JP2005216926A - 異方性ボンド磁石の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 希土類−鉄−ボロン系の異方性磁石粉末、特に形状異方性を有する磁石粉末を用いて高特性のボンド磁石を効率良く製造できる異方性ボンド磁石の製造方法を提供することを目的としている。
【解決手段】 本発明の異方性ボンド磁石の製造方法は、バインダーと混練された磁石粉末2を成形して磁石素材を得る異方性ボンド磁石の製造方法であって、前記バインダーが、セラミック粉末、固形エポキシまたは固形シリコーン固形のバインダーとされていることを特徴とする。ここで、バインダーの混合割合は4体積%〜10体積%とされる。
【選択図】 図1
【解決手段】 本発明の異方性ボンド磁石の製造方法は、バインダーと混練された磁石粉末2を成形して磁石素材を得る異方性ボンド磁石の製造方法であって、前記バインダーが、セラミック粉末、固形エポキシまたは固形シリコーン固形のバインダーとされていることを特徴とする。ここで、バインダーの混合割合は4体積%〜10体積%とされる。
【選択図】 図1
Description
本発明は異方性ボンド磁石の製造方法に関する。さらに詳しくは、生産性が改善された希土類−鉄−ボロン系の異方性ボンド磁石の製造方法に関する。
希土類−鉄−ボロン系の異方性磁石は、高い磁気特性を有するため、各種のOA機器やAV装置を構成するモーターの部品として広く使用されている。この希土類−鉄−ボロン系異方性磁石の中に、よく知られているように、ボンド磁石が存在する。
ボンド磁石は、磁石粉末と樹脂バインダーとを混練して成形するという工程により製造されるため、形状の自由度が大きく、寸法精度の高い製品が得られるのが利点である。OA機器・AV装置用のモーターの部品は、薄肉かつ精密なものでなければならないので、ボンド磁石がよく用いられている。
本出願人は、ボンド磁石の製造方法に関し、雰囲気制御可能な加熱プレスを使用することによって真空容器への密閉と真空吸引とを不要にし、磁石合金の超急冷リボンから得た粉末を単に金属筒内に充填してプレス内に置き、非酸化性雰囲気下に、この金属筒ごと上下のパンチでその軸方向に一軸圧縮して潰すことにより磁石合金の粒子に塑性変形を生じさせ、このようにして異方性化した磁石粉末の塊を取り出して粉砕することを含む方法を既に提案している(特許文献1参照)。
しかしながら、先の提案に係るボンド磁石の製造方法においては、この磁石粉末を樹脂バインダーと混練した後に磁場を印加しつつ加圧成形する必要があるため、装置の構造が複雑なものになるとともに、成形時間が長くなるといった問題がある。また、成形中に磁石粉末が着磁されるため、着磁された残留粉末が成形品に付着し、後工程(塗装、検査等)における作業性が低下するといった問題がある。これを避けるために、成形後に脱磁を行った場合、工程数が増大し生産性が低下するといった問題もある。
特開平11−233323号公報
本発明はかかる従来技術の課題に鑑みなされたものであって、希土類−鉄−ボロン系の異方性磁石粉末、特に形状異方性を有する磁石粉末を用いて高特性のボンド磁石を効率良く製造できる異方性ボンド磁石の製造方法を提供することを目的としている。
本発明の異方性ボンド磁石の製造方法は、バインダーと混練された磁石粉末を成形して磁石素材を得る異方性ボンド磁石の製造方法であって、前記バインダーが固形のバインダーとされていることを特徴とする。
本発明の異方性ボンド磁石の製造方法においては、バインダーの混合割合が4体積%〜10体積%とされているのが好ましい。
また、本発明の異方性ボンド磁石の製造方法においては、固形のバインダーが、セラミック粉末、固形エポキシまたは固形シリコーンとされているのが好ましい。
本発明によれば、磁気特性に優れた異方性ボンド磁石を磁場成形することなく成形がなし得るという優れた効果が得られる。その結果、異方性ボンド磁石の生産性が向上するという優れた効果も得られる。
以下、添付図面を参照しながら本発明を実施形態に基づいて説明するが、本発明はかかる実施形態のみに限定されるものではない。
本発明の一実施形態に係るボンド磁石の製造方法は、図1に示すように、希土類−鉄−ボロン系磁石合金の超急冷リボンを粉末化した粉末原料1を金属筒3内に充填して雰囲気制御可能な加熱プレス内に置き、非酸化性雰囲気下に温度650〜900℃で、この金属筒ごと上下のパンチ4,5でその軸方向に一軸圧縮して、図2のように潰すことにより磁石材料の粒子に塑性変形を生じさせた後に取り出して粉砕することによって、偏平で面方向に磁気異方性を有する磁石粉末2つまり形状異方性を有する磁石粉末2を得、これをバインダーと混練した後に加圧成形、例えばプレス成形、押し出し成形、射出成形などをすることによって、図3に示すように、成形時に磁石粉末2に作用する力によりその異方化方向を揃えて、磁場成形することなく磁気異方性を有する磁石素材6を得る手順を含むものとされる。なお、図3において、符号7は射出成形機のヘッド、8は金型である。
本発明者等は、形状異方性を有する磁石粉末2の配向をより効果的に達成するための樹脂バインダーを含む各種バインダーについて鋭意研究を重ね、その結果、流動性の大きいバインダーを用いることにより、磁気特性(保磁力、残留磁化、最大エネルギー積等)のより優れたボンド磁石が得られるとの知見を得た。
図4に、本発明者等が実施した各種バインダーの流動性の試験方法を示す。同図に示すように、バインダーと混練された磁石粉末を筒状の底なし容器11に入れ、これを所定径(例えば2ミリメートル径)のホール12が穿設されたスライド盤13の上で、前記ホール12の上を通過させるように所定回数往復動させる。これにより、容器11内の磁石粉末はホール12を通して落下し、下方の回収ボックス14に貯まる。この場合、バインダーの流動性が高いほど回収ボックス14に貯まる磁石粉末の量は多くなる。
