JP2005221617A - 液晶表示装置およびその製造方法 - Google Patents

液晶表示装置およびその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2005221617A
JP2005221617A JP2004027906A JP2004027906A JP2005221617A JP 2005221617 A JP2005221617 A JP 2005221617A JP 2004027906 A JP2004027906 A JP 2004027906A JP 2004027906 A JP2004027906 A JP 2004027906A JP 2005221617 A JP2005221617 A JP 2005221617A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
liquid crystal
polymerizable compound
display device
polymerizable
crystal display
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2004027906A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4437408B2 (ja
Inventor
Kazutaka Hanaoka
一孝 花岡
Yohei Nakanishi
洋平 仲西
Yuichi Inoue
雄一 井ノ上
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujitsu Ltd
AU Optronics Corp
Original Assignee
Fujitsu Display Technologies Corp
AU Optronics Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fujitsu Display Technologies Corp, AU Optronics Corp filed Critical Fujitsu Display Technologies Corp
Priority to JP2004027906A priority Critical patent/JP4437408B2/ja
Publication of JP2005221617A publication Critical patent/JP2005221617A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4437408B2 publication Critical patent/JP4437408B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Liquid Crystal (AREA)
  • Polymerisation Methods In General (AREA)

Abstract

【課題】 焼き付きの生じない、あるいは生じがたい液晶表示装置およびその製造方法を提供する。
【解決手段】 2枚の基板間に、液晶分子と重合性化合物とを含む液晶組成物を配置し、エネルギー線を照射して重合性化合物を重合させ、その後熱処理を行う。あるいは、重合性化合物が、一分子中に二つの重合性官能基を有する重合性化合物または一分子中に一つの重合性官能基を有する重合性化合物と一分子中に二つの重合性官能基を有する重合性化合物との組み合わせに加え、一分子中に三つ以上の重合性官能基を有し、液晶に対する室温における飽和溶解度が1重量%以上である多官能重合性化合物を含むようにする。
【選択図】 なし

