JP2005218889A - 硬化膜製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 光、熱、電気等に対する物性が異方性を有する硬化膜であって、その特性を利用して膜単独で、あるいは基体上に硬化膜を形成して、光拡散フィルム、光拡散膜、熱伝導性膜、熱伝導性フィルム、電気伝導性膜、電気伝導性フィルムあるいは偏光素子としての応用が可能な硬化膜の製造方法を提供する。
【解決手段】 形状異方性を有する分散微粒子を含有する塗布液を基体に塗布して塗膜を形成し、電界を用いて前記分散微粒子の長軸方向を前記塗膜の膜厚方向に配向させた後又は配向中に、該塗膜を硬化させて前記分散微粒子の配向した硬化膜を得る。塗布液としては活性エネルギー線硬化性成分を含有した塗布液を用い、塗膜中の分散微粒子を配向するとともに活性エネルギー線を照射して該塗膜を硬化させることが好ましい。
【選択図】 なし


Description

本発明は光、熱、電気等に対する物性が異方性を有する硬化膜の製造方法に関し、その異方性を利用して各産業分野において、光拡散フィルム、光拡散膜、熱伝導性フィルム、熱伝導性膜、電気伝導性フィルム、電気伝導性膜、あるいは偏光素子等として応用が可能な硬化膜の製造方法に関する。
従来光、熱、電気等に対する物性の異方性を有する塗膜、フィルムとしては、光学結晶や通常の光学異方性フィルムのように、それ自身の結晶構造の方向性や、分子構造の光学的異方性に起因したものが多く、その種類や特性に限りがあり、特に可撓性に富んで大面積の加工、使用の可能な樹脂塗膜、樹脂フィルムの分野では想定される利用分野は多いものの、適合した素材の提供が簡単ではなかった。
例えば、従来、液晶テレビ、携帯端末、パソコンのディスプレイ等の液晶を使用する表示装置では、その表示画像を見やすくするために、液晶表示パネルの後方に照明パネルを配置し、この照明パネルからの光を液晶表示パネルの後方から前方に透光させて表示を行っている。ここで使用されるバックライトは、液晶表示画面全体に均一に照射させることが求められており、一般に、光を均一に伝播・拡散させることの出来る導光板を使用して液晶表示素子画面を均一に照射しているが、導光板の裏側には反射板が配置されて液晶画面への光量を増加させ、導光版の光射出面には光射出面から出る光を拡散させ、照射面の輝度を均一にする光拡散フィルム・シートが使用されている。
光拡散フィルム・シートとしては、通常メタクリル樹脂やポリカーボネート樹脂等に無機系や有機系の光拡散材を含有したシートが使用されており、液晶表示素子の他にも、照明器具のカバー、看板、導光板、グレージング、透過型スクリーン等に適用されている。
これら光拡散フィルム、シート等は、光源からの光を光量を落とすことなく表示面表面に導くことが必要で、拡散光が均一で、視野角依存性がなく、かつより高輝度な性能が求められている。
しかし、従来の光拡散フィルム、シートに使用されている不定形または球状の微粒子では、入射光が光拡散フィルム、シートの光拡散層を通過するにあたり、粒子に反射した光が広範な方向に反射し、それが繰り返される結果、再度入射光側に戻ってしまい、出射光側から射出されない散乱光成分の存在や拡散材による吸収等により、透過光強度が低下する問題を有していた。
これらの諸問題を解決する手段として、微粒子の配向が幾つか提案されているが、略回転楕円形状を有する拡散粒子が、略一軸方向に揃った状態で一定の屈折率差を有する透光性樹脂中に一定濃度含有されている拡散シート(特許文献1参照)では、球状拡散粒子を含有した樹脂シートを延伸することにより、延伸変形に追随してラグビーボール状の一軸回転楕円形状に変形され、この拡散粒子の長軸がシートに対し水平方向となる。このため、得られた拡散シートの異方拡散性は良好であるが、拡散粒子の長軸方向が拡散シートの膜厚方向に配向されているわけではないので、透過スクリーンとしてのゲイン低下を生じやすいという問題を有していた。
