JP2005220260A - 低透湿性光硬化型樹脂組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】 低透湿性に優れた硬化物が得られると共に、硬化に際して加熱処理を必要とせず、硬化性に優れ、低コストで効率良く硬化物を得ることが可能な低透湿性光硬化型樹脂組成物を提供する。
【解決手段】 本発明の低透湿性光硬化型樹脂組成物は、膜厚100μmとして成膜した際の透湿度が30g/m2・24h以下である低透湿性有機高分子化合物(A)と、カチオン重合性官能基を有する化合物(B)と、カチオン性光重合開始剤(C)とを含有することを特徴とする。
【選択図】 なし
【解決手段】 本発明の低透湿性光硬化型樹脂組成物は、膜厚100μmとして成膜した際の透湿度が30g/m2・24h以下である低透湿性有機高分子化合物(A)と、カチオン重合性官能基を有する化合物(B)と、カチオン性光重合開始剤(C)とを含有することを特徴とする。
【選択図】 なし
Description
本発明は、低透湿性に優れた硬化物が得られる低透湿性光硬化型樹脂組成物に関する。
防湿性付与手段として、塩化ビニリデン系共重合体等の低透湿性有機高分子化合物によるコーティングが知られている。従来、コーティング剤組成物としては、低透湿性有機高分子化合物を溶剤に溶解させた溶液や、同化合物を乳化剤を含む水中に分散させたエマルションが主流であった。該技術では、組成物を被処理物にコーティングした後、加熱乾燥する必要があり、消費エネルギー、成膜コスト、成膜効率等の点で好ましくなかった。
かかる背景下、塩化ビニリデン系共重合体に、アクリロイル基を有する光重合性プレポリマー、及び光重合開始剤を合わせて配合した樹脂組成物が提案されている(特許文献1)。この組成物は光硬化性を有するため、成膜時に加熱処理を要しないが、得られる膜の透湿度(低透湿性)は充分ではなかった。
一方、オキセタン環を有する化合物及びカチオン性光重合開始剤にシランカップリング剤と微粒子無機フィラーを添加することで、防湿性を付与する技術が提案されている(特許文献2)。しかしながら、この技術でも、得られる膜の透湿度(低透湿性)の改良効果は充分ではなかった。
特開平5−222318号公報
特開2001−139933号公報
一方、オキセタン環を有する化合物及びカチオン性光重合開始剤にシランカップリング剤と微粒子無機フィラーを添加することで、防湿性を付与する技術が提案されている(特許文献2)。しかしながら、この技術でも、得られる膜の透湿度(低透湿性)の改良効果は充分ではなかった。
本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであり、低透湿性に優れた硬化物が得られると共に、硬化に際して加熱処理を必要とせず、硬化性に優れ、低コストで効率良く硬化物を得ることが可能な低透湿性光硬化型樹脂組成物を提供することを目的とする。
本発明者は上記課題を解決するべく鋭意検討し、低透湿性有機高分子化合物に、カチオン重合性官能基を有する化合物とカチオン性光重合開始剤とを配合することで、硬化性に優れ、しかも低透湿性に優れた硬化物が得られる低透湿性光硬化型樹脂組成物が得られることを見出した。
本発明の低透湿性光硬化型樹脂組成物は、膜厚100μmとして成膜した際の透湿度が30g/m2・24h以下である低透湿性有機高分子化合物(A)と、カチオン重合性官能基を有する化合物(B)と、カチオン性光重合開始剤(C)とを含有することを特徴とする。
なお、本明細書において、「透湿度」は、JIS Z0208に準拠して測定されるものとする。
なお、本明細書において、「透湿度」は、JIS Z0208に準拠して測定されるものとする。
本発明によれば、低透湿性に優れた硬化物が得られると共に、硬化に際して加熱処理を必要とせず、硬化性に優れ、低コストで効率良く硬化物を得ることが可能な低透湿性光硬化型樹脂組成物を提供することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の低透湿性光硬化型樹脂組成物は、低透湿性有機高分子化合物と、特定の光硬化性化合物と、特定の光重合開始剤とを含有してなる。
本発明の低透湿性光硬化型樹脂組成物は、低透湿性有機高分子化合物と、特定の光硬化性化合物と、特定の光重合開始剤とを含有してなる。
「(A)成分」
低透湿性有機高分子化合物(A)は、硬化物に低透湿性を付与する成分である。本発明では、(A)成分として、膜厚100μmとして成膜した際の透湿度(以下、単に透湿度と言う。)が30g/m2・24h以下、好ましくは10g/m2・24h以下の有機高分子化合物を用いる。かかる透湿度の有機高分子化合物を用いることで、硬化物の低透湿性が著しく良好なものとなる。
低透湿性有機高分子化合物(A)は、硬化物に低透湿性を付与する成分である。本発明では、(A)成分として、膜厚100μmとして成膜した際の透湿度(以下、単に透湿度と言う。)が30g/m2・24h以下、好ましくは10g/m2・24h以下の有機高分子化合物を用いる。かかる透湿度の有機高分子化合物を用いることで、硬化物の低透湿性が著しく良好なものとなる。
(A)成分としては上記物性を有するものであれば特に限定されないが、塩化ビニリデン系共重合体、ポリエステル樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂、酢酸ビニル−エチレン共重合体、エチレン−ビニルアルコール共重合体、ポリ塩化ビニル、変性ポリアクリロニトリル等が具体的に挙げられる。これらは1種又は2種以上を用いることができる。
中でも、塩化ビニリデン系共重合体、ポリエステル樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂は、透湿度が10g/m2・24h以下であり、好適である。塩化ビニリデン系共重合体には、透湿度が0.2〜10g/m2・24hと極めて低いものがあり、これを用いることが特に好ましい。
中でも、塩化ビニリデン系共重合体、ポリエステル樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂は、透湿度が10g/m2・24h以下であり、好適である。塩化ビニリデン系共重合体には、透湿度が0.2〜10g/m2・24hと極めて低いものがあり、これを用いることが特に好ましい。
塩化ビニリデン系共重合体としては、塩化ビニリデン単位を含む共重合体であれば特に限定されないが、塩化ビニリデンと塩化ビニル、さらに必要に応じてこれらと共重合可能な他のビニル化合物(例えば、(メタ)アクリル酸エステル、エポキシ環を有するビニル化合物、オキセタン環を有するビニル化合物等)の共重合体等が好適に用いられる。かかる共重合体は、公知の乳化重合法等にて製造することができ、例えば、上記モノマーの混合物を乳化重合し、得られたラテックスを塩析・水洗・乾燥するなどして、製造できる。
