JP2005212882A - ドリップ吸収袋 - Google Patents
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Abstract
【課題】 魚や肉類のようなドリップが生じる食品を包装する際に、取り扱いやすく、吸収材料の位置ずれなどが生じず、かつ比較的安価な吸収材料が使用できる包装材料を提供する。
【解決手段】 支持体層と熱可塑性樹脂層とを有する透明な上面フィルムと、熱可塑性樹脂層と支持体層とを有する下面フィルムとが、前記熱可塑性樹脂層どうしを相対して互いの額縁部を重ね合わせており、上面フィルムと下面フィルムとの間には食品ドリップ吸収性シートが挟まれ、シートは、外縁の一部が額縁部に入り込む固定端を備え、他の一部が額縁部から離れた自由端を備え、額縁部の固定端を含む一辺に沿った部分が熱シールされている包装材料。
【選択図】 図1
【解決手段】 支持体層と熱可塑性樹脂層とを有する透明な上面フィルムと、熱可塑性樹脂層と支持体層とを有する下面フィルムとが、前記熱可塑性樹脂層どうしを相対して互いの額縁部を重ね合わせており、上面フィルムと下面フィルムとの間には食品ドリップ吸収性シートが挟まれ、シートは、外縁の一部が額縁部に入り込む固定端を備え、他の一部が額縁部から離れた自由端を備え、額縁部の固定端を含む一辺に沿った部分が熱シールされている包装材料。
【選択図】 図1
Description
本発明は、魚や肉類等のように、一定の大きさに切断するなどの加工がなされて包装されたあとに、いわゆるドリップが生じる食品に適した包装材料に関する。
魚や肉類のような食品では、あらかじめ内臓などが除去されて一定の大きさにカットされてから、内容物全体が見えるように包装され、この包装された形態で販売されることが多い。ところが、このような食品では、肉に含まれる血液などの体液が徐々に外部に滲み出る、いわゆるドリップが生じる。このドリップは、着色していたり濁っていたりするため、包装材料の中に液体のまま溜まると、包装物を見た消費者に一種の不衛生感を与えてしまう。
そのため、従来は、発生したドリップを吸収できる不織布などの吸収材料を、食品よりやや小さい程度の大きさにカットし、これを食品と接触するようにして、食品と一緒に包装体に入れるようにしている。その際、食品全体が外部から見えるようにするため、吸収材料は食品の下に敷かれて包装される。包装後に生じたドリップは、この吸収材料にすぐに吸収されるから、ドリップが液体のまま袋内に溜まることはない。
しかし、不織布などの吸収材料は、それ自身薄くて軟質のため取り扱いにくい。そのため、食品と一緒に包装体に入れる際に配置位置がずれたり折れ曲がったりしやすい。このようになると、ドリップを吸収しきれないことがあるうえ包装物の外観上も好ましくない。また、包装の際に吸収材料を入れ忘れるトラブルも生じる。また、包装体への入れやすさを確保するためには、食品よりやや小さめの吸収材料を使用せざるを得ないが、一方で、小さい面積でドリップが多く出る食品にも対応する必要があるために、吸水ポリマー等を使用した吸収能力の高い比較的高コストの吸収材料が必要となっている。
本発明は、魚や肉類のようなドリップが生じる食品を包装する際に、取り扱いやすく、吸収材料の位置ずれなどが生じず、かつ比較的安価な吸収材料が使用できる包装材料を提供することを課題とする。
発明の第一は、支持体層と熱可塑性樹脂層とを有する透明な上面フィルムと、熱可塑性樹脂層と支持体層とを有する下面フィルムとが、前記熱可塑性樹脂層どうしを相対して互いの額縁部を重ね合わせており、前記上面フィルムと前記下面フィルムとの間には食品ドリップ吸収性シートが挟まれ、前記シートは、前記シートの外縁の一部が前記額縁部に入り込む固定端を備えると共に、他の一部が前記額縁部から離れた自由端を備え、かつ前記額縁部の前記固定端を含む一辺に沿った部分が熱シールされていることを特徴とする包装材料である。
ここで、前記固定端が相対する二辺に設けられており、前記自由端が他の相対する二辺に設けられていることは好ましい。また、前記固定端と前記自由端とが、いずれの四辺にも設けられていることは好ましい。また、隣接する二辺が熱シールされていることは好ましい。また、三辺が熱シールされていることは好ましい。また、前記シートの前記上面フィルム側に、熱可塑性樹脂からなる目隠し層が設けられていることは好ましい。また、前記目隠し層が、抗菌剤を含有していることは好ましい。また、前記シートが、不織布であることは好ましい。また、前記上面四方フィルムまたは前記下面四方フィルムのいずれか一方が一方向直線カット性を有するフィルムであり、かつ他方が一方向直線カット性を有さないフィルムであって、前記額縁部の前記熱シールがなされた部分内に、上下に貫通した切り込み摘み部が、前記一方向直線カット性を有するフィルムの当該一方向に沿って設けられていることは好ましい。
発明の第二は、支持体層と熱可塑性樹脂層とを有する透明な上面四方フィルムと、熱可塑性樹脂層と支持体層とを有する下面四方フィルムとが、前記熱可塑性樹脂層どうしを相対して互いの額縁部を重ねており、前記上面四方フィルムと前記下面四方フィルムとの間には食品ドリップ吸収性シートが挟まれ、前記シートは、前記シートの外縁の一部が前記額縁部に入り込む固定端と、前記外縁の他の一部が前記額縁部から離れた自由端とを備えており、前記上面四方フィルムと前記シートの間にドリップを生じる食品が配置され、四辺の前記額縁部が熱シールされていることを特徴とする包装体である。
ここで、前記上面四方フィルムまたは前記下面四方フィルムのいずれか一方が、一方向直線カット性を有するフィルムであり、かつ他方が一方向直線カット性を有さないフィルムであって、前記額縁部の前記熱シールがなされた部分内に、上下に貫通した切り込み摘み部が、前記一方向直線カット性を有するフィルムの当該一方向に沿って設けられていることは好ましい。