Description

本発明は、液晶表示パネルの構造に関するものであり、特に垂直配向型で、さらにエネルギー線重合により形成されたポリマーを利用して、配向を制御する方式の液晶表示装置に関する。
従来、アクティブマトリクスを用いた液晶ディスプレイ(LCD)としては、正の誘電率異方性を持つ液晶材料を基板面に水平に、かつ対向する基板間で90度ツイストするように配向させたTNモードの液晶表示装置が広く用いられている。しかし、このTNモードは視野角特性が悪いという問題を有しており、視野角特性を改善すべく種々の検討が行われている。
これに代わる方式としては、負の誘電率異方性を持つ液晶材料を垂直配向させ、かつ基板表面に設けた突起や電極の抜き(スリット)により電圧印加時の液晶分子の傾斜方向を規制するMVA(Multi−domain Vertical Alignment)方式が開発され、視野角特性を大幅に改善することに成功している。
MVA方式の液晶パネルを図1−A,Bおよび図2を例にして説明する。図1−A,1−BはMVA方式の液晶表示装置の液晶パネルにおける液晶分子の配向を示す模式的斜視図であり、図2はMVA方式の液晶表示装置の液晶パネルにおける液晶分子の配向方向を示す模式的平面図である。
このMVA方式の液晶表示装置の液晶パネルでは、2枚のガラス基板の間にある誘電率異方性が負の液晶分子1が、電圧無印加時には、図1−Aに示すように垂直配向されている。一方のガラス基板2には、TFT(thin film transistor、図示されていない)に接続された画素電極が形成されており、他方のガラス基板3には対向電極が形成されている。そして、画素電極上および対向電極上に、それぞれ凹凸部4が交互に形成されている。
TFTがオフ状態の場合、すなわち電圧無印加時には、図1−Aに示すように、液晶分子は基板界面と垂直な方向に配向されている。そして、TFTをオン状態にした場合、すなわち電圧印加時には、電界の影響により液晶分子が水平方向に傾斜するとともに、凹凸部の構造によって液晶分子1の傾斜方向が規制される。これにより液晶分子は図1−Bに示すように、一画素内において複数の方向に配向する。たとえば、図2のように凹凸部4が形成されている場合には、液晶分子1はA、B、CやDの方向にそれぞれ配向する。このようにMVA方式の液晶表示装置では、TFTをON状態にした際に液晶分子が複数の方向に配向されるので、良好な視野角特性を得ることができる。
上記MVA方式は、配向制御膜が液晶分子の傾斜方向を規制する訳ではない。従って、TNを代表とする水平配向方式では必ずといっていいほど必要である、ラビングに代表される配向処理工程を省略することも可能な場合がある。
しかしながら、輝度の点ではまだCRTに及ばず、輝度の上昇が望まれている。輝度上昇の手段として、液晶パネルの開口率向上、バックライトの輝度向上などがある。特に、開口率を向上させるためには、液晶の配向性の制御が重要となってくる。一般的に、液晶の配向性を制御する手法として、上記のような凹凸の付与、電極のスリットの制御、液晶配向を規定する硬化樹脂等のポリマーの共存等が知られている。この中でも、開口率を一番高くできる可能性を有しているのが液晶配向を規定する硬化樹脂等のポリマーの共存である。
このポリマーを共存させる技術においては、モノマーやオリゴマー等の重合性化合物と液晶とを含む組成物を一対の電極の形成された2枚の平行基板の間隙に注入し、たとえば、液晶に電圧を印加させたまま紫外線照射や熱処理により重合性化合物を重合し、その結果、液晶分子にプレチルト角を付与する(たとえば特許文献1参照。)。この重合には架橋重合が関与することが多く、ポリマーは、その一部または全部が架橋した構造を有する硬化樹脂であることが多い。
特開平11−95221号公報([0023])
しかしながら、これまでの技術では、液晶表示装置の使用中に部分的にプレチルト角が変化し、容易には元に戻らない状態を生じる問題があった。本発明では、この部分的にプレチルト角が変化し、容易には元に戻らない現象を「焼き付き」とも言う。
この現象の原因は、ある同一のパターンを一定時間表示した場合に、ポリマーが不可逆的に変形する結果、液晶配向を規定する度合いに部分的な変化を生じることにあると考えられている。また、像の表示時のバックライト光により、液晶層中に残存していた重合性化合物がさらに重合した結果、液晶配向を規定する度合いに部分的な変化を生じるためとも考えられている。
この問題を解決するため、配向規制のための重合時にUV照射量を増やす方法が考えられるが、パネル内構造物が、たとえばTFTの閾値シフト等のダメージを受ける恐れがあり、また、たとえば、パネルについて液晶組成物を注入した側とは反対側の辺に沿って黒ずみを生じるという問題が生じることが判明した。これは、恐らく配向膜に由来すると思われる液晶層の不純物であって、液晶組成物の注入により押し流され高濃度化したものが、UV照射時の重合により活性化し、印加電圧を部分的に引き下げるためであろうと考えられている。
また、UV照射による重合工程後に2次的なUV照射を行う方法が考えられるが、照射時間が増えることは直接タクト時間の増大になるため好ましくない。
さらに、重合開始剤を加えて反応促進を図る方法も考えられるが、重合開始剤を存在させると、たとえば、パネルについてグレーの中間調表示を行うと、図3に示すような「ハの字」状の黒っぽく見える表示むらを引き起こすようになるという問題が新たに生じることが判明した。図3において、表示むらが、液晶組成物の注入側31とは反対側の反注入側32近傍に発生するところから、これは、液晶組成物を基板間に導入したときの液の流れの先端部分における重合開始剤濃度の低下により、重合の不十分な部分が生じるためと考えられている。
本発明は、上記問題点を解決し、焼き付きの生じない、あるいは生じがたい液晶表示装置を提供することを目的とする。
本発明のさらに他の目的および利点は、以下の説明から明らかになるであろう。
本発明の一態様によれば、2枚の基板間に、液晶分子と、エネルギー線またはエネルギー線と熱の組み合わせにより重合し、液晶分子の傾斜方向を規定し得る重合性化合物とを含む液晶組成物を配置し、エネルギー線を照射して重合性化合物を重合させ、その後熱処理を行う、液晶表示装置の製造方法が提供される。
熱処理の環境温度が50〜160℃の範囲にある時間が、0.5〜5時間の範囲内にあること、エネルギー線照射から熱処理開始までの時間が1時間〜1週間の範囲にあること、液晶層中における重合性化合物の残存量(たとえば重量単位)が、エネルギー線照射直後の液晶層中における重合性化合物の残存量(たとえば重量単位)の3/4〜1/4の範囲内になった後熱処理を開始することが好ましい。
本発明の他の一態様によれば、2枚の基板間に、液晶分子と、エネルギー線またはエネルギー線と熱の組み合わせにより重合し、液晶分子の傾斜方向を規定し得る重合性化合物とを含む液晶組成物を配置し、エネルギー線を照射して重合性化合物を重合させる液晶表示装置の製造方法において、重合性化合物が、一分子中に二つの重合性官能基を有する重合性化合物または一分子中に一つの重合性官能基を有する重合性化合物と一分子中に二つの重合性官能基を有する重合性化合物との組み合わせに加え、一分子中に三つ以上の重合性官能基を有し、液晶に対する室温における飽和溶解度が1重量%以上である多官能重合性化合物を含む、液晶表示装置の製造方法が提供される。
多官能重合性化合物量を、全重合性化合物中、5〜100重量%含有させること、多官能重合性化合物が、末端部分に、親油性が、アクリル酸エステルより高い置換アクリル酸エステル構造を有すること、多官能重合性化合物が、式(1)で表される構造の末端基を有すること、
Figure 2005221617
(式(1)中、Rは、枝分かれしていてもよいアルキル基である。)