また、光拡散剤を分散して含む透明樹脂体からなり、光拡散剤が平均粒子径50μm以下であり、かつアスペクト比5〜300であるシリカの板状粒子である光拡散シート(特許文献2参照)や入射光の散乱特性を特定した異方性拡散フィルム(特許文献3参照)において開示されているシート成型方法では、いずれも成型時に光拡散剤の長軸方向がシート・フィルムの膜表面と水平方向に配向していて、特に成型過程にフィルムの延伸工程を含む場合には、一軸方向に均一に配向するため光拡散性が大きいものの透過光量が低下するという問題を有していた。
光反射フィルムとしては外光の写り込みを防ぐAG(アンチグレア)フィルムに無機粒子を入れたアクリル樹脂が用いられているが、光拡散フィルムの場合と同様で、再度入射光側に戻る光成分による反射光の影響が避けられなかった。
一方、熱伝導異方性はコンピュータ等の性能向上に伴い、デバイスの放熱効果を高める必要があり、液晶ポリマーの配向による検討が行われている。しかしながら従来の方法では十分な放熱効果が得られなかった。
特開平2001−311807号公報 特開平2002−258011号公報 特開平2003−050306号公報
本発明は、光、熱、電気等の物性に異方性を有する硬化膜の安価な製造方法を提供することにより、例えば上記高輝度の拡散膜、拡散フィルム、シートや、戻り光の少ない光反射防止膜、光反射防止フィルム、シート、あるいは放熱効果に優れた膜、フィルム、シート等の製造、電気伝導の異方性に優れた電気伝導性フィルム、シート、電気伝導性膜の製造を可能にするための技術を提供することである。
本発明は、
(1)形状異方性を有する分散微粒子を含む塗布液を基体に塗布し塗膜を形成する工程と、
(2)電界を用いて前記分散微粒子の長軸方向を、前記塗膜の膜厚方向へと配向させる工程と、
(3)前記分散微粒子の長軸方向が前記塗膜の膜厚方向へと配向した後、または配向中に前記塗膜を硬化する工程
とを有することを特徴とする硬化膜製造方法を提供する。
形状異方性を有する分散微粒子を含む塗布液により形成された塗膜に電界を与えると、誘電分極あるいは静電誘導により、例えば分散微粒子が全体として電気的に中性のときは、その一方に電荷が誘起され、該電荷の誘起された場所から位置的に最も遠い位置に反対極性の電荷が誘起される。反対符号を持つ電荷の反発力によりこれら電荷は形状異方性を有する分散粒子の両端に局在して形成されるが、電界によって分散粒子の長軸方向が電界方向と平行となるような回転力を受けるため、最終的には長軸方向を電界方向と平行にして配向することになる。
電界を印加してこの配向状態を維持しつつ塗膜を硬化させれば、硬化塗膜中に形状異方性を有する分散粒子の配向した硬化膜、フィルム、シートを形成することができ、光、熱、電気等の物性に対して異方性を有する硬化膜、フィルム、シートの作製が可能となる。
本発明の硬化膜製造方法を用いることによって、形状異方性を有する分散微粒子の長軸方向を塗膜の膜厚方向に配向することが出来る。このため光散乱特性、熱導電性、電気導電性等を考慮して分散微粒子の選定することにより、光拡散膜、光拡散フィルム・シートにおいては高輝度と光拡散を両立可能という利点を有し、光反射防止膜、光反射防止フィルム・シートにおいては優れた光反射防止効果という利点を有し、熱導電成膜、熱伝導性フィルム・シート、電気導電成膜、電気伝導性フィルム・シートにおいてはそれぞれ膜厚方向に優れた熱伝導効果、電気伝導効果を有する硬化膜が得られる。
本発明で使用する形状異方性粒子としては、電場の下で誘電分極を起こすという点で一般的に絶縁体は誘電体となりうるので絶縁性の形状異方性粒子であれば利用可能である。また、炭素繊維、針状アンチモンドープ酸化スズ(ATO)、ATOで被覆された酸化チタン、針状インジウム−スズ酸化物(ITO)のような導電性を有する形状異方性粒子も電場の下で静電誘導による電荷を安定して生じ得る場合には利用可能であって、特に熱伝導異方性や電気伝導異方性等の機能を付与するときには好適に用いられるがこれらに限定されるものではない。
前述の形状異方性粒子の長軸の平均長さは0.1μm〜10μmが、平均アスペクト比は2〜1000、特に5〜500が好ましいが、必ずしも限定されるものではない。また、微粒子の形状も特に限定されるものではない。また、塗膜の厚み以上の長さを有する形状異方性粒子にあっては塗布面と微粒子の長軸方向の角度に制限が生じるが、本発明において利用可能である。
