JP2005217800A - 圧電発振器 - Google Patents

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Abstract

【課題】取り扱いが簡便で、生産性に優れた温度補償型水晶発振器を提供する。
【解決手段】内部に水晶振動素子5及びIC素子7を収容している矩形状の容器体2下面に、実装脚部12を取着させるとともに、実装脚部12の存在しない領域に、IC素子7に温度補償データを書き込むための金属ポストから成る書込制御端子14を実装脚部12より離間させて取着させる。
【選択図】図1

Description

本発明は、通信機器や電子機器等のタイミングデバイスとして用いられる圧電発振器に関するものである。
従来より、携帯用通信機器等のタイミングデバイスとして圧電発振器が用いられている。
かかる従来の圧電発振器としては、例えば図5に示す如く、内部に水晶振動素子が収容されている容器体20を、下面に複数個の外部端子を有した実装用基体21上に、該実装用基体上面に載置した枠体22を介して取着させるとともに、前記容器体20の下面と前記枠体22の内面とで囲まれる領域内に、水晶振動素子の振動に基づいて発振出力を制御するIC素子23を収容させた構造のものが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
尚、前記容器体20及び前記実装用基体21は、通常、アルミナセラミックス等のセラミック材料から成り、その内部及び表面には配線導体が形成され、従来周知のグリーンシート積層法等を採用することによって製作されている。そして、このような容器体20の下面や実装用基体21の上面には、それぞれ対応する箇所に接合電極が複数個設けられており、これらの接合電極同士を導電性接合材を介して接合することにより容器体20が実装用基体21の上面に固定されていた。
また、前記IC素子23の内部には、水晶振動素子の温度特性に応じて作成された温度補償データに基づいて水晶発振器の発振出力を補正するための温度補償回路が設けられており、このような温度補償データをIC素子23内のメモリに格納するため、実装用基体21の外側面には書込制御端子24が設けられ、水晶発振器を組み立てた後、この書込制御端子24に温度補償データ書込装置のプローブ針を当てて温度補償データをIC素子23へ入力することによって温度補償データをIC素子23内のメモリに格納するようにしていた。
特開2003−101348号公報
しかしながら、上述した従来の温度補償型水晶発振器においては、実装用基体21の外側面に温度補償データを書き込むための書込制御端子24が設けられているため、実装用基体21及び枠体22の製作に用いられるセラミック製の母基板に貫通穴を開けて、その内面に導体ペーストを塗布して焼き付けたり、更には金属メッキを施す等して膜状の書込制御端子24を被着させておく必要があり、このような複雑な加工プロセスが不可欠となることによって温度補償型水晶発振器の生産性が著しく低下する欠点を有していた。
本発明の温度補償型水晶発振器は、容器体の上面に凹部を設けるとともに、該凹部内に、水晶振動素子及びその発振周波数に対応した発振信号を温度補償データに基づいて補正しつつ出力するIC素子を収容し、前記容器体の上面に前記凹部の開口部を塞ぐ蓋体を取着させた上、前記容器体の下面外周部に、前記IC素子に電気的に接続された金属ポストから成る複数個の実装脚部を取着させてなる温度補償型水晶発振器後であって、
前記容器体の下面で、隣接する実装脚部間に、前記IC素子に温度補償データを書き込むための金属ポストから成る書込制御端子を取着させたことを特徴とするものである。
また本発明の温度補償型水晶発振器は、前記書込制御端子の下端が前記実装脚部の下端よりも上方に位置させてあることを特徴とするものである。
更に本発明の温度補償型水晶発振器は、前記容器体が矩形状を成しており、該容器体下面の四隅部に前記実装脚部が配置されていることを特徴とするものである。
