JP2005209445A - 金属部材の電子ビーム照射表面改質加工装置 - Google Patents

金属部材の電子ビーム照射表面改質加工装置 Download PDF

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Abstract

【課題】金属部材の広い領域の表面改質加工を効率良く、高速度で均一に万遍なく仕上げる表面改質電子ビーム加工装置を提供する。
【解決手段】低圧ガス中の環状アノードと大面積カソード間で、アノードプラズマとカソードプラズマを有して発生するグロー放電を閉じ込め磁場中で発生させ、さらにカソードに高い、負の電圧パルスを印加することにより、プラズマを通路とする絞られない大面積の電子ビームパルス11,11−2を発生させてワーク12に照射加工するもので、電子ビーム発生部を収納する筒状のビームハウジング部1A,1A−2が、加工処理ハウジング部1Bに対し、ワーク12を設置するテーブル27の相対的な軸移動の方向に一対を、前記ビームハウジング部1A,1A−2から照射される電子ビーム断面の有効径Lの1を含む整数倍Nの間隔を置いて設けた構成とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、金属義歯や各種の金属、合金部品、或いは合金工具や各種の金型などの金属部材の表面に電子ビームを照射してその表面改質加工を行う加工装置の改良に関する。
鋼等の鉄系金属あるいはアルミニウム合金等の非鉄金属で構成され部材の表面に、極めて短時間の高密度エネルギビームの照射(電子ビーム照射、レーザビーム照射等)を行なって該エネルギビーム照射を停止すると、照射部位の表層部のみが局部的に溶融状態となった後、直ちに自己放冷によって再凝固するが、この溶融時に重力や表面張力の作用等によって凹凸が平滑化して表面粗さが改善され、次いでその状態のままで再凝固が為されるので、放電加工面や機械研削面を、格別な工具や砥粒等を要することなく短時間で表面の平滑化やアモルフアス化等の耐摩耗面化の表面改質加工が為されることが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
また、筒状アノードと、その軸線上の一方に配置され電子を放出するカソードと、両者間に形成される電子加速空間と、カソード及びアノード並びに加速空間のうちの少なくとも1つに軸方向の磁場を与える磁場付与手段と、金属義歯を保持してアノードの軸線上の他方に配置されてカソードからの電子ビームが照射されるコレクタと、カソード及びアノード間にパルス幅が0.5μs以上10μs以下のパルス状の加速電圧を与えてカソードの近傍にカソードプラズマ柱を発生させる第1電源手段と、アノードの内側にアノードプラズマ柱を発生させるための第2の電源手段とを有し、カソードプラズマ柱およびアノードプラズマ柱の間でつくられる電位二重層中にエネルギ密度が0.1J/cm以上の高エネルギの電子ビーム流を形成させる電子ビーム装置を用いて、金属義歯としてのチタン系合金製、コバルト系合金製又は貴金属系合金製の鋳物表面に電子ビーム流を繰り返し照射し、表面の平滑化仕上げと耐蝕性向上面とが手間と時間を掛けることなく得られることも知られている(例えば、特許文献2参照。)。
そして、上述の金属義歯の表面改質加工用の電子ビーム加工装置は、前述のように工夫された構成及び制御操作によって最大でビーム直径が60mmの大面積の比較的均一な高エネルギ密度電子ビームを発生させることができるものであり、各種鋼製の金型の機械切削、研削加工後や放電加工後の表面仕上げ及び表面改質加工に有用に適用し得るものであることも知られている(例えば、非特許文献1参照。)。
以下この表面改質加工方法及び装置の一例を説明するに、図7は、全体構成の概略を示す装置断面図で、1は真空ハウジング、6は環状アノード、8は大面積カソード、Sは電子加速空間、5は上下ソレノイドコイルから成る磁場付与手段、14はビームコレクタを示している。前記真空ハウジング1は、電子ビーム発生部を収納する筒状のビームハウジング部1Aと、電子ビームの照射を受けるコレクタ14等を収納する加工処理ハウジング部1Bとから成り、前記ビームハウジング部1Aは電子ビームを上下鉛直方向に照射するように設置されるのに対し、加工処理ハウジング部1Bは、コレクタ14上のワーク12を、鉛直照射電子ビーム11に対して直交する水平方向に移動又は送り位置決めし得るように回転台13又は直線1軸若しくは直交2軸のテーブルに取り付け収設している。
前記回転台13は廻りにコレクタ14を取り付けた円形板13Aと、該円形板13Aを加工処理ハウジング部1Bに取り付け支持する回転支柱13Bと、加工処理ハウジング部1B壁に気密に取り付けられた回転支柱13Bを外部で回転駆動するように設けた回転モータ13Cを有し、所要のコレクタ14の載置ワーク12を電子ビーム11の照射を受ける加工処理ポジションPAに位置させることが出来るように構成されている。
前記真空ハウジング1には、スクロールポンプ2とターボ分子ポンプ3とが夫々流量調節弁2A、3Aを介して連結され、さらに、アルゴン(A)等のガスボンベ15を、図示しない真空ハウジング部1に設置の真空センサによる検出ガス圧が、設定ガス圧となるよう制御される圧力調整弁4を介して連結することにより、真空ハウジング部1内は、一旦1×10−2Pa以下の真空状態とした後、例えば、0.3〜0.5×10−1Pa程度の所定の低ガス圧状態に保たれる。
