JP2005209369A - 電池パック - Google Patents

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Abstract

【課題】 複数の二次電池を不使用状態においても冷却できる通気穴を備えた電池パックを提供する。
【解決手段】 複数の二次電池2は所定間隔を隔てて並列配置してパックケース5内に収容される。パックケース5の上下両側に形成された窪み31a,31bに上下の通気穴13a,13bが形成されている。通気穴13a,13bを通じた自然対流により二次電池2の間隔内を流れる空気の流れが形成されるため、二次電池2は不使用状態でも冷却される。また、通気穴13a,13bは窪み31a,31bに形成されているので、どのように置かれても通気穴13a,13bが塞がれることがない。
【選択図】 図1


Description

本発明は、電動ドリルなどの電動工具の電池電源として好適な電池パックに関するものである。
大きな放電電流が要求される機器の電池電源においては、多数の単電池を一体化してケース内に収容することになるため、多数の単電池を均等温度に冷却する冷却構造が必須条件となる。例えば、扁平角形の二次電池をその最大面積平坦面を対面させ、電池間に間隙を設けて並列配置し、間隙内に送風することにより各二次電池が均等に冷却されるようにした組電池が知られている(特許文献1参照)。
特開平08−212986号公報(第3〜5頁、図1)
上記従来技術のように複数の二次電池を一体化した電池電源装置では、複数の二次電池を一体化した状態に保持するために、ケース内に収容するか、枠体により周囲を囲う必要がある。放電又は充電の状態では送風がなされるため二次電池は冷却されるが、不使用状態では二次電池の冷却がなされない。放電又は充電の後では二次電池は温度が高い状態にあり、二次電池の劣化を進行させることになる。
本発明が目的とするところは、不使用状態でもケース内に空気流通して二次電池の放熱を可能とした電池パックを提供することにある。
上記目的を達成するための本発明は、複数の二次電池をパックケース内に収容してなる電池パックであって、前記パックケースは複数の二次電池を並列配置した状態に収容し、二次電池が並列配置された方向の上下に各二次電池に空気流通する通気穴が形成され、前記通気穴の形成部位はパックケースの上下平坦面より内側寄りとなるように形成されてなることを特徴とする。
上記構成によれば、パックケースの上下に通気穴が形成されているので、自然対流による空気の流れにより二次電池の熱を外部に放散することができる。また、前記通気穴はパックケースの上下平坦面より内側寄りに形成されるので、平坦面を床面に接地させて電池パックが置かれた状態でも通気穴は塞がれることがなく、常にパックケース内に空気流通する状態が得られる。
上記構成において、二次電池は扁平角形に形成され、その最大面積平坦面がパックケースの上下方向となり、所定間隔を隔てて互いに対面するように並列配置することにより、扁平角形二次電池の最大面積平坦面に通気がなされる。
また、上下の通気穴は、それをつなぐ経路上に各二次電池が位置するように形成することにより、二次電池を通過する空気の流れを形成することができる。
また、通気穴は、二次電池が並列配置された方向の両側に形成することにより、二次電池に対する空気流通が広範囲になされる。
また、通気穴に対して電気回路部分を隔離する隔離構造を設けることにより、通気穴からパックケース内に水や湿気が浸入した場合でも電気回路部分に障害が発生することが防止できる。
本発明によれば、不使用状態においても自然対流による空気の流れが形成されるので、二次電池の熱を外部に放散することができる。
図1は、実施形態に係る電池パック1を示すもので、図9に示すように、電動工具Aに装着して電動工具Aの駆動電源となるように構成されている。また、電動工具Aの使用により電池容量が減少したときには、電動工具Aから取り外し、図10に示すように、充電器Bに装填することにより、充電することができる。電動工具A又は充電器Bへの装着は、パックケース5の上方に設けられた装着部20の両側面に形成された摺動溝20aに電動工具A又は充電器Bに設けられた凸条部が嵌入するように電池パック1を押し込むと、装着部20の中央に保持されたコネクタケース12に設けられた接続プラグ14が電動工具A又は充電器Bのソケットに挿入されて電気的接続がなされると共に電池パック1は装着される。
この電池パック1は、図2に分解図示するように、パックケース5内に10個の二次電池2と、この二次電池2の充放電制御や電池保護制御などを行う電池管理回路を構成した回路基板3とを収容し、二次電池2の放熱を促す送風ファン4を一体に組み込んで構成されている。