用いて好適な市販の塩化ビニリデン系共重合体(レジン又はラテックス)としては、サランレジンF214、R206、R241C(いずれも商品名、旭化成ケミカルズ社製)、サランラテックスL502、L509、L521、L529B、L536B、L561A、L549B、L551A、L551B、L524(いずれも商品名、旭化成ケミカルズ社)などが挙げられる。ラテックスの場合、必要に応じて、乾燥等を実施して共重合体成分を固状で取り出し、組成物に配合する。
例示した中でも、サランレジンF214や、サランラテックスL502、L509、L521に含まれる共重合体が、本発明の組成物の他の成分との相溶性に優れ、好ましい。
例示した中でも、サランレジンF214や、サランラテックスL502、L509、L521に含まれる共重合体が、本発明の組成物の他の成分との相溶性に優れ、好ましい。
「(B)成分」
本発明の組成物では、光硬化性化合物として、カチオン重合性官能基を有する化合物(B)を配合する。該成分は、カチオン性光重合開始剤((C)成分)存在下で、紫外線や可視光線等の活性エネルギー線を照射することで重合反応や架橋反応を起こし、硬化する成分である。(B)成分は、モノマーであっても良いし、オリゴマー等のプレポリマーであっても良いが、カチオン重合性官能基として、ビニル基、エポキシ環、オキセタン環のうち少なくとも1種を有するものが好ましい。カチオン重合性官能基を有する化合物(B)は、1種を単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明の組成物では、光硬化性化合物として、カチオン重合性官能基を有する化合物(B)を配合する。該成分は、カチオン性光重合開始剤((C)成分)存在下で、紫外線や可視光線等の活性エネルギー線を照射することで重合反応や架橋反応を起こし、硬化する成分である。(B)成分は、モノマーであっても良いし、オリゴマー等のプレポリマーであっても良いが、カチオン重合性官能基として、ビニル基、エポキシ環、オキセタン環のうち少なくとも1種を有するものが好ましい。カチオン重合性官能基を有する化合物(B)は、1種を単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
ビニル基を有する光硬化性化合物の具体例としては、スチレン化合物、アルキルビニルエーテル化合物、アルケニルビニルエーテル化合物、アリールビニルエーテル化合物、多官能ビニル化合物、プロペニル化合物、イソプロペニル化合物、カチオン重合性窒素含有化合物等が挙げられる。これらビニル基を有する光硬化性化合物は、1種を単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
エポキシ環を有する光硬化性化合物の具体例としては、各種グリシジルエーテル型エポキシ化合物、脂環式エポキシ化合物、エポキシ化ビニル化合物等が挙げられる。これらエポキシ環を有する光硬化性化合物は、1種を単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
ここで、グリシジルエーテル型エポキシ化合物としては、モノグリシジルエーテル、芳香族環を有する多価フェノール類又はそのアルキレンオキサイド付加体のジ又はポリグリシジルエーテル、脂肪族多価アルコール又はそのアルキレンオキサイド付加体のジ又はポリグリシジルエーテル等が挙げられる。
具体的には、フェニルグリシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテル、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル等のモノグリシジルエーテル;ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、水添ビスフェノールA、水添ビスフェノールF、水添ビスフェノールS、ビスフェノールフルオレン、及びこれらフェノール類のアルキレンオキサイド付加体のジ又はポリグリシジルエーテル;エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、及びこれらのアルキレンオキサイド付加体等のアルキレングリコールのジグリシジルエーテル;ポリエチレングリコール及びポリプロピレングリコール等のポリアルキレングリコールのジグリシジルエーテル;ネオペンチルグリコール、ジブロモネオペンチルグリコール、及びこれらグリコールのアルキレンオキサイド付加体のジグリシジルエーテル;トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、グリセリン、及びこれら3価アルコールのアルキレンオキサイド付加体のジ又はトリグリシジルエーテル;ペンタエリスリトールのジ、トリ又はテトラグリジジルエーテル等の多価アルコール及びそのアルキレンオキサイド付加体のポリグリシジルエーテル;ナフタレン型エポキシ樹脂、シクロペンタジエン型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂;クレゾールノボラック型エポキシ樹脂;並びにこれら化合物の芳香族核がハロゲン置換された化合物等が挙げられる。
具体的には、フェニルグリシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテル、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル等のモノグリシジルエーテル;ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、水添ビスフェノールA、水添ビスフェノールF、水添ビスフェノールS、ビスフェノールフルオレン、及びこれらフェノール類のアルキレンオキサイド付加体のジ又はポリグリシジルエーテル;エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、及びこれらのアルキレンオキサイド付加体等のアルキレングリコールのジグリシジルエーテル;ポリエチレングリコール及びポリプロピレングリコール等のポリアルキレングリコールのジグリシジルエーテル;ネオペンチルグリコール、ジブロモネオペンチルグリコール、及びこれらグリコールのアルキレンオキサイド付加体のジグリシジルエーテル;トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、グリセリン、及びこれら3価アルコールのアルキレンオキサイド付加体のジ又はトリグリシジルエーテル;ペンタエリスリトールのジ、トリ又はテトラグリジジルエーテル等の多価アルコール及びそのアルキレンオキサイド付加体のポリグリシジルエーテル;ナフタレン型エポキシ樹脂、シクロペンタジエン型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂;クレゾールノボラック型エポキシ樹脂;並びにこれら化合物の芳香族核がハロゲン置換された化合物等が挙げられる。
脂環式エポキシ化合物としては、シクロへキセン環やシクロペンテン環等のシクロアルカン環を有する化合物を、過酸化水素や過酸等の適当な酸化剤でエポキシ化することによって得られるシクロアルカンオキサイド等が挙げられる。