多官能重合性化合物が、末端部分に、メタクリル酸エステル構造を有すること、多官能重合性化合物が、トリメチロールプロパントリメタクリレートのモノマーもしくはダイマーであることが好ましい。
なお、上記態様は組み合わせて行うことができる。上記の発明により、焼き付きの生じない、あるいは生じがたい液晶表示装置の製造方法が提供される。
本発明のさらに他の一態様によれば、上記の液晶表示装置の製造方法により作製された液晶表示装置が提供される。本発明により、焼き付きの生じない、あるいは生じがたい液晶表示装置が提供される。
本発明により、焼き付きの生じない、あるいは生じがたい液晶表示装置およびその製造方法が提供される。
以下に、本発明の実施の形態を図、式、実施例等を使用して説明する。なお、これらの図、式、実施例等および説明は本発明を例示するものであり、本発明の範囲を制限するものではない。本発明の趣旨に合致する限り他の実施の形態も本発明の範疇に属し得ることは言うまでもない。図において、同一の要素については同一の符号を付すものとする。また、図の寸法は実際の寸法を反映するものではない。
本発明に係る液晶表示装置の製造方法においては、2枚の基板間に、液晶分子と、エネルギー線またはエネルギー線と熱の組み合わせにより重合し、液晶分子の傾斜方向を規定し得る重合性化合物とを含む液晶組成物を配置し、その後、紫外線を照射して重合性化合物を重合させて硬化し、液晶層を形成する。液晶組成物中の重合性化合物の濃度は通常、1重量%以下、たとえば0.3重量%程度である。
なお、本発明における重合性化合物としては、エネルギー線またはエネルギー線と熱の組み合わせにより重合を起こし、それによって液晶分子の傾斜方向を規定し得るものであればどのようなものでもよく、一般的には、モノマーやオリゴマーと呼ばれるものの中から選択できる。たとえば、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル等のアクリレート基、メタクリレート基やエポキシ基、ビニル基、アリル基などの重合性官能基を持つ化合物を例示することができる。
重合性化合物は、一成分からなっていても、複数の成分からなっていてもよい。一般的には、架橋性成分からなり、あるいは架橋性成分を含むものが好ましい。架橋性成分としては、アクリレート基、メタクリレート基、エポキシ基、ビニル基、アリル基等の重合性官能基を一分子中に複数個有し、紫外線照射等のエネルギー線や熱により他の分子と重合可能である構造部分を有するものを例示することができる。
本発明における重合性化合物が複数の重合性化合物からなっている場合には、複数の重合性化合物の全体として、液晶分子の傾斜方向を規定し得る性質が示されれば充分であり、個々の化合物に、液晶分子の傾斜方向を規定し得る性質が要求されるわけではない。液晶分子の傾斜方向を規定し得るか否かは、実際に、2枚の基板間に、液晶分子と重合性化合物とを含む液晶組成物を配置し、エネルギー線を照射してテストすれば容易に確認できる。
この重合には熱を併用してもよい。重合により、液晶分子の傾斜方向を規定し得る重合性化合物よりなる架橋物層(硬化物層)が基板上の液晶層と接触する面(以下、液晶接触面という)に形成される。架橋物層は、液晶層接触面に付着した架橋構造部分(付着架橋構造部分)と、当該液晶層接触面から立ちあがる末端部分(立ち上がり末端部分)とを有しており、この立ち上がり末端部分により液晶分子が垂直方向に配向させられるものと考えられている。立ち上がり末端部分としては、アルキル鎖を使用することが多い。
この液晶表示装置には、上記2枚の基板に、一対の電極が、それぞれまたは一方に配されており、電極間に電圧を印加することにより、上記液晶層の液晶分子を配向させる。本発明に係る重合は、通常電極間に電圧を印加しない状態で行われるが、本発明の趣旨に反しない限り、電圧印加の状態を含んでいてもよい。
図5−A,Bに、本発明に係る重合性化合物を重合させて、架橋物層を液晶接触面に形成させる様子を示す。まず、液晶分子と樹脂組成物とを含む未硬化の液晶組成物の注入直後には図5−Aに示すように、重合性化合物51と液晶分子1とは、液晶層接触面8に対し水平配向状態にある。液晶層接触面8の表面には何も形成されていない。
なお、本発明において液晶層接触面というときは、必ずしも単なる基板の面を意味するものではなく、実際に液晶層が接する層の面を意味する。たとえば、フィルタ層を介して基板と液晶層とが積層し、実際には液晶層が基板の表面ではなくフィルタの表面に接する場合には、本発明における液晶層接触面は液晶分子と接するフィルタ面を意味する。フィルタ面がたとえば親水化加工してあればその加工面を意味する。
この状態で、たとえば紫外線を照射することにより、図5−Bに示すように付着架橋構造部分52が膜状に形成され、そこから立ち上がり末端部分53が立ち上がる構造になる。
この様子を更に他の模式図で示すと、図13,14のように表わせる。図13は液晶層接触面を横から見た断面図、図14は上から見た平面図である。図13から、付着架橋構造部分52が液晶層接触面8に付着している様子と立ち上がり末端部分53が立ち上がっている様子が、図14から、付着架橋構造部分52が絡み合って網目状構造を形成して液晶層接触面8に付着している様子が見られる。
付着架橋構造部分52が実際に液晶層接触面に付着していることは、液晶層接触面を取り出し、洗浄等を行った後、その表面を分析することで容易に確認することができる。
この構成による配向は、従来からある高分子分散液晶(PDLC)と呼ばれるもののように液晶層全体に渡って液晶分子の配向を可能とするためのポリマーを形成するものではなく、液晶層接触面に形成された薄膜状の付着架橋構造部分52と立ち上がり末端部分53との協働作用により配向制御を行うものと考えることができる。なお、薄膜状の付着架橋構造部分52は、通常、二つの液晶層接触面のいずれにも生じる。
高分子分散型の場合は、液晶層中にポリマーが10重量%以上存在し、図6に示すように液晶層の全体にポリマーのネットワーク61があり、その間に液晶1が存在する形態となっている。これに対し、本発明に係る液晶層においては、ポリマーが1重量%程度以下しか存在せず、しかも、図7に示すように、液晶層接触面近傍に集中して存在している。ある観察によれば、液晶層接触面から立ち上がっている長さは数十nmであった。
このような構造において、良好な液晶分子の配向は、立ち上がり末端部分53の液晶分子の配向を制御する能力が高いことと、付着架橋構造部分52が強固に液晶層接触面上に層を形成することによって達成される。後者は、重合性化合物中における重合性官能基を一分子中二つ以上有する化合物の割合が高い方が有利である。
エネルギー線を照射して重合性化合物を重合させた後、熱処理を行うことにより、焼き付きが大幅に減少することが見出された。なお、本発明における熱処理とは、エネルギー線照射時の温度より高く、エネルギー線照射後に室温放置時間がある場合には、室温より高い温度での処理を意味する。言い換えれば、エネルギー線照射後の人為的加熱による処理を意味する。その環境温度とは、たとえば加熱炉内部温度のような温度である。
熱処理による焼き付き減少のメカニズムは明確ではないが、焼き付きの原因の一つが、ある同一のパターンを一定時間表示した場合に、ポリマーが不可逆的に変形する結果、液晶配向を規定する度合いに部分的な変化を生じる現象であると考えられることから、後述するように、エネルギー線照射で形成された状態の付着架橋構造部分の架橋密度が、その後の熱処理でより密になる等の理由により、ポリマーが不可逆的に変形することの少ない配向規制ポリマーになるためではないかと考えられている。