この図7の加工処理装置には、図7〜8で図示説明するように3つの、通常コンデンサ使用のパルス電源が設けられる。先ず第1のパルス電源16は、カソード8とアノード6及びコレクタ14間の陽極プラズマ7形成を伴う低圧ガス中放電を、カソード8とアノード6が対向する電子加速空間S内に安定的に閉じ込めた状態で行われるように、図9に示す磁場空間を前記電子加速空間Sを取り囲んだ状態に形成する電子ビーム照射軸方向に複数個設けられるソレノイド5、5励磁用コンデンサ充放電パルス電源で、具体的には、例えば、約1000μFのコンデンサを約1〜2KVに充電し、約100〜200Aの放電ピーク電流で、約10〜20msのパルス幅で放電させて前記閉じ込め磁場、例えば、4.4KOを発生形成させるよう、環状アノード6は、上下のソレノイド5、5の間に位置する。
次に第2のパルス電源17は、カソード8とアノード6及びコレクタ14に印加されて前記閉じ込め磁場が形成されている電子加速空間Sの領域に低圧ガス電離の陽極プラズマ形成を伴う低圧ガス放電、グロー放電を生成させるコンデンサ充放電パルスで、具体的には、例えば、約5μFのコンデンサを約4〜5KVに充電し、約50〜150Aの放電ピーク電流で、約10〜100μsのパルス幅で、前記第1のパルス電源のスイッチ・オンによる放電開始後約20μs〜5ms遅延させて、充分な磁場形成を待って放電のスイッチ・オンにして、前記陽極プラズマ7形成を伴う低圧ガスグロー放電を生じさせるパルス電源である。
そして、第3のパルス電源18は、前述第1のパルス電源16及び第2のパルス電源17により、閉じ込め磁場中での陽極プラズマ7の形成を伴う低圧ガス放電領域から、大面積のエネルギ密度が適度に高い電子ビーム11の短いパルスを発生照射させるために、立ち上がりが、例えば、約5〜10nsの立ち上がり時間の短いパルス、具体的には、例えば、約3μFのコンデンサを約20〜60KVに充電し、約5〜25KAの放電ピーク電流で、約1〜5μsの極めて短いパルス幅で、前記第2のパルス電源のスイッチ・オンによる放電開始後約10〜100μs遅延させて低圧ガス放電が発生したのを待ってスイッチ・オンすることにより、カソード8に高い立ち上がりの負の高電圧パルスを印加し、アノード6からのイオンビームによってカソード8表面に高密度のカソードプラズマを形成させ、該高密度のカソードプラズマとカソード8からの電子とにより生成する高密度の電子ビーム11を陽極プラズマ7を通じて、アノード6の環内を通り、コレクタ14に照射されることになるのである。
このような、大面積のパルス電子ビーム11の、照射による金属材の表面仕上げ、及び/または表面の改質加工には、前記電子ビーム11のエネルギ密度が約0.1〜10J/cm程度で、継続照射時間が数μs以内の短いものであるから、ワーク12の表面の電子ビーム照射領域に対して、所定複数回繰り返し照射する場合や、ワーク12表面の電子ビーム11の径よりも大きい領域を順次にスキャンニングして加工等をする場合には、前記第1乃至第3の各パルス電源16〜18を再充電してパルス電子ビームの発生、照射を繰り返えさせる必要があるもので、上述のような電源構成の場合、加工処理の目的、効果から約5〜10s毎又はそれより短い時間間隔で繰り返し照射し得る仕様とすることが望ましいものである。
以上の構成によれば、前述第2の電源17はパルス電源で、アノード6及びカソード8間に対する電圧印加による電界は常時ではなく、また熱電子などの積極的な供給はないので、電圧印加時の上述プラズマ形成は容易でないが、このため第2の電源17によるアノード6及びカソード8間電圧印加に先だって、第1のパルス電源16によるソレノイド5、5の励磁による磁場を生成作用させ、低圧ガス中に存在する自然電子を回転させて電子加速空間S内から逃げ出さないようにするのである。なお、第2のパルス電源17によるパルス電圧印加時に、電離を起動させるための初期荷電粒子の発生には、(1)カソード8の微小な突起物の電界集中を利用する、(2)カソード8を加熱して熱電子を放出させる、(3)紫外線など光を照射して光電子を作る、(4)別の粒子源で荷電粒子を発生させておいて注入するなどの補助的手段を付設作動させるようにしてもよい。
ここで、前記作用磁場が、コンデンサの放電が進んでほぼ最大となったところで、アノード6及びカソード8間に第2のパルス電源17からアノード電圧を印加すると、磁場中に補足されている電子は螺旋を描くことによりガス分子との衝突の頻度が大きくなって進行し、ガス分子と衝突して電離し、発生した電子と正イオンとは、夫々反対方向に移動して電離を繰り返す。このとき電子は速やかにアノード6及びカソード8間を通過するのに対し、正イオンは移動度が小さいので短い時間の間には一部以上が残留し、電界の歪みが生じる。即ち、カソード8の周辺に正イオンが多くなり、それがカソード8側の電界を強め放電を進展させる傾向をもつ。正イオンが電子に対し過剰に多くなれば、アノード6及びカソード8間に電位差が生じ、アノード6に向かう電子はそこでトラップ(捕捉)されるようになる。その結果アノード6の近くにアノードプラズマ7が生成し、電子トラップを解消しながらカソード8側へ成長する。
