JP2005208510A - 素子劣化状態監視装置、発光素子の輝度制御装置及び素子劣化状態監視方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 動作温度に応じて劣化進行速度が変化する素子に対する劣化状態の監視を適切に行なう。
【解決手段】 サーミスタ8によって有機ELパネル1の動作環境温度を検出し、その温度に応じてVCO7の制御電圧入力端子に与えられる制御電圧Vtを変化させ、VCO7の発振出力信号Clockをカウンタ10に与える。コントローラ5は、有機ELパネル1が駆動されている期間にカウンタ10をイネーブル状態にしてカウント動作を実行させ、有機ELパネル1の駆動が停止されるとカウンタ10のカウント値を読み出して、メモリ6を利用して積算データを得る。
【選択図】 図1
【解決手段】 サーミスタ8によって有機ELパネル1の動作環境温度を検出し、その温度に応じてVCO7の制御電圧入力端子に与えられる制御電圧Vtを変化させ、VCO7の発振出力信号Clockをカウンタ10に与える。コントローラ5は、有機ELパネル1が駆動されている期間にカウンタ10をイネーブル状態にしてカウント動作を実行させ、有機ELパネル1の駆動が停止されるとカウンタ10のカウント値を読み出して、メモリ6を利用して積算データを得る。
【選択図】 図1
Description
本発明は、動作温度に応じて劣化進行速度が変化する素子について動作時間を計測して積算することで、当該素子の劣化状態を監視する素子劣化状態監視装置及び素子劣化状態監視方法、並びに前記監視装置を備えてなる発光素子の輝度制御装置に関する。
例えば、特許文献1には、経年劣化する発光素子を動作させた積算時間を計測し、その積算時間に応じて駆動電流を変化させることで発光素子の輝度低下を防止するようにした表示装置が開示されている。
また、特許文献2には、駆動電流値が同じであっても動作温度に応じて輝度が異なる有機EL素子について、動作温度に応じて駆動電流を変化させることで輝度変化を防止するようにした駆動回路が開示されている。
特開2003−202838号公報
特開2003−326073号公報
また、特許文献2には、駆動電流値が同じであっても動作温度に応じて輝度が異なる有機EL素子について、動作温度に応じて駆動電流を変化させることで輝度変化を防止するようにした駆動回路が開示されている。
ここで、有機EL素子については、図13に示すように、高温環境下で動作し続けた場合には輝度低下速度が速くなるという性質があり、動作環境の温度に応じて劣化特性が異なることが知られている(例えば、特許文献2参照)。従って、特許文献1のように単に積算時間を考慮して駆動電流値を補正するだけでは、ユーザが素子を使用する実際の環境温度が変化する場合、素子の劣化状態を正確に把握することができなくなるという問題がある。また、例えば特許文献2に開示されている技術を加えることで、積算時間に応じた電流値補正と動作温度に応じた電流値補正を組み合わせたとしても、的確な補正を行うことは困難である。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その第1の目的は、動作温度に応じて劣化進行速度が変化する素子に対する劣化状態の監視を適切に行なうことにある。
また本発明の第2の目的は、発光素子に適用した場合には、劣化状態の監視を適切に行うことで、その監視結果を発光素子の輝度制御に応用することにある。
また本発明の第2の目的は、発光素子に適用した場合には、劣化状態の監視を適切に行うことで、その監視結果を発光素子の輝度制御に応用することにある。
請求項1記載の素子劣化状態監視装置によれば、動作温度に応じて劣化進行速度が変化する素子について動作時間を計測する時間計測手段は、検出された素子の動作温度に応じて動作時間の計測状態を変化させる。即ち、その動作時間は、実際の使用環境における素子の動作温度が変化するのに伴って異なるようになり、実質的には素子の温度特性を反映した劣化進行状態を示す指標となる。従って、上記のように計測された動作時間を積算することで、素子の経時劣化状態をより正確に監視することができる。
請求項2記載の素子劣化状態監視装置によれば、積算手段によって積算された動作時間のデータは不揮発性記憶手段に格納されて保持されるので、動作用電源が通断電されることで素子の動作が断続的となる場合でも、積算時間データを失うことなく保持することができる。
請求項3記載の素子劣化状態監視装置によれば、時間計測手段は、電圧変化手段が検出された動作温度に応じて指令電圧を変化させると、電圧制御発振器はその指令電圧に応じて発振周波数を変化させる。そして、計時手段は、電圧制御発振器より出力される発振信号に基づいて計時動作を行うので、計時される動作時間は、実際の使用環境における素子の動作温度変化に伴って変化するようになる。従って、電圧制御発振器を用いることで劣化状態監視に必要な構成を容易に実現することができる。
