブラックトナーを収容したトナーカートリッジ41、42、43、44を複数本装着できる。かかる場合プリンタ10は、いわゆる単色プリンタとして機能する。このように同色のトナーを複数本収容できるため、単色プリンタとして本プリンタ10を使用するとトナーカートリッジ41、42、43、44の交換作業の手間が4色(C、M、Y、K)のカラープリンタと比較して少なくなる。
また、本発明において各トナーカートリッジ41、42、43、44には現像剤をドラム30に供給するための現像ローラ41a、42a、43a、44aの他に現像ユニットメモリ(カートリッジメモリ、いわゆるICタグ)41b、42b、43b、44bをそれぞれ備えている。このメモリ41b、42b、43b、44bには、トナーカートリッジ41、42、43、44を使用するユーザの識別情報(ユーザID(Identification))や、トナーカートリッジ41、42、43、44自体の識別情報(トナーカートリッジID)、さらに現像剤の消費量(トナー消費量)に関する情報も記憶できるようになっている。その詳細は後述する。さらにこれらの情報の記憶は、図1の図面上現像器40の左上部に設けられたリーダライタ(R/W)47と対向する位置で非接触により、書き込みや読み出しを行うことができる。
図2は、トナーカートリッジ41の斜視図を示す。他のトナーカートリッジ42、43、44も同様である。図2に示すように、トナーカートリッジ41は現像ローラ41aと、その表面にカートリッジメモリ41bが設けられている。このメモリ41bは、トナーカートリッジ41にリーダライタ47と通信可能な状態に設けられていればよく、図2に示す位置に拘泥する必要はない。ただし、図1に示すようにトナーカートリッジ41が感光体ドラム30にトナーを供給する位置にあるとき、隣のトナーカートリッジ44のメモリ44bがリーダライタ47と対向するようにメモリ44bを配置する必要がある。これは後述するように、トナーの供給を行いつつ隣のトナーカートリッジ44のメモリ44bに上述した情報を書き込むようにすることで処理の高速化を図っているためである。詳細は後述する。なお、トナーカートリッジ41の内部構成の詳細も後述する。
図1に戻り、一次転写ユニット51は感光体ドラム30の上方に位置し、中間転写体55に、現像器40によって現像された感光体30上のトナー像を転写する。中間転写体55は、PETフィルムの表面にアルミ蒸着膜を備えさらにその表層には半導体塗料を形成、積層したエンドレスのベルトである。中間転写体55は、一次転写ユニット51、ローラ52、53、二次転写ユニット64aに沿って感光体ドラム30とほぼ同じ周速度で回転駆動される。
二次転写ユニット64a、64bは、中間転写体55に形成されたトナー像を紙、フィルム、布等の記録媒体70に転写するためのものである。また、二次転写ユユニット64a、64bは下方から搬送される記録媒体70を上方に搬送するローラとしての役割も果たす。
定着ユニット65a、65bは、二次転写ユニット64a、64bの上方に位置し、記録媒体70に転写されたトナー像を記録媒体70に加熱融着させて永久像とするためのものである。
クリーニングユニット35は、一次転写ユニット51と帯電ユニット31との間に設けられ、感光体ドラム30の表面に当接された図示しないゴム製のクリーニングブレードを有する。クリーニングユニット35は、一次転写ユニット51によって中間転写体55にトナー像が転写された後に、感光体ドラム30に残存するトナーをクリーニングブレードによって掻き落として除去する。掻き落とされた廃トナーは収容体に収容される。
さらにプリンタ10には、図1に示すように複数枚の記録媒体70が収容される給紙トレイ60と、記録媒体70を給紙トレイ60から1枚づつ取り出す給紙ローラ対61a、61bと、給紙ローラ対61a、61bから搬送された記録媒体70を挟持してさらに下流に搬送するためのフィードローラ対62a、62b及びゲートローラ対63a、63bと、定着ユニット(定着ローラ対)65a、65bから搬送された記録媒体70をさらに下流に搬送するとともに記録媒体70を再搬送経路hに搬送するための定着後ローラ対66a、66bと、定着後ローラ対66a、66bから搬送された記録媒体70を排出口から排出するための排出ローラ対67a、67bと、再搬送経路hに搬送された記録媒体70をゲートローラ対63a、63bに搬送するための再給送ローラ対68a、68bとを備える。また、搬送された記録媒体70を再搬送経路hに切替えるための切替えガイド69も備える。
またプリンタ10には、印刷方向や印刷媒体の種類等を指定することができる操作パネル80をプリンタ10の上部に備える。ユーザインターフェースとしての役割を果たす。
以上のように構成された本プリンタ10の動作について簡単に以下説明することにする。まずホスト側から出力された印刷対象の画像が制御ユニット100に入力されてレーザ光駆動用のパルスデータが生成される(制御ユニット100の詳細は後述する)。このパルスデータに基づいて露光ユニット20が駆動されてレーザ光が感光体ドラム30を照射する。感光体ドラム30は、帯電ユニット31によって帯電され、レーザ光の照射により上述したように静電潜像がその表面に形成される。
一方、ホスト側からの画像データとともに転送されたカートリッジIDやユーザID(または操作パネル80で指定したカートリッジIDやユーザID)とメモリ41b、42b、43b、44bに格納されたカートリッジIDやユーザID等(実際には後述する本体メモリ135などに格納された各ID等)とは、制御ユニット100で比較される。そして、画像データとともに転送されたカートリッジIDもしくはユーザIDと一致するトナーカートリッジ41、42、43、44のいずれかが感光体ドラム30と対向する位置に移動される(メモリ41b、42b、43b、44bへの記憶や、現像器40の動作も後述する)。すなわち、使用者が割当てられたトナーカートリッジ41、42、43、44に対してそのカートリッジ41、42、43、44を使用する使用者の印刷要求により、当該トナーカートリッジ41、42、43、44が感光体ドラム30と対向する位置に移動される。そして、トナーカートリッジ41、42、43、44からはトナーが現像ローラ41a、42a、43a、44aを介して感光体ドラム30に供給される。これにより感光体ドラム30はトナーにより現像され、その表面にトナー像が形成される。
感光体ドラム30はさらに回転し、一次転写ユニット51によって感光体ドラム30に形成されたトナー像が中間転写体55に転写される。二次転写ユニット64のうち駆動ローラ41aの駆動により中間転写体55のトナー像が図1の矢印方向に沿って移動し、二次転写ユニット64a、64bに移動する。
一方、給紙トレイ60に給紙された記録媒体70は、給紙ローラ対61a、61bによって1枚づつ給紙され下流側に搬送される。搬送された記録媒体70はさらにフィードローラ対62a、62b及びゲートローラ対63a、63bによって挟持され二次転写ユニット64a、64bに搬送される。二次転写ユニット64a、64bでは、二次転写ユニット64b側に二次転写バイアスを印加することにより中間転写体55に形成されたトナー像が記録媒体70に転写される。転写された記録媒体70は定着ユニット65a、65bに搬送され、対になったローラによって加熱圧接されることで転写されたトナー像が融着されることになる。そして、記録媒体70は定着ユニット65a、65bによって切替えガイド69に搬送される。
切替えガイド69は、通常定着ユニット65a、65bからの搬送経路をその自重によって塞ぐように設けられている。そして、定着ユニット65a、65bから搬送された記録媒体70の先端がこの切替えガイド69に当接してガイド69を押し上げることで定着後ローラ対66a、66bに搬送される。定着後ローラ対66a、66bに搬送された記録媒体70は、さらに排出ローラ対67a、67bに搬送挟持されてプリンタ10から排出される。
一方、ホスト側や操作パネル80で両面印刷が指定された場合には、制御ユニット100のコントローラは定着後ローラ対66a、66b、及び排出ローラ対67a、67bの回転をこれまでの回転方向とは逆方向に回転駆動させるように制御する。すなわち、定着ローラ対65a、65bから搬送された記録媒体70の後端が切替えガイド69を通過すると、切替えガイド69は自重によって定着ユニット65a、65bからの搬送経路を遮断し、と同時にこれまで遮断された再搬送経路hを開くことになる。この状態で定着後ローラ66a、66bがその回転方向を逆方向に駆動されることで、定着後ローラ66a、66bに挟持された記録媒体70は再搬送経路hに搬送されることになる。この経路hに搬送された記録媒体70は、再給送ローラ対68a、68bを介して、再びゲートローラ63a、63bに搬送され、二次転写ユニット64a、64bで記録媒体70の裏面が印刷されて両面印刷が行われることになる。
次にリーダライタ47と、各トナーカートリッジ41、42、43、44に設けられたカートリッジメモリ41b、42b、43b、44bの構成について図3を参照して説明する。図3に示すようにリーダライタ47は制御部471と第1のアンテナ部472とから構成される。また、カートリッジメモリ41bは、第2のアンテナ部41b1とメモリIC(Integrated Circuit)41b2とから構成される。
リーダライタ47の制御部471は、後述する制御ユニット100のエンジン制御部130と接続されるとともに、第1のアンテナ部472と接続される。また、カートリッジメモリ41bの第2のアンテナ部41b1はメモリIC41b2と接続される。なお、他のトナーカートリッジ42、43、44に設けられたカートリッジメモリ42b、43b、44bも同様の構成である。
このように構成されたリーダライタ47とカートリッジメモリ41bは以下のように動作する。すなわち、エンジン制御部130からの制御信号に基づいて制御部471が駆動され、第1のアンテナ部472に制御信号が出力される。第1のアンテナ部472は、この制御信号が流れることにより磁界が発生する。現像器40の移動によりカートリッジメモリ41bがリーダライタ47と対向する位置に位置すると、第1のアンテナ部472から発生した磁界によって電流が発生する(いわゆる電磁誘導の原理)。これによりカートリッジメモリ41bに電源が供給され、以後、エンジン制御部130からのユーザIDや、カートリッジID等のデータが制御部471、第1のアンテナ部472、第2のアンテナ部41b1を介してメモリIC41b2に記憶される。また、このメモリIC41b2に記憶されたデータは、第2のアンテナ部41b1から非接触状態で、第1のアンテナ部472に読み出され、さらに制御部471を介してエンジン制御部130に出力される。
次に図4を用いてトナーカートリッジ41、42、43、44の内部構成について説明する。このうち図4に示したのはトナーカートリッジ41である。他のトナーカートリッジ42、43、44も同様の構成である。