本発明の温度補償型水晶発振器は、温度補償データをIC素子に書き込むための書込制御端子を金属ポストにて形成するとともに、該書込制御端子を支持基体の下面に取着させるようにしたものであり、これによって、温度補償型水晶発振器を組み立てる際、金属ポストから成る書込制御端子を支持基体下面の所定位置に取着させておくだけで温度補償型水晶発振器を製作することができ、従来の温度補償型水晶発振器の書込制御端子を形成する場合のような煩雑な加工プロセスは一切不要となる。従って、温度補償型水晶発振器の製造プロセスが簡略化されるようになり、生産性を大幅に向上させることが可能となる。
また本発明の温度補償型水晶発振器によれば、書込制御端子の下端を実装脚部の下端よりも上方に位置させたことから、温度補償型水晶発振器をマザーボード上に搭載した際、マザーボードの配線等と書込制御端子との間で大きな浮遊容量を発生したり、温度補償型水晶発振器を半田付け等によってマザーボード上に搭載する際に、溶融した半田の一部が書込制御端子に接触して短絡を起こすといった不都合が有効に防止されるようになり、温度補償型水晶発振器の取り扱いが簡便なものとなる利点がある。
以下、本発明を添付図面に基づいて詳細に説明する。
図1は本発明の一実施形態に係る温度補償型水晶発振器の分解斜視図、図2は図1の温度補償型水晶発振器の断面図であり、これらの図に示す温度補償型水晶発振器は、内部に水晶振動素子5及びIC素子7を収容している容器体1の下面に、複数個の実装脚部12及び書込制御端子を取着させた構造を有している。
前記温度補償型水晶発振器1は、例えば、ガラス−セラミック、アルミナセラミックス等のセラミック材料から成る平板状基板2a,2b及び枠状基体2cが積層された容器体2と、42アロイやコバール,リン青銅等の金属から成るシールリング3と、シールリング3と同様の金属から成る蓋体4とから成り、前記容器体2の上面にシールリング3を取着させ、その上面に蓋体4を載置・固定させることによって構成され、前記容器体2のキャビティ内にIC素子7を取着させ、且つ容器体2の上面にシールリング3の内側に位置するように水晶振動素子5が実装されている。また枠状基体2cの上面には水晶振動素子5の振動電極に接続される一対の搭載パッド8a、8b(尚、8bは図には現れない)が形成されている。
前記平板状基板2a,2b及び前記枠状基体2cが積層されて成る容器体2は、ガラス−セラミック等のセラミック材料から成る場合、例えば、セラミック材料粉末に適当な有機溶剤等を添加・混合して得たセラミックグリーンシートの表面等に搭載パッド8a、8bや配線導体9bとなる導体ペーストを所定パターンに印刷・塗布するとともに、第1のビアホール導体9a、第2のビアホール導体9cとなる導体が形成され、これを複数枚積層してプレス成形した後、高温で焼成することによって製作される。
また前記温度補償型水晶発振器1のシールリング3及び蓋体4は従来周知の金属加工法を採用し、42アロイ等の金属を所定形状に成形することによって製作され、得られたシールリング3を容器体2の上面に予め被着させておいた導体層にロウ付けし、続いて水晶振動素子5を導電性接合部材16を用いて容器体2の上面に実装・固定した後、水晶振動素子5の初期周波数調整を行なった後、所定雰囲気にして上述の蓋体4を従来周知の抵抗溶接等によってシールリング3の上面に接合することによって温度補償型水晶発振器1が組み立てられる。このようにシールリング3と蓋体4とを抵抗溶接によって接合する場合、シールリング3や蓋体4の表面には予めNiメッキ層やAuメッキ層等を被着させておく。
また、温度補償型水晶発振器1の内部に収容される水晶振動素子5は、所定の結晶軸でカットした水晶片の両主面に一対の振動電極を被着・形成してなり、所定の周波数で振動を起こす。水晶振動素子5は、一対の振動電極を導電性接合部材16を介して容器体2上面の搭載パッド8a、8b(図面では、8を付している)に電気的に接続させることによって容器体2の上面に搭載され、これによって水晶振動素子5と温度補償型水晶発振器1との電気的接続及び機械的接続が同時になされる。
