JP2005219316A - 液体吐出カートリッジ及び液体吐出装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 色の濃度ムラの無い印刷を行う。
【解決手段】 インク流路42内に防波片43が1つ以上設けられていることから、例えばインク流路42内における防波片43と隣接する領域44で短波長の定在波が生じても、定在波によるエネルギーを複数箇所に分散できることから、インク流路42内のインクiに圧力ムラが生じることを抑え、過不足のない適切な量のインクiが供給されたインク液室54のノズル52aより、適量のインクiが吐出され、色の濃度ムラの無い優れた画質の印刷が行える。
【選択図】 図5
【解決手段】 インク流路42内に防波片43が1つ以上設けられていることから、例えばインク流路42内における防波片43と隣接する領域44で短波長の定在波が生じても、定在波によるエネルギーを複数箇所に分散できることから、インク流路42内のインクiに圧力ムラが生じることを抑え、過不足のない適切な量のインクiが供給されたインク液室54のノズル52aより、適量のインクiが吐出され、色の濃度ムラの無い優れた画質の印刷が行える。
【選択図】 図5
Description
本発明は、対象物に記録を行うための液体を対象物に吐出する液体吐出カートリッジ及び液体吐出装置に関する。
液体を吐出する装置として、対象物となる記録紙に対して液体吐出ヘッドより記録液、いわゆるインクを吐出させて、画像や文字を記録するインクジェット方式の液体吐出装置、いわゆるプリンタ装置がある。このインクジェット方式を用いた液体吐出装置は、低ランニングコスト、装置の小型化、印刷画像のカラー化が容易という利点がある。
インクジェット方式を用いた液体吐出装置では、インクは、複数の色(例えばイエロー、マゼンダ、シアン、ブラック等)のインクがそれぞれ充填されたインクタンクから液体吐出ヘッドのインク液室等に供給される。そして、インク液室等に供給されたインクは、インク液室内に配置された圧電素子や発熱抵抗体等の圧力発生素子にパルス電流等が供給されることで発生する圧力によって押圧される。その結果、インク液室内のインクは、液体吐出ヘッドに設けられた微小な吐出口、いわゆるノズルより吐出されて記録紙に着弾し、画像や文字を記録、すなわち印刷することになる。
インクジェット方式の液体吐出装置としては、インクタンクが液体吐出ヘッドに装着され、液体吐出ヘッドが記録紙の幅方向、すなわち記録紙の搬送方向と略直交する方向に移動することによって所定の色のインクを記録紙に着弾させるシリアル型のプリンタ装置がある。また、記録紙の幅とほぼ同じ範囲をインクの吐出範囲とした、すなわち記録紙の幅方向に並設させたノズルを備える液体吐出ヘッドより記録紙の幅方向に一度にインクを吐出する、いわゆるラインヘッド型の液体吐出装置がある。
シリアル型の液体吐出装置は、液体吐出ヘッドが記録紙の搬送方向と略直交する方向に移動するときに記録紙の走行を停止させ、停止している記録紙に液体吐出ヘッドを移動させながらインクを吐出し、これを繰り返すことで印刷を行う。一方、ラインヘッド型の液体吐出装置は、液体吐出ヘッドが固定、若しくは印刷ムラを避けるための僅かな微動できる程度に固定されており、連続的に走行している記録紙に液体吐出ヘッドが記録紙の幅方向に一度にインクを吐出、着弾させることで印刷する。
このため、このラインヘッド型の液体吐出装置は、シリアル型と異なり液体吐出ヘッドを移動させないものであることから、シリアル型の液体吐出装置に比べて高速印刷を行うことが可能となる。また、ラインヘッド型の液体吐出装置は、液体吐出ヘッドを移動させる必要がないことから、各インクタンクを大型化することができ、インクタンクのインク容量を増やすことができる。このようなラインヘッド型の液体吐出装置では、液体吐出ヘッドを移動させるものではないため構成の簡素化を図ることができ、各インクタンクと液体吐出ヘッドとを一体的に設けることが可能となる。
また、ラインヘッド型の液体吐出装置においては、液体吐出ヘッドのノズルが記録紙の幅方向に並設されていることから、各ノズルと相対するインク液室も記録紙の幅方向に並設されており、これらインク液室全てにインクを供給するために略直線状に形成されたインク流路が設けられている。すなわち、液体吐出ヘッドには、インク液室にインクを導入するために記録紙の幅と略同じ長さ、具体的には数cm〜数十cmの長さの略直線状を成すインク流路が設けられている(特許文献1を参照。)。
このラインヘッド型の液体吐出装置において、圧力発生素子が発生した圧力は、ノズルよりインクを吐出するために作用するだけでなく、略直線状に形成されたインク流路にインクタンクより流入し、隙間なく充填されたインクにも伝播され、インク流路内のインク中に縦波(いわゆる音波)の定在波を発生させる原因となる虞がある。
具体的には、図21に示すように、液体吐出ヘッド201に複数並設された圧力発生素子202が発生した圧力がインク液室203よりインク流路204内に充填されているインク中に縦波の圧力波となって伝播される。そして、インク流路204内のインク中に伝播された圧力波は、インク流路204に沿って進行してインク流路204の長尺方向、すなわち記録紙の幅方向の端部204aに達して反射し、圧力波が進行してきた方向とは反対方向に進行して反対側の端部204aに達すると再び反射し、減衰するまで両端部204aでの反射が繰り返されてインク流路204内のインク中で定在波となる。
なお、液体吐出ヘッド201においては、複数の圧力発生素子202が記録紙の幅方向に並設されていて各圧力発生素子202それぞれが圧力発生源となっているが、各圧力発生素子202がインクを吐出するための圧力を略同時に発生することから、圧力発生素子202全てが1つの定在波発生源となる。
また、インク流路204のインク中の定在波は、インクの吐出間隔、すなわち圧力発生素子202の圧力発生間隔、具体的には圧力発生素子に供給されるパルス電流の周波数成分や、インク流路204の長さ等、諸条件を満たしたときに発生する。具体的には、インク流路204といった空間中に充填されたインクという媒体を伝播する圧力波は両端部204aを固定端として反射することから、数1に示す一般式を満たすことが定在波発生の条件である。
L=n(λ/2)・・・(数1)
(但し、Lはインク流路の長さであり、nは自然数であり、λは圧力波の波長である。)
すなわち、nは1以上の整数であることから、数1において、nが小数等にならない限り定在波が発生する。また、インク中を縦波が伝わる速度vと、圧力波の波長λと、圧力波の周波数fとの間には、数2に示す一般式の関係が成り立つ。
(但し、Lはインク流路の長さであり、nは自然数であり、λは圧力波の波長である。)
すなわち、nは1以上の整数であることから、数1において、nが小数等にならない限り定在波が発生する。また、インク中を縦波が伝わる速度vと、圧力波の波長λと、圧力波の周波数fとの間には、数2に示す一般式の関係が成り立つ。
v=fλ・・・(数2)
なお、圧力波の周波数fは、記録紙の幅方向に並設されている各圧力発生素子202が発生させた圧力波の合成波が持つ周波数成分であり、吐出周波数と密接な関係がある。
なお、圧力波の周波数fは、記録紙の幅方向に並設されている各圧力発生素子202が発生させた圧力波の合成波が持つ周波数成分であり、吐出周波数と密接な関係がある。
そして、上述した数1に示す一般式のnが1の場合、図22に示すように、インク流路204の両端部204aが節、インク流路204の長さ方向の略中央部が腹となるような定在波となる。また、一般式のnが2の場合、図23に示すように、インク流路204の両端部204aと略中央部とが節、インク流路204の長さ方向の1/4、3/4の位置が腹となるような定在波となる。なお、図22及び図23では、定在波の節の部分をXで示し、定在波の腹の部分をYで示す。