魚や肉類のようなドリップが生じる食品を包装する際に取り扱いやすく、吸収材料の位置ずれなどが生じず、かつ比較的安価な吸収材料が使用できる包装材料が得られる。
本発明の実施の形態例について、図面を用いて具体的に説明する。図1は、実施形態例の包装材料の概略構成を示した模式図である。図1(a)は、包装材料1を上面から見た模式図であり、(b)は、包装材料1の層構成の概略を示した模式図であり、(c)は、包装材料1全体の斜視図である。
包装材料1は、上面フィルム10と下面フィルム20と、それらの間に挟まれたドリップ吸収材料であるドリップ吸収シート30とが積層され、それらの一部が熱シールされて一体化されることで構成されている。上面フィルム10と下面フィルム20は、それぞれほぼ同じ大きさの略長方形であり、それぞれの周辺部には一定幅で帯状の額縁部11、21が設けられている。これらの部分が四方ヒートシールされることにより、フィルム中央のヒートシールされない部分12、22にドリップが生じる食品を封入することができる。
ドリップ吸収シート30も、図1(a)に示したように略長方形であるが、フィルムと比較して縦の長さはほぼ同じであるが横の長さが短くなっている。そして、ドリップ吸収シート30は、フィルムのほぼ中央になるように配置されている。そのため、ドリップ吸収シート30の相対する外縁31と32は、額縁部11、21の中に入り込んでいるが、他の相対する外縁33、34は、額縁部から内側方向に離れている。包装材料1では、このようにフィルムとシートが積層された状態で、ドリップ吸収シート30の外縁32を含む額縁部の一辺がヒートシールされている。これにより、帯状のヒートシール部40が設けられてフィルムとシートが一体化される。このとき外縁32は、上面フィルム10と下面フィルム20とのヒートシールによりフィルムに対して固定される。このようなドリップ吸収シート30の外縁を固定端という。ヒートシールにより固定されうる事情は、相対する外縁31についても同様であるから、外縁31も固定端と呼ぶ。ただし、外縁31は食品が包装材料1内に配置されてからヒートシールされるから、図1ではまだ固定されていない。包装材料1では、少なくとも一ヶ所のヒートシール済みの固定端が必要である。
このように、ドリップ吸収シート30の外縁の一部をあらかじめ上面フィルムと下面フィルムとの間に挟み込んで固定しているので、包装材料に食品を入れる際にシートが動いたりせず、またシートの折れ曲がりも生じにくい。さらに、包装材料の一辺だけをあらかじめヒートシールしているだけだから、食品を包装材料に入れる作業も容易である。
このような包装材料1は、上面フィルム10とドリップ吸収シート30の間に食品が配置されてから、包装材料1内部の空気が脱気されると共に残りの三辺がヒートシールされることにより、包装体を構成する。なお、このとき、ドリップ吸収シート30の他の相対する外縁33、34は、額縁部から内側方向に離れているので、四方の額縁部がヒートシールされた後でもフィルムに対して固定されない。そのため、このような外縁33、34を自由端と言う。このような自由端を設けることにより、四方の額縁部がヒートシールされて包装体が形成された後に、吸収シートがドリップを吸収しやすくなる。
上面フィルム10は、透明で強度やその他の機能を有する支持体層13と、やはり透明でヒールシール機能を有する熱可塑性樹脂層14とを備える。この透明な上面フィルムを介して消費者は封入されている食品の外観を購入前に観察できる。支持体層13は、強度面から一般にポリプロピレン(以下PP)製延伸フィルム(以下OPP)、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン12などのナイロン樹脂(以下Ny)製延伸フィルム(以下ONy)、ポリエチレンテレフタレート(以下PET)、ポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル系樹脂の二軸延伸フィルム等が好適に用いられる。また、必要に応じてこれら以外のフィルムを用いることもできる。支持体層13の厚みは、7ミクロン以上70ミクロン以下が強度維持と透明性確保の観点から好ましく、9ミクロン以上65ミクロン以下がより好ましく、12ミクロン以上60ミクロン以下がさらに好ましい。
支持体層13の他の機能としては、例えば、ガスバリヤー性、中でも酸素バリヤー性を持たせることは好ましい。バリヤー性の付与の方法として、例えば、前記のOPP、ONy、PETフィルムの表面にポリ塩化ビニリデン(以下PVDC)、ポリビニルアルコール(以下PVA)、オルガノシロキサン等のバリヤー性を有する層をコーティングしたフィルムを用いることができる。また、OPPの代わりにPPとエチレン−ビニルアルコール共重合体樹脂(以下EVOH)を積層し延伸したフィルム等を用いたり、ONyの代わりにNyとメタキシレンアジパミド樹脂を積層し延伸したフィルムやNyとEVOHを積層し延伸したフィルム等を用いることができる。また、前記OPP、ONy、PETフィルムに、PVDCフィルム、EVOHフィルム等のそれ自身がガスバリヤー性を有するフィルムを積層することができる。さらに必要に応じて前記各種フィルムならびに前記以外のフィルムを積層して用いてもよい。また、消費者の購買意欲を促進するためや包装された食品に関する情報を表示するために、前述したOPP、ONy、PETフィルム等の支持体層の一部に印刷を行なってもよい。
上面フィルム10の熱可塑性樹脂層14は、ヒートシール強度が高くて透明であればよく特に制限はないが、比較的融点が90℃〜165℃と低い熱可塑性樹脂が好適に用いられる。特に低密度ポリエチレン(以下LDPE)、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、エチレン−αオレフィン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体(以下EVA)、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体等を好適に用いることができる。十分なヒートシール強度が得られる限り、比較的融点が高いポリプロピレン系樹脂などの熱可塑性樹脂を用いてもよい。また、前記各樹脂はそれぞれ単独で用いても良く、2種または3種以上を混合して用いても良い。なお、熱可塑性樹脂層14は、熱可塑性樹脂を主体として50重量%以上含んでいるのが好ましい。