図5に、セラミック粉末、固形エポキシ、固形シリコーンおよび液体エポキシといった各種バインダーについて流動性試験を実施した結果を示す。ここでは、容器11をホール12の上で5回スライドさせたときの粉末回収量が示されている。
同図に示すように、固形のバインダー(セラミック粉末、固形エポキシ、固形シリコーン)については比較的多量(0.52グラム、0.52グラム、0.43グラム)の粉末が回収されたが、液状のバインダー(液体エポキシ)については少量(0.05グラム)の粉末が回収されただけであった。したがって、液状のバインダーよりも固形のバインダーの方が高い流動性を有しており、固形のバインダーを用いた方が磁気特性の優れたボンド磁石を製造する上で有利であることが理解される。
また、本発明で使用する磁石粉末の原料として好適な、希土類−鉄−ボロン系磁石合金は、下式であらわされる組成をもつ磁石合金とされる。
RxFe(100-x-y-z-w)CoyBzTw
但し、RはYを含む希土類元素であり、TはGa,Si,Al,C,Ni,Cu,Zn,In,Mn,Nb,TaおよびTiから選ばれる1種または2種以上の元素である。ここで、各変数x、y、z、wの範囲は、 x=12.5〜16,y=0〜10,z=4.8〜6.5,w=0〜1、とされる。
但し、RはYを含む希土類元素であり、TはGa,Si,Al,C,Ni,Cu,Zn,In,Mn,Nb,TaおよびTiから選ばれる1種または2種以上の元素である。ここで、各変数x、y、z、wの範囲は、 x=12.5〜16,y=0〜10,z=4.8〜6.5,w=0〜1、とされる。
以下、本発明におけるバインダーについてより詳細に説明する。
図6に、各種バインダーの混合量(体積%)を変化させて製造されたボンド磁石(サイズ:10mmφ×7mmL)の最大エネルギー積を示す。製造例1は、バインダーとしてセラミック粉末を用いたものである。製造例2は、バインダーとして固形エポキシを用いたものである。比較製造1は、バインダーとして液体エポキシを用いたものである。
同図に示すように、混合量が5〜15(体積%)の範囲で常に、バインダーとして固形のもの(セラミック粉末、固形エポキシ(固形シリコーンを用いた場合も同様である))を用いた製造例1および製造例2の最大エネルギー積が、液状のもの(液体エポキシ)を用いた比較製造1の最大エネルギー積を上回っている。したがって、固形のバインダーを用いる方が液状のバインダーを用いるよりも、磁気特性の優れた磁石素材を得る上で有利であることが分かる。また、製造例1および製造例2においては、混合量が4〜10(体積%)の範囲で、最大エネルギー積が17MGOe程度またはそれを超える値を示している。
図7に、プレス速度(プレス圧:20トン毎平方センチメートル)を変化させて製造されたボンド磁石(サイズ:10mmφ×7mmL、バインダー混合量:7.5(体積%))の最大エネルギー積を示す。製造例11は、バインダーとして固形エポキシを用いたものである。製造例12は、バインダーとしてセラミック粉末を用いたものである。比較製造例2は、バインダーとして液体エポキシを用いたものである。
同図に示すように、製造した全てのプレス速度域において、バインダーとして固形のもの(セラミック粉末、固形エポキシ)を用いた製造例11および製造例12の方が、液状のもの(液体エポキシ)を用いた比較製造例2よりも高い最大エネルギー積、すなわち17MGOeを超える最大エネルギー積を有している。したがって、固形のバインダーを用いる方が、磁気特性の優れた磁石素材を短いタクトタイムで製造し得ることが分かる。すなわち、固形のバインダーを用いることによって、製造時間を短縮し、かつ高特性のボンド磁石素材を製造することができる。
本発明は、ボンド磁石の製造に適用されて高特性のボンド磁石をより短い製造時間での製造を可能とするものである。
1 原料粉末
2 異方性磁石粉末
3 容器
4,5 プレス機
6 ボンド磁石
7 射出成形記機のヘッド
8 金型
2 異方性磁石粉末
3 容器
4,5 プレス機
6 ボンド磁石
7 射出成形記機のヘッド
8 金型
Claims (3)
- バインダーと混練された磁石粉末を成形して磁石素材を得る異方性ボンド磁石の製造方法であって、前記バインダーが固形のバインダーとされていることを特徴とする異方性ボンド磁石の製造方法。
- バインダーの混合割合が4体積%〜10体積%とされていることを特徴とする請求項1記載の異方性ボンド磁石の製造方法。
- 固形のバインダーが、セラミック粉末、固形エポキシまたは固形シリコーンとされていることを特徴とする請求項1記載の異方性ボンド磁石の製造方法。
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JP2004018464A JP2005216926A (ja) | 2004-01-27 | 2004-01-27 | 異方性ボンド磁石の製造方法 |
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Publications (1)
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JP2004018464A Withdrawn JP2005216926A (ja) | 2004-01-27 | 2004-01-27 | 異方性ボンド磁石の製造方法 |
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- 2004-01-27 JP JP2004018464A patent/JP2005216926A/ja not_active Withdrawn
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