JP2005219529A - 車両用走行制御装置 - Google Patents

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一之 椎葉
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Abstract

【課題】車間距離に基づく減速動作の必要性に関する運転者の意図に合うように、車間距離に基づく減速制御が行われる車両用走行制御装置を提供する。
【解決手段】車両と先行車との距離に基づいて、前記車両の減速制御を行う装置であって、前記先行車と前記車両との距離が減少した原因が相対的に前記先行車の走行に依存するところが大きいのか、又は前記車両の走行に依存するところが大きいのかのいずれかによって、前記減速制御が行われるための条件が変更される。原因が相対的に先行車の走行に依存するところが大きい場合には、車両の運転者は、車間距離の減少が相対的に進行していない時期に、減速操作を行うことが多い。そのため、原因が相対的に先行車の走行に依存するところが大きい場合には、減速制御が行われるための条件が相対的に早期に成立し易いように条件内容が変更される。これにより、運転者の意図にあった減速制御が実行可能となる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、車両用走行制御装置に関し、特に、運転者が減速操作を行ったときに、車間距離に基づいて減速制御を行う車両用走行制御装置に関する。
従来より、運転者が減速操作を行ったときに、車間距離に基づいて減速制御を行う車両用走行制御装置が知られている。この種の車両用走行制御装置としては、特開2000−118369号公報(特許文献1)に以下の技術が開示されている。即ち、車間距離検出部は車間距離を検出し、車速センサは自車速度を検出し、アクセル開度センサはスロットル弁開度を検出する。演算処理部は、車間距離および自車速度から相対速度および自車加速度を算出し、これらの値に基づいて目標減速度を求め、メモリに記憶する。スロットル弁開度の変化から、運転者の減速操作を検出すると、目標減速度に応じて変速機の変速比を制御して減速制御を行う。ブレーキ操作が不要な場合が増えるので、運転者の運転操作量は低減される。
特開2000−118369号公報
運転者の減速操作に応答して、車間距離に基づく減速制御が行われる場合には、車間距離に基づいて減速制御が必要と判断された(車間距離に基づく減速制御の前提条件が成立した)状態で、運転者の減速操作が行われる(車間距離に基づく減速制御の開始条件が成立する)必要がある。ここで、車間距離に基づく減速制御の前提条件を容易に(過度に)成立させてしまうと、即ち、相対的に早い時点で前提条件が成立するようにすると、運転者が車間距離に基づく減速動作は必要ないと考えている状況であっても、運転者が減速操作をすると、車間距離に基づく減速制御が行われてしまい、運転者に違和感を与えるという問題があった。反対に、車間距離に基づく減速制御の前提条件を厳しくすると、前提条件が成立する時点が相対的に遅くなり、運転者が車間距離に基づく減速動作が必要であると考えている状況で減速操作をした場合であっても、車間距離に基づく減速制御が行われない場合が生じる。
本発明の目的は、車間距離に基づく減速動作の必要性に関する運転者の意図に合うように、車間距離に基づく減速制御が行われる車両用走行制御装置を提供することである。
本発明の車両用走行制御装置は、車両と前記車両の前方の先行車との距離に基づいて、前記車両の減速制御を行う車両用走行制御装置であって、前記先行車と前記車両との距離が減少した原因が相対的に前記先行車の走行に依存するところが大きいのか、又は前記車両の走行に依存するところが大きいのかのいずれかによって、前記減速制御が行われるための条件が変更されることを特徴としている。
本発明者らの知見によれば、先行車と車両との距離が減少した原因が相対的に先行車の走行に依存するところが大きい場合には、車両の運転者は、車間距離の減少が相対的に進行していない時期(早期、両車が相対的に離間した状態)に、減速要求のために減速操作を行うことが多いことが分かる。そのため、先行車と車両との距離が減少した原因が相対的に先行車の走行に依存するところが大きい場合には、減速制御が行われるための条件が相対的に早期に成立し易いように条件内容が変更されることができる。これにより、運転者の意図にあった減速制御が実行可能となる。
本発明の車両用走行制御装置において、前記先行車の加速度の絶対値に比べて前記車両の加速度の絶対値の方が大きい場合には、相対的に前記車両の走行に依存するところが大きいと判定され、前記車両の加速度の絶対値に比べて前記先行車の加速度の絶対値の方が大きい場合には、相対的に前記先行車の走行に依存するところが大きいと判定されることを特徴としている。
本発明の車両用走行制御装置は、車両と前記車両の前方の先行車との距離に基づいて、前記車両の減速制御を行う車両用走行制御装置であって、前記先行車の加速度に基づいて、前記減速制御が行われるための条件が変更されることを特徴としている。
本発明者らの知見によれば、先行車が減速状態にある場合には、車両の運転者は、車間距離の減少が相対的に進行していない時期(早期、両車が相対的に離間した状態)に、減速要求のために減速操作を行うことが多いことが分かる。そのため、先行車が減速状態にある場合には、減速制御が行われるための条件が相対的に早期に成立し易いように条件内容が変更されることができる。これにより、運転者の意図にあった減速制御が実行可能となる。
本発明の車両用走行制御装置において、前記減速制御が行われるための条件の変更とは、前記先行車と前記車両との距離に対応する閾値の変更であることを特徴としている。
上記本発明では、先行車と車両との距離に対応する閾値とは、衝突時間、車間時間、又は車間距離であることができる。
本発明の車両用走行制御装置において、前記先行車と前記車両との距離が減少した原因が相対的に前記先行車の走行に依存するところが大きい場合、又は前記先行車の加速度が設定値よりも小さい場合には、前記先行車と前記車両との距離が相対的に長いときにおいて、前記減速制御が行われるための条件が成立するように変更されることを特徴としている。
本発明の車両用走行制御装置は、車両と前記車両の前方の先行車との距離に基づいて、前記車両に制動力を生じさせる制動装置の作動と、前記車両の変速機を相対的に低速用の変速段又は変速比に変速する変速動作とにより前記車両の減速制御を行う車両用走行制御装置であって、前記先行車と前記車両との距離が減少した原因が相対的に前記先行車の走行に依存するところが大きい場合、又は前記先行車の加速度が設定値よりも小さい場合には、前記制動装置により生じさせる制動力が変更されることを特徴としている。
本発明の車両用走行制御装置において、前記減速制御は、前記車両の運転者による減速操作に基づいて行われることを特徴としている。
本発明の車両用走行制御装置によれば、車間距離に基づく減速動作の必要性に関する運転者の意図に合った車間距離に基づく減速制御が可能となる。
以下、本発明の車両用走行制御装置の一実施形態につき図面を参照しつつ詳細に説明する。
(第1実施形態)
図1から図5を参照して、第1実施形態について説明する。本実施形態は、車間距離に基づき、運転者の減速操作に応答して、車両の減速制御を行う車両用走行制御装置に関する。
本実施形態では、車間距離情報に基づいて、車両の減速制御を行う際に、運転者の意思によらない(運転者の行為に依存/起因しない)事由により車間距離が小さくなる場合には、運転者の意思による(運転者の行為に依存/起因する)事由により車間距離が小さくなる場合に比べて、本減速制御の前提条件が相対的に早いタイミングで成立し易くされる。