熱処理の環境温度が50〜160℃の範囲にあることが好ましい。50℃未満では、焼き付き減少効果が充分でないことが多い。160℃を超えると、再び焼き付き減少効果が低下する。この焼き付き減少効果の再低下の原因は明らかでない。なお、この熱処理の環境温度は一定である必要はなく、処理時間を短縮すべく、種々の温度プロフィールで実験し、最適条件を定めることも可能である。
また、この温度範囲における熱処理は、0.5〜5時間の範囲内にあることが好ましい。0.5時間未満では、焼き付き減少効果が充分でないことが多い。5時間を超える場合には、特段の改良は望めず、タクト時間が延び、好ましくない。
エネルギー線照射から熱処理開始までの時間については、特に制限はなく、エネルギー線照射に引き続いて熱処理を行ってもよいが、室温に放置したりしてある程度残存重合性化合物量を減少させた後に、熱処理する方法が効率的なようである。これは、重合性化合物減少により、後のバックライトによる重合化に伴う部分的プレチルト角の変化を防止できる効果が加わるためと思われる。
この、後のバックライトによる重合化に伴う部分的プレチルト角の変化の現象は、先述したように、液晶層中に残存していた重合性化合物がバックライトのエネルギーにより、さらに重合した結果、画素毎にバックライトにより与えられたエネルギーの相違により、液晶配向を規定する度合いに変化を生じるためと考えられている。
図8は、エネルギー線照射後室温に放置した場合の残存重合性化合物量の変化の一例を示すモデル図である。一般に残存重合性化合物量はこのように時間と共に、たとえばエネルギー線照射直後の30重量%から、数日後には10重量%程度まで減少する。
なお、本発明において、残存モノマー等の残存重合性化合物の濃度は、最初に導入した、モノマーや重合性化合物の量に対する割合を意味し、液晶層部分のガスクロマトグラフィによる分析等で容易に求めることができる。液晶層部分を取り出した後、基板面を溶媒で抽出しても、残存重合性化合物濃度に変化が見られないことから、この残存重合性化合物濃度の減少は、吸着等ではなく、重合反応によるものと推定されている。
この残存重合性化合物の減少において、図8のX点で熱処理を施すと点線に示すように、残存重合性化合物量の減少が停止することが見出されている。従って、熱処理による焼き付き減少の原因は、液晶層中の残存重合性化合物量が減少するためだけではないようである。しかもUV照射後早めに熱処理を行うと、重合性化合物濃度が高めに留まることになる。すなわち、熱処理は、ポリマーの不可逆的変形防止には効果があるが、残存重合性化合物がバックライトのエネルギーにより重合することによって引き起こされる液晶配向を規定する度合いの変化に対しての効果は期待できない。後者の効果を発揮させるには、エネルギー線照射から熱処理開始までの間にある程度の放置時間が存在することが好ましい。また、加熱により残存重合性化合物量の減少が停止することから、その放置時間の間は加熱を避け、室温以下に保つことが好ましい。
エネルギー線照射から熱処理開始までの時間は、1時間〜1週間の範囲にあることが好ましい。1時間未満では、焼き付き減少効果を十分発揮させるための熱処理時間が長くなる傾向があり、1週間を超えても、特段の改良は望めず、タクト時間が延び、好ましくない。
なお、液晶層中における重合性化合物の残存量が放置等により低下し、エネルギー線照射直後の液晶層中における重合性化合物の残存量の3/4〜1/4の範囲内になった後、熱処理を開始する方法も有用である。この重合性化合物の残存量は、モデル実験等で確認することができる。3/4より大きい場合には、バックライトのエネルギーにより重合することによって引き起こされる液晶配向を規定する度合いの変化に対しての効果が小さく、1/4未満に減少させても特段の改良は望めず、タクト時間が延び、好ましくない。使用した重合性化合物が複数ある場合には、そのうちの一つの主要成分について残存量を測定すれば充分である。
なお、焼き付き減少方法としては、上記の熱処理や残存重合性化合物量の減少の他、UV照射時等における重合度または架橋度の向上、つまり重合の促進も考えられる。一般的に、使用する重合性化合物としては、一分子中に二つの重合性官能基を有する重合性化合物(二官能重合性化合物と言う場合もある)、または一分子中に一つの重合性官能基を有する重合性化合物(一官能重合性化合物と言う場合もある)と一分子中に二つの官能基を有する重合性化合物との組み合わせがある。
しかしながら、二つの重合性官能基が多重結合やエポキシ結合の場合、架橋を生じることが可能であっても、それだけでは、焼き付きを減少させるには不十分である場合が多い。
一分子中に三つ以上の重合性官能基を有する重合性化合物(本明細書では、このように一分子中に三つ以上の重合性官能基を有する重合性化合物を多官能重合性化合物と言う場合もある)を添加することによって焼きつきが大きく低減することが判明した。しかしながら、この場合にも、上記した重合開始剤を使用した場合と同様の表示むらが発生ずることも見出された。
この表示むらの問題は、使用する重合性化合物が、二官能重合性化合物または一官能重合性化合物と二官能重合性化合物との組み合わせに加え、液晶に対する室温における飽和溶解度が1重量%以上である多官能重合性化合物を含むようにする方法により解決できることが見出された。この方法は、上記熱処理と組み合わせて行っても、組み合わせないで行ってもよい。
多官能重合性化合物は、全重合性化合物中、5〜100重量%であることが好ましい。5重量%未満では、効果が不十分である場合が多い。
表示むらが、重合開始剤を添加した場合と同様、液の流れの先端部分の多官能重合性化合物の濃度が小さい場合があり、このような濃度不均一の状態が、液晶に対する多官能重合性化合物の相溶性を向上させることにより解消するものと推定されている。すなわち、液晶への溶解度の高いものほど液晶への相溶性が高く、液晶組成物中における多官能重合性化合物の濃度を均一にできる結果、表示むらの発生を防止できるものと思われる。
上記の内でも、メタクリレート化合物が特に好ましいことが判明した。この例としては、多官能重合性化合物が、トリメチロールプロパントリメタクリレート(TMPT)モノマーやダイマー(TMPT(D))を挙げることができる。
TMPTモノマーの一例としては、下記式の化学構造を有するものを挙げることができる。
CH3−CH2−C(CH2OOC−CH=CH23
一般的には反応性がより高いアクリレート化合物よりメタクリレート化合物の方が好ましいという事実は、アクリル酸エステル構造の置換メチル基が親油性を有するため、液晶との相溶性が高められるためと考えることができる。従って、この概念を一般化すれば、多官能重合性化合物が、末端部分に、親油性が、アクリル酸エステルより高い置換アクリル酸エステル構造を有する場合に、好ましい結果が得られるものと考えることができる。たとえば、多官能重合性化合物が、式(1)で表される構造の末端基を有する場合である。
Figure 2005221617
(式(1)中、Rは、枝分かれしていてもよいアルキル基である。)
上記のようにして、焼き付きの生じない、あるいは生じがたい液晶表示装置を製造することができ、このようにして製造された液晶表示装置は、より品質が向上し、信頼性の高いものとなる。
製造に際し、使用するエネルギー線は、本発明の趣旨に合致する限りどのようなものでもよいが、紫外線がもっとも実際的である。たとえば高圧水銀ランプを使用することができる。紫外線の種類としては、313nmの波長を含む紫外線であることが好ましい。エネルギー線照射は加熱を伴ってもよいが、通常は室温下に行われる。
使用する液晶についても、本発明の趣旨に合致する限り公知のどのようなものでも使用することができ、駆動方法により、誘電率異方性が負の液晶のみならず、正の誘電率異方性を有する液晶も使用できることは言うまでもないが、負の誘電率異方性を有し、電圧無印加時にほぼ垂直配向し、電圧印加時に基板上に形成された突起または電極の抜き(スリット)により方向を規制されながら傾斜する性質を有するものが好ましい。