誘電体である形状異方性粒子としては、例えば、ロッシェル塩、リン酸二水素カリウム、チタン酸バリウム・チタン酸カリウム・チタン酸ストロンチウム・チタン酸カルシウム等のチタン酸塩、ニオブ酸リチウム・ニオブ酸カリウム等のニオブ酸塩、硫酸グアニジンアルミニウム、SrBiTa・BiTi12・SrBiNb等のBi層状ペロブスカイト構造化合物、SrNaNb15等のタングステンブロンズ型化合物等の強誘電体、炭酸ストロンチウム、酸化チタン、酸化アルミニウム、マイカ等の無機の誘電体、アラミド繊維、全芳香族性ポリエステル繊維、ポリイミド繊維、ポリアミド繊維、ガラス繊維、シリカ繊維、アルミナ繊維、ジルコニア繊維等の無機あるいは有機繊維があり、特に上記の形状異方性を有する材料のうち想定される使用波長に対して透明なもの、または長軸長が想定される使用波長の1/2以下、使用波長に幅のあるものについては最短波長の1/2以下のものが光拡散や光反射防止の機能を付与するための分散微粒子として好適に用いられるが、これらに限定されるものではない。これら形状異方性を有する粒子の中から個々の用途に適した物性を与える粒子(用途が光拡散の場合は光拡散剤)を選んで使用することができる。また、これらの形状異方性粒子と、他の不定形あるいは球状の粒子と併用も可能である。
形状異方性粒子をより強力に配向させるためには、自発分極可能な強誘電体が好ましい。
形状異方性を有する微粒子を含有する塗布液を塗設してなる塗膜に電界を印加すると、
塗工直後はランダムな方向に向いていた異方性粒子は、比較的短時間に塗膜の膜厚方向に対して水平となる。電場中で形状異方性粒子の配向を行う場合、塗膜を形成した基体の塗膜を挟んで反対側に対向電極を当てて、塗膜上に設置する配向電極と共に基体ごと塗膜を挟み込んで電界をかけても良いが、基体と塗膜の間に導電層、例えばITOのような透明導電層を設けて対向電極としても良く、基体が導電体である場合は基体を対向電極として用いることも出来る。このような電極配置にすれば電極間隔が狭まって高い電界をかけることができる。塗膜表面側の配向電極は、ロールコート法の場合は塗工ロールを配向電極として兼用してもよい(図4参照)。また、配向電極の替わりに塗布液塗工直後、乾燥もしくは固化前に、塗膜表面にコロナ帯電・イオンフロー帯電を行って、この電荷によって配向を行っても良い(図1、図2、図3参照)。電場中で形状異方性粒子の配向において配向速度を速める場合には塗布液の粘度は低く、電気抵抗値は高いことが望ましいが、配向条件(電圧・時間)によって適宜材料の組合せを選択し最適物性とすればよい。分散微粒子の配向は電界をなくすと直ちにブラウン運動によって乱れ始める。このため特に硬化手段に活性エネルギー線を用いるときは、電極の少なくとも一方は、電界を印加しつつ活性エネルギー線を照射できるように活性エネルギー線透過性の材質で形成されていることが好ましい。
前述の配向の程度は、配向印加電圧と印加時間で制御可能であり、粒子配向と粒子の電気泳動が同時に生ずる場合には、電気泳動に対して配向が優位となるように塗布液粘度を高めに調整することが好ましいが、電気泳動によって塗膜中での粒子密度は傾斜構造を有していても良い。このようにすると塗膜表面の硬度も同時に向上させることができる。形状異方性粒子の配向後に塗膜を硬化することにより、光拡散性に優れた硬化膜を得ることが出来る。
形状異方性粒子の分極を補助するための電荷制御剤、粒子の分散安定剤などの助剤として、通常、電子写真用静電荷現像用液体現像剤に用いられるものから選択して使用してもよく、例えば、ナフテン酸コバルト、ナフテン酸銅、オレイン酸銅、オレイン酸コバルト、オクチル酸ジルコニウム、オクチル酸コバルト、アルミニウムオキサイドアシレートの多量体、ナフテン酸、オクテン酸、オレイン酸、ステアリン酸等の脂肪族の金属塩、スルホコハク酸エステルの金属塩、油溶性スルホン酸金属塩、リン酸エステル金属塩、アビエチン酸もしくは水素添加アビチン酸の金属塩、アルキルベンゼンスルホン酸Ca塩類、芳香族カルボン酸あるいはスルホン酸の金属塩類、ポリオキシエチル化アルキルアミンのような非イオン性界面活性剤、レシチン、アマニ油等の油脂類、ポリビニルピロリドン、多価アルコールの有機酸エステル、リン酸エステル系界面活性剤、スルホン酸樹脂、アミノ酸誘導体、マレイン酸ハーフアミド成分を含む共重合体、4級化アミンポリマーなどが知られている。