トナーカートリッジ41は、現像ローラ41a、カートリッジメモリ41b、ハウジング410、トナー収容部413、規制ブレード415、シール部材417、トナー供給ローラ41c等から構成される。
現像ローラ41aは、金属性であり、アルミ合金、鉄合金等により製造されており、必要に応じてニッケルメッキ、クロムメッキ等が施されている。図4に示すように、現像ローラ41aは、感光体ドラム30の回転方向(図4においては時計方向)と逆の方向(図4において反時計方向)に回転できるように、その長手方向両端部がトナーカートリッジ41a内で支持されている。また、図4に示すように、トナーカートリッジ41が感光体ドラム30と対向している状態では、現像ローラ41aと感光体ドラム30との間には空隙が存在する。すなわち、トナーカートリッジ41は、感光体ドラム30上に形成された静電潜像を非接触状態で現像する。なお、感光体ドラム30上に形成された潜像を現像する際には、現像ローラ41aと感光体ドラム30との間に交流電界が形成される。
ハウジング410は、一対成型された複数のハウジング部、すなわち、上ハウジング部411と下ハウジング部412とを融着して製造されたものである。また、このハウジング部410は、トナーT(本実施例ではブラックトナー)を収容可能なトナー収容部413を形成している。本実施例では、現像器40の回転に伴って各トナーカートリッジ41、42、43、44が回転し、これにより各トナーカートリッジ41、42、43、44のトナーTが攪拌されることになる。
規制ブレード415は、現像ローラ41aに担持されたトナーTに電荷を付与し、また、現像ローラ41aに担持されたトナーTの層厚を規制する。この規制ブレード415は、ゴム部415aと、ゴム支持部415bとを有している。ゴム部415aは、シリコンゴムやウレタンゴム等からなり、ゴム支持部415bは、リン青銅、ステンレス等のバネ性を有する薄板である。ゴム部415aはゴム支持部415bに支持されており、ゴム支持部415bは、その一端部が一対のブレード支持板金416に挟まれて支持された状態で、ブレード支持板金416を介してハウジング410に取り付けられている。また、規制ブレード415の現像ローラ41a側とは逆側には、モルトプレーン等からなるブレード裏部材414が設けられている。
ここで、ゴム支持部415bの撓みによる弾性力によって、ゴム部415aが現像ローラ41aに押しつけられている。また、ブレード裏部材414は、ゴム支持部415bとハウジング410との間にトナーTが入り込むことを防止して、ゴム支持部415bの撓みによる弾性力を安定させるとともに、ゴム部415aの真裏からゴム部415aを現像ローラ41aの方向に付勢することによって、ゴム部415aを現像ローラ41aに押しつけている。したがって、ブレード裏部材414は、ゴム部415aの現像ローラ41aへの均一当接性を向上させている。
シール部材417は、トナーカートリッジ41内のトナーTが器外に漏れることを防止するとともに、現像位置を通過した現像ローラ41a上のトナーTを掻き落とすことなく現像器40内に回収する。このシール部材417は、ポリエチレンフィルム等からなるシールである。シール部材417は、シール支持板金418によって支持されており、シール支持板金418を介してハウジング410に取り付けられている。また、シール部材417の現像ローラ41a側とは逆側には、モルトプレーン等からなるシール付勢部材419が設けられており、シール部材417は、シール付勢部材419の弾性力によって現像ローラ41aに押しつけられている。
トナー供給ローラ41cは、上述したトナー収容部413に設けられ、当該トナー収容部413に収容されたトナーTを現像ローラ41aに供給する。このトナー供給ローラ41cは、ポリウレタンフォーム等からなり、弾性変形された状態で現像ローラ41aに当接している。トナー供給ローラ41cはトナー収容部413の下部に配置されており、中心軸を中心として回転可能に構成される。また、トナー供給ローラ41cは、現像ローラ41aの回転方向(図4において反時計方向)と逆の方向(図4において時計方向)に回転する。なお、トナー供給ローラ41cは、現像後に現像ローラ41aに残存しているトナーTを現像ローラ41aから剥ぎ取る機能も有している。
このように構成されたトナーカートリッジ41は、以下のように動作する。すなわち、トナー供給ローラ41cの回転によりトナー収容部413に収容されているトナーTを現像ローラ41aに供給する。現像ローラ41aに供給されたトナーTは、現像ローラ41aの回転に伴って、規制ブレード415の当接位置に至り、この当接位置を通過する際に電荷が付与されるとともに、層厚が規制される。層厚が規制された現像ローラ41a上のトナーTは、現像ローラ41aのさらなる回転によって、感光体ドラム30に対向する現像位置に至り、この現像位置にて交番電界下で感光体ドラム30上に形成された潜像の現像に供される。現像ローラ41aのさらなる回転によって現像位置を通過した現像ローラ41a上のトナーTは、シール部材417を通過して、シール部材417によって掻き落とされることなくトナーカートリッジ41内に回収される。さらに、未だ現像ローラ41aに残存しているトナーTは、トナー供給ローラ41cによって剥ぎ取られ得る。
次に制御ユニット100を含めたプリンタ10の全体構成について図5を用いて説明する。図5には、プリンタ10を構成する現像器40と操作パネル80、及び制御ユニット100が示されている。さらに、プリンタ10は、ホストコンピュータ200と外部サーバ300に接続されている。
まず、制御ユニット100(図5では一点鎖線で示されている)について説明する。制御ユニット100は、全体としてメイン制御部110とエンジン制御部130、そしてリーダライタ47とから構成される。メイン制御部110は、図5に示すようにCPU111と、外部インターフェース(I/F)112と、プログラムROM(Read Only Memory)113と、RAM(Random Access Memory)114と、EEPROM(Electronically Erasable and Programmable Read Only Memory)115、及び画像メモリ116とから構成される。
CPU111は、外部I/F112、プログラムROM113、RAM114、EEPROM115、及び画像メモリ116とバスを介して互いに接続される。プログラムROM113に格納された各種プログラムを適宜読み出して実行することで、色変換(RGB(レッド、グリーン、ブルー)データからCMYK(シアン、マゼンダ、イエロー、ブラック)データへの変換)処理やスクリーン処理等の画像処理や後述するユーザIDの登録等の処理を行う。ただし、ホストコンピュータ200のドライバ220で色変換等の画像処理を行う場合にはかかる処理はCPU111で行われないことになる。またCPU111は、操作パネル80とも接続され、操作パネル80上の表示制御等を行う。
外部I/F112は、ホストコンピュータ200や、外部サーバ300と接続されている。ホストコンピュータ200からの印刷のための印刷ジョブデータが入力され、プリンタ10内で処理できるデータに変換する。この印刷ジョブデータには印刷対象の画像データ(RGBデータ:Rはレッド、Gはグリーン、Bはブラック)が含まれる。また、外部サーバ300からは外部サーバ300で設定したカートリッジID等が入力されプリンタ10内で処理できるデータに変換する等の処理を行う。
プログラムROM113は、CPU111で処理を実行するための種々のプログラムが格納される。CPU111によって適宜読み出されることでCPU111において処理が実行される。RAM114は、CPU111による処理後のデータ等が格納される。CPU111のワーキングメモリとしての役割も果たす。EEPROM115は、プリンタ10の機種情報などが格納される。画像メモリ116は、外部I/F112に入力された画像データが格納されるメモリである。
また、エンジン制御部130は、図5に示すように、CPU131と、プログラムROM132と、RAM133と、現像器駆動制御回路134、及び本体メモリ135とから構成される。
CPU131は、プログラムROM132、RAM133、現像器駆動制御回路134、本体メモリ135、さらにメイン制御部110のCPU111と互いに接続される。CPU131は、主として感光体ドラム30や現像器40、各ローラ対61a、61b等のプリンタ10におけるエンジン部分の駆動を制御する。また、CPU131はリーダライタ47とも接続され、リーダライタ47に対して各カートリッジメモリ41b、42b、43b、44bへのデータの書き込みや読み出しのための制御を行う。
プログラムROM132は、種々のプログラムが格納されている。CPU131によってプログラムが適宜読み出されて各種処理が実行される。RAM133は、CPU131が処理を行う際のワーキングメモリとしての役割を果たし、CPU131の処理後のデータ等が格納される。
現像器駆動制御回路134は、現像器40とも接続され、CPU131の制御により現像器40に対して主として所定位置に回転させるための駆動信号を出力する。また、現像器40に新たなトナーカートリッジ41、42、43、44が装着されると、新たなトナーカートリッジ41、42、43、44が装填されたことを示す信号を現像器40側からCPU131に出力するように構成される。
本体メモリ135には、本実施例においてカートリッジメモリ41b、42b、43b、44bに格納されたユーザIDと各トナーカートリッジ41、42、43、44との対応関係を示すテーブルや、ユーザIDとカートリッジIDとの対応関係を示すテーブル等が格納される。その詳細は後述するが、このテーブルを参照することで、ホストコンピュータ200等で指定したカートリッジID等を元に登録したユーザの使用するトナーカートリッジ41、42、43、44を回転駆動させて上述した印刷処理を行うことになる。
また、リーダライタ47は図3を用いて説明したように、CPU131の制御によって各カートリッジメモリ41b、42b、43b、44bにユーザIDや、カートリッジID等の情報を記憶する。
なお、図5に示すようにプリンタ10にはさらに現像器40を備えるがその詳細はすでに上述したためここでは説明を省略する。
以上のように構成された制御ユニット100を含めたプリンタ10の動作の概略について簡単に説明する。
まず、ホストコンピュータ200のアプリケーション210によって印刷対象の画像データが生成されドライバ220によってプリンタ10に印刷ジョブデータとして出力される。このメイン制御部110の外部I/F112は、この印刷ジョブデータをプリンタ10内で処理できるデータに変換してCPU111に出力する。CPU111は、プログラムROM113を読み出して各画像処理を行い、画像メモリ116に展開する。そしてCPU111は、展開後の画像データをパルス幅変調し上述したパルスデータを生成して、このパルスデータに基づいて、露光ユニット20(図1参照)を駆動させレーザ光が照射され、上述した印刷動作が行われるのである。