なお本発明は、配向膜を有するセル構造で、その内部表面にポリマーを積層させることで液晶の配向方向を規制する方式において使用できるものであるが、配向膜を有さない場合にも適用可能であることは言うまでもない。
次に本発明に係る例を詳述する。なお、焼き付き評価、残存重合性化合物濃度測定、これらの評価測定に供したテストセルの作製、液晶に対する室温における飽和溶解度の測定は下記の方法によった。
(1)テストセルの作製
熱処理等のテストにはテストセルを使用した。まず、図9に示すように、上下二つの5cm角の0.7mm厚のガラス基板2,3の内面にITO膜電極91を設け、図9,10に示すように基板を若干ずらせて重ね、図10に示すように熱硬化樹脂よりなるシール101を設けて、その内部に真空下液晶組成物を注入し、1cm角のテストセル102を作製した。液晶組成物の層厚は4μmであった。テストセルは、熱処理以外の放置時間中は室温下の暗室に保管した。
(2)焼き付き評価
テストサンプルの上下二つのITO膜電極間に、AC30V、30Hzの方形波を24時間印加し、テストセルの全面について、その前後のプレチルト角度をクリスタルローテーション法で測定し、その差(焼き付き測定前のプレチルト角度−焼き付き測定後のプレチルト角度)をもって、焼き付き度とした。なお、電圧印加時以外は、ITOの両電極を短絡させておいた。
(3)残存重合性化合物濃度測定
テストセルの液晶層部分を取り出し、ガスクロマトグラフィによる分析で測定した。液晶層部分を取り出した後、基板面を溶媒で抽出しても、残存重合性化合物濃度に変化は見られなかった。
(4)液晶に対する室温における飽和溶解度
液晶に大過剰の多官能重合性化合物を混合し、90℃で1時間撹拌した後、放冷し、室温で数日間放置した後、二層に分かれた液から、液晶層を取り出し、ガスクロマトグラフィで多官能重合性化合物濃度を測定し、その飽和溶解度とした。
[例1]
(熱処理の効果)
評価はテストセルで行った。液晶組成物は、負の誘電率異方性を有し、電圧無印加時にほぼ垂直配向し、電圧印加時に基板上に形成された突起または電極の抜きにより方向を規制されながら傾斜する性質を有する液晶、一分子に付き一個の重合性官能基を有する大日本インキ社製UCL−001を0.3重量%、一分子に付き二つの重合性官能基を有する重合性化合物として大日本インキ社製の液晶性ジアクリレートモノマーを0.3重量%の割合でブレンドして作製した。
UV処理は、AC10Vを印加しながらI線(365nm)で10J/cm2のUVを照射して行った。UV後の熱処理は、UV処理直後に行い、100℃の電気炉で種々の時間処理した。
その後10時間室温下に放置してから焼き付き測定を行った。結果を図11に示す。図11より、熱処理時間の増大と共に焼き付きが劇的に小さくなることがわかる。
さらに、熱処理をUV処理前に行うテストと、UV処理後18時間室温に放置した後に行うテストとを実施した。結果を図12に示す。図12より、UV処理前に行うテストでは、焼き付き防止効果がほとんどないことが示された。このことから、本発明に係る熱処理が、重合性化合物の撹拌による液晶組成物の均一化効果や液晶との相溶性向上により重合反応が改善された結果ではないものと考えることができる。
また、18時間放置後では、UV処理直後の熱処理を開始する場合と同等以上の焼き付き防止効果が示された。UV照射により始まった重合反応は、UV照射を止めても、なお持続し得ることが知られており、このUV照射後の重合が加熱により促進されるものと考えることができる。形成されたポリマー膜中には未反応基が多数残っている筈であり、それが加熱による熱エネルギーを受けて反応し、ポリマーが不可逆的に変形することの少ない(すなわち焼き付きの小さい)配向規制ポリマーに変化するためと考えることができる。なお、この熱処理においては、既述したごとく、残存重合性化合物量の減少は観察されないので、上記の未反応基は、ある程度重合が進んだ状態のものの未反応基であると思われる。
熱処理の温度については、図15に示すように最適な温度があることが判明した。今回使用した液晶組成物では、130℃付近で大きな効果が得られるが、さらに高温の170℃ではむしろ焼き付きが増す結果となった。なお、図15の熱処理は、UV照射後、室温の暗室下に20時間放置した後に行った。熱処理時時間は1時間であった。熱処理後10時間してから焼き付き評価を実施した。
種々検討した結果、熱処理の環境温度が50〜160℃の範囲にあることが好ましいことが判明した。50℃未満では、焼き付き減少効果が充分でないことが多い。160℃を超えると、再び焼き付き減少効果が低下した。
また、この温度範囲における熱処理は、0.5〜5時間の範囲内にあることが好ましいことが判明した。0.5時間未満では、焼き付き減少効果が充分でなかった。5時間を超える場合には、特段の改良は望めず、タクト時間が延び、好ましくないことが判明した。
なお、残存重合性化合物量を測定したところ、図16に示すように、UV照射後22時間室温放置後熱処理をした場合には、UV照射前の液層組成物に含まれる重合性化合物をベースにした場合、液晶層中の残存重合性化合物が約13重量%であり、UV照射直後に同様の熱処理をした場合における約30重量%より大幅に低下できることが判明した。これらの値は、その後室温に放置してもそれほど変化しない。このことは、UV照射後に残った重合性化合物の減少が、熱処理により何らかの形で妨げられる可能性があることを意味している。この残存重合性化合物は、上述したごとく少ない方が好ましい。すなわち、上記結果から、熱処理は、UV処理後、所定の放置時間をおいてから行うことが好ましいことが理解される。
検討の結果、エネルギー線照射から熱処理開始までの時間が1時間〜1週間の範囲にあることが好ましいことが判明した。このような条件を選択すると、液晶層中における重合性化合物の残存量が、エネルギー線照射直後の液晶層中における重合性化合物の残存量の3/4〜1/4の範囲に入り、その後熱処理すれば、より低い焼き付き度を実現できる。
[例2]
液晶組成物は、負の誘電率異方性を有し、電圧無印加時にほぼ垂直配向し、電圧印加時に基板上に形成された突起または電極の抜きにより方向を規制されながら傾斜する性質を有する液晶、一分子に付き二つの重合性官能基を有する重合性化合物として大日本インキ社製の液晶性ジアクリレートモノマーを0.3重量%、一分子に付き三つ以上の重合性官能基を有する重合性化合物として下記の各種材料を0.06重量%の割合でブレンドして作製した。比較のため、一分子中に三つ以上の重合性官能基を有する重合性化合物としての下記の各種材料をまったく使用せず、一分子に付き二つの重合性官能基を有する重合性化合物として大日本インキ社製の液晶性ジアクリレートモノマー0.3重量%のみを使用した液晶組成物も作製した。図中における表示の意味は下記の通りである。図中、たとえば、TMPTとあるのは、重合性化合物として、メインモノマーに加えてTMPTを含有することを意味する。
メインモノマー 大日本インキ社製の液晶性ジアクリレートモノマー
TMPT 一分子中に三つの重合性官能基を持つ化合物、東亜合成(株)製
TMPTダイマー 一分子中に四つの重合性官能基を持つ化合物、
DPHA(ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート)
一分子中に六つの重合性官能基を持つ化合物、
モノマーA 一分子中に四つの重合性官能基を持つ化合物、
モノマーB 一分子中に四つの重合性官能基を持つ化合物、
モノマーC 一分子中に四つの重合性官能基を持つ化合物。
