JP2005214060A - 車両用速度制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 車速制限制御中の釣り合い噴射量に応じて、車速制限制御時の噴射量フィードバック制御用の比例(P)ゲインおよび積分(I)ゲインを変更することで、車速制限制御の良好な制御性を得ることのできる車両用速度制御装置を提供する。
【解決手段】 車速制限制御中の釣り合い噴射量を、所定の期間中の指令噴射量(QFIN)のサンプル値を平均化処理する等して検出し、この釣り合い噴射量に応じて、車両の走行抵抗(車両重量または路面勾配)を求め、この走行抵抗(車両重量または路面勾配)に応じて、PゲインおよびIゲイン(SLDガバナパターンの変化速度)を変更する。これによって、車両の走行抵抗の変化を要因とする、車速(SPD)の制限車速(SPDRG)への追従性および収束性の悪化を防止できるので、車速制限制御の制御性を向上することができる。
【選択図】 図5
【解決手段】 車速制限制御中の釣り合い噴射量を、所定の期間中の指令噴射量(QFIN)のサンプル値を平均化処理する等して検出し、この釣り合い噴射量に応じて、車両の走行抵抗(車両重量または路面勾配)を求め、この走行抵抗(車両重量または路面勾配)に応じて、PゲインおよびIゲイン(SLDガバナパターンの変化速度)を変更する。これによって、車両の走行抵抗の変化を要因とする、車速(SPD)の制限車速(SPDRG)への追従性および収束性の悪化を防止できるので、車速制限制御の制御性を向上することができる。
【選択図】 図5
Description
本発明は、車両の走行速度が目標制限速度近傍の時に、車両の走行速度が目標制限速度を越えないように、エンジンの気筒に噴射供給する燃料噴射量またはエンジン回転速度を制限して車速制限を行う車速制限制御手段を備えた車両用速度制御装置に関するものである。
[従来の技術]
従来より、車両の走行速度(車速)が目標制限速度以上であることを検出すると、エンジン回転速度や燃料噴射量を低く抑えることにより車速制限を行うようにした車速制限装置が提案されている。このような車速制限装置は、アクセル開度とエンジン回転速度とに対応して通常制御用噴射量マップ(通常のガバナパターン)から読み出された目標噴射量と、実際の車速に対応して車速制限制御(SLD)用噴射量マップ(SLDガバナパターン)から読み出された目標噴射量との少ない方を、最終噴射量(QFIN)として選択し、ディーゼルエンジンの燃料噴射装置の作動を制御することにより、目標制限速度以上での車両走行を制限するようにしている。
従来より、車両の走行速度(車速)が目標制限速度以上であることを検出すると、エンジン回転速度や燃料噴射量を低く抑えることにより車速制限を行うようにした車速制限装置が提案されている。このような車速制限装置は、アクセル開度とエンジン回転速度とに対応して通常制御用噴射量マップ(通常のガバナパターン)から読み出された目標噴射量と、実際の車速に対応して車速制限制御(SLD)用噴射量マップ(SLDガバナパターン)から読み出された目標噴射量との少ない方を、最終噴射量(QFIN)として選択し、ディーゼルエンジンの燃料噴射装置の作動を制御することにより、目標制限速度以上での車両走行を制限するようにしている。
上記の車速制限制御は、車速が目標制限速度以上になった時に、エンジンの各気筒への燃料噴射量が急激に減少するので、エンジンの発生トルク(エンジントルク)も急激に低下する。このために、走行抵抗が大きい上り坂を走行する場合や、車両重量(積載重量)が重い場合には、エンジン回転速度が激しく落ち込む。このとき、運転者は、車速やエンジン回転速度が低下するとアクセルペダルを踏み込んで、エンジンの各気筒への燃料噴射量を増加する。これによって、エンジントルクが大きくなり、車両は加速されて、再度車速が目標制限速度以上になる。このように、車速が目標制限速度近傍の時には、車速が急に低下したり、増加したりする傾向があり、車両の耐久性や制御性を低下させる可能性がある。
そこで、現在の車両の走行速度(車速)と目標制限速度(制限車速)との車速偏差に基づいて目標噴射量をPID制御(比例積分微分制御)により演算し、このPID制御を用いた噴射量フィードバック制御により演算された目標噴射量によって車速制限制御を実行する車両用速度制御装置が提案されている(例えば、特許文献1、2参照)。この車両用速度制御装置の車速制限制御について簡単に説明すると、直前の目標噴射量をq0、車速と制限車速との車速偏差をΔV、車速偏差積分値をΔV/s、車速偏差微分値をΔVs、比例ゲインをKp、積分ゲインをKi、微分ゲインをKdとした場合、目標噴射量qは、下記の数1の演算式に基づいて演算される。
〔数1〕
q=q0+Kp・ΔV+Ki・ΔV/s+Kd・ΔVs
以上のように、車速が制限車速以上になってからも、運転者がアクセルペダルを更に踏み込み操作している場合であっても、車速と制限車速との偏差に基づくPID制御によって車両が制限車速を維持するように、エンジンの各気筒内に噴射供給される実際の燃料噴射量が制限される。これによって、運転者はアクセルペダルを踏んでいるだけで、車両が一定速度(制限車速)で走行する車両走行状態を実現することができる。
〔数1〕
q=q0+Kp・ΔV+Ki・ΔV/s+Kd・ΔVs
以上のように、車速が制限車速以上になってからも、運転者がアクセルペダルを更に踏み込み操作している場合であっても、車速と制限車速との偏差に基づくPID制御によって車両が制限車速を維持するように、エンジンの各気筒内に噴射供給される実際の燃料噴射量が制限される。これによって、運転者はアクセルペダルを踏んでいるだけで、車両が一定速度(制限車速)で走行する車両走行状態を実現することができる。
[従来の技術の不具合]
ところが、従来の車両用速度制御装置においては、車速制限制御時の噴射量フィードバック制御用の比例(P)ゲインおよび積分(I)ゲインを、予め決められたデフォルト値(初期値)とすると、車両の走行抵抗(車両重量または路面勾配)が変化した際の、車速制限制御の制御性、特に車速が目標制限速度(制限車速)に追従する追従性、あるいは車速が目標制限速度(制限車速)に収束する収束性が悪化するという問題がある。
ところが、従来の車両用速度制御装置においては、車速制限制御時の噴射量フィードバック制御用の比例(P)ゲインおよび積分(I)ゲインを、予め決められたデフォルト値(初期値)とすると、車両の走行抵抗(車両重量または路面勾配)が変化した際の、車速制限制御の制御性、特に車速が目標制限速度(制限車速)に追従する追従性、あるいは車速が目標制限速度(制限車速)に収束する収束性が悪化するという問題がある。
ここで、車両が一定の車速で走行する場合には、車両の走行抵抗とエンジントルクとが釣り合った状態で有り、車両の走行抵抗は、車両重量と路面勾配とで決まる。特にトラックのように、荷物等の積載物の有無により車両重量が変化する車両の場合には、図9に示したように、車両重量(車重)が軽い場合(図示破線)に、車速制限制御時の噴射量フィードバック制御用のPゲインおよびIゲイン(SLDガバナパターンの移動速度)が高過ぎるので、車速が制限車速(図示実線)よりも大きい値と制限車速よりも小さい値との間を行き来するハンチングが発生し、車速が制限車速に安定せず、ドライバビリティが悪化するという問題がある。また、車両重量(車重)が重い場合(図示一点鎖線)には、車速制限制御時の噴射量フィードバック制御用のPゲインおよびIゲイン(SLDガバナパターンの移動速度)が低過ぎるので、車速の制限車速に対する収束性が悪く、外乱入力時に車速が制限車速に追従しない可能性がある。