本発明で用いる塗布液の組成としては、塗膜形成性成分として、塗膜形成性樹脂、またはモノマー、またはオリゴマーを含有することが好ましく、またそれらを溶解する溶剤を含有していてもよい。塗布液を基体に塗工し、粒子の配向後に硬化膜を形成する方法としては溶剤の蒸発でもよく、この場合は通常塗膜形成に用いられる種々の塗膜形成性樹脂と溶剤との組み合わせを用いることができる。あるいは熱溶融した樹脂の冷却による硬化をもちいることができる。あるいはまた塗膜形成性成分として金属アルコキシドを用いた塗布液において、加水分解によるゲル化を用いることもできる。
前記塗布液を塗布する基体が、プラスチック基板・フィルムのような溶剤や加熱等による影響を受けやすい場合には、活性エネルギー線硬化性化合物を含有する活性エネルギー線硬化性組成物よりなる塗布液で、該塗布液が感応する活性エネルギー線を照射して硬化させることにより、例えば光学材料では光学特性に影響を及ぼすことなく優れた硬化塗膜を得ることができる。
活性エネルギー線としては、電子線などの粒子線、X線や紫外線等の電磁波が利用可能であるが、紫外線が取扱・コスト等で好適である。この時、塗布液の組成は紫外線硬化性化合物を含有する紫外線硬化性組成物よりなる塗布液であれば良い。
紫外線硬化性組成物よりなる塗布液の紫外線硬化性を与える構成成分としては、目的に応じて、光ラジカル重合性成分や、光イオン重合性成分等を適宜選択して組み合わせて用いればよいが、一例として多官能アクリル系モノマー・オリゴマーがある。具体的には(メタ)アクリロイル基を有するオリゴマー、分子中に3個以上の(メタ)アクリロイル基を有する多官能モノマー、(メタ)アクリロイル基を有する1〜2官能モノマーである。
(メタ)アクリロイル基を有するオリゴマーの例としては、ポリエステル(メタ)アクリレート、ポリウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
分子中に3個以上の(メタ)アクリロイル基を有する多官能モノマーの例としては、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、グリセロールトリ(メタ)アクリレート、トリス((メタ)アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、トリス((メタ)アクリロイルオキシプロピル)イソシアヌレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールヘプタ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールオクタ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
(メタ)アクリロイル基を有する1〜2官能モノマーの例としては、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)アクリレート、イソボニル(メタ)アクリレート、メトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシエトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシエトキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、等の1官能(メタ)アクリレートモノマー;エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1、6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1、9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、シクロヘキサン−1、4−ジメタノールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコール変性トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、ビス−(2−メタアクリロイルオキシエチル)フタレート等の2官能(メタ)アクリレートモノマーが挙げられる。