図5を参照して、本発明の背景となった知見について説明する。図5は、本発明者らが行った実験結果を示している。本実験では、自車両の前方で走行する車両に自車が接近した場合の運転者のアクセルOFFタイミングが計測された。図5において、縦軸は相対車速、横軸は車間距離であり、アクセルをOFFにしたタイミングがプロットされている。図中、□の印は、前車が定常走行で自車も定常走行で前車に接近・追従している状態のときのデータであり、*の印は、前車が定常走行で自車が加速しながら前車に接近・追従している状態のときのデータであり、△の印は、前車が減速走行で自車が定常走行で前車に接近・追従している状態のときのデータである。ここで、定常走行とは、加速も減速もしておらず加速度が概ねゼロであることを意味する。
図5に示すように、上記状態毎の実験データは、直線で近似することができ、前車が減速走行している場合(△)と、それ以外の場合(□、*)では、傾きが異なる。その近似直線の傾きは、衝突時間(=車間距離/相対車速)を表しており、傾きが小さいほど、早いタイミングで運転者がアクセルをOFFすることを表している。前車が減速走行している場合(△)の方がそれ以外の場合(□、*)に比べて、相対的に早いタイミングで運転者がアクセルをOFFしているという実験結果が得られた。これは、車間距離が減少する理由が、運転者の意思によらずに(自分の行為に起因/依存することなく)接近したことにあるためであり、運転者が不安を感じ、相対的に早いタイミングで減速しようとしたことを意味している。
上記のように、運転者の減速要求タイミング(車間距離が詰まった場合にアクセルをOFFするタイミング)は、自車から前車に接近する場合(運転者の意思で接近する場合)と、前車が減速して自車に接近する場合(運転者の意思とは関わりなく接近する場合)では異なり、運転者の意思とは関わりなく車間距離が減少する場合の方が、アクセルをOFFするタイミングが早いことが実験結果より判明している。
前述したように、運転者の減速操作に応答して、車間距離に基づく減速制御が行われる場合には、車間距離に基づいて減速制御が必要と判断された(車間距離に基づく減速制御の前提条件が成立した)状態で、運転者の減速操作が行われる(車間距離に基づく減速制御の開始条件が成立する)必要がある。車間距離に基づく減速制御の前提条件を容易に(過度に)成立させてしまうと、即ち、相対的に早い時点で前提条件が成立するようにすると、運転者が車間距離に基づく減速動作を必要ないと考えている状況であっても、運転者がアクセルをオフにすると、車間距離に基づく減速制御が行われてしまい、運転者は違和感を感じる。つまり、車間距離に基づく減速制御の前提条件は、車間距離が詰まったことに対応して運転者が減速要求をするに際してアクセルをOFFするタイミングよりも少し前に、成立していることが肝要である。従来は、この点に対応した制御が行われていないため、運転者に違和感を与える場合があった。
また、上記実験結果による知見が得られていない従来では、衝突時間が同じ状況であっても、実際には運転者によるアクセルOFFタイミングのばらつきが大きい(運転者の接近意図によって異なる結果となる)ことから、車間距離に基づく減速制御の前提条件を成立させるための条件を設定することが困難であった。即ち、「車間距離が詰まったことに対応して運転者がアクセルをOFFするタイミングの少し前」という要請をいかなる状況下でも満足する条件を所定の値として設定することが困難であった。
これに対して、本実施形態では、上記実験結果により得られた知見に基づいて、車間距離に基づく減速制御の前提条件を成立させるための条件を設定することにより、車間距離に基づく減速制御が運転者の意思に合う形で実現されることができる。
以下に、本実施形態の制御内容について説明する。
まず、本実施形態の構成について説明する。
本実施形態の構成としては、以下に詳述するように、自車と前方の車両との車間距離を計測または推定できる手段と、上記車間距離の情報に基づいて、運転者による減速操作(アクセルのOFF操作やブレーキのON操作など。本実施形態では、アクセルのOFF操作の例で説明する)に応答して、減速制御を実施する手段が前提となる。
図2において、符号10は自動変速機、40はエンジン、200はブレーキ装置である。自動変速機10は、電磁弁121a、121b、121cへの通電/非通電により油圧が制御されて5段変速が可能である。図2では、3つの電磁弁121a、121b、121cが図示されるが、電磁弁の数は3に限定されない。電磁弁121a、121b、121cは、制御回路130からの信号によって駆動される。
スロットル開度センサ114は、エンジン40の吸気通路41内に配置されたスロットルバルブ43の開度を検出する。エンジン回転数センサ116は、エンジン40の回転数を検出する。車速センサ122は、車速に比例する自動変速機10の出力軸120cの回転数を検出する。シフトポジションセンサ123は、シフトポジションを検出する。パターンセレクトスイッチ117は、変速パターンを指示する際に使用される。加速度センサ90は、車両の減速度(減速加速度)を検出する。車間距離計測部100は、車両前部に搭載されたレーザーレーダーセンサ又はミリ波レーダーセンサなどのセンサを有し、先行車両との車間距離を計測する。路面μ検出・推定部115は、路面の摩擦係数μを検出又は推定する。
制御回路130は、スロットル開度センサ114、エンジン回転数センサ116、車速センサ122、シフトポジションセンサ123、加速度センサ90の各検出結果を示す信号を入力し、また、パターンセレクトスイッチ117のスイッチング状態を示す信号を入力し、また、路面μ検出・推定部115による検出又は推定の結果を示す信号を入力し、また、車間距離計測部100による計測結果を示す信号を入力する。
制御回路130は、周知のマイクロコンピュータによって構成され、CPU131、RAM132、ROM133、入力ポート134、出力ポート135、及びコモンバス136を備えている。入力ポート134には、上述の各センサ114、116、122、123、90からの信号、上述のスイッチ117からの信号、路面μ検出・推定部115及び車間距離計測部100のそれぞれからの信号が入力される。出力ポート135には、電磁弁駆動部138a、138b、138c、及びブレーキ制御回路230へのブレーキ制動力信号線L1が接続されている。ブレーキ制動力信号線L1では、ブレーキ制動力信号SG1が伝達される。
ROM133には、予め図1のフローチャートに示す動作(制御ステップ)が格納されているとともに、自動変速機10のギヤ段を変速するための変速マップ及び変速制御の動作(図示せず)が格納されている。制御回路130は、入力した各種制御条件に基づいて、自動変速機10の変速を行う。
ブレーキ装置200は、制御回路130からブレーキ制動力信号SG1を入力するブレーキ制御回路230によって制御されて、車両を制動する。ブレーキ装置200は、油圧制御回路220と、車両の車輪204、205、206、207に各々設けられる制動装置208、209、210、211とを備えている。各制動装置208、209、210、211は、油圧制御回路220によって制動油圧が制御されることにより、対応する車輪204、205、206、207の制動力を制御する。油圧制御回路220は、ブレーキ制御回路230により、制御される。
油圧制御回路220は、ブレーキ制御信号SG2に基づいて、各制動装置208、209、210、211に供給する制動油圧を制御することで、ブレーキ制御を行う。ブレーキ制御信号SG2は、ブレーキ制動力信号SG1に基づいて、ブレーキ制御回路230により生成される。ブレーキ制動力信号SG1は、自動変速機10の制御回路130から出力され、ブレーキ制御回路230に入力される。ブレーキ制御の際に車両に与えられるブレーキ力は、ブレーキ制動力信号SG1に含まれる各種データに基づいてブレーキ制御回路230により生成される、ブレーキ制御信号SG2によって定められる。
ブレーキ制御回路230は、周知のマイクロコンピュータによって構成され、CPU231、RAM232、ROM233、入力ポート234、出力ポート235、及びコモンバス236を備えている。出力ポート235には、油圧制御回路220が接続されている。ROM233には、ブレーキ制動力信号SG1に含まれる各種データに基づいて、ブレーキ制御信号SG2を生成する際の動作が格納されている。ブレーキ制御回路230は、入力した各制御条件に基づいて、ブレーキ装置200の制御(ブレーキ制御)を行う。