具体的に、A4サイズの記録紙に印刷することが可能なインク吐出ヘッド201は、インク流路204の長さが20cm程度であり、吐出周波数7500Hzでインクを高速吐出、すなわち圧力発生素子202を周波数7500Hzのパルス電流で駆動させた場合、nは2となり、図23に示すような定在波がインク流路204内のインク中に発生する。なお、インク中を縦波が伝わる速度vは、水中の音速と略同じと考えられることから1500m/sとした。また、吐出周波数7500Hzでインクを高速吐出した場合、1つのノズルからは1秒間に約7000回、インクが吐出されることになる。
インク流路204内に充填されたインクは、インク中に定在波が発生すると、インク流路204の両端部204aでは固定端、すなわち流路の端面に阻まれて移動し難くなり、両端部204a以外の定在波の節の部分でも媒体となるインクの振動が打ち消されて移動し難くなっている。一方、定在波の腹の部分では、媒体となるインクは大きく振動し、インク粒子(分子)の振動する速度(音響的粒子速度)が大きくなり、インクが移動し易くなっている。
換言すると、インク流路204内のインク中、インク粒子の速度が大きい定在波の腹の部分では媒体の粒子と粒子とが離れ、媒体の密度は低くなっている。密度が低いから激しく振動できるとも言える。一方、インク流路204内のインク中、インク粒子の速度が小さい定在波の節の部分では媒体の粒子同士が接近し、密度が高くなっている。
そして、インク流路204内のインクにおいては、密度が低い部分では圧力が低く、密度が高い部分では圧力が高くなる。
以上で説明したように、インク吐出ヘッド201においては、インク流路204内のインク中に定在波が発生した場合、インク流路204内のインク中では定在波の節や腹の部分でインクに掛かる圧力がことなることから、インク液室205や各インク液室205に設けられるノズルへのインクの供給に影響を及ぼす。インク吐出ヘッド201においては、ノズルが直径数μm〜十数μmという微細な口径であり、ノズル内に供給されたインクによって形成されるメニスカス(ノズルの液面)の維持は、毛管力とインク液室205内のインク圧力との微妙なバランスの上に成り立っていることから、インク流路204内のインク中に掛かる圧力がノズル等へのインクの供給に及ぼす影響は大きいと言える。
具体的に、インク吐出ヘッド201においては、インク流路204内のインクの圧力が高い部分ではインク液室205やノズルへのインクの供給を促進し、インク流路204中のインクの圧力が低い部分ではインク液室205やノズルへのインクの供給を妨げるように作用する。
すなわち、インク流路204内のインクの圧力が低い部分と相対するインク液室205のノズルへのインクの供給に時間が掛かることになる。
そして、インク吐出ヘッド201においては、インクの供給に時間が掛かるノズルでインクの供給が十分にされていない状態でインクを吐出することになる。具体的には、1つのノズルより1秒間に約7000回インクを吐出する高速吐出の場合、約7000分の1秒毎に十分な量のインクをノズルに供給する必要があり、インク流路204中のインクの圧力が低い部分と相対する位置のノズルでは7000分の1秒毎に十分な量のインクを供給することが困難になる。
この結果、インク吐出ヘッド201においては、インク流路204内のインクの圧力が低い部分と相対する位置のノズルでは吐出したインクの量が少なくなったり、不吐出が起こったりして記録紙に着弾したインクの量が少なくなり、この部分の印刷濃度、すなわち色の濃度が低くなって画質を低下させてしまう。
一方、インク吐出ヘッド201においては、インク流路204内のインクの圧力が高い部分と相対する位置のノズルでは吐出したインクの量が多くなることがあり、記録紙に着弾したインクの量が多くて滲みが発生したり、この部分の色の濃度が高くなったりして画質を低下させてしまう。
すなわち、インク吐出ヘッド201においては、インク流路204内のインク中に定在波が発生すると、各ノズルに対するインク供給量のムラが生じ、印刷濃度の高い箇所と低い箇所とが記録紙の幅方向と略直交方向、すなわち記録紙の搬送方向にスジ状になって現れ、色の濃度ムラによって画質が劣化することになる。
本発明は、吐出口への液体の供給ムラを抑制し、吐出口より吐出された液滴量を安定させて色の濃度ムラの無い優れた画質の印刷が可能な液体吐出カートリッジ及び液体吐出装置を提供するものである。
本発明に係る液体吐出カートリッジは、液体を吐出して対象物に着弾させる液体吐出装置に着脱自在に取り付けられ、液体が充填された液体収容部より流入した液体の導入路となる流路、及び流路を介して供給された液体を収容する液室と、液室に設けられ、液室に収容された液体を押圧する圧力を発生する圧力発生素子と、圧力発生素子によって押圧された液体を液滴の状態にして吐出する吐出口とを有する液体吐出ヘッドを備え、流路に、圧力発生素子が発した圧力で流路内の液体中に生じた波動が所定の方向に伝播されるのを防ぐ防波手段が1つ以上設けられていることを特徴としている。
本発明に係る液体吐出装置は、液体を吐出して対象物に着弾させ、液体が充填された液体収容部より流入した液体の導入路となる流路と、流路より介して供給された液体を液滴の状態で吐出する液体吐出ヘッドとを有する液体吐出カートリッジと、液体吐出ヘッドが液滴を吐出するときの吐出動作を制御する制御部とを備え、液体吐出ヘッドが、流路を介して供給された液体を収容する液室と、液室に設けられ、液室に収容された液体を押圧する圧力を発生する圧力発生素子と、圧力発生素子によって押圧された液体を吐出する吐出口とを有し、流路には、圧力発生素子が発した圧力で流路内の液体中に生じた波動が所定の方向に伝播されるのを防ぐ防波手段が1つ以上設けられていることを特徴としている。
本発明によれば、液体吐出カートリッジの流路に、防波手段が1つ以上設けられていることで、防波手段が、吐出口より液滴を吐出するときに圧力発生素子が発した圧力によって流路内の液体中に生じた波動が流路内の液体中を伝播することを防ぐことから、流路内の液体中に定在波が発生することを抑制できる。
本発明によれば、液体吐出カートリッジの流路に防波手段が1つ以上設けられていることで、この防波手段が、圧力発生素子が発した圧力によって流路内の液体中に生じた波動が流路内の液体中を伝播することを防ぐことから、流路内の液体中に定在波が発生することを抑える。
これにより、本発明によれば、流路内の液体中で定在波の発生が抑えられ、流路内で液体に加わる圧力を略均一にすることができ、液室や吐出口に対する液体の供給量にムラが生じることを防止できる。
したがって、本発明によれば、液室や吐出口への液体の供給量にムラが生じることが防止されていることから、吐出口より吐出された液体の量が多くなったり、少なくなったりすることが無く、所定量の液体が対象物に着弾されて色の濃度ムラの無い優れた画質の印刷を行うことができる。
以下、本発明が適用された液体吐出カートリッジ及び液体吐出装置について、図面を参照して説明する。図1に示すインクジェットプリンタ装置(以下、プリンタ装置と記す。)1は、所定の方向に走行する記録紙Pに対してインク等を吐出して画像や文字を印刷するものである。また、このプリンタ装置1は、記録紙Pの印刷幅に合わせて、記録紙Pの幅方向、すなわち図1中矢印W方向にインク吐出口(ノズル)が略直線状に並設され、約7000分の1秒毎にインク等を吐出する、いわゆる高速吐出が可能なライン型のプリンタ装置である。
このプリンタ装置1は、図2及び図3に示すように、記録紙Pに対して画像や文字等を記録する記録液であるインクiを吐出するインクジェットプリンタヘッドカートリッジ(以下、ヘッドカートリッジと記す。)2と、このヘッドカートリッジ2を装着するプリンタ本体3とを備える。プリンタ装置1は、ヘッドカートリッジ2がプリンタ本体3に対して着脱可能であり、更に、ヘッドカートリッジ2に対してインク供給源となり、インクiを収容する液体カートリッジであるインクタンク4y,4m,4c,4kが着脱可能となっている。このプリンタ装置1では、イエローのインクタンク4y、マゼンタのインクタンク4m、シアンのインクタンク4c、ブラックのインクタンク4kが使用可能となっており、また、プリンタ本体3に対して着脱可能なヘッドカートリッジ2と、ヘッドカートリッジ2に対して着脱可能なインクタンク4y,4m,4c,4kとを消耗品として交換可能になっている。
