JP2005213694A - 芳香族ポリアミド繊維紙 - Google Patents

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Abstract

【課題】耐熱性や熱寸法安定性、高湿度下における電気絶縁性などに優れ、特に電気回路用積層物の基材として好適であり、かつ、従来の芳香族ポリアミド繊維紙が有していた上記の諸問題、とりわけ電気回路板用積層物の製造工程における変形(捩じれ、反り、波打ちなど)が改良され、かつランド強度を向上させた芳香族ポリアミド繊維紙を提供する。
【解決手段】芳香族ポリアミドからなる短繊維と、耐熱性の有機高分子重合体からなるフィブリッドおよび/または有機系樹脂バインダーとを主成分とする芳香族ポリアミド繊維紙において、該繊維紙の坪量が10g/m2以上100g/m2未満であり、かつ該芳香族ポリアミド短繊維の表面に、シラン系コート剤が塗布され該シラン系コート剤が触媒の作用で硬化・固化されている芳香族ポリアミド繊維紙。
【選択図】なし

Description

本発明は、耐熱性および電気絶縁性に優れ、電気回路用積層物に好適に使用できる芳香族ポリアミド繊維紙に関するものであり、さらに詳しくは、シラン系コート剤で処理された芳香族ポリアミド短繊維と、耐熱性の有機高分子重合体からなるフィブリッドおよび/または有機系樹脂バインダーとを主成分とする芳香族ポリアミド繊維紙に関するものである。
電気回路板用積層物に使用される基材には、耐熱性や耐熱寸法安定性、耐湿寸法安定性、電気絶縁性、耐変形性(捩れ、反り、波打ちなどを生じ難いこと)、接着性などの特性が要求される。また、携帯電話、ノート型パソコンなどの小型電子機器用においては、配線の高密度化が必要となるため、上記の特性と合わせて、さらに軽量性などの諸特性が要求される。芳香族ポリアミド繊維紙は、他素材からなる紙基材に比べて、耐熱性、耐熱寸法安定性、軽量性などの点で優れているため、最近では、上記の諸特性が要求される電気回路板用積層物の基材に活用されるようになってきた。しかし、芳香族ポリアミド繊維紙基材を用いた電気回路用積層物は、ランド強度(ランドのピール強度)が小さいため、ランドに表面実装方式でハンダ付けした実装部品が、電子機器使用中の衝撃で外れ、長期の使用に耐えられないなどの問題がある。
このような問題を解決する方法として、芳香族ポリアミド繊維と含浸樹脂との親和性を向上させるべく、芳香族ポリアミド短繊維と有機系樹脂バインダーからなる芳香族ポリアミド繊維紙(特許文献1:特開平1−92233号公報)が提案されている。
このような繊維紙を用いることにより、ランド強度は改善されるが、さらなる向上が必要であり、または有機系樹脂のみをバインダー成分として使用しているため、該芳香族ポリアミド繊維紙の製造工程でバインダー成分が紙の表裏側にマイグレーションして偏在化する結果、紙の中層部に存在するバインダー成分の量が微小となって、該芳香族ポリアミド繊維紙の厚さ方向の均一性が低下し信頼性を低下させるという問題を有している。
従って、このような耐熱性繊維紙を電気絶縁材料用の基材として使用すると、その製造工程、特に、エポキシ樹脂などの配合ワニスを含浸、乾燥させるプリプレグ作成工程や該プリプレグ品を積層成形する工程などで配合ワニスの含浸量(特に厚さ方向)や付着量のバラツキが拡大したり、また、バインダー用樹脂の一部が溶融して繊維間の接着力低下を招き紙基材の切断が発生したり、さらには、短繊維が相互移動し易くなるために、繊維密度分布の均一性を悪化させて、特に高温度で処理されるハンダリフロー工程終了後の電気回路板用積層物に変形が生じるという問題があり好ましくなかった。
また、部品を実装する表層の絶縁層に用いる樹脂のガラス転移温度を50〜135℃とすることにより、ランド強度を向上させた多層プリント配線板(特許文献2:特開2000−106488号公報)が提案されている。
しかし、この方法で用いられている芳香族ポリアミド繊維不織布には、樹脂との接着性を向上させるための表面処理はなんら行われておらず、使用する樹脂の種類が大幅に制限される上、使用する樹脂のガラス転移温度が低いため、ハンダリフロー時に反りやふくれが発生しやすくなるなどの問題があり、根本的なランド強度の改善には至っていない。
特開平1−92233号公報 特開2000−106488号公報
本発明は、耐熱性や熱寸法安定性、高湿度下における電気絶縁性などに優れ、特に電気回路用積層物の基材として好適であり、かつ、従来の芳香族ポリアミド繊維紙が有していた上記の諸問題、とりわけ電気回路板用積層物の製造工程における変形(捩じれ、反り、波打ちなど)が改良され、かつランド強度を向上させた芳香族ポリアミド繊維紙を提供することにある。
本発明は、芳香族ポリアミドからなる短繊維と、耐熱性の有機高分子重合体からなるフィブリッドおよび/または有機系樹脂バインダーとを主成分とする芳香族ポリアミド繊維紙において、該繊維紙の坪量が10g/m2以上100g/m2未満であり、かつ該芳香族ポリアミド短繊維の表面に、下記式1で示される化合物を主成分とするシラン系コート剤が塗布され、触媒の作用で硬化・固化されていることを特徴とする芳香族ポリアミド繊維紙に関する。
Figure 2005213694
(式1において、R1,R2,R3およびR4はそれぞれ同一または異なり、水素原子または炭素数が1〜4のアルキル基であり、nは2〜10の数を示す。)
本発明によれば、従来の芳香族ポリアミド繊維紙が電気回路板用積層物に使用される際に有していた諸問題、特に、電気回路板用積層物の製造工程における変形(捩じれ、反り、波打ちなど)が改良され、かつランド強度を向上させた芳香族ポリアミド繊維紙を提供することができる。
本発明では、芳香族ポリアミド繊維紙を構成する芳香族ポリアミド短繊維として、その表面がシラン系コート剤で処理された短繊維を使用すると、芳香族ポリアミド繊維紙と含浸樹脂との親和性が向上されて、銅張積層板のランド強度を向上させることができる。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
本発明における芳香族ポリアミド繊維紙は、芳香族ポリアミドからなる短繊維と、耐熱性の有機高分子重合体からなるフィブリッドおよび/または有機系樹脂バインダーとを主成分とする坪量10g/m2以上100g/m2未満の紙状物、不織布状物もしくはシート状物を含むものである。
本発明の芳香族ポリアミド繊維紙の坪量が100g/m2以上である場合には、短繊維の結合剤として用いている有機系樹脂バインダー成分が、製造工程で紙の表裏側にマイグレーションにより偏在化しやすくなる。この現象はフィブリッドを結合剤として併用させても抑制することが難しく、これによって紙の中層部に存在するバインダー成分の量が微小となって、該芳香族ポリアミド繊維紙の厚さ方向の均一性が低下し信頼性を低下させるという問題を有しているため好ましくない。一方、坪量が10g/m2未満では、構成する繊維の本数が少なすぎるので、平面方向に均一な紙の製造が困難となるため好ましくない。当該坪量は、好ましくは12〜80g/m2である。