次に、自動変速機10の構成を図3に示す。図3おいて、内燃機関にて構成されている走行用駆動源としてのエンジン40の出力は、流体式動力伝達装置としてのトルクコンバータ14を経て自動変速機10に入力され、図示しない差動歯車装置および車軸を介して駆動輪へ伝達される。
トルクコンバータ14は、エンジン40のクランク軸に連結されたポンプ翼車20と、自動変速機10の入力軸22に連結されたタービン翼車24と、それらポンプ翼車20およびタービン翼車24の間を直結するためのロックアップクラッチ26と、一方向クラッチ28によって一方向の回転が阻止されているステータ翼車30とを備えている。
自動変速機10は、ハイおよびローの2段の切り換えを行う第1変速部32と、後進変速段および前進4段の切り換えが可能な第2変速部34とを備えている。第1変速部32は、サンギヤS0、リングギヤR0、およびキャリアK0に回転可能に支持されてそれらサンギヤS0およびリングギヤR0に噛み合わされている遊星ギヤP0から成るHL遊星歯車装置36と、サンギヤS0とキャリアK0との間に設けられたクラッチC0および一方向クラッチF0と、サンギヤS0およびハウジング38間に設けられたブレーキB0とを備えている。
第2変速部34は、サンギヤS1、リングギヤR1、およびキャリアK1に回転可能に支持されてそれらサンギヤS1およびリングギヤR1に噛み合わされている遊星ギヤP1から成る第1遊星歯車装置40と、サンギヤS2、リングギヤR2、およびキャリアK2に回転可能に支持されてそれらサンギヤS2およびリングギヤR2に噛み合わされている遊星ギヤP2から成る第2遊星歯車装置42と、サンギヤS3、リングギヤR3、およびキャリアK3に回転可能に支持されてそれらサンギヤS3およびリングギヤR3に噛み合わされている遊星ギヤP3から成る第3遊星歯車装置44とを備えている。
サンギヤS1とサンギヤS2は互いに一体的に連結され、リングギヤR1とキャリアK2とキャリアK3とが一体的に連結され、そのキャリアK3は出力軸120cに連結されている。また、リングギヤR2がサンギヤS3および中間軸48に一体的に連結されている。そして、リングギヤR0と中間軸48との間にクラッチC1が設けられ、サンギヤS1およびサンギヤS2とリングギヤR0との間にクラッチC2が設けられている。また、サンギヤS1およびサンギヤS2の回転を止めるためのバンド形式のブレーキB1がハウジング38に設けられている。また、サンギヤS1およびサンギヤS2とハウジング38との間には、一方向クラッチF1およびブレーキB2が直列に設けられている。この一方向クラッチF1は、サンギヤS1およびサンギヤS2が入力軸22と反対の方向へ逆回転しようとする際に係合させられる。
キャリアK1とハウジング38との間にはブレーキB3が設けられており、リングギヤR3とハウジング38との間には、ブレーキB4と一方向クラッチF2とが並列に設けられている。この一方向クラッチF2は、リングギヤR3が逆回転しようとする際に係合させられる。
以上のように構成された自動変速機10では、例えば図4に示す作動表に従って後進1段および変速比が順次異なる前進5段(1st〜5th)の変速段の何れかに切り換えられる。図4において「○」は係合で、空欄は解放を表し、「◎」はエンジンブレーキ時の係合を表し、「△」は動力伝達に関与しない係合を表している。前記クラッチC0〜C2、およびブレーキB0〜B4は何れも油圧アクチュエータによって係合させられる油圧式摩擦係合装置である。
図1及び図2を参照して、本実施形態の動作を説明する。
[ステップS1]
ステップS1では、車間距離計測部100により、車間距離が計測される。その車間距離を示す信号は、車間距離計測部100から制御回路130に出力される。ステップS1の次に、ステップS2に進む。
[ステップS2]
ステップS2では、制御回路130により、前車の車速が演算される。制御回路130では、ステップS1にて車間距離計測部100から得た車間距離(L)を示すデータと、車速センサ122から入力した自車の車速(V1)を示すデータに基づいて、下記式により、前車の車速(V2)が求められる。
2−V1=d(L)dt
2=d(L)dt+V1
ステップS2の次に、ステップS3が行われる。
[ステップS3]
ステップS3では、制御回路130により、前車の加速度が求められる。前車の加速度(a2)は、ステップS2で求められた前車の車速(V2)を時間で微分することにより求められる。
2=d(V2)dt
ステップS3の次に、ステップS4が行われる。
[ステップS4]
ステップS4では、制御回路130により、衝突時間が求められる。この衝突時間(T)とは、あと何秒で前車に追いつくかを示すものであり、下記式により求められる。
T=L/(V1−V2
ステップS4の次に、ステップS5が行われる。
[ステップS5]
ステップS5では、制御回路130により、前車が減速状態にあるか否かが判定される。ここでは、下記のように、前車の加速度(a2)が負の値であるか否かにより判定される。
2<0m/s2
ステップS5の判定の結果、前車の加速度(a2)が負の値である場合には、ステップS9に進み、そうではない場合には、ステップS6に進む。
なお、ステップS5では、上記に代えて、前車の加速度(a2)が負の一定値(−○)未満であるか否かによって判定されることができる(下記参照)。
2<−○m/s2
[ステップS6]
ステップS6では、制御回路130により、第1所定値(前車減速以外用)よりもステップS4にて求めた衝突時間(T)が小さいか否かが判定される。第1所定値のデータは、ROM133に予め格納されている。ステップS6の判定の結果、衝突時間(T)が第1所定値よりも小さい場合には、ステップS7に進み、そうでない場合には、ステップS9に進む。
[ステップS7]
ステップS7では、制御回路130により、スロットル開度センサ114からの信号に基づいて、アクセルがOFFの状態か否かが判定される。ステップS7の結果、アクセルがOFFの状態であると判定されれば、ステップS8に進む。ステップS8から車両の減速制御が開始される。一方、アクセルがOFFの状態であると判定されなければ、本制御フローはリターンされる。ステップS7では、運転者による減速操作の有無が判定される。この減速操作の有無は、車間距離に基づく減速制御の開始(トリガ)条件である。上記のように、運転者による減速操作は、アクセルをOFFにする操作の他に、ブレーキをONにする操作であることができる。
[ステップS8]
ステップS8では、制御回路130により、車間距離に基づく減速制御が実施される。即ち、制御回路130により、目標減速度が求められ、その目標減速度の値に基づいて、ブレーキ制御回路230により、ブレーキ制御が行われたり、及び/又は自動変速機10のダウンシフト制御により、車両に減速力が与えられる。上記に代えて、又は上記と共にハイブリッド車の回生ブレーキによる減速が行われてもよい。ここで、目標減速度とは、自車に対してその目標減速度に基づく減速制御が行われたときに、前方車両との関係が目標の車間距離や相対車速になるような値(減速加速度)として求められる。目標減速度は、相対車速(V2−V1)と車間時間(車間距離(L)/自車速(V1))により求められることができる。ステップS8の次には、本制御フローはリターンされる。
[ステップS9]
ステップS9では、制御回路130により、第2所定値(前車減速用)よりもステップS4にて求めた衝突時間(T)が小さいか否かが判定される。第2所定値のデータは、ROM133に予め格納されている。ステップS9の判定の結果、衝突時間(T)が第2所定値よりも小さい場合には、ステップS7に進み、そうでない場合には、本制御フローはリターンされる。