これら紫外線硬化性成分の多くは、紫外線以外の活性エネルギー線の硬化性成分としても用いることができる。
その他成分として、必要に応じて、フィルム等の厚みが薄い基板の上に保護膜を着ける場合には、紫外線硬化性組成物中に、高分子量のオリゴマー成分や希釈用有機溶剤を併用しても良い。また紫外線照射によって塗膜の硬化を行う場合には、光重合開始剤を用いても良い。
光重合開始剤の例としては、ベンゾインモノメチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンジルジメチルケタール、2、2−ジエトキシアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、メチルフェニルグリオキシレート、エチルフェニルグリオキシレート、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、2、4、6−トリメチルベンゾイルフェニルホスフィンオキサイド等のアシルホスフィンオキサイド等を挙げることができる。これらの中では、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、メチルフェニルグリオキシレート、エチルフェニルグリオキシレート、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オンが、透明性、硬化性の観点から、特に好ましい。
また、紫外線硬化性組成物を濡れにくい表面を持つ基体に塗布する場合には、良好な塗布品質の保護膜を得るために、界面活性剤、塗料添加剤の添加を行う事が出来る。例えば、フッ素系ノニオン界面活性剤、変性シリコーン系界面活性剤、ビニル系またはアクリル系重合体塗料添加剤等を紫外線硬化性組成物に単独或いは混合して添加することにより、基体との濡れや硬化後の表面平滑性を改良する。また帯電防止剤を添加すると、ホコリの吸着を抑制できる。
さらに金属との接着性増強剤として、例えば、エチレンオキシド変性コハク酸(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性フタル酸(メタ)アクリレート等のカルボキシル基を有する(メタ)アクリレート、また、エチレンオキシド変性リン酸(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性リン酸ジ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性リン酸基ジ(メタ)アクリレート等のリン酸基を分子内に有する(メタ)アクリレートを添加することも出来る。
更にまた、紫外線吸収剤、光安定剤および酸化防止剤などの各種耐久性向上剤、紫外線硬化性組成物の塗布適性を変えたり、或いは保護膜表面の凸凹形成等のために無機系又は有機系フィラー類、着色のためには着色剤などを、それぞれ添加することが出来る。
上記種々の成分を含む塗布液を塗布する基体は、特に形態上、材質上の制約は無く、光拡散性や、光反射防止性、熱伝導性、電気伝導性など種々の機能の付与が必要とされるフィルムやシート等、薄膜状の基体の他に、光学素子、電子部品など製品そのものも基体として用いることができる。
本発明の製造方法を用いることにより高輝度の光拡散シートや、反射戻り光の少ない反射防止板あるいは放熱フィルムを作製することができる。
