JP2005214450A - 貯湯式給湯器の自動温度制御方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 貯湯式給湯器の設定温度の切替について、温水使用量の多少のみで判断するのではなく、給湯器の使用人数、台所での使用の有無等の使用条件や、外気温度等の設定環境といった多くの条件を判断要素にして判断し、かつその条件変化に応じて自動的に温度制御することで、必要最低限の電力消消費に抑制する。
【解決手段】 貯湯式給湯器の使用条件(タンク容量、使用人数及び台所・風呂場における使用湯量)に関する種々の情報を記憶し、給湯器を設置する周囲の環境条件(取水水温)に関する情報を常時採取し、この採取した環境条件の変化に従い、記憶された使用条件に基づいて給湯器のタンクに必要な最低限の湯量を充足するための沸き上がり温度について判定し、その設定温度に切り替える自動温度制御方法である。
【選択図】 図1


Description

本発明は、沸き上がり温度可変型の給湯器のタンク内の貯留温水の沸き上がり温度を制御して省エネルギーを図るための貯湯式給湯器の自動温度制御方法に関するものである。
貯湯式の給湯器では、タンク内の貯留温水の湧き上がり温度は、通常湯の使用量や取水温度に応じて決定されるものである。貯湯式の電気温水器を例にとれば、深夜は電力の使用湯量が減るために、使用料金が割安になっているために、この時間帯を有効に利用して湯を沸かすようになっている。そこで、温水の沸き上げ温度を低く設定して省エネルギー化を図ることができる。
しかし、湯の使用人数や使用者の使用状態にはばらつきがあるために、使用湯量の少ない時間帯は様々に変化する。そのため、温水の保温温度を低くする時間帯を適切に設定しておくことは非常に困難であり、保温温度を低くする時間は必然的に短時間となっていた。また、給湯器は、温水を供給できない状態、いわゆる湯切れ状態にならないように、一般に高い温度設定になる傾向にあった。
このような高い温度設定による電気の無駄な使用を回避して、省エネルギーを実現するために、従来より種々の節電機能が付加された給湯器が提案されている。例えば、過去8日間における給湯器で沸かした湯の使用した時間を記憶し、その温水の使用データから使用時間と未使用時間を設定し、未使用時間に設定温度を下げて節電運転を行う給湯器が提案されている。
また、曜日別に節電機能を可変させた給湯器も提案されている。例えば、タイマ設定をしていない曜日に、その曜日が2週間続けて使用回数が1回以下であれば、その曜日を休日と判断し、次の週の曜日の朝から節電運転を行う給湯器も提案されている。
特許文献1の「電気温水器の自動温度制御方法」に、電気温水器の温水使用量が小さい時間帯を判別して、その時間帯は貯留した温水の保温温度を低く設定する制御方法が提案されている。
特開2000−74494
この特許文献1に記載されている電気温水器の自動温度制御方法は、単位期間を所定時間に区分した時間帯ごとに温水使用量の大小を検出し、各時間帯ごとに検出した温水使用量の大小を複数単位期間にわたり記憶し、この記憶データに基づいて前記単位期間を温水使用量の大きい時間帯と小さい時間帯とに区別し、温水使用量が小さいと判別した時間帯の保温温度を温水使用量が大きいと判別した時間帯の保温温度よりも低く設定する制御方法である。
しかし、上記従来の電気温水器の自動温度制御方法では、給湯器(電気温水器)の沸き上がり温度は可変型の設定となっているが、実際の使用に際しては、給湯器の使用者が手動で設定温度を変更する制御方法である。その制御方法が煩雑であるために、使用者が設定温度を逐次変更していないのが実情であった。従って、必要な沸き上がり温度以上の温度設定になっている場合が多かった。このように必要以上の加熱を加えている状態が大半であることから、折角の割安料金であっても無駄に夜間電力を消費している可能性が高いという問題を有していた。