ステップS9の第2所定値は、ステップS6の第1所定値よりも大きな値である。これにより、ステップS4にて求められた衝突時間(T)が同じである場合に、ステップS9の方がステップS6よりも相対的に早いタイミングで成立する。即ち、前車と自車との関係(車間距離や相対車速の比など)が同じ状況であっても、前車が減速状態である場合(ステップS5−Y、S9)には、前車が減速状態ではない場合(ステップS5−N、S6)に比べて、運転者はより早い時点(両車間の接近が相対的に進行していない段階、相対的に両車間が離間している段階)から不安を感じ始め易く、相対的に早いタイミングでアクセルをOFFにする可能性が高い(図5の実験結果から得られた知見による)。このことから、前車が減速状態である場合には、前車と自車との関係において、両車間の接近が相対的に進行していない段階から、車間距離に基づく減速制御の前提条件を成立させておく必要があり、そのため、ステップS6よりもステップS9の条件をより成立し易くすべく、第2所定値>第1所定値に設定される。
なお、上記第1実施形態によれば、ステップS6及びステップS9のそれぞれにおいて、衝突時間(T)の判定閾値が用いられたが、これに代えて、車間時間(車間距離/自車速)や車間距離そのものなどの車間距離に対応したパラメータで判定されることができる。この場合、ステップS6及びステップS9では、上記と同様に、車間時間や車間距離そのものの判定閾値が変更される。
上記のように、本実施形態では、車間距離情報に基づいて減速度を増加させる制御において、運転者の意思(操作)で車間距離が減少する場合とそうでない場合とで、制御開始タイミングが変更される。本実施形態によれば、車間距離に基づく減速制御が運転者の意思に合う形で実現されることができるという効果が得られる。
次に、本実施形態の第1変形例について説明する。
本変形例では、上記第1実施形態と異なる箇所についてのみ説明し、共通部分の説明は省略する。
上記実施形態では、運転者の減速操作に応答して行われる車間距離に基づく減速制御の前提条件に本発明が適用されたが、本実施形態の変形例では、車両の接近を知らせる警告装置にも適用されることができる。本変形例では、図1のステップS7及びS8に代えて、“警告を出す”という制御フローにされることができる。
即ち、前車が減速状態である場合(ステップS5−Y)には、衝突時間Tが第1所定値よりも小さい場合(ステップS6−Y)に、警告が出される。一方、前車が減速状態ではない場合(ステップS5−N)には、衝突時間Tが第2所定値よりも小さい場合(ステップS6−Y)に、警告が出される。
上記知見に基づいて、本変形例においても、前車が減速状態である場合には、前車と自車との関係において、両車間の接近が相対的に進行していない段階から、警告を発する必要があり、そのため、ステップS6よりもステップS9の条件をより成立し易くすべく、第2所定値>第1所定値に設定される。
本変形例によれば、車間距離が詰まったことの警告が発せられるタイミングが運転者の感覚、ニーズに合う形に設定されることができる。
次に、本実施形態の第2変形例について説明する。
本変形例では、上記第1実施形態と異なる箇所についてのみ説明し、共通部分の説明は省略する。
本変形例は、上記図1のステップS5に関するものである。上記図1のステップS5の判定条件では、図5の実験結果により得られた知見と同じ内容とされている。即ち、前車が減速している場合(図5の△)とそうでない場合(□、*)とで、異なる実験結果となったことに着目して、前車が減速している場合(図5の△)とそうでない場合(□、*)のいずれの場合であるかが判定される。
これに対して、本変形例では、図1のステップS5の判定内容が“自車の加速度の絶対値が前車の加速度の絶対値よりも大きいか?”に置き換えられる。そのS5の判定の結果、自車の加速度の絶対値が前車の加速度の絶対値よりも大きい場合には、ステップS6に進み、そうでない場合にはステップS9に進む。即ち、自車の加速度の絶対値が前車の加速度の絶対値よりも大きい場合には、自車の走行に依存して、車間距離が縮まるのに対し、自車の加速度の絶対値が前車の加速度の絶対値よりも小さい場合には、前車の走行に依存して、車間距離が縮まる。なお、ステップS9の第2所定値>ステップS6の第1所定値という大小関係は、上記第1実施形態と同じである。
図6を参照して、本変形例の動作について説明する。
なお、ここで、加速度とは、車が減速している場合には負の加速度として定義される。例えば、−0.1Gの加速度に比べて−0.2Gの加速度の方が減速度としては大きい。
図6のケースbでは、自車及び前車共に加速しているが、自車の加速度が前車の加速度よりも大きいため、自車の走行に依存して車間距離が接近する。
ケースcでは、自車及び前車共に減速しているが、自車の加速度の絶対値が前車の加速度の絶対値よりも大きくないため、前車の走行に依存して車間距離が接近する。
ケースeでは、前車が減速し自車が加速しているが、自車の加速度の絶対値が前車の加速度の絶対値よりも大きくないため、前車の走行に依存して車間距離が接近する。
ケースeでは、前車が減速し自車が加速しているが、自車の加速度の絶対値が前車の加速度の絶対値よりも大きいため、自車の走行に依存して車間距離が接近する。
なお、ケースa及びケースdでは、車間距離が縮まらないため、本実施形態における車間距離に基づく減速制御は行われない。
本変形例では、ケースc、ケースeの場合に、ステップS9に進み、前車と自車との関係において、両車間の接近が相対的に進行していない段階から、車間距離に基づく減速制御の前提条件を成立させる。前車の走行に依存して車間距離が縮まることから、運転者はより早い時点から不安を感じ始め易く、相対的に早いタイミングでアクセルをOFFにする可能性が高いためである。
ここで、自車と前車との関係において、加速度の絶対値が相対的に大きい方の車両の走行に依存して車間距離が接近したと考える理由について説明する。ある瞬間の自車と前車の車間距離をLとし、その次の瞬間の車間距離をL’とする。車間距離がLからL’に縮まったときに、その縮んだ距離(縮み代)は自車の側と前車の側とを比べていずれ側が大きいかによって、いずれの車両に依存して車間距離が縮まったかが決まる。その前車と自車の縮み代の大小は、前車と自車の加速度の絶対値の大小に対応しているため、車間距離が接近したときの理由(いずれの車両に依存するか)を上記のように決めている。
次に、本実施形態の第3変形例について説明する。
本変形例では、上記第1実施形態と異なる箇所についてのみ説明し、共通部分の説明は省略する。
本変形例では、路面μ検出・推定部115により検出又は推定された路面μの値によって、車間距離に基づく減速制御の前提条件を成立させるタイミングが更に早まるように構成される。路面μが小さい場合には、運転者は不安を感じてアクセルをOFFにするタイミングは早いことに対応させたものである。
上記第1実施形態では、前車が減速状態である場合(ステップS5−Y)には、第1所定値よりも相対的に大きな値である第2所定値を用いて前提条件の成否が決定されていた(ステップS9)。これに対して、本変形例では、前車が減速状態である場合(ステップS5−Y)であって、路面μ検出・推定部115により検出又は推定された路面μの値が閾値よりも低い場合(図示せず)には、上記ステップS9に対応するステップでは、上記第2所定値よりも大きな値である第3所定値を用いて前提条件の成否が判定される。これにより、第2所定値を用いたときに比べて、前提条件が一層早いタイミングで成立し易くなり、運転者が低いμの路面においてより早い時期に、車間距離に対応して減速を要求すべくアクセルをOFFする動作に対応させることが可能となる。
上記では、路面μが閾値よりも小さい場合には、前提条件の成否を判定するステップ(ステップS9に対応)における所定値の値を大きくする(第3所定値にする)ことで、前提条件がより早い時期に成立するようにした。この例に代えて、路面μが閾値よりも小さい場合には、ステップS5において前車の加速度a2と大小関係が比較される数値を大きくして、ステップS5の判定条件が成立し易くするようにすることができる。