また、車速が制限車速近傍となって車速制限制御を開始する寸前の車両の加速度(速度変化率)は、車両の走行抵抗とエンジントルクとによって決まり、車両の走行抵抗は、車両重量と路面勾配とによって決まる。特にトラックのように、荷物等の積載物の有無により車両重量が変化する車両の場合には、図10に示したように、車速制限制御に入る寸前の車両の加速度(速度変化率)が車両重量(車重)が軽い場合(図示破線)と、車両重量(車重)が重い場合(図示一点鎖線)とで異なる。この場合、車速が制限車速以上となって車速制限制御が開始されると、車両重量(車重)が軽い場合には、車速制限制御時の噴射量フィードバック制御用のPゲインおよびIゲイン(SLDガバナパターンの傾き)が高過ぎるので、車速が制限車速よりも大きくオーバーシュートするという問題がある。また、車両重量(車重)が重い場合には、車速制限制御時の噴射量フィードバック制御用のPゲインおよびIゲイン(SLDガバナパターンの傾き)が低過ぎるので、車速の制限車速に対する収束性が悪く、車速の制限車速への追従性が悪いという問題がある。
したがって、例えばトラックのように、荷物等の積載物の有無により車両重量が変化する車両の場合には、最適なSLDガバナパターンの移動速度またはSLDガバナパターンの傾きを設定することが望ましい。加えて、車両の走行路面の勾配抵抗(路面勾配)によっても車速制限制御の制御性が悪化するという問題がある。
特開平10−035323号公報(第1−5頁、図1−図5)
特開平11−351000号公報(第1−6頁、図1−図11)
したがって、例えばトラックのように、荷物等の積載物の有無により車両重量が変化する車両の場合には、最適なSLDガバナパターンの移動速度またはSLDガバナパターンの傾きを設定することが望ましい。加えて、車両の走行路面の勾配抵抗(路面勾配)によっても車速制限制御の制御性が悪化するという問題がある。
本発明の目的は、車速制限制御中の燃料噴射量、あるいは車速制限制御に突入する直前の車両の加速度に応じて、車速制限制御用(車速制限制御時の噴射量フィードバック制御用)の比例ゲインおよび積分ゲインを変更することで、車速制限制御の良好な制御性を得ることのできる車両用速度制御装置を提供することにある。
請求項1に記載の発明によれば、車速制限制御中の燃料噴射量に対応して、車速制限制御用(車速制限制御時の噴射量フィードバック制御用)の比例ゲインおよび積分ゲインが最適値となるように、つまり高過ぎたり低過ぎたりすることのないように変更(設定)することにより、走行抵抗(例えば車両重量等)が変化する車両の場合、あるいは車速制限制御中に車両の走行抵抗(例えば路面抵抗等)が変化した場合であっても、車両の走行抵抗の変化を要因とする、車速の目標制限速度への追従性および収束性の悪化を防止できるので、車速制限制御の制御性を向上することができる。これによって、車速制限制御中に、使用者がアクセルペダルの踏み込み量を更に増加させることなく、車両を一定速度(目標制限速度)で走行させることができるので、車速制限制御中のドライバビリティを向上でき、車速制限制御への信頼性を向上できる。
請求項2に記載の発明によれば、車両が一定速度で走行する場合には、車両の走行抵抗とエンジントルクとが釣り合った状態で有り、車両の走行抵抗は、車両重量と路面勾配とで決まる。その上、車速制限制御中のエンジントルクは、車速制限制御中の釣り合い噴射量と一致することから、車速制限制御中の燃料噴射量によって車両の走行抵抗を推定できる。そして、走行抵抗推定手段にて推定した車両の走行抵抗に対応して、車速制限制御用(車速制限制御時の噴射量フィードバック制御用)の比例ゲインおよび積分ゲインを補正することにより、請求項1に記載の発明と同様な効果を達成できる。
請求項3に記載の発明によれば、車両の走行速度と目標制限速度との車速偏差の絶対値が所定値よりも小さい時、すなわち、車両の走行速度が目標制限速度近傍の時に、車両の走行抵抗が大きい程、車速制限制御用(車速制限制御時の噴射量フィードバック制御用)の比例ゲインおよび積分ゲインを連続的または段階的に高く設定することにより、請求項1に記載の発明と同様な効果を達成できる。
請求項4に記載の発明によれば、使用者の変速操作に伴う、車速制限制御の一時解除から車速制限制御に復帰する際に、一時解除する前の車速制限制御中の燃料噴射量に対応して、車速制限制御用(車速制限制御時の噴射量フィードバック制御用)の比例ゲインおよび積分ゲインを補正することにより、車速制限制御の一時解除から車速制限制御に復帰する際に、車両の走行速度が目標制限速度よりも異常に上回るオーバーシュートを防止できる。
請求項5に記載の発明によれば、上記の変速操作検出手段として、エンジンの回転動力を車輪に伝達するための多段変速機の変速段が変化した際に信号を出力するギヤポジションスイッチ、使用者がシフトレバーを所定の変速位置に入れると信号を出力するシフトレバースイッチ、使用者がシフトレバーを中立位置に入れると信号を出力するニュートラルポジションスイッチ、クラッチペダルを踏むと信号を出力するクラッチスイッチのうちのいずれか1つ以上の変速操作スイッチを使用しても良い。また、請求項6に記載の発明によれば、エンジンの出力軸の回転速度と動力伝達装置の出力軸の回転速度との速度比に基づいて、車速制限制御用(車速制限制御時の噴射量フィードバック制御用)の比例ゲインおよび積分ゲインを補正することにより、車速制限制御の制御性を更に向上することが可能となる。
請求項7に記載の発明によれば、車速制限制御に突入する直前の車両の加速度に対応して、車速制限制御用(車速制限制御時の噴射量フィードバック制御用)の比例ゲインおよび積分ゲインが最適値となるように、つまり高過ぎたり低過ぎたりすることのないように変更(設定)することにより、走行抵抗(例えば車両重量等)が変化する車両の場合、あるいは車速制限制御中に車両の走行抵抗(例えば路面抵抗等)が変化した場合であっても、車両の走行抵抗の変化を要因とする、車速の目標制限速度への追従性および収束性の悪化を防止できるので、車速制限制御の制御性を向上することができる。これによって、車速制限制御中に、使用者がアクセルペダルの踏み込み量を更に増加させることなく、車両を一定速度(目標制限速度)で走行させることができるので、車速制限制御中のドライバビリティを向上でき、車速制限制御への信頼性を向上できる。
請求項8に記載の発明によれば、車両の加速度は、走行抵抗とエンジントルクとによって決まり、車両の走行抵抗は、車両重量と路面勾配とで決まる。一般に、車速制限制御に突入する時は、使用者がアクセルペダルを最大限に踏み込んだ状態、つまりアクセル操作量が最大値(アクセル全開)で、例えば基本噴射量または指令噴射量の上限値である最高噴射量に制限されるため、エンジントルクは一定値となることから、車速制限制御に突入する直前の車両の加速度によって車両の走行抵抗を推定できる。そして、走行抵抗推定手段にて推定した車両の走行抵抗に対応して、車速制限制御用(車速制限制御時の噴射量フィードバック制御用)の比例ゲインおよび積分ゲインを補正することにより、請求項7に記載の発明と同様な効果を達成できる。
請求項9に記載の発明によれば、車速制限制御中の燃料噴射量が最大噴射量近傍で、且つアクセル操作量が所定の開度以上の時、例えば使用者がアクセルペダルを最大限に踏み込んだ状態、つまりアクセル操作量が最大値(アクセル全開)の時に、現在の車両の走行速度と単位時間前の車両の走行速度との速度偏差に基づいて、車速制限制御に突入する直前の車両の加速度または車両の走行速度変化量を検出するようにしても良い。