前記二次電池2は、扁平直方体の外形に形成されたリチウムイオン二次電池が適用されており、図2に示すように、この二次電池2の最大面積平坦面がパックケース5の底面に対して垂直方向になり、所定間隔を隔てて互いに対向するようにして、10個の二次電池2が並列配置されている。このように10個の二次電池2を所定間隔を隔てて並列配置された状態に保持するために、図4に示すように、二次電池2の長手方向中央部分の断面積に対応する開口形状寸法の電池収容部(開口部)17を10箇所に形成したセンターフレーム7により二次電池2の中央部分が保持され、二次電池2の両端がそれぞれ端子側フレーム6、底側フレーム8で保持されている。
図3に示すように、二次電池2は、有底角筒に形成された電池缶24内に、長尺に形成した正極板と負極板とをセパレータを介して巻回した巻回型極板群、もしくは複数の正極板と負極板とをセパレータを介して積層した積層型極板群を挿入し、電池缶24の開口端に封口板23を溶接して電池缶24の開口端を封口し、電池缶24内に電解液を注入して電池缶24内が密閉される。前記封口板23には正極板に接続した正極端子21が封口板23と電気的に絶縁して設けられ、封口板23及び電池缶24は二次電池2の負極端子を構成する。
二次電池2は大電流の放電や過充電等の原因により温度上昇すると、熱膨張や電解液の気化などによって電池缶24に膨らみが生じ、それは電池缶24の側面となる最大面積平坦面に顕著に現れる。電池缶24内に収容された極板群は、それが巻回型であっても積層型であっても正極板と負極板とがセパレータを介して積層された状態に電池缶24の両側の最大面積平坦面の間で挟圧され、セパレータに含浸された状態で存在する電解液中を移動するイオンが正極板と負極板との間で行き来することにより充放電反応がなされる。電池缶24に膨らみが生じると、積層間の密着状態が損なわれ、積層間に隙間が発生すると、イオン移動度に不具合が生じ、充放電反応が充分になされない状態となる恐れがある。
図4に示すように、センターフレーム7は、10個の二次電池2をそれぞれ電池収納部17に挿入すると、二次電池2をその電池缶24の略中央部分を周囲から囲んだ状態に保持するので、二次電池2は膨らみが生じないように挟圧された状態となる。因みに、本実施形態に適用した二次電池2の短手方向幅は10mmであり、電池収容部17の短手方向幅は10.4mmに形成されているので、組み立て当初では二次電池2を電池収容部17にスムーズに挿入でき、電池缶24の膨らみは電池収容部17の幅で規制されるため、電池缶24の膨らみによる二次電池2の性能低下は抑制される。
10個の二次電池2はそれぞれを同一方向にしてセンターフレーム7の各電池収容部17に挿入され、二次電池2の底面側には電池缶24の底部形状寸法に対応する形状寸法の底部収容凹部18が並列形成された底側フレーム8が装着される。二次電池2の封口板23側には、図5(b)に示すように、内側に二次電池2の封口板23側を収容する封口部収容凹部19が形成され、その凹部底面には正極端子21を貫通させる正極接続窓25と、封口板23の一部板面を覗かせた負極接続窓26とが形成された端子側フレーム6が装着される。この端子側フレーム6の外側には、図5(a)に示すように、回路基板3を収容する基板収容凹部28と、10個の二次電池2を直列接続すると共に各二次電池2を回路基板3に接続する直列接続板9、正極接続板10、負極接続板11を収容する接続板収容凹部27とが形成されている。接続板収容凹部27の底面には、前記正極接続窓25と負極接続窓26とが開口している。
10個の二次電池2を端子側フレーム6、センターフレーム7、底側フレーム8で囲って互いに接合した後、図6に示すように、端子側フレーム6に形成された正極接続窓25と負極接続窓26から、図7に示す直列接続板9を隣り合う二次電池2にまたがって正極端子21と封口板23とに当接させ、正極接続部41を正極端子21に、負極接続部42を封口板23にそれぞれスポット溶接して10個の二次電池2を直列接続する。直列接続された正極側の接続端となる二次電池2の正極端子21には正極接続板10が、直列接続された負極側の接続端となる二次電池2の封口板23には負極接続板11がスポット溶接される。図7は直列接続板9の例を示すものであるが、直列接続板9、正極接続板10、負極接続板11には、それぞれ回路基板3に接続するための基板接続突起29が形成されている。
10個の二次電池2に直列接続板9、正極接続板10、負極接続板11がスポット溶接された端子側フレーム6の基板収容凹部28に回路基板3を収納すると、直列接続板9、正極接続板10及び負極接続板11に形成された基板接続突起29が回路基板3に形成された接続穴に挿入されるので、各基板接続突起29は回路基板3に半田付けされる。この接続構造により、10個の二次電池2それぞれを回路基板3に接続するためにリード配線することなく各二次電池2は回路基板3に接続され、回路基板3において基板接続突起29の間の電圧から各二次電池2個々の電池電圧を測定することができ、回路基板3に構成された電池保護回路は各二次電池2個々の電池電圧から二次電池2を過充電、過放電から保護する制御を実行し、充放電制御回路は電池電圧及び電池温度の測定に基づく充放電制御を実行する。