アノードプラズマ7部分では、正イオンと電子の密度がほぼ同じであるから、空間電荷電界は殆どなく極めて低い一様な電界で電子流をアノード6に運ぶ状態にある。之に対し、カソード8周辺では、電離によって必要な電子流を作ると同時に急峻な電界を作るのに必要な正イオンの蓄積が起こる。それらの正イオンは電離によって生じた正イオンとアノード6側から流れ込む正イオンとからなり、正イオンはカソード電極8に衝突し、電極から電子を叩き出す。それらの電子はガス分子と衝突して電離させ、之が次々と繰り返されることにより、一次電子、二次電子、三次・・・、の電子が生じる。
このようにして、十分電子が増殖されて正イオンとほぼ同量となる部分にカソードプラズマ9が形成され、急峻な電界を維持するためのバッファ作用の効果をもち、アノードプラズマ7とカソードプラズマ9との中間では僅かに電界は上昇し、再結合を防ぐ役割と消散する荷電粒子を補うために僅かに電離を起こす役割をする。即ち、カソード8周辺の強い電界の部分で、電子が発生・増殖され、カソードプラズマ9とアノードプラズマ7は導電性の良い電子の通路を形成しているものと考えられる。
この状態になったとき、前述した5〜10nsと言う短い立ち上がり時間で高い負の電圧(50〜60KV)の短い持続時間(1〜5μs)のパルス電圧を印加してカソード電位を深い負電位に下げると、カソード8の周辺電界はより急峻となり、電離による電子・イオンは爆的に増殖し、カソードプラズマ9及びアノードプラズマ7を通る大きいエネルギ密度(0.1〜1.0J/cm以上)の面積広がりを持った電子流が、環状アノード6を通りコレクタ14上のワーク12に照射されることになる。
この電子ビームの照射時間は、加工処理ワーク12の表面改質の物理的(物性的)条件から決まって来る因子で、これはワーク12材料の硬さと電子のエネルギ(KV)によって決まる電子が材料の内部へ侵入する深さと材料の熱伝導度とによる。なお、以上は、材料の表面を急速加熱した後急速冷却する手法で表面をアモルファス化して加工改質処理する場合を想定した場合であって、一般に軽い金属や熱伝導の良い金属は、電子ビーム照射時間を短くするものである。
このような断面が大面積の電子ビームのエネルギの分布密度を一様にするには、カソード8周辺の電界が一様であることが重要で、そのためにはカソードプラズマ9及びアノードプラズマ7を一様に形成しなければならず、そのためには、プラズマを均一に閉じ込める磁場の方式、形成が重要になる。放電空間が低ガス圧力(約1Pa以下)では、電子の平均自由行程が長くなり、電離のための衝突の機会が減少するので、プラズマの生成、維持は困難になる。これを可能にする方法として前述磁場を用いる方法がプラズマの閉じ込めに有効である所から、プラズマの生成、維持には有用であるが、プラズマの均一化には必ずしも有効でない。即ち、例えば、磁場強度を強くすると、電子は中心部に集中することになり、断面が大面積のプラズマを均一化することは難しい。
前記大面積の電子ビームのパルスは、その電子ビームの照射領域の各所に於けるエネルギ密度が、ソレノイド5の励磁電流を決定する第1のパルス電源のコンデンサ充電電源電圧はコンデンサの静電容量、又は電子ビーム発生部のグロー放電発生電源である第2のパルス電源の主としてコンデンサ充電電源の電圧でアノード電圧の設定切換えによって大凡0.1J/cm乃至10J/cmの範囲で変更設定できるように構成するのが手っ取り早く簡単であるが、この図示説明の大面積の大エネルギ電子ビームパルス発生装置は低圧ガス中の電極プラズマを用いた電子ビーム発生装置であるから、前述電子ビームのエネルギ密度を変更するのに真空ハウジング1内の低圧ガスのガス圧を変更するようにしても良い。
即ち、図10に照射電子ビームのエネルギ密度(J/cm)と真空ハウジング1内稀ガス(Ar)のガス圧(Torr)との関係を第3のパルス電源18による3つの異なる加速電圧の場合について示したように、ガス圧の変更によるエネルギ密度の変更設定が、比較的エネルギ密度の大きい領域で、加速電圧が高い場合ほど変更可能な幅が大きいことが判る。そして、このことから、逆に真空ハウジング1内のガス圧安定制御(<±1%)が重要なことが判る。
なお、前述照射電子ビームのエネルギ密度の変更は、第3のパルス電源18による加速電圧の変更によっても可能であるが、この加速電圧はパルス幅が約1〜5μsと短くて変更等の自由度が小さく、かつ加速電圧の変更は、照射電子ビームのワーク材料内部へ侵入する深さを変化させて、ビームのエネルギを材料の表面層のみに与えて改質処理等をすると言う処理の目的を損なう可能性があるので、この第3のパルス電源18は、調整設定された一定条件で、繰り返し使用することが望ましい。
特開平09−216075号公報 特開2003−111778号公報 宇野義幸、外4名「大面積パルス電子ビームによる金型の仕上げと表面改質」電気加工技術、社団法人電気加工学会、平成15年6月、第27巻、第86号、p.12−17、