請求項4記載の素子劣化状態監視装置によれば、時間計測手段は、分周比設定手段が、検出された動作温度に応じて分周回路の分周比を設定することで、発振回路によって出力される発振信号の周波数を変化させる。従って、計時手段により計時される動作時間は、請求項3と同様に実際の使用環境における素子の動作温度変化に伴って変化するようになる。
請求項5記載の素子劣化状態監視装置によれば、前記素子を、表示パネルの画素を構成する自発光素子とするので、一般に、動作温度に応じて劣化進行速度が変化する傾向を示すことが多い自発光素子について本発明を有効に適用することができる。
請求項6記載の発光素子の輝度制御装置によれば、請求項5記載の素子劣化状態監視装置を備えて、輝度制御手段は、積算された動作時間に基づいて発光素子の輝度を制御する。即ち、前記積算時間は、上述したように素子の温度特性を反映した劣化進行状態を示しているので、その積算時間に基づき発光素子の輝度を制御すれば、その時点の劣化状態に応じた輝度の補正を適切に行なうことができる。
請求項7記載の発光素子の輝度制御装置によれば、輝度制御手段は、表示パネルがRGB三原色を夫々発光させる3つの発光素子を備えている場合に、積算された動作時間に基づき、各色対応の発光素子夫々について輝度制御を行う。即ち、発光色が異なる発光素子については、動作温度に応じた輝度劣化の進行度合いも異なる。従って、異なる発光色の発光素子夫々につき独立して輝度制御を行えば、各素子の劣化特性に応じた制御を行うことが可能となる。
請求項8記載の発光素子の輝度制御装置によれば、発光素子を有機EL(Electro Luminescence)素子とする。即ち、自発光素子の1種である有機EL素子は、動作温度に応じて劣化進行状態が変化する素子の典型であるから、本発明を有効に適用することができる。
(第1実施例)
以下、本発明を、有機EL素子を画素とするドットマトリクス型表示パネルの輝度制御装置に適用した場合の第1実施例について図1乃至図4を参照して説明する。図1は、有機ELパネル及びその輝度制御装置の構成を概略的に示す機能ブロック図である。有機ELパネル(表示パネル)1は、有機EL素子を画素とする表示パネルであり、有機EL素子は、ロウドライバ2及びカラムドライバ3により駆動電圧が印加される複数のロウ電極と複数のカラム電極(何れも図示せず)との交点に形成されている。尚、ロウドライバ2は、出力電流値が外部より制御可能な電流源によって構成されている。
以下、本発明を、有機EL素子を画素とするドットマトリクス型表示パネルの輝度制御装置に適用した場合の第1実施例について図1乃至図4を参照して説明する。図1は、有機ELパネル及びその輝度制御装置の構成を概略的に示す機能ブロック図である。有機ELパネル(表示パネル)1は、有機EL素子を画素とする表示パネルであり、有機EL素子は、ロウドライバ2及びカラムドライバ3により駆動電圧が印加される複数のロウ電極と複数のカラム電極(何れも図示せず)との交点に形成されている。尚、ロウドライバ2は、出力電流値が外部より制御可能な電流源によって構成されている。
輝度制御装置(素子劣化状態監視装置)4は、コントローラ(積算手段,輝度制御手段)5、メモリ(不揮発性記憶手段)6、VCO(電圧制御発振器)7などを中心として構成されている。動作用電源Voutと回路グランドとの間には、サーミスタ(温度検出手段,電圧変化手段)8と抵抗(電圧変化手段)9との直列回路が接続されており、それらの共通接続点は、VCO7の制御電圧入力端子に接続されている。
サーミスタ8は、有機ELパネル1の動作環境温度を検出するもので、その検出温度に応じて、VCO7の制御電圧入力端子に与えられる分圧電位(制御電圧)Vtは上昇するように変化する(図2参照)。VCO7は、発振出力信号(Clock)をコントローラ5に出力するようになっており、制御電圧Vtが上昇するのに応じてその発振周波数を上昇させるように変化させる(図3参照)。
コントローラ5は、マイクロコンピュータで構成されている。そして、VCO7によって出力される発振信号は、内部のカウンタ(計時手段)10に与えられている。また、コントローラ5には、電圧低下検出回路11の検出信号及びパネルスイッチ(SW)12の操作信号が与えられている。電圧低下検出回路11は、動作用電源Voutの電圧レベルの低下を検出すると検出信号を出力する。