熱可塑性樹脂層14には、本発明の目的を妨げない限り他のものを含んでいても良い。例えば、ドリップの腐敗を防止できる抗菌剤を含むのは好ましい。使用できる抗菌剤としては、熱可塑性樹脂に混入して食品に使用できる公知のものから選択して用いればよい。抗菌剤は、無機系抗菌剤でも有機系抗菌剤であっても良い。無機系抗菌剤としては、銀、亜鉛、銅、チタン、モリブデン等の金属又はそれらの金属イオンを、シリカ、ゼオライト、合成ゼオライト、リン酸ジルコニウム、リン酸カルシウム、リン酸亜鉛カルシウム、セラミック、アルミナシリコン、チタンゼオライト、アパタイト、炭酸カルシウム等の無機質微粒子に担持させたものや、ゾルーゲル法により無機化合物粒子の表面を、他の無機酸化物、複合酸化物等により積層または被覆等したものが挙げられる。有機系抗菌剤としては、キチン、キトサン、ワサビやカラシの抽出物、ヒノキチオール、茶抽出物等の天然物、また、イソチオシアン酸アリル、ポリオキシアルキレントリアルキルアンモニウム、塩化べンザルコニウム、へキサメチレンビグアニド塩酸塩、有機シリコン第4級アンモニウム塩、フェニルアミド系化合物、ビグアニド系化合物、スルホイソフタル酸テトラアルキルホスホニウム塩またはそのジエステル等が挙げられる。さらには、アンモニウム塩基、ホスホニウム塩基、スルホニウム塩基、フェニルアミド基、ビグアニド基等の抗菌活性基を主鎖または側鎖に有する高分子化合物であってもよい。
熱可塑性樹脂層14には、さらに必要に応じて、スリップ剤、アンチブロッキング剤、帯電防止剤、防曇剤等を含んでいてもよい。
熱可塑性樹脂層14の厚みは、20ミクロン以上100ミクロン以下であることが好ましい。20ミクロン以上であると、ヒートシール強度の維持および、フィルムの重なりによる段差やフィルムの皺、シールする個所に付着した内容物等の異物に対する追随性がより良好となり、シールの密封性が完全になりやすいことから好ましい。また、100ミクロン以下であると、フィルムの取り扱いのし易さや経済性から好ましい。より好ましくは、30ミクロン以上80ミクロン以下であり、さらに好ましくは、40ミクロン以上70ミクロン以下である。また、ヒートシール強度は、20N/15mm幅以上であることが好ましい。この範囲で、運送途中等での予期せぬ破袋などのトラブルが生じない。また、ヒートシール温度は、130℃以上180度以下であることが好ましい。
上面フィルム10を製造する方法には特に制限はなく、公知の多層フィルムの製造方法を利用できる。例えば、支持体層13を構成するフィルムを用意し、熱可塑性樹脂層14を構成するフィルムをTダイスから押出しながらラミネートするのでも良い。その際、必要に応じてフィルム表面にアンカーコート剤を塗布してもよい。支持体層の樹脂によっては両者を共押出ししても良いし、両方のフィルムを製造してから他の樹脂層や接着剤を介在して貼り合わせても良い。介在層に使用する樹脂としては、例えば、LDPE、エチレン−αオレフィン共重合体、EVA、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体、PP等がある。いずれにせよ、上面フィルムが透明で一定の強度を有すればよい。
下面フィルム20は、上面フィルム10と同様に支持体層23と熱可塑性樹脂層24とを備える。この熱可塑性樹脂層24は、上面フィルム10の熱可塑性樹脂層14と相対するように配置され、両方の熱可塑性樹脂層が接してヒートシールされることになる。包装体を構成した場合には、食品は上面フィルム10側に配置され、下面フィルム側にはドリップ吸収シート30が配置される。ドリップ吸収シート30は一般に不透明であるから、下面側から食品を見ることは難しい。そのため、下面フィルム20は、透明であっても不透明であっても良い。吸収シート30がドリップを吸収した後に着色した状態を目隠しするためには、不透明である方が好ましい。不透明にするには、顔料等の着色剤を支持体層23に含有させても良いし、食品に関する情報を印刷するのに合わせて、目隠しとなるように下面フィルムの全面に印刷を行っても良い。
下面フィルム20の支持体層23は、上面フィルム10の支持体層13と同様な強度を達成できればよく特に制限されない。そのため、上面フィルム10と同様の樹脂を用いて同様の層構成にしても良いし、異なる樹脂を用いて異なる層構成としても良い。また、下面フィルム20は透明である必要がないことから、蒸着アルミニウム層等の不透明層を含めるようにしても良い。
一方、下面フィルム20の熱可塑性樹脂層24は、ヒートシール強度の観点から、上面フィルム10の熱可塑性樹脂層14と同じ樹脂や組成を用いて同様にして構成するのが好ましい。異なる樹脂や層構成を用いる場合は、所定のヒートシール強度が出ればよい。
下面フィルム20の製造方法は、上面フィルム10と同様に特に制限されない。上面フィルムと同様にしても良いし、異なる製造方法としてもよい。製造の簡単さの観点からは、上面フィルムと下面フィルムで同じフィルムを用い、下面フィルムの全面に目隠しの印刷を行うのがよい。
ドリップ吸収シート30は、魚や肉類から生じるドリップを吸収する。そのためには、表面が親水性で、かつ多孔質や繊維状等の形状をなして表面積が大きい吸収材料のシート状加工物34を使用する。ただし、食品にシート状物36の破片等が付着することは好ましくないから、細かい断片や破片等が生じないものを使用すればよい。このような吸収材料としては、従来公知の吸収材料を用いることができる。例えば、レーヨン等の再生繊維や綿またはパルプ類を用いた不織布または織布、表面を異形にして表面積を大きくしたり親水性加工を施したポリエステル繊維やナイロン繊維等の不織布や織布等が挙げられる。好ましくはレーヨンの不織布である。このような吸収材料の好ましい坪量の範囲は、単位面積あたりの吸収能力の観点から、30g/cm2以上80g/cm2以下であることが好ましく、より好ましくは40g/cm2以上60g/cm2以下である。