請求項10に記載の発明によれば、車速制限制御中の燃料噴射量が最大噴射量近傍で、且つアクセル操作量が所定の開度以上の時に、車速制限制御に突入する直前の車両の加速度または車両の走行速度変化量が大きい程、車速制限制御用(車速制限制御時の噴射量フィードバック制御用)の比例ゲインおよび積分ゲインを連続的または段階的に低く設定することにより、請求項7に記載の発明と同様な効果を達成できる。
請求項11に記載の発明によれば、車速制限制御を開始する制御開始時期を、車両の加速度または車両の走行速度変化量に基づいて補正しても良い。この場合には、車速の目標制限速度への追従性および収束性を更に向上できる。また、請求項12に記載の発明によれば、エンジンの出力軸の回転速度と多段変速機の出力軸の回転速度との速度比に基づいて、車速制限制御の比例ゲインおよび積分ゲインを補正することにより、車速制限制御の制御性を更に向上することが可能となる。
本発明を実施するための最良の形態は、車速制限制御の良好な制御性を得るという目的を、車速制限制御中の燃料噴射量、またはこの車速制限制御中の燃料噴射量から推定される車両の走行抵抗、あるいは車速制限制御に突入する直前の車両の加速度、またはこの車両の加速度から推定される車両の走行抵抗に応じて、車速制限制御用(車速制限制御時の噴射量フィードバック制御用)の比例ゲインおよび積分ゲインが最適値となるように、つまり高過ぎたり低過ぎたりすることのないように変更(設定)することで実現した。
[実施例1の構成]
図1ないし図6は本発明の実施例1を示したもので、図1はコモンレール式燃料噴射システムの制御系の概略構成を示した図で、図2はコモンレール式燃料噴射システムの全体構成を示した図である。
図1ないし図6は本発明の実施例1を示したもので、図1はコモンレール式燃料噴射システムの制御系の概略構成を示した図で、図2はコモンレール式燃料噴射システムの全体構成を示した図である。
本実施例の内燃機関用燃料噴射装置は、大型車両、例えばディーゼルエンジンを搭載した大型トラックまたはトレーラを牽引する車両1に搭載されるものであり、主として、多気筒ディーゼルエンジン等の内燃機関(以下エンジン2と言う)用の燃料噴射システムとして知られるコモンレール式燃料噴射システム(蓄圧式燃料噴射装置)であり、コモンレール3内に蓄圧された高圧燃料を、エンジン2の各気筒毎に対応して搭載された複数個の燃料噴射弁(インジェクタ)4を介してエンジン2の各気筒の燃焼室内に噴射供給するように構成されている。
このコモンレール式燃料噴射システムは、燃料の噴射圧力に相当する高圧燃料を蓄圧するコモンレール3と、エンジン2の各気筒の燃焼室内に燃料を所定の噴射タイミングで噴射供給する複数個(本例では4個)のインジェクタ4と、吸入調量弁(SCV)6を経て加圧室内に吸入される燃料を加圧して高圧化する吸入燃料調量方式の燃料供給ポンプ(サプライポンプ)5と、複数個のインジェクタ4の電磁弁(図示せず)およびサプライポンプ5の吸入調量弁6を電子制御するエンジン制御ユニット(本発明の車両用速度制御装置に相当する:以下ECUと呼ぶ)10とを備えている。
エンジン2の出力軸(例えばクランク軸:以下クランクシャフト7と言う)は、図示しないクラッチ機構を介してエンジン2の回転動力を駆動車輪に伝達するための動力伝達装置としての多段歯車変速機の入力軸に連結されている。そして、本実施例では、多段歯車変速機として、前進側の変速段が多段化されて、エンジン2の回転速度を所定の変速比に変速する手動歯車変速機(マニュアル・トランスミッション:以下トランスミッション8と言う)が搭載されている。なお、多段歯車変速機として、前進5段後退1段歯車変速機を採用すると、動力性能、燃費、静粛性の向上等の効果が得られる。
ここで、エンジン2と駆動車輪との間で動力の伝達と遮断とを行うクラッチ機構は、エンジン2の直後に設置されており、クラッチペダル(図示せず)を踏み込むとエンジン2の回転動力を遮断し、クラッチペダルから足を離すと動力伝達を行う。そして、クラッチ機構のクラッチディスクは、フライホイールに取り付けられたクラッチカバー内に収容されており、入力軸を介してトランスミッション8と連結している。そして、エンジン2のクランクシャフト7と同期して回転するフライホイールに、クラッチディスクをプレッシャプレートでスプリングによって押し付け、その摩擦力で、エンジン2の回転動力をトランスミッション8に伝達する。
コモンレール3は、燃料供給配管12を介して高圧燃料を吐出するサプライポンプ5の吐出口と接続されている。また、コモンレール3から燃料タンク18へのリリーフ配管(燃料還流配管)14には、プレッシャリミッタ15が取り付けられている。そのプレッシャリミッタ15は、コモンレール3内の燃料圧力が限界設定圧力を超えた際に開弁してコモンレール3内の燃料圧力を限界設定圧力以下に抑える。
エンジン2の各気筒毎に対応して搭載された複数個のインジェクタ4は、コモンレール3より分岐する複数の燃料供給配管(分岐管)13の下流端に接続されて、エンジン2の各気筒の燃焼室内への燃料噴射を行う燃料噴射ノズル、この燃料噴射ノズル内に収容されたノズルニードルを開弁方向に駆動する電磁弁、およびノズルニードルを閉弁方向に付勢するスプリング等のニードル付勢手段(図示せず)等から構成された電磁式燃料噴射弁である。
そして、各気筒のインジェクタ4からエンジン2の各気筒の燃焼室内への燃料噴射は、ノズルニードルと連動するコマンドピストンの動作制御を行う背圧制御室内の燃料圧力を増減制御する電磁弁のソレノイドコイルへの通電および通電停止(ON/OFF)により電子制御される。つまり、インジェクタ4の電磁弁のソレノイドコイルが通電されてノズルニードルがノズルボデーの先端部に形成された複数個の噴射孔を開弁している間、コモンレール3内に蓄圧された高圧燃料がエンジン2の各気筒の燃焼室内に噴射供給される。これにより、エンジン2が運転される。また、インジェクタ4には、余剰燃料や背圧制御室から排出された燃料を燃料系の低圧側に溢流させるためのリークポートが設けられており、インジェクタ4からのリーク燃料は、燃料還流配管16を介して燃料タンク18に戻される。
サプライポンプ5は、吸入した低圧燃料を加圧して高圧化しコモンレール3内に圧送供給する圧送系統(ポンプエレメント)を2つ以上備え、1つの吸入調量弁6で、全ての圧送系統の燃料吐出量を、吸入燃料量を調量することで制御するタイプの高圧供給ポンプである。このサプライポンプ5は、エンジン2のクランクシャフト7の回転に伴ってポンプ駆動軸(ドライブシャフトまたはカムシャフト)9が回転することで、燃料タンク18から低圧燃料を汲み上げる周知のフィードポンプ(低圧供給ポンプ:図示せず)と、ポンプ駆動軸9により回転駆動されるカム(図示せず)と、このカムに駆動されて上死点と下死点との間を往復運動する複数個のプランジャ(図示せず)と、これらのプランジャの往復運動により燃料を加圧して高圧化する複数個の加圧室(プランジャ室:図示せず)とを有している。
そして、サプライポンプ5は、プランジャがポンプシリンダ内を往復摺動することで、燃料タンク18から燃料供給配管11を経て複数個の加圧室内に吸入された低圧燃料を加圧して高圧化する。なお、燃料供給配管11の途中には、燃料フィルタ(図示せず)が設置されている。また、サプライポンプ5には、内部の燃料温度が高温にならないように、リークポートが設けられており、サプライポンプ5からのリーク燃料は、燃料還流配管17を介して燃料タンク18に戻される。ここで、サプライポンプ5内に形成される、フィードポンプから加圧室に至る燃料吸入経路(図示せず)の途中には、その燃料吸入経路の開口度合(弁体のリフト量または弁孔の開口面積)を調整する吸入調量弁6が取り付けられている。