テストセルのITO電極間にAC10Vの電圧を印加し、所定の配向となった状態で、強度50mW/cm2紫外線を50〜400秒の範囲で照射し液晶組成物を硬化させた。UV照射後の熱処理は採用しなかった。焼き付き度の測定は、UV照射処理後24時間室温に放置した後行った。
液晶組成物に各種多官能重合性化合物を添加したときの焼きつき度を添加しない場合と比較して図17に示す。モノマーもしくはダイマーの種類によらず、多官能重合性化合物を使用すると焼きつきが低減することが判る。図18は、このうち、紫外線照射時間を種々変更した場合における、液晶組成物にDPHAを添加したときの焼き付き度と添加しない場合の焼き付き度とを比較したものである。この図から、紫外線照射時間を長くしても、多官能重合性化合物添加の効果が残ることが理解される。
次に、上記の各ケースについて、表示むらの評価結果を図19に示す。図19より、DPHA,モノマーA,モノマーB,モノマーCなどのアクリレート系材料では、セル写真に示すように中央に縦白筋が見えるが、TMPTモノマーやダイマーでは表示むらが発生しないことがわかる。
そこで、それぞれの多官能重合性化合物の、室温における液晶に対する飽和溶解度を測定したところ、図20の結果を得た。このことから、TMPTモノマーやダイマーは、液晶に対する溶解性が高く、そのため、液晶組成物における濃度むらが生ぜず、その結果、表示むらが防止できたものと理解される。
なお、UV照射後20時間放置した後のサンプル中の残存重合性化合物量を測定した結果を図4に示す。この図より、多官能重合性化合物の添加により、残存重合性化合物量が減少することが理解される。残存重合性化合物量の減少は、既述のごとく、焼き付き防止に役立つので、これも好ましい効果である。
なお、上記に開示した内容から、下記の付記に示した発明が導き出せる。
(付記1)
2枚の基板間に、液晶分子と、エネルギー線またはエネルギー線と熱の組み合わせにより重合し、当該液晶分子の傾斜方向を規定し得る重合性化合物とを含む液晶組成物を配置し、エネルギー線を照射して当該重合性化合物を重合させ、その後熱処理を行う、液晶表示装置の製造方法。
(付記2)
前記熱処理の環境温度が50〜160℃の範囲にある時間が、0.5〜5時間の範囲内にある、付記1に記載の液晶表示装置の製造方法。
(付記3)
前記エネルギー線照射から熱処理開始までの時間が1時間〜1週間の範囲にある、付記1または2に記載の液晶表示装置の製造方法。
(付記4)
液晶層中における重合性化合物の残存量が、前記エネルギー線照射直後の液晶層中における重合性化合物の残存量の3/4〜1/4の範囲内になった後熱処理を開始する、付記1または2に記載の液晶表示装置の製造方法。
(付記5)
2枚の基板間に、液晶分子と、エネルギー線またはエネルギー線と熱の組み合わせにより重合し、当該液晶分子の傾斜方向を規定し得る重合性化合物とを含む液晶組成物を配置し、エネルギー線を照射して当該重合性化合物を重合させる液晶表示装置の製造方法において、
当該重合性化合物が、一分子中に二つの重合性官能基を有する重合性化合物または一分子中に一つの重合性官能基を有する重合性化合物と一分子中に二つの重合性官能基を有する重合性化合物との組み合わせに加え、一分子中に三つ以上の重合性官能基を有し、液晶に対する室温における飽和溶解度が1重量%以上である多官能重合性化合物を含む、液晶表示装置の製造方法。
(付記6)
前記多官能重合性化合物量を、全重合性化合物中、5〜100重量%含有させる、付記5に記載の液晶表示装置の製造方法。
(付記7)
前記多官能重合性化合物が、末端部分に、親油性が、アクリル酸エステルより高い置換アクリル酸エステル構造を有する、付記5または6に記載の液晶表示装置の製造方法。
(付記8)
前記多官能重合性化合物が、式(1)で表される構造の末端基を有する、付記5または6に記載の液晶表示装置の製造方法。
Figure 2005221617
(式(1)中、Rは、枝分かれしていてもよいアルキル基である。)
(付記9)
前記多官能重合性化合物が、末端部分に、メタクリル酸エステル構造を有する、付記5または6に記載の液晶表示装置の製造方法。
(付記10)
前記多官能重合性化合物が、トリメチロールプロパントリメタクリレートのモノマーもしくはダイマーである、付記5または6に記載の液晶表示装置の製造方法。
(付記11)
2枚の基板間に、液晶分子と、エネルギー線またはエネルギー線と熱の組み合わせにより重合し、当該液晶分子の傾斜方向を規定し得る重合性化合物とを含む液晶組成物を配置し、エネルギー線を照射して当該重合性化合物を重合させ、その後熱処理を行う、付記6〜10に記載の液晶表示装置の製造方法。
(付記12)
前記熱処理の環境温度が50〜160℃の範囲にある時間が、0.5〜5時間の範囲内にある、付記11に記載の液晶表示装置の製造方法。
(付記13)
前記エネルギー線照射から熱処理開始までの時間が1時間〜1週間の範囲にある、付記11または12に記載の液晶表示装置の製造方法。
(付記14)
液晶層中における重合性化合物の残存量が、前記エネルギー線照射直後の液晶層中における重合性化合物の残存量の3/4〜1/4の範囲内になった後熱処理を開始する、付記11または12に記載の液晶表示装置の製造方法。
(付記15)
前記エネルギー線が、313nmの波長を含む紫外線である、付記1〜14に記載の液晶表示装置の製造方法。
(付記16)
前記液晶分子が負の誘電率異方性を有し、電圧無印加時にほぼ垂直配向し、電圧印加時に基板上に形成された突起または電極の抜きにより方向を規制されながら傾斜する性質を有する、付記1〜15のいずれかに記載の液晶表示装置の製造方法。
(付記17)
付記1〜16のいずれかに記載の液晶表示装置の製造方法により作製された液晶表示装置。
MVA方式の液晶パネルの模式的斜視図である。 MVA方式の液晶表示装置の液晶パネルにおける液晶分子の配向方向を示す模式的平面図である。 重合開始剤による、「ハの字」状の表示むらを例示する模式図である。 多官能重合性化合物等を使用した場合のサンプル中の残存重合性化合物量を測定した結果を示すグラフである。 本発明に係る重合性化合物を重合させて、架橋物層を液晶接触面に形成させる様子を示す模式図である。 本発明に係る重合性化合物を重合させて、架橋物層を液晶接触面に形成させる様子を示す模式図である。 高分子分散型の液晶層の模式的断面図である。 本発明に係る液晶層の模式的断面図である。 エネルギー線照射後室温に放置した場合の残存重合性化合物量の変化の一例を示すモデル図である。 テストセルの作製法を示す模式的断面図である。 テストセルの作製法を示す模式的平面図である。 熱処理時間と焼き付き度との関係を示すグラフである。 焼き付き防止効果に対する熱処理のタイミングの影響示すグラフである。 液晶層接触面を横から見た模式的断面図である。 液晶層を上から見た模式的平面図である。 焼き付き度に対する熱処理の温度の影響を示すグラフである。 熱処理のタイミングと残存重合性化合物量との関係を示すグラフである。 液晶組成物に各種多官能重合性化合物を添加したときの焼きつき度を添加しない場合と比較したグラフである。 紫外線照射時間を種々変更した場合における、液晶組成物にDPHAを添加したときの焼き付き度と添加しないときの焼き付き度とを比較したグラフである。 液晶組成物に各種多官能重合性化合物を添加したときの表示むらの評価結果を示す写真である。 多官能重合性化合物等の、室温における液晶に対する飽和溶解度を示すグラフである。
符号の説明
1 液晶分子
2 ガラス基板
3 ガラス基板
4 凹凸部
8 液晶層接触面
31 注入側
32 反注入側
51 重合性化合物
52 付着架橋構造部分
53 立ち上がり末端部分
61 ポリマーのネットワーク