以上のようにして、照射軸方向と直角方向の断面積が大きく、かつ照射領域各部のエネルギ密度が所定に大きい、パルス幅(照射時間)が所定に極めて小さい短い電子ビームのパルスが得られるようになったが、被処理金型が大きくなり、かつ該金型の被処理改質加工領域が広く、電子ビーム発生部を収納する筒状のビームハウジング部に対する加工処理ハウジング部に収納したワーク設置テーブルの水平方向の相対的な移動ストロークが大きくなるため、前記加工処理ハウジング部の内容積が巨大化し、真空ハウジングが大きくなり、ワーク出し入れや調整又は修正等の際の、エア抜き真空化処理に長時間を要し、他方設置床面積が大きくなると言う問題があった。
また、上述のように、被処理金型が大型で、改質加工の表面面積が大きいと、例えば、約60mmの幅の領域を長さ約1000mmにわたって改質加工処理するには、ワークを前記1000mmの長さにわたって、電子ビームハウジングに対し相対的に約1000mmを断続的に送り移動させると共に、前記断面の有効径が約φ60mmの電子ビームのパルスを少なくとも17回以上にわたって繰り返し照射する必要があり、斯種の表面改質加工処理は一般的に何れの場合にも各照射領域に対する繰り返しの照射回数が多いことから改質加工処理に長時間を要すると言う問題があった。
ここで、上述した前者、即ち、真空ハウジング部1の巨大化問題に付き詳しく説明するに、先ず、図7等により詳しく説明した大面積パルス電子ビーム発生装置を金型等の所要表面の改質加工処理装置とするには、ワーク12を取り付けたコレクタ14を設置するテーブルは、前述図示説明のような回転台13ではなく、照射電子ビーム11に対して直交する水平方向の少なくとも直線1軸、または通常直交2軸の平面に軸送りの制御移動が可能な加工テーブル27の使用が必要不可欠となるものである。
図11は、前記水平軸送りを水平1軸(図の左右)方向に行なうように構成した一従来例を示す加工処理ハウジング部1Bの断面図で、前記加工処理ハウジング部1Bの底面に、所要のキャンド処理した励磁コイルを有する1次側と永久磁石列を有する2次側の一方を固定子26A、他方を加工テーブル27を配設した可動子26Bとして設けられるリニアモータ26(好ましくは、同期型のコアレス交流リニアモータ)が設けられ、前記可動子26Bは前記底面に、図示の場合紙面上を左右の1軸に直線移動が可能なように、直線案内に保持(図示せず)されている。なお、28は制御装置を含むリニアモータ26の駆動回路装置である。
図12は、前述図11におけるA−A線横断の模型平面図で、真空ハウジング1のビームハウジング部1Aと加工処理ハウジング部1B、及びワーク12(又はコレクタ14若しくは加工テーブル27)との間の寸法の関係を説明せんとするもので、前述ビームハウジング部1Aの大きさは、前述大面積パルス電子ビーム11の照射有効断面11Sに替え、かつ、図全体を、前記断面11Sの全面積をほぼ1単位とする寸法で示してある。図において、大面積パルス電子ビーム11の照射断面は11S、加工処理ハウジング部1Bの最大ケース内周壁は1BS,及び加工テーブル27は移動軸方向の全長が加工処理有効部として27Sの符号を付して示してあり、ハッチングを付した電子ビーム11の断面11S−1は、最初にビームハウジング部1Aが位置決めにより位置している位置及び最初に電子ビームパルスの照射が行われる部位を示している。
図の位置で、所望必要な回数の電子ビームパルスの照射を行った後、電子ビームパルス11Sに対し加工テーブル27を移動1軸に沿って電子ビームパルスの断面11Sの径とほぼ等しい長さか所定に短い長さのステップで、通常隣接する次の照射位置へ位置決め移動させ、各部に所定パルス数照射させて順次に表面全体又は所定領域を改質加工処理して行く場合である。
そして図示の場合、照射位置を順次に移動させて加工処理して行く移動軸方向のワーク12(又は加工テーブル27)のストローク長さは、パルス電子ビーム11の照射断面の径の約8倍(8単位)ある場合であって、この8単位部の全部の領域を照射により改質加工処理するには、前記加工テーブル27を加工処理ハウジング1BS内において、相対的に前記移動軸方向に少なくとも10単位以上、スタート時の位置に戻るものとすると15単位(ステップ)移動させる必要があり、前記真空ハウジング1の前記移動方向の空き空間(床面積:加工処理ハウジング部1Bの断面1BSの累計面積)は前述15単位と長大なものとなるのである。
また、各改質加工処理部に対する電子ビームパルス11の照射回数が、1箇所当たり数10回、またはそれ以上と多いものでは、改質加工処理に長時間を要することになるものである。
そしてこのことは、ワーク12または加工テーブル27が、前記移動軸を直交する軸の水平方向へ、前記図12の場合の1単位に対し、図13に示すように2単位の2倍、さらに図14に示すように3単位の3倍、またはそれ以上とか、または2軸方向に同時に大きくなると、加工処理ハウジング部1Bの前記断面積1BSは、加工処理部(加工テーブル)の面積に対して、前記図12の場合の15/8(2倍弱)から、図13の場合には45/16(3倍弱)、そして図14の場合は75/24(3倍強)の如く著増して行って、改質加工処理装置を設置するための所要床面積乃至は空間が増大し、他方において、運転使用上エア抜き真空化等が困難となるものである。