吸入調量弁6は、図示しないポンプ駆動回路を介してECU10から印加されるポンプ駆動電流(ポンプ駆動信号)によって電子制御されることにより、サプライポンプ5の加圧室内に吸入される燃料吸入量を調整することで、サプライポンプ5の加圧室からコモンレール3内に吐出される燃料吐出量を制御する。この吸入調量弁6は、ソレノイドコイルに印加されるポンプ駆動電流の大きさに比例して、サプライポンプ5の加圧室からコモンレール3内に吐出される燃料吐出量を調整することで、インジェクタ4からエンジン2の各気筒の燃焼室内に噴射供給する燃料の噴射圧力に相当するコモンレール3内の燃料圧力、所謂コモンレール圧力を変更する。
本実施例のECU10には、制御処理、演算処理を行うCPU、各種プログラムや制御データを保存する記憶装置(ROMまたはEEPROMおよびRAMまたはスタンバイRAM等のメモリ)、入力回路、出力回路、電源回路等の機能を含んで構成される周知の構造のマイクロコンピュータ、インジェクタ駆動回路(EDU)、ポンプ駆動回路が内蔵されている。なお、インジェクタ駆動回路(EDU)は、各気筒のインジェクタ4の電磁弁のソレノイドコイルに個別にパルス状のインジェクタ駆動電流を印加するインジェクタ駆動手段である。また、ポンプ駆動回路は、サプライポンプ5の吸入調量弁6のソレノイドコイルにポンプ駆動電流を印加するポンプ駆動手段である。
そして、ECU10は、イグニッションスイッチがオン(IG・ON)されると、ECU電源の供給が成され、メモリ内に格納された制御プログラムに基づいて、例えば燃料噴射量または燃料噴射圧力(コモンレール圧力)が制御値となるように電子制御するように構成されている。また、ECU10は、イグニッションスイッチがオフ(IG・OFF)されてECU電源の供給が断たれると、メモリ内に格納された制御プログラムに基づく上記の制御が強制的に終了されるように構成されている。
そして、ECU10は、コモンレール3に設置された燃料圧力センサ25より出力された出力値(コモンレール圧力信号)、その他の各種センサからのセンサ信号、および車両1に設置された一部のスイッチからのスイッチ信号が、A/D変換器でA/D変換された後に、ECU10に内蔵されたマイクロコンピュータに入力されるように構成されている。また、マイクロコンピュータの入力回路には、エンジン2の運転状態や運転条件を検出する運転状態検出手段としての、エンジン2のクランクシャフト7の回転角度を検出するためのクランク角度センサ21、アクセルペダル(図示せず)の踏み込み量であるアクセル操作量(以下アクセル開度と呼ぶ:ACCP)を検出するためのアクセル開度センサ(アクセル操作量検出手段)22、エンジン冷却水温(THW)を検出するための冷却水温センサ23、およびサプライポンプ5内に吸入されるポンプ吸入側の燃料温度(THF)を検出するための燃料温度センサ(図示せず)等が接続されている。
上記のセンサのうちクランク角度センサ21は、エンジン2のクランクシャフト7、あるいはサプライポンプ5のポンプ駆動軸(ドライブシャフトまたはカムシャフト)9に取り付けられたNEタイミングロータ(図示せず)の外周に対向するように設けられた電磁ピックアップコイルよりなる。そのNEタイミングロータの外周面には、所定回転角度毎に凸状歯が複数個配置されている。そして、クランク角度センサ21は、NEタイミングロータの各凸状歯がクランク角度センサ21に対して接近離反を繰り返すことにより、電磁誘導によってパルス状の回転位置信号(NE信号パルス)、特にエンジン2のクランクシャフト7の回転速度(エンジン回転速度)およびサプライポンプ5の回転速度(ポンプ回転速度)と同期したNE信号パルスが出力される。なお、ECU10は、クランク角度センサ21より出力されたNE信号パルスの間隔時間を計測することによってエンジン回転速度(以下エンジン回転数と言う:NE)を検出するための第2回転速度検出手段(エンジン回転速度検出手段)として機能する。また、アクセル開度センサ22は、アクセル開度(ACCP)に対応したアクセル開度信号を出力する。
また、マイクロコンピュータの入力回路には、車両情報も入力可能とされており、車両1の走行速度を検出する車速センサ(第2回転速度検出手段)24、運転者によってシフトレバーが操作されてシフトレバーが中立位置(ニュートラルポジション)に有る時にオン(ON)信号を出力するニュートラルポジションスイッチ、および運転者がクラッチペダルを踏み込んだ際にオン(ON)信号を出力するクラッチスイッチ等が接続されている。そして、車速センサ24は、例えばリードスイッチ式車速センサまたは磁気抵抗素子式車速センサであって、トランスミッション8の出力軸の回転速度を計測して車両1の走行速度(以下車速と呼ぶ:SPD)に対応した車速信号を出力する車速検出手段である。なお、車速検出手段として車両1の車輪速度を検出する車輪速度センサを用いても良い。
そして、ECU10は、イグニッションスイッチがオン(IG・ON)された後、所定のタイミング毎に、エンジン2の運転状態または運転条件に対応した最適なコモンレール圧力を演算し、ポンプ駆動回路を介してサプライポンプ5の吸入調量弁6のソレノイドコイルを駆動する燃料圧力制御手段(コモンレール圧力制御手段)を有している。これは、エンジン回転数(NE)と基本噴射量(Q)または指令噴射量(QFIN)とによって目標コモンレール圧力(目標燃料圧力:PFIN)を演算する燃料圧力決定手段を有し、この目標燃料圧力(PFIN)を達成するために、吸入調量弁6のソレノイドコイルに印加するポンプ駆動電流を調整して、サプライポンプ5の燃料吐出量をフィードバック制御するように構成されている。すなわち、燃料圧力センサ25によって検出されたコモンレール圧力(PC)が目標燃料圧力(PFIN)と略一致するように、PI(比例積分)制御またはPID(比例積分微分)制御を用いて、サプライポンプ5の燃料吐出量をフィードバック制御している。具体的には、燃料圧力センサ25によって検出されたコモンレール圧力(PC)と目標燃料圧力(PFIN)との圧力偏差(ΔP)に基づいて、サプライポンプ5の燃料吐出量と相関関係を有する(吸入調量弁6のソレノイドコイルに印加する)ポンプ駆動電流をフィードバック制御している。
また、ECU10は、車速センサ24によって検出された車速(SPD)が予め定められた目標制限速度(SPDRG)近傍であることを検出すると、車速(SPD)が目標制限速度(SPDRG)を越えないように、エンジン2の各気筒の燃焼室内に噴射供給する燃料噴射量を制限することにより車速制限を行う車速制限制御手段を有している。また、ECU10は、エンジン2の運転状態または運転条件に対応した最適な燃料噴射量、噴射時期を演算し、インジェクタ駆動回路(EDU)を介して各気筒のインジェクタ4の電磁弁のソレノイドコイルを駆動する噴射量制御手段を有している。
[実施例1の制御方法]
次に、本実施例の燃料噴射量の制御方法を図1ないし図6に基づいて簡単に説明する。ここで、図3はインジェクタ噴射量の制御方法を示したフローチャートである。この図3のメインルーチンは、イグニッションスイッチがオン(IG・ON)された後、所定のタイミング毎に実行される。なお、エンジン2の各気筒の燃焼室内に噴射供給される燃料噴射量を、エンジン2の各気筒毎に個別に演算しても良い。
次に、本実施例の燃料噴射量の制御方法を図1ないし図6に基づいて簡単に説明する。ここで、図3はインジェクタ噴射量の制御方法を示したフローチャートである。この図3のメインルーチンは、イグニッションスイッチがオン(IG・ON)された後、所定のタイミング毎に実行される。なお、エンジン2の各気筒の燃焼室内に噴射供給される燃料噴射量を、エンジン2の各気筒毎に個別に演算しても良い。