具体的には、シクロヘキセンオキサイド、シクロペンテンオキサイド、4−ビニルエポキシシクロヘキサン、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルカルボキシレート、3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシル−3’,4’−エポキシ−6’−メチルシクロヘキサンカルボキシレート、3,4−エポキシ−5−メチルシクロヘキシルメチル−3’,4’−エポキシ−5’−メチルシクロヘキサンカルボキシレート、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート、ビス(3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル)アジペート、ジシクロペンタジエンジオキサイド、ビニルシクロヘキセンジエポキシエチレングリコールジ(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)エーテル、エチレンビス(3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート)、メチレンビス(3,4−エポキシシクロヘキサン)などが挙げられる。
具体的には、シクロヘキセンオキサイド、シクロペンテンオキサイド、4−ビニルエポキシシクロヘキサン、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルカルボキシレート、3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシル−3’,4’−エポキシ−6’−メチルシクロヘキサンカルボキシレート、3,4−エポキシ−5−メチルシクロヘキシルメチル−3’,4’−エポキシ−5’−メチルシクロヘキサンカルボキシレート、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート、ビス(3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル)アジペート、ジシクロペンタジエンジオキサイド、ビニルシクロヘキセンジエポキシエチレングリコールジ(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)エーテル、エチレンビス(3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート)、メチレンビス(3,4−エポキシシクロヘキサン)などが挙げられる。
エポキシ化ビニル化合物としては、環状オレフィン化合物のエポキシ化物、エポキシ化ポリブタジエン、エポキシ化ポリイソブチレン、エポキシ化ブタジエン−スチレン共重合体等が挙げられる。
オキセタン環を有する光硬化性化合物の具体例としては、以下のものが挙げられる。なお、オキセタン環を有する光硬化性化合物は、1種を単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
分子中にオキセタン環を1個有するものとして、例えば、3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン、3−(メタ)アリルオキシメチル−3−エチルオキセタン、(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチルベンゼン、4−メトキシ−[1−(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル]ベンゼン、4−フルオロ−[1−(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル]ベンゼン、[1−(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)エチル]フェニルエーテル、イソブトキシメチル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、イソボルニルオキシエチル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、2−エチルヘキシル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、エチルジエチレングリコール(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジシクロペンタジエン(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジシクロペンテニルオキシエチル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジシクロペンテニルエチル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、テトラヒドロフルフリル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、テトラブロモフェニル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、2−テトラブロモフェノキシエチル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、トリブロモフェニル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、2−トリブロモフェノキシエチル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、2−ヒドロキシエチル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、2−ヒドロキシプロピル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ブトキシエチル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ペンタクロロフェニル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ペンタブロモフェニル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ボルニル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル等が挙げられる。