基板収容凹部28に収容された回路基板3と、センターフレーム7上に配置されるコネクタケース12内に設けられる送風ファン4及び接続プラグ14との間にリード接続がなされた後、回路基板3は樹脂モールドされる。樹脂モールドは、リード線の接続部分を含む電子部品の実装面に溶融した樹脂を流し込んで固化させることにより、回路基板3の電気的絶縁性が強化されると同時に防湿・防水性を図ることができる。より好ましくは、基板収容凹部28内を埋めるように溶融した樹脂を流し込んで固化させると、回路基板3の全面が樹脂で包み込まれ、回路基板3と端子側フレーム6とが樹脂モールドが施される。この樹脂モールドにより回路基板3上に実装された電子部品の防湿対策が図られる他、パックケース5に形成された通気穴13a,13bなどから浸入した水により電気的障害が発生することを防止することができる。
上記のように二次電池2及び回路基板3が一体に組み合わされた後、図2に示すように、4面に保護板16が配置され、センターフレーム7上に配した送風ファン4を囲ってコネクタケース12を配した後、右ケース5a及び左ケース5bからなるパックケース5を閉じて、図1に示したような電池パック1に完成される。
この電池パック1は、図9に示すように、電動工具Aにスライド装着されると、コネクタケース12内に設けられた接続プラグ14が電動工具Aに設けられた接続ソケットに接続され、電動工具Aの始動スイッチのON操作により電動工具Aに駆動電力を供給する電力供給回路が閉じられる。電動工具Aの駆動負荷が大きくなると二次電池2からの放電量も増加するため温度上昇し、電池管理回路により所定温度が検出されると、電池管理回路は送風ファン4が駆動されるように制御するので、二次電池2は送風空気により冷却される。リチウムイオン二次電池における放電は発熱反応となるので、大電流放電により電動工具Aが使用されると二次電池2の温度上昇は激しく、電池管理回路は送風により二次電池2が60℃以下の温度状態で使用されるように送風ファン4を制御する。特に、真夏の炎天下のような高温環境では使用以前に二次電池2の温度が40℃を越える場合も想定でき、そのような環境下で電動工具Aが使用されると温度上昇も大きくなるので、電池管理回路は二次電池2の温度が高いときには電動工具Aの使用の如何にかかわらず送風ファン4を駆動して二次電池2を冷却し、二次電池2の温度が60℃を越えるような場合には電動工具Aに対する電力供給を停止して送風ファン4の駆動により二次電池2の温度が低下するように制御する。
送風ファン4は、その回転によりパックケース5内に外気を取り込む吸気ファンとして構成され、吸気した外気を二次電池2に吹き付けて冷却する。電池パック1を電動工具Aに装着すると、コネクタケース12は電動工具Aの電池パック装着面に当接するので、コネクタケース12の吸気口32に対向する電動工具Aの電池パック装着面には開口部が形成され、図9に示すように、電動工具Aの電池パック1の装着部位の側面には前記開口部に通じる外気取り入れ口aが形成される。
図8に白抜き矢印で示すように、送風ファン4はパックケース5内のセンターフレーム7上に配設されているので、送風ファン4が駆動されると、吸気口32から吸気された外気は所定間隔で並列配置された二次電池2の対向間を通過し、パックケース5の下に開口する下方通気穴13aから排出される空気流路が形成されるので、電動工具Aを駆動する大きな放電電流により温度上昇する二次電池2が冷却され、温度上昇が抑制される。また、センターフレーム7上に設けられた整流板15は、送風ファン4から送風されてきた空気の流れを両側に流して送風ファン4の直下にある二次電池2だけでなく端方向にある二次電池2にも送風空気を送ることができ、全ての二次電池2が均等に冷却されるように作用する。この整流板15に開口径及び開口位置を調整して開口部を形成することにより、整流板15の下に位置する二次電池2にも送風空気が当たるように調整することができ、各二次電池2に対する空冷状態を均等化して電池温度が平均化されるように調整することができる。