先ず、各種センサからのセンサ信号、および車両1に設置された一部のスイッチからのスイッチ信号を取り込む(ステップS1)。具体的には、クランク角度センサ21より取り込んだNE信号パルスの間隔時間を計測することでエンジン回転数(NE)を算出する(エンジン回転速度検出手段)。また、アクセル開度センサ22より取り込んだアクセル開度信号によってアクセル開度(ACCP)を算出する(アクセル操作量検出手段)。また、車速センサ24より取り込んだ車速信号によって車速(SPD)を算出する(車速検出手段)。また、燃料圧力センサ25より取り込んだコモンレール圧力信号によってコモンレール圧力(PC)を算出する(燃料圧力検出手段)。
次に、車両1に対して法的に義務付けされている制限速度である目標制限速度(以下目標車速または制限車速と言う:SPDRG)をROMまたはEEPROM等のメモリ(制限車速記憶手段)から読み込む(ステップS2)。次に、車速制限制御フラグがオン(FLAG・ON)されているか否かを判定する(ステップS3)。この車速制限制御フラグは、車速(SPD)が制限車速(SPDRG)から車速制限制御中の誤差等を見込んだ数値(SPDRG−K2)よりも大きい時に、オン(FLAG・ON)される。
また、車速(SPD)が制限車速(SPDRG)からチャタリング防止を見込んだ数値(SPDRG−K1)よりも小さくなったら、車速制限制御フラグはオフ(FLAG・OFF)される。なお、K1>K2である。また、車速制限制御中に、車速制限制御を一時的に解除する条件が成立した際に、車速制限制御フラグはOFFされる。ここで、本実施例では、車速制限制御を開始するタイミング(車速がSPDRG−K2を上回った時点)と、車速制限制御を解除するタイミング(車速がSPDRG−K1を下回った時点)とをずらすことにより、通常制御時の指令噴射量と車速制限制御中の指令噴射量との間を行き来するチャタリング現象を防止している。
ステップS3の判定結果がNOの場合、つまり車速制限制御が解除されている場合には、通常制御用噴射量マップ(通常のガバナパターン:図4参照)を用いてエンジン回転数(NE)とアクセル開度(ACCP)とから基本噴射量(Q)を算出する(ステップS4)。次に、エンジン冷却水温(THW)と燃料温度(THF)等から、基本噴射量(Q)に対する噴射量補正量(ΔQ)を算出する(補正量算出手段:ステップS5)。次に、ステップS4で算出した基本噴射量(Q)に、ステップS5で算出した噴射量補正量(ΔQ)を加算して通常制御中の指令噴射量(目標噴射量:QFIN)を算出する(ステップS6)。その後に、ステップS14に進む。
また、ステップS3の判定結果がYESの場合には、つまり車速制限制御が実行されている場合には、車速制限制御(SLD)用噴射量マップ(SLDガバナパターン)を用いてエンジン回転数(NE)とアクセル開度(ACCP)とから車速制限用噴射量(Q)を算出する(ステップS7)。次に、車速センサ24によって検出された車速(SPD)が制限車速(SPDRG)以上の場合に、車速(SPD)と制限車速(SPDRG)との車速偏差を算出する(ステップS8)。
次に、車速制限制御用(車速制限制御時の噴射量フィードバック制御用)のP(比例)ゲインおよびI(積分)ゲインを設定する(ゲイン変更手段:ステップS9)。この制御内容は、図5を参照して後述する。次に、車速(SPD)と制限車速(SPDRG)との車速偏差に、Pゲインを乗算してP(比例)項を算出する(比例項算出手段:ステップS10)。次に、車速(SPD)と制限車速(SPDRG)との車速偏差に応じて変更される積分補償量に、Iゲインを乗算してI(積分)項を算出する(積分項算出手段:ステップS11)。次に、P(比例)項とI(積分)項とを加算して噴射量補正量(ΔQ)を算出する(補正量算出手段:ステップS12)。次に、ステップS7で算出した車速制限用噴射量(Q)に、ステップS12で算出した噴射量補正量(ΔQ)を加算して車速制限制御中の指令噴射量(車速制限用噴射量:QFIN)を算出する(噴射量算出手段:ステップS13)。
次に、車速制限制御が解除されている時には、ステップS6で算出した通常制御中の指令噴射量(目標噴射量:QFIN)を、最終噴射量(QFIN)としてセットする。また、車速制限制御が実行されている時には、ステップS13で算出した車速制限制御中の指令噴射量(車速制限用噴射量:QFIN)を、最終噴射量(QFIN)としてセットする(ステップS14)。ここで、車速制限制御中および車速制限解除時(通常制御中)いずれの場合も、車速制限制御中の指令噴射量(車速制限用噴射量:QFIN)と通常制御中の指令噴射量(目標噴射量:QFIN)とを算出する制御ロジックにおいては、車速制限制御中の指令噴射量(車速制限用噴射量:QFIN)と通常制御中の指令噴射量(目標噴射量:QFIN)とのうち小さい方を最終噴射量(QFIN)として選択するようにしても良い。
次に、エンジン回転数(NE)と最終噴射量(QFIN)とによって指令噴射時期(T)を算出する(噴射時期決定手段:ステップS15)。次に、コモンレール圧力(PC)と最終噴射量(QFIN)とによってインジェクタ4の電磁弁の通電時間(噴射パルス長さ、指令噴射期間:TQ)を算出する(噴射期間決定手段:ステップS16)。次に、インジェクタ駆動回路(EDU)を介して各気筒のインジェクタ4の電磁弁のソレノイドコイルに、指令噴射時期(T)から指令噴射期間(TQ)が経過するまでの間、パルス状のインジェクタ駆動電流を印加する(インジェクタ駆動手段:ステップS17)。その後に、図3のメインルーチンを抜ける。
以上のように、車速センサ24によって検出された車速(SPD)が(SPDRG−K2)を越えた場合には、仮に運転者がアクセルペダルの踏み込み量を前回よりも増やした時でも、車速制限制御中の指令噴射量(車速制限用噴射量:QFIN)に制限されるため、エンジン2の各気筒の燃焼室内に噴射供給される燃料噴射量が、エンジン1の運転状態または運転条件に対応して設定される通常制御中の指令噴射量(目標噴射量:QFIN)よりも抑えられる。これによって、エンジントルクが不足し、制限車速(SPDRG)を越える車速(SPD)を維持することができなくなる。すなわち、エンジン2の各気筒の燃焼室内に噴射供給される燃料噴射量を、車速制限用噴射量(QFIN)に制限することにより、エンジントルクおよびエンジン回転数(NE)が制限され、ひいては車速(SPD)が制限車速(SPDRG)以下に制限される。
次に、図5を参照して車速制限制御時の噴射量フィードバック制御用のPゲインおよびIゲインを設定する方法を説明する。ここで、図5は車速制限制御時の噴射量フィードバック制御用のPIゲインの設定方法を示したフローチャートである。この図5のPIゲイン算出ルーチンは、車速制限制御フラグがONされている時に、所定のタイミング毎に実行される。
先ず、車速センサ24によって検出された車速(SPD)が制限車速(SPDRG)近傍であるか否かを判定する。すなわち、車速(SPD)と制限車速(SPDRG)との車速偏差(SPDRG−SPD)の絶対値が所定値(SPDth)よりも小さいか否かを判定する(ステップS21)。この判定結果がNOの場合には、予め設定されているPゲインおよびIゲインを求める。すなわち、PゲインおよびIゲインをデフォルト値(例えば車両1に積載される積載重量がゼロの時の基準値、あるいは車両1の走行路面が平坦路または下り勾配の時の基準値)に設定する(ステップS22)。その後に、図5のPIゲイン算出ルーチンを抜ける。