本発明は、上述した問題点を解決するために創案されたものである。すなわち本発明の目的は、給湯器の設定温度の切替について、温水使用量の多少のみで判断するのではなく、給湯器の使用人数、台所での使用の有無等の使用条件や、取水温度等の設定環境といった多くの条件を判断要素にして判断し、かつその条件変化に応じて自動的に温度制御することで、必要最低限の電力消消費に抑制することができる貯湯式給湯器の自動温度制御方法を提供することにある。
本発明によれば、貯湯式給湯器の沸き上がり温度を自動で制御する給湯器の自動温度制御方法であって、前記給湯器のタンク容量、使用人数及び台所・風呂場における使用湯量等の給湯器の使用条件に関する種々の情報を記憶し、前記給湯器を設置する周囲の取水温度等の環境条件に関する情報を常時採取し、この採取した環境条件の変化に従い、記憶された前記使用条件に基づいて前記給湯器のタンクに必要な最低限の湯量を充足するための沸き上がり温度について判定し、その設定温度に切り替える、ことを特徴とする貯湯式給湯器の自動温度制御方法が提供される。
前記設定温度を切り替える判定に際して、長期間における使用人数か、又は短期間における使用人数かの条件について、それが短期間における使用人数であるときは設定温度を現状維持にする。
前記設定温度を切り替える判定に際して、数日間において計測した設置環境条件たる水道水の取水温度データ及び平均温度データに基づき、その取水温度の変動が所定の数値から超えたときは設定温度を切り替える。
前記設定温度を切り替える判定に際して、寒い時期から暑い時期に変わる際に、数日間において計測した環境条件たる水道水の取水温度データに基づき、その取水温度の上昇率が所定の数値より高いときでも設定温度は現状維持にする。
前記設定温度を切り替える判定に際して、暑い時期から寒い時期に変わる際に、数日間において計測した環境条件たる水道水の取水温度データに基づき、その取水温度の下降率が所定の数値より高いときには設定温度を寒い時期の設定に切り替える。
前記設定温度を切り替える判定に際して、通常の単位時間当たりの使用湯量が所定の数値より高いときに、設定温度をその高くなった比率に応じて高く切り替える。
前記設定温度は、給湯器の運転状況の参照できるように該給湯器の操作盤に表示させる、ことが好ましい。
この発明では、給湯器を使用する使用人数や台所、洗面所の使用の有無等の使用条件に基づき、水道水の取水温度のような設定環境条件の変化に応じて必要沸き上がり温度を自動的に設定する。そこで、的確に温度設定をすることができ、必要最低限の電力消消費に抑制することができ、無駄な夜間電力の消費を回避することができる。
また、単純に給湯器の設定温度を使用湯量の多少のみで切り替える方法ではなく、給湯器の使用者の人数変化に応じて設定温度を切り替える制御方法であるために、家族構成の変化があったときにも無駄に高い温度設定にならない。
寒い時期から暑い時期又は暑い時期から寒い時期といった、季節の変わり目においても、数日間における外気温のデータとを合わせた判断要素に基づいて温度設定を判断しているので急激な取水温度の変化へも正確に自動的に対応することができる。例えば、急激な外気温の変化のときも、早朝が冷え込むが昼間はまだ寒くなっていないような季節に、高い温度設定に切り替えるという誤った温度設定を回避することができる。
なお、来客が多いために、台所での使用時間や風呂の使用回数の増加、洗面所の使用回数等の大量の湯を使用することがあっても、湯切れを生じさせることがない。
本発明の貯湯式給湯器の自動温度制御方法は、給湯の用途、使用人数等の設定により使用する必要湯量(各利用湯温度の基準、例えば42℃の風呂300L)を算定し、貯湯タンク容量と使用時に混合する水道水又は井戸水等の取水温度から、タンク容量で必要な使用湯量を賄うために必要な沸き上げ温度を算定し、それを自動的に設定する方法である。この自動設定により、必要最低限の電力消消費に抑制し、無駄な夜間電力の消費を回避する。