このようなプリンタ装置1は、記録紙Pを積層して収納するトレイ65aをプリンタ本体3の前面底面側に設けられたトレイ装着部5に装着することにより、トレイ65aに収納されている記録紙Pをプリンタ本体3内に給紙できる。トレイ65aは、プリンタ本体3の前面のトレイ装着部5に装着されると、給排紙機構64により記録紙Pが給紙口65からプリンタ本体3の背面側に給紙される。プリンタ本体3の背面側に送られた記録紙Pは、後述する反転ローラ83により走行方向が反転され、往路の上側をプリンタ本体3の背面側から前面側に送られる。プリンタ本体3の背面側から前面側に送られる記録紙Pは、プリンタ本体3の前面に設けられた排紙口66より排紙されるまでに、パーソナルコンピュータ等の後述する情報処理装置79より入力された文字データや画像データに応じた印刷データが文字や画像として印刷される。
次に、上述したプリンタ装置1を構成するプリンタ本体2に対して着脱可能なヘッドカートリッジ2と、このヘッドカートリッジ2に着脱可能にされたインクタンク4y,4m,4c,4kとについて図面を参照して説明する。
記録紙Pに印刷を行うヘッドカートリッジ2は、図1に示すように、プリンタ本体3の上面側から、すなわち図1中矢印A方向から装着され、給排紙機構64により走行する記録紙Pに対してインクiを吐出して印刷を行う。
ヘッドカートリッジ2は、上述したインクiを、例えば電気熱変換式又は電気機械変換式等を用いた圧力発生手段が発生した圧力により微細に粒子化して吐出し、記録紙P等といった対象物の主面に液滴状態にしたインクiを吹き付ける。具体的に、ヘッドカートリッジ2は、図2及び図3に示すように、カートリッジ本体21を有し、このカートリッジ本体21にインクiが充填された容器であるインクタンク4y,4m,4c,4kが装着される。なお、以下では、インクタンク4y,4m,4c,4kを単にインクタンク4ともいう。
ヘッドカートリッジ2に着脱可能なインクタンク4は、強度や耐インク性を有するポリプロピレン等の樹脂材料等を射出成形することにより成形されるタンク容器11を有している。このタンク容器11は、長手方向を使用する記録紙Pの幅方向の寸法と略同じ寸法にされた略矩形状に形成され、内部に収容するインク容量を最大限に増やす構成となっている。
具体的に、インクタンク4を構成するタンク容器11には、インクiを収容するインク収容部12と、インク収容部12からヘッドカートリッジ2のカートリッジ本体21にインクiを供給するインク供給部13と、外部よりインク収容部12内に空気を取り込む外部連通孔14と、外部連通孔14より取り込まれた空気をインク収容部12内に導入する空気導入路15と、外部連通孔14と空気導入路15との間でインクiを一時的に貯留する貯留部16と、インクタンク4をカートリッジ本体21に係止するための係止突部17及び係合段部18とが設けられている。
インク収容部12は、気密性の高い材料によりインクiを収容するための空間を形成している。インク収容部12は、略矩形に形成され、長手方向の寸法が使用する記録紙Pの幅方向、すなわち図3中に示す記録紙Pの幅方向Wの寸法と略同じ寸法となるように形成されている。
インク供給部13は、インク収容部12の下側略中央部に設けられている。このインク供給部13は、インク収容部12と連通した略突形状のノズルであり、このノズルの先端が後述するヘッドカートリッジ2の接続部26に嵌合されることにより、インクカートリッジ2のタンク容器11とヘッドカートリッジ2のカートリッジ本体21を接続する。そして、インクiは、インク供給部13を介してインク収容部であるインクタンク4からカートリッジ本体21に供給される。
外部連通孔14は、インクタンク4外部からインク収容部12に空気を取り込む通気口であり、ヘッドカートリッジ2の装着部22に装着されたときも、外部に臨み外気を取り込むことができるように、装着部22への装着時に外部に臨む位置であるタンク容器11の上面、ここでは上面略中央に設けられている。
この外部連通孔14は、インクタンク4がカートリッジ本体21に装着されてインク収容部12からカートリッジ本体21側にインクiが流下した際に、インク収容部12内のインクiが減少した分に相当する分の空気を外部よりインクタンク4内に取り込む。
空気導入路15は、インク収容部12と外部連通孔14とを連通し、外部連通孔14より取り込まれた空気をインク収容部12内に導入する。これにより、このインクタンク4がカートリッジ本体21に装着された際に、ヘッドカートリッジ2のカートリッジ本体21にインクiが供給されてインク収容部12内のインクiが減少し内部が減圧状態となっても、インク収容部12には、空気導入路15によりインク収容部12に空気が導入されることから、内部の圧力が平衡状態に保たれてインクiをカートリッジ本体21に適切に供給することができる。
貯留部16は、外部連通孔14と空気導入路15との間に設けられ、インク収容部12に連通する空気導入路15よりインクiが漏れ出た際に、いきなり外部に流出することがないようにインクiを一時的に貯留する。この貯留部16は、長い方の対角線をインク収容部12の長手方向とした略菱形に形成され、インク収容部12の最も下側に位置する頂部に、すなわち短い方の対角線上の下側に空気導入路15を設けるようにし、インク収容部12より進入したインクiを再度インク収容部12に戻すことができるようにされている。
また、貯留部16は、短い方の対角線上の最も下側の頂部に外部連通孔14を設けるようにし、インク収容部12より進入したインクiが外部連通孔14より外部に漏れにくくする。
係止突部17は、インクタンク4の短辺の一方の側面に設けられた突部であり、ヘッドカートリッジ2のカートリッジ本体21のラッチレバー24に形成された係合孔24aと係合する。この係止突部17は、上面がインク収容部12の側面に対して略直交するような平面で形成されると共に、下面は側面から上面に向かって傾斜するように形成されている。
係合段部18は、インクタンク4の係止突部17が設けられた側面の反対側の側面の上部に設けられている。係合段部18は、タンク容器11の上面と一端を接する傾斜面18aと、この傾斜面18aの他端と他方の側面と連続し、上面と略平行な平面18bとからなる。インクタンク4は、係合段部18が設けられていることで、平面18bが設けられた側面の高さがタンク容器11の上面より1段低くなるように形成され、この段部でカートリッジ本体21の係合片23と係合する。
このように、係合段部18は、ヘッドカートリッジ2の装着部22に挿入されるとき、挿入端側の側面に設けられ、ヘッドカートリッジ2の装着部22側の係合片23に係合することで、インクタンク4を装着部22に装着する際の回動支点部となる。
以上のような構成のインクタンク4は、上述した構成の他に、例えばインク収容部12内のインクiの残量を検出するための残量検出部や、インクタンク4y,4m,4c,4kを識別するための識別部等を備えている。
次に、以上のように構成されたイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックのインクiを収納したインクタンク4y,4m,4c,4kが装着されるヘッドカートリッジ2について説明する。