次に、図6乃至図7を参照して、現像器40の一連の回転動作について説明する。現像器40の回転は、エンジン制御部130のCPU131からの制御信号が現像器駆動制御回路134(図5参照)に入力され、この制御信号に基づいて駆動制御回路134から現像器40への制御信号により所定の位置に回転するものとする。なお、図6乃至図7に示す現像器40は、図1と同じ方向からの図(正面図)である。
まず、図6(A)はブラックトナーを収容するトナーカートリッジ41を新たに現像器40の装着したときを示す図である。プリンタ10の側面には着脱専用口48が設けられている。この着脱専用口48は、現像器40が回転してトナーカートリッジ41、42、43、44の着脱位置で停止したときに、所望のトナーカートリッジ41、42、43、44を現像器40の回転軸に沿う方向に引き出して取り外すこともできるし、その方向に沿って所望のトナーカートリッジ41、42、43、44を現像器40に挿入させることもできる。なお、この着脱専用口48は、トナーカートリッジ41、42、43、44の外形より僅かに大きく形成され、トナーカートリッジ41、42、43、44の現像器40への着脱を容易にできるようにしている。
図6(A)のように現像器40にトナーカートリッジ41が装着されると、エンジン制御部のCPU131の制御により図面上反時計まわりに現像器40が回転して、新たに装着したトナーカートリッジ41のカートリッジメモリ41bとリーダライタ47とが対向する位置(以下「R/W(Read/Write)位置」)で停止する(図6(B)参照)。この段階で、CPU131の制御によりリーダライタ47からカートリッジメモリ41bに対して非接触によりデータの書き込みや読み出しを行う。本実施例では、新たに装着したトナーカートリッジ41、42、43、44を誰が使用するかを識別するためのユーザIDや、トナーカートリッジ41を他のトナーカートリッジ42、43、44と区別するためのカートリッジIDなどがカートリッジメモリ41bに書き込まれるものとする。書き込みによる登録の詳細は後述する。
次いで、現像器40は再び反時計まわりに回転して、ホームポジション位置(HP位置)で停止する(図6(C)参照)。このHP位置は、画像形成の実行を待機しているときの待機位置である。なお、このHP位置は図6(A)の着脱位置よりもトナーカートリッジ41がやや下方に位置する位置である。
そして、プリンタ10がトナーカートリッジ41の使用を指定する印刷ジョブデータを受け取り、トナーカートリッジ41からトナー(ブラック)を感光体ドラム30に供給して印字を行うときには、再び現像器40が反時計まわりに回転して、トナーカートリッジ41の現像ローラ41aと感光体ドラム30とが対向する位置(以下「トナー供給位置」)で停止する(図7(A)参照)。図4に示したようにこのトナー供給位置でトナーカートリッジ41からブラックトナーが感光体ドラム30に供給されて現像が行われることになる。
一通りトナーカートリッジ41からのトナーの供給が終了すると、現像器40は再び反時計まわりに回転してトナーカートリッジ41のR/W位置で停止する(図7(B))。この状態においてリーダライタ47によってカートリッジメモリ41bには、図7(A)でトナーカートリッジ41から供給したブラックトナーの消費量が書き込まれる。このトナー消費量としては、例えば、印字枚数であったり、メイン制御部110のCPU111で演算した消費量の情報などである。
図7(B)に示すように、この位置は、トナーカートリッジ41についてはカートジッリメモリ41bへの書き込みが行えるR/W位置であり、隣のトナーカートリッジ42については感光体ドラム30にトナーを供給するトナー供給位置でもある。各トナーカートリッジ41、42、43、44の各カートリッジメモリ41b、42b、43b、44bは、このように隣のトナーカートリッジがトナー供給位置にいるときに、丁度リーダライタ47によって書き込みや読み出しが行えることのできるR/W位置に位置するように設けられているのである。このように構成されているので、プリンタ10は印字を行いながらカートリッジメモリ41b、42b、43b、44bに対して書き込みや読み出しを行うことができ、プリンタ10全体の処理の高速化を図ることができる。しかも、カートリッジメモリ41b、42b、43b、44bへの書き込みや読み出しを非接触で行うため、接触方式と比較してメモリ41b、42b、43b、44bへの接触のための時間を費やすこともない。さらに、メモリ41bを構成するメモリIC41b2(図3参照、他のメモリ42b、43b、44bのメモリICも同一の構成である)は、本実施例ではFeRAM(Ferroelectric Random Access Memory)としているために高速に書き込み等を行うことができるため、隣のトナーカートリッジからのトナー供給で印字を行っている最中にメモリ41b、42b、43b、44bへの書き込み等が終了することになり、メモリ41b、42b、43b、44bへの書き込み等のためだけに時間を費やすことがなくプリンタ10全体の処理の高速化を図っている。もちろん、メモリIC41b2の構成はこれに限らず高速に読み書きすることのできる、SRAM(Static Random Access Memory)や、フラッシュメモリなどのメモリであってもよい。
図7に戻り、カートリッジメモリ41bへのトナー消費量等の書き込みが終了すると、現像器40は再び反時計まわりに回転してHP位置に移動して待機状態となる(図7(C)参照)。その後、カートリッジメモリ41bへのアクセスの際には同様に反時計まわりに回転してR/W位置に移動したり、印字を行うときには同様に反時計まわりに回転してトナー供給位置に移動することになる。
[ユーザIDの登録処理]
次に、各カートリッジメモリ41b、42b、43b、44bへのユーザIDの書き込み登録の処理について図8乃至図10を参照して説明する。まず、図8を参照してプリンタ10内においてユーザID書き込み登録の処理について説明する。このユーザ登録処理はメイン制御部110のCPU111(図5参照)によって行われる。
まず、CPU111はプログラムROM113から本処理を実行するためのプログラムを読み出すことで処理が開始される(ステップS10)。次いで、CPU111は、操作パネル80又はホストコンピュータ200のドライバ220によってユーザ登録が指示されたか否か判断する(ステップS11)。例えば、操作パネル80からは、パネル上に表示された画面上でユーザIDを登録するためのボタン等を操作することでユーザの登録を行うことを示す制御信号が出力され、この制御信号がCPU111に入力されたか否かで判断する。ドライバ220からは、ホストコンピュータ200のアプリケーション210により、例えば図示しないモニタ上に表示された画面上でユーザID登録のためのボタン等をクリックする等によりユーザ登録を示すジョブデータがプリンタ10に出力される。このジョブデータが外部I/F112を介してCPU111に入力されたか否かで判断する。
ユーザ登録が指示されたとき(ステップS11で“YES”のとき)、次いでCPU111はカートリッジ番号とユーザIDとを操作パネル80またはドライバ220から取得する(ステップS12)。ここでカートリッジ番号とは現像器40に装着されているトナーカートリッジ41、42、43、44の位置を示す番号であって、HP位置に位置しているときに時計まわりに順番に各トナーカートリッジ41、42、43、44に対して番号を付けて定義されたものである。たとえば、図7(C)においてトナーカートリッジ43をカートリッジ番号“1”とし、トナーカートリッジ44を番号“2”、トナーカートリッジ41を“3”、トナーカートリッジ42を“4”としたものである。ユーザIDは、各ユーザや複数のユーザからなるグループなどを識別するための情報で、例えば、IPアドレス、Macアドレス、コンピュータ名、名前等である。例えば、操作パネル80やホストコンピュータ200では、かかる番号ごとにどのようにユーザIDを付するかの画面が表示されユーザが所望のIDを入力することで、カートリッジ番号とユーザIDに関する情報がCPU111に入力されることになる。なお、このカートリッジ番号は予め現像器40に対する各トナーカートリッジ41、42、43、44の位置を示したものとしてプリンタ10内で定義付けされたものであるから、操作パネル80やホスト200から指定するのではなく工場出荷時に予め本体メモリ135に格納されて本ステップ12でCPU111の制御によってエンジン制御部130の本体メモリ135から取得するようにしてもよい。
次いでCPU111は、取得したカートリッジ番号が何番であるか判断する(ステップS13)。操作パネル80またはドライバ220からステップS12でCPU111にカートリッジ番号に関する情報が入力されるので、これにより判断する。
カートリッジ番号が“1”のときはステップS14に移行して、CPU111はカートリッジ番号“1”のトナーカートリッジ41、42、43、44(ここではトナーカートリッジ43とする)をR/W位置に移動させる。具体的には、CPU111はエンジン制御部130のCPU131に対してトナーカートリッジ43をR/W位置に移動させることを示す制御信号を出力する。これを受けたCPU131は、現像器駆動制御回路134に対してトナーカートリッジ43をR/W位置に移動させるよう制御信号を出力する。これにより現像器駆動制御回路134によってトナーカートリッジ43がR/W位置に移動する。
カートリッジ番号が“2”のときはステップS15に移行して、CPU111はカートリッジ番号“2”のトナーカートリッジ44をR/W位置に移動させる。具体的には、トナーカートリッジ43をR/W位置に移動させる場合と同様である。同様にして、カートリッジ番号が“3”のときはトナーカートリッジ41を、カートリッジ番号が“4”のときはトナーカートリッジ42をR/W位置に移動させる(ステップS16、S17)。
次いでCPU111は、ユーザIDを書き込むべきトナーカートリッジ41、42、43、44が装着されているか否か判断する(ステップS18)。対象となるトナーカートリッジ41、42、43、44が現像器40内に装着されていなければ、カートリッジメモリ41b、42b、43b、44bへのユーザIDの書き込みができないからである。例えば、トナーカートリッジ41が現像器40内に装着されると、装着されたことを示す制御信号が現像器駆動制御回路134に現像器40から入力され、CPU131の制御によって本体メモリ135、あるいはメイン制御部110のRAM114などに、カートリッジ番号ごとに装着されたか否かを示すデータが格納される。そして、ステップS12で取得したカートリッジ番号と本体メモリ135或いはRAM114に格納された装着の有無に関するデータとを比較することでCPU111は本ステップを判断する。
