JP2005220556A - スパイラルフープ筋を用いた内側から外側の方向へのプレストレスト構造のコンクリート構造物の構築方法及びそのコンクリート構造物 - Google Patents
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Abstract
【課題】スパイラルフープ筋を用いて内側から外側へのプレストレスをかけることにより、コンクリート柱の強度の増大を図ることができるスパイラルフープ筋を用いた内側から外側方向へのプレストレスト構造のコンクリート構造物の構築方法及びそのコンクリート構造物を提供する。
【解決手段】円筒状の鋼管１の内部に軸方向鉄筋３と円筒状の内型枠２を有し、前記軸方向鉄筋３と内型枠２の間にスパイラルフープ筋４を、そのスパイラルフープ筋４の径を小さくするように捩れ力を付与した状態で配置して、前記鋼管１と内型枠２の間にコンクリート５を打設する工程と、前記コンクリート５の硬化後にスパイラルフープ筋４の前記捩れ力を解放する工程と、前記円筒状の内型枠２を外す工程とを施す。
【選択図】図１
【解決手段】円筒状の鋼管１の内部に軸方向鉄筋３と円筒状の内型枠２を有し、前記軸方向鉄筋３と内型枠２の間にスパイラルフープ筋４を、そのスパイラルフープ筋４の径を小さくするように捩れ力を付与した状態で配置して、前記鋼管１と内型枠２の間にコンクリート５を打設する工程と、前記コンクリート５の硬化後にスパイラルフープ筋４の前記捩れ力を解放する工程と、前記円筒状の内型枠２を外す工程とを施す。
【選択図】図１
Description
本発明は、橋脚や基礎に用いられるスパイラルフープ筋を用いた内側から外側の方向へのプレストレスト構造のコンクリート構造物の構築方法及びそのコンクリート構造物に関するものである。
従来、円形断面のＲＣ（Ｒｅｉｎｆｏｒｃｅｄ Ｃｏｎｃｒｅｔｅ：鉄筋コンクリート）橋脚においては、スパイラル筋が用いられて横拘束効果を持たせるようにしている。
「円形断面ＲＣ橋脚に対するスパイラル筋の横拘束効果」、構造工学論文集 Ｖｏｌ．４８Ａ（２００２年３月）、ｐｐ．７１５−７２３
「円形断面ＲＣ橋脚に対するスパイラル筋の横拘束効果」、構造工学論文集 Ｖｏｌ．４８Ａ（２００２年３月）、ｐｐ．７１５−７２３
しかしながら、コンクリートはひび割れが生じ易いといった問題があった。
本発明は、スパイラルフープ筋を用いて内側から外側へのプレストレスをかけることにより、コンクリート柱の強度の増大を図ることができるスパイラルフープ筋を用いた内側から外側方向へのプレストレスト構造のコンクリート構造物の構築方法及びそのコンクリート構造物を提供することを目的とする。
本発明は、上記目的を達成するために、
〔１〕スパイラルフープ筋を用いた内側から外側の方向へのプレストレスト構造のコンクリート構造物の構築方法において、円筒状の鋼管とその鋼管の内部に軸方向鉄筋と円筒状の内型枠を有し、前記軸方向鉄筋と内型枠の間にスパイラルフープ筋を、そのスパイラルフープ筋の径を小さくするように捩れ力を付与した状態で配置して、前記鋼管と内型枠の間にコンクリートを打設する工程と、前記コンクリートの硬化後にスパイラルフープ筋の前記捩れ力を解放する工程と、前記円筒状の内型枠を外す工程とを施す。
〔１〕スパイラルフープ筋を用いた内側から外側の方向へのプレストレスト構造のコンクリート構造物の構築方法において、円筒状の鋼管とその鋼管の内部に軸方向鉄筋と円筒状の内型枠を有し、前記軸方向鉄筋と内型枠の間にスパイラルフープ筋を、そのスパイラルフープ筋の径を小さくするように捩れ力を付与した状態で配置して、前記鋼管と内型枠の間にコンクリートを打設する工程と、前記コンクリートの硬化後にスパイラルフープ筋の前記捩れ力を解放する工程と、前記円筒状の内型枠を外す工程とを施す。