ヘッドカートリッジ2は、図2及び図3に示すように、上述したインクタンク4とカートリッジ本体21とによって構成され、カートリッジ本体21には、インクタンク4が装着される装着部22y,22m,22c,22k(以下、全体を示すときには単に装着部22ともいう。)と、インクタンク4を固定する係合片23及びラッチレバー24と、インクタンク4を取り出し方向に付勢する付勢部材25と、インク供給部13と接続されてインクiが供給される接続部26と、インクiを吐出するインク吐出ヘッド27と、インク吐出ヘッド27を保護するヘッドキャップ28とを有している。
インクタンク4が装着される装着部22は、インクタンク4が装着されるように上面をインクタンク4の挿脱口として略凹形状に形成され、ここでは4本のインクタンク4が記録紙Pの幅方向と略直交方向、すなわち記録紙Pの走行方向に並んで収納されている。
装着部22は、インクタンク4が収納されることから、インクタンク4と同様に印刷幅の方向に長く設けられている。すなわち、カートリッジ本体21には、インクタンク4が収納装着される。
装着部22は、図2に示すように、インクタンク4が装着される部分であり、イエロー用のインクタンク4yが装着される部分を装着部22yとし、マゼンタ用のインクタンク4mが装着される部分を装着部22mとし、シアン用のインクタンク4cが装着される部分を装着部22cとし、ブラック用のインクタンク4kが装着される部分を装着部22kとし、各装着部22y,22m,22c,22kは、隔壁22aによりそれぞれ区画されている。
また、インクタンク4が装着される装着部22の開口端には、図3に示すように、係合片23が設けられている。
この係合片23は、装着部22の長手方向の一端縁に設けられており、インクタンク4の係合段部18と係合する。インクタンク4は、インクタンク4の係合段部18側を挿入端として斜めに装着部22内に挿入し、係合段部18と係合片23との係合位置を回動支点として、インクタンク4の係合段部18が設けられていない側を装着部22側に回動させるようにして装着部22に装着することができる。これによって、インクタンク4は、装着部22に容易に装着することができる。
ラッチレバー24は、板バネを折曲して形成されるものであり、装着部22の係合片23に対して反対側の側面、すなわち長手方向の他端の側面に設けられている ラッチレバー24は、基端部が装着部22を構成する長手方向の他端の側面の底面側に一体的に設けられ、先端側がこの側面に対して近接離間する方向に弾性変位するように形成され、先端側に係合孔24aが形成されている。
そして、ラッチレバー24は、インクタンク4が装着部22に装着されると同時に、弾性変位し、係合孔24aがインクタンク4の係止突部17と係合し、装着部22に装着されたインクタンク4が装着部22より脱落しないようにする。
付勢部材25は、インクタンク4の係合段部18に対応する側面側の底面上にインクタンク4を取り外す方向に付勢する板バネを折曲して設けられる。付勢部材25は、折曲することにより形成された頂部を有し、底面に対して近接離間する方向に弾性変位し、頂部でインクタンク4の底面を押圧し、装着部22に装着されているインクタンク4を装着部22より取り外す方向に付勢するイジェクト部材である。
そして、付勢部材25は、ラッチレバー24の係合孔24aと係止突部17との係合状態が解除されたとき、装着部23よりインクタンク4を排出する。
各装着部22y,22m,22c,22kの長手方向略中央には、各インクタンク4y,4m,4c,4kが装着部22y,22m,22c,22kに装着されたとき、各インクタンク4y,4m,4c,4kのインク供給部13が接続される接続部26が設けられている。
この接続部26は、装着部22に装着されたインクタンク4のインク供給部13からカートリッジ本体21の底面に設けられたインクiを吐出するインク吐出ヘッド27にインクiを供給するインク供給路となる。
具体的に、接続部26は、図4に示すように、インクタンク4から供給されるインクiを溜めるインク溜め部31と、接続部26に連結されるインク供給部13をシールするシール部材32と、インクi内の不純物を除去するフィルタ33と、インク吐出ヘッド27側への供給路を開閉する弁機構34とを有している。
インク溜め部31は、インク供給部13と接続されインクタンク4から供給されるインクiを溜める空間部である。
シール部材32は、インク溜め部31の上端に設けられた部材であり、インクタンク4のインク供給部13が接続部26のインク溜め部31に接続されるとき、インクiが外部に漏れないようインク溜め部31とインク供給部13との間を密閉する。
フィルタ33は、インクタンク4の着脱時等にインクiに混入してしまった塵や埃等のごみを取り除くものであり、インク溜め部31よりも下流に設けられている。
弁機構34は、インク吐出ヘッド27からインクiが吐出されてインク吐出ヘッド27内のインクiの圧力が減圧状態になると開口し、インクタンク4からインク吐出ヘッド27側にインクiが供給させてインク吐出ヘッド27内のインクiの圧力が略一定に保たれるようにする。そして、インクタンク4側からインク吐出ヘッド27側にインクiが供給されてインク吐出ヘッド27内のインクiの圧力が略一定になったら閉塞し、これ以上、インクタンク4からインク吐出ヘッド27側にインクiが供給されないようにする。
また、このような構成の接続部26では、インクタンク4内のインクiがインク吐出ヘッド27に供給されると、インク収容部12内のインクiが減少するが、このとき、空気導入路15から外気がインクタンク4内に入り込む。インクタンク4内に入り込んだ空気は、インクタンク4の上方に送られる。これにより、インク液滴iが後述するノズル45aから吐出される前の状態に戻り、平衡状態となる。このとき、空気導入路15内にインクiがほとんどない状態で平衡状態となる。
インク吐出ヘッド27は、カートリッジ本体21の底面に沿って配設されており、接続部26から供給されたインクiをインク液滴の状態にして吐出するインク吐出口である後述するノズル52aが色毎に、記録紙Pの幅方向、すなわち図4中矢印W方向に略直線状に並んで設けられている。
ヘッドキャップ28は、図2に示すように、インク吐出ヘッド27を保護するために設けられたカバーであり、印刷動作するときにはインク吐出ヘッド27より退避する。ヘッドキャップ28は、図2中矢印W方向の両端に開閉方向に設けられた一対の係合突部28aと、長手方向に設けられインク吐出ヘッド27の吐出面27aに付着した余分なインクiを吸い取るクリーニングローラ28bとを有している。ヘッドキャップ28は、係合突部28aがインク吐出ヘッド27の吐出面27aに図2中矢印W方向とは略直交方向に亘って設けられたに一対の係合溝27bに係合され、この一対の係合溝27bに沿ってインクタンク4の短手方向、すなわち図2中矢印W方向とは略直交方向に開閉するようにされている。そして、ヘッドキャップ28においては、開閉動作時に、クリーニングローラ28bがインク吐出ヘッド27の吐出面27aに当接しながら回転することで、余分なインクiを吸い取り、インク吐出ヘッド27の吐出面27aをクリーニングする。このクリーニングローラ28bには、例えば吸湿性の高い部材、具体的にはスポンジ、不織布、織布等が用いられる。また、ヘッドキャップ28は、印刷動作しないときにはインク吐出ヘッド27内のインクiが乾燥しないように吐出面27aを閉塞する。
インク吐出ヘッド27は、図4及び図5に示すように、吐出面27aよりも上方に位置して、上述したインク供給部13からインクiが供給されるインク供給口41と、このインク供給口41から供給されたインクiを各ノズル52aへと導くインク流路42とを有している。
インク供給口41は、インク流路42の上面中央部に設けられ、上述した弁機構34と連通されている。
インク流路42は、後述する各色ノズル52aにインクiが供給されるように記録紙の幅に相当する長さに亘って略直線状を成すように設けられている。