カートリッジが装着されていると判断したとき(ステップS18で“YES”のとき)、次いで処理はステップS19に移行しユーザIDが既にカートリッジメモリ41b、42b、43b、44bに登録されているか否か判断する。後述するが、本体メモリ135には、どのカートリッジ番号にどのようなユーザIDを格納したかを示すユーザID登録テーブルを有し、ユーザIDをカートリッジメモリ41b、42b、43b、44bに書き込んだときにCPU111はユーザID登録テーブルに、対応するユーザIDを格納するよう制御する。さらにこのとき操作パネル80やドライバ220からカートリッジ番号が指定されていればかかるカートリッジ番号を登録テーブルに書き込む。よって、CPU111は本ステップS19において本体メモリ135から登録テーブルを参照することによって同一のユーザIDがすでに存在するか否かを判断するのである。
ユーザIDが登録されていなければ(ステップS19で“NO”のとき)、処理はステップS20に移行し、CPU111はユーザIDをR/W位置に移動させたトナーカートリッジ41、42、43、44のカートリッジメモリ41b、42b、43b、44bにステップS12で取得したユーザIDを書き込む処理を行う。具体的には、CPU111はエンジン制御部130のCPU131に対してユーザIDを書き込むための制御信号を取得したユーザIDとともに出力する。これを受けたCPU131はリーダライタ47に対して取得したユーザIDを出力するとともにカートリッジメモリ41b、42b、43b、44bのいずれかに対してこのIDを書き込むように制御信号を出力する。これによりリーダライタ47は、カートリッジメモリ41b、42b、43b、44bのメモリIC41b2、42b2、43b2、44b2(図3参照)のいずれかに対してユーザIDを書き込むことになる。また、CPU111はこの段階においてカートリッジメモリ41b、42b、43b、44bに格納したユーザIDを本体メモリ135の登録テーブルに格納させるようエンジン制御部130のCPU131を制御する。登録したユーザIDをもとに後で印刷を行う場合に、この本体メモリ135に格納したテーブルを参照して印刷を行うためである。
次いでCPU111は、現像器(ロータリー)40をHP位置に移動させるようにCPU131を制御する(ステップS21)。すなわち、CPU131はHP位置に移動させる制御信号をCPU111から受信すると現像器駆動制御回路134に対して現像器40をHP位置に移動させるよう制御信号を出力して、現像器40がHP位置に移動するのである。そして、上述した一連の処理が終了する(ステップS22)。
一方、対象となるトナーカートリッジ41、42、43、44が現像器40に装着されていないとき(ステップS18で“NO”のとき)、CPU111はカートリッジ41、42、43、44が未装着である旨の通知を操作パネル80やホストコンピュータ200に通知する(ステップS23)。その後、処理はステップS21に移行して上述の処理を行うことになる。
また、カートリッジは装着されているものの取得したユーザIDが既に登録されているとき(ステップS19で“YES”のとき)は、既にユーザIDが登録されている旨の通知を操作パネル80やホストコンピュータ200に通知し(ステップS24)、その後ステップS21に処理は移行して上述の処理を繰り返すことになる。
このようにユーザIDをカートリッジメモリ41b、42b、43b、44bに書き込みを終了すると、本体メモリ135には図9(A)に示すユーザID登録テーブルが完成する。右側はカートリッジ番号を示し、左側は操作パネル80やホストコンピュータ200で設定したユーザIDを示す。図9(A)の場合、カートリッジ番号“1”にはユーザID“A”が登録され、カートリッジ番号“2”にはユーザID“B”、カートリッジ番号“3”にはユーザID“C”、カートリッジ番号“4”にはユーザID“D”が登録されていることを示す。このようにユーザIDを登録してその後、このユーザIDをもとに印刷処理をトナーカートリッジ41、42、43、44ごとに行うことができるのである。印刷処理の詳細は後述する。
[カートリッジIDの登録処理]
次に、カートリッジIDの登録処理について説明する。図10はその処理の動作を示すフローチャートである。ここでカートリッジIDとは、各カートリッジを識別するためにユニークに決定される識別情報である。このカートリッジIDは、例えばトナーカートリッジ41、42、43、44を工場から出荷するときに各トナーカートリッジ41、42、43、44に付される製造番号(シリアル番号)が考えられるし、あとからユーザによって設定する番号が考えられる。図10に示すフローチャートは後者のものである。このようにカートリッジIDを登録するのはこのカートリッジIDをもとに印刷処理を行うためである。
図10に示すようにカートリッジIDの登録処理は図8に示すユーザIDの登録処理とほぼ同様である。異なるのは、ステップS25とステップS26、及びステップS27である。図8と同じ処理を行うステップは図8と同様の符号を付している。
以下、図8と説明が重複する部分が多いが簡単に説明すると、まずCPU111はプログラムROM113からカートリッジID登録のためのプログラムを読み出して処理が開始される(ステップS10)。操作パネル80やホストコンピュータ200でカートリッジIDの登録が指示されると(ステップS25で“YES”)、CPU111はカートリッジ番号とカートリッジIDとを操作パネル80やホストコンピュータ200から取得する(ステップS26)。IDの登録指示や取得の詳細は、ユーザIDの場合と同様である。
次いでCPU111は、ステップS26で取得したカートリッジ番号からその番号のトナーカートリッジ41、42、43、44をR/W位置に移動させる(ステップS13からステップS17まで)。ユーザIDの登録のときと同様に、本実施例において各カートリッジ番号はそのトナーカートリッジ41、42、43、44のHP位置に位置しているときに一意に定義付けられたものである。同様にトナーカートリッジ43はカートリッジ番号“1”、トナーカートリッジ44は番号“2”、トナーカートリッジ41は番号“3”、トナーカートリッジ42は“4”とする。もちろん、カートリッジ番号の付し方はこれ以外にも、別の基準位置に対して時計まわりや反時計まわりなど順番に割り振ればよい。
次いでCPU111は、カートリッジIDを付すべきトナーカートリッジ41、42、43、44が現像器40に装着され(ステップS18で“YES”)、さらに同じカートリッジIDが登録されていないと(ステップS19で“NO”)、カートリッジIDをカートリッジメモリ41b、42b、43b、44bに書き込む(ステップS27)。そして、CPU111は現像器40をHP位置に移動して(ステップS21)一連の処理を終了する(ステップS22)。対象となるトナーカートリッジ41、42、43、44が装着されていないと(ステップS18で“NO”)、未装着通知をパネル80やホストコンピュータ200に通知して(ステップS23)ステップS21に移行する。また、カートリッジIDが既に登録されていると(ステップS19で“YES”)、既登録通知をパネル80やホスト200に通知して(ステップS24)、ステップS21に移行する。各ステップの詳細は、図8の場合で説明したので省略する。
以上の処理が終了すると本体メモリ135には図9(B)に示すカートリッジID登録テーブルが完成する。右側が予め定義付けられたカートリッジ番号で左側がユーザによって設定されたカートリッジIDである。カートリッジ番号“1”にはカートリッジID“001”が設定され、番号“2”にはカートリッジID“002”、番号“3”にはカートリッジID“003”、番号“4”にはカートリッジID“004”が設定される。カートリッジIDがシリアル番号のときは、このテーブルのカートリッジIDの欄にはそのシリアル番号が格納される。この場合、例えば、CPU111が適宜カートリッジメモリ41b、42b、43b、44bに格納されたシリアル番号を読み出すための制御信号をエンジン制御部131に出力することで、CPU131によってシリアル番号が読み出され本体メモリ135に図9(B)のように格納されることになる。カートリッジIDを指定して印刷するときには本体メモリ135に格納されたこの登録テーブルを参照することで対応するカートリッジ番号を有するトナーカートリッジ41、42、43、44で印刷が行われる。なお、このカートリッジ番号とカートリッジIDの相違であるが、カートリッジIDはカートリッジごとにユニークなIDであり、カートリッジ番号は現像器40を基準位置に位置したときに割り振った番号である。複数のプリンタ10がホストコンピュータ200に接続されているときに、カートリッジIDは同じIDとなるものは存在しないが、カートリッジ番号は各プリンタ10に対して同じ番号が存在することになる。
なお、上述の処理と同様にしてユーザIDとカートリッジIDの双方をカートリッジメモリ41b、42b、43b、44bに登録することもできる。例えば、図8に示すフローチャートに沿ってユーザIDをカートリッジメモリ41b、42b、43b、44bに登録し、その後図10に示すフローチャートに沿ってカートリッジIDを登録することができる。また、図10のステップS25でユーザIDとカートリッジIDの双方登録を指示するようにして、ステップS26でカートリッジ番号とともに2つのIDを取得し、そしてステップS27で双方のIDを登録するようにすることもできる。
2つのIDを登録したときにも本体メモリ135には、登録テーブルがCPU131(またはCPU111)によって作成されその例を図9(C)に示す。左側にユーザID、中央にカートリッジID、右側にカートリッジ番号である。カートリッジ番号“1”のトナーカートリッジ43には、ユーザID“A”とカートリッジID“001”が登録されている。同様にカートリッジ番号“2”のトナーカートリッジ44には、ユーザID“B”、カートリッジID“002”が登録される。以下同様なので説明を省略する。
[外部装置(治具)による登録処理]
上述の例はすべてプリンタ10内のリーダライタ47によってユーザID、カートリッジIDを登録した場合で説明した。以下では、プリンタ10外の外部装置(図示せず)でユーザIDやカートリッジIDを登録する場合について説明する。かかる場合は、例えば、営業担当者がリーダライタ47と同様の機能を有する携帯端末を持ち運び、設置されたユーザのもとで登録を行う場合や、販売店に備えられたパーソナルコンピュータとリーダライタ47とが接続されたもの(図示せず)を用いてユーザに登録を行う場合が考えられる。ここで、このような携帯端末やパーソナルコンピュータとリーダライタ47とが接続されたものを“治具”と称して以下図11のフローチャートを参照して説明する。なお、この治具には制御手段としてCPU(図示せず)を有し、このCPUが処理を実行するものとする。
まずユーザIDの登録について説明する。治具内にあるROMなどの記憶手段(図示せず)に格納されたプログラムをCPUが読み出すことで処理が開始される(ステップS30)。次いで、CPUは治具がトナーカートリッジ41(他のトナーカートリッジ42、43、44も同様である。以下このトナーカートリッジ41で説明する)にセットされたか否か判断する(ステップS31)。例えば、治具が所定位置にセットされると位置したことを示す制御信号を治具のCPUが検出したか否かで判断することができる。なお、本ステップS31は、治具がセットされるまで処理が繰り返される(“NO”のとき)。
