JP2005208615A - デラベリング可能なラベル - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 基材フィルムと、液体吸収係数が5ml/m2・(ms)1/2以上で液体吸収容量が1〜30ml/m2である水系コート層と、該水系コート層の表面に形成した水系接着剤層を有するラベルあって、該ラベルを被着体に水系接着剤層を介して貼合したラベル付き被着体を水圧2MPaで水洗したときに水洗開始から60秒以内に該ラベルが被着体から剥離可能であるデラベリング可能なラベル。
【選択図】 なし
Description
本発明で用いる基材フィルムは、単層構造であってもよいし、複数の樹脂フィルムを積層した積層構造であってもよいが、積層構造であることが好ましい。
エンボス加工面は、延伸前または延伸後においてフィルム成形と同時に行うことができる。さらに製造工程内(インライン)および/または工程外(アウトライン)で実施することができ、例えば、平判プレス機、ロールエンボス等公知の各種プレス等を用いて加工することができる。
水系コート層は、基材フィルム表面へ水系コート剤を塗工することにより形成することができるが、その塗工はインラインおよび/またはアウトラインで実施することができる。また水系コート剤はピグメントスラリーが好ましい。
[熱可塑性樹脂(A)]
本発明のデラベリング可能なラベルに使用される基材フィルムは、熱可塑性樹脂(A)を含むものである。基材フィルムに使用する熱可塑性樹脂(A)としては、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン等の結晶性エチレン系樹脂、結晶性プロピレン系樹脂、ポリメチルー1−ペンテンの結晶性ポリオレフィン系樹脂、ナイロン−6、ナイロン−6,6、ナイロン−6,10、ナイロン−6,12等のポリアミド系樹脂、ポリエチレンテレフタレートやその共重合体、ポリエチレンナフタレート、脂肪族ポリエステル等の熱可塑性ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート、アタクティックポリスチレン、シンジオタクティックポリスチレン、ポリフェニレンスルフィド等の熱可塑性樹脂が挙げられる。これらは2種以上混合して用いることもできる。
本発明のデラベリング可能なラベルを構成する基材フィルムに使用することができる無機微細粉末(B)として、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、焼成クレー、タルク、酸化チタン、硫酸バリウム、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、珪藻土、酸化珪素などの無機微細粉末、無機微細粉末の核の周囲にアルミニウム酸化物ないしは水酸化物を有する複合無機微細粉末、中空ガラスビーズ等を例示することができる。中でも重質炭酸カルシウム、焼成クレー、珪藻土は、安価で延伸時に多くの空孔を形成させることができるために好ましい。
また、溶融混練と分散により熱可塑性樹脂中に分散した有機フィラー(B')の粒子径は、デラベリング可能なラベル断面の電子顕微鏡観察により粒子の少なくとも10個を測定してその粒子径の平均値として求めることができる。
本発明に使用する基材フィルムを構成する成分の好ましい量比範囲は、熱可塑性樹脂(A)20〜100重量%、無機微細粉末(B)0〜80重量%、有機フィラー(B')0〜50重量%である。無機微細粉末(B)および/または有機フィラー(B')の含有量を80重量%以下にすることによって、膜厚の均一なフィルムが得られやすくなる。また、必要に応じて各構成成分中には、熱安定剤、紫外線安定剤、酸化防止剤、ブロッキング防止剤、核剤、滑剤、着色剤等を配合してもよい。これらは3重量%以下の割合で配合するのが好ましい。
本発明における水系コート層は、ピグメントコート層であることが好ましい。かかる水系のピグメントコート層とは、水溶性樹脂やエマルジョン樹脂をバインダーとして用い、ピグメント成分、モノマー成分、オリゴマー成分を目的に応じて適宜組み合わせたものである。ピグメント塗料に占める水の割合は30重量%以上が好ましく、40重量%以上がより好ましく、50重量%以上がさらに好ましい。
本発明における接着剤層に使用する水系接着剤として、例えばデンプン、膠、カゼイン、セルロース、アルギン酸ナトリウム、グアーガム、ラテックス、ポリマレイン酸系重合物、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシルメチルセルロース、メチルセルロース、ゼラチン、プルラン、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、酢酸ビニル樹脂の少なくとも一つを含むものが好ましく、これらの中では、デンプン、カゼインを含むものがより好ましい。水系接着剤としては、上記物質を含む水溶液やエマルジョンが使用できる。