なお、前述大面積パルス電子ビーム11の照射断面の径は、前述した大面積パルス電子ビーム照射装置から明らかなように、装置仕様により、特にビームハウジング部1Aの環状アノード6の内径により、発生大面積パルス電子ビーム11の断面の有効最大外径は、ビームのエネルギ密度の或る程度の大小如何にかかわらず、ほぼ一定値と看做すことが出来好結合である。尤も、照射電子ビーム11の断面11Sは通常円形であるから、金型等の広い表面を各部に弱点部分なく均一に改質仕上げ処理して行くには、隣接する処理領域間に於いて、ビーム断面を径の75から90%程度、特にビームのエネルギ密度が小さい条件の場合には重さなり割合を大きめに設定して照射して行くことになるものである。
そこで、本発明は、ワークを設置した加工処理ハウジング部に対して、電子ビーム発生部を収納する筒状のビームハウジング部の複数個、通常2個又は4個を、特定の関係で設けることにより、真空ハウジングの大形化の程度を減じ、加工処理ハウジング部の内容積、ワーク設置テーブルの軸送りの移動ストローク、及びパルス電子ビームの繰り返し照射回数の半減により、エア抜き真空化の所要時間及び電子ビームの繰り返し照射処理に要する時間を半減させて高速化を達成せんとすると共に装置の設置床面積を半減させ、装置の増設などをも容易に可能とするものである。
前述の本発明の目的は、(1)電子ビーム発生部を収納する筒状のビームハウジング部と、電子ビームの照射を受けるワークを設置し、ビーム照射軸と直角な一軸直線又は2軸平面方向の軸移動により変位位置決めするテーブルを収納する加工処理ハウジング部とを気密に結合した真空ハウジングであって、所望の稀ガスが所定の低圧状態に制御保持され、前記ビームハウジング部の加工処理ハウジング側に設けられる環状乃至は筒状アノードと、該アノードの軸線上のアノードの他側に設けられ電子を放出する多数の針状突起を有する大面積のカソードと、前記カソードとアノード間に形成される電子加速空間に前記アノードの軸線の周りを該軸線の磁力線で取り囲む磁場を形成するようにビームハウジング部外周に巻回しして設けたソレノイドと、前記電子加速空間に前記磁場を所定時間形成するように前記ソレノイドを所望の電流値で励磁する第1のパルス電源と、前記低圧稀ガス空間中に設けられた前記カソードとアノード間に、前記第1のパルス電源によるソレノイドの励磁が所定の励磁状態になるのを待つか検出して印加され、電離によりアノードプラズマ及びカソードプラズマを形成させる第2のパルス電源と、前記第2のパルス電源による電圧印加開始後の所望微小遅延時間後に、前記カソードに立ち上がり時間が短い負の高電圧を、電子ビーム照射時間となる所望の微小時間幅の間印加する第3のパルス電源とを備え、前記ビームハウジング部から加工処理ハウジング部のテーブル上に断面径の大きなパルス電子ビームを照射する電子ビーム照射表面改質加工装置において、前記電子ビーム発生部を収納する筒状のビームハウジング部が、前記加工処理ハウジング部に対し、ワークを設置するテーブルの相対的な軸移動の方向に一対を、前記ビームハウジング部から照射される電子ビーム断面の有効径Lの1を含む整数倍Nの間隔を置いて設けられて成るものであることを特徴とする表面改質加工装置とすることにより達成される。
また、前述の本発明の目的は、(2)前記整数倍Nが、前記テーブルの相対移動方向の長さが前記電子ビーム断面の有効径Lを単位としてnのとき、式 N=(n−1)/2−(端数)によって選定される前記(1)に記載の表面改質加工装置とすることにより達成される。
また、前述の本発明の目的は、(3)前記テーブルの相対的な軸移動の方向が水平方向の直線1軸である前記(1)または(2)に記載の表面改質加工装置とすることにより達成される。
また、前述の本発明の目的は、(4)前記テーブルの相対的な軸移動の方向が水平方向の直線直交2軸である前記(1)または(2)に記載の表面改質加工装置とすることにより達成される。
また、前述の本発明の目的は、(5)前記一対の電子ビームハウジング部の一方または両方に対し、その移動軸と直交する方向に、さらに、第3または第4のビームハウジング部が前記照射電子ビームの断面の有効径Lの整数倍Nの間隔を置いて設けられる前記(4)に記載の表面改質加工装置とすることにより達成される。
また、前述の本発明の目的は、(6)前記テーブルの相対的な軸移動の駆動源がキャンドコアレス交流リニアモータである前記(1)、(2)、(3)、(4)または(5)に記載の表面改質加工装置とすることにより達成される。
又、前述の本発明の目的は、(7)前記テーブルの相対的な軸移動位置決めの度に、設定された形状、寸法の大面積電子ビームのパルスが、設置ワークの1以上の個所に所定時間を置いて同時に複数回繰り返し照射されるものである前記(1)、(2)、(3)、(4)、(5)または(6)に記載の表面改質加工装置とすることにより達成される。
本発明(1)によれば、電子ビーム発生部を収納する筒状のビームハウジング部が、加工処理ハウジング部に対し、ワークを設置するテーブルの相対的な軸移動の方向に一対を、ビームハウジング部から照射される電子ビーム断面の有効径Lを単位として1を含む整数倍Nの間隔を置いて設けるようにしたので、金型等のワーク表面に隣接などして存在位置する少なくとも2以上の多数の電子ビーム照射位置に、1度の位置決めで1回以上複数の電子ビーム発生部から同時に大面積のパルス電子ビームを発生照射させることが出来るので、照射位置決め作動回数及び照射操作回数を減じて、処理に要する時間を減じ、高速処理を実現させる。