セットされると(ステップS31で“YES”のとき)、治具のCPUはカートリッジメモリ41bからデータを読み出す(ステップS32)。次いで、CPUはユーザIDを取得する(ステップS33)。例えば治具にはユーザIDを入力するためのボタン等が備えられ、その操作により取得する。
次いで治具のCPUは、取得したユーザIDが既に登録されたものか否か判断する(ステップS34)。例えば、ステップS32で取得したユーザIDとステップS33で取得したユーザIDとが一致しているか否か、あるいは治具内の図示しないRAM等の記憶手段で過去に登録したユーザIDをすべて保持しステップS33で取得したユーザIDとを比較して一致しているか否かで判断することができる。
ユーザIDが既に登録されていなければ(ステップS34で“NO”のとき)、ステップS33で取得したユーザIDをカートリッジメモリ41bに書き込む(ステップS35)。書き込み処理自体は上述したリーダライタ47とカートリッジメモリ41bとの間の処理と同様である(図3参照)。そして、トナーカートリッジ41から治具がはずされる(ステップS36で“YES”)と一連の処理が終了する(ステップS37)。
一方、取得したユーザIDがすでに登録されていると(ステップS34で“YES”)、治具のCPUは既登録通知を例えば治具の図示しないモニタに表示させるよう通知する(ステップS38)。トナーカートリッジ41から治具がはずされないと(ステップS36で“NO”のとき)、処理は治具がはずされるまで繰り返される。
以上が外部装置(治具)を用いてユーザIDを登録する場合の例である。カートリッジIDを、外部装置を用いて登録する場合も、ほぼ同様の処理である。図11のステップS33で、カートリッジIDを治具の操作ボタン(図示せず)などを用いて入力することでカートリッジIDを取得し、既に登録されていなければ(ステップS34で“NO”のとき)、そのカートリッジIDをカートリッジメモリ41bに登録するように(ステップS36)すればよいことになる。さらに、この2つの処理を実行することでユーザIDとカートリッジIDの双方を、外部装置を用いてカートリッジメモリ41bに登録することができる。もちろん、図11のステップS33やステップS35で双方のIDを取得して書き込むようにしても双方を登録することもできる。
[登録後の印刷動作]
以上のようにプリンタ10内や外部装置(図示せず)でユーザIDやカートリッジIDを登録した後のプリンタ10内の印刷動作について図12乃至図14を参照して説明する。このうち図12は、ホストコンピュータ200によってユーザIDが指定されたときの印刷動作であり、図13乃至図14はユーザIDのほかにカートリッジIDやカートリッジ番号が指定された場合の印刷動作である。
まず図12から説明する。メイン制御部110のCPU111は、プログラムROM113に格納された本処理を実行するためのプログラムを読み出すことで処理が開始される(ステップS40)。次いでCPU111は、印刷要求がホストコンピュータ200のドライバ220から入力されたか否か判断する(ステップS41)。ホストコンピュータ200では、アプリケーション210によって印刷対象の画像が作成され、ドライバ220によってその画像データを含む印刷ジョブデータが作成されて出力される。例えばCPU111はこのジョブデータが外部I/F112に入力されたか否かで判断することができる。なお、本ステップS41は印刷要求があるまで(“NO”のとき)、処理が繰り返される。
印刷要求があると(ステップS41で“YES”のとき)、次いでCPU111は、ユーザIDによってトナーカートリッジ41、42、43、44を指定しているか否か判断する(ステップS42)。ホストコンピュータ200のアプリケーション210は例えば図示しないモニタ画面内でユーザIDを入力する項目があり、ユーザがその項目をチェックすることでユーザIDが指定される。このIDはドライバ220によって印刷ジョブデータに画像データとともに含められてプリンタ10に出力される。このユーザIDが印刷ジョブデータに含まれているか否かで判断することができる。ユーザIDが指定されていないと(本ステップS42で“NO”のとき)、操作パネル80やホストコンピュータ200の図示しないモニタ上にエラー表示を表示するようにCPU111は操作パネル80やホストコンピュータ200を制御する。そして本処理が終了することになる(ステップS47)。
一方、ユーザIDが指定されているとき(ステップS42で“YES”のとき)は、CPU111は次いで、本体メモリ135からユーザIDを読み出す処理を行う(ステップS43)。すなわち、CPU111はエンジン制御部130のCPU131に対して本体メモリ135に格納されたユーザIDを読み出すように制御信号を出力する。この制御信号に基づいてCPU131は本体メモリ135からユーザIDを読み出し、再びCPU111に出力する。
次いでCPU111は、対応するユーザIDが本体メモリ135に格納されているか否か判断する(ステップS44)。すなわち、ステップS43で読み出したユーザIDと印刷要求に含まれるユーザIDとを比較して一致しているか否か判断する。予め登録されていないユーザIDが指定されているとそのトナーカートリッジ41、42、43、44による印刷を行うことができないからである。
対応するユーザIDがないと(ステップS44で“NO”)、指定したトナーカートリッジ41、42、43、44には、ドライバ220で指定したユーザIDが存在しないことになり所望のトナーカートリッジ41、42、43、44による印刷を行うことができない。このためエラー表示の処理(ステップS48)を行い、処理が終了することになる(ステップS47)。
一方、対応するユーザIDが存在すると(ステップS44で“YES”のとき)、ユーザIDに対応するトナーカートリッジ41、42、43、44を印刷位置(トナー供給位置)に移動させるようエンジン制御部130のCPU131を制御する(ステップS45)。すなわち、CPU111はCPU131にユーザIDに対応するカートリッジ番号を有するトナーカートリッジ41、42、43、44を印刷位置に移動させることを示す制御信号を出力する。これに基づいてCPU131は現像器駆動制御回路134に対してそのユーザIDを有するトナーカートリッジ41、42、43、44を印刷位置に移動させるよう制御信号を出力する。そして上述したように現像器40が回転して指定されたトナーカートリッジ41、42、43、44が印刷位置に移動するのである。
その後CPU111は、パルス幅変調や感光体ドラム30への潜像形成等、上述した印刷動作を行うように各部を制御する(ステップS46)。
以上により登録したユーザIDをドライバ220で指定して、指定されたトナーカートリッジ41、42、43、44で印刷を行うことができる。このようにユーザごとにトナーカートリッジを指定して印刷することができるので、例えば印刷を大量に行うヘビーユーザをあるトナーカートリッジに指定して、その他のユーザを別のトナーカートリッジに指定しておけば、ヘビーユーザは大量にトナーを使用する分自らトナーカートリッジを交換する義務を負担することになる。また、ユーザごとに使用できるトナーカートリッジを管理することができれば、トナーカートリッジの交換時期などを予め把握することもでき、トナーカートリッジの費用などの管理を容易に行うことができる。
図12の例は、ユーザIDのみの指定で各トナーカートリッジを識別して印刷を行うようにし、それ以外の指定はエラー表示としたが、図13に示すように各指定したID(ユーザID、カートリッジID、カートリッジ番号)によって各トナーカートリッジを識別して印刷を行うようにすることも考えられる。図13においてステップS40からS49までは図12と同様なので説明を省略する。
ステップS42でトナーカートリッジ41、42、43、44をユーザIDで指定していないとき(“NO”のとき)、エラー表示とするのではなく、CPU111はカートリッジIDでトナーカートリッジ41、42、43、44を指定したか否かを判断する(ステップS50)。このカートリッジIDもユーザIDと同様にホストコンピュータ200で指定することができ、印刷ジョブデータに含まれてプリンタ10に出力される。このジョブデータにカートリッジIDが含まれているか否かで判断する。
カートリッジIDで指定されていると(ステップS50で“YES”のとき)、処理はステップS51に移行し、CPU111は本体メモリ135からカートリッジIDを読み出す。この場合、カートリッジIDは、ユーザによって設定するもの(図10)であるが、カートリッジ製造番号(シリアル番号)としてもよい。また、ユーザによって設定されたカートリッジ番号とシリアル番号の双方を含んでもよい。ステップS43と同様にエンジン制御部130のCPU131に対して本体メモリ135の登録テーブル(例えば図9(B)や(C))に格納されたカートリッジIDを読み出すように制御する。そして、CPU111は印刷ジョブデータに含まれたカートリッジIDが本体メモリ135から読み出した登録テーブルに含まれていると(ステップS52で“YES”)、カートリッジIDに対応するトナーカートリッジ41、42、43、44を印刷位置に移動させ(図14のステップS58)、印刷動作を行い(ステップS46)、一連の処理が終了する(ステップS47)。一方、本体メモリ135から読み出したカートリッジIDと印刷要求に含まれるカートリッジIDとが一致しないと(ステップS52で“NO”のとき)、ホスト200で指定したトナーカートリッジ41、42、43、44が存在しないので、指定したIDは間違っている等のエラー表示を行い(ステップS48)、処理が終了する(ステップS49)。
トナーカートリッジ41、42、43、44の指定がユーザIDでなく(ステップS42で“NO”)、カートリッジIDでもなく(ステップS50で“NO”)、カートリッジ番号で指定されているとき(図14のステップS53で“YES”のとき)CPU111は、同様に本体メモリ135から登録テーブルに格納されたカートリッジ番号(例えば、図9(C))を読み出して(ステップS54)、対応するカートリッジ番号があれば(ステップS55で“YES”のとき)、カートリッジ番号に対応するトナーカートリッジ41、42、43、44を印刷位置に移動させて(ステップS59)、印刷動作を行い(ステップS46)、ホスト200で指定したカートリッジ番号が本体メモリ135にないと(ステップS55で“NO”のとき)、エラー表示を行い(ステップS56)、一連の処理が終了する(ステップS47)。
この場合も、ユーザID、カートリッジID、カートリッジ番号のいずれかによってトナーカートリッジ41、42、43、44をユーザごとに割り振って印刷を行うようにしているため、上述の場合と同様にユーザごとの管理が容易になる。