また、ステップS21の判定結果がYESの場合には、車速制限制御中の釣り合い噴射量を、所定の期間中の指令噴射量(QFIN)のサンプル値を平均化処理する等して検出する(釣り合い噴射量検出手段)。続いて、平均化処理された指令噴射量(QFIN)に基づいて、走行抵抗(車両重量または路面勾配)を求める(ステップS23)。ここで、車両1を一定の車速(制限車速:SPDRG)で走行させる場合、図6(b)に示したように、車両1の走行抵抗に対応した燃料噴射量をエンジン2の各気筒の燃焼室内に噴射供給して、その走行抵抗に対応するエンジントルクおよびエンジン回転数(NE)を得る必要がある。
すなわち、車両1が一定速度で走行する場合は、車両1の走行抵抗とエンジントルク(エンジン2の発生トルク)とが釣り合った状態であり、車両1の走行抵抗は、車両重量と路面勾配とで決まるため、車速制限制御中のエンジントルク=エンジン2の各気筒の燃焼室内に噴射供給される実際の燃料噴射量=車速制限制御中の釣り合い噴射量=車速制限制御中の指令噴射量(車速制限用噴射量:QFIN)から、車両1の走行抵抗を推定することができる。
次に、車両1の走行抵抗、特に車両重量からPゲインおよびIゲインを求める(ステップS24)。これは、車両1に積載された積載重量が重い程、つまり車両重量(車重)が重い程、PゲインおよびIゲインは共に大きく設定(変更)される。逆に、車両1に積載された積載重量が軽い程、つまり車両重量(車重)が軽い程、PゲインおよびIゲインは共に小さく設定(変更)される。その後に、図5のPIゲイン算出ルーチンを抜ける。
[実施例1の効果]
以上のように、車速制限制御中の釣り合い噴射量を、所定の期間中の指令噴射量(QFIN)のサンプル値を平均化処理する等して検出し、この釣り合い噴射量に応じて、車両1の走行抵抗(車両重量または路面勾配)を求め、この走行抵抗(車両重量または路面勾配)に応じて、車速制限制御時の噴射量フィードバック制御用のPゲインおよびIゲイン(SLDガバナパターンの変化速度)を変更するようにしている。
以上のように、車速制限制御中の釣り合い噴射量を、所定の期間中の指令噴射量(QFIN)のサンプル値を平均化処理する等して検出し、この釣り合い噴射量に応じて、車両1の走行抵抗(車両重量または路面勾配)を求め、この走行抵抗(車両重量または路面勾配)に応じて、車速制限制御時の噴射量フィードバック制御用のPゲインおよびIゲイン(SLDガバナパターンの変化速度)を変更するようにしている。
このため、図6(a)のSLDガバナパターンに示したように、車両の走行抵抗とエンジン回転数(NE)と燃料噴射量(車速制限用噴射量:QFIN)とを適合させた適合値(図示実線)よりも、SLDガバナパターンの変化速度が、車両重量(車重)の軽い場合(図示破線)、および車両重量(車重)の重い場合(図示一点鎖線)のように変更される。また、車両重量が重い時と車両重量が軽い時との略中間を適合値(図示実線)とした場合、図6(b)に示したように、車両重量(車重)が適合値よりも軽い場合(図示破線)には、車両重量(車重)が適合値の場合(図示実線)よりも燃料噴射量が減量されて、車速制限制御中に、車速(SPD)が目標車速(SPDRG)よりも大きくオーバーシュートすることを防止できる。また、車両重量(車重)が適合値よりも重い場合(図示一点鎖線)には、車両重量(車重)が適合値の場合(図示実線)よりも燃料噴射量が増量されて、車速制限制御中に、車速(SPD)が目標車速(SPDRG)よりも大きくアンダーシュートすることを防止できる。
これによって、車両重量(車重)が軽い場合、あるいは車両1の走行路面の上り勾配が緩やかな場合には、PゲインおよびIゲイン(SLDガバナパターンの変化速度)が低く設定され、車両重量(車重)が適合値の場合(図示実線)よりも燃料噴射量が減量されるので、車速(SPD)が制限車速(SPDRG)よりも大きい値と制限車速(SPDRG)よりも小さい値との間を行き来するハンチングが発生しなくなるので、ドライバビリティが向上する。また、車両重量(車重)が重い場合、あるいは車両1の走行路面の上り勾配が急な場合には、PゲインおよびIゲイン(SLDガバナパターンの変化速度)が高く設定され、車両重量(車重)が適合値の場合(図示実線)よりも燃料噴射量が増量されるので、車速(SPD)の制限車速(SPDRG)に対する収束性が改善され、車速(SPD)の制限車速(SPDRG)への追従性が向上する。
したがって、走行抵抗(例えば車両重量等)が変化する車両1の場合、あるいは車速制限制御中に車両の走行抵抗(例えば路面抵抗等)が変化した場合であっても、車速制限制御中の釣り合い噴射量から車両1の走行抵抗(車両重量または路面抵抗)を推定し、この推定した車両1の走行抵抗(車両重量または路面抵抗)に対応して、PゲインおよびIゲイン(SLDガバナパターンの変化速度)が最適値となるように、つまり高過ぎたり低過ぎたりすることのないように変更(設定)することにより、車両1の走行抵抗の変化を要因とする、車速(SPD)の制限車速(SPDRG)への追従性および収束性の悪化を防止できるので、車速制限制御の制御性を向上することができる。これによって、車速制限制御中に、運転者がアクセルペダルの踏み込み量を更に増加させることなく、車両1を一定速度(制限車速)で走行させることができるので、車速制限制御中のドライバビリティを向上でき、車速制限制御への信頼性を向上できる。
ここで、大型トラック等の車両1では、運転者によるシフトダウンの際にエンジン回転数を合わせるためにクラッチディスクを遮断してアクセルペダルを踏み込み、エンジン2の吹き上げを行う場合が有る。車速制限制御中にこのような変速操作(シフトチェンジ)を行うと、うまくエンジン回転数の合わせができないので、従来より、既存のクラッチスイッチによって運転者がクラッチペダルを踏み込んだことを検出したら、あるいはニュートラルポジションスイッチによってシフトレバーがニュートラル位置に有ることを検出したら、所定時間が経過するまでの間、車速制限制御を一時的に解除するようにした車両用速度制御装置が知られている。
このような車両用速度制御装置において、シフトチェンジに伴う車速制限制御の一時的な解除(車速制限解除時)から所定時間が経過して、車速制限制御に復帰した時に、一時的に車速制限制御を解除する前の釣り合い噴射量に応じて、PゲインおよびIゲイン(SLDガバナパターンの変化速度)を補正するようにしても良い。この場合には、シフトチェンジに伴う車速制限制御の一時的な解除からの車速制限制御への復帰時に車速(SPD)が予め定められた制限車速(SPDRG)を異常に上回る(オーバーシュートする)ことを防止できる。また、エンジン回転数(NE)と車速(SPD)とからトランスミッション8の変速比(ギヤ比)を推定し、あるいはシフトレバーの操作位置またはトランスミッション8の変速段(ギヤポジション)からトランスミッション8の変速比(ギヤ比)を推定し、この推定したトランスミッション8の変速比に応じて、PゲインおよびIゲイン(SLDガバナパターンの変化速度)を更に変更しても良い。
なお、走行抵抗(車両重量または路面勾配)の変化を全く考慮せず、平坦路で、且つ積載物のない状態の車両の走行抵抗を基準にして、PゲインおよびIゲインのデフォルト値を予め設定する場合、あるいは車両1に積載される積載量が最大の時、つまり車両重量が最大の時と、車両1に積載される積載量が最小の時、つまり車両重量が最小の時との略中間の値を基準にして、PゲインおよびIゲインのデフォルト値を予め設定する場合が考えられる。あるいは路面勾配が比較的に大きい時と路面勾配が比較的に小さい時との略中間の値を基準にして、PゲインおよびIゲインのデフォルト値を予め設定する場合が考えられる。