また、電子ビーム発生部を収納する筒状のビームハウジング部の複数個を1つの加工処理ハウジング部に設けて、照射位置決めの度に少なくとも1回以上のビーム照射をする構成としたことで、加工処理ハウジング部内におけるワークを設置したテーブルの相対移動方向の軸移動のストロークを、1個のビームハウジング部による相対移動、位置決め照射の場合に比べて、最大で半減させ得るから、加工処理ハウジング部の占有空間を減じ、引いては真空ハウジング装置の占める設置床面積を小さくすることが出来、さらに加工処理の効率に大きく影響するエア抜き真空化などの所要時間を減ずることができる。
また、本発明(2)によれば、前記整数倍Nが、前記テーブルの相対移動の方向の長さが前記電子ビーム断面の有効径Lを単位としてnのとき、式:N=(n−1)/2−(端数)、即ち、Nは端数を切り捨てた最適値の間隔数値となるように設定した構成としたので、端数を生じない数値間隔配置の場合には、両ビームハウジング部の照射電子ビームに対し、ワークのビーム照射部位を常に1:1の関係に対応位置決め配置させて同時に電子ビームを照射して同時に加工処理をすることができる。
而して、電子ビーム発生部を有するビームハウジング部が移動方向に間隔を置いて2個設けられる場合の前記端数が1/2(=0.5)の場合は、一方の電子ビーム発生部を収納するビームハウジング部が、他方のビームハウジング部と同時にワークのビーム照射部に対向位置し得ない場合が1回有ることを示しているものである。
また、本発明(3)、(4)及び(5)によれば、前述本発明の技術は、前記ワークを設置したテーブルの相対移動の方向が、水平面内の直線1軸の改質加工処理装置に適用して有効な丈でなく、前記直線1軸に水平面内で直交する直交2軸の軸移動をする加工装置に適用しても同様に有効なことを示しているものである。
また、本発明(6)によれば、真空ハウジング装置内において、ワークを設置したテーブルが、ビーム照射軸と垂直面方向の直交2軸方向に制御移動させられる真空内駆動源及び駆動機構を有することにより、目的とする表面改質加工を行なえる装置として構成でき、そして本発明の目的、作用効果を達成し得る装置を得ることができるようになるものである。
又、本発明(7)によれば、各軸移動位置決めの毎に、各ビームハウジング部が、ワークの離隔した所定の加工処理部位と対向し、夫々の部位に各ビームハウジング部から所定のエネルギ密度の大面積の電子ビームのパルスが同時に所定複数回照射することが出来るから大きな金型等のワーク表面を効率良く高速度で表面改質加工処理することができることになる。
図1は、本発明の一実施例の正断面説明図で、前述従来例の図11の装置に符合するもので、同一物または同等物には同一の符号を付して示してある。また。図2は、図1のB−B線に沿う切断矢視平面図で、前述図11の平面図の図12と符合するものである。
図において、26は加工処理ハウジング部1Bの底部に設けられるコアレス交流リニアモータであって、該リニアモータが、非磁性ステンレスの密閉乃至はシール可能なハウジングによりキャンド処理して構成された励磁コイル群を有する1次側部材と、磁石列を設けたヨーク材を有する2次側部材とから成り、その一方を固定子26Aとして前記加工処理ハウジング部1Bの底面に設け、該固定子に対して他方を可動子26Bとして前述相対軸移動の方向に直線移動するように前記底面又は固定子保持体に直線案内軸受に保持させて、取り付けたワーク12及びテーブル27を前記相対移動の方向に移動させる。
図1、および図2から明らかなように、本発明の装置は真空ハウジング部1に、従来例の1つの電子ビーム発生部を内蔵するビームハウジング部1Aに対し、実質上同一の仕様、性能を有するもう1つのビームハウジング部1A−2を、ビームハウジング部から照射される電子ビーム11、11−2の断面の有効径Lの1を含む整数倍Nの間隔4Lを置いて設けたものである。
そして、この両ビームハウジング部1A、1A−2からは、後述するように各収納電子ビーム発生部に設置した環状アノードの内径にほぼ応ずる断面径(L)の電子ビーム11、11−2が発生照射されることになる。そして前記断面径のほぼ円形の各電子ビーム11、11−2内のエネルギ密度(J/cm)、第1乃至第3の電源16、17、18の設定や真空ハウジング装置1内稀ガス(Ar)ガス圧(Torr)設定等により約0.1〜10J/cm程度の間で変更設定が可能なことを説明したところであって、前記両ビームハウジング部1A、1A−2の各電子ビーム発生部に、前記第1乃至第3のパルス電源を独立に設け得ること当然ながら、照射電子ビーム11、11−2の各エネルギ密度が、例えば、5J/cm程度以下の低い値で常に用いられる装置の場合には、電源の容量を考慮、調整した第1乃至第3のパルス電源を1個設け、両電子ビーム発生部11、11−2に並列に電力を供給する装置の構成とすることができる。