ドリップ吸収シート30には、食品に触れる側に目隠し用の不透明フィルムを貼り合わせておくことが好ましい。消費者は上面フィルム10を通して食品の外観を観察する。その際、吸収材料のシート状物36が血液等を含んだドリップを吸収して着色していると、一種の不衛生感を与えることになる。この着色されたシート状物の表面に目隠し層35を設けることにより、この不衛生感を減少せしめることができる。
目隠し層35は、ドリップを吸収しない衛生的なものであればよく、材質は特に制限されない。しかし、包装材料1では、ドリップ吸収シート30の固定端を含む部分を、上面フィルム10と下面フィルム20とに挟まれた状態でヒートシールする。その際、上面フィルムと下面フィルムのそれぞれの熱可塑性樹脂層14と24とが接してヒートシールされる。このヒートシールの強度を増す観点から、目隠し層35の材質は、熱可塑性樹脂層14や24と同じ熱可塑性樹脂を用いるのが好ましい。目隠し層35は、目隠し機能を達成できるように、厚みは10ミクロン以上40ミクロン以下程度とするのがよい。好ましくは20ミクロン以上30ミクロン以下である。また、目隠し層の樹脂には、上面フィルムや下面フィルムの熱可塑性樹脂層と同様に抗菌剤を含ませるのが好ましい。目隠し層の面積が比較的大きくとれるので、上面フィルムや下面フィルムには抗菌剤を含めず、目隠し層だけに抗菌剤を含めるようにしても、所定の効果を発揮することができ好ましい。
このようなドリップ吸収シート30の製造方法としては、吸収材シート状物36と熱可塑性樹脂とを用いて、押出ラミネーション法により貼り合わせたり、吸収材シート状物36と熱可塑性樹脂フィルムとを製造して、加熱加圧して貼り合わせたり、接着剤を用いて貼り合わせたりしても良い。好ましくは、押出ラミネーション法を用いることである。目隠し層35の製造にあたっては、樹脂に顔料を含めて不透明とするのが良い。特に白色の顔料を用いるのが清潔感が得られやすく好ましい。
このような目隠し層35を備えたドリップ吸収シート30は、目隠し層35を上面フィルム10側とし、ドリップを吸収するシート状物36を下面フィルム20側となるように配置して用いる。食品から生じたドリップは、目隠し層35には吸収されずにその表面を伝って流れ、ドリップ吸収シート30の自由端33、34からドリップ吸収シート内に吸収される。
包装材料1を製造するには、図1(a)および(b)に記載のように、下面フィルム20、吸収材シート状物36、上面フィルム10とを所定位置で所定の向きに順次積み重ね、固定端31、32のいずれかを含んだ額縁部の一辺の部分(図1(a)では40の部分)をヒートシールして、これら三者の一部を一体化する。このとき、シートシール圧力は、100KPa以上1MPa以下と比較的高い圧力とするのが好ましい。これは、吸収材シート状物36を含めてヒートシールするため、的確にヒートシールするには高めの圧力とすることが好ましいからである。より好ましくは、100KPa以上700KPa以下であり、さらに好ましくは、200KPa以上500KPa以下である。
包装の際には、包装体内部から脱気することにより、包装材料を食品50に密着させるのが好ましい。これにより、包装体内部にドリップが溜まる部分が生じにくくなり、食品50から生じたドリップが速やかにドリップ吸収シート30に吸収される。また、ヒートシール部を除き、ドリップ吸収シート30は下面フィルム20と接合されていないから、包装時に生じる皺などにより、ドリップ吸収シート30と下面フィルム20との間にドリップが入り込みやすくなり、ドリップ吸収シート30の下面フィルム20と接する面からもドリップが吸収される。これにより、ドリップの吸収速度がより大きくなる。
図2(a)は、包装材料1の上面フィルム10とドリップ吸収シート30との間にドリップを生じる食品50が配置され、残る三辺に沿って額縁部11、21がヒートシールされた包装体2を示した模式図である。また、図2(b)は、図2(a)のA−A’断面を示した断面図である。ドリップ吸収シート30は、食品50のサイズに比して十分な広さをとることができるから、単位面積あたりのドリップ吸収力が比較的小さい吸収材を使用しても、十分な吸収量を確保することができる。ドリップ吸収シート30の自由端33、34は、包装後も食品50に対して開放されている。食品50から生じたドリップは、ドリップ吸収シート30の表面に設けられた目隠し層35の上を伝わって流れ、自由端33、34により形成された空間51、52から自由端33、34に到達し、自由端33、34および下面フィルムと接している面から吸収材シート状物の内部に吸収される。
このようにすることにより、食品包装時のドリップ吸収シートの位置ずれや折り曲がりが生じることなく、また、食品の包装材への投入も簡単となる。さらに、比較的ドリップ吸収能力の低い低コストの吸収材料を用いることができる。
図3は、図1の包装材料1で、さらにヒートシール部分を増加せしめた例である。図3(a)は、帯状のヒートシール部40が設けられたフィルムの一辺16に隣接した他の一辺17に沿った額縁部に、帯状のヒートシール部41が追加して設けられた例である。この包装材料3のように、あらかじめ隣接する二辺にヒートシール部を設けておくことにより、食品の投入時のトラブルを回避しながら、投入のし易さを確保することができる。同様な包装材料は、一枚のフィルムを二つに折りたたんで上面フィルムと下面フィルムとし、折りたたみ線に隣接する額縁部の一つにドリップ吸収シートを挟んでヒートシールしても得ることができる。