ここで温度補償型水晶発振器1の蓋体4を温度補償型水晶発振器1の容器体2の各電極、配線導体を介して後述するグランド端子用の実装脚部12に接続させておけば、その使用時、蓋体4がアースされることによりシールド機能が付与され、水晶振動素子5や後述するIC素子7を外部からの不要な電磁ノイズから保護することができる。従って、蓋体4を温度補償型水晶発振器1の容器体2の各電極、配線導体を介して後述するグランド端子用の実装脚部12に接続させておくことが好ましい。
また、平板状基板2b上面中央には、前記枠状基体2cの間に配されるIC素子7の接続パッド11に接続される複数個の電極パッド10が形成されている。すなわち、前記枠状基体2c及びシールリング3は、それによって出来た容器体2の凹部底面と蓋体4の下面との間にIC素子7を実装させるための空間を確保するスペーサとして機能するものである。
平板状基板2bの上面のIC素子7が実装される領域には、IC素子7の接続パッド11に半田などの導電性接合部材17を介して接続する複数個の電極パッド10が形成されている。これらの電極パッド10は、平板状基板2a,2bに形成されているビアホール導体9や配線導体等を介して前記搭載パッド8や後述する実装脚部12等に接続されている。
そしてこのような電極パッド10に接続されるIC素子7としては、例えば図3に示すように、半導体素子7aと再配線を施した再配線層7bとを有した矩形状のフリップチップ型ICが用いられている。半導体素子7aには、周囲の温度状態を検知する感温度素子、水晶振動素子5の温度特性を補償する温度補償データが書き込まれる記憶素子、周囲の温度に対応する所定温度補償データに基づいて前記水晶振動素子5の振動特性を補正する温度補償回路、該温度補償回路に接続されて所定の発振出力を生成する発振回路等が設けられている。
IC素子7を平板状基板2bの上面に搭載するには、IC素子7の下面に設けた複数の接続パッド11を、平板状基板上面の対応する電極パッド10に半田や金バンプ等の導電性接合部材17を介して電気的に接続させることによって行われる。これによってIC素子7内の所定素子、回路が、第2のビアホール導体9c、配線導体9b等を介して水晶振動素子5や容器体下面の実装脚部12等と電気的に接続される。
上述した容器体2の下面四隅部には、図4に示すように、4個の実装脚部12が取着・立設されている。これらの実装脚部12は、その各々が銅等の金属材料を四角柱状に成形した金属ポストによって形成されており、外部端子としての機能、即ち、温度補償型水晶発振器をマザーボード(図示せず)等の外部配線基板に実装する際、半田付け等によって外部電気回路の回路配線と電気的に接続されることとなる。
尚、上述した4個の実装脚部12は、電源電圧端子、グランド端子、発振出力端子、発振制御端子として機能するものであり、これら実装脚部12の下面には、外部配線基板との接合に用いられる半田等の接合状態を良好となすために、例えば、ニッケルめっきや金めっき等が所定厚みに被着される。
ここで、4個の実装脚部12のうち、グランド用の実装脚部と発振出力用の実装脚部を近接させて配置するようにすれば、発振出力端子より出力される発振信号にノイズが干渉するのを有効に防止することができる。従って、グランド用の実装脚部と発振出力用の実装脚部を近接配置させておくことが好ましい。
また、容器体の下面で隣接する実装脚部間には、IC素子7に温度補償データを書き込むための書込制御端子14が取着されている。
前記書込制御端子14は、先に述べた実装脚部12と同様に、銅等の金属材料を柱状に成形した金属ポストによって形成されており、その長さ寸法は、書込制御端子14の下端が実装脚部12の下端よりも上方に位置するようにやや短く形成され、側面の一部を隣接する実装脚部間より露出させるようにして容器体2の下面に取着される。このように書込制御端子14を、その下端が実装脚部12の下端よりも上方に位置するように短く形成しておくことにより、温度補償型水晶発振器を半田付け等によってマザーボード上に搭載する際に、溶融した半田の一部が書込制御端子14に接触して短絡を起こすといった不都合が有効に防止されるようになり、温度補償型水晶発振器1の取り扱いが簡便なものとなる利点がある。