分子中にオキセタン環を2個以上有するものとして、例えば、3,7−ビス(3−オキセタニル)−5−オキサ−ノナン、4,4’−ビス[(3−エチル−3−オキセタニル)メトキシ]ビフェニル、3,3’−(1,3−(2−メチレニル)プロパンジイルビス(オキシメチレン))ビス−(3−エチルオキセタン)、1,4−ビス〔(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル〕ベンゼン、ジ[1−エチル(3−オキセタニル)]メチルエーテル、1,4−ビス〔(1−エチル−3−オキセタニル)メトキシ〕ベンゼン、1,3−ビス[(1−エチル−3−オキセタニル)メトキシ]ベンゼン、1,2−ビス[(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル]エタン、1,3−ビス[(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル]プロパン、エチレングリコールビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジシクロペンテニルビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、トリエチレングリコールビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、テトラエチレングリコールビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、トリシクロデカンジイルジメチレン(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、トリメチロールプロパントリス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、1,4−ビス(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)ブタン、1,6−ビス(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)ヘキサン、
ポリエチレングリコールビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、EO変性ビスフェノールAビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、PO変性ビスフェノールAビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、EO変性水添ビスフェノールAビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、PO変性水添ビスフェノールAビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、EO変性ビスフェノールF(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、
ペンタエリスリトールトリス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ペンタエリスリトールテトラキス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジペンタエリスリトールヘキサキス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジペンタエリスリトールペンタキス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジペンタエリスリトールテトラキス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサキス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールペンタキス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジトリメチロールプロパンテトラキス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル等が挙げられる(但し、EOはエチレンオキサイド、POはプロピレンオキサイドを示す。)。
ポリエチレングリコールビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、EO変性ビスフェノールAビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、PO変性ビスフェノールAビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、EO変性水添ビスフェノールAビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、PO変性水添ビスフェノールAビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、EO変性ビスフェノールF(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、
ペンタエリスリトールトリス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ペンタエリスリトールテトラキス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジペンタエリスリトールヘキサキス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジペンタエリスリトールペンタキス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジペンタエリスリトールテトラキス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサキス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールペンタキス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジトリメチロールプロパンテトラキス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル等が挙げられる(但し、EOはエチレンオキサイド、POはプロピレンオキサイドを示す。)。
光硬化性及び硬化物の低透湿性に優れた組成物が得られることから、(B)成分としては、オキセタン環を有する化合物、特に下記一般式(1)で表されるオキセタン化合物を用いることが好ましい。
式(1)中、R1及びR2は各々独立に水素原子又は任意の置換基を示し、例えば、水素原子、ハロゲン原子(フッ素原子等)、炭素数1〜6のアルキル基(メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等)、炭素数1〜6のフルオロアルキル基、アリル基、アリール基、フリル基、チエニル基等である。