Claims (5)

  1. 2枚の基板間に、液晶分子と、エネルギー線またはエネルギー線と熱の組み合わせにより重合し、当該液晶分子の傾斜方向を規定し得る重合性化合物とを含む液晶組成物を配置し、エネルギー線を照射して当該重合性化合物を重合させ、その後熱処理を行う、液晶表示装置の製造方法。
  2. 2枚の基板間に、液晶分子と、エネルギー線またはエネルギー線と熱の組み合わせにより重合し、当該液晶分子の傾斜方向を規定し得る重合性化合物とを含む液晶組成物を配置し、エネルギー線を照射して当該重合性化合物を重合させる液晶表示装置の製造方法において、
    当該重合性化合物が、一分子中に二つの重合性官能基を有する重合性化合物または一分子中に一つの重合性官能基を有する重合性化合物と一分子中に二つの重合性官能基を有する重合性化合物との組み合わせに加え、一分子中に三つ以上の重合性官能基を有し、液晶に対する室温における飽和溶解度が1重量%以上である多官能重合性化合物を含む、液晶表示装置の製造方法。
  3. 前記多官能重合性化合物が、末端部分に、メタクリル酸エステル構造を有する請求項2に記載の液晶表示装置の製造方法。
  4. 2枚の基板間に、液晶分子と、エネルギー線またはエネルギー線と熱の組み合わせにより重合し、当該液晶分子の傾斜方向を規定し得る重合性化合物とを含む液晶組成物を配置し、エネルギー線を照射して当該重合性化合物を重合させ、その後熱処理を行う、請求項2または3に記載の液晶表示装置の製造方法。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の液晶表示装置の製造方法により作製された液晶表示装置。
JP2004027906A 2004-02-04 2004-02-04 液晶表示装置およびその製造方法 Expired - Lifetime JP4437408B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004027906A JP4437408B2 (ja) 2004-02-04 2004-02-04 液晶表示装置およびその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004027906A JP4437408B2 (ja) 2004-02-04 2004-02-04 液晶表示装置およびその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005221617A true JP2005221617A (ja) 2005-08-18
JP4437408B2 JP4437408B2 (ja) 2010-03-24