本発明のデラベリング可能なラベルは、当業者に公知の種々の方法を組み合わせることによって製造することができる。いかなる方法により製造されたデラベリング可能なラベルであっても、本発明に記載された条件を満たすものである限り本発明の範囲内に包含される。
また基材フィルムの水系コート層を形成する面にエンボス加工する場合、エンボス加工は、延伸前または延伸後においてフィルム成形と同時に行うことができる。さらにインラインおよび/またはアウトラインで実施することができ、例えば、平判プレス機、ロールエンボス等公知の各種プレス等を用いて加工することができる。
また、この水系コート層を有する基材フィルムは、インラインおよび/またはアウトラインで水系コート層を公知の方法により塗工することにより得ることができる。
本明細書において「液体吸収係数」とは、JAPAN TAPPI No.51−87に準拠するBLISTOW吸水試験により測定されるものであって、吸水開始20ミリ秒から40ミリ秒における吸水曲線から最小二乗法により直線を得て、その勾配より求められる値を意味する。液体吸収係数は、後述する試験例に記載される具体的手順により測定することができる。
これら積層フィルム構造は、それぞれの層を別々に延伸した後に積層することによって製造してもよいし、積層した後にまとめて延伸して製造してもよい。またこれらの積層フィルムの表面におよび裏面に印刷して使用してもよい。これらの方法は適宜組み合わせることもできる。
延伸の具体的な方法としては、ロール群の周速差を利用したロール間延伸、テンターオーブンを利用したクリップ延伸などを挙げることができる。ロール間延伸によれば、延伸倍率を任意に調整して、任意の剛性、不透明度、平滑度、光沢度のフィルムを得ることが容易であるので好ましい。
延伸倍率は特に限定されるものではなく、本発明のデラベリング可能なラベルの使用目的と、用いる樹脂の特性を考慮して決定する。通常は2〜11倍であり、好ましくは3〜10倍の範囲内で延伸する。なかでも延伸倍率は4〜7倍がより好ましい。
テンターオーブンを利用したクリップ延伸の場合は4〜11倍で延伸することが好ましい。面積倍率としては、通常は2〜80倍であり、好ましくは3〜60倍、より好ましくは4〜50倍である。面積倍率を2倍以上にすることによって、延伸ムラを防いでより均一な膜厚の基材フィルムを製造することが容易になる傾向がある。また80倍以下にすることによって、延伸切れや粗大な穴あきをより効果的に防ぐことができる傾向がある。
水系コート層表面は、中心平均粗さ(SRa)が0.1μm〜20μmとなる粗さを有することが好ましく、0.15μm〜10μmが更に好ましく、0.2μm〜5μmが特に好ましい。また、水系コート層表面のベック平滑度は、20〜50000秒が好ましく、50〜10000秒が好ましく、さらに80〜5000秒が好ましい。中心線平均粗さ(SRa)はJIS−B0601に従って測定し、ベック平滑度はJIS−P8119に従って測定する。
限り適宜変更できる。従って、本発明の範囲は以下に示す具体例により限定的に解釈されるべきものではない。
以下の手順に従って本発明の条件を満たす基材フィルム(製造例1〜5)を製造した。
表1および表2に使用した材料の詳細を記載した。表中の「MFR」はメルトフローレートを意味する。表3に各基材フィルムの製造にあたって使用した材料の種類と配合量(重量%)、延伸条件、層数および層の厚みを記載した。表3に記載される材料の番号は、表1および表2に記載される材料の番号に対応している。
ピグメント分散液、バインダー樹脂、架橋剤、水を混合して水系コート層形成用塗工液を調製した。ピグメント分散液の種類と、各成分の重量比は表4に記載されるとおりとした。水系コート層形成用塗工液を、製造例1〜5で製造した基材フィルムの表面にバーコーターにてライン速度20m/minでインラインコートし、100℃に設定した長さ20mのオーブンで乾燥・固化して液体吸収用樹脂延伸フィルムを得た。得られた各延伸フィルムの乾燥後の水系コート層塗工量は表4の通りであった。
次いで液体吸収用樹脂延伸フィルムを10cm四方に切り出し、水系コート層の表面にデンプン系接着剤(常磐化学(株)製:トキワノール650WR)を固形分濃度で5g/m2塗工して、実施例1〜11および比較例1〜4の各ラベルを得た。このとき、液体吸収用樹脂延伸フィルムの表面の60%の面積に接着剤を塗布した。
実施例1〜11、比較例1〜4で製造した液体吸収用樹脂延伸フィルムとラベルについて、以下の試験を行って評価した。
実施例1〜11、比較例1〜4で製造した液体吸収用樹脂延伸フィルムの液体吸収係数を、BRISTOW法 (JAPAN TAPPI No.51−87)に準拠し、液体動的吸収性試験機(熊谷理機工業(株)製:BRISTOW試験機II型)を使用して測定した。液体吸収は、液体吸収用樹脂延伸フィルムの水系コート面から行った。液体吸収係数は、測定溶液滴下後20ミリ秒から40ミリ秒における吸水曲線から最小二乗法により直線を得て、その勾配より求めた。測定溶液は、蒸留水98重量%に着色用染料としてスタンプインキ(赤)(シャチハタ(株)製)2重量%を混合したものを用いた。基材フィルムは液体をほとんど吸収しないため、測定された液体吸収係数は水系コート層の液体吸収係数を表す。液体吸収係数の大きさは、以下の4段階で評価した。△は実用上問題があり、×は実用的でないことを示す。