例えば、路面μが閾値よりも小さくない場合には、ステップS5において前車の加速度a2と大小関係が比較される数値は、ゼロであるとすると、路面μが閾値よりも小さい場合には、ステップS5において前車の加速度a2と大小関係が比較される数値は、正の所定値とすることで、ステップS5の判定条件が成立し易くするようにする。このように、路面μが閾値よりも小さい場合には、ステップS5での判定条件を変えることによっても、路面μが閾値よりも小さくない場合に比べて、前提条件が相対的に早いタイミングで成立し易くなり、運転者が低いμの路面においてより早い時期に、車間距離に対応して減速を要求すべくアクセルをOFFする動作に対応させることが可能となる。
さらに、路面μが閾値よりも小さい場合には、前提条件の成否を判定するステップ(ステップS9に対応)における所定値の値を大きくするとともに、ステップS5での判定条件を変えることによって、前提条件が相対的に早いタイミングで成立し易くすることもできる。
次に、図7を参照して、本実施形態の第4変形例について説明する。
本変形例では、上記第1実施形態と異なる箇所についてのみ説明し、共通部分の説明は省略する。
図7は、本変形例の制御回路130の概略構成を示す図である。本変形例では、道路勾配を計測又は推定する道路勾配計測・推定部118を有している。
道路勾配計測・推定部118は、CPU131の一部として設けられることができる。道路勾配計測・推定部118は、加速度センサ90により検出された加速度に基づいて、道路勾配を計測又は推定するものであることができる。また、道路勾配計測・推定部118は、平坦路での加速度を予めROM133に記憶させておき、実際に加速度センサ90により検出した加速度と比較して道路勾配を求めるものであることができる。
図7に示すように、本変形例では、自車の道路勾配が下り勾配である場合には、平坦路である場合に比べて、運転者は不安になり易く、車間距離に基づく減速要求としてアクセルを相対的に早い時期にOFFにすることが多い。そのため、本変形例では、自車の走行する道路の下り勾配が閾値よりも大きい場合には、前提条件の成否を判定するステップ(ステップS9に対応)における所定値の値を大きくする(第3所定値にする)ことで、前提条件がより早い時期に成立させることができる。
この例に代えて、道路の下り勾配が閾値よりも大きい場合には、ステップS5において前車の加速度a2と大小関係が比較される数値を大きくして、ステップS5の判定条件が成立し易くするようにすることができる。
例えば、道路の下り勾配が閾値よりも大きくない場合には、ステップS5において前車の加速度a2と大小関係が比較される数値は、ゼロであるとすると、道路の下り勾配がが閾値よりも大きい場合には、ステップS5において前車の加速度a2と大小関係が比較される数値は、正の所定値とすることで、ステップS5の判定条件が成立し易くするようにする。このように、道路の下り勾配が閾値よりも大きい場合には、ステップS5での判定条件を変えることによっても、道路の下り勾配が閾値よりも大きくない場合に比べて、前提条件が相対的に早いタイミングで成立し易くなり、運転者が大きな下り勾配の道路においてより早い時期に、車間距離に対応して減速を要求すべくアクセルをOFFする動作に対応させることが可能となる。
さらに、道路の下り勾配が閾値よりも大きい場合には、前提条件の成否を判定するステップ(ステップS9に対応)における所定値の値を大きくするとともに、ステップS5での判定条件を変えることによって、前提条件が相対的に早いタイミングで成立し易くすることもできる。
なお、上記第1実施形態においても、道路勾配による前車又は自車の走行への影響は、加速度ないしは車速や車間距離に反映され、その反映された値に基づいて、図1の動作が行われることにより、車間距離に基づいて行われる減速制御における、道路勾配の影響が含まれた形での適切な制御が行われることができる。例えば、自車が平坦路を走行しているのに対して、前車が登坂路を走行しているときには、前車の加速度ないしは車速が低下し、車間距離が縮まる場合が多いが、その低下した加速度ないしは車速や縮まった車間距離に基づいて、減速制御が行われるため、結果として、前車の道路勾配を考慮した形での減速制御が行われることができる。
(第2実施形態)
図8−1から図14を参照して、第2実施形態について説明する。本実施形態は、ブレーキ(制動装置)と自動変速機の協調制御を行う車両用走行制御装置に関する。第2実施形態においては、上記第1実施形態との共通部分についての説明は省略する。
本実施形態では、車間距離情報に基づいて、車間距離が所定値以下になったことを検出すると、ブレーキ制御(自動ブレーキ制御)と変速制御(自動変速機によるダウンシフト制御)を協調して行うことにより、ブレーキの応答性、制御性、ダウンシフトによるエンジンブレーキの増加の両方の利点を組合わせた、減速制御を提供する。
本実施形態の構成としては、自車と前方の車両との車間距離を計測できる手段と、上記車間距離の情報に基づいて、自動ブレーキ又は回生ブレーキ(以下、単にブレーキという)と、自動変速機(AT、CVT、ハイブリッド車に搭載されたAT)の変速制御とを協調して作動させる減速制御装置とが前提となる。
図8−1、図8−2、図8−3及び図2を参照して、本実施形態の動作を説明する。
なお、図8−1のステップSA1〜SA8は、それぞれ上記図1のステップS1〜S7及びS9と同じであるため、その説明を省略する。図8−1のステップSA7に示すように、アクセルがOFFにされたときには、図8−2のステップSA9に進む。
[ステップSA9]
ステップSA9では、制御回路130により、目標減速度が求められる。目標減速度は、自車に対してその目標減速度に基づく減速制御(後述)が行われたときに、前方車両との関係が目標の車間距離や相対車速になるような値(減速加速度)として求められる。目標減速度を示す信号は、ブレーキ制動力信号SG1として、制御回路130からブレーキ制動力信号線L1を介してブレーキ制御回路230に出力される。
目標減速度は、予めROM133に記憶された目標減速度マップ(図9)を参照して求められる。図9に示すように、目標減速度は、自車と前方車両との相対車速[km/h]と車間時間[sec]に基づいて求められる。なお、ここで、車間時間は、上記の通り、車間距離/自車速である。
図9において、例えば、相対車速が−20[km/h]であって、車間時間が1.0[sec]であるときの目標減速度は−0.20(G)である。自車と前方車両との関係が安全な相対車速や車間距離に近づく程、目標減速度は、小さな値として(減速しないように)設定される。即ち、目標減速度は、自車と前方車両との距離が十分に確保される程、図9の目標減速度マップの右上側の小さな値として求められ、自車と前方車両とが接近している程、同目標減速度マップの左下側の大きな値として求められる。
このステップSA9で求められる目標減速度は、減速制御の前提条件(ステップSA6又はSA8)が成立した後、変速制御(ステップSA12)及びブレーキ制御(ステップSA13)が実際に実行される前の時点(減速制御開始時点)での目標減速度として、特に、最大目標減速度と称される。即ち、目標減速度は、後述するように、減速制御の途中段階においてもリアルタイムに求められるため、ブレーキ制御及び変速制御が実際に実行された後(実行継続中)に求められる目標減速度と区別する意味で、ステップSA9で求められる目標減速度は、特に、最大目標減速度と称される。ステップSA9の次に、ステップSA10が実行される。
[ステップSA10]
ステップSA10では、制御回路130により、自動変速機10による目標減速度(以下、変速段目標減速度)が求められ、その変速段目標減速度に基づいて、自動変速機10の変速制御(シフトダウン)に際して選択すべき変速段が決定される。以下、このステップSA10の内容を(1)、(2)に項分けして説明する。
(1)まず、変速段目標減速度を求める。