なお、ここにおいて、照射される電子ビーム11、11−2の断面の有効径とは、ワーク12表面に対して照射電子ビームのスポット毎に、1回以上の所定回数の電子ビームの照射により加工処理した後に、連続する隣接ワーク12の表面領域に対するステップ移動の送り位置決めにより、次の領域の加工処理を行うようにしているので、隣接する処理部分間において、加工処理状態の疎密や断続が所定以下となるように、通常断面径Lの75%程度90%以内等に選定されるが、被加工処理物(ワーク)の材質、寸法、又は形状等によっては、得られる電子ビームスポット断面のエネルギ密度(J/cm)が少なくとも平均密度以上の径領域とか、或いは、エネルギ密度の最大部分(通常断面中心廻り部分)の約70%以上の径内部分の如くして設定されるものである。
図1及び図2に示したように、2つのビームハウジング部1A、1A−2による照射電子ビーム11、11−2の各最初の照射位置11S−1、11S−2にあって、ここから加工処理を開始したとすると、当該図示の状態位置において、両ビームハウジング部1A、1A−2の同時操作により各照射位置11S−1、11S−2に電子ビームを所定回数照射して該位置での加工処理をひとまず終了して、図示では各左側に隣接する次の加工照射位置へ、テーブル12またはビームハウジング部1A、1A−2を含む加工処理ハウジング部1Bを右または左に前記断面の有効径Lの長さ分移動送り位置決めして電子ビームの所定回数照射工程に移行する如く、以後所要加工処理領域の有る間繰り返えされて加工処理が行われるものである。
而して、図1及び図2に図示の場合は、最初の電子ビーム照射位置11S−1、11S−2への移動送り位置決めも含めて4回、ワーク12設置テーブル27をビームハウジング1A、1A−2と通常一体の加工処理ハウジング1Bとの間で、照射電子ビーム断面の有効径Lの3単位分と最初の位置決め長さ分を相対移動させ得れば足りるので、移動送り位置決めが簡単で迅速に行われるようになるだけでなく、加工処理ハウジング部1Bの前記相対移動方向の長さを、この場合、図1に対して最大4L長さ分短かく構成できるから、ビームハウジング部1A、1A−2を含む加工処理ハウジング部1Bの内容積がその分減少して真空引きの時間が短縮されるか、そのための設備を小規模化できる可能性があり、さらに真空ハウジング装置1の設置床面積も小さくなる利点が生ずる。
また、この図1及び図2の場合は、ワーク12またはテーブル27の前述相対移動の方向の有効長さが、電子ビーム断面の有効径Lを単位としてn=8のときで、ビームハウジング部1Aが2個の場合であるから、前記ビームハウジング部1A、1A−2間の最適の設置間隔Nは、
式 N=(n−1)/2−(端数)(又は整数以下の余りは切り捨てる。)
で求められ、N=3となったもので、前記n=7の場合にも、設置間隔はN=3とすることが好ましいものである。そして、このとき、n>8以上とおおきくなると、NもN>3以上と大きくなるものである。
次に、図3の(イ)、(ロ)、及び(ハ)は、ワーク12またはテーブル27の前述相対移動の方向の有効長さが、n=8であるにもかかわらず前記設置間隔NをN=3ではなく、0≦N<3と設定したもので、(イ)はN=2、(ロ)はN=1、そして、(ハ)はN=0の設定の場合である。そして、前述図2の最良の実施の形態の場合に比較して、位置決め回数が、(イ)では1回、(ロ)では2回多く、ビームハウジング部を含む加工処理ハウジング部の相対移動方向の長さが、(イ)では1L、(ロ)で2L長く、また両ビームハウジング部から同時に同期して電子ビームを照射して加工処理できない加工処理領域が、(イ)では2箇所、そして(ロ)では4個所となって、加工処理に要する時間が増大するが、被処理金型の種類や形状、或いは更に金型等の表面における加工処理領域の形状や分散等分布の状態によっては使用可能かと思われる。
しかし、(ハ)の間隔N=0で、2つの電子ビーム発生ハウジング部を隣接乃至は連続して設ける場合には、前記位置決めの回数、加工処理ハウジング部の相対移動方向の長さ、及び両ビームハウジング部から同時に同期して電子ビームを照射し得る被加工処理箇所の何れの点でも、ビームハウジング部を2個設ける設備費等を凌駕する作用効果が得られるものとは言い難いものである。
図4及び図5は、前記ワーク12または加工テーブル27の前記相対移動軸の方向と直交する軸移動への幅が、例えば前述図2や、図3の場合、ビームハウジング部から照射される電子ビーム断面の有効径Lを単位としたとき1単位の1Lの幅であったものを、図4では2単位2L、また図5では3単位3Lの幅としたもので、夫々前述従来例の図13及び図14に符合するものであり、ビームハウジング部を一対設けた移動軸方向に対して、前述本発明が依然有効なことが判るのである。
図6では、前述ワーク12またはテーブル27が、ビームハウジング部の軸に対して直交2軸の平面状に広がり、該直交2軸方向のnが何れもn=8の場合に、前述一対のビームハウジング部1A、及び1A−2に対し、もう一対ビームハウジング部1A−3、及び1A−4を、前者一対の軸方向と直交する方向に、間隔NをN=3として設けたもので、前述本発明の技術が、直交2軸の各軸方向に対して有効なことが明らかであり、ハッチングを付け符号1BXを付したL字形の加工処理ハウジング部分は、ビームハウジング部が1A1個の場合に対して縮小可能な断面として示したものである。