以下、本発明の好ましい実施の形態を図面を参照して説明する。
図1は本発明の貯湯式給湯器の自動温度制御方法の概略説明図である。
本発明は、貯湯式の給湯器を用いて風呂、炊事(台所)、洗面及び暖房(床暖房等)に湯を供給するときの温度制御方法である。図示例では、風呂と暖房に多くの湯を供給し、次いで炊事、洗面の順に供給していることを示している。例えば、風呂には温度がTvb(℃)で、Vb(L)の湯量を供給している。炊事には温度がTvc(℃)で、Vc(L)の湯量を供給している。洗面には温度がTvf(℃)で、Vf(L)の湯量を供給している。また、暖房には温度がTvw(℃)で、Vw(L)の湯量を供給している。
本発明の温度制御方法では、水道水等から取水温度Twで貯湯式の給湯器に給水し、このとき日ごとの最低取水温度(Twn・・Tw3,Tw2,Tw1)を計測している。また過去1週間の平均Tavを保持している。これらのデータを基に、湯の使用人数、台所での使用の有無等の使用条件や、外気温度等の設定環境から必要沸き上がり温度を自動的に設定する。
図2は本発明の貯湯式給湯器の自動温度制御方法の一例を示すブロック図である。
本発明の貯湯式給湯器の自動温度制御方法を実施するためのシステムは、演算処理装置1、データベース2、入力装置3、出力装置4、入力処理部5、判定処理部6、出力処理部7とから構成されたものである。データベース2は、給湯器8のタンク容量とヒーター容量に関する給湯器データ9、その給湯器8を使用する人数、更にそれが長期間の確定した人数かどうかといった使用人数データ10及び給水温度等の設置環境データ11等の使用条件データとから成るものである。水道等の給水配管12から取水した水を給湯器8で沸き上げ、この湯を給湯配管13から風呂場、台所、洗面所に給湯するようになっている。
演算処理装置1は、入力装置3から入力された給湯器8の使用状態に基づき各種の演算処理を実行するものであり、入力処理を行う入力処理部5、給湯器データ9、使用人数データ10、設置環境データ11に基づいて判定する判定処理部6、その判定の結果、最適な設定温度について、出力装置4に出力し、給湯器8の温度設定を切り替えるための制御処理を行う出力処理部7を備える。設定温度は、給湯器8の運転状況を参照できるように給湯器8の操作盤14に表示させる。
図3は予め記憶させるパラメータを示す概略図である。
本発明の自動温度制御方法を実施するに際に、予めパラメータを記憶させる。先ず、標準湯量テーブルとして、次の各利用温度で必要な湯量を記憶させる。
風呂湯量として、Vb=最低湯量+湯量/人×P+朝風呂割増湯量×有無
風呂利用温度 Tvb ℃
炊事湯量 Vc=湯量/人×P
炊事利用温度 Tvc ℃
洗面湯量 Vf=湯量/人×P
洗面利用温度 Tvf ℃
暖房湯量 Vw=湯量/面積×S
なお、暖房は、床暖房、トイレ、洗面所等の暖房箇所をいう。
暖房利用温度 Tvw ℃
次に、その他の定数を記憶させる。
標準沸上温度 Tnh ℃
最大沸上可能温度 Tmax ℃
タンク容量 Vtv ℃
使用量目安 Vupdn=1.n,1,0.n
更に、水道水温度については、温度センサ15で計測した次の各項目を記憶させる。
日最低水温(最新) Tw1 ℃
日最低水温(前回) Tw2〜Twn ℃
平均取水水温 Tav ℃
取水温度 Tw ℃
なお、給水に井戸水を利用することは勿論可能である。
図4は初期化するための入力項目を示すフローチャートである。
次に、初期化するデータを手入力する。先ず、電源をオンにし、上述したパラメータを手入力する。また、マニュアルセットデータとしては、「使用・不使用の設定」、「風呂、炊事(台所)、洗面、床暖房の有無」、「使用人数P」、「暖房箇所面積S」、「使用形態 使用量目安 Vupdn:標準・多め・少なめ」或いは「不使用日数Ds」等がある。