パネルスイッチ12は、有機ELパネル1の表示のON,OFFをユーザが操作するためのスイッチである。そして、コントローラ5は、それらの信号出力状態に基づいてカウンタ10の動作を制御すると共に、カウンタ10のカウント値を読み出してメモリ6に積算値データを書き込むようになっている。メモリ6は、例えばEEPROMなどで構成されている。
また、コントローラ5は、メモリ6に記憶させた積算値データを読み出し、そのデータに基づいて、ロウドライバ2及びカラムドライバ3が有機ELパネル1を駆動する際に有機EL素子に供給する駆動電流値を制御するようになっている。尚、ロウドライバ2及びカラムドライバ3に対して表示用の画像データを出力する制御系は別途存在するが、コントローラ5がその機能を兼用するように構成しても良いことは勿論である。また、以上の構成において、VCO7,サーミスタ8及び抵抗9及びカウンタ10は、時間計測手段13を構成している。
次に、本実施例の作用について図4も参照して説明する。図4は、コントローラ5によって実行される有機ELパネル1の輝度制御処理内容を示すフローチャートである。コントローラ5は、動作用電源Voutが供給されて起動すると(スタート)、パネルスイッチ12が「ON」に操作されるまで待機し(ステップS1)、「ON」になると(「YES」)カウンタ10をイネーブル状態にしてVCO7により出力される発振信号に基づくカウント動作を開始させる(ステップS2)。尚、カウンタ10は、初期状態でゼロクリアされているものとする。
続いて、コントローラ5は、メモリ6に記憶されている積算値データを読み出すと(ステップS3)、その積算値データに応じてカラムドライバ3に内蔵されている定電流源の駆動電流値を設定する(ステップS4)。この処理については、詳細を後述する。次に、コントローラ5は、電圧低下検出回路11が動作用電源Voutの低下を検出したか(ステップS5)、また、パネルスイッチ12が「OFF」に操作されるまで待機する(ステップS8)。
電圧低下検出回路11が動作用電源Voutの低下を検出した場合(ステップS5,「YES」)、コントローラ5は、その時点におけるカウンタ10のカウンタ値をラッチして読み出す(ステップS6)。それから、ステップS3において読み出した積算データにカウンタ値を加えることで積算データを更新し、更新した積算データをメモリ6に書き込んで記憶させる。その後、動作用電源Voutの低下が更に進むことでコントローラ5は動作不能となり、処理は終了する。尚、電源系は、ステップS5において電源電圧の低下が検出された時点から、少なくともコントローラ5がステップS6,S7の処理を実行するまでの時間が確保されるように構成されている。
一方、パネルスイッチ12が「OFF」に操作された場合(ステップS8,「YES」)、コントローラ5は、カウンタ10をディスエーブル状態にしてカウント動作を停止させる(ステップS9)。それから、ステップS6,S7と同様の処理を実行すると(ステップS10,S11)ステップS1に戻る。
以上の処理において、カウンタ10によってカウントされる値は、動作用電源Voutが投入されて有機ELパネル1における表示が行われている期間に、VCO7によって出力された発振信号Clockをカウントしたものである。そして、発振信号Clockの発振周波数は、サーミスタ8によって検出される有機ELパネル1の動作環境温度に応じて変化する。即ち、検出温度が上昇するのに応じて発振周波数が上昇し、カウント値の増加速度も上昇する。また、そのカウント値は、メモリ6を利用して累算される。
以上の処理において、カウンタ10によってカウントされる値は、動作用電源Voutが投入されて有機ELパネル1における表示が行われている期間に、VCO7によって出力された発振信号Clockをカウントしたものである。そして、発振信号Clockの発振周波数は、サーミスタ8によって検出される有機ELパネル1の動作環境温度に応じて変化する。即ち、検出温度が上昇するのに応じて発振周波数が上昇し、カウント値の増加速度も上昇する。また、そのカウント値は、メモリ6を利用して累算される。
前述したように、有機EL素子は高温環境下で動作する場合に劣化が進む特性を備えているので、メモリ6に記憶される積算データは、動作環境温度に応じた有機EL素子の劣化進行状態を反映した指標となっている。従って、コントローラ5が、その積算時間データに基づいて有機EL素子に通電する駆動電流値を制御すれば、特性劣化に応じた表示輝度の低下を補正することができる。即ち、積算データ値が大きくなるにつれて有機EL素子の特性劣化は進行するので、ドライバ2及び3によって供給する駆動電流値を増加させて輝度の低下を補償すれば、常に略一定の表示輝度が維持されるようになる。