次に、本発明で用いる芳香族ポリアミド短繊維とは、ポリアミドを構成する繰り返し単位の80モル%以上(好ましくは90モル%以上)が、下記式(1)で表される芳香族ホモポリアミド、または、芳香族コポリアミドからなる短繊維である。ここでAr1、Ar2は芳香族基を表し、なかでも下記式(2)から選ばれた同一の、または、相異なる芳香族基からなるものが好ましい。但し、芳香族基の水素原子は、ハロゲン原子、低級アルキル基、フェニル基などで置換されていてもよい。
−NHAr1−NHCO−Ar2−CO− ………(1)
Figure 2005213694
このような芳香族ポリアミド繊維の製造方法や繊維特性については、例えば、英国特許第1501948号公報、米国特許第3733964号明細書、同第3767756号明細書、同第3869429号明細書、特開昭49−100322号公報、特開昭47−10863号公報、特開昭58−144152号公報、特開平4−65513号公報などに記載されているものが使用できる。
また、該芳香族ポリアミド短繊維の中で耐熱性の優れたものとして、パラ型芳香族ポリアミド短繊維が挙げられるが、これは上記芳香族ポリアミドの延鎖結合が共軸または平行で、かつ、反対方向に向いているポリアミドからなる短繊維であり、例えば、上記Ar1、Ar2の80モル%以上がパラ配位の芳香族基である短繊維が例示される。
具体的には、ポリパラフェニレンテレフタルアミド短繊維[例えば、デュポン(株)製、「ケブラー」]、コポリパラフェニレン・3,4’−オキシジフェニレン・テレフタルアミド短繊維[例えば、帝人(株)製、「テクノーラ」]などが例示され、特に後者は、不純イオンの含有量が少なく電気絶縁性に優れているのでより好ましい。
また、本発明では、上記芳香族ポリアミド短繊維の一部にメタ型芳香族ポリアミド短繊維を含ませてもよい。ここに用いられるメタ型芳香族ポリアミド短繊維は、上記芳香族ポリアミドのうち、延鎖結合の50モル%以上が非共軸で非平行の芳香族ポリアミドであって、例えば、ジカルボン酸として、テレフタル酸、イソフタル酸などの1種または2種以上と、ジアミンとしてメタフェニレンジアミン、4,4−ジアミノフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、キシリレンジアミンなどの1種または2種以上を使用したホモポリマーまたは共重合ポリマーからなる短繊維を挙げることができ、その代表的な例としては、ポリメタフェニレンイソフタルアミド、ポリメタキシレンテレフタルアミド、あるいはイソフタル酸クロライド、テレフタル酸クロライド、メタフェニレンジアミンなどを共重合させた共重合ポリマーからなる短繊維などである。これらの中で、特に繰り返し単位の80モル%以上、さらに好ましくは、90モル%以上がメタフェニレンイソフタルアミドである芳香族ポリアミド短繊維であるものが、高温高圧下で部分的に溶融し易く、バインダー効果をより発現し易いので好ましい。
また、本発明の芳香族ポリアミド繊維紙に用いるパラ型芳香族ポリアミド短繊維の使用割合は、芳香族ポリアミド短繊維の全重量に対して、パラ型芳香族ポリアミド短繊維の量を70重量%以上にすることが肝要である。該パラ型芳香族ポリアミド短繊維の量が70重量%未満では、パラ型芳香族ポリアミド繊維の特徴である高強力、高弾性率の効果が十分に発現されず、また積層板のランド強度を低下させるため好ましくない。
また、本発明にメタ型芳香族ポリアミド短繊維を用いる場合は、結合材としての役割を最大に発揮させるために、該メタ型芳香族ポリアミド短繊維の製造工程における繊維の延伸倍率が5.0倍未満であることが望ましく、さらに好ましくは、2.8倍未満、または、未延伸の繊維を用いるのが好ましい。なかでも、延伸倍率が1.1〜1.5の範囲にある延伸繊維が最も好ましい。
さらに加えて、該メタ型芳香族ポリアミド短繊維の製造工程において、できるだけ熱履歴が与えられていないことが望ましい。その理由は、製造工程における延伸倍率が高くなるほど、また熱履歴を多く受けるほど、繊維の結晶化が進んで、上記の軟化、溶融傾向が発現され難くなり、結合材としての役割が発揮され難くなるからである。
上記の芳香族ポリアミド繊維の中には、加熱などにより、繊維中に含有する水分(湿分)を脱水(脱湿)処理すると繊維軸方向に収縮する傾向を示すものと伸びる傾向を示すものとがあり、これらの芳香族ポリアミド繊維の量を上手く制御すると、水洗いや乾燥を繰り返しても寸法変化が起こり難く、耐熱寸法安定性や耐湿寸法安定性に優れた芳香族ポリアミド繊維紙を得ることができる。
このような芳香族ポリアミド短繊維の単繊維繊度は、0.33〜6.67dtex(0.3〜6.0de)であることが好ましい。該単繊維繊度が0.33dtex未満では、製糸技術上困難な点が多く、断糸や毛羽が発生して良好な品質の繊維を安定して生産することが困難になるだけでなく、コストも高くなるため好ましくない。一方、6.67dtexを超えると、繊維の機械的物性、特に強度低下が大きくなるため実用的でなくなる。なお、これらの芳香族ポリアミド短繊維は、その一部が機械的にフィブリル化されていてもよいが、その割合があまり多くなり過ぎると配合ワニスの含浸性が低下するなど本発明の目的を阻害するようになるので、できるだけその割合は少なくすることが好ましい。
また、かかる芳香族ポリアミド短繊維の繊維長は、本発明のように湿式法で紙を形成する場合においては、1〜12mm、好ましくは2〜12mmの範囲内にあるとよい。該繊維長が1mm未満では、得られる芳香族ポリアミド繊維紙(繊維集合体)の機械的物性が不十分なものとなりやすく好ましくない。一方、該繊維長が12mmを超えると、抄紙時に短繊維の分散性などが悪化して得られる繊維集合体の均一性が損なわれ、やはり機械的物性が不十分なものとなりやすい。
なお、本発明の繊維紙を構成する短繊維中には、接着性を阻害しない範囲内であれば、他素材、例えば、ガラス、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルイミド、ポリフェニレンスルフィド、セラミックなどからなる短繊維を混合してもよい。この場合、全構成繊維中に占める芳香族ポリアミド短繊維の割合は、80重量%以上、より好ましくは90重量%以上である。
次に、本発明に使用する芳香族ポリアミド短繊維は、その表面に、上記式1で示される化合物を主成分とするシラン系コート剤が塗布され、触媒の作用で硬化・固化させて、表面形成されていることを特徴とする。