使用の設定、使用人数等のセットデータから、各使用目的別に利用する温度の湯量を更新する。各使用湯量は次の計算式に基づいて算出する。
風呂使用湯量は、Vtvb=Vb×Vupdnとする。
炊事使用湯量は、Vtvcとする。なお、湯を炊事に使用しないときは、Vtvc=0とする。それ以外ではVtvc=Vc×Vupdnとする。
洗面使用湯量は、Vtvfとする。なお、湯を洗面に使用しないときは、Vtvf=0とする。それ以外ではVtvf=Vf×Vupdnとする。
暖房使用湯量は、Vtvwとする。なお、湯を暖房に使用しないときは、Vtvw=0とする。それ以外でVtvw=Vw×Vupdnとする。
これらの計算に基づき沸き上げ温度を算定する。
図5は沸き上げ温度を算定するためのフローチャートである。
先ず、取水温度Tw0を計測し、その変化がないとき(Tw0=Tw1)は、一定時間の経過を待つ。その後、取水温度(Tw0)を計測し、取水温度が前回計測の温度より下降し、沸き上げ時間のときは取水温度Twを更新する。沸き上げ時間でないときは一定時間の経過を待つ。
次に、不使用日数Dsが1日より多いときは湯量を利用温度基準にして沸き上げ温度を算定して沸き上げる。
図6は取水温度を更新するときのフローチャートである。
先ず、取水温度Twを更新するときは、不使用日数Dsについて判定し、不使用日数Dsが0ではないとき、即ち不使用日があるときは、日最低水温(最新)の前回データを採用する(Tw1=Tw2)。
不使用日数Dsが0のとき、即ち毎日使用しているときは、取水水温履歴を更新する(Twi=Tw(i−1)n〜2)。平均取水水温Tav=Twi=n〜2の最大値を除く平均値を使用する。なお、取水水温の変動がある時期は、湯切れの可能性があるため、最大値を除いた平均値を使用する。
次に、最新の日最低水温Tw1が平均取水水温Tav以上のときは、取水温度Twを平均取水水温Tavに設定する。最新の日最低水温Tw1が平均取水水温Tav以上でないときであって、取水温度Twが最新の日最低水温Tw1のときはその温度に設定する。
不使用設定をセットせず、留守等で使用していない場合は、取水水温の温度センサ15の水温が上昇し誤判定することを防止し、また、気候変動時の取水水温上昇時の湯切れを防止するようになっている。
日々更新のデータは、表1に示すような内容でデータ保持する。即ち、日ごとの最低取水温度Twn・・Tw3,Tw2,Tw1が、19℃、18℃、20℃、22℃、16℃、10℃、11℃を計測し、その平均値Tav15.7℃を保持する。
図7は利用温度基準の湯量から沸き上げ温度を算定するときのフローチャートである。
先ず、利用温度基準の湯量については、手入力によりデータをセットする。標準湯量を更新するときは、使用不使用を設定し、使用人数等のデータから、各使用目的毎に利用する湯量を更新する。
風呂使用湯量は、Vtvb=Vb×Vupdnする。
炊事使用湯量は、Vtvcとする。なお、湯を炊事に使用しないときは、Vtvc=0とする。それ以外は、Vtvc=Vc×Vupdnとする。
洗面使用湯量は、Vtvfとする。なお、湯を洗面に使用しないときはVtvf=0とする。それ以外は、Vtvf=Vf×Vupdnとする。
暖房使用湯量は、Vtvwとする。なお、湯を暖房に使用しないときは、Vtvw=0とする。それ以外は、Vtvw=Vw×Vupdnとする。
これらの計算結果に基づき、沸き上げ温度を算定する。
図8は使用目的の利用温度と使用湯量との関係から沸き上げ温度を算定するときのフローチャートである。
各使用目的の利用温度と使用湯量のすべてを賄うための沸き上げ温度を次の計算式で算定する。
風呂について
(Th−Tvb)Vtvb=(Tvb−Tw)(Vtvb−Vthb)→