また、図3(b)は、(a)の一辺17にさらに隣接する一辺18に沿った額縁部に、三つ目の帯状のヒートシール部42が設けられた例である。このようにあらかじめ袋状の包装材料4としておくこともできる。この場合、図3(b)に記載されたように相対する固定端31、32の両方を固定することもできるから、食品投入時のトラブルがより生じにくくなる。なお、三つ目のヒートシール部42は、辺18に設けるのではなく、残る一辺に設けることもできる。同様な包装材料は、一枚のフィルムを二つに折りたたんで上面フィルムと下面フィルムとし、ドリップ吸収シートを挟み込んで折りたたみ線以外の三辺のうちの二辺をヒートシールしても得ることができる。
図4は、さらに他の形態の包装材料例を示した図である。図4(a)は、上面フィルム60、下面フィルム70、ヒートシール部89の構成は、図1の包装材料1と同様であるが、ドリップ吸収シート80の形態が異なる包装材料5の図である。このドリップ吸収シート80は、形状が8角形である点と、外縁が額縁部61、71に入り込む固定端81から84がフィルム四辺のいずれにも設けられており、また、自由端85から88も四ヶ所設けられている点が、図1のドリップ吸収シート30と異なる。このようにすることにより、ドリップ吸収シート80は、より確実に包装材料内部で固定される。また、食品投入時には、ドリップ吸収シート80の端部が必ず包装材料の端辺近くに存在するから、食品投入時のトラブルがより生じにくくなる。ドリップ吸収シートの形状は、六角形や台形などのシートの利用効率の良い形状でも良いし、その他の不定形でも良い。
図4(b)は、包装材料1に類似するさらに他の例の包装材料6を示した図である。この例では、ドリップ吸収シート90の固定端が、あらかじめヒートシール部95が設けられた外縁92の一ヶ所だけで、他の外縁91、93、94はいずれも自由端となっている点が、包装材料1と異なる。このように、ドリップ吸収シート90は、フィルムに対して線対称や点対称で配置されなくともよい。包装材料は、一部がヒートシールされた包装材料の段階で、ドリップ吸収シートの固定端の一つがフィルムに対して固定され、かつ包装体としたあとに、自由端が生じるようになっていればよい。
ところで、これらの包装材料は、ドリップが垂れたり雑菌が混入したりするなどの事態を防ぐため、食品を入れて密封される際に高いヒートシール強度になるように密封される。そのため、開封の際には、ハサミ等の道具を用いたり、手指で開く際には強い力で引っ張る必要が生じたりする。ところが、いちいち道具を用いるのは面倒であるし、手指で強く引っ張ると内容物の食品が転げ落ちたりしてトラブルが発生しやすくなる。
図5は、このようなトラブルが生じにくい包装材料の例を示した図である。図5の包装材料7は、図3(a)の包装材料3に類似した形態の、二辺がヒートシールされた包装材料の例である。包装材料7は、上面フィルム100と下面フィルム110の特性と層構成および、ドリップ吸収シート120の自由端123に近いヒートシール部131内に、易開封のためのコの字形の切り込み140による摘み部が設けられている点が、包装材料3と異なる。以下、これらの異なる点について説明する。
上面フィルム100は、一方向に直線カット性を有し、直線カット方向が図5(a)の両矢印107の方向になるように配置されている。また、下面フィルム110は、直線カット性を有さないフィルムが用いられている。このように構成することで、包装材料7に食品を入れて密封された包装体において、摘み部を手指でつまんで直線カット方向107に沿って引っ張ると、包装体が容易に開封できる。これにより、包装体の開封の際にハサミ等の用具が不要であるし、包装体を手指で引き裂いて開封しようとした場合に、勢い余って内容物が転げ落ちるなどのトラブルも生じない。
ここで、直線カット性とは、文字通り一方向に直線的に切り裂け易い性質を言い、具体的には、以下の測定方法で定義される性質を言う。すなわち、図6に示したように、積層フィルム製造時の流れ方向及び流れ方向に直角方向に沿って250mm四方の正方形にフィルム108を切出す。直線カット性を試験する方向と垂直な切出し片の端縁に30mm間隔をおいて2箇所のノッチを入れる。30mmの切れ目を指で掴んで直線カット方向と平行な方向にフィルムを引き裂く。すると、例えば、図6の破線のようにフィルムが切れる。一般にフィルムは、分子の配向方向や樹脂のブレンドした成分の配向方向によっては、フィルムの切れ具合がフィルムの引き裂き方向によって異なることがあるため上記の引き裂き試験をフィルムの左方向、右方向に付いてそれぞれ行い、引き裂いた時の引裂きの先端が細くなった方のフィルムの先端“X”の幅をもって直線カット性を判断する。いずれかの方向で、Xの値が5mm以上となるフィルムを直線カット性があるフィルムと言い、いずれの方向でも、Xの値が5mm未満又は引裂きが対向する端縁まで至らないものを直線カット性が無いフィルムと言う。
図5(b)は、包装材料7を構成する上面フィルム100、下面フィルム110、ドリップ吸収シート120の、積層順序とそれぞれの層構成の概略を示した模式図である。包装材料7が、図1(b)の包装材料1の積層構成と異なるのは、上面フィルムと下面フィルムの支持体層だけなので、この部分について説明する。
まず、上面フィルム100の支持体層141は、直線カット性を有するフィルムから構成される。この直線カット性を有するフィルムとしては、一軸延伸ポリエチレンフィルム、一軸延伸ポリプロピレンフィルムなどの縦一軸又は横一軸延伸ポリオレフィン系樹脂フィルムや、例えば特開平7−113015号公報に記載されたようなナイロン6樹脂にポリメタキシリレンアジパミド樹脂を混合して層分離構造と延伸条件を工夫した二軸延伸ポリアミド系樹脂フィルム、また例えば特開平11−300916号公報に記載されたような、ポリエチレンテレフタレート樹脂にポリブチレンテレフタレート樹脂を混合して層分離構造と延伸条件を工夫した二軸延伸ポリエステル系樹脂フィルムなどを用いることができる。また、これらに支持体層13と同様の基材フィルムや他の中間フィルムを積層して用いることも可能である。さらに、特開平9−156649号公報に記載されているフィルムの分子配向性が相違する2枚のフィルムを背中合せに積層した、即ち2枚のフィルムが1組になって直線カット性を発揮するような組合せのフィルム層を層構成の一部に用いて、上面フィルム100に直線カット性を付与しても良い。