そして、インク流路42には、図4中矢印Wで示す長尺方向の両端部42aの間に、後述する発熱抵抗体55がインクi中に発した気泡により生じた波動、具体的には気泡による圧力で生じた圧力波が、両端部42aに向かって伝播されるのを防ぐ防波片43が1つ以上立設されている。具体的に、防波片43は、インク流路42を分断することなく、インクiがインク流路42内全体に行き渡るようにされていれば、インク流路42の内壁面の所定の位置より突出するように立設されている。
この防波片43は、インク流路42内のインクi中に生じ、且つ両端部42aに向かって伝播される圧力波を、両端部42aと対向する主面43aで圧力波が伝播してきた方向に反射させる。
この場合、防波片43に反射されずに防波片43の脇を回折して両端部42aに達し、例えば波動の波長や、流路の長さ等、諸条件が流路内のインクi中に定在波発生を裏付ける数1に示す一般式を満たして定在波を形成する成分はあるものの、発生した定在波は防波片43によって小さくできる。
L=n(λ/2)・・・(数1)
(但し、Lはインク流路の長さであり、nは自然数であり、λは圧力波の波長である。)
また、インク流路42では、例えば防波片43と隣接する領域44において数1に示す一般式を諸条件が満たし、この領域44で短波長の定在波が発生する虞はあるが、定在波によるエネルギーが複数箇所に分散されるため、防波片43と隣接する領域44で定在波が発生したとしても流路内のインクi中に生じる圧力差を小さくできる。
(但し、Lはインク流路の長さであり、nは自然数であり、λは圧力波の波長である。)
また、インク流路42では、例えば防波片43と隣接する領域44において数1に示す一般式を諸条件が満たし、この領域44で短波長の定在波が発生する虞はあるが、定在波によるエネルギーが複数箇所に分散されるため、防波片43と隣接する領域44で定在波が発生したとしても流路内のインクi中に生じる圧力差を小さくできる。
すなわち、インク流路42においては、インクi中に生じた圧力波を反射させる波防片43をより多く設けることにより、防波片43と隣接する領域44で短波長な定在波が複数発生しても定在波によるエネルギーがより多く分散されることから、流路内のインクi中に生じる圧力差をより小さくできる。なお、図5では、インク流を42内に4つの防波片43が設けられている状態を示している。
また、防波片43は、図6に示すように、圧力波を反射させ、圧力波が両端部42aに向かって伝播されるのを防ぐものであれば、両端部42aと対向する主面43aが曲面にされていてもよく、インク流路42内のインクi中に定在波が発生したとしても定在波によるエネルギーを適切に分散できる。
インク流路42内に発生した圧力波が流路の長手方向に伝播するのを防ぐことが可能なインク吐出ヘッド27には、後述するノズル52aを所定数で一組とするヘッドチップ45が、色毎に千鳥状に配置されている。
すなわち、このヘッドチップ45は、図7に示すように、色毎に、インク流路42を挟んで記録紙Pの幅方向に互い違いに並ぶように配置されている。
ヘッドチップ45は、図8に示すように、ベースとなる回路基板51と、複数のノズル52aが形成されたノズルシート52と、回路基板51とノズルシート52との間をノズル52a毎に区画するフィルム53と、インク流路42を通して供給されたインクiを加圧するインク液室54と、インク液室54に供給されたインクiを加熱する発熱抵抗体55とを有している。
回路基板51は、シリコン等からなる半導体ウェハ上に、ロジックIC(Integrated Circuit)やドライバートランジスタ等からなる制御回路を構成すると共に、インク液室54の上面部を形成している。
ノズルシート52は、吐出面27aに向かって縮径されたノズル52aが穿設されると共に、回路基板51とフィルム53を挟んで対向配置されることで、インク液室54の下面部を形成している。
フィルム53は、例えば露光硬化型のドライフィルムレジストからなり、上述したインク流路42と連通される部分を除いて各ノズル52aの周囲を囲むように形成されている。また、このフィルム53は、回路基板51とノズルシート52との間に介在されることによって、インク液室54の側面部を形成している。
インク液室54は、上述した回路基板51、ノズルシート52及びフィルム53により囲まれることで、ノズル52a毎にインク流路42から供給されたインクiを加圧する加圧空間を形成している。
発熱抵抗体55は、インク液室54に臨む回路基板51に配置されると共に、この回路基板51の制御回路と電気的に接続されている。そして、この発熱抵抗体55は、制御回路により制御されながら、インク液室54内のインクiを加熱する。
そして、このヘッドチップ45では、回路基板51の制御回路が発熱抵抗体55を制御し、選択された発熱抵抗体55に対して、例えば1〜3マイクロ秒程度の間だけパルス電流を供給する。これにより、発熱抵抗体55が急速に加熱される。すると、発熱抵抗体55と接するインク液室54内のインクiに気泡が発生する。そして、このインク液室54内において、気泡が膨張しながらインクiを加圧し、押し退けられたインクiの液滴がノズル52aから吐出される。また、インクiの液滴が吐出された後は、インク液室54にインク流路42を通してインクiが供給されることにより、再び吐出前の状態へと戻る。
具体的には、発熱抵抗体55によってインクiが急速に加熱されると、インクiの温度は急速に沸点を超えて上昇する。そして、インク温度が300℃程度に熱せられて自発核生成温度に達すると、図9に示すように、瞬間的に発熱抵抗体55上に無数のインク気泡bが発生する。そして、インク液室54内では、図10に示すように、インクi中の過剰エネルギーが一気に放出されてインク気泡bの内圧が上昇する。
そして、インク気泡bは、図11に示すように、急激に成長する。そして、インク液室54内のインクiは、図12に示すように、インク気泡bの成長の勢いでノズル52aから飛び出し、インク気泡bはその膨張に伴い減圧されて収縮する。ノズル52aより飛び出したインクiは、図13に示すように、その慣性とインク気泡bの収縮によってノズル52aより外に伸びた尾が切れる、すなわちノズル52aよりインクiが吐出される。
そして、インク液室54内のインク気泡bは、図14に示すように、発熱抵抗体55上で崩壊する。そして、インク液室54には、図15に示すように、元のメニスカス(ノズル52aの液面)に戻ろうとするノズル52aの毛細管力によってノズル52aより吐出された量と同量のインクiが、インク流路42から供給される。このようにして、ヘッドチップ45では、インクiをノズル52aより吐出する。
なお、上述したヘッドチップ45は、回路基板51の一主面上にフィルム53を全面に亘って形成し、フォトリソグラフィ技術を用いてフィルム53をインク液室54に対応した形状に成形した後に、この上にノズルシート52を積層することで形成される。
また、上述したヘッドチップ45は、発熱抵抗体55によってインクiを加熱しながら吐出させる電気熱変換方式を採用しているが、このような方式に限定されず、例えば圧電素子等の電気機械変換素子によってインクiの液滴を電気機械的に吐出させる電気機械変換方式を採用したものであってもよい。
そして、上述した各色に対応したインク供給部13の下方には、それぞれ各色に対応したインク吐出ヘッド27が設けられている。そして、カートリッジ本体21の底面部には、各色のインク吐出ヘッド27の吐出面27aが、それぞれカートリッジ本体21の短尺方向に並んで設けられており、これらは連続した吐出面27aを形成している。すなわち、ヘッドカートリッジ2は、各色に対応するインク吐出ヘッド27が一体化されて連続した吐出面27aを形成する、いわゆるマルチラインヘッドを有している。そして、このインク吐出ヘッド27には、色毎に、ノズル52aを100個〜5000個程度備え、全体では吐出面27aに400個〜20000個程度のノズル52aが設けられている。また、このインク吐出ヘッド27においては、各ノズル52aより約7000分の1秒毎にインクiを吐出する、高速吐出を行うことが可能になっている。