変速段目標減速度は、自動変速機10の変速制御により得ようとするエンジンブレーキ力(減速加速度)に対応したものである。変速段目標減速度は、最大目標減速度以下の値として設定される。変速段目標減速度の求め方としては、以下の3つの方法が考えられる。
まず、変速段目標減速度の第1の求め方について説明する。
変速段目標減速度は、ステップSA9において図9の目標減速度マップにより求めた最大目標減速度に、0よりも大きく1以下の係数を乗算した値として設定する。例えば、ステップSA9の上記例の場合と同様に、最大目標減速度が−0.20Gである場合には、例えば0.5の係数を乗算してなる値である、−0.10Gが変速段目標減速度として設定されることができる。
次に、変速段目標減速度の第2の求め方について説明する。
予めROM133に、変速段目標減速度マップ(図10)が登録されている。図10の変速段目標減速度マップが参照されて、変速段目標減速度が求められる。図10に示すように、変速段目標減速度は、図9の目標減速度と同様に、自車と前方車両との相対車速[km/h]と車間時間[sec]に基づいて求められる。例えば、ステップSA9の上記例の場合と同様に、相対車速が−20[km/h]であって、車間時間が1.0[sec]である場合には、−0.10Gが変速段目標減速度として求められる。図9及び図10から明らかなように、相対車速が大きく急激に接近する場合、車間時間が短い場合、あるいは車間距離が短い場合は、早期に車間距離を適正な状態にする必要があるため、減速度をより大きくする必要がある。また、このことから、上記の状況ではより低速段が選択されることになる。
次に、変速段目標減速度の第3の求め方について説明する。
まず、自動変速機10の現状のギヤ段のアクセルOFF時のエンジンブレーキ力(減速G)を求める(以下、現状ギヤ段減速度と称する)。予めROM133に現状ギヤ段減速度マップ(図11)が登録されている。図11の現状ギヤ段減速度マップが参照されて、現状ギヤ段減速度(減速加速度)が求められる。図11に示すように、現状ギヤ段減速度は、ギヤ段と自動変速機10の出力軸120cの回転数NOに基づいて求められる。例えば、現状ギヤ段が5速で出力回転数が1000[rpm]であるときには、現状ギヤ段減速度は−0.04Gである。
なお、現状ギヤ段減速度は、車両のエアコン作動の有無やフューエルカットの有無などの諸状況に応じて、現状ギヤ段減速度マップにより求めた値を補正してもよい。また、車両のエアコン作動の有無やフューエルカットの有無などの諸状況毎に、複数の現状ギヤ段減速度マップをROM133に用意しておき、それらの諸状況に応じて使用する現状ギヤ段減速度マップを切り換えてもよい。
次いで、現状ギヤ段減速度と最大目標減速度との間の値として、変速段目標減速度が設定される。即ち、変速段目標減速度は、現状ギヤ段減速度よりも大きく、最大目標減速度以下の値として求められる。変速段目標減速度と現状ギヤ段減速度及び最大目標減速度との関係の一例を図12に示す。
変速段目標減速度は、以下の式により求められる。
変速段目標減速度=(最大目標減速度−現状ギヤ段減速度)×係数+現状ギヤ段減速度
上記式において、係数は0より大きく1以下の値である。
上記例では、最大目標減速度=−0.20G、現状ギヤ段減速度=−0.04Gであり、係数を0.5と設定して計算すると、変速段目標減速度は−0.12Gとなる。
上記のように、変速段目標減速度の第1及び第3の求め方では、係数が用いられたが、その係数の値は、理論上から求まる値ではなく、各種条件から適宜設定可能な適合値である。即ち、例えば、スポーツカーでは、減速すべきときには相対的に大きな減速度が好まれるため、上記係数の値を大きな値に設定することができる。また、同じ車両であっても、車速やギヤ段に応じて、上記係数の値を可変に制御することができる。運転者の操作に対する車両の応答性を高め、きびきびとした車両走行を意図した所謂スポーツモードと、運転者の操作に対する車両の応答性をゆったりとしたものとして、低燃費となるような車両走行を意図した所謂ラグジュアリーモードやエコノミーモードと呼ばれるモードが選択可能な車両の場合、スポーツモード選択時には、変速段目標減速度はラグジュアリーモードやエコノミーモードよりも大きな変速段変化が起きるように設定される。
変速段目標減速度は、このステップSA10で求められた後は、減速制御が終了するまで再度設定し直されることはない。即ち、変速段目標減速度は、この減速制御開始時点(変速制御(ステップSA12)及びブレーキ制御(ステップSA13)が実際に実行される前の時点)で求められた後は、減速制御が終了するまで同じ値として設定される。図12に示すように、変速段目標減速度(破線で示される値)は、時間が経過しても同じ値である。
(2)次に、上記(1)で求めた変速段目標減速度に基づいて、自動変速機10の変速制御に際して選択すべき変速段が決定される。予めROM133に、図13に示すようなアクセルOFF時の各ギヤ段の車速毎の減速Gを示す車両特性のデータが登録されている。
ここで、上記例と同様に、出力回転数が1000[rpm]であり、変速段目標減速度が−0.12Gである場合を想定すると、図13において、出力回転数が1000[rpm]のときの車速に対応し、かつ変速段目標減速度の−0.12Gに最も近い減速度となるギヤ段は、4速であることが判る。これにより、上記例の場合、ステップSA10では、選択すべきギヤ段は、4速であると決定される。
なお、ここでは、変速段目標減速度に最も近い減速度となるギヤ段を選択すべきギヤ段として選択したが、選択すべきギヤ段は、変速段目標減速度以下(又は以上)の減速度であって変速段目標減速度に最も近い減速度となるギヤ段を選択してもよい。ステップSA10の次にステップSA11が実行される。
[ステップSA11]
ステップSA11では、制御回路130により、アクセルがOFFの状態でかつブレーキがOFFの状態であるか否かが判定される。ステップSA11において、ブレーキがOFF状態であるとは、運転者によるブレーキペダル(図示せず)の操作がなくてブレーキがOFF状態であることを意味しており、ブレーキ制御回路230を介して入力したブレーキセンサ(図示せず)の出力に基づいて判定される。ステップSA11の判定の結果、アクセルがOFFの状態でかつブレーキがOFFの状態であると判定されれば、ステップSA12に進む。一方、アクセルがOFFの状態でかつブレーキがOFFの状態であると判定されなければ、ステップSA17に進む。
図14は、本実施形態の減速制御を説明するためのタイムチャートである。図14には、現状ギヤ段減速度、変速段目標減速度、最大目標減速度、自動変速機10の変速段、自動変速機10(AT)の入力軸回転数、ATの出力軸トルク、ブレーキ力、アクセル開度が示されている。
図14のT0の時点では、符号301に示すように、アクセルがOFF(アクセル開度が全閉)の状態で、かつ符号302に示すように、ブレーキがOFF(ブレーキ力がゼロ)の状態である。この時点T0において、現在の減速度(減速加速度)は、符号303に示すように、現状ギヤ段減速度と同じである。
[ステップSA12]
ステップSA12では、制御回路130により、変速制御が開始される。即ち、ステップSA10で決定された選択すべきギヤ段(上記例では、4速)に変速制御される。図14のT0の時点において、符号304に示すように、自動変速機10は変速制御によりダウンシフトされている。それに伴い、エンジンブレーキ力が増加し、T0の時点から現在の減速度303は増加する。ステップSA12の次に、ステップSA13が実行される。
[ステップSA13]
ステップSA13では、ブレーキ制御回路230により、ブレーキ制御が開始される。即ち、目標減速度まで、ブレーキ力を予め決められていた所定の勾配で増加させる(スウィープ制御)。図10のT0〜T1の時点において、ブレーキ力302が所定の勾配で増加し、それに伴い、現在の減速度303は増加し、T1の時点にて、現在の減速度303が目標減速度に達するまでブレーキ力302は増加し続ける(ステップSA14)。