電池パック1は、それが電動工具Aに装着されたとき、図9に示すように、電動工具Aの最下部と電池パック1の底面とが同一高さ位置となる寸法に形成することにより、電動工具Aを床面などに安定して立てることができる。図8に示すように、パックケース5の二次電池2の長手方向断面は、下方の両側に下方窪み31a及び上方の両側に上方窪み31bが形成され、この下方及び上方の各窪み31a,31bにそれぞれ下方通気穴13a、上方通気穴13bが形成されている。この下方及び上方の各窪み31a,31bが形成されていることにより、電動工具Aを立てた状態、即ち電動工具Aの駆動が停止されている状態でも下方通気穴13aは塞がれることはなく、破線矢印で示すように、下方通気穴13aから流入した外気が二次電池2の間を通って上方通気穴13bに抜ける空気の流れが形成される。特に、電動工具Aを駆動した後では二次電池2の温度が上昇しており、その熱によって上方通気穴13bに流れる上昇気流が発生し、それに伴って下方通気穴13aから外気が流入して二次電池2の間を通って上方通気穴13bに流れる空気の流れが形成され、温度上昇した二次電池2は送風ファン4が停止している状態でも冷却作用が促進され、速やかに二次電池2の温度を低下させることができる。
上記下方及び上方の各通気穴13a,13bは二次電池2の冷却に効果的に作用するが、雨中など水滴が飛散するような環境で電動工具Aが使用された場合や、水溜りのある床面に電動工具Aが置かれたような場合に、下方及び上方の各通気穴13a,13bから水が浸入する恐れがある。図8に示すように、パックケース5内に水が浸入しても、各二次電池2の封口板側は端子側フレーム6に囲われ、回路基板3は樹脂モールド30によって被覆されているので、通電部分に水が浸入することはなく、過酷な環境下での使用が想定される電動工具Aの電池パック1としての安全性が確保される。
電動工具Aの駆動により電池容量が低下した場合には、電動工具Aから電池パック1を取り外し、図10に示すように、充電器Bに装着することにより二次電池2に対する充電がなされる。電池パック1は充電器Bに装着するときには、図示するように天地方向を逆にして充電器Bに装着され、充電器Bの電池パック1の装着位置に設けられた通風口から充電器B内の空気を吸気し、充電器Bの排熱と同時に充電中の二次電池2を冷却する。充電器Bの側にも排気ファンが設けられている場合には、送風ファン4と合わせた送風を実施すると、より効果的な冷却がなされる。
使用直後の電動工具Aから取り外された電池パック1では、二次電池2の温度が充電に適した温度以上になっていることが予想でき、電池温度は電池管理回路で検出されると共にコネクタを通じて充電器B側でも検出されるので、電池温度が45℃以上である場合には充電は開始されず、電池温度が45℃以下になるように送風による冷却が継続された後に充電が開始されるように制御される。
以上説明した電池パック1では、二次電池2として扁平角形のものを適用しているが、円筒形に形成した二次電池を適用することも可能であり、本構成により同様の効果が得られる。
本発明に係る電池パックは、複数の二次電池は隣り合う間に間隙を設けて並列配置され、使用中においては送風ファンからの送風空気を二次電池の配列間に流通させて冷却し、不使用状態にあっても自然対流により二次電池が冷却されるので、大電流放電により使用された後の電池温度が高い状態でパックケース内に密閉されて二次電池に劣化が進行することが防止でき、電動工具などの電池電源として好適な電池パックを提供することができる。
実施形態に係る電池パックの外観構成を示す斜視図。 同上電池パックの構成要素を示す分解斜視図。 同上電池パックに適用した二次電池の構成を示す斜視図。 二次電池を保持するセンターフレームの構成を示す斜視図。 端子側フレームの構成を(a)外面側と、(b)内面側とで示す斜視図。 複数の二次電池と回路基板の接続構造を示す側面図。 直列接続板の構成を示す斜視図。 二次電池に対する空気流通構造を示す断面図。 電動工具に対する装着構造を説明する側面図。 充電器に対する装着構造を説明する側面図。
符号の説明
1 電池パック
2 二次電池
3 回路基板
4 送風ファン
5 パックケース
6 端子側フレーム
7 センターフレーム
8 底側フレーム
13a 下方通気穴
13b 上方通気穴
31a 下方窪み
31b 上方窪み

Claims (5)

  1. 複数の二次電池をパックケース内に収容してなる電池パックであって、
    前記パックケースは複数の二次電池を並列配置した状態に収容し、二次電池が並列配置された方向の上下に各二次電池に空気流通する通気穴が形成され、前記通気穴の形成部位はパックケースの上下平坦面より内側寄りとなるように形成されてなることを特徴とする電池パック。
  2. 二次電池は扁平角形に形成され、その最大面積平坦面がパックケースの上下方向となり、所定間隔を隔てて互いに対面するように並列配置されてなる請求項1に記載の電池パック。
  3. 上下の通気穴は、前記上下の通気穴をつなぐ経路上に各二次電池が位置するように形成されてなる請求項1又は2に記載の電池パック。
  4. 通気穴は、二次電池が並列配置された方向の両側に形成されてなる請求項1〜3いずれか一項に記載の電池パック。
  5. 通気穴に対して電気回路部分を隔離する隔離構造が設けられてなる請求項1〜4いずれか一項に記載の電池パック。


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