式1において、R1,R2,R3およびR4は、それぞれ同一または異なっても良い、水素原子または炭素数が1〜4のアルキル基であり、nは2〜10の数である。
式1の化合物を芳香族ポリアミド短繊維の表面に塗布することにより、表面不活性な芳香族ポリアミド繊維と、結合剤として使用される耐熱性の有機高分子重合体からなるフィブリッドおよび/または有機系樹脂バインダー、あるいは配合ワニスとの親和性が向上し、加熱加圧成形により形成された積層板のランド強度を向上させることができる。このように、本発明は、上記目的を達成するため、式1で示される化合物を使用することに特徴を有する。
かかる化合物は、単量体(例えば、メチルトリメトキシシラン)を縮合することにより得ることができる。主鎖の繰り返しがn=2〜10であるのは、n=1、すなわち単量体を用いると、ポリマー化に時間が掛かり、短時間で十分な強度を持ったコート膜を製造することが困難となり、接着力の低下を及ぼすからである。しかしながら、nが11以上となると、逆に、芳香族ポリアミド短繊維に塗布したときに、繊維上でのポリマー化のためのアルコキシ基などの数が不足して、十分な強度を持ったコート膜を製造することが困難になる。その場合にも最終的に十分な接着力は得られない。したがって、本発明においては、n=2〜10、中でもn=2〜8の縮合体である。
なお、一般に単量体から式1のような縮合体を合成する場合、その重合度を正確に制御することは、技術的にいって、事実上不可能である。したがって、本発明でn=2〜10、好ましくはn=2〜8のものを使用するとの意味は、重合度の分布から見て、主としてnが2〜10、好ましくは主として2〜8のものが含まれているようなコート剤を使用することに他ならず、例えばnが11以上である化合物が含まれていたとしても、差し支えない。
式1で示される化合物としては、具体的に、メチルトリメトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、プロピルトリメトキシシラン、ブチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、プロピルトリエトキシシラン、ブチルトリエトキシシラン、メチルトリプロポキシシラン、エチルトリプロポキシシランなどの縮合体を例示できる。なお、式1の化合物は、かかる単量体の1種類のみを縮合したものであっても、また上記例示した単量体の2種類以上を縮合したものであっても良い。
なお、式1の化合物における加水分解不可能な置換基(R4)の第一義的な役割は、コート膜に柔軟性を与えることにあるが、同時にコート膜に吸水して接着力を低下させることの無いよう、コート膜に撥水性を付与するために、R4はアルキル基とすることが好ましい。一般に、有機性置換基は、炭素数が増えるほど、有機性すなわち撥水性が増加するが、炭素数があまり大きくなると、立体障害によりコート膜内に歪が生じて膜の強度低下の原因となる。したがって、アルキル基の炭素数や式1の化合物(縮合体)を構成する各単量体の種類・量は、予備的な製造試験を行うなどして決定することが好ましい。
本発明では、式1の化合物に加え、下記式2の化合物(以下「化合物2」ともいう)および/または下記式3の化合物(以下「化合物3」ともいう)を含むコート剤を用いることができる。
Figure 2005213694
(式2において、R5,R6およびR7はそれぞれ同一または異なり、水素原子、アルキル基またはアルケニル基であり、R8はその分子内にエポキシ基またはグリシジル基を含んでいても良い、アルキル基、アルケニル基またはフェニル基である。)
Figure 2005213694
(式3において、R9およびR11はそれぞれ同一または異なった、水素原子、アルキル基またはアルケニル基であり、R10およびR12はその分子内にエポキシ基またはグリシジル基を含んでいても良い、アルキル基、アルケニル基またはフェニル基である。)
ここで、式2の化合物は、かかる単量体の2種以上であっても良い。また、式2の化合物は、かかる単量体の1種または2種以上を縮合した、2分子以上の縮合体であっても良い。ただし、式1に示す化合物は除く。
本発明では、式1の化合物に加え、上記式2の化合物を含むコート剤を使用することにより、これを使用せずに製造した繊維紙に比べて、式2の化合物が有する有機性などの性質を新たに付与できる。このため、本発明の繊維紙は、熱硬化性樹脂を含浸させてプリプレグを製造するに際し、該熱硬化性樹脂との接着性を大きく向上させる効果を付与することができる。かかる目的で加えられる式2の化合物は、4個の置換基のうち、3個が加水分解可能な置換基であり、残り1個が加水分解不可能な置換基から成り立つ化合物である。
式2において、R5,R6およびR7は、それぞれ同一または異なっていても良い、水素原子または炭素数1〜10のアルキル基もしくはアルケニル基であり、R8は、その分子内にエポキシ基またはグリシジル基を含んでいても良い、炭素数が1〜10のアルキル基、アルケニル基またはフェニル基である。
式2で示される化合物としては、具体的に、メチルトリメトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、プロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、γ-(メタクリロキシプロピル)トリメトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、アミノプロピルトリメトキシシラン、β-(3、4エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、プロピルトリエトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、γ−(メタクリロキシプロピル)トリエトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、アミノプロピルトリエトキシシラン、ビニルトリス(βメトキシエトキシ)シランなどの単量体や、ビニルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、γ-(メタクリロキシプロピル)トリメトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、アミノプロピルトリメトキシシラン、β-(3、4エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、γ−(メタクリロキシプロピル)トリエトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、アミノプロピルトリエトキシシラン、ビニルトリス(βメトキシエトキシ)シランなどの2〜10分子程度の縮合体を例示できる。