さらには、(B)成分として、オキセタン環を有する化合物とエポキシ環を有する化合物とを併用することが、光硬化性及び硬化物の低透湿性に特に優れた組成物が得られることから、好ましい。
さらには、(B)成分として、オキセタン環を有する化合物とエポキシ環を有する化合物とを併用することが、光硬化性及び硬化物の低透湿性に特に優れた組成物が得られることから、好ましい。
「(C)成分」
本発明の組成物では、カチオン性光重合開始剤(C)を配合する。該成分は、紫外線や可視光線等の活性エネルギー線を照射することで発生するカチオン種によって、カチオン重合性官能基を有する化合物(B)のカチオン重合を開始させる成分である。
本発明の組成物では、カチオン性光重合開始剤(C)を配合する。該成分は、紫外線や可視光線等の活性エネルギー線を照射することで発生するカチオン種によって、カチオン重合性官能基を有する化合物(B)のカチオン重合を開始させる成分である。
(C)成分としては、例えば、UV・EB硬化材料((株)シーエムシー、1992年発行)の3.1.5項p.63−65に記載されているような公知のカチオン性光重合開始剤を用いることができる。用いて好適な(C)成分としては、ジアリールヨードニウム塩、トリアリールスルホニウム塩等が具体的に挙げられる。
使用できるカチオン性光重合開始剤としては、例えばUVI−6950、UVI−6970(ビス[4−(ジ(4−(2−ヒドロキシエチル)フェニル)スルホニオ)−フェニルスルフィド]、UVI−6974(ビス[4−ジフェニルスルホニオ]−フェニル)スルフィドビスヘキサフルオロアンチモネートとジフェニル−4−チオフェノキシフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネートとの混合物)、UVI−6990(UVI6974のヘキサフルオロホスフェイトの塩)(以上、ユニオンカーバイド社製)、
アデカオプトマーSP−151、SP−170(ビス[4−(ジ(4−(2−ヒドロキシエチル)フェニル)スルホニオ)−フェニルスルフィド]、SP−150(SP−170のヘキサフルオロホスフェイト)(以上、旭電化工業(株)製)、
PI2074(ローディア社製)、
Irgacure 261(η5−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)[(1,2,3,4,5,6−η)−(1−メチルエチル)ベンゼン]−鉄(1+)−ヘキサフルオロフォスフェート(1−))、CGI552(ヨードニウム[4−(2−メチルプロピル)フェニル](4−メチルフェニルヘキサフルオロホスフェイト)(1−))(以上、チバガイギー社製)、
CI−2481、CI−2624、CI−2639、CI−2064、CI−2855、CI−5102(以上、日本曹達(株)製)、
CD−1010、CD−1011、CD−1012(4−(2−ヒドロキシテトラデカニルオキシ)ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート)、KI85(ビス[4−ジフェニルスルホニオ]−フェニル)スルフィドビスヘキサフルオロホスフェイト)(以上、サートマー社製)、
DTS−102、DTS−103、NAT−103、NDS−103((4−ヒドロキシナフチル)−ジメチルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート)、TPS−102(トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロホスフェイト)、TPS−103(トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート)、MDS−103(4−メトキシフェニル−ジフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート)、MPI−103(4−メトキシフェニルヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート)、BBI−101(ビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウムテトラフルオロボレート)、BBI−102(ビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロホスフェート)、BBI−103(ビス(4−tert−フェニル)ヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート)(以上、みどり化学(株)製)、
Degacure K126(ビス[4−(ジフェニルスルホニオ)−フェニル]スルフィドビスヘキサフルオロホスフェイト)(デグサ社製)等(いずれも商品名)が市販されている。
これらカチオン性光重合開始剤は、1種を単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。例示したカチオン性光重合開始剤の中でも、UVI−6990、アデカオプトマーSP−170、CI−2855、CI−5102、PI2074等が、硬化性の点で特に好ましく用いられる。
アデカオプトマーSP−151、SP−170(ビス[4−(ジ(4−(2−ヒドロキシエチル)フェニル)スルホニオ)−フェニルスルフィド]、SP−150(SP−170のヘキサフルオロホスフェイト)(以上、旭電化工業(株)製)、
PI2074(ローディア社製)、
Irgacure 261(η5−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)[(1,2,3,4,5,6−η)−(1−メチルエチル)ベンゼン]−鉄(1+)−ヘキサフルオロフォスフェート(1−))、CGI552(ヨードニウム[4−(2−メチルプロピル)フェニル](4−メチルフェニルヘキサフルオロホスフェイト)(1−))(以上、チバガイギー社製)、
CI−2481、CI−2624、CI−2639、CI−2064、CI−2855、CI−5102(以上、日本曹達(株)製)、
CD−1010、CD−1011、CD−1012(4−(2−ヒドロキシテトラデカニルオキシ)ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート)、KI85(ビス[4−ジフェニルスルホニオ]−フェニル)スルフィドビスヘキサフルオロホスフェイト)(以上、サートマー社製)、