本発明の製造方法により光拡散シートを作製する場合には、形状異方性粒子の長軸方向を塗膜面に対して縦方向に光拡散剤として配向させることができる。光拡散層の入射側から入った光は、塗膜の膜厚方向に配向された光拡散剤で透過側方向の成分を持つ方向に反射され、反射光は不定形粒子や球状粒子あるいは形状異方性粒子の長軸方向が縦方向に配向されていない場合の反射光に比べて、入射側に戻ってくることが少なく極めて効率よく光拡散層の透過側に抜けることが可能になる。
本発明の製造方法により光反射防止フィルム・シートを作製する場合には、前述光拡散フィルムと同様再度入射光側に戻る光成分による反射光が少なくなり、従来の無機粒子を入れたアクリル樹脂からなるAGフィルムと比較して大幅な反射防止効果が得られる。
本発明の製造方法により放熱フィルム・シートを作製する場合には、形状異方性粒子の長軸方向を塗布面に対して縦方向に配向させることにより、熱の伝導方向が、フィルム、シート面に対し縦方向に、より効果的な熱伝導異方性を示し、不定形粒子や球状粒子あるいは形状異方性粒子の長軸方向が縦方向に配向されていない場合に比べて、極めて効率よく膜厚方向の熱の伝導が可能になる。
本発明の製造方法により電気伝導性フィルム、電気伝導性膜を作製する場合には、導電性を有する形状異方性粒子の長軸方向を、塗布面に対して縦方向に配向させることにより、電気伝導方向が、フィルム・シート面に対し縦方向により効果的な電気伝導異方性を示し、不定形粒子や球状粒子あるいは形状異方性粒子の長軸方向が縦方向に配向されていない場合に比べて、極めて効率よく膜厚方向の電気の伝導が可能になる。
本発明の製造方法で製造される硬化膜中の形状異方性を有する分散微粒子は、その長軸が硬化膜の膜厚方向に配向しているが、該長軸方向は硬化膜表面に対して必ずしも垂直である必要はなく、形状異方性粒子の長軸方向が塗布時に比して、塗布面に対し僅かにでも立っていれば相応の効果が発揮される。特に形状異方性を有する分散微粒子は塗布液の塗布時に塗布方向に沿って塗布面と平行方向に配向することが多く、この状態から配向手段として加える電場や磁場の強度や印加時間に応じて膜厚方向に立ち上がる。このとき塗布面と分散微粒子の長軸方向の角度の平均値は30度以上が好ましく、より好ましくは45度以上である。
但し、分散微粒子濃度が高い場合には隣り合う分散微粒子同士は接触しており、電気伝導異方性や熱伝導異方性のように電子や熱の伝導を利用する場合には、硬化膜表面に対して横方向への伝導を最小限にするために、塗布面と分散微粒子の長軸方向の角度の平均値は45度以上が好ましく、より好ましくは60度以上であり、全ての分散微粒子である必要はないが分散微粒子の一部が硬化膜の表面に出ていることが好ましい。平均角度は例えば硬化膜の断面を光学顕微鏡または電子顕微鏡にて撮影した後、撮影した画像から少なくとも100以上のサンプルを任意に選んで角度を測定し平均することによって求めることができる。
本発明の製造方法で製造される硬化膜は基体上に形成されて、該基体に各種物性を付与する機能性膜として、あるいは薄膜状基体と共に機能性硬化フィルム、機能性硬化シートとして用いられる他、基体を伴わずに硬化フィルム、硬化シートとして用いることもできる。このようなフィルム、シートは、例えば基体として可撓性フィルムを用い、該フィルム上にシリコーンやフッ素系樹脂を塗設したり、ポリテトラフルオロエチレンを蒸着したりして剥離層を形成したのち、その上に形状異方性を有する分散微粒子を配向させた硬化膜を形成し、該硬化膜を剥離することによって作製することができる。
以下に、実施例および比較例を挙げて、本発明の製造方法をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。まず、表1に示す組成からなる無溶剤系紫外線硬化性組成物を作製した。
Figure 2005218889
M−315:トリス(アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート
TMP3A:トリメチロールプロパントリアクリレート
BP:ベンゾフェノン
DMAEA:N、N−ジメチルアミノエチルアクリルアミド
FZ−2188:日本ユニカー社製ポリエーテル変性シリコーンオイル
形状異方性粒子1:気相法炭素繊維(昭和電工製VGCF)繊維径150nm、アスペクト比100。