なお、本実施例ではドライバ220からの印刷ジョブデータに含まれるユーザIDやカートリッジIDと、本体メモリ135に記憶されたユーザIDやカートリッジIDとを照合して印刷を行うようにしたが、本体メモリ135からではなくトナーカートリッジ41、42、43、44のカートリッジメモリ41b、42b、43b、44bから読み出したユーザIDやカートリッジIDとを照合して印刷を行うこともできる。
例えば、メイン制御部110のCPU111は印刷ジョブデータからユーザIDやカートリッジIDを読み出したときに、エンジン制御部130のCPU131に対してカートリッジメモリ41b、42b、43b、44bに格納されたユーザIDやカートリッジIDを読み出すよう制御信号を出力する。これを受けたCPU131は、現像器駆動回路134に対して現像器40を移動させるよう、またリーダライタ47に対してカートリッジメモリ41b、42b、43b、44bからユーザIDやカートリッジIDを読み出すよう制御信号を出力する。これにより、CPU131はカートリッジメモリ41b、42b、43b、44bからユーザIDやカートリッジIDを読み出し、CPU111に出力する。CPU111は、CPU131からのユーザIDやカートリッジIDと、印刷ジョブデータから得られたユーザIDやカートリッジIDが一致しているか否か判断して、一致していればCPU131に対してそのIDを有するトナーカートリッジ41、42、43、44を印刷位置に移動させるよう制御信号を出力して印刷を行うようにする。一致していなければ、例えば上述した処理と同様にエラー表示等を行うようにすればよい。これにより、本体メモリ135を用いる必要がないため部品点数を少なくしてコストの削減を図ることができる。
また、カートリッジ番号に基づいて印刷を行うときは、本体メモリ135に格納された登録テーブルを用いる必要もなく、したがってテーブル自体作成する必要なく印刷を行うことができる。すなわち、印刷ジョブデータにカートリッジ番号が含まれていれば、例えば本処理を実行するためのプログラム内に、カートリッジ番号“1”のときはHP位置から反時計まわりに現像器40を1/4回転させる、カートリッジ番号“2”のときは現像器40を1/2回転させる等、記述させておけば印刷動作の際にCPU111の制御により所望のトナーカートリッジ41、42、43、44を印刷位置まで移動させて、印刷を行うことができる。この処理の動作を示すフローチャートを図22に示す。
まず、メイン制御部110のCPU111は、プログラムROM113に格納された本処理を実行するためのプログラムを読み出すことで処理が開始される(ステップS200)。次いで、CPU111は、印刷要求がホストコンピュータ200のドライバ220から入力されたか否か判断する(ステップS202)。上述した印刷処理と同様に、ドライバ220からの印刷ジョブデータが入力されたか否かで判断することができる。印刷要求がないと(本ステップS202で“NO”のとき)、印刷要求があるまで処理が繰り返される。
印刷要求があると(ステップS202で“YES”のとき)、次いでCPU111はカートリッジ番号によってトナーカートリッジ41、42、43、44を指定しているか否か判断する(ステップS203)。例えば、印刷ジョブデータにカートリッジ番号によってカートリッジ41、42、43、44を指定する命令が含まれているか否かによりCPU111は判断することができる。カートリッジ番号によりトナーカートリッジ41、42、43、44が指定されていないとき(本ステップS203で“NO”のとき)、処理はステップS208に移行して操作パネル80やホストコンピュータ200に対してエラー表示を行い、一連の処理を終了する(ステップS207)。
一方、カートリッジ番号が指定されているとき(ステップS203で“YES”のとき)は、次いでCPU111は、対応するカートリッジ番号があるか否か判断する(ステップS204)。例えば、印刷ジョブデータに含まれたカートリッジ番号は、本処理を実行するプログラム内に記述されたカートリッジ番号であるか否かでCPU111は判断することができる。対応するカートリッジ番号がないとき(本ステップS204で“NO”のとき)は、ステップS208に移行して上述の場合と同様にエラー処理を行う。
一方、対応するカートリッジ番号があるとき(ステップS204で“YES”のとき)、次いでCPU111は、カートリッジ番号に対応するトナーカートリッジ41、42、43、44を印刷位置に移動させる(ステップS205)。すなわち、CPU111は印刷ジョブデータに含まれるカートリッジ番号から、現像器40をどれだけ移動させるかの制御情報をエンジン制御部130のCPU131に出力する。これを受けたCPU131は、現像器駆動制御回路134に対してHP位置からどれだけ現像器40を移動させるかの制御情報を出力する。そして、駆動制御回路134によって現像器40が移動し、カートリッジ番号により指定されたトナーカートリッジ41、42、43、44が印刷位置に移動することになる。
次いでCPU111は、実際に印刷動作を行い(ステップS206)、一連の処理を終了する(ステップS207)ことになる。この場合も、本体メモリ135を用いる必要がないため部品点数を少なくしてコストの削減を図ることができる。
[外部サーバを用いたID登録と印刷処理]
次に外部サーバ300(図5参照)を用いたカートリッジIDやユーザID(使用者割当て)の登録処理と登録後の印刷処理について説明する。本発明が適用されるプリンタ10は、インターネットなどのネットワーク上で複数接続することができるが、上述したトナーカートリッジ41、42、43、44はプリンタ10が複数存在したとしてもユニークなものであるため外部装置で一括して管理することができれば便利である。そこで、図5に示すように外部サーバ300をプリンタ10に接続してトナーカートリッジ41、42、43、44のカートリッジIDやユーザIDをかかる外部サーバ300で設定管理するのである。
まず、外部装置として外部サーバ300においてカートリッジIDを登録する処理について図15を参照して説明する。図5に示すように、外部サーバ300には各処理を実行するためのプログラムを格納したROM320と、このプログラムを読み出して処理を実行するCPU310と、トナーカートリッジ41、42、43、44ごとにカートリッジIDとユーザIDとの対応関係を示すテーブル(図9(C)参照)を格納した記憶部340と、I/F340とを備える。図15に示す処理もかかる外部サーバ300のCPU310が実行するものとして以下説明する。
まず、外部サーバ300のCPU310はカートリッジIDを登録するためのプログラムをROM320から読み出すことで処理が開始される(ステップS60)。この処理の開始によって、例えば、外部サーバ300の図示しないモニタにはカートリッジID設定のための画面が表示される。
次いで、外部サーバ300のCPU310はプリンタ10において新たなトナーカートリッジ41、42、43、44が装着されたことを検出したか、あるいは外部サーバ300においてカートリッジID設定のためのID設定要求を検出したか、否かを判断する(ステップS61)。新たなトナーカートリッジ41、42、43、44がプリンタ10に装着されると、プリンタ10の現像器駆動制御回路134(図5参照)はトナーカートリッジ41、42、43、44が装着されたことを示す制御信号をCPU131に出力する。CPU131はこの制御信号を受け取るとこの内容を示す制御信号をメイン制御部110のCPU111に出力し、CPU111は外部I/F112から新たなにトナーカートリッジ41、42、43、44が装着されたことを示すデータを外部サーバ300に出力する。このデータをCPU310が受け取ったか否かで新たなトナーカートリッジ41、42、43、44が装着されたか否かを検出するのである。また、カートリッジID設定要求を検出したか否かについては、例えば、外部サーバ300の図示しないモニタ画面上でカートリッジIDを設定するためのボタンをクリックすることによりID設定要求が出力され、これをCPU310が検出することで判断する。
プリンタ10に新たなトナーカートリッジ41、42、43、44が装着されたか、カートリッジID設定要求を検出したとき(ステップS61で“YES”のとき)、外部サーバ300のCPU310はカートリッジIDを設定する(ステップS62)。例えば、外部サーバ300のモニタ画面上でカートリッジIDをユーザが入力することで行われる。
次いで、外部サーバ300のCPU310はプリンタ10にカートリッジIDを転送する(ステップS63)。ステップS62で設定したカートリッジIDは、外部サーバ300のI/F330からプリンタ10の外部I/F112を経由してCPU111に入力される。そして、CPU111はエンジン制御部130のCPU131に対して本体メモリ135にカートリッジIDを記憶させるよう制御することで、本体メモリ135に外部サーバ300からのカートリッジIDが格納される。この場合も、カートリッジIDは、HP位置から一意に定義つけられたカートリッジ番号と対応つけられて、本体メモリ135内に、図9(B)に示すようにテーブル形式で格納される。そして、外部サーバ300において一連のカートリッジID設定のための処理が終了する(ステップS64)。一方、新たなトナーカートリッジ41、42、43、44を検出せず、あるいはカートリッジID設定要求も検出しないとき(ステップS61で“NO”のとき)、処理は終了する(ステップS64)ことになる。
次に外部サーバ300においてユーザID(使用者割当て)の設定について図16に示すフローチャートを参照して説明する。この処理も外部サーバ300のCPU310によって実行される。
まず、外部サーバ300のCPU310はROM320から本処理を実行するためのプログラムを読み出すことで処理が開始される(ステップS70)。本処理が開始されることで、例えば、図示しない外部サーバ300のモニタに使用者割当てのための画面が表示される。
次いで、外部サーバ300のCPU310は、使用者割当て設定要求を検出したか否か判断する(ステップS71)。例えば、外部サーバ300のCPU310は、図示しないモニタ画面上でボタン操作等により使用者割当てを設定するためのボタンをクリックすることでこの設定要求が生成され、これをCPU310が検出することで判断する。
使用者割当て設定要求を検出したとき(ステップS71で“YES”のとき)、トナーカートリッジ41、42、43、44ごとに使用者割当て情報を設定する(ステップS72)。使用者割当て情報として例えば、トナーカートリッジ41、42、43、44を各々使用する使用者の名前や、グループ名、IPアドレス、Macアドレス、コンピュータ名(マシン名)などである。これにより、使用者単位でトナーカートリッジ41、42、43、44の交換時期や交換本数などを管理することができる。また、かかる情報の設定としては、例えば、外部サーバ300のモニタ画面上でボタン操作等により使用者情報を入力し、外部サーバ300のRAMやハードディスク等の記憶部340にCPU310によって記憶されることにより設定される。この使用者情報(ユーザID)として、トナーカートリッジ41、42、43、44はカートリッジ番号として、各々対応つけられて、例えば上述した図9(A)に示すように登録テーブルとして外部サーバ300の記憶部340に記憶される。