Family

ID=34997319

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004027906A Expired - Lifetime JP4437408B2 (ja) 2004-02-04 2004-02-04 液晶表示装置およびその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4437408B2 (ja)

Cited By (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2010119779A1 (ja) 2009-04-14 2010-10-21 Dic株式会社 重合性化合物を含有する液晶組成物及びそれを使用した液晶表示素子
WO2012086718A1 (ja) * 2010-12-22 2012-06-28 シャープ株式会社 液晶表示装置及びその製造方法
WO2013008727A1 (ja) * 2011-07-14 2013-01-17 シャープ株式会社 液晶表示装置及び液晶表示装置の製造方法
JP2014089463A (ja) * 2005-09-15 2014-05-15 Semiconductor Energy Lab Co Ltd 液晶表示装置の作製方法
US9036119B2 (en) 2011-03-09 2015-05-19 Sharp Kabushiki Kaisha Liquid crystal composition, liquid crystal display device, and method for producing liquid crystal display device
US9182632B2 (en) 2010-12-06 2015-11-10 Sharp Kabushiki Kaisha Liquid crystal display device and method for manufacturing liquid crystal display device
US9195097B2 (en) 2010-08-03 2015-11-24 Sharp Kabushiki Kaisha Liquid crystal display device and process for producing liquid-crystal display device
US9239493B2 (en) 2010-12-22 2016-01-19 Sharp Kabushiki Kaisha Liquid crystal alignment agent, liquid crystal display, and method for manufacturing liquid crystal display
JP2016157138A (ja) * 2016-04-19 2016-09-01 スタンレー電気株式会社 液晶分子配向基板および液晶表示素子
US9644146B2 (en) 2010-09-07 2017-05-09 Sharp Kabushiki Kaisha Composition for forming liquid crystal layer, liquid crystal display device, and method for producing liquid crystal display device
JP2018504644A (ja) * 2015-02-06 2018-02-15 深▲せん▼市華星光電技術有限公司Shenzhen China Star Optoelectronics Technology Co., Ltd. 液晶パネルの配向膜の製造方法
US10126601B2 (en) 2012-04-27 2018-11-13 Sharp Kabushiki Kaisha Liquid crystal display device and method for manufacturing liquid crystal display device

Cited By (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014089463A (ja) * 2005-09-15 2014-05-15 Semiconductor Energy Lab Co Ltd 液晶表示装置の作製方法
WO2010119779A1 (ja) 2009-04-14 2010-10-21 Dic株式会社 重合性化合物を含有する液晶組成物及びそれを使用した液晶表示素子
US8603358B2 (en) 2009-04-14 2013-12-10 Dic Corporation Liquid crystal composition containing polymerizable compound and liquid crystal display element using the same
US9195097B2 (en) 2010-08-03 2015-11-24 Sharp Kabushiki Kaisha Liquid crystal display device and process for producing liquid-crystal display device
US9644146B2 (en) 2010-09-07 2017-05-09 Sharp Kabushiki Kaisha Composition for forming liquid crystal layer, liquid crystal display device, and method for producing liquid crystal display device
US9182632B2 (en) 2010-12-06 2015-11-10 Sharp Kabushiki Kaisha Liquid crystal display device and method for manufacturing liquid crystal display device
US9239493B2 (en) 2010-12-22 2016-01-19 Sharp Kabushiki Kaisha Liquid crystal alignment agent, liquid crystal display, and method for manufacturing liquid crystal display
WO2012086718A1 (ja) * 2010-12-22 2012-06-28 シャープ株式会社 液晶表示装置及びその製造方法
US9036119B2 (en) 2011-03-09 2015-05-19 Sharp Kabushiki Kaisha Liquid crystal composition, liquid crystal display device, and method for producing liquid crystal display device
WO2013008727A1 (ja) * 2011-07-14 2013-01-17 シャープ株式会社 液晶表示装置及び液晶表示装置の製造方法
US10126601B2 (en) 2012-04-27 2018-11-13 Sharp Kabushiki Kaisha Liquid crystal display device and method for manufacturing liquid crystal display device
JP2018504644A (ja) * 2015-02-06 2018-02-15 深▲せん▼市華星光電技術有限公司Shenzhen China Star Optoelectronics Technology Co., Ltd. 液晶パネルの配向膜の製造方法
JP2016157138A (ja) * 2016-04-19 2016-09-01 スタンレー電気株式会社 液晶分子配向基板および液晶表示素子

Also Published As

Publication number Publication date
JP4437408B2 (ja) 2010-03-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN1204445C (zh) 液晶显示装置及其制造方法
US8691349B2 (en) Liquid crystal display panel and fabricating method thereof
KR100236256B1 (ko) 액정 표시 장치, 그 제조 방법 및 그 구동 방법
KR100654270B1 (ko) 액정 표시 장치 및 그의 제조 방법
JP5476427B2 (ja) 液晶表示装置
JP5587294B2 (ja) 液晶表示装置、液晶表示装置の製造方法、psa層形成用組成物、及び、液晶層形成用組成物
US20060103804A1 (en) Liquid crystal display device and method of manufacture of the same
US9678386B2 (en) Liquid-crystal display device and process for producing liquid-crystal display device
JP4437408B2 (ja) 液晶表示装置およびその製造方法
US8455062B2 (en) Liquid crystal display panel and process for production thereof
JP2006058755A (ja) 液晶表示装置およびその製造方法
TW201231502A (en) Liquid crystal display device
US8411238B2 (en) Liquid crystal display panel and process for production thereof
WO2014045923A1 (ja) 液晶表示装置及びその製造方法
JP4311964B2 (ja) 液晶表示装置
WO2012017884A1 (ja) 液晶表示装置及び液晶表示装置の製造方法
JP2000517439A (ja) 複数ドメイン液晶表示装置
TWI276900B (en) Method for producing liquid crystal display device
US20050134790A1 (en) Liquid crystal display device and manufacturing method therefor
US8094278B2 (en) Liquid crystal display device
TWI704393B (zh) 顯示裝置
JP2019152835A (ja) 配向膜付き基板の製造方法
JP2004302013A (ja) 液晶表示装置の製造方法
JPH09101507A (ja) 液晶電気光学素子の製造方法
JP2007133444A (ja) 液晶表示装置及びその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20060330

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20061023

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20061023

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20061023

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20070523

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20090501

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090512

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090807

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20091222

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20091222

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130115

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4437408

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130115

Year of fee payment: 3

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313117

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130115

Year of fee payment: 3

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130115

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term