DTS−102、DTS−103、NAT−103、NDS−103((4−ヒドロキシナフチル)−ジメチルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート)、TPS−102(トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロホスフェイト)、TPS−103(トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート)、MDS−103(4−メトキシフェニル−ジフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート)、MPI−103(4−メトキシフェニルヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート)、BBI−101(ビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウムテトラフルオロボレート)、BBI−102(ビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロホスフェート)、BBI−103(ビス(4−tert−フェニル)ヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート)(以上、みどり化学(株)製)、
Degacure K126(ビス[4−(ジフェニルスルホニオ)−フェニル]スルフィドビスヘキサフルオロホスフェイト)(デグサ社製)等(いずれも商品名)が市販されている。
これらカチオン性光重合開始剤は、1種を単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。例示したカチオン性光重合開始剤の中でも、UVI−6990、アデカオプトマーSP−170、CI−2855、CI−5102、PI2074等が、硬化性の点で特に好ましく用いられる。
本発明の組成物においては、(A)〜(C)成分が相溶していることが好ましい。これら成分が相溶していると、溶剤を用いる必要がなく、しかもその硬化物は溶剤を用いて調製した組成物から得られたものより低透湿性に優れたものとなる。加えて、溶剤を用いる場合には、溶剤を除去する乾燥工程が必要であり、僅かながらも溶剤が残留する恐れがあるが、溶剤を用いない場合には、乾燥工程を設けることなく、直接硬化物を得ることができ、製造コストを低減できるとともに効率よく硬化物を製造できるという利点もある。
本発明においては、特に(A)成分として塩化ビニリデン系共重合体、(B)成分として、上記一般式(1)で表されるオキセタン化合物を用いることが好ましい。
本発明においては、特に(A)成分として塩化ビニリデン系共重合体、(B)成分として、上記一般式(1)で表されるオキセタン化合物を用いることが好ましい。
なお、(B)成分中に(A)成分が溶解することで、各成分が良好に相溶した組成物が得られるので、(A)成分の溶解性を損なわない範囲内で、(B)成分として、他の化合物を併用しても、同様の効果が得られる。
例えば、(B)成分として、上記一般式(1)で表されるオキセタン化合物と、エポキシ環を有する化合物とを併用した場合、良好な相溶性を確保しつつ、硬化性の向上を図ることができる。特に、オキセタン環を有する化合物と、エポキシ環を有する化合物として、ビスフェノールA骨格を有する化合物、ナフタレン骨格を有する化合物、ノボラック型エポキシ樹脂等とを併用した場合には、硬化性と硬化物の低透湿性の双方を一層向上することができ、好ましい。
例えば、(B)成分として、上記一般式(1)で表されるオキセタン化合物と、エポキシ環を有する化合物とを併用した場合、良好な相溶性を確保しつつ、硬化性の向上を図ることができる。特に、オキセタン環を有する化合物と、エポキシ環を有する化合物として、ビスフェノールA骨格を有する化合物、ナフタレン骨格を有する化合物、ノボラック型エポキシ樹脂等とを併用した場合には、硬化性と硬化物の低透湿性の双方を一層向上することができ、好ましい。
「各成分の含有量」
本発明の組成物における(A)〜(C)成分の含有量は特に限定されないが、(A)成分と(B)成分の合計100質量部に対して、(A)成分の含有量が1〜99質量部、特に5〜40質量部であることが好ましく、(B)成分の含有量が99〜1質量部、特に95〜60質量部であることが好ましい。(A)成分の含有量が少なくなる程、硬化物の低透湿性が相対的に低下する傾向にあり、(A)成分の含有量が多くなる程、(A)成分と他の成分とを相溶させることが相対的に難しくなる傾向にある。
(A)成分と(B)成分の合計100質量部に対して、(C)成分の含有量は0.1〜10質量部、特に0.5〜8質量部であることが好ましい。(C)成分の含有量がかかる範囲を外れると、良好な硬化性が得られない場合がある。
本発明の組成物における(A)〜(C)成分の含有量は特に限定されないが、(A)成分と(B)成分の合計100質量部に対して、(A)成分の含有量が1〜99質量部、特に5〜40質量部であることが好ましく、(B)成分の含有量が99〜1質量部、特に95〜60質量部であることが好ましい。(A)成分の含有量が少なくなる程、硬化物の低透湿性が相対的に低下する傾向にあり、(A)成分の含有量が多くなる程、(A)成分と他の成分とを相溶させることが相対的に難しくなる傾向にある。
(A)成分と(B)成分の合計100質量部に対して、(C)成分の含有量は0.1〜10質量部、特に0.5〜8質量部であることが好ましい。(C)成分の含有量がかかる範囲を外れると、良好な硬化性が得られない場合がある。
「任意成分」
(A)成分及び(B)成分として特定の組み合わせを採用することで、溶剤を用いることなく、各成分が良好に相溶した組成物が得られることを述べたが(段落[0026]参照)、(A)成分の溶解性向上や粘度調整等を目的として、必要に応じて有機溶剤(D)を配合することは差し支えない。
有機溶剤(D)は(A)成分の種類等に応じて適宜選定される。溶剤(D)は(A)成分の溶解性向上や粘度調整等の目的を達成し得る必要充分量を配合すれば良く、その配合量は限定されないが、例えば、(A)成分100質量部に対して、0〜360質量部が好ましい。
(A)成分及び(B)成分として特定の組み合わせを採用することで、溶剤を用いることなく、各成分が良好に相溶した組成物が得られることを述べたが(段落[0026]参照)、(A)成分の溶解性向上や粘度調整等を目的として、必要に応じて有機溶剤(D)を配合することは差し支えない。
有機溶剤(D)は(A)成分の種類等に応じて適宜選定される。溶剤(D)は(A)成分の溶解性向上や粘度調整等の目的を達成し得る必要充分量を配合すれば良く、その配合量は限定されないが、例えば、(A)成分100質量部に対して、0〜360質量部が好ましい。
その他、必要に応じて、他の成分を配合することができる。その具体例としては、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤(HALS等)、艶消し剤(シリカ、タルク、ガラス粉、金属酸化物等)、着色剤(染料、顔料等)、光拡散剤、低収縮剤、沈降防止剤、消泡剤、帯電防止剤、防曇剤、分散剤、増粘剤、タレ止め剤、乾燥剤、レベリング剤、カップリング剤、付着促進剤、防錆顔料、熱安定剤、スリップ剤、傷防止剤、可塑剤、防菌剤、防カビ剤、防汚剤、難燃剤、重合防止剤、光重合促進剤、増感剤、熱重合開始剤(熱カチオン重合開始剤等)、離型剤等が挙げられる。