〔２〕スパイラルフープ筋を用いた内側から外側の方向へのプレストレスト構造のコンクリート構造物であって、上記〔１〕記載のスパイラルフープ筋を用いた内側から外側の方向へのプレストレスト構造のコンクリート構造物の構築方法を用いて構築される。
〔３〕上記〔２〕記載のスパイラルフープ筋を用いた内側から外側の方向へのプレストレスト構造のコンクリート構造物において、前記コンクリート構造物がＣＦＴ柱である。
〔４〕上記〔２〕記載のスパイラルフープ筋を用いた内側から外側の方向へのプレストレスト構造のコンクリート構造物において、前記コンクリート構造物が基礎杭である。
〔５〕上記〔２〕〜〔４〕の何れか一項記載のスパイラルフープ筋を用いた内側から外側の方向へのプレストレスト構造のコンクリート構造物において、スパイラルフープ筋が異形鉄筋からなる。
〔６〕上記〔１〕記載のスパイラルフープ筋を用いた内側から外側の方向へのプレストレスト構造のコンクリート構造物の構築方法であって、スパイラルフープ筋として異形鉄筋を用いたことを特徴とするスパイラルフープ筋を用いた内側から外側の方向へのプレストレスト構造のコンクリート構造物の構築方法。
本発明によれば、コンクリート構造物において、スパイラルフープ筋を用いて内側から外側へのプレストレスをかけることにより、コンクリート柱の強度の増大を図ることができる。
スパイラルフープ筋を用いた内側から外側の方向へのプレストレスト構造のコンクリート構造物の構築方法であって、円筒状の鋼管の内部に軸方向鉄筋と円筒状の内型枠を有し、前記軸方向鉄筋と内型枠の間にスパイラルフープ筋を、このスパイラルフープ筋の径を小さくするように捩れ力を付与した状態で配置して、前記鋼管と内型枠の間にコンクリートを打設する工程と、前記コンクリートの硬化後にスパイラルフープ筋の前記捩れ力を解放する工程と、前記円筒状の内型枠を外す工程とを施す。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
図１は本発明の実施例を示すスパイラルフープ筋を用いた内側から外側方向へのプレストレスト構造の中空ＣＦＴ柱の構築工程図、図２はそのスパイラルフープ筋の作用の説明図、図３はその中空ＣＦＴ柱のプレストレスの説明図である。
（１）まず、図１（ａ）に示すように、外側には鋼管（外型枠を兼ねる）１を、内側には円筒状の内型枠２をそれぞれ配置し、その鋼管１と内型枠２との間に軸方向鉄筋３と、その軸方向鉄筋３と内型枠２の間にスパイラルフープ筋４を配置する。
（２）次に、図１（ｂ）に示すように、スパイラルフープ筋４を径方向に小さくなるように捩れ力を加えた状態にする。
（３）次に、図１（ｃ）に示すように、スパイラルフープ筋４を径方向に小さくなるように捩れ力を加えた状態下で、コンクリート５を打設する。
（４）次に、図１（ｄ−１）に示すように、打設されたコンクリート５の硬化後、スパイラルフープ筋４の捩れ力を解放する。なお、この工程での横断面図を図１（ｄ−２）として示している。
（５）次に、図１（ｅ）に示すように、円筒状の内型枠２を外し前記コンクリート５よりはみ出したスパイラルフープ筋４をカットする。
ここで、本発明のスパイラルフープ筋の作用について詳述すると、
まず、図２（ａ）に示すように、初期状態にあるスパイラルフープ筋４に、図２（ｂ）に示すように、スパイラルフープ筋４の径が小さくなるように捩れ力Ｆを付与する。そこで、コンクリート５を打設し、コンクリート５の硬化後に、その捩れ力Ｆを解放すると、図２（ｃ）に示すように、スパイラルフープ筋４は捩れ力が戻されて初期状態へと復元する力が働くことになる。
まず、図２（ａ）に示すように、初期状態にあるスパイラルフープ筋４に、図２（ｂ）に示すように、スパイラルフープ筋４の径が小さくなるように捩れ力Ｆを付与する。そこで、コンクリート５を打設し、コンクリート５の硬化後に、その捩れ力Ｆを解放すると、図２（ｃ）に示すように、スパイラルフープ筋４は捩れ力が戻されて初期状態へと復元する力が働くことになる。