また、本発明では、式1の化合物を含むコート剤に加え、また、式1の化合物および式2の化合物の両方を含むコート剤に加え、さらに、上記式3の化合物を添加したコート剤を使用することによって、これを使用せずに製造した繊維紙に比べて、式3の化合物が有する有機性などの性質を新たに付与したり、または、有機性などの性質を増加することが可能である。このため、得られる繊維紙を用いてプリプレグを製造するに際し、熱硬化性樹脂との接着性を大きく向上させる効果を付与することができる。
式3の化合物は、4個の置換基のうち、2個が加水分解可能な置換基であり、他の2個が加水分解不可能な置換基から成り立つ化合物である。式3において、R9およびR11は、それぞれ同一または異なっていても良い、水素原子または炭素数1〜10のアルキル基またはアルケニル基であり、R10およびR12は、その分子内にエポキシ基またはグリシジル基を含んでいても良い、炭素数が1〜10のアルキル基、アルケニル基またはフェニル基である。
式3で示される化合物としては、具体的に、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、メチルビニルジメトキシシラン、メチルビニルジエトキシシランなどや、これらの2〜10分子程度の縮合体を例示できる。なお、式3の化合物は、かかる単量体の2種以上であっても良く、また2分子以上の縮合体を使用する場合にも、かかる単量体の2種以上の縮合体であっても良い。
上記したような、式2の化合物または式3の化合物のいずれかをコート剤に添加することで、繊維のコート膜に対し、特に樹脂との接着性を増加させることができるが、式2および式3の化合物の両者をコート剤に添加すれば、コート膜の有機性をさらに向上させ、結果的に繊維紙の撥水性などをさらに向上できる。換言すれば、撥水性の向上により、低吸湿性を実現することができる。
式2の化合物および/または式3の化合物は、コート剤の主成分である、上記式1で示される化合物に対し、一般的には総量が50重量%を超えない範囲にてコート剤に添加することが好ましい。両者(化合物2〜3)の合計添加量がこの範囲を超えると、コート剤を短繊維に塗布したときに、主成分である式1の化合物との間でうまく結合せず、コート膜の強度が不十分となる可能性があるからである。したがって、実際に式2の化合物および/または式3の化合物を添加する場合には、添加量に依存してコート膜の強度が低下することを想定し、本明細書の実施例を参照しつつ、予備的な製造試験を行うなどして、目的を達成し得る添加量の範囲を明らかにしたうえで、添加を最小限に抑えるようにすることが好ましい。
なお、式2の化合物および式3の化合物における加水分解不可能な置換基(R8、R10、R12)の第一義的な役割は、コート膜に柔軟性を与えることにあるが、これらはアルキル基などの有機性置換であるため、同時にコート膜に撥水性を付与する役割をも果たす。一般に、有機性置換基は、炭素数が増えるほど、有機性、すなわち撥水性が増加するが、炭素数があまり大きくなると、立体障害によりコート膜内に歪が生じて膜の強度低下の原因となる。したがって、有機性置換基の炭素数や式2および/または式3の化合物(縮合体を含む)を構成する各単量体の種類・量は、本明細書の実施例などを参照しつつ、予備的な製造試験を行うなどして決定することが好ましい。
ところで、耐熱性があり強力の強いシロキサン結合は、一方でいわゆる「硬い」結合でもある。しかしながら、繊維は、通常、柔軟性を有する必要があり、コート素材には、時としてその素材である繊維と同様な柔軟性が求められる。
従来から一般に用いられているゾル・ゲルコート剤は、出発原料にテトラアルコキシシラン[Si(OR)4]やそのオリゴマー体が用いられる。このものを完全に加水分解反応[下記反応式1における(1)〜(3)]させてコート膜を形成させると、ケイ素原子の4個の結合全てが硬いシロキサン結合のネットワークを形成し、セラミックと同様に硬いが、しかし、柔軟性に欠けた脆い膜となってしまうため、繊維などの柔軟性を生かした膜材を製造することは事実上不可能であった。
しかしながら、本発明は、ケイ素原子の4個の置換基のうち、1個が加水分解されない式1の化合物をコート剤の主成分に用いることで、この課題を解決したものである。また、本発明では、加水分解されない置換基を1個または2個有する式2の化合物と式3の化合物をコート剤に添加することにより、さらに柔軟性を増すことが可能となる。
以上の式1で示される化合物(化合物2〜3を含む、以下同じ)を硬化・固化させる触媒としては、得られるコート剤が長期保存可能であるという観点から、加水分解可能な有機金属化合物を用いると良い。
有機金属化合物を式1の化合物(化合物2〜3を含む)と混合してコート剤とし、これを短繊維に塗布すると、繊維上の水分または空気中の水分(湿気)を吸い、有機金属化合物が自ら加水分解するが、このとき、式1の化合物とネットワークを形成し、式1の化合物(化合物2〜3を含む)が硬化・固化する。そのため、平衡水分率の比較的高い芳香族ポリアミド繊維に処理を行なう際には、繊維の水分で有機金属化合物が加水分解を起こし、式1の化合物を硬化・固化するため、有機金属化合物の加水分解の際に必要な水分が芳香族ポリアミド繊維から取り出されるとともに、繊維表面全体が均一に撥水性のネットワークを形成し、それ以上、吸水・吸湿することがなくなる。このようにして、繊維の低水分率化が可能となる。
本発明において好ましく用いられる有機金属化合物としては、例えばチタン、ジルコニウム、アルミニウムまたはスズを含むものを例示できる。より具体的には、テトラプロポキシチタネート、テトラブトキシチタネート、テトラプロポキシジルコネート、テトラブトキシジルコネート、トリプロポキシアルミネート、アルミニウムアセチルアセトナート、ジブチルスズジアセテートまたはジブチルスズジラウレートなどを例示できる。
以上の触媒(有機金属化合物)の使用量は、式1で表される化合物(化合物2〜3を含む)100重量部に対し、通常、1〜30重量部、好ましくは4〜10重量部である。
また、本発明において、塗布するコート剤には、式1の化合物(化合物2〜3を含む)と触媒を均一に混合させるため、有機溶剤を添加することができる。この目的で使用される有機溶剤としては、アルコール類を例示できる。より具体的には、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、ペンタノールまたはヘキサノールなどを例示できる。また、その添加量を制御することによって、コート剤の粘度や乾燥速度の調整も可能である。