図7および図8は本発明の実施例2を示したもので、図7は車速制限制御時の噴射量フィードバック制御用のPIゲインの設定方法を示したフローチャートで、図8(a)はガバナパターンを示した図で、図8(b)は目標制限速度(目標車速または制限車速)に対する車速の収束性能を示したタイミングチャートである。
図7を参照して車速制限制御時の噴射量フィードバック制御用のPゲインおよびIゲインを設定する方法を説明する。先ず、車速制限制御に突入する直前の走行状態であるか否かを判定する目的で、エンジン2の運転状態または運転条件に対応して通常制御用噴射量マップ(通常のガバナパターン:図4参照)から読み出された指令噴射量(QFIN)が最大噴射量(QFULL)近傍に設定されているか否かを判定する。すなわち、最大噴射量(QFULL)と指令噴射量(QFIN)との噴射量偏差(QFULL−QFIN)の絶対値が所定値(Qth)よりも小さいか否かを判定する(ステップS31)。この判定結果がNOの場合には、予め設定されているPゲインおよびIゲインを求める。すなわち、PゲインおよびIゲインをデフォルト値(例えば車両1に積載される積載重量がゼロの時の基準値、あるいは車両1の走行路面が平坦路または下り勾配の時の基準値)に設定する(ステップS32)。その後に、図7のPIゲイン算出ルーチンを抜ける。
また、ステップS31の判定結果がYESの場合には、車両1の加速度(ACC)を求める。すなわち、車速センサ24によって検出された単位時間前の車速(SPDi−1)と車速センサ24によって検出された現在の車速(SPDi)との偏差から、車速制限制御に突入する直前の加速度(ACC)を求める(ステップS33)。ここで、車両1の加速度(ACC)は、走行抵抗とエンジントルク(発生トルク)とによって決まり、走行抵抗は車両重量と路面勾配とで決まる。また、一般的に車速制限制御に突入する時は、運転者がアクセルペダルを所定開度以上踏み込んだ状態、すなわち、アクセル開度(ACCP)が100%の時で、このようなアクセル全開時には、指令噴射量(QFIN)が最大噴射量(フルQ)に制限されるため、エンジントルクが一定値となる。これらにより、車速制限制御に突入する直前の加速度(ACC)のみによって車両の走行抵抗(車両重量または路面抵抗)を推定できる。
次に、車速制限制御に突入する際には、加速度(ACC)と車両の走行抵抗(車両重量または路面抵抗)とが略一致するため、車速制限制御に突入する直前の加速度(ACC)から直接PゲインおよびIゲインを直接求める(ステップS34)。あるいは、車速制限制御に突入する直前の加速度(ACC)から車両の走行抵抗(車両重量または路面抵抗)を推定し、この推定した車両の走行抵抗からPゲインおよびIゲインを求めても良い。ここでは、加速度(ACC)が大きい程、PゲインおよびIゲインは共に小さく設定(変更)される。逆に、加速度(ACC)が小さい程、PゲインおよびIゲインは共に大きく設定(変更)される。その後に、図7のPIゲイン算出ルーチンを抜ける。
以上のように、アクセル全開時の単位時間当たりの速度変化(加速度)を検出し、この速度変化量に応じてPゲインおよびIゲインを変更することにより、図8(a)に示したように、SLDガバナパターンの傾きを最適化できる。例えば加速度とエンジン回転数(NE)と燃料噴射量とを適合させた適合値(図示実線)よりも車両重量(車重)が軽い場合(図示破線)には、SLDガバナパターンの傾きが緩やかとなり、また、適合値(図示実線)よりも車両重量(車重)が重い場合(図示破線)には、SLDガバナパターンの傾きが急となる。
これによって、図8(b)に示したように、車速制限制御に突入する直前の加速度(ACC)が大きい場合、つまり適合値(図示実線)よりも車両重量(車重)が軽い場合(図示破線)には、PゲインおよびIゲイン(SLDガバナパターンの傾き)が低く設定されるので、車速(SPD)が制限車速(SPDRG)を大きくオーバーシュートしたり、大きくアンダーシュートしたり、車速(SPD)が制限車速(SPDRG)よりも大きい値と制限車速(SPDRG)よりも小さい値との間を行き来するハンチングが発生したりすることなく、制限車速(SPDRG)にスムーズに収束する。また、車速制限制御に突入する直前の加速度(ACC)が小さい場合、つまり適合値(図示実線)よりも車両重量(車重)が重い場合(図示一点鎖線)には、PゲインおよびIゲイン(SLDガバナパターンの傾き)が高く設定されるので、車速(SPD)の制限車速(SPDRG)への追従性および収束性の悪化を防止できるので、車速制限制御の制御性を向上することができる。これによって、車速制限制御中に、運転者がアクセルペダルの踏み込み量を更に増加させることなく、車両1を一定速度(制限車速)で走行させることができるので、車速制限制御中のドライバビリティを向上でき、車速制限制御への信頼性を向上できる。
また、エンジン回転数(NE)と車速(SPD)とからトランスミッション8の変速比(ギヤ比)を推定し、あるいはシフトレバーの操作位置またはトランスミッション8の変速段(ギヤポジション)からトランスミッション8の変速比(ギヤ比)を推定し、この推定したトランスミッション8の変速比に応じて、PゲインおよびIゲイン(SLDガバナパターンの傾き)を更に変更しても良い。また、車速制限制御を開始する目標制限速度(目標車速または制限車速:SPDRG)も、検出した加速度に応じて補正しても良い。
[変形例]
本実施例では、目標制限速度を、車両1に対して法的に義務付けされている制限速度である目標制限速度(以下目標車速または制限車速と言う:SPDRG)に設定しているが、目標制限速度を、運転者のスイッチ操作等によって任意に設定できるようにしても良い。また、本実施例では、本発明の車両用速度制御装置を、コモンレール式燃料噴射システムに適用したが、本発明の車両用速度制御装置を、コモンレール3を持たず、燃料供給ポンプから高圧供給配管を経て直接燃料噴射弁または燃料噴射ノズルに高圧燃料を圧送供給するタイプの内燃機関用燃料噴射装置に適用しても良い。
本実施例では、目標制限速度を、車両1に対して法的に義務付けされている制限速度である目標制限速度(以下目標車速または制限車速と言う:SPDRG)に設定しているが、目標制限速度を、運転者のスイッチ操作等によって任意に設定できるようにしても良い。また、本実施例では、本発明の車両用速度制御装置を、コモンレール式燃料噴射システムに適用したが、本発明の車両用速度制御装置を、コモンレール3を持たず、燃料供給ポンプから高圧供給配管を経て直接燃料噴射弁または燃料噴射ノズルに高圧燃料を圧送供給するタイプの内燃機関用燃料噴射装置に適用しても良い。
本実施例では、変速操作検出手段として、使用者がシフトレバーを中立位置に入れるとON信号を出力するニュートラルポジションスイッチ、クラッチペダルを踏むとON信号を出力するクラッチスイッチ等の変速操作スイッチを使用したが、変速操作検出手段として、多段歯車変速機のギヤポジション(変速段)が実際に変化した際にON信号を出力するギヤポジションスイッチ、あるいは使用者がシフトレバーを所定の変速位置(例えば1速位置、2速位置、3速位置、4速位置等のいずれかの変速位置)に入れるとON信号を出力し、また、所定の変速位置からシフトレバーが抜けるとオフ(OFF)信号を出力するシフトレバースイッチ(シフト操作手段)を使用しても良い。また、これらのニュートラルポジションスイッチ、クラッチスイッチ、ギヤポジションスイッチ、シフトレバースイッチのうちのいずれか1つ以上の変速操作スイッチを使用しても良い。
1 車両
2 エンジン(内燃機関)
3 コモンレール
4 インジェクタ(燃料噴射弁)