また、前述の本発明は、必要に応じ、ビームハウジング部1Aを該ビームハウジング部の軸に対して直交する軸方向にビームハウジング部を3個または3個以上設ける場合にも、例えば、前述の間隔Nの式を、N=(n−1)/3−(端数)(又は、整数以下の余りは切り捨てる。)として適用して有用なことが既に明らかである。
本発明の装置は、金型等の金属部材の特に大きい面積の表層部をアモルファス化等の表層改質加工に適用することができる。
本発明装置の一実施例を説明するための正断面説明図。 図1のB−B線に沿う切断矢視平面図。 (イ)、(ロ)、及び(ハ)は、他の実施例の図2と同様な断面矢視平面図。 他の実施例装置の図2と同様な断面矢視平面図。 また、他の実施例装置の図2と同様な断面矢視平面図。 さらに、また、他の実施例装置の図2と同様な断面矢視平面図。 従来例の装置の一例を説明する概略の全体構成図。 同じく従来例の装置の3つのパルス電源の放電特性図。 同じく従来例の装置の電子加速空間内の磁場形成状態の説明図。 同じく従来例の装置の照射電子ビームのエネルギ密度とガス圧(Torr)との関係を異なる加速電圧の場合について示した特性図。 他の従来例装置を説明するための正断面説明図。 図11のA−A線に沿う切断矢視平面図。 また、他の従来例装置の図12と同様な断面矢視平面図。 また、さらに他の従来例装置の図12と同様な断面矢視平面図。
符号の説明
1 真空ハウジング
2 スクロールポンプ
3 ターボ分子ポンプ
4 圧力調整弁
5 励磁ソレノイド
6 アノード
7 アノードプラズマ
8 カソード
9 カソードプラズマ
11、11−2 大面積の電子ビームパルス
12 ワーク
13 回転台
14 コレクタ
15 ガスボンベ
16 第1のパルス電源
17 第2のパルス電源
18 第3のパルス電源
1A、1A−2 筒状のビームハウジング部
1B 加工処理ハウジング部
26 リニアモータ
26A 固定子
26B 可動子
27 テーブル
28 駆動回路装置

Claims (7)

  1. 電子ビーム発生部を収納する筒状のビームハウジング部と、電子ビームの照射を受けるワークを設置し、ビーム照射軸と直角な一軸直線又は2軸平面方向の軸移動により変位位置決めするテーブルを収納する加工処理ハウジング部とを気密に結合した真空ハウジングであって、所望の稀ガスが所定の低圧状態に制御保持され、前記ビームハウジング部の加工処理ハウジング側に設けられる環状乃至は筒状アノードと、該アノードの軸線上のアノードの他側に設けられ電子を放出する多数の針状突起を有する大面積のカソードと、前記カソードとアノード間に形成される電子加速空間に前記アノードの軸線の周りを該軸線の磁力線で取り囲む磁場を形成するようにビームハウジング部外周に巻回しして設けたソレノイドと、前記電子加速空間に前記磁場を所定時間形成するように前記ソレノイドを所望の電流値で励磁する第1のパルス電源と、前記低圧稀ガス空間中に設けられた前記カソードとアノード間に、前記第1のパルス電源によるソレノイドの励磁が所定の励磁状態になるのを待つか検出して印加され、電離によりアノードプラズマ及びカソードプラズマを形成させる第2のパルス電源と、前記第2のパルス電源による電圧印加開始後の所望微小遅延時間後に、前記カソードに立ち上がり時間が短い負の高電圧を、電子ビーム照射時間となる所望の微小時間幅の間印加する第3のパルス電源とを備え、前記ビームハウジング部から加工処理ハウジング部のテーブル上に断面径の大きなパルス電子ビームを照射する電子ビーム照射表面改質加工装置において、前記電子ビーム発生部を収納する筒状のビームハウジング部が、前記加工処理ハウジング部に対し、ワークを設置するテーブルの相対的な軸移動の方向に一対を、前記ビームハウジング部から照射される電子ビーム断面の有効径Lの1を含む整数倍Nの間隔を置いて設けられて成るものであることを特徴とする表面改質加工装置。
  2. 前記整数倍Nが、前記テーブルの相対移動方向の長さが前記電子ビーム断面の有効径Lを単位としてnのとき、式 N=(n−1)/2−(端数)によって選定されるものであることを特徴とする請求項1記載の表面改質加工装置。
  3. 前記テーブルの相対的な軸移動の方向が水平方向の直線1軸であることを特徴とする請求項1、または2に記載の表面改質加工装置。
  4. 前記テーブルの相対的な軸移動の方向が水平方向の直線直交2軸であることを特徴とする請求項1、または2に記載の表面改質加工装置。
  5. 前記一対の電子ビームハウジング部の一方または両方に対し、その移動軸と直交する方向に、さらに、第3または第4のビームハウジング部が前記照射電子ビームの断面の有効径Lの整数倍Nの間隔を置いて設けられるものであることを特徴とする請求項4に記載の表面改質加工装置。
  6. 前記テーブルの相対的な軸移動の駆動源がキャンドコアレス交流リニアモータであることを特徴とする請求項1、2、3、4または5に記載の表面改質加工装置。
  7. 前記テーブルの相対的な軸移動位置決めの度に、設定された形状、寸法の大面積電子ビームのパルスが、設置ワークの1以上の個所に所定時間を置いて同時に複数回繰り返し照射されるものであることを特徴とする請求項1、2、3、4、5または6に記載の表面改質加工装置。
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