◎: 15ml/m2・(ms)1/2以上
○: 5ml/m2・(ms)1/2以上15ml/m2・(ms)1/2未満
△: 1ml/m2・(ms)1/2以上5ml/m2・(ms)1/2未満
×: 1ml/m2・(ms)1/2未満
実施例1〜11、比較例1〜4で製造した液体吸収用樹脂延伸フィルムの液体吸収容量を、コッブ法(JIS・P8140)に準拠し、コッブサイズ測定器(熊谷理機工業(株)製)を使用して30秒間接触した後、液体吸収容量を測定した。基材フィルムは液体をほとんど吸収しないため、測定された液体吸収容量は水系コート層の液体吸収容量を表す。
実施例1〜11、比較例1〜4で製造した液体吸収用樹脂延伸フィルムのコート層を、表面粗さ計((株)小坂研究所製サーフコーダーSE30)(JIS B0601)により測定を実施した。また、当該コート層のベック平滑度(JIS―P8119)について測定を実施した。
実施例1〜11、比較例1〜4で製造した直後のラベル各3枚を用意した。次いで用意したラベル各3枚についてそれぞれ水系接着剤層を介してガラス容器(内容量633mlの市販ガラス製ビールビン)に貼合して接着剤を室温にて7日間放置乾燥した後、貼合した該ラベル付きガラス容器のフィルム端面に、水圧2MPaで水洗した時、該ラベルがガラス容器から剥離するまで時間の測定(各3枚の平均時間)と該ラベルの剥離状態(ガラス容器接着面の接着剤または接着剤層の残存状態(各3枚の平均状態))について観察を行った。容器よりラベルが剥離するまでの水洗時間が3秒未満で剥離するラベルは、容器との接着強度として実用性に問題がある。また、剥離するまでの水洗時間が60秒を超えては、ラベルをリターナブル容器に使用する場合、ラベルを剥離するために時間がかかり過ぎるなどの問題がある。
剥離時間 ◎:3秒以上20秒未満に剥離する。
○:20秒以上60秒以内に剥離する。
×:3秒未満または、60秒以上経過して剥離する。
剥離状態 ○:ガラス容器接着面に接着剤および接着剤層が残存しない。
×:ガラス容器接着面の全面または部分的に接着剤または接着剤層が残存す る。
Claims (12)
- 基材フィルムと、液体吸収係数が5ml/m2・(ms)1/2以上で液体吸収容量が1〜30ml/m2である水系コート層と、該水系コート層の表面に形成した水系接着剤層を有するラベルあって、該ラベルを被着体に水系接着剤層を介して貼合したラベル付き被着体を水圧2MPaで水洗したときに水洗開始から60秒以内に該ラベルが被着体から剥離可能であるデラベリング可能なラベル。
- 基材フィルムが、熱可塑性樹脂(A)20〜100重量%、無機微細粉末(B)0〜80重量%、有機フィラー(B')0〜50重量%の割合で配合した樹脂組成物よりなること特徴とする請求項1に記載のラベル。
- 熱可塑性樹脂(A)が結晶性ポリオレフィン系樹脂であることを特徴とする請求項2に記載のデラベリング可能なラベル。
- 水系コート層表面の中心線平均粗さが0.1μm〜20μmとなる粗さを有する請求項1〜3のいずれかに記載のラベル。
- 水系コート層表面のベック平滑度が20〜50000秒となる粗さを有する請求項1〜4のいずれかに記載のラベル。
- 基材フィルムの面積延伸倍率が1〜80倍であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のデラベリング可能なラベル。
- 水系コート層がピグメントコート層であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のデラベリング可能なラベル。
- 基材フィルムの水系接着剤層を設けた面と反対面に金属層を有することを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の樹脂延伸フィルム。
- 水系接着剤として、デンプン、膠、カゼイン、セルロース、アルギン酸ナトリウム、グアーガム、ラテックス、ポリマレイン酸系重合物、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシルメチルセルロース、メチルセルロース、ゼラチン、プルラン、アクリル樹脂、ウレタン樹脂および酢酸ビニル樹脂からなる群より選択される少なくとも一つを含むことを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載のデラベリング可能なラベル。
- 請求項1〜9のいずれかに記載に記載のラベルが貼合された被着体。
- 請求項1〜10のいずれかに記載に記載のラベルが貼合された容器。
- 容器が金属、ガラス、プラスチック、陶器および紙からなる群より選ばれる材料で構成される請求項11に記載の容器。
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