このようなインク吐出ヘッド27では、インクiをノズル52aより吐出する際のインク気泡bが発生し、収縮するときに、インク気泡bによってインク液室54内のインクi中に圧力波が生じ、この圧力波がインク流路42内のインクi中にまで伝播する。
そして、インク吐出ヘッド27では、例えばインク流路42の長尺方向の長さや、圧力波の周波数等といった諸条件が上述した数1に示す一般式を満たす場合、インク流路42内のインクi中に定在波が発生する。
しかしながら、このインク吐出ヘッド27では、インク流路42内に防波片43が設けられており、圧力波が両端部42aに向かって伝播されるのを抑えることから、例えばインク流路42全体を管長とする長波長の定在波が発生することを抑制できる。また、インク吐出ヘッド27においては、上述したように、例えばインク流路42内における防波片43と隣接する領域44で短波長の定在波が発生しても、定在波によるエネルギーを複数箇所に分散させることができる。
これにより、このインク吐出ヘッド27では、例えば定在波が発生しても定在波によるエネルギーを分散でき、インク流路42内のインクi中に生じる圧力ムラを小さくできることから、インク液室54にはインクiを吐出した後のノズル52a内に再びメニスカスを形成しようとする毛細管力により適切な量のインクiが供給される。
したがって、このインク吐出ヘッド27では、適切な量のインクiが供給されたインク液室54に対応するノズル52aより、過不足のない量のインクiを液滴の状態で吐出できる。
次に、以上で説明したヘッドカートリッジ2が装着されるプリンタ装置1を構成するプリンタ本体3について図面を参照して説明する。
プリンタ本体3は、図1及び図16に示すように、ヘッドカートリッジ2が装着されるヘッドカートリッジ装着部61と、ヘッドカートリッジ2をヘッドカートリッジ装着部61に保持、固定するためのヘッドカートリッジ保持機構62と、ヘッドキャップを開閉するヘッドキャップ開閉機構63と、記録紙Pを給排紙する給排紙機構64と、給排紙機構64に記録紙Pを供給する給紙口65と、給排紙機構64から記録紙Pが出力される排紙口66とを有する。
ヘッドカートリッジ装着部61は、ヘッドカートリッジ2が装着される凹部であり、走行する記録紙にデータ通り印刷を行うため、インク吐出ヘッド27の吐出面27aと走行する記録紙Pの紙面とが互いに略平行となるようにヘッドカートリッジ2が装着される。そして、ヘッドカートリッジ2は、インク吐出ヘッド27内のインク詰まり等で交換する必要が生じる場合等があり、インクタンク4程の頻度はないが消耗品であるため、ヘッドカートリッジ装着部61に対して着脱可能にヘッドカートリッジ保持機構62によって保持される。
ヘッドカートリッジ保持機構62は、ヘッドカートリッジ装着部61にヘッドカートリッジ2を着脱可能に保持するための機構であり、ヘッドカートリッジ2に設けられたつまみ62aをプリンタ本体3の係止孔62b内に設けられた図示しないバネ等の付勢部材に係止することによってプリンタ本体3に設けられた基準面3aに圧着するようにしてヘッドカートリッジ2を位置決めして保持、固定できるようにする。
ヘッドキャップ開閉機構63は、ヘッドカートリッジ2のヘッドキャップ28を開閉する駆動部を有しており、印刷を行うときにヘッドキャップ28を開放してインク吐出ヘッド27の吐出面72aが記録紙Pに対して露出するようにし、印刷が終了したときにヘッドキャップ28を閉塞してインク吐出ヘッド27の吐出面27aを保護する。
給排紙機構64は、記録紙Pを搬送する駆動部を有しており、給紙口65から供給される記録紙Pをヘッドカートリッジ2のインク吐出ヘッド27まで搬送し、ノズル52aより吐出されたインク液滴iが着弾し、印刷された記録紙Pを排紙口66に搬送して装置外部へ排出する。
給紙口65は、給排紙機構64に記録紙Pを供給する開口部であり、トレイ65a等に複数枚の記録紙Pを積層してストックすることができる。排紙口66は、インク液滴iが着弾し、印刷された記録紙Pを排出する開口部である。
次に、以上のように構成されたプリンタ装置1による印刷を制御する図17に示す制御回路71について図面を参照して説明する。
制御回路71は、上述したプリンタ本体3のヘッドキャップ開閉機構63、給排紙機構64等の駆動を制御するプリンタ駆動部72と、各色のインクiに対応するインク吐出ヘッド27に供給される電流等を制御する吐出制御部73と、各色のインクiの残量を警告する警告部74と、外部装置と信号の入出力を行う入出力端子75と、制御プログラム等が記録されたROM(Read Only Memory)76と、読み出された制御プログラム等を一旦格納し、必要に応じて読み出されるRAM(Random Access Memory)77と、装置全体の制御を行う制御部78とを有している。
プリンタ駆動部72は、制御部78からの制御信号に基づき、ヘッドキャップ開閉機構63を構成する駆動モータを駆動させてヘッドキャップ28を開閉動作するように、ヘッドキャップ開閉機構を制御する。また、プリンタ駆動部72は、制御部78からの制御信号に基づき、給排紙機構64を構成する駆動モータを駆動させてプリンタ本体3の給紙口65から記録紙Pを給紙し、印刷後に排紙口66から記録紙Pを排出するように給排紙機構64を制御する。
吐出制御部73は、インク吐出ヘッド27に備わる発熱抵抗体55にパルス電流を供給する外部電源との電気的な接続をオン/オフするスイッチング素子や、発熱抵抗体55に供給されるパルス電流値を調整する抵抗体や、スイッチング素子等のオン/オフの切り替えを制御する制御回路部等を有する電気回路等である。
そして、吐出制御部73は、制御部78からの制御信号に基づき、インク吐出ヘッド27に備わる発熱抵抗体55に供給されるパルス電流等を調整し、ノズル52aよりインクiを吐出するインク吐出ヘッド27を制御する。具体的には、例えばノズル52aよりインクiを高速吐出する場合、各ノズル52aに対応する発熱抵抗体55に約7000分の1秒毎にパルス電流が供給されるようにし、各ノズル52aより約7000分の1秒ごとにインクiを吐出させるように制御する。
警告部74は、例えばLCD(Liquid Crystal Display)等の表示手段であり、印刷条件、印刷状態、インク残量等の情報を表示する。また、警告部74は、例えばスピーカ等の音声出力手段であってもよく、この場合は、印刷条件、印刷状態、インク残量等の情報を音声で出力する。なお、警告部74は、表示手段及び音声出力手段をともに有するように構成してもよい。また、この警告は、情報処理装置79のモニタやスピーカ等で行うようにしてもよい。
入出力端子75は、上述した印刷条件、印刷状態、インク残量等の情報をインタフェースを介して外部の情報処理装置79等に送信する。
また、入出力端子75は、外部の情報処理装置79等から、上述した印刷条件、印刷状態、インク残量等の情報を出力する制御信号や、印刷データ等が入力される。ここでの情報処理装置79とは、例えばパーソナルコンピュータやPDA(Personal Digital Assistant)等の電子機器等である。
情報処理装置79と接続される入出力端子75は、インタフェースとして例えばシリアルインタフェースやパラレルインタフェース等を用いることができ、具体的にUSB(Universal Serial Bus)、RS(Recommended Standard)232C、IEEE(Institute of Electrical and Electronic Engineers)1394等の規格に準拠したものである。
また、入出力端子75は、情報処理装置79との間で有線通信又は無線通信の何れ形式でデータ通信を行うようにしてもよい。なお、この無線通信規格としては、IEEE802.11a,802.11b,802.11g等がある。