これら溶剤を除く添加剤の総量は、本発明の効果を逸脱しない範囲内において適宜設定され特に限定されないが、(A)成分と(B)成分の合計100質量部に対して、0〜40質量部、特に0〜20質量部が好ましい。
これら溶剤を除く添加剤の総量は、本発明の効果を逸脱しない範囲内において適宜設定され特に限定されないが、(A)成分と(B)成分の合計100質量部に対して、0〜40質量部、特に0〜20質量部が好ましい。
「組成物の調製」
本発明の組成物は、構成成分((A)〜(C)成分と必要に応じて溶剤等の任意成分)を配合し、攪拌混合することで調製できる。攪拌混合は例えば、スターラーチップやはね付き攪拌棒等を使用して実施することができる。又、混合効率を向上するために、30〜60℃に加温しながら攪拌することもできる。攪拌混合に際しては、光重合が開始しないように、イエローランプ等の照明のもとで行うことが好ましい。
本発明の組成物は、構成成分((A)〜(C)成分と必要に応じて溶剤等の任意成分)を配合し、攪拌混合することで調製できる。攪拌混合は例えば、スターラーチップやはね付き攪拌棒等を使用して実施することができる。又、混合効率を向上するために、30〜60℃に加温しながら攪拌することもできる。攪拌混合に際しては、光重合が開始しないように、イエローランプ等の照明のもとで行うことが好ましい。
「組成物の硬化」
本発明の組成物は、各種活性エネルギー線を照射することで、硬化できる。光源としては特に限定されず、ケミカルランプ、低圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、キセノンランプ、パルスドキセノンランプ、可視光ハロゲンランプ等の各種活性エネルギー線発光光源が使用できる。又、特に光源を用意せず、太陽光を利用することもできる。
活性エネルギー線照射時の雰囲気は特に限定されず、空気中でも良いし、窒素やアルゴン等の不活性ガス中でも良い。照射エネルギーも特に限定されないが、例えば、波長200〜700nm、特に320〜390nmの波長範囲における積算エネルギーが0.1〜10J/cm2、特に0.5〜5J/cm2となるように照射することが好ましい。
本発明の組成物は、各種活性エネルギー線を照射することで、硬化できる。光源としては特に限定されず、ケミカルランプ、低圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、キセノンランプ、パルスドキセノンランプ、可視光ハロゲンランプ等の各種活性エネルギー線発光光源が使用できる。又、特に光源を用意せず、太陽光を利用することもできる。
活性エネルギー線照射時の雰囲気は特に限定されず、空気中でも良いし、窒素やアルゴン等の不活性ガス中でも良い。照射エネルギーも特に限定されないが、例えば、波長200〜700nm、特に320〜390nmの波長範囲における積算エネルギーが0.1〜10J/cm2、特に0.5〜5J/cm2となるように照射することが好ましい。
本発明の低透湿性光硬化型樹脂組成物によれば、低透湿性有機高分子化合物(A)に、カチオン重合性官能基を有する化合物(B)とカチオン性光重合開始剤(C)とを配合したので、低透湿性に優れた硬化物が得られる。本発明の組成物は光硬化性に優れ、活性エネルギー線を照射することで、簡易に硬化することができる。又、硬化に際して加熱処理を必要としないため、低コストで効率良く硬化物を得ることができると共に、硬化物を形成する被処理物に対して熱によるダメージを与えることもない。
特に、(A)成分として塩化ビニリデン系共重合体を用い、(B)成分として、上記一般式(1)で表されるオキセタン化合物を含む場合には、溶剤を用いることなく、(A)〜(C)成分が良好に相溶した組成物が得られる。この組成物は、硬化性及び硬化物の低透湿性に特に優れ、好適である。
以下、本発明に係る実施例及び比較例を挙げるが、本発明はこれら例によって何ら限定されるものではない。
(実施例1〜4、比較例1〜4)
表1に示す成分を同表に示す組成(配合量の単位は質量部を示す。)で配合し、攪拌混合して、光硬化型樹脂組成物を調製した。
得られた各樹脂組成物をガラス板(縦10cm×横10cm×厚さ2mm)上にスピンコートし、塗膜を形成した。これに対して、高圧水銀灯(ランプ発光長約50cm、6kW)を光源に持つ紫外線照射装置を用いて、空気雰囲気中、照射エネルギー1.4J/cm2(測定機器:(株)オーク製作所製「UV−350」)の紫外線を照射し、厚さ100μmの硬化膜を得た。
なお、配合成分として溶剤(D)を含む場合には、塗膜を60℃で5分間乾燥してから、紫外線を照射した。
(実施例1〜4、比較例1〜4)
表1に示す成分を同表に示す組成(配合量の単位は質量部を示す。)で配合し、攪拌混合して、光硬化型樹脂組成物を調製した。
得られた各樹脂組成物をガラス板(縦10cm×横10cm×厚さ2mm)上にスピンコートし、塗膜を形成した。これに対して、高圧水銀灯(ランプ発光長約50cm、6kW)を光源に持つ紫外線照射装置を用いて、空気雰囲気中、照射エネルギー1.4J/cm2(測定機器:(株)オーク製作所製「UV−350」)の紫外線を照射し、厚さ100μmの硬化膜を得た。
なお、配合成分として溶剤(D)を含む場合には、塗膜を60℃で5分間乾燥してから、紫外線を照射した。
表中、各略号は以下の化合物を示す。
(A)成分
(A1):塩化ビニリデン系共重合体(旭化成ケミカルズ(株)製「サランレジンF216」、膜厚100μmとして成膜した際の透湿度0.2g/m2・24h)
(A2):塩化ビニリデン系共重合体(旭化成ケミカルズ(株)製「サランラテックスL509」(膜厚100μmとして成膜した際の透湿度2.5g/m2・24h)100gを、0.5質量%塩化カルシウム水溶液400ml中に攪拌しながら室温で滴下して塩析した後、沈殿物をろ過し、さらに乳化剤などを水洗して、容器に移し、真空乾燥したもの)
(A)成分
(A1):塩化ビニリデン系共重合体(旭化成ケミカルズ(株)製「サランレジンF216」、膜厚100μmとして成膜した際の透湿度0.2g/m2・24h)
(A2):塩化ビニリデン系共重合体(旭化成ケミカルズ(株)製「サランラテックスL509」(膜厚100μmとして成膜した際の透湿度2.5g/m2・24h)100gを、0.5質量%塩化カルシウム水溶液400ml中に攪拌しながら室温で滴下して塩析した後、沈殿物をろ過し、さらに乳化剤などを水洗して、容器に移し、真空乾燥したもの)
(B)成分
(B1):下記式(2)で表されるオキセタン化合物(上記式(1)でR1及びR2がエチル基のもの、東亞合成(株)製「アロンオキセタンOXT−221」) (B2):下記式(3)で表されるオキセタン化合物(n=1〜3の混合物、東亞合成(株)製「アロンオキセタンOXT−121」)
(B3):下記式(4)で表されるエポキシ化合物(ダイセル化学工業(株)製「セロキサイド2021P」)
(B1):下記式(2)で表されるオキセタン化合物(上記式(1)でR1及びR2がエチル基のもの、東亞合成(株)製「アロンオキセタンOXT−221」) (B2):下記式(3)で表されるオキセタン化合物(n=1〜3の混合物、東亞合成(株)製「アロンオキセタンOXT−121」)