このような調整の目的では、特に、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコールなどのグリコール類、メトキシエタノール、プロポキシエタノール、ブトキシエタノール、メトキシプロパノール、エトキシプロパノール、プロポキシプロパノールまたはブトキシプロパノールなどのセルソルブ類などの粘度や沸点の高い有機溶剤を単独または2種以上混合して使用することが好ましい。むろん、上記粘度や沸点の高い有機溶媒の1種以上と共に、上記アルコール類を同ときに添加しても良い。なお、コート剤の粘度や乾燥速度の調整を目的とする場合は、上記有機溶媒のみならず、界面活性剤によっても同様の効果を達成することができる。
特に、上記したグリコール類やセルソルブ類は、その分子内に水酸基を有しているため、式1の化合物(化合物2〜3を含む)の縮合反応によって形成されるシロキサン結合のネットワーク内に導入されることがある。グリコール類やセルソルブ類は有機性を有しているため、これが導入されることにより、得られるコート膜の有機性が増す、すなわちコート膜の有機性が増すことになる。また、コート膜の有機性が増すことにより、マトリックス樹脂との親和性が向上し、接着力が向上する傾向がみられる。
また、本発明のコート剤(後記する添加剤を含む)の固形分濃度は、通常、10〜80重量%、好ましくは20〜60重量%である。
なお、本発明のコート剤には、顔料、難燃剤、紫外線吸収剤、可塑剤、滑剤、安定剤、充填剤、潤滑剤、硬化剤、消泡剤、防カビ剤などの添加剤を配合することができる。
これらの添加剤は、1種単独で使用することも、また2種以上を併用することもできる。
本発明で用いられるシラン系コーティング剤が塗布された芳香族ポリアミド短繊維(以下「コート処理された短繊維」ともいう)は、芳香族ポリアミドからなる短繊維に本発明のコート剤を塗布されてなり、かつ該シラン系コート剤が触媒の作用により硬化・固化されているものである。
具体的な塗布の方法は、特に制限されないが、例えば、コート剤に短繊維を浸漬したり、コート剤を短繊維に塗りつけたり、あるいはコート剤を短繊維に吹き付けたりすることにより行い得る。
なお、繊維構造体にコート剤を塗布後、乾燥・熱処理を施し、該コート剤を硬化・固化させる。
この硬化・固化のための乾燥・熱処理条件は、通常、温度30〜250℃、好ましくは120〜230℃、時間1〜30分、好ましくは1〜10分である。
短繊維に対する本発明のコート剤の付与量は、固形分換算で、付与前の短繊維に対し、通常、0.01〜10重量%、好ましくは0.05〜5重量%である。
上記のように、短繊維に、コート剤を塗布すると、式1の化合物が加水分解し、下記反応式1の(1)〜(3)に示した反応を経て、シロキサン結合(Si-O-Si)が生成する。
反応式1;
(1)Si−OR+H2O → Si−OH+ROH
(2)Si−OH+HO−Si → Si−O−Si+H2
(3)Si−OH+RO−Si → Si−O−Si+ROH
このようにして生成したシロキサン結合(Si-O-Si)内のSi-Oの結合エネルギーは106kcal/molである。一方、有機化合物の典型的な結合であるC-C結合の結合エネルギーは82.6kcal/molである。したがって、式1の化合物が加水分解することによって生成する、シロキサン結合を有するガラス質のコート膜は、有機化合物に比べ、はるかに熱的安定な結合を有していることが分かる。この熱的安定な結合により、本発明により形成されるコート膜は耐熱性に優れたものとなり、その結果、耐熱性に優れた短繊維、ひいてはこれを用いたプリプレグプレグや積層体の製造も可能となる。
また、本発明のコート剤が、触媒として上記した有機金属化合物(例えばテトラブトキシチタニウムなど)を含む場合は、コート剤中に反応水が含まれなくとも、上記の反応式1における(1)〜(3)の反応が進行するのであるが、この場合の反応は、詳しくは下記反応式2における(4)および(5)のようになる。
反応式2;
(4)Ti−OR+H2O → Ti−OH+ROH
(5)Ti−OH+RO−Si → Ti−O−Si+ROH
上記のように、Ti-O結合がコート膜内に導入されることにより、シロキサン結合のみのコート膜に比べ、さらに耐熱性および強力を向上することができる。このように、触媒として有機金属化合物を使用すると、反応水を共存させる必要が無いばかりでなく、コート膜の耐熱性・強力をさらに向上させ、そして結果的には得られる短繊維の接着力、耐熱接着力をよりいっそう向上させることできるのである。
次に、本発明の芳香族ポリアミド繊維紙の製造に用いる耐熱性の有機系高分子重合体からなるフィブリッド(以下、単に「フィブリッド」ともいう)とは、湿式抄造工程において、バインダー性能を有する微小のフィブリルを有する薄葉状、鱗片状の小片、または、ランダムにフィブリル化した微小短繊維の総称である。例えば、このフィブリッドとしては、特公昭35−11851号公報、特公昭37−5732号公報などに記載された方法により、有機系高分子重合体溶液を該高分子重合体溶液の沈澱剤と剪断力の存在する系において混合することにより製造されるフィブリッドや、あるいは、特公昭59−603号公報に記載された方法により、光学的異方性を示す高分子重合体溶液から成形した分子配向性を有する成形物に叩解などの機械的剪断力を与えてランダムにフィブリル化させたフィブリッドを用いるものが好ましく、なかでも前者の方法によるものが最適である。
このような有機系高分子重合体としては、繊維、もしくは、フィルム形成能を有する耐熱性高分子重合体であって熱分解開始温度が330℃以上のものであればどれでも使用できる。
例えば、芳香族ポリアミド、芳香族ポリエステル、ヘテロ環含有芳香族ポリマーなどを用いることができるが、それらの中でも、特に、ポリメタフェニレンイソフタルアミド(デュポン(株)製、「ノーメックス」)が好ましく、さらに、不純イオン含有量の少ないコポリパラフェニレン・3,4’−オキシジフェニレン・テレフタルアミド(帝人(株)製、「テクノーラ」)や、平衡水分率の小さいp−ヒドロキシ安息香酸と2,6−ヒドロキシナフトエ酸の共重合体からなる芳香族ポリエステル[(株)クラレ製、「ベクトラン」]が好適であり、また、特に耐熱性が要求される場合には、ポリパラフェニレンベンズビスオキサゾール(東洋紡績(株)製、「ザイロン」)が最適である。
また、該有機系高分子重合体からなるフィブリッドの本発明の繊維紙中に占める比率は、3〜50重量%であり、好ましくは3〜40重量%、さらに好ましくは、3〜30重量%の範囲にあるものである。該フィブリッドの混合比率を比較的低めに設定する場合には、例えば、特公昭35−11851号公報や特公昭37−5732号公報などに記載された製造方法から得られるフィブリッドを用いるのが好ましく、また、混合比率を比較的高めに設定する場合には、特公昭59−603号公報に記載された方法により製造されたフィブリッドを用いるのが好ましく、さらにこれら両方の製造方法からなるフィブリッドを混合使用しても良い。