入出力端子75と情報処理装置79との間には、例えばインターネット等のネットワークが介在していてもよく、この場合、入出力端子75は、例えばLAN(Local Area Network)、ISDN(Integrated Services Digital Network)、xDSL(Digital Subscriber Line)、FTHP(Fiber To The Home)、CATV(Community Antenna TeleVision)、BS(Broadcasting Satellite)等のネットワーク網に接続され、データ通信は、TCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol)等の各種プロトコルにより行われる。
ROM76は、例えばEP−ROM(Erasable Programmable Read-Only Memory)等のメモリであり、制御部78が行う各処理のプログラムが格納されている。この格納されているプログラムは、制御部78によりRAM77にロードされる。RAM77は、制御部78によりROM76から読み出されたプログラムや、プリンタ装置1の各種状態を記憶する。
制御部78は、入出力端子75から入力された印刷データ、ヘッドカートリッジ2から入力されがインクiの残量データ等に基づき、各部を制御する。制御部78は、入力された制御信号等に基づいて各部を制御する処理プログラムをROM76から読み出してRAM77に記憶し、この処理プログラムに基づき各部の制御や処理を行う。
なお、以上のように構成された制御回路71においては、ROM76に処理プログラムを格納するようにしたが、処理プログラムを格納する媒体としては、ROM76に限定されるものでなく、例えば処理プログラムが記録された光ディスクや、磁気ディスク、光磁気ディスク、ICカード等の各種記録媒体を用いることができる。この場合に制御回路71は、各種記録媒体を駆動するドライブと直接又は情報処理装置79を介して接続されてこれら記録媒体から処理プログラムを読み出すように構成する。
ここで、以上のように構成されるプリンタ装置1よりインクiを高速吐出させて印刷を行う印刷動作について図18に示すフローチャートを参照にして説明する。なお、本動作はROM76等の記憶手段に格納された処理プログラムに基づいて制御部78内の図示しないCPU(Central Processing Unit)等による演算処理等により実行されるものである。
先ず、ユーザが、印刷動作をプリンタ装置1が実行するように、プリンタ本体3に設けられている操作パネル等を操作して命令する。次に、制御部78は、ステップS1において、各装着部22に所定の色のインクタンク4がそれぞれ装着されているかどうかを判断する。そして、制御部78は、全ての装着部22に所定の色のインクタンク4が適切に装着されているときはステップS2に進み、装着部22においてインクタンク4が適切に装着されていないときはステップS7に進み、印刷動作を禁止する。
制御部78は、ステップS2において、インクタンク4内のインクiが所定量以下、すなわちインク無し状態であるか否かを判断し、インク無し状態であると判断されたときは、警告部74でその旨を警告し、ステップS7において、印刷動作を禁止する。一方、制御部78は、インクタンク4内のインクiが所定量以上であるとき、すなわちインクiが満たされているとき、ステップS3において、印刷動作を許可し、実行する。
インクiを高速吐出させて印刷を行う際は、ステップS4において、制御部78がプリンタ駆動部72によって各駆動機構63,64を駆動制御して記録紙Pを印刷可能な位置まで移動させる。
具体的に、制御部78は、図19に示すように、ヘッドキャップ開閉機構63を構成する駆動モータを駆動させてヘッドキャップ28をヘッドカートリッジ2に対してトレイ65a側に移動させ、インク吐出ヘッド27のノズル52aを露出させる。
そして、制御部78は、給排紙機構64を構成する駆動モータを駆動させて記録紙Pを走行させる。具体的には、トレイ65aから給紙ローラ81によって記録紙Pを引き出し、同一方向に回転する一対の分離ローラ82a,82bによって引き出された記録紙Pの一枚を反転ローラ83に搬送して搬送方向を反転させた後に搬送ベルト84に記録紙Pを搬送し、搬送ベルト84に搬送された記録紙Pを押さえ手段85が所定の位置で保持させることでインクiが着弾される位置が決定されるように給排紙機構64を制御する。
次に、制御部78は、ステップS5において、吐出制御部73によってヘッドチップ45の発熱抵抗体55に約7000分の1秒毎にパルス電流が供給されるようにインク吐出ヘッド27を制御し、印刷位置に搬送された記録紙Pに対して各ノズル52aより約7000分の1秒毎にインクiを吐出、着弾させ、インクドットからなる画像や文字等を記録させる。すなわち、高速印刷する。
このとき、インク吐出ヘッド27では、例えばインク流路42の長尺方向の長さや、圧力波の周波数等といった諸条件が上述した数1に示す一般式を満たし、インク流路42のインクi中に定在波を生じさせるような場合でも、インク流路42内に防波片43が設けられており、圧力波が両端部42aに向かって伝播されるのを抑えることから、例えばインク流路42全体を管長とする長波長の定在波が発生することを抑制できる。
また、インク吐出ヘッド27では、例えばインク流路42内における防波片43と隣接する領域44で上述した数1に示す一般式を諸条件が満たし、この領域44で短波長の定在波が生じても、定在波によるエネルギーを複数箇所に分散させることができることから、インク流路42内のインクi中に生じる圧力ムラを抑えることができる。
したがって、インク吐出ヘッド27では、約7000分の1秒毎にインクiをノズル52aより吐出する高速吐出している場合でも、インク流路42内のインクi中に生じる圧力ムラが抑制され、適切な量のインクiを各インク液室54に約7000分の1秒毎に供給できることから、各インク液室54に対応するノズル52aから過不足のない量のインクiを約7000分の1秒毎に吐出できる。
これにより、インク吐出ヘッド27では、過不足のない量のインクiを約7000分の1秒毎に吐出できることから、過不足のない量のインクiが記録紙Pに着弾され、色の濃度ムラの無い優れた画質で印刷を行える。
このようにして、給排紙機構64によって走行している記録紙Pには、印刷データに応じた文字や画像が、色の濃度ムラのない優れた画質で高速印刷されることになる。そして、印刷が終了した記録紙Pは、ステップS6において、給排紙機構64によって排紙口66より排出される。
以上で説明したプリンタ装置1では、例えばインク流路42の長尺方向の長さや、圧力波の周波数等といった諸条件が上述した数1に示す一般式を満たすような場合でも、インク流路42内に防波片43が1つ以上設けられていることから、例えばインク流路42全体を管長とする長波長の定在波が発生することを抑制できる。
また、このプリンタ装置1では、例えばインク流路42内における防波片43と隣接する領域44で上述した数1に示す一般式を諸条件が満たし、この領域44で短波長の定在波が生じても、定在波によるエネルギーを複数箇所に分散させることができることから、インク流路42内のインクi中に生じる圧力ムラを抑えることができる。
これにより、このプリンタ装置1では、インク流路42のインクi中に発生した定在波によってインク流路42内のインクiに圧力ムラが生じることを抑制できることから、インク液室54には過不足のない適切な量のインクiを常に安定して供給できる。
したがって、このプリンタ装置1では、適切な量のインクiが供給されたインク液室54に対応するノズル52aより、過不足のない量のインクiが吐出されることから、所定量のインクiが記録紙Pに着弾されて色の濃度ムラの無い優れた画質の印刷を行うことができる。