(B3):下記式(4)で表されるエポキシ化合物(ダイセル化学工業(株)製「セロキサイド2021P」)
(D)成分
(D1):テトラヒドロフラン(脱水・安定剤不含グレード、和光純薬工業(株)製)
(D1):テトラヒドロフラン(脱水・安定剤不含グレード、和光純薬工業(株)製)
以下、比較用成分
(E)成分(アクリロイル基を有する化合物)
(E1):ウレタンアクリレートオリゴマー(新中村化学工業(株)製「U−2PPA」)
(E2):EO変性ビスフェノールAアクリレート(第一工業製薬(株)製「BPE−10」)
(E3):フェノキシエチルアクリレート(大阪有機化学工業(株)製「POA」)
(F)成分(ラジカル性光重合開始剤)
(F1):1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(チバ・スペシャリティーケミカルズ(株)製「イルガキュア184」)
(G)成分
(G1):超微粒子タルク(富士タルク工業(株)製「LMS200」、平均粒子径5μm)
(E)成分(アクリロイル基を有する化合物)
(E1):ウレタンアクリレートオリゴマー(新中村化学工業(株)製「U−2PPA」)
(E2):EO変性ビスフェノールAアクリレート(第一工業製薬(株)製「BPE−10」)
(E3):フェノキシエチルアクリレート(大阪有機化学工業(株)製「POA」)
(F)成分(ラジカル性光重合開始剤)
(F1):1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(チバ・スペシャリティーケミカルズ(株)製「イルガキュア184」)
(G)成分
(G1):超微粒子タルク(富士タルク工業(株)製「LMS200」、平均粒子径5μm)
(評価項目及び評価方法)
各例において得られた硬化膜について下記評価を行った。
(1)硬化性
得られた硬化膜の表面を人差し指で触れ、下記基準にて評価した。
○:タックが認められない
×:タックが認められる
(2)透湿度
ガラス板から硬化膜(厚さ100μm)を剥離し、防湿包装材料の透湿度試験方法(JIS Z0208)に従い、温度40℃、相対湿度90%の環境下における透湿度を測定した。透湿度が低い程、低透湿性が高いことを意味する。
各例において得られた硬化膜について下記評価を行った。
(1)硬化性
得られた硬化膜の表面を人差し指で触れ、下記基準にて評価した。
○:タックが認められない
×:タックが認められる
(2)透湿度
ガラス板から硬化膜(厚さ100μm)を剥離し、防湿包装材料の透湿度試験方法(JIS Z0208)に従い、温度40℃、相対湿度90%の環境下における透湿度を測定した。透湿度が低い程、低透湿性が高いことを意味する。
(結果)
結果を表1に合わせて示す。表中、透湿度の単位は、g/m2・24hを示す。
塩化ビニリデン系共重合体((A)成分)、オキセタン環を有する化合物及びエポキシ環を有する化合物(いずれも(B)成分)、カチオン性光重合開始剤((C)成分)を配合した実施例1〜4では、いずれも得られた組成物の外観は透明な液体で、(A)成分の塩化ビニリデン系共重合体は組成物中に良好に溶解し、各成分が互いに相溶していた。いずれの組成物も硬化性に優れ、かつ透湿度が31g/m2・24h以下の低透湿性に優れた硬化物(硬化膜)が得られた。
結果を表1に合わせて示す。表中、透湿度の単位は、g/m2・24hを示す。
塩化ビニリデン系共重合体((A)成分)、オキセタン環を有する化合物及びエポキシ環を有する化合物(いずれも(B)成分)、カチオン性光重合開始剤((C)成分)を配合した実施例1〜4では、いずれも得られた組成物の外観は透明な液体で、(A)成分の塩化ビニリデン系共重合体は組成物中に良好に溶解し、各成分が互いに相溶していた。いずれの組成物も硬化性に優れ、かつ透湿度が31g/m2・24h以下の低透湿性に優れた硬化物(硬化膜)が得られた。
特に、(B)成分として、上記式(1)で表されるオキセタン環を有する化合物を用いた実施例1、2、4では、溶剤を用いることなく、各成分が良好に相溶した組成物が得られた。さらに、実施例2と3を比較すると、(A)成分量が少ない実施例2の方が、硬化物の低透湿性に優れており、塩化ビニリデン系共重合体と上記式(1)で表されるオキセタン化合物とを組み合わせることで、低透湿性に格段に優れた硬化物が得られることが明らかとなった。
これに対して、(A)成分を配合しなかった比較例1、3、4では、得られた硬化物の透湿度は実施例に比して著しく高く不良であった。又、(A)成分を配合しても、光硬化性化合物としてアクリロイル基を有する化合物を用いた比較例2では、得られた硬化物の透湿度は実施例に比して著しく高く不良であった。
本発明の低透湿性光硬化型樹脂組成物は、硬化性及び硬化物の低透湿性に優れるため、基材等に防湿性を付与するコーティング剤や塗料等、そのもの自体に低透湿性が要求される接着剤やシール剤等(特に、優れた低透湿性と室温付近での良好な硬化性が要求される有機エレクトロルミネッセンス素子用シール剤等)として好適に利用できる。
Claims (1)
- 膜厚100μmとして成膜した際の透湿度が30g/m2・24h以下である低透湿性有機高分子化合物(A)と、カチオン重合性官能基を有する化合物(B)と、カチオン性光重合開始剤(C)とを含有することを特徴とする低透湿性光硬化型樹脂組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004030836A JP2005220260A (ja) | 2004-02-06 | 2004-02-06 | 低透湿性光硬化型樹脂組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004030836A JP2005220260A (ja) | 2004-02-06 | 2004-02-06 | 低透湿性光硬化型樹脂組成物 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2005220260A true JP2005220260A (ja) | 2005-08-18 |
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Family Applications (1)
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JP2004030836A Withdrawn JP2005220260A (ja) | 2004-02-06 | 2004-02-06 | 低透湿性光硬化型樹脂組成物 |
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-
2004
- 2004-02-06 JP JP2004030836A patent/JP2005220260A/ja not_active Withdrawn
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