Th×Vthb=(Tvb−Tw)Vtvb+Tw×Vthb
炊事について
(Th−Tvc)Vtvc=(Tvc−Tw)(Vtvc−Vthc)→
Th×Vthc=(Tvc−Tw)Vtvc+Tw×Vthc
洗面について
(Th−Tvf)Vtvf=(Tvf−Tw)(Vtvf−Vthf)→
Th×Vthf=(Tvf−Tw)Vtvf+Tw×Vthf
暖房について
(Th−Tvw)Vtvw=(Tvw−Tw)(Vtvfw−Vthfw)→
Th×Vthw=(Tvw−Tw)Vtvw+Tw×Vthw
タンク容量について
Vtv=>Vthb+Vthc+Vthf+Vthw
沸上温度 Th=>Tw+((Tvb−Tw)Vtvb+(Tvc−Tw)Vtvc)+(Tvf−Tw)Vtvf+(Tvw−Tw)Vtvw/Vtv
なお、沸き上げ温度が最高温度より高い時は、「湯不足表示」と表示し、沸き上げ温度を最高値にする。
本発明の自動温度制御方法による処理の一例を説明する。
使用条件の使用人数について、それが長期間における使用人数か、又は短期間における使用人数かの別を手入力で切り替える。この切り替えにより、長期間における使用人数のときは、給湯器8のタンク容量とヒーター容量に応じた温度設定をする。例えば、当初は4人家族でタンク容量が400リットルの給湯器8を使用していたが、その後子供が独立して使用人数が減ったときには、必要最低限の電力消費になるように、給湯器8のタンク容量とヒーター容量に応じた低い温度設定にする。逆に、当初は2人家族であったが、その後家族が増えて湯の使用量が増加したときに、それに応じた必要沸き上がり温度を、必要最低限の電力消費になるように設定温度を高く設定する。
一方、親戚や知人が泊まりにきたときのように、使用人数が増加するとはいっても、家族が増えたときと同様には湯の使用量が定常的には増加しない場合が多い。このようなときは、設定温度を高くしないで現状維持にすることにより、無駄な夜間電力の消費を回避することができる。
次に、給水配管12に取り付けた温度センサ15により、数日間における取水温度の計測データに基づき算定した結果から設定温度を自動的に切り替えるようになっている。例えば、図6に示すように、取水水温について計測結果と算定結果に基づき、沸き上がり温度を高い設定温度に切り替え、又は現状維持にする。これにより、外気温が変化して早朝が冷え込むが昼間はまだ寒くなっていないような季節でも、高い温度設定に誤って切り替えることがなくなる。
寒い時期から暑い時期に変わる際に、図6に示すように、数日間における取水水温の計測データに基づき、その水温の上昇率が所定の算定値より高いときは、原則として設定温度は現状維持する。なお、上述したように、外気温が極端に上昇したとき、即ち取水水温の上昇率が所定の算定値を超えたときは、設定温度を下げることにより、無駄な夜間電力の消費を回避することができる。
逆に、暑い時期から寒い時期に変わる際に、数日間における取水水温の計測データに基づき、その水温の下降率が所定の算定値より高いときは、湯切れにならないように、設定温度を寒い時期の設定、即ち高い設定温度に切り替える。
更に、通常の単位時間当たりの温水使用量が、所定の算定値より高いと判定したときに、その設定温度をその高くなった比率に応じて高い設定に切り替えることができる。これにより、来客が多いために、台所での使用時間や風呂の使用回数の増加等の大量の湯を使用することがあっても、湯切れを生じさせることがない。
なお、上述した例では、給湯器の使用人数、台所での使用の有無等の使用条件と水温を判断要素にして設定温度を判定する方法について詳述したが、設定温度を低くして必要最低限の電力消消費に抑制する方法であれば、上述したような構成に限定されず、例えば種々の条件やしきい値の数値を可変させることができ、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変更できることは勿論である。