これらの書込制御端子14は、容器体下面のエッジに沿って並設されており、容器体2の配線パターン等を介してIC素子7に電気的に接続されている。従って、温度補償型水晶発振器を組み立てた後、これらの書込制御端子14に側方より温度補償データ書込装置のプローブ針を当て、水晶振動素子5の温度特性に応じた温度補償データを書き込むことによってIC素子7のメモリ内に温度補償データが格納される。
このような本実施形態の温度補償型水晶発振器によれば、書込制御端子14は、金属ポストから成る書込制御端子14を支持基体下面の所定位置に取着させておくだけで他の構成要素と一体化されることから、従来の温度補償型水晶発振器において膜状の書込制御端子を形成する場合のような煩雑な加工プロセスは一切不要であり、温度補償型水晶発振器の製造プロセスを簡略化して、生産性を大幅に向上させることができる。
かくして上述した温度補償型水晶発振器1は、マザーボード等の外部配線基板上に半田付け等によって搭載され、IC素子7の温度補償回路を用いて温度状態に応じた発振周波数の補正を行いながら、水晶振動素子5の発振周波数に対応した所定の発振信号を出力することによって温度補償型水晶発振器として機能する。
尚、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更、改良等が可能である。
例えば、上述した実施形態においては、IC素子7や書込制御端子14,実装脚部12等を容器体2の下面に取着させるのに半田等の一般的な導電性接合材等を用いるようにしたが、これに限られるものではなく、例えば、導電性接合材として異方性導電接着材等を用いるようにしても良く、その場合、支持基体6に対するIC素子7や実装脚部12等の取着作業が極めて簡単になり、温度補償型水晶発振器1の組立工程が更に簡略化される利点もある。
更に上述した実施形態においては、蓋体4をシールリング3を介して容器体2に接合させるようにしたが、これに代えて、容器体2の上面に接合用のメタライズパターンを形成しておき、このメタライズパターンに対して蓋体4をダイレクトに溶接するようにしても構わない。
更にまた上述した実施形態において、支持基体下面の空いたスペース、例えば、隣接する実装脚部間等にノイズ除去用のチップ状コンデンサ等を配置させても構わない。
本発明の一実施形態に係る温度補償型水晶発振器の斜視図である。 図1の温度補償型水晶発振器の断面図である。 図1の温度補償型水晶発振器に搭載されるIC素子の断面図である。 図1の温度補償型水晶発振器の下面図である。 従来の温度補償型水晶発振器の分解斜視図である。
符号の説明
1・・・温度補償型水晶発振器
2・・・容器体
3・・・シールリング
4・・・蓋体
5・・・水晶振動素子
7・・・IC素子
11・・・書込制御端子
12・・・実装脚部
14・・・書込制御端子

Claims (3)

  1. 容器体の上面に凹部を設けるとともに、該凹部内に、水晶振動素子及びその発振周波数に対応した発振信号を温度補償データに基づいて補正しつつ出力するIC素子を収容し、前記容器体の上面に前記凹部の開口部を塞ぐ蓋体を取着させた上、前記容器体の下面外周部に、前記IC素子に電気的に接続された金属ポストから成る複数個の実装脚部を取着させてなる温度補償型水晶発振器後であって、
    前記容器体の下面で、隣接する実装脚部間に、前記IC素子に温度補償データを書き込むための金属ポストから成る書込制御端子を取着させたことを特徴とする温度補償型水晶発振器。
  2. 前記書込制御端子の下端が前記実装脚部の下端よりも上方に位置させてあることを特徴とする請求項1に記載の温度補償型水晶発振器。
  3. 前記容器体が矩形状を成しており、該容器体下面の四隅部に前記実装脚部が配置されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の温度補償型水晶発振器。
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