次いで、外部サーバ300のCPU310はプリンタ10に使用者割当て済み情報を転送する(ステップS73)。すなわち、外部サーバ300はプリンタ10に対して使用者情報(ユーザID)そのものを出力するのではなく、各トナーカートリッジ41、42、43、44ごとに使用者情報が割り振られたか否かを示すフラグ(割り振られたときはフラグオン)を出力する。外部サーバ300から転送された割当て済み情報(割当てフラグ)は、プリンタ10の外部I/F112を経由してCPU111に出力される。CPU111は、エンジン制御部130のCPU131に対してこの割当て済み情報を本体メモリ135と使用者が割当てられたトナーカートリッジ41、42、43、44のカートリッジメモリ41b、42b、43b、44bに記憶させるように制御する。これにより、本体メモリ135にはトナーカートリッジ41、42、43、44ごとに使用者が割当てられたか否かを示すフラグがテーブルとして記憶されるとともに、リーダライタ47を制御することにより各カートリッジメモリ41b、42b、43b、44bに使用者割当て済み情報が記憶される。本体メモリ135には、例えば図9(C)で左側がユーザIDではなく使用者が割当てられたか否かを示すフラグが格納されるテーブルが作成される。ユーザIDそのものをカートリッジメモリ41b、42b、43b、44bに記憶する場合と比較してフラグ情報のみなのでメモリ41b、42b、43b、44bの容量を小さくすることができ、コスト削減とともにアクセス時間の短縮を図ることができる。
そして、使用者割当てに関する一連の処理が終了する(ステップS74)。一方、外部サーバ300のCPU310が使用者割当て設定要求を検出できなかったとき(ステップS71で“NO”のとき)、処理はステップS74に移行して一連の処理が終了する(ステップS74)。
以上のように外部装置によって、カートリッジIDと使用者割当て(ユーザID)を設定したときに、例えば図9(C)に示すテーブルが外部サーバ300の記憶部340に格納される。
次に、かかる外部装置で設定されたカートリッジIDと使用者情報をもとにプリンタ10における印刷動作について図17乃至図18を参照して以下説明する。図17はホストコンピュータ200のドライバ220の処理(詳細にはホスト200の図示しないCPUなどの制御手段)の動作を示すフローチャートで、図18はプリンタ10での処理の動作を示すフローチャートである。
ドライバ220側ではまず、印刷処理のためのプログラムを図示しないホスト200のROMなどの記憶手段から読み出すことで処理が開始される(ステップS80)。次いで、ホストコンピュータ200のドライバ220は、印刷要求があるか否か判断する(ステップS81)。これはアプリケーション210において、印刷対象の画像が形成され、モニタ画面上でボタン操作等によりその画像の印刷要求を出力する。この印刷要求が検出されたか否かで本ステップを判断する。
印刷要求があるとき(ステップS81で“YES”のとき)は、次いでホストコンピュータ200のドライバ220は、カートリッジIDが指定されているか否か判断する。例えば、アプリケーション210においてモニタ画面上で、外部サーバ300で設定したカートリッジIDを入力することができ、このIDが印刷要求とともにドライバ220に入力されたか否かで判断することができる。
カートリッジIDが指定されているとき(ステップS82で“YES”のとき)、ホスト200のCPUは、カートリッジID指定印刷要求(トナーカートリッジ41、42、43、44指定印刷要求)をプリンタ10に転送する(ステップS85)。一方、カートリッジIDを指定していないとき(ステップS82で“NO”のとき)、カートリッジID未指定印刷要求(トナーカートリッジ41、42、43、44未指定印刷要求)をプリンタ10に転送する(ステップS83)。
ここで、トナーカートリッジ41、42、43、44の未指定というのは、どのトナーカートリッジ41、42、43、44からでも印刷を行いたい場合である。外部サーバ300で設定したカートリッジIDを使用してトナーカートリッジ41、42、43、44を指定するときはカートリッジIDとともに印刷要求をプリンタ10に出力することになる。
そして、一連の処理が終了する(ステップS84)。一方、印刷要求がアプリケーション210から入力されないと(ステップS81で“NO”のとき)も、本処理が終了することになる(ステップS84)。なお、ドライバ220では、外部サーバ300で設定した使用者情報(ユーザID、図16参照)を印刷要求に含めてプリンタ10に出力する。
次に、プリンタ10での印刷処理の動作について図18を参照して説明する。図18に示す一連の処理はメイン制御部110のCPU111が実行する。
まず、CPU111はプログラムROM113に格納された本処理を実行するためのプログラムを読み出すことで処理が開始される(ステップS100)。次いでCPU111は、ドライバ220からカートリッジIDが指定されて(トナーカートリッジ41、42、43、44が指定されて)印刷要求が入力されたか否か判断する(ステップS101)。
カートリッジIDが指定されて印刷要求が入力されたとき(ステップS101で“YES”のとき)、CPU111は使用者割当て済み情報がオンになっているか否か判断する(ステップS102)。使用者情報(ユーザID)を外部サーバ300で設定したとき、エンジン制御部130の本体メモリ135には、上述したように(図16のステップS73)各トナーカートリッジ41、42、43、44ごとに使用者が割り当てられているか否かを示す割当て済みフラグが格納されている。したがって、CPU111は本体メモリ135に対してかかる割当て済みフラグがオン(使用者情報が設定されている)になっているか否か、かかるフラグ情報を本体メモリ135から読み出すことで判断する。
そして、ドライバ220で指定されたカートリッジIDを有するトナーカートリッジ41、42、43、44でフラグがオンになっているとき(本ステップS102で“YES”のとき)、使用者情報が設定されていることになり、印刷要求に含まれた使用者情報を外部サーバ300に転送する(ステップS103)。すなわち、印刷要求としてドライバ220が指定した使用者情報が予め外部サーバ300に使用者情報として登録されたか否か確認するのである。外部サーバ300ではかかる使用者情報が入力されると使用者割当てに関するテーブルを参照する。具体的には、CPU310が記憶部340に格納されたテーブルを参照する。そして、プリンタ10から転送された使用者情報と外部サーバ300の記憶部340に登録された使用者情報とが一致していれば、外部サーバ300のCPU310は使用許可を示すデータをプリンタ10に対して出力する。この使用許可を示すデータをCPU111が検出すると(ステップS104で“YES”のとき)、実際に印刷処理を実行し(ステップS105)、その後一連の処理が終了することになる(ステップS106)。
一方、印刷要求で指定されたカートリッジIDを有するトナーカートリッジ41、42、43、44に対して使用者情報が設定されていないと、外部サーバ300は使用許可を示すデータを出力しない、あるいは、使用不許可を示すデータを出力する。かかる使用許可を示すデータをCPU111が検出しないとき(使用許可を示すデータが外部サーバ300から入力されないとき、あるいは使用不許可を示すデータが外部サーバ300から入力されたとき:ステップS104で“NO”のとき)、印刷処理は行われず(ステップS107)、一連の処理が終了する。
また、カートリッジIDは指定されているものの使用者割当て済みフラグがオンになっていないとき(ステップS102で“NO”のとき)、処理はステップS105に移行して印刷が実行される。これは、ホストコンピュータ200で指定したカートリッジIDには使用者が設定されておらず、誰でもそのカートリッジIDを有するトナーカートリッジ41、42、43、44の使用が許可されているからである。
さらに、ホストコンピュータ200からカートリッジIDを指定しないで印刷要求が入力されたとき(ステップS101で“NO”のとき)、CPU111は、使用者割り当て済みフラグがオフになっているトナーカートリッジ41、42、43、44が存在するか否か判断する(ステップS108)。上述したように、カートリッジIDを指定していないときはいずれのトナーカートリッジ41、42、43、44からでも印刷を行いたい場合であるが、すべてのトナーカートリッジ41、42、43、44に対して使用者が割当てられている(ユーザIDが設定されている)と、かかる使用者を排してトナーカートリッジ41、42、43、44を使用することになり、使用者を各トナーカートリッジ41、42、43、44ごとに割当てた意味が無くなってしまう。そこで、CPU111は本体メモリ135にアクセスして使用者割当て済みフラグがオンになっているか否か確認するのである。
割当て済みフラグがオフになっているトナーカートリッジ41、42、43、44がないと(ステップS108で“NO”のとき)、すべてのトナーカートリッジ41、42、43、44に対して使用者が割当てられている(ユーザIDが設定されている)ため印刷処理は行われず(ステップS110)、処理は終了する(ステップS106)。割当て済みフラグがオフになっているトナーカートリッジ41、42、43、44があると(ステップS108で“YES”のとき)、その未割当てのトナーカートリッジ41、42、43、44を指定して(ステップS109)、印刷処理が実行される(ステップS105)。未割当てトナーカートリッジ41、42、43、44が複数あれば任意のトナーカートリッジ41、42、43、44のいずれか一つが指定されて印刷が行われる。
[画像形成装置内でのID登録と印刷処理]
上述した例は、外部装置として外部サーバ300においてカートリッジIDと使用者の割当てについて説明したが、本実施例ではプリンタ10内でカートリッジIDと使用者の割当て(ユーザIDの設定)を行い、印刷を実行する場合について説明する。
図19はプリンタ10内でカートリッジIDを設定する場合の処理を示すフローチャートである。まず、メイン制御部110のCPU111はプログラムROM113から本処理を実行するためのプログラムを読み出すことで処理を開始する(ステップS120)。次いで、CPU111は、新たなトナーカートリッジ41、42、43、44が装着されたか、あるいはカートリッジIDを設定するための設定要求が入力されたか否か検出する(ステップS121)。図15のステップS61と同様に新たなトナーカートリッジ41、42、43、44がプリンタ10内に装着されるとエンジン制御部130の現像器駆動制御回路134は新たなトナーカートリッジ41、42、43、44が装着されたことを示す制御信号をCPU131に出力し、その情報がCPU131からメイン制御部110のCPU111に入力されることで、新たなトナーカートリッジ41、42、43、44が装着されたか否か検出することができる。また、カートリッジID設定要求は、プリンタ10の操作パネル80に表示された画面上でID設定のためのボタンクリック等によりカートリッジIDを設定するためのデータが生成され、CPU111に入力されるためかかるデータが入力されたか否かが判断することができる。