5 サプライポンプ(燃料供給ポンプ)
8 トランスミッション(動力伝達装置、手動歯車変速機、多段歯車変速機)
10 ECU(車両用速度制御装置、エンジン制御ユニット、車速制限制御手段)
21 クランク角度センサ(第1回転速度検出手段、エンジン回転速度検出手段)
22 アクセル開度センサ(アクセル操作量検出手段)
23 冷却水温センサ
24 車速センサ(第2回転速度検出手段、車速検出手段)
25 燃料圧力センサ(燃料圧力検出手段)
2 エンジン(内燃機関)
3 コモンレール
4 インジェクタ(燃料噴射弁)
5 サプライポンプ(燃料供給ポンプ)
8 トランスミッション(動力伝達装置、手動歯車変速機、多段歯車変速機)
10 ECU(車両用速度制御装置、エンジン制御ユニット、車速制限制御手段)
21 クランク角度センサ(第1回転速度検出手段、エンジン回転速度検出手段)
22 アクセル開度センサ(アクセル操作量検出手段)
23 冷却水温センサ
24 車速センサ(第2回転速度検出手段、車速検出手段)
25 燃料圧力センサ(燃料圧力検出手段)
Claims (12)
- 車両の走行速度が目標制限速度を越えないように、エンジンの気筒に噴射供給する燃料噴射量またはエンジン回転速度を制限して車速制限を行う車速制限制御手段を備えた車両用速度制御装置において、
前記車速制限制御手段は、
前記車両の走行速度と前記目標制限速度との車速偏差に、比例ゲインを乗算して比例項を算出する比例項算出手段と、
前記車両の走行速度と前記目標制限速度との車速偏差に応じて変更される積分補償量に、積分ゲインを乗算して積分項を算出する積分項算出手段と、
少なくとも前記比例項および前記積分項から求められる噴射量補正量に基づいて、前記車速制限制御中に前記車両を一定の走行速度で走行させるのに必要な燃料噴射量を算出する噴射量算出手段と、
前記車速制限制御中の燃料噴射量に応じて、前記比例ゲインおよび前記積分ゲインを変更するゲイン変更手段と
を備えたことを特徴とする車両用速度制御装置。 - 請求項1に記載の車両用速度制御装置において、
前記ゲイン変更手段は、前記車速制限制御中の燃料噴射量から前記車両の走行抵抗を推定する走行抵抗推定手段を有し、
前記車両の走行抵抗に応じて前記比例ゲインおよび前記積分ゲインを補正することを特徴とする車両用速度制御装置。 - 請求項2に記載の車両用速度制御装置において、
前記ゲイン変更手段は、前記車両の走行速度と前記目標制限速度との車速偏差の絶対値が所定値よりも小さい時に、前記車両の走行抵抗が大きい程、前記比例ゲインおよび前記積分ゲインを連続的または段階的に高く設定することを特徴とする車両用速度制御装置。 - 請求項1ないし請求項3のうちのいずれか1つに記載の車両用速度制御装置において、 使用者の変速操作を検出する変速操作検出手段と、
この変速操作検出手段によって使用者の変速操作を検出してから所定の条件を満足するまでの間、前記車速制限制御手段による前記車速制限制御を一時的に解除する車速制限解除手段とを備え、
前記ゲイン変更手段は、使用者の変速操作に伴う、前記車速制限制御の一時解除から前記車速制限制御に復帰する際に、一時解除する前の前記車速制限制御中の燃料噴射量に基づいて、前記比例ゲインおよび前記積分ゲインを補正することを特徴とする車両用速度制御装置。 - 請求項4に記載の車両用速度制御装置において、
前記変速操作検出手段は、前記エンジンの回転動力を車輪に伝達するための多段変速機の変速段が変化した際に信号を出力するギヤポジションスイッチ、使用者がシフトレバーを所定の変速位置に入れると信号を出力するシフトレバースイッチ、使用者がシフトレバーを中立位置に入れると信号を出力するニュートラルポジションスイッチ、クラッチペダルを踏むと信号を出力するクラッチスイッチのうちのいずれか1つ以上の変速操作スイッチであることを特徴とする車両用速度制御装置。 - 請求項1ないし請求項5のうちのいずれか1つに記載の車両用速度制御装置において、 前記車両は、前記エンジンの回転動力を駆動車輪に伝達するための動力伝達装置を備え、
前記車速制限制御手段は、
前記エンジンの出力軸の回転速度を検出する第1回転速度検出手段と、
前記動力伝達装置の出力軸の回転速度を検出する第2回転速度検出手段と、
前記ゲイン変更手段は、前記エンジンの出力軸の回転速度と前記動力伝達装置の出力軸の回転速度との速度比に基づいて、前記比例ゲインおよび前記積分ゲインを補正することを特徴とする車両用速度制御装置。 - 車両の走行速度が目標制限速度を越えないように、エンジンの気筒に噴射供給する燃料噴射量またはエンジン回転速度を制限して車速制限を行う車速制限制御手段を備えた車両用速度制御装置において、
前記車速制限制御手段は、
前記車両の走行速度と前記目標制限速度との車速偏差に、比例ゲインを乗算して比例項を算出する比例項算出手段と、
前記車両の走行速度と前記目標制限速度との偏差に応じて変更される積分補償量に、積分ゲインを乗算して積分項を算出する積分項算出手段と、
少なくとも前記比例項および前記積分項から求められる噴射量補正量に基づいて、前記車速制限制御中に前記車両を一定の走行速度で走行させるのに必要な燃料噴射量を算出する噴射量算出手段と、
前記車速制限制御に突入する直前の前記車両の加速度を検出する加速度検出手段と、
前記車両の加速度に応じて前記比例ゲインおよび前記積分ゲインを変更するゲイン変更手段と
を備えたことを特徴とする車両用速度制御装置。 - 請求項7に記載の車両用速度制御装置において、
前記ゲイン変更手段は、前記車両の加速度から前記車両の走行抵抗を推定する走行抵抗推定手段を有し、
前記車両の走行抵抗に応じて前記比例ゲインおよび前記積分ゲインを補正することを特徴とする車両用速度制御装置。 - 請求項7または請求項8に記載の車両用速度制御装置において、
前記加速度検出手段は、アクセル操作量が所定値以上の時、あるいは前記車速制限制御中の目標噴射量が最大噴射量近傍の時に、現在の前記車両の走行速度と単位時間前の前記車両の走行速度との速度偏差に基づいて、前記車速制限制御に突入する直前の前記車両の加速度または前記車両の走行速度変化量を検出することを特徴とする車両用速度制御装置。 - 請求項9に記載の車両用速度制御装置において、
前記ゲイン変更手段は、前記車速制限制御に突入する直前の前記車両の加速度または前記車両の走行速度変化量が大きい程、前記比例ゲインおよび前記積分ゲインを連続的または段階的に低く設定することを特徴とする車両用速度制御装置。 - 請求項9または請求項10に記載の車両用速度制御装置において、
前記車速制限制御手段は、前記車速制限制御を開始する制御開始時期を、前記車両の加速度または前記車両の走行速度変化量に応じて補正することを特徴とする車両用速度制御装置。 - 請求項7ないし請求項11のうちのいずれか1つに記載の車両用速度制御装置において、
前記車速制限制御手段は、
前記エンジンの出力軸の回転速度を検出する第1回転速度検出手段と、
前記エンジンの回転動力を車輪に伝達するための多段変速機の出力軸の回転速度を検出する第2回転速度検出手段と、
前記ゲイン変更手段は、前記エンジンの出力軸の回転速度と前記多段変速機の出力軸の回転速度との速度比に基づいて、前記比例ゲインおよび前記積分ゲインを補正することを特徴とする車両用速度制御装置。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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2004
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