ステップSA13において、ブレーキ制御回路230は、制御回路130から入力したブレーキ制動力信号SG1に基づいて、ブレーキ制御信号SG2を生成し、そのブレーキ制御信号SG2を油圧制御回路220に出力する。上述の通り、油圧制御回路220は、ブレーキ制御信号SG2に基づいて、制動装置208、209、210、211に供給する油圧を制御することで、ブレーキ制御信号SG2に含まれる指示通りのブレーキ力302を発生させる。
ステップSA13の上記所定の勾配は、ブレーキ制御信号SG2の生成時に参照されるブレーキ制動力信号SG1によって定められる。上記所定の勾配は、ブレーキ制動力信号SG1に含まれる、ステップSA5の判定結果(前車が減速状態か否か)、路面の摩擦係数μや本制御の開始時(図14のT0の時点の直前)のアクセルの戻し速度、アクセルを戻す前の開度に基づいて変更される。例えば、前車が減速状態であると判定された場合(ステップSA5−Y)には、勾配が大きくされる。前車が減速状態であるときには、運転者は不安を感じ易いため、相対的に大きな減速度を車両に作用させることで、安心感を高めるためである。また、例えば、路面の摩擦係数μが低い場合には勾配(傾斜)は小さくされ、アクセル戻し速度又はアクセルを戻す前の開度が大きい場合には勾配を大きくされる。なお、図14において、T0の時点からT1の時点の実線で示す符号303は、ステップSA13の上記所定の勾配が大きな勾配に設定されたときの現在の減速度を示し、T0の時点からT3の時点の二点鎖線で示す符号303aは、小さな勾配に設定されたときの現在の減速度を示す(なお、本実施形態では、実線の実減速度303に対応する勾配に設定されたとして説明する)。
上記のように、所定の勾配でブレーキ力302を増加させる方法に代えて、現在の減速度303が目標減速度となるように、現在の減速度303と目標減速度との偏差に基づいて、車両に与えるブレーキ力302のフィードバック制御を行うことができる。また、ブレーキ制御によるブレーキ力302は、自動変速機10の入力軸回転数の時間微分値とイナーシャにより決まる変速イナーシャトルク分を考慮して決定してもよい。
ここで、ステップSA13における「目標減速度」には、ステップSA9で求められた最大目標減速度と、後述するステップSA15で再度求められる目標減速度の両方が含まれ、ステップSA13のブレーキ制御は、ステップSA17にてブレーキ制御が終了するまで継続して実行される。ステップSA13の次には、ステップSA14が実行される。
[ステップSA14]
ステップSA14では、制御回路130により、現在の減速度303が目標減速度であるか否かが判定される。その判定の結果、現在の減速度303が目標減速度であると判定されれば、ステップSA15に進む。一方、現在の減速度303が目標減速度であると判定されなければ、ステップSA13に戻る。図14のT1の時点までは現在の減速度303は目標減速度に到達していないため、それまではステップSA13においてブレーキ力302が所定の勾配で増加される。
[ステップSA15]
図8−3に示すように、ステップSA15では、目標減速度が再度求められる。制御回路130は、ステップSA9と同様に、上記目標減速度マップ(図9)を参照して、目標減速度を求める。目標減速度は、上述した通り、相対車速や車間距離に基づいて設定されており、減速制御(変速制御及びブレーキ制御の両方)が始まると、相対車速や車間距離も変化するので、その変化に応じた目標減速度がリアルタイムで求められる。
ステップSA15にてリアルタイムに目標減速度が求められると、ステップSA13にて開始されて継続中のブレーキ制御により、現在の減速度303が目標減速度になるようにブレーキ力302が与えられる(ステップSA13、SA14参照)。
ステップSA15の目標減速度を求める動作は、ステップSA17にてブレーキ制御が終了するまで継続して行われる。後述するように、ブレーキ制御は、現在の減速度303が変速段目標減速度に一致するまで、継続される(ステップSA16、SA17)。上記のように、現在の減速度303は、目標減速度に一致するように制御されるため(ステップSA13、SA14)、結果として、ステップSA15の目標減速度を求める動作は、その求めた目標減速度が変速段目標減速度に一致するまで継続される。
ステップSA15の時点では、既に減速制御が行われている分だけ、減速制御開始前のステップSA9の時点よりも自車の車速が低下している。このことから、ステップSA15において、目標の車間距離や相対車速にするために求められる目標減速度は、通常、ステップSA9で求めた最大目標減速度に比べて小さな値となる。
図14のT1〜T7の時点では、“リアルタイムに目標減速度を求めて現在の減速度303がその目標減速度に合うようにブレーキ力302を与える”という動作が繰り返されるが、その間、ブレーキ制御が継続される結果として、ステップSA15で繰り返し求められる目標減速度が漸次小さくなり、その目標減速度の値の減少に応じて、ブレーキ制御で与えられるブレーキ力302も漸次小さくなり、現在の減速度303は、その目標減速度に概ね一致しながら漸次減少する。ステップSA15の次には、ステップSA16が実行される。
[ステップSA16]及び[ステップSA17]
ステップSA16では、制御回路130により、現在の減速度303が変速段目標減速度に一致したか否かが判定される。その判定の結果、現在の減速度303が変速段目標減速度に一致したと判定されれば、ブレーキ制御は終了する(ステップSA17)。ブレーキ制御の終了は、ブレーキ制動力信号SG1によってブレーキ制御回路230に伝達される。一方、現在の減速度303が変速段目標減速度に一致しなければ、ブレーキ制御は終了しない。図14のT7の時点で現在の減速度303が変速段目標減速度に一致するので、車両に与えられるブレーキ力302はゼロになる(ブレーキ制御の終了)。
[ステップSA18]
ステップSA18では、制御回路130により、アクセルがONにされたか否かが判定される。アクセルがONにされた場合には、ステップSA19に進む。アクセルがONにされていない場合には、ステップSA22に進む。図14の例では、T8の時点でアクセルがONにされたと判定される。
[ステップSA19]
ステップSA19では、復帰タイマーがスタートする。図14の例では、T8の時点から復帰タイマーがスタートする。ステップSA19の次にステップSA20に進む。復帰タイマーは、制御回路130のCPU131に設けられている(図示せず)。
[ステップSA20]
ステップSA20では、制御回路130により、復帰タイマーのカウント値が所定値以上であるか否かが判定される。カウント値が所定値以上でなければ、ステップSA18に戻る。カウント値が所定値以上になれば、ステップSA21に進む。図14の例では、T9の時点でカウント値が所定値以上となる。
[ステップSA21]
ステップSA21では、制御回路130による、変速制御(ダウンシフト制御)が終了し、予めROM133に格納された通常の変速マップ(変速線)に従いアクセル開度と車速に基づき決定される変速段に復帰する。図14の例では、T9の時点で変速制御が終了し、アップシフトが実施される。ステップSA21が実施されると、本制御フローは終了する。
[ステップSA22]
ステップSA22では、制御回路130により、車間距離が所定値を超えたか否かが判定される。このステップSA22において、車間距離が所定値を超えていると判定されれば、ステップSA21に進む。車間距離が所定値を超えていると判定されなければ、ステップSA18に戻る。
以上に述べた本実施形態によれば、以下の効果を奏することができる。
本実施形態では、上記第1実施形態と同様に、前車と自車との関係(車間距離や相対車速の比など)が同じ状況であっても、前車が減速状態にある場合(ステップSA5−Y、SA9)には、前車が減速状態ではない場合(ステップSA5−N、SA6)に比べて、運転者はより早い時点(両車間の接近が相対的に進行していない段階、相対的に両車間が離間している段階)から不安を感じ始め易く、相対的に早いタイミングでアクセルをOFFにする可能性が高いことに鑑みて、前車が減速状態にあるときには、両車間の接近が相対的に進行していない段階から、車間距離に基づく減速制御の前提条件を成立させるようにしている。