次いでCPU111は、新カートリッジを検出したか、ID設定要求があれば(ステップS121で“YES”のとき)、カートリッジIDを設定する(ステップS122)。すなわち、操作パネル80に表示された画面の操作によってカートリッジIDを入力し、その情報がCPU11に入力される。
次いでCPU111は、操作パネル80から入力されたカートリッジIDをエンジン制御部130の本体メモリ135に格納するためにCPU131を制御する(ステップS123)。これにより、操作パネル80で入力したカートリッジIDが本体メモリ135に、例えば図9(B)に示す登録テーブルに、各トナーカートリッジ41、42、43、44ごとに格納されることになる。
また、CPU111は操作パネル80で設定したカートリッジIDを当該トナーカートリッジ41、42、43、44のカートリッジメモリ41b、42b、43b、44bに記憶させるべくCPU131を制御する(ステップS124)。カートリッジメモリ41b、42b、43b、44bへのカートリッジIDの記憶に関する詳細は上述した通りである(図3参照)。なお、フローチャートではステップS123の次にS124を実行するように記載しているが、この順番は逆でもよい。
そして、一連の処理が終了する(ステップS125)。一方、新たなトナーカートリッジ41、42、43、44の検出やカートリッジID設定要求を検出しなかったとき(ステップS121で“NO”のとき)も、ステップS125に移行して一連の処理が終了することになる。
次にプリンタ10内で使用者割当てを設定する処理について説明する。図20は、かかる処理の動作を示すフローチャートである。
まず、メイン制御部110のCPU111は、本処理を実行するためのプログラムをプログラムROM113から読み出して処理が開始される(ステップS130)。次いで、CPU111は、使用者割当て設定要求を検出したか否か判断する(ステップS131)。操作パネル80に表示された画面上で使用者割当て設定に関するボタンを操作する等により設定要求が操作パネル80で生成され、これを検出することで判断する。
この設定要求を検出したとき(ステップS131で“YES”のとき)、CPU111はトナーカートリッジ41、42、43、44ごとに使用者割当て情報を設定する(ステップS132)。すなわち、操作パネル80上に表示された画面を操作することでトナーカートリッジ41、42、43、44ごとに使用者に関する情報(例えば、上述したように使用者の名前、IPアドレス、Macアドレス、グループ名など)が入力される。
次いでCPU111は、この使用者情報を本体メモリ135に書き込む処理を行う(ステップS133)。すなわち、CPU111はエンジン制御部130のCPU131に対して、操作パネル80で入力された使用者情報を本体メモリ135に格納するように制御する。これにより、本体メモリ135には図9(A)に示すようなトナーカートリッジ41、42、43、44ごとに登録テーブルが作成される。
次いでCPU111は、カートリッジメモリ41b、42b、43b、44bと本体メモリ135に対して使用者割当て済みフラグを格納するようにCPU131を制御する(ステップS134)。これにより、本体メモリ135には使用者に関する情報とともにトナーカートリッジ41、42、43、44ごとに使用者が割当てられたか否かを示す割当て済みフラグを含むテーブルが作成される。また、カートリッジメモリ41b、42b、43b、44bには割り当て済みフラグが格納される。そして、一連の処理が終了する(ステップS135)。
一方、使用者割当て設定要求をCPU111が検出しなかったとき(ステップS131で“NO”のとき)も、ステップS135に移行して処理が終了することになる。
このようにカートリッジIDと使用者情報(ユーザID)をプリンタ10内で設定したときの印刷処理の動作を説明する。まず、ホストコンピュータ200のドライバ220によって印刷要求が生成されてプリンタ10に出力されるがその処理は外部サーバ300で設定したときの処理(図17参照)と同様である。カートリッジIDを指定してプリンタ10に印刷を要求する場合と指定しないで(どのトナーカートリッジ41、42、43、44を使用してもよいことを指定)印刷を要求する場合の2つがある。
かかる印刷要求を受けてプリンタ10内で行われる処理のフローチャートを図21に示す。外部サーバ300で設定した場合の処理(図18)とほぼ同様であるが、カートリッジIDを指定したときに割当て済みフラグがオンになっているとき(使用者が割当てられているとき)は、外部サーバ300に使用者情報を問い合わせるのではなく、本体メモリ135からかかる使用者情報を読み出す点が異なる。
図18と共通する部分が多いので簡単に説明すると、まず、メイン制御部110のCPU111はプログラムROM113に格納されたプログラムを読み出すことで処理が実行される(ステップS140)。そして、カートリッジIDを指定してドライバ220から印刷要求があれば(ステップS141で“YES”のとき)、指定したカートリッジIDに対して使用者が割当てられているか(ユーザIDが設定されているか)否か、本体メモリ135にアクセスして確認する(ステップS142)。そして、割当て済みフラグがオンになっているとき(使用者が設定されているとき、本ステップS142で“YES”のとき)、CPU111は本体メモリ135から使用者情報を読み出す(ステップS143)。そして、外部サーバ300で設定したときと同様にドライバ220からは印刷要求に使用者情報が含まれているので、CPU111はドライバ220からの使用者情報と本体メモリ135に格納した使用者情報とが一致しているか否か判断する(ステップS144)。一致していれば(本ステップで“YES”のとき)、上述した印刷処理が実行され(ステップS145)、一連の処理が終了する(ステップS146)。一致していなければ(ステップS144で“NO”のとき)、印刷処理が行われず(ステップS147)処理が終了する(ステップS146)。
一方、ドライバ220から要求されたカートリッジIDについて使用者割当て済みフラグがオフになっているとき(ステップS142で“NO”のとき)、指定されたカートリッジIDを有するトナーカートリッジ41、42、43、44には使用者が割当てられておらず、いずれの使用者もそのトナーカートリッジ41、42、43、44を使用することが可能である。よって、処理はステップS145に移行して印刷処理が実行される(ステップS145)。
また、カートリッジIDを指定せずに印刷要求がドライバ220から入力されたとき(ステップS141で“NO”のとき)、CPU111は本体メモリ135から使用者割当て済みフラグがオフとなっているトナーカートリッジ41、42、43、44を検索する(ステップS148)。オフとなっているトナーカートリッジ41、42、43、44があれば(本ステップで“YES”のとき)、いずれの使用者もそのトナーカートリッジ41、42、43、44が使用可能となるので、その未割当てとなるトナーカートリッジ41、42、43、44を指定して(ステップS149)、印刷処理を実行する(ステップS145)。割当て済みフラグがオフとなっているトナーカートリッジ41、42、43、44がないとき(ステップS148で“NO”のとき)、すなわちすべてのトナーカートリッジ41、42、43、44に使用者が割当てられているとき、印刷処理を行わずに(ステップS150)、例えばエラー表示をドライバ220や操作パネル80に出力して処理が終了する(ステップS146)。
以上説明したように本発明によれば、トナーカートリッジ41、42、43、44ごとにユーザIDやカートリッジIDをカートリッジメモリ41b、42b、43b、44bに格納して割当てるようにしたので、どのユーザがどのトナーカートリッジ41、42、43、44を使用できるかの管理が容易となる。また、使用者ごとに割当てたのでトナー消費量の多いユーザはその分トナーカートリッジ41、42、43、44の交換負担を負い、そうでないユーザは消費量の多いユーザのためにトナーカートリッジ41、42、43、44の交換をする必要がなくなる。さらに、トナーカートリッジ41、42、43、44の交換時期や交換本数の管理も容易となる。
上述の例では、ユーザIDやカートリッジID等の登録テーブルを格納する本体メモリ135がエンジン制御部130にあるとして説明したが、メイン制御部110側にあってもよい。これにより、ユーザIDの登録や印刷処理の際にエンジン制御部130のCPU131に本体メモリ135への書き込みや読み出しの制御を行う必要がなく、CPU111が直接書き込み等を行うことができ処理の高速化を図ることもできる。
さらに、上述の例ではブラックトナーを収容するトナーカートリッジを複数本装着した例について説明したが、同色であればブラックに限らず、例えばシアントナーを収容するトナーカートリッジを複数本装着したり、さらにマゼンダトナーや、イエロートナーなどで単色の画像形成装置を構成してもよい。
さらに、上述の例では、色変換処理やスクリーン処理をプリンタ10内で行うとして説明したが、ホストコンピュータ200のドライバ220でかかるスクリーン処理が行われるようにしても全く同様の効果を奏する。この場合に、スクリーン処理後の画像データがプリンタ10内に入力されてCPU111によってパルス幅変換等の処理が行われて印刷が実行されることになる。
また、上述の例では画像形成装置としてプリンタ10の例で説明したが、それ以外にもファクシミリや複写機、さらにプリンタ含めてこれらの機能を有する複合機であっても同様の効果をそうする。さらに、ホストコンピュータ1の例として、例えばパーソナルコンピュータ、さらには携帯電話やPDA(Personal Digital Assistance)などの情報携帯端末であってもよい。
10 プリンタ 20 露光ユニット 30 感光体ドラム 40 現像器 41、42、43、44 現像ユニット(トナーカートリッジ) 41b、42b、43b、44b カートリッジメモリ 47 リーダライタ 55 中間転写体 60 給紙トレイ 70 記録媒体 80 操作パネル 100 制御ユニット 110 メイン制御部 111 CPU 112 外部I/F 113 プログラムROM 114 RAM 130 エンジン制御部 131 CPU 132 プログラムROM 133 RAM 134 現像器駆動制御回路 135 本体メモリ 200 ホストコンピュータ 210 アプリケーション 220 ドライバ 300 外部サーバ