本発明の貯湯式給湯器の自動温度制御方法は、冬から春、更に夏へといった季節の変わり目の取水水温上昇時は、日により気温が上下動して、湯の使用量が上下し湯切れになる可能性があるため、取水水温上昇時には、過去平均取水温度を採用することで、湯切れを防止することができる。
一方、夏から秋、更に冬へといった季節の変わり目の取水温度下降に対しては、湯切れを回避して沸き上げ温度を追従させることで、設定温度を低くした必要最低限の電力消費に抑制することができる。
本発明の貯湯式給湯器の自動温度制御方法の概略説明図である。 本発明の貯湯式給湯器の自動温度制御方法を示すブロック図である。 予め記憶させるパラメータを示す概略図である。 初期化するための入力項目を示すフローチャートである。 沸き上げ温度を算定するためのフローチャートである。 取水温度を更新するときのフローチャートである。 利用温度基準の湯量から沸き上げ温度を算定するときのフローチャートである。 使用目的の利用温度と使用湯量との関係から沸き上げ温度を算定するときのフローチャートである。
符号の説明
1 演算処理装置
2 データベース
3 入力装置
4 出力装置
5 入力処理部
6 判定処理部
7 出力処理部
8 給湯器
9 給湯器データ
10 使用人数データ
11 設置環境データ
12 給水配管
13 給湯配管
14 操作盤
15 温度センサ

Claims (7)

  1. 貯湯式給湯器の沸き上がり温度を自動で制御する給湯器の自動温度制御方法であって、
    前記給湯器のタンク容量、使用人数及び台所・風呂場における使用湯量等の給湯器の使用条件に関する種々の情報を記憶し、
    前記給湯器を設置する周囲の取水温度等の環境条件に関する情報を常時採取し、
    この採取した環境条件の変化に従い、記憶された前記使用条件に基づいて前記給湯器のタンクに必要な最低限の湯量を充足するための沸き上がり温度について判定し、その設定温度に切り替える、ことを特徴とする貯湯式給湯器の自動温度制御方法。
  2. 前記設定温度を切り替える判定に際して、長期間における使用人数か、又は短期間における使用人数かの条件について、それが短期間における使用人数であるときは設定温度を現状維持にする、ことを特徴とする請求項1の貯湯式給湯器の自動温度制御方法。
  3. 前記設定温度を切り替える判定に際して、数日間において計測した設置環境条件たる取水温度データ及びその平均温度データに基づき、その取水温度の変動が所定の数値から超えたときは設定温度を切り替える、ことを特徴とする請求項1の貯湯式給湯器の自動温度制御方法。
  4. 前記設定温度を切り替える判定に際して、寒い時期から暑い時期に変わる際に、数日間において計測した環境条件たる取水温度データに基づき、その取水温度の上昇率が所定の数値より高いときでも設定温度は現状維持にする、ことを特徴とする請求項1の貯湯式給湯器の自動温度制御方法。
  5. 前記設定温度を切り替える判定に際して、暑い時期から寒い時期に変わる際に、数日間において計測した環境条件たる取水温度データに基づき、その取水温度の下降率が所定の数値より高いときには設定温度を寒い時期の設定に切り替える、ことを特徴とする請求項1の貯湯式給湯器の自動温度制御方法。
  6. 前記設定温度を切り替える判定に際して、通常の単位時間当たりの使用湯量が所定の数値より高いときに、設定温度をその高くなった比率に応じて高く切り替える、ことを特徴とする請求項1の貯湯式給湯器の自動温度制御方法。
  7. 前記設定温度は、給湯器の運転状況の参照できるように該給湯器の操作盤に表示させる、ことを特徴とする請求項1,2,3,4,5又は6の貯湯式給湯器の自動温度制御方法。

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