前者の方法によるフィブリッドを用いると、嵩密度の高い芳香族ポリアミド繊維紙の作成が可能となり、逆に、後者の方法によるフィブリッドを用いると、嵩密度の低い芳香族ポリアミド繊維紙の作成が可能となるため、何れのフィブリッドを用いるのか、または、両者の混合比率をどのようにするのかは、目的とする電気回路板用積層物の要求特性を見極めながら決定することができる。何れにせよ、該フィブリッドの混合比率が50重量%を超えると、得られる芳香族ポリアミド繊維紙の嵩密度が大となり、配合ワニスの含浸性を阻害するようになり、またシラン系コート剤を塗布した芳香族ポリアミド短繊維による配合ワニスとの親和性向上効果が発現されなくなるため好ましくない。
また、上記有機系高分子重合体からなるフィブリッドは、湿式抄造工程において短繊維間を結合せしめるバインダーとしての機能を有するが、その結合力(接着力)は、熱硬化性の樹脂、例えばエポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリウレタン樹脂、メラミン樹脂、ホルムアルデヒド樹脂、フルオロ重合体樹脂などに比べて劣るため、これら熱硬化性樹脂からなる群から選択された水分散型の結合補助剤(有機系樹脂バインダー)を少量添加して湿式抄造工程における抄造性能を高めることができる。(この場合、該結合補助剤はフィブリッドの代替として使用するため、添加した結合補助剤の量だけ該フィブリッドの量を減少させる)。特に、分子内にエポキシ官能基を有する水分散可能なエポキシ系の樹脂を用いたものがプリプレグ工程で使用する配合ワニスとの相溶性が良く最適である。
また、該結合補助剤が本発明の芳香族ポリアミド繊維紙中に占める割合としては、15重量%以下、さらに好ましくは、10重量%以下の範囲で用いるものがよい。該結合補助剤の割合が15重量%を超えると、湿式抄造工程におけるマイグレーション現象を抑制できなくなり、紙の表裏側と中層部との層間接着力が不均一となる要因となり、その後のカレンダー工程で紙中層部の短繊維の配向性や繊維密度分布の均一性を低下せしめることがあるために好ましくない。
また、他方のバインダーとして用いられる有機系樹脂バインダーとしては、前掲の有機系樹脂バインダーを単独で用いることもできる。この有機系樹脂バインダーとしては、特に熱硬化性の有機系樹脂、例えば上記のエポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリウレタン樹脂、メラミン樹脂などが好適である。なかでも分子内にエポキシ官能基を有する水分散可能なエポキシ系の樹脂が、プリプレグ製造工程で含浸させる配合ワニスとの相溶性が良く最適である。かかる有機系樹脂バインダーの芳香族ポリアミド繊維紙中に占める割合は、4〜30重量%、好ましくは5〜20重量%、さらに好ましくは6〜15重量%とする必要がある。結合剤の割合が4重量%未満では、例えば抄紙時における短繊維間の結合力、接着力が小さくなりすぎて充分な引張強度を発現し得なくなり、その後のカレンダー加工工程や配合ワニスを含浸するプリプレグ製造工程などで切断し易くなり好ましくない。一方30重量%を超えると、配合ワニスの含浸性を阻害して含浸不良や含浸ムラを生じさせ、配合ワニスの特性を充分に発揮できなくするため、電気絶縁回路板用積層物の基材として不適当なものとなり好ましくない。
以上述べた芳香族ポリアミド繊維紙は、従来から公知の方法により製造することができる。例えば、上記式1で示される化合物を主成分とするシラン系コート剤が塗布され、触媒の作用で硬化・固化させて、表面形成されている芳香族ポリアミド短繊維を所定の比率になるように秤量し、繊維濃度が約0.15〜0.40重量%の範囲になるように水中に投入して均一分散させ、調整した水性スラリー中に、必要に応じて、分散剤や粘度調整剤を加えた後、長網式や丸網式などの抄紙機による湿式抄造法で湿紙を形成し、この湿紙にもし必要ならば、有機系のバインダー樹脂をスプレー方式などにより所定の固形分比率の重量になるよう付与した後、乾燥して得た乾燥紙を所定の嵩密度の範囲となるように加熱加圧加工して芳香族ポリアミド繊維紙を得ることができる。
例えば、カレンダー機を用いて加熱加圧加工を行う場合は、直径約15〜80cmからなる1ケの硬質表面ロールと直径約30〜100cmからなる1ケの表面変形可能な弾性ロールとの間で、または、より好ましくは、直径約20〜80cmからなる2ケの硬質表面ロール同士の間で行えばよい。その際、メタ型芳香族ポリアミド短繊維や有機系高分子重合体からなるフィブリッドを軟化または部分溶融させてバインダー成分としての機能を充分に発揮させるためには、220〜400℃の温度範囲で行うものがよく、好ましくは、250〜350℃、さらに好ましくは、280℃〜330℃の温度範囲で行うことにより優れた結合結果が得られる。また、圧力は、147〜245daN/cm(150〜250kg/cm)の範囲の線圧力で行うものがよく、好ましくは、176.4〜245daN(180〜250kg/cm)の範囲の線圧力で行うものが例示される。また、該カレンダーによる加熱加圧加工は、カレンダー機の1段の処理でもよいがより厚さ方向により均質な紙を得るためには予備的に加熱加圧処理を施すカレンダー機の2段処理を行うこともできる。
このような加熱加圧加工処理により、芳香族ポリアミド繊維紙の嵩密度が、0.25〜0.97g/cm3、好ましくは、0.45〜0.88g/cm3、さらに好ましくは、0.50〜0.80g/cm3の範囲内に入るように製紙工程で紙の嵩密度を調整、コントロールすることができる。
また、電気回路板用積層物の製造には、通常、約220℃の高温で熱処理する工程があるため、該熱処理温度以上の熱履歴を該芳香族ポリアミド繊維紙に予め与えておかないと、該熱処理工程で該芳香族ポリアミド繊維紙の熱寸法変化や内部歪みが発現し、耐熱寸法安定性や耐変形性を低下せしめる問題も生じて好ましくない。
このため本発明では、温度:280℃〜330℃、線圧:176.4〜245daN(180〜250kg/cm)の範囲内の条件でカレンダー加工するのが最適であり、この条件下で作成された芳香族ポリアミド繊維紙は、例えば、温度280℃×5分間熱処理した後の熱寸法変化率が0.30%以下と小さく耐熱寸法安定性に優れ、嵩密度も0.50〜0.80g/cm3範囲内となり、引張強力や層間剥離強力も上記性能以上のものが得られ、電気回路板用積層物やその製造工程で要求される諸特性を充分に満足でき得る芳香族ポリアミド繊維紙になる。
なお、該加熱加圧条件が400℃、245daN/cm(250kg/cm)を超えると、得られる紙の嵩密度が0.97g/cm3を超えるために好ましくない。また、該加熱加圧加工処理により、紙を構成するフィブリッドなどの結晶化が進み、得られる芳香族ポリアミド繊維紙の吸水率が低下し、平衡水分率を3.5%以下にすることも可能である。