下面フィルム110の支持体層151は、直線カット性を有さないフィルムから構成されている。このようなフィルムとしては、例えば、支持体層141を構成するフィルムと同様の材質で、未延伸のものを好適に用いることができる。直線カット性を有さないフィルムに関しても、支持体層141と同様な基材フィルムや中間フィルムなどを積層して用いることができる。
易開封のための摘み部を構成するコの字形の切り込み140は、この例ではヒートシール部131内に設けられ、上面フィルム100と下面フィルム110を貫通するコの字型の切り込みである。この切り込みは、先端が上面フィルムの直線カット方向107に略平行方向となるようにして、ドリップ吸収シート120の自由端123に近いヒートシール部131のほぼ中央部分に設けられている。
切り込み140は、直線カット方向の幅が5mm以上30mm以下であり、摘みを指で簡単に摘み出せる大きさとなっている。5mm以上とすることで摘み易く、30mm以下では、摘み部を摘んで包装体を開封する時に、摘み部の摘む位置によっては切り込みに斜めに力がかかってしまい、開封がスムースに進行しなくなるという現象が生じにくくなる。好ましくは10mm以上20mm以下である。切り込み140は、直線カット方向107に略並行で包装材料7の食品を配置する部分に向いた二つの先端を有し、曲線または直線の組み合わせにより摘み部が摘みやすい形状となるものであればよい。切り込み140の直線カット方向の長さも、手指で摘みやすく、かつ切り込み140がヒートシール部131内に留まる範囲とすればよい。
このような切り込み140は、ヒートシール部131をヒートシールしてから、所定の型刃等を用いて付与するようにすればよい。ヒートシールする前に切り込みを付与することもできるが、ヒートシールする際に切り込みが熔着したり、ずれたりするため、ヒートシール後に切り込みを付与するのがよい。そのため、包装材料7では、ヒートシールされた部分に切り込み140を付与している。なお、包装材料に食品を入れて密封してから、所定の治具を用いて、所定の切り込みを付与することもできる。
図7は、図5の包装材料7に食品を入れて密封した包装体の、開封の途中状態を表した図である。開封は上面フィルム100を上にして摘み部を指で起して摘み、包装体の上面フィルム100の矢印で示した直線カット方向に引張る。すると、摘み部は、先細りの切り取り線162に従って下面フィルム110を切り取って穴161を残し、同時に、直線カット方向の切り裂きライン163、164に沿って上面フィルム100を切り裂き、上面フィルム100から帯状の開封片160が切り取られることで包装体が開封される。
ここで、下面フィルム110は直線カット性を有さないため、直線カット性を有する上面フィルム100の直線方向の引き裂きに影響されて直線方向に引き裂き力が加わるものの、包装体のヒートシール部の内側端縁から少し内側に入ったところで、引き取り線162の様に先細り状になって引き裂けて一部が切り取られ、帯状の開封片160と一緒に下面フィルム110から分離される。その結果、ほぼ包装体の上面フィルム100のみを開封片160として切り取ることができる。開封片160による引き裂きは、開封を開始した部分から、直線カット方向に沿って食品を入れる部分を経由して、相対するヒートシール部に達して停止する。開封片160は、包装体に付いたままとなり、ゴミとして散乱することが無い。
なお、上記例とは逆に、上面フィルムを直線カット性の無いフィルムとし、下面フィルムを直線カット性のあるフィルムとすることもできる。しかし、この構成では、下面フィルムを開くとまずドリップ吸収シートが出現することになるため、食品が取り出しにくい。従って、上面フィルムを直線カット性のあるフィルムとし、下面フィルムを直線カット性の無いフィルムとするのが好ましい。
図8は、図1(a)の包装材料1に類似し、上面フィルム170の直線カット方向を両矢印172で示した方向とし、易開封性とするための切り込み210を、ドリップ吸収シート190の固定端192を含むヒートシール部200内に設けた包装材料9の例である。この例では、切り込み210は、ヒートシール部200のドリップ吸収シート190が積層されている部分を避けて、ドリップ吸収シート190の自由端194と、それに近い額縁部との間に、切り裂きラインが生じる位置に設けられている。これは、ドリップ吸収シート190が積層された位置に切り込み210を設けると、開封の際に、フィルムと一緒にドリップ吸収シート190も一部が切り裂かれることになり、食品にシートの破片などが付着するおそれが生じるからである。そのため、切り込み210は、ドリップ吸収シート190に影響しない位置に設けている。
つまり、切り込みは、その先端の方向が食品を入れる部分を横断する方向となるようにして、上面シートと下面シートとがシートを挟むことなくヒートシールされた部分に、上面シートと下面シートとを貫通するようにして設けるのが好ましい。
このようにすることにより、魚や肉類などのドリップを生じる食品を包装するにあたり、開封し易さを考慮することなく、十分に強いヒートシール強度で包装体を密封することが可能となる。以下、本発明を実施例に基づいて説明する。