また、このプリンタ装置1では、例えば1つのノズル52aより1秒間に約7000回インクiを吐出するような高速吐出を行う場合、すなわち約7000分の1秒毎に十分な量のインクiを各ノズル52aに供給する必要がある場合でも、インク液室54に過不足のない適切な量のインクiを常に安定して供給できることから、約7000分の1秒毎に過不足のない量のインクiが各ノズル52aより吐出され、色の濃度ムラの無い優れた画質で高速印刷できる。
なお、以上では、略直線上に形成されたインク流路42を例に挙げて説明したが、このような構成に限定されることはなく、図20に示すインク吐出ヘッド91のように、インク流路92に折曲部93を1つ以上設けるような構成にしても上述した作用効果が得られる。インク吐出ヘッド91においては、インク流路92以外の部位は、上述したインク吐出ヘッド27と同様な構成及び同様な機能であることから、その説明を省略すると共に、図20においては同じ符号を付すものとする。
このインク吐出ヘッド91のインク流路92には、両端面92aの間に折曲部93一カ所以上形成されている。具体的に、インク流路92は、例えばクランク形状を複数つなげたような形状に形成されている。
そして、このインク流路92では、折曲部93における両端面92aと略平行な主面93aによって圧力波を伝播してきた方向に反射させ、圧力波が両端面91aに到達するのを防止する。すなわち、このインク流路92では、上述した防波片43の代わりに、両端面92aと略平行な主面93aを備える折曲部93を設けることによって、流路内に発生した圧力波が流路の長手方向に伝播するのを防止する。
また、インク流路92においては、例えば隣り合う折曲部93同士の間の領域94aや、端面91aと折曲部93との間の領域94bにおいて、上述した数1に示す一般式を諸条件が満たし、これらの領域91a,91bで短波長の定在波が発生する虞はあるが、定在波によるエネルギーが複数箇所に分散されるため、これらの領域91a,91bで定在波が発生したとしても流路内のインクi中に生じる圧力差を小さくできる。
すなわち、インク流路92においては、インクi中に生じた圧力波を反射させる主面93aを備える折曲部93をより多く設けることにより、上述した領域91a,91bで短波長な定在波が複数発生しても定在波によるエネルギーがより多く分散されることから、流路内のインクi中に生じる圧力差をより小さくできる。
したがって、このインク吐出ヘッド91においては、例えば定在波が発生しても定在波によるエネルギーを分散でき、インク流路92内のインクi中に生じる圧力ムラを小さくできることから、インク液室54にはインクiを吐出した後のノズル52a内に再びメニスカスを形成しようとする毛細管力により適切な量のインクiが供給される。
したがって、このインク吐出ヘッド91では、上述したインク吐出ヘッド27と同様、適切な量のインクiが供給されたインク液室54に対応するノズル52aより、過不足のない量のインクiを液滴の状態で吐出できる。
なお、上述したヘッドカートリッジ2では、カートリッジ本体21に対してインクタンク4が着脱可能となっているが、このような構成に必ずしも限定されるものではない。すなわち、このヘッドカートリッジ2自体が消耗品として取り扱われており、プリンタ本体3に対して着脱可能なことから、このカートリッジ本体21にインクタンク4が一体に設けられた構成とすることも可能である。
以上は、本発明をプリンタ装置に適用した例について説明したが、本発明は、以上の例に限定されるものではなく、液体を吐出する他の液体吐出装置に広く適用することが可能である。例えばファクシミリやコピー機、液体中のDNAチップ用吐出装置(特開2002−253200号公報)、プリンタ配線基板の配線パターンを形成するための導電性粒子を含む液体を吐出したりする液体吐出装置等にも適用可能である。
以上では、1つの発熱抵抗体55がインクiを加熱して吐出するインク吐出ヘッド27を例に挙げて説明したが、このような構造に限定されることはなく、複数の圧力発生素子を備え、各圧力発生素子に異なるエネルギー又は異なるタイミングでエネルギーを供給することで吐出方向を制御することが可能な吐出手段を備える液体吐出装置にも適用可能である。
以上では、1つの発熱抵抗体55によってインクiを加熱しながらノズル52aから吐出させる電気熱変換方式を採用しているが、このような方式に限定されず、例えばピエゾ素子といった圧電素子等の電気機械変換素子等によってインクを電気機械的にノズルより吐出させる電気機械変換方式(特開昭55−65559号公報、特開昭62−160243号公報、特開平2−270561号公報)を採用したものであってもよい。
以上では、ライン型のプリンタ装置1を例に挙げて説明したが、このことに限定されることはなく、例えばインクヘッドが記録紙Pの走行方向と略直交する方向に移動するシリアル型の液体吐出装置にも適用可能である。
1 インクジェットプリンタ装置、2 インクジェットプリンタヘッドカートリッジ、3 プリンタ本体、4 インクタンク、21 カートリッジ本体、27,91 インク吐出ヘッド、27a 吐出面、42,92 インク流路、42a 端部、43 防波片、43a,93a 主面、45 ヘッドチップ、51 回路基板、52 ノズルシート、52a ノズル、53 フィルム、54 インク液室、55 発熱抵抗体、71 制御回路、72 プリンタ駆動部、73 吐出制御部、74 警告部、75 入出力端子、76 ROM、77 RAM、78 制御部、93 折曲部
Claims (8)
- 液体を吐出して対象物に着弾させる液体吐出装置に着脱自在に取り付けられる液体吐出カートリッジにおいて、
上記液体が充填された液体収容部より流入した上記液体の導入路となる流路と、
上記流路を介して供給された上記液体を収容する液室と、上記液室に設けられ、上記液室に収容された上記液体を押圧する圧力を発生する圧力発生素子と、上記圧力発生素子によって押圧された上記液体を液滴の状態にして吐出する吐出口とを有する液体吐出ヘッドとを備え、
上記流路には、上記圧力発生素子が発した圧力で上記流路内の液体中に生じた波動が所定の方向に伝播されるのを防ぐ防波手段が1つ以上設けられていることを特徴とする液体吐出カートリッジ。 - 上記流路は、略直線状に形成され、
上記防波手段は、上記流路の長尺方向の両端部の間に設けられていることを特徴とする請求項1記載の液体吐出カートリッジ。 - 上記流路は、折曲部を一カ所以上有し、
上記防波手段は、上記折曲部に設けられていることを特徴とする請求項1記載の液体吐出カートリッジ。 - 上記吐出口は、上記流路に沿うようにして略直線状に並設されていることを特徴とする請求項2記載の液体吐出カートリッジ。
- 液体を吐出して対象物に着弾させる液体吐出装置において、
上記液体が充填された液体収容部より流入した上記液体の導入路となる流路と、上記流路より介して供給された液体を液滴の状態で吐出する液体吐出ヘッドとを有する液体吐出カートリッジと、
上記液体吐出ヘッドが上記液滴を吐出するときの吐出動作を制御する制御部とを備え、
上記液体吐出ヘッドは、上記流路を介して供給された上記液体を収容する液室と、上記液室に設けられ、上記液室に収容された上記液体を押圧する圧力を発生する圧力発生素子と、上記圧力発生素子によって押圧された上記液体を吐出する吐出口とを有し、
上記流路には、上記圧力発生素子が発した圧力で上記流路内の液体中に生じた波動が所定の方向に伝播されるのを防ぐ防波手段が1つ以上設けられていることを特徴とする液体吐出装置。 - 上記流路は、略直線状に形成され、
上記防波手段は、上記流路の長尺方向の両端部の間に設けられていることを特徴とする請求項5記載の液体吐出装置。 - 上記流路は、折曲部を一カ所以上有し、
上記防波手段は、上記折曲部に設けられていることを特徴とする請求項5記載の液体吐出装置。 - 上記吐出口は、上記流路に沿うようにして略直線状に並設されていることを特徴とする請求項6記載の液体吐出装置。
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