芳香族ポリアミド繊維紙の平衡水分率が3.5%を超えると、絶縁性などの電気特性に悪影響を与えるため、電気回路板用積層物の基材に使用するためには芳香族ポリアミド短繊維やフィブリッドの選択と配合割合には注意を要する。
本発明の芳香族ポリアミド繊維紙は、芳香族ポリアミド短繊維として、その表面がシラン系コート剤で処理された短繊維を用いているので、配合樹脂ワニスとの親和性が向上されて、該芳香族ポリアミド繊維紙からなるプリプレグを加熱加圧成形によって製造した銅張積層板のランド強度を向上させることができる。
例えば、本発明のプリプレグは、本発明の芳香族ポリアミド繊維紙を基材として用い、該基材に樹脂ワニスを含浸させて得られる。含浸樹脂ワニスは、上記のような熱硬化性樹脂を樹脂主成分として用い、さらに、ジシアンジアミドなどの硬化剤、2−エチル−4−メチルイミダゾールなどの触媒などを、メチルエチルケトンなどの溶剤に溶解混合して適度な粘度に調整したものを使用する。含浸方法としては、該基材を連続的に前記樹脂ワニスに含浸し、溶剤を乾燥させる塗工機を用いて乾燥させてプリプレグを得る。
また、本発明の積層板は、例えば、上記プリプレグ を複数枚積層し、その両面に、例えば厚さ:35μm程度の電解銅箔を重ね、圧力:20〜50kg/cm2、積層温度:0〜260℃の範囲で、20〜120分、例えば60分間熱圧着処理を行なって得られる。このときの積層温度は、使用した含浸樹脂の種類や硬化温度の相違に応じて変更して行なえばよい。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明する。なお、実施例で用いた試験片の作成方法、およびその評価方法は下記のとおりである。
(1)アルコキシシラン縮合体の製造
以下のようにして、メチルトリメトキシシラン縮合体(MTM)、エチルトリメトキシシラン縮合体(ETM)およびメチルトリエトキシシラン縮合体(MTE)を合成した。
(a)MTMの合成
500mlの三つ口フラスコに、メチルトリメトキシシラン181g、メタノール50gおよび純水18gを加え十分に攪拌した。さらに61重量%硝酸2gを加え攪拌しながら3時間加熱・環流させ、反応終了後、加熱しながら反応容器内を減圧にしメタノールを除去した。このようにして得られたMTMは、ガスクロマトグラフィー分析により3〜4量体が中心であった。
(b)ETMの合成
500mlの三つ口フラスコに、エチルトリメトキシシラン200g、メタノール50gおよび純水18gを加え十分に攪拌した。さらに61重量%硝酸2gを加え攪拌しながら7時間加熱・環流させ、反応終了後、加熱しながら反応容器内を減圧にしメタノールを除去した。このようにして得られたETMは、ガスクロマトグラフィー分析により3〜4量体が中心であった。
(c)MTEの合成
500ml三つ口フラスコに、メチルトリエトキシシラン273g、エタノール50gおよび純水18gを加え十分に攪拌した。さらに61重量%硝酸2gを加え攪拌しながら12時間加熱・環流させ、反応終了後、加熱しながら反応容器内を減圧にしエタノールを除去した。このようにして得られたMTEは、ガスクロマトグラフィー分析により3〜4量体が中心であった。
(2)コート処理された芳香族ポリアミド短繊維の製造
まず、芳香族ポリアミド繊維を各コート剤または処理液に10秒間浸漬した。過剰のコート剤を十分に絞った後、最初130℃で1分、230℃で1分乾燥を行い本発明のコート処理された芳香族ポリアミド繊維を製造した。この芳香族ポリアミド繊維をギロチンカッターにて3mmにカットし、コート処理された芳香族ポリアミド短繊維を製造した。
(3)芳香族ポリアミド繊維紙の製造
上記(2)で作成された芳香族ポリアミド短繊維をおよび有機系高分子重合体からなるフィブリッドを用いて水中に分散させ、これに0.02重量%濃度になるように分散剤(松本油脂(株)製「YM−80」)を添加して、繊維濃度が0.15重量%であるスラリーを作成した。
次に、タッピー式角型抄紙機を用い、該スラリーを使用して抄紙し、軽く加圧脱水後に、さらにバインダー成分として、固形分濃度10重量%のビスフェノールAエピクロルヒドリン型水分散性エポキシ樹脂バインダー(大日本インキ化学工業(株)製)を、該樹脂分が所定の重量比率となるようにスプレー方式で付与して混抄紙を得た。
該混抄紙を温度:110℃で乾燥させ、さらに、1対の金属ロールを有するカレンダー装置で温度:200℃〜350℃、線圧力:196daN/cm(200kg/cm)、カレンダー速度:4m/分の条件でカレンダ―処理を行い坪量72g/m2の芳香族ポリアミド繊維紙を得た。
(4)プリプレグの作成
上記(3)で得た芳香族ポリアミド繊維紙を基材として用い、該基材に高純度のブロム化ビスフェノールA型エポキシ樹脂およびオルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂に硬化剤としてジシアンジアミド、硬化促進剤として2−エチル−4−メチルイミダゾールを配合してなるエポキシ樹脂組成物をメチルエチルケトンとメチルセロソルブの混合溶液に溶解して得た配合ワニスを含浸させた後、110〜120℃の温度で5〜10分間乾燥して、樹脂分の体積含有率が55%であるBステージのプリプレグ紙を作成した。
(5)銅張積層板の作成
上記(4)で得たプリプレグを10枚重ね、その両面に厚さ:18μmの電解銅箔を重ね、圧力:20〜50kg/cm2、積層温度:170℃の範囲で50分間熱圧着処理を行い、さらに200℃の熱風乾燥機内で約20分間硬化処理を行った。
(6)ガラス転移温度
上記(5)で得た銅張積層板を用い、JIS C−6481の5.17.1(TMA法)に準拠して測定した。
(7)ランド強度
上記(5)で得た積層板表層の銅箔をエッチングして形成した2mm角のランド上にピンを半田付けにより立て、ピンにこれを倒す方向の力を加え、ランドが剥がれてピンが倒れる時の最大荷重を測定した。
実施例1
上記(1)の(a)で作成したMTM19.0重量部、溶剤としてイソプロピルアルコール18.0重量部およびエチレングリコール2.0重量部、触媒としてテトラブトキシチタニウム0.8重量部を混合し、コート剤を調製した。
芳香族ポリアミド繊維として、単糸繊度1.5デニールのコポリパラフェニレン・オキシジフェニレンテレフタルアミドの繊維束(帝人(株)製「テクノーラ」)を用いて、上記(2)に示す方法で短繊維を作成した。該短繊維、および有機系高分子重合体からなるフィブリッドとして、ポリメタフェニレンイソフタルアミドからなるフィブリッド(帝人(株)製「コーネックス」)、および上記(3)記載の樹脂バインダーを、表2に示した比率となるように抄紙し、芳香族ポリアミド繊維紙を作成した。さらに、この繊維紙を用いて上記(4)、(5)に示す方法にて銅張積層板を作成した。
この銅張積層板について、上記(6)、(7)の測定法にて評価した諸特性は、表3に示すとおりであった。
