JP2005220068A - 経口物用コーティング剤 - Google Patents
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Abstract
【課題手段】 本発明では、多糖類を酸化して得られるウロン酸残基を有する水溶性または水分散性多糖類からなることを特徴とする経口物用コーティング剤を提供するものである。また、前記ウロン酸残基を有する水溶性または水分散性多糖類が、α−グルコシド結合したグルクロン酸、あるいはβ−グルコシド結合したグルクロン酸、あるいはβ−グルコシド結合したN−アセチルグルコサミヌロン酸およびそれらの塩を含む多糖類であることを特徴とする経口物用コーティング剤を提供するものである。
【選択図】 なし
Description
<製造例1>
市販の再生セルロースであるベンリーゼ(旭化成工業(株)製)10gを、5%濃度で蒸留水に均一に分散させた。ここにTEMPOを0.19gと臭化ナトリウムを2.5g溶解させた水溶液を加え、セルロースの固形分濃度が約2wt%になるように調製した。反応系を冷却し、11%次亜塩素酸ナトリウム水溶液30gを添加し、酸化反応を開始する。反応温度は常に5℃以下に維持した。反応中は系内のpHが低下するが、0.5N水酸化ナトリウム水溶液を逐次添加し、pH10.8付近に調整するとともに、さらに11%次亜塩素酸ナトリウム水溶液70gを反応の進行に応じて調整しながら滴下した。グルコース残基の全モル数に対し、100%のモル数に対応するアルカリ添加量に近づくと、アルカリの添加速度は遅くなり、系内は完全に溶解して、黄色の均一な溶液となる。アルカリ添加量が前記の100%(123.5ml)に達した時点で、エタノールを添加して反応を停止させた。反応時間は2時間であった。ろ過により不溶の不純物を除いてから、この反応溶液を過剰量のエタノール中に投入して、生成物を再沈させた。さらに、水:アセトン=1:7の溶液により充分洗浄した後、アセトンで脱水して、40℃で減圧乾燥し、白色粉末状のセロウロン酸ナトリウム塩12gを得た。
製造例1で得られたセロウロン酸ナトリウム塩の10wt%水溶液の粘度を測定したところ、4.1mPa・sであった。
製造例1で得られたセロウロン酸ナトリウム塩の重量平均分子量(Mw)を、GPC法により測定した。カラムはTSKgelG6000PWXL、TSKgelG3000PWXLを用い、0.1MNaClを溶離液とし、RI検出器を用い測定した。分子量既知のプルランから検量線を作成し、プルラン換算の重量平均分子量を算出した。その結果、製造例1で得られたセロウロン酸ナトリウム塩は、Mw=53000であった。
製造例1で得られたセロウロン酸ナトリウム塩中のカルボキシル基含有量を電導度滴定により測定した。セロウロン酸ナトリウム塩0.055gを精秤し、水55gに溶解させた。0.01N−NaOH水溶液で滴定し、その滴定曲線からカルボキシル基含有量を測定した。その結果、このセロウロン酸ナトリウム塩中のカルボキシル基含有量は4.98mmol/gであった。
<製造例2>
製造例1のセロウロン酸ナトリウム塩10gを80mlの蒸留水に溶解し、攪拌しながらpH1になるまで2N−塩酸を添加した。溶液は白濁し、白色のセロウロン酸が沈殿した。この溶液を過剰量のエタノール中に投入し、生成物を再沈させた。さらに、水:アセトン=1:7の溶液により十分洗浄した後、アセトンで脱水して、40℃で減圧乾燥し、白色粉末状の脱塩したセロウロン酸7gを得た。
<製造例3>
再生セルロースとして旭化成工業(株)製ベンリーゼ10gを5%濃度で蒸留水に懸濁させた。ここに、TEMPO0.2g、臭化ナトリウム2.5gを溶解させた水溶液を加え、セルロースの固形分濃度が約2wt%になるように調製した。反応系を冷却し、11%次亜塩素酸ナトリウム水溶液45gを添加し、酸化反応を開始する。反応温度は常に5℃以下に維持した。反応中は系内のpHが低下するが、0.5N−NaOH水溶液を逐次添加し、pH10.8付近に調整した。アルカリ添加量が、グルコース残基の全モル数に対し、60%のモル数に対応する添加量(74.1ml)に達した時点で、エタノールを添加して反応を停止させた。反応時間は50分であった。この反応溶液を過剰量のエタノール中に投入して、生成物を再沈させた。さらに水:アセトン=1:7の溶液により十分洗浄した後、アセトンで脱水して、40℃減圧乾燥し、製造例3の白色粉末状のセロウロン酸ナトリウム塩11gを得た。このセロウロン酸ナトリウム塩の重量平均分子量は66000であり、5%水溶液の粘度は3.1mPa・sであった。また、電導度滴定により求めたカルボキシル基含有量は3.28mmol/gであった。