また、本実施形態では、変速動作とブレーキ動作の協調制御が行われるため、運転者の減速操作に応答して、車間距離に基づく減速制御が行われるときに、応答性良く車両に減速度を作用させることができる。これにより、本実施形態における、前車が減速状態にあるときに前提条件の成立時期を早めるという動作の実効性が担保される。即ち、変速動作のみで車間距離に基づく減速制御が行われるときには、運転者の減速操作に応答して、変速指令が出力されても、実際に変速が開始されるまでには所定の時間がかかる(図14には図示せず)。その所定の時間は変速の種類によって決まる時間である。その所定の時間の間は、車両に減速度が作用しないため、応答性が良くなく、前車が減速状態にあるときに前提条件の成立時期を早めた効果が薄れる。これに対し、本実施形態では、運転者の減速操作に応答して、ブレーキ制御が開始されるため、直ちに(変速が実質的に開始される前から)車両に減速度が作用する。これにより、前車が減速状態にあるときに前提条件の成立時期を早めた効果がそのままの形で活用される。
さらに、本実施形態では、前車が減速状態にあるときには、運転者の減速操作に応答して開始されるブレーキ制御において、ブレーキ制御量の勾配が相対的に大きく設定される。前車が減速状態にあるときには、運転者はより不安を感じ易いが、車両に作用させるブレーキ力の勾配を大きく設定することで安心感を高めることができる。
なお、第2実施形態では、上記第1実施形態の第2変形例のような変形が可能である。即ち、図8−1のステップSA5の判定内容が“自車の加速度の絶対値が前車の加速度の絶対値よりも大きいか”に置き換えられることができる。同様に、第2実施形態では、上記第3又は第4変形例のような変形が可能である。更に、第2実施形態では、前車が減速状態か否かによって衝突時間の判定閾値(ステップSA6、SA8)を変更することなく(従来と同様に、単一の判定閾値を用いて)、ブレーキ力のスウイープ制御(ステップSA13)の上記勾配のみを変更させることができる。これによっても、車間距離に基づく減速動作の必要性に関する運転者の意図に適合した車間距離に基づく減速制御が実現される。
なお、上記第1及び第2実施形態においては、有段の自動変速機10を例にとり説明したが、CVTに適用することも可能である。その場合、上記の「ギヤ段」や「変速段」は「変速比」に置き換え、「ダウンシフト」は「CVTの調整」に置き換えればよい。また、上記のブレーキ制御は、上記ブレーキに代えて、回生ブレーキなどの他の、車両に制動力を生じさせる制動装置を用いても可能である。更に、上記においては、車両が減速すべき量を示す減速度は、減速加速度(G)を用いて説明したが、減速トルクをベースに制御を行うことも可能である。
本発明の車両用走行制御装置の第1実施形態の動作を示すフローチャートである。 本発明の車両用走行制御装置の第1実施形態の概略構成図である。 本発明の車両用走行制御装置の第1実施形態の自動変速機を説明する骨子図である。 図3の自動変速機の作動表を示す図である。 本発明の車両用走行制御装置の第1実施形態の背景の知見に関連する実験結果を説明する図である。 本発明の車両用走行制御装置の第1実施形態の第2変形例を説明するための図である。 本発明の車両用走行制御装置の第1実施形態の第4変形例の制御回路を示す概略構成図である。 本発明の車両用走行制御装置の第2実施形態の動作の一部を示すフローチャートである。 本発明の車両用走行制御装置の第2実施形態の動作の他の一部を示すフローチャートである。 図本発明の車両用走行制御装置の第2実施形態の動作の更に他の一部を示すフローチャートである。 本発明の車両用走行制御装置の第2実施形態における目標減速度マップを示す図である。 本発明の車両用走行制御装置の第2実施形態における変速段目標減速度マップを示す図である。 本発明の車両用走行制御装置の第2実施形態における出力軸回転数と変速段に応じて生じる減速度を示す図である。 本発明の車両用走行制御装置の第2実施形態における変速度目標減速度と、現状ギヤ段減速度と最大目標減速度との関係を示す図である。 本発明の車両用走行制御装置の第2実施形態における各ギヤ段の車速毎の減速度を示す図である。 本発明の車両用走行制御装置の第2実施形態の動作を示すタイムチャートである。
符号の説明
10 自動変速機
40 エンジン
90 加速度センサ
100 車間距離計測部
114 スロットル開度センサ
115 路面μ検出・推定部
116 エンジン回転数センサ
118 道路勾配計測・推定部
122 車速センサ
123 シフトポジションセンサ
130 制御回路
131 CPU
133 ROM
200 ブレーキ装置
230 ブレーキ制御回路
301 アクセル開度
302 ブレーキ力(自動ブレーキ)
303 現在の減速度
304 変速段
L1 ブレーキ制動力信号線
SG1 ブレーキ制動力信号
SG2 ブレーキ制御信号

Claims (7)

  1. 車両と前記車両の前方の先行車との距離に基づいて、前記車両の減速制御を行う車両用走行制御装置であって、
    前記先行車と前記車両との距離が減少した原因が相対的に前記先行車の走行に依存するところが大きいのか、又は前記車両の走行に依存するところが大きいのかのいずれかによって、前記減速制御が行われるための条件が変更される
    ことを特徴とする車両用走行制御装置。
  2. 請求項1記載の車両用走行制御装置において、
    前記先行車の加速度の絶対値に比べて前記車両の加速度の絶対値の方が大きい場合には、相対的に前記車両の走行に依存するところが大きいと判定され、前記車両の加速度の絶対値に比べて前記先行車の加速度の絶対値の方が大きい場合には、相対的に前記先行車の走行に依存するところが大きいと判定される
    ことを特徴とする車両用走行制御装置。
  3. 車両と前記車両の前方の先行車との距離に基づいて、前記車両の減速制御を行う車両用走行制御装置であって、
    前記先行車の加速度に基づいて、前記減速制御が行われるための条件が変更される
    ことを特徴とする車両用走行制御装置。
  4. 請求項1から3のいずれか1項に記載の車両用走行制御装置において、
    前記減速制御が行われるための条件の変更とは、前記先行車と前記車両との距離に対応する閾値の変更である
    ことを特徴とする車両用走行制御装置。
  5. 請求項4記載の車両用走行制御装置において、
    前記先行車と前記車両との距離が減少した原因が相対的に前記先行車の走行に依存するところが大きい場合、又は前記先行車の加速度が設定値よりも小さい場合には、前記先行車と前記車両との距離が相対的に長いときにおいて、前記減速制御が行われるための条件が成立するように変更される
    ことを特徴とする車両用走行制御装置。
  6. 車両と前記車両の前方の先行車との距離に基づいて、前記車両に制動力を生じさせる制動装置の作動と、前記車両の変速機を相対的に低速用の変速段又は変速比に変速する変速動作とにより前記車両の減速制御を行う車両用走行制御装置であって、
    前記先行車と前記車両との距離が減少した原因が相対的に前記先行車の走行に依存するところが大きい場合、又は前記先行車の加速度が設定値よりも小さい場合には、前記制動装置により生じさせる制動力が変更される
    ことを特徴とする車両用走行制御装置。
  7. 請求項1から6のいずれか1項に記載の車両用走行制御装置において、
    前記減速制御は、前記車両の運転者による減速操作に基づいて行われる
    ことを特徴とする車両用走行制御装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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