実施例2
実施例1において、上記(1)の(a)で作成したMTMを14.0重量部、化合物としてフェニルトリメトキシシランを5.0重量部、溶剤としてイソプロピルアルコールのみを20.0重量部とした以外は、実施例1と同様に行って芳香族ポリアミド繊維紙を作成し、さらにこの繊維紙を用いて上記(4)、(5)に示す方法にて銅張積層板を作成した。この銅張積層板について上記(6)、(7)の測定法にて評価した諸特性は、表3に示すとおりであった。
実施例3
実施例2において、MTMをETMに変更した以外は、実施例2と同様に行って芳香族ポリアミド繊維紙を作成し、さらにこの繊維紙を用いて上記(4)、(5)に示す方法にて銅張積層板を作成した。
この銅張積層板について、上記(6)、(7)の測定法にて評価した諸特性は、表3に示すとおりであった。
実施例4
実施例1において、MTMをMTEに変更した以外は、実施例1と同様に行って、芳香族ポリアミド繊維紙を作成し、さらにこの繊維紙を用いて上記(4)、(5)に示す方法にて銅張積層板を作成した。
この銅張積層板について、上記(6)、(7)の測定法にて評価した諸特性は、表3に示すとおりであった。
実施例5
実施例1において、芳香族ポリアミド繊維をコポリパラフェニレン・オキシジフェニレン・テレフタルアミド繊維からポリパラフェニレンテレフタルアミド繊維(テイジントワロン(株)製「トワロン」)に変更した以外は、実施例1と同様に行って芳香族ポリアミド繊維紙を作成し、さらにこの繊維紙を用いて上記(4)、(5)に示す方法にて銅張積層板を作成した。
この銅張積層板について上記(6)、(7)の測定法にて評価した諸特性は、表3に示すとおりであった。
比較例1
実施例1において、コート剤の主剤をMTMからMS−51(コルコート社製の、テトラメトキシシランの平均重合度3〜4のオリゴマー体)に変更した以外は、実施例1と同様に行って芳香族ポリアミド繊維紙を作成し、さらにこの繊維紙を用いて上記(4)、(5)に示す方法にて銅張積層板を作成した。
この銅張積層板について上記(6)、(7)の測定法にて評価した諸特性は、表3に示すとおりであった。
比較例2
実施例5において、コート剤の主剤をMTMからMS−51に変更した以外は、実施例5と同様に行って芳香族ポリアミド繊維紙を作成し、さらにこの繊維紙を用いて上記(4)、(5)に示す方法にて銅張積層板を作成した。
この銅張積層板について上記(6)、(7)の測定法にて評価した諸特性は、表3に示すとおりであった。
実施例6
実施例1において、芳香族ポリアミド短繊維、有機系高分子重合体からなるフィブリッドを表2に示した比率となるように抄紙し、さらに有機系樹脂バインダーを付与しなかった以外は、実施例1と同様に行って芳香族ポリアミド繊維紙を作成し、さらにこの繊維紙を用いて上記(4)、(5)に示す方法にて銅張積層板を作成した。
この銅張積層板について、上記(6)、(7)の測定法にて評価した諸特性は、表3に示すとおりであった。
実施例7
実施例5において、芳香族ポリアミド短繊維、有機系高分子重合体からなるフィブリッドを表2に示した比率となるように抄紙し、さらに有機系樹脂バインダーを付与しなかった以外は、実施例5と同様に行って芳香族ポリアミド繊維紙を作成し、さらにこの繊維紙を用いて上記(4)、(5)に示す方法にて銅張積層板を作成した。
この銅張積層板について、上記(6)、(7)の測定法にて評価した諸特性は、表3に示すとおりであった。
比較例3
実施例1において、芳香族ポリアミド繊維にコート処理を行わなかった以外は、実施例1と同様に行って芳香族ポリアミド繊維紙を作成し、さらにこの繊維紙を用いて上記(4)、(5)に示す方法にて銅張積層板を作成した。
この銅張積層板について、上記(6)、(7)の測定法にて評価した諸特性は、表3に示すとおりであった。
比較例4
実施例5において、芳香族ポリアミド繊維にコート処理を行わなかった以外は、実施例5と同様に行って芳香族ポリアミド繊維紙を作成し、さらにこの繊維紙を用いて上記(4)、(5)に示す方法にて銅張積層板を作成した。
この銅張積層板について、上記(6)、(7)の測定法にて評価した諸特性は、表3に示すとおりであった。
なお、表1には実施例1〜7および比較例1〜4にて用いたコート処理液の構成成分を示し、表2には用いた芳香族ポリアミド繊維紙の構成成分を示した。


























Figure 2005213694



Figure 2005213694


Figure 2005213694
本発明の芳香族ポリアミド繊維紙を基材に使用した電気回路板用積層物は、その製造工程や用途において、捩じれや反り、波打ちなどが殆ど発生せず、かつ基材とマトリックス樹脂との接着性が向上されていることにより、微細回路の設計が可能で、かつ、リードレスセラミックチップキャリヤー(LCCC)やベアーチップなどの温度湿度膨張係数の小さな電子部品を直接ハンダ付け搭載しても、長期に渡って高い信頼性を維持できる画期的な積層物が得られ、特に、高度の軽量性や高度の耐熱、耐湿寸法安定性、電気絶縁性が要求される用途で使用される電気回路板用積層物として好適である。

Claims (6)

  1. 芳香族ポリアミドからなる短繊維と、耐熱性の有機高分子重合体からなるフィブリッドおよび/または有機系樹脂バインダーとを主成分とする芳香族ポリアミド繊維紙において、該繊維紙の坪量が10g/m2以上100g/m2未満であり、かつ該芳香族ポリアミド短繊維の表面に、下記式1で示される化合物を主成分とするシラン系コート剤が塗布され、触媒の作用で硬化・固化されていることを特徴とする芳香族ポリアミド繊維紙。
    Figure 2005213694

    (式1において、R1,R2,R3およびR4はそれぞれ同一または異なり、水素原子または炭素数が1〜4のアルキル基であり、nは2〜10の数を示す。)
  2. シラン系コート剤を硬化・固化させる触媒として、加水分解可能な有機金属化合物を使用する請求項1記載の芳香族ポリアミド繊維紙。
  3. 芳香族ポリアミドからなる短繊維が、ポリパラフェニレンテレフタルアミドからなる短繊維および/またはコポリパラフェニレン・3,4’−オキシジフェニレン・テレフタルアミドからなる短繊維である請求項1または2記載の芳香族ポリアミド繊維紙。
  4. 芳香族ポリアミドからなる短繊維の繊維長が、1〜12mmの範囲にある請求項1〜3のいずれかに記載の芳香族ポリアミド繊維紙。
  5. 請求項1〜4いずれかに記載の芳香族ポリアミド繊維紙に熱硬化性樹脂を含浸して形成されたプリプレグ。
  6. 請求項5記載のプリプレグを加熱加圧成形して形成された積層板。
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