このようにして構築されたプレストレスト構造の中空ＣＦＴ柱６は、図３に示すように、コンクリート５に、内側より外側の方向へプレストレスが加えられている。つまり、スパイラルフープ筋４に付与されている捩れ力が解放されると、外側へ径を広げようとする力が働き、スパイラルフープ筋４が鋼管１に向かってコンクリート５を押し付けることになり、拘束力が大きくなって、中空ＣＦＴ柱の強度の増大を図ることができる。
上記では中空ＣＦＴ柱について述べたが、基礎杭についても適用することができる。
なお、上記実施例におけるスパイラルフープ筋としては、リブ又は節などの表面突起を有する棒鋼でコンクリートに埋め込んだときにコンクリートとの付着が大きく取れるようにした異形鉄筋を用いるのが望ましい。
また、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づき種々の変形が可能であり、これらを本発明の範囲から排除するものではない。
本発明のスパイラルフープ筋を用いた内側から外側の方向へのプレストレスト構造のコンクリート構造物の構築方法及びそのコンクリート構造物は、コンクリート柱の強度の増大を図ることができ、ＲＣ橋脚や基礎杭などに適している。
１ 鋼管（外型枠を兼ねる）
２ 円筒状の内型枠
３ 軸方向鉄筋
４ スパイラルフープ筋
５ コンクリート
６ プレストレスト構造の中空ＣＦＴ柱
２ 円筒状の内型枠
３ 軸方向鉄筋
４ スパイラルフープ筋
５ コンクリート
６ プレストレスト構造の中空ＣＦＴ柱
Claims (6)
- （ａ）円筒状の鋼管と該鋼管の内部に軸方向鉄筋と円筒状の内型枠を有し、前記軸方向鉄筋と内型枠の間にスパイラルフープ筋を、該スパイラルフープ筋の径を小さくするように捩れ力を付与した状態で配置して、前記鋼管と内型枠の間にコンクリートを打設する工程と、
（ｂ）前記コンクリートの硬化後にスパイラルフープ筋の前記捩れ力を解放する工程と、
（ｃ）前記円筒状の内型枠を外す工程とを施すスパイラルフープ筋を用いた内側から外側の方向へのプレストレスト構造のコンクリート構造物の構築方法。 - 請求項１記載のスパイラルフープ筋を用いた内側から外側の方向へのプレストレスト構造のコンクリート構造物の構築方法を用いて構築されるスパイラルフープ筋を用いた内側から外側の方向へのプレストレスト構造のコンクリート構造物。
- 請求項２記載のスパイラルフープ筋を用いた内側から外側の方向へのプレストレスト構造のコンクリート構造物において、前記コンクリート構造物がＣＦＴ柱であるスパイラルフープ筋を用いた内側から外側の方向へのプレストレスト構造のコンクリート構造物。
- 請求項２記載のスパイラルフープ筋を用いた内側から外側の方向へのプレストレスト構造のコンクリート構造物において、前記コンクリート構造物が基礎杭であるスパイラルフープ筋を用いた内側から外側の方向へのプレストレスト構造のコンクリート構造物。
- 請求項２〜４の何れか一項記載のスパイラルフープ筋を用いた内側から外側の方向へのプレストレスト構造のコンクリート構造物において、スパイラルフープ筋が異形鉄筋からなるスパイラルフープ筋を用いた内側から外側の方向へのプレストレスト構造のコンクリート構造物。
- 請求項１記載のスパイラルフープ筋を用いた内側から外側の方向へのプレストレスト構造のコンクリート構造物の構築方法であって、スパイラルフープ筋として異形鉄筋を用いたことを特徴とするスパイラルフープ筋を用いた内側から外側の方向へのプレストレスト構造のコンクリート構造物の構築方法。
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