上面フィルムおよび下面フィルムの支持体層を構成するフィルムとして、厚み15μの二軸延伸ナイロンフィルム(ONy、ユニチカ社製、商品名エンブレムON)を用いた。このフィルムに、密度0.918で、MFRが5の低密度ポリエチレン樹脂を、Tダイスを装着した押出機から厚み60μとなるように押出して、押出ラミネーションを行った。その際、フィルムには、ポリウレタン系2液硬化型のアンカーコート剤を0.5μ厚みとなるようにコートしてからラミネーションを行った。これを縦15cm×横20cmの長方形にカットして、上面フィルムおよび下面フィルムとして用いた。
ドリップの吸収材料として、レーヨン系不織布(アールストローム社製、商品名777:55、坪量が40g/m2のもの)を用いた。また、密度0.918でMFRが5の低密度ポリエチレン樹脂に、ポリエチレン樹脂ベースに酸化チタン系白色顔料を50重量%配合した白色マスターバッチを、20重量%となるように配合したものを用意した。この配合物をTダイスを装着した押出機から厚み20μとなるようにして、先の不織布上に押出し、押出ラミネーションを行って白色の目隠し層を不織布上に設けた。このシートを縦15cm×横15cmの正方形にカットしてドリップ吸収シートとした。
これらを図1に記載のように積層し、ドリップ吸収シートが積層されている額縁部の一辺に沿って15mm幅の帯状でヒートシールして三者を接合して包装材料を得た。ヒートシール温度は180℃で、ヒートシール圧は400KPaとした。
次に、適当な大きさの魚の切り身を用意し、上記で得た包装材料の上面フィルムとドリップ吸収シートの間にこの魚の切り身を置いて、脱気しながら残り三辺を先のヒートシール条件と同じ条件でヒートシールして包装体を得た。この包装体を冷蔵庫中に三日間保存してから取り出した。包装体の上面シートから内容物を観察すると、包装体中にはドリップが溜まっておらず、また、ドリップの色も観察できなかった。そこで、包装体をハサミを用いて開封してドリップ吸収シートを取り出してみると、目隠し層のない裏面がドリップで赤黒く変色しているのが観察された。
支持体層を構成するフィルムとして、二軸延伸ポリエステルフィルム(ユニチカ社製、商品名エンブレットPET、厚み12ミクロン)を用いた以外は、実施例1と同様にして包装材料を得て、これに実施例1と同様の魚の切り身を密封して包装体を得た。これを実施例1と同様にして保存実験を行ったところ、実施例1と同様な結果となった。
上面フィルムとして、ユニチカ株式会社製の厚み12ミクロンの縦方向直線カット性ポリエチレンテレフタレートフィルムのエンブレットPCに、ポリウレタン系アンカーコート剤を介して、Tダイスより密度0.920g/cm3で厚み40ミクロンの低密度ポリエチレンを押出して押出ラミネーション法により貼り合わせた。また、下面フィルムとして、直線カット性ポリエチレンテレフタレートフィルムの替わりに直線カット性を有さない厚み12ミクロンの通常のポリエチレンテレフタレートフィルムを用いた以外は上面フィルムと同様にして積層フィルムを得た。
これらを実施例1と同様にカットしてドリップ吸収シートを挟んで積層し、隣接する二辺の額縁部を幅15mmで帯状にヒートシールした。上面フィルムの直線カット方向は、フィルムの長辺に並行になるようにした。さらに、短辺のヒートシール部の中央に、直線カット方向の長さが8mmで幅が10mmとなるコの字形状の切り込みを、切り込みの先端が直線カット方向に並行で包装材料の内側を向くようにして設けて、易開封のための切り込みを有する包装材料を得た。
これを用いて実施例1と同様にして包装体を得て、冷蔵庫に保存する実験を行った。包装体の上面シートから内容物を観察すると、包装体中にはドリップが観察されなかった。開封にあたり、切り込みによって形成された摘み部を手指で摘み、直線カット方向に引っ張ったところ、容易に上面フィルムが引き裂けて開封でき、内容物を取り出すことができた。また、ドリップ吸収シートを取り出してみると、やはり裏面が赤黒く変色していた。
1、3〜9 包装材料
2 包装体
10、 上面フィルム
11 上面フィルムの額縁部
12 上面フィルムの食品収納部
13 支持体層
14 熱可塑性樹脂層
16〜18 辺
20 下面フィルム
21 下面フィルムの額縁部
22 下面フィルムの食品収納部
23 支持体層
24 熱可塑性樹脂層
30 ドリップ吸収シート
31、32 外縁(固定端)
33、34 外縁(自由端)
35 目隠し層
36 吸収材シート状物
40〜43 帯状ヒートシール部
50 食品
51、52 空間
60 上面フィルム
61 上面フィルムの額縁部
70 下面フィルム
71 下面フィルムの額縁部
80 ドリップ吸収シート
81〜84 固定端
85〜88 自由端
89 帯状ヒートシール部
90 ドリップ吸収シート
91、93、94 外縁(自由端)
92 外縁(固定端)
95 帯状ヒートシール部
100 上面フィルム
101 上面フィルムの額縁部
102 上面フィルムの食品収納部
103〜106 辺
107 直線カット方向
108 試験フィルム
110 下面フィルム
111 下面フィルムの額縁部
112 下面フィルムの食品収納部
120 ドリップ吸収シート
121、122 外縁(固定端)
123、124 外縁(自由端)
125 目隠し層
126 吸収材シート状物
130、131 帯状ヒートシール部
140 コの字型切り込み
141、151 支持体層
142、152 熱可塑性樹脂層
160 開封片
161 切り取り穴
162 切り取り線
163、164 切り裂きライン
170 上面フィルム
171 上面フィルムの額縁部
172 直線カット方向
180 下面フィルム
181 下面フィルムの額縁部
190 ドリップ吸収シート
191、192 外縁(固定端)
193、194 外縁(自由端)
200 ヒートシール部
210 易開封用の切り込み
2 包装体
10、 上面フィルム
11 上面フィルムの額縁部
12 上面フィルムの食品収納部
13 支持体層
14 熱可塑性樹脂層
16〜18 辺
20 下面フィルム
21 下面フィルムの額縁部
22 下面フィルムの食品収納部
23 支持体層
24 熱可塑性樹脂層
30 ドリップ吸収シート