形状異方性粒子2:炭酸ガス化合法で得られた炭酸ストロンチウム結晶。粒径150nmアスペクト比3の微細形状のもの。
(実施例1・比較例1)
(硬化膜作成条件)
表1の実施例1、比較例1の塗料を基板上に膜厚が約5μmとなる様にスピン塗布し、コロナ放電装置に40KVの電圧を印可し塗布膜表面を正帯電させ、コンベア式紫外線硬化装置(入力電力120W/cm)にて、1パス0.75J/cm2となる様にコンベアスピードを調節し、塗膜を硬化した(図1、図2、図3参照)。
(実施例2・比較例2)
図4に概略図を示した本発明の硬化膜の製造方法例を用いて表1の実施例2、比較例2の塗料を基板上に膜厚が約10μmとなる様に塗布し、実施例2では塗工ロールに1KVの正電圧を印可しながら、比較例2では塗工ロールに電圧を印可せずに、直後に設置したコンベア式紫外線硬化装置(入力電力120W/cm)にて、1パス0.75J/cm2となる様にコンベアスピードを調節し、塗膜を硬化した。
作製した硬化膜の特性を以下の評価方法にて測定した。
(塗膜の硬化性)
表面をメタノールで含浸したキムワイプで擦り、表面の白化の有無で、塗膜の硬化を確認した。表中、OKは、硬化膜表面が溶剤に侵されず、白化を生じない場合を表し、NGは、白化が見られた場合を表す。
(鉛筆硬度の評価)
上記と同様(但し、塗料Fの硬化条件は、1パス1.0J/cm2 )にして、透明ガラス基板上に硬化膜を調製し、JIS K−5400に従い、すり傷にて、膜硬度を評価した。
(環状オレフィンフイルムへの接着性評価)
ジェイエスアール社製「アートン」フイルム(188μm厚み)上に紫外線硬化性組成物を塗布して硬化させ、硬化膜の接着性を評価した。接着性の評価は、JIS K−5400に従い、クロスカット−セロテープ(登録商標)剥離試験方法により行った。表中、OKは、硬化膜のフイルムからの剥離が見られなかった場合を表し、NGは剥離が見られた場合を表す。
(熱伝導率)
基板から硬化膜を剥がし、硬化膜を市販の熱伝導率測定計により測定した。
(輝度)
基体側からバックライトを照射したときの目視による輝度の観察を行った。
以上の測定項目の測定結果を表2に示す。
Figure 2005218889
表2の結果から明らかなように、実施例に示す硬化膜はそれぞれ対応する硬化膜に比べて熱伝導率と輝度が改良されている。実施例2の輝度も目視観察上明らかに比較例2の輝度より改善されていた。またこれら実施例1、実施例2においては、形状異方性を有する分散微粒子の硬化膜表面方向への、電気泳動による移動が発生しており、硬化膜表面の硬度が上昇している。
本発明の硬化膜製造方法における塗布液の基体への塗工工程の例を示した説明図である。 本発明の硬化膜製造方法の配向工程の例として、コロナ帯電による分散微粒子の配向工程を示した説明図である。 本発明の硬化膜製造方法における硬化工程の例として、紫外線硬化からなる硬化工程を示した説明図である。 本発明の硬化膜製造方法における配向工程の例として、塗工ロールを配向電極として、支持ロールを対向電極として用いた配向工程を示した説明図である。
符号の説明
1 未硬化塗膜
2 基体
3 コロナ帯電電極
4 紫外線
5 塗工ロール兼配向電極
6 支持ロール兼対向電極
7 粒子の配向した硬化膜(硬化)
8 進行方向

Claims (3)

  1. (1)形状異方性を有する分散微粒子を含む塗布液を基体に塗布し塗膜を形成する工程と、
    (2)電界を用いて前記分散微粒子の長軸方向を、前記塗膜の膜厚方向へと配向させる工程と、
    (3)前記分散微粒子の長軸方向が前記塗膜の膜厚方向へと配向した後、または配向中に前記塗膜を硬化する工程
    とを有することを特徴とする硬化膜製造方法。
  2. 前記塗布液により形成した塗膜を硬化する工程が、該塗布液の感応する活性エネルギー線を照射して前記塗膜を硬化するものである請求項1に記載の硬化膜製造方法。
  3. 前記塗布液が紫外線硬化性組成物であり、前記活性エネルギー線が紫外線である請求項2に記載の硬化膜製造方法。

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