<製造例4>
和光純薬工業(株)製キチン10gを、45%水酸化ナトリウム水溶液150gに浸漬し、室温以下で2時間攪拌した。この周囲を氷水などで冷却し、攪拌しながら、これに砕いた氷850gを添加した。このアルカリ処理により、キチンはほぼ溶解する。塩酸で中和し、十分に水洗した後、乾燥しないものを酸化原料とした。
<製造例5>
コンスターチ10gを蒸留水400gに加熱溶解させ、冷却した。この溶液に、蒸留水100gにTEMPO0.18g、臭化ナトリウム2.5gを溶解した溶液を加え、11%濃度の次亜塩素酸ナトリウム水溶液104gを滴下により添加し、酸化反応を開始した。反応温度は常に5℃以下に維持した。反応中は系内のpHが低下するが、0.5N−NaOH水溶液を逐次添加し、pH10.75に調整した。そして6位の1級水酸基の全モル数に対し、100%のモル数に対応するアルカリ添加量に達した時点で、エタノールを添加し反応を停止させ、2Lのエタノール中に反応液を投入して生成物を析出させ、水:アセトン=1:7よりなる溶液により十分洗浄した後、アセトンで脱水し、40℃で減圧乾燥させ、白色粉末状の酸化度100%のアミロウロン酸ナトリウム塩11.7gを得た。GPC法により求めたプルラン換算の重量平均分子量は58000であり、この5%水溶液の粘度は1.60mPa・sであった。また、このアミロウロン酸ナトリウム塩のカルボキシル基含有量は5.0mmol/gであった。
<製造例6>
脱アセチル化度100%のキトサンとして、大日精化工業(株)製ダイキトサン100D(VL)を用い、このキトサン10gを10%酢酸190gに溶解し、メタノール1Lで希釈し、攪拌しながら無水酢酸3.17gを加え、室温で15時間攪拌した。ここに2N−NaOH水溶液を加えてpH7に中和すると、フレーク状のキトサンが析出し、これをろ過して、メタノールおよび水:アセトン=1:7よりなる溶液で十分に洗浄した後、アセトンで脱水して、40℃で減圧乾燥させて、N−アセチル化キトサン10.3gを得た。このキトサンは水溶性を示し、1wt%の水溶液でpH8.2であった。さらに酸やアルカリを加えてpHを変動させても溶解していた。塩化重水素酸重水溶液に溶解して測定した1H−NMR分析の結果から、N−アセチル化度は45%であった。
<比較例1>
市販のカルボキシメチルセルロース(DS(置換度)=1.2)を比較例として用いた。
製造例1から5のウロン酸残基を有する多糖類と、比較例2としてメチルセルロースを用いて酸素透過度を測定した。
製造例1、4、5のウロン酸残基を有する多糖類、製造例6のキトサン、および比較例1で用いた市販のカルボキシメチルセルロースを用いて生分解性試験を行った。
Claims (9)
- ウロン酸残基を有する水溶性または水分散性多糖類からなることを特徴とする経口物用コーティング剤。
- 前記ウロン酸残基を有する水溶性または水分散性多糖類が、α−グルコシド結合したグルクロン酸、あるいはβ−グルコシド結合したグルクロン酸、あるいはβ−グルコシド結合したN−アセチルグルコサミヌロン酸およびそれらの塩を含む多糖類であることを特徴とする請求項1記載の経口物用コーティング剤。
- 前記ウロン酸残基を有する多糖類のカルボキシル基含有量が3.26mmol/g以上の範囲にあることを特徴とする上記請求項1または2に記載の経口物用コーティング剤。
- 前記ウロン酸残基を有する多糖類のカルボキシル基含有量が4.62mmol/g以上の範囲にあることを特徴とする上記請求項1または2に記載の経口物用コーティング剤。
- 前記ウロン酸残基を有する水溶性多糖類の重量平均分子量がMw5000〜100000の範囲にあることを特徴とする請求項1から4に記載の経口物用コーティング剤。
- 水溶液の濃度が2〜10wt%の範囲で、粘度が1.3〜10mPa・sの範囲にあるウロン酸残基を有する多糖類を含むことを特徴とする請求項1から5に記載の経口物用コーティング剤。
- 前記ウロン酸残基を有する水溶性多糖類がセルロースまたはデンプンまたはキチンを酸化することにより得たことを特徴とする請求項1から6に記載の経口物用コーティング剤。
- さらに、他の多糖類を含むことを特徴とする請求項1から7に記載の経口物用コーティング剤。
- 前記他の多糖類がキトサンであることを特徴とする請求項8に記載の経口物用コーティング剤。
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2004
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