31、32 外縁(固定端)
33、34 外縁(自由端)
35 目隠し層
36 吸収材シート状物
40〜43 帯状ヒートシール部
50 食品
51、52 空間
60 上面フィルム
61 上面フィルムの額縁部
70 下面フィルム
71 下面フィルムの額縁部
80 ドリップ吸収シート
81〜84 固定端
85〜88 自由端
89 帯状ヒートシール部
90 ドリップ吸収シート
91、93、94 外縁(自由端)
92 外縁(固定端)
95 帯状ヒートシール部
100 上面フィルム
101 上面フィルムの額縁部
102 上面フィルムの食品収納部
103〜106 辺
107 直線カット方向
108 試験フィルム
110 下面フィルム
111 下面フィルムの額縁部
112 下面フィルムの食品収納部
120 ドリップ吸収シート
121、122 外縁(固定端)
123、124 外縁(自由端)
125 目隠し層
126 吸収材シート状物
130、131 帯状ヒートシール部
140 コの字型切り込み
141、151 支持体層
142、152 熱可塑性樹脂層
160 開封片
161 切り取り穴
162 切り取り線
163、164 切り裂きライン
170 上面フィルム
171 上面フィルムの額縁部
172 直線カット方向
180 下面フィルム
181 下面フィルムの額縁部
190 ドリップ吸収シート
191、192 外縁(固定端)
193、194 外縁(自由端)
200 ヒートシール部
210 易開封用の切り込み
Claims (11)
- 支持体層と熱可塑性樹脂層とを有する透明な上面フィルムと、熱可塑性樹脂層と支持体層とを有する下面フィルムとが、前記熱可塑性樹脂層どうしを相対して互いの額縁部を重ね合わせており、前記上面フィルムと前記下面フィルムとの間には食品ドリップ吸収性シートが挟まれ、前記シートは、前記シートの外縁の一部が前記額縁部に入り込む固定端を備えると共に、他の一部が前記額縁部から離れた自由端を備え、かつ前記額縁部の前記固定端を含む一辺に沿った部分が熱シールされていることを特徴とする包装材料。
- 前記固定端が相対する二辺に設けられており、前記自由端が他の相対する二辺に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の包装材料。
- 前記固定端と前記自由端とが、いずれの四辺にも設けられていることを特徴とする請求項1に記載の包装材料。
- 隣接する二辺が熱シールされていることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の包装材料。
- 三辺が熱シールされていることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の包装材料。
- 前記シートの前記上面フィルム側に、熱可塑性樹脂からなる目隠し層が設けられていることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の包装材料。
- 前記目隠し層が、抗菌剤を含有していることを特徴とする請求項6に記載の包装材料。
- 前記シートが、不織布であることを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の包装材料。
- 前記上面四方フィルムまたは前記下面四方フィルムのいずれか一方が一方向直線カット性を有するフィルムであり、かつ他方が一方向直線カット性を有さないフィルムであって、前記額縁部の前記熱シールがなされた部分内に、上下に貫通した切り込み摘み部が、前記一方向直線カット性を有するフィルムの当該一方向に沿って設けられていることを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載の包装材料。
- 支持体層と熱可塑性樹脂層とを有する透明な上面四方フィルムと、熱可塑性樹脂層と支持体層とを有する下面四方フィルムとが、前記熱可塑性樹脂層どうしを相対して互いの額縁部を重ねており、前記上面四方フィルムと前記下面四方フィルムとの間には食品ドリップ吸収性シートが挟まれ、前記シートは、前記シートの外縁の一部が前記額縁部に入り込む固定端と、前記外縁の他の一部が前記額縁部から離れた自由端とを備えており、前記上面四方フィルムと前記シートの間にドリップを生じる食品が配置され、四辺の前記額縁部が熱シールされていることを特徴とする包装体。
- 前記上面四方フィルムまたは前記下面四方フィルムのいずれか一方が、一方向直線カット性を有するフィルムであり、かつ他方が一方向直線カット性を有さないフィルムであって、前記額縁部の前記熱シールがなされた部分内に、上下に貫通した切り込み摘み部が、前記一方向直線カット性を有するフィルムの当該一方向に沿って設けられていることを特徴とする請求項10に記載の包装体。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004024971A JP2005212882A (ja) | 2004-02-02 | 2004-02-02 | ドリップ吸収袋 |
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JP2004024971A Pending JP2005212882A (ja) | 2004-02-02 | 2004-02-02 | ドリップ吸収袋 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2008228817A (ja) * | 2007-03-16 | 2008-10-02 | Towa:Kk | ドリップバッグ |
-
2004
- 2004-02-02 JP JP2004024971A patent/JP2005212882A/ja active Pending
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