以上のように本実施例によれば、サーミスタ8によって有機ELパネル1の動作環境温度を検出し、その検出温度に応じて、VCO7の制御電圧入力端子に与えられる制御電圧Vtを変化させ、VCO7の発振出力信号Clockをカウンタ10に与えて、コントローラ5は、有機ELパネル1が駆動されている期間にカウンタ10をイネーブル状態にしてカウント動作を実行させ、有機ELパネル1の駆動が停止されるとカウンタ10のカウント値を読み出して、メモリ6を利用して積算データを得るようにした。
従って、コントローラ5は、その積算データに基づいて有機EL素子の経時劣化状態をより正確に監視することができる。そして、動作温度に応じて劣化進行速度が変化する傾向を示す有機EL素子について本発明を有効に適用することができる。また、積算時間データをEEPROMなどで構成されるメモリ6に格納して保持するので、動作用電源が通断電されることで有機EL素子の動作が断続的となる場合でも、積算時間データを失うことなく保持することができる。
更に、サーミスタ8により検出された動作温度に応じて、当該サーミスタ8及び抵抗9の直列回路がVCO7の指令電圧を変化させると、VCO7はその指令電圧に応じて発振周波数を変化させ、カウンタ10はVCO7より出力される発振信号に基づいてカウント動作を行うようにした。従って、VCO7を用いることで劣化状態監視に必要な構成を容易に実現することができる。加えて、コントローラ5は、積算された動作時間に基づいて有機EL素子の輝度を制御するので、その時点の劣化状態に応じた輝度の補正を適切に行なうことができる。
(第2実施例)
図5乃至図10は本発明の第2実施例を示すものであり、第1実施例と同一部分には同一符号を付して説明を省略し、以下異なる部分についてのみ説明する。第2実施例では、有機ELパネル1に代えて、R,G,B三原色を夫々発光する3つの有機EL素子が1単位の画素を構成しており、カラー表示が可能に構成される有機ELパネル(表示パネル)21を用いている。そして、ドライバも、有機ELパネル21に対応したロウドライバ22及びカラムドライバ23が用いられている。
図5乃至図10は本発明の第2実施例を示すものであり、第1実施例と同一部分には同一符号を付して説明を省略し、以下異なる部分についてのみ説明する。第2実施例では、有機ELパネル1に代えて、R,G,B三原色を夫々発光する3つの有機EL素子が1単位の画素を構成しており、カラー表示が可能に構成される有機ELパネル(表示パネル)21を用いている。そして、ドライバも、有機ELパネル21に対応したロウドライバ22及びカラムドライバ23が用いられている。
また、輝度制御装置(素子劣化状態監視装置)24は、第1実施例の構成より、VCO7,カウンタ10,電圧低下検出回路11が削除され、コントローラ5に代わってコントローラ(積算手段,輝度制御手段)25が用意されている。コントローラ25は、サーミスタ8及び抵抗9の分圧電位Vtを直接A/D変換して読み込むようになっている。
また、コントローラ25は、外部のタイマ26によって一定周期tで発生されるタイマ割込みを受けて、図6に示す処理を実行する。更に、メモリ6に代わるメモリ(不揮発性記憶手段)27には、後述するように各種の補正用データテーブルが予め記憶されている。尚、以上の構成において、サーミスタ8及び抵抗9,タイマ26及びメモリ27は、時間計測手段28を構成している。
また、コントローラ25は、外部のタイマ26によって一定周期tで発生されるタイマ割込みを受けて、図6に示す処理を実行する。更に、メモリ6に代わるメモリ(不揮発性記憶手段)27には、後述するように各種の補正用データテーブルが予め記憶されている。尚、以上の構成において、サーミスタ8及び抵抗9,タイマ26及びメモリ27は、時間計測手段28を構成している。
次に、第2実施例の作用について図6乃至図10も参照して説明する。図6に示すフローチャートにおいて、コントローラ25は、動作用電源が投入されて起動され、第1実施例と同様にステップS1で「YES」と判断すると、続いて、タイマ26によるタイマ割込みが発生するまで待機する(ステップS21)。そして、周期t毎のタイマ割込みが発生すると(「YES」)、分圧電位Vtを参照して有機ELパネル21の動作環境温度Tを検出する(ステップS22)。それから、検出した温度Tに基づいて、駆動電流値Iを、R,G,B三原色夫々の有機EL素子毎に決定する(ステップS23)。
即ち、図7に示すように、有機EL素子は、R,G,Bの各色を発光するものにより、動作環境温度に応じて、同一の駆動電流に対する発光輝度が夫々異なっている。そこで、メモリ27には図8に示す補正用データテーブルを予め記憶させておき、温度Tに応じて各色毎の駆動電流値Iを設定する。尚、図8に示すテーブルは、図7の温度特性を補償するように傾きの正負を逆にしたものとなっている。また、図6のフローチャートにおいて、有機EL素子のR,G,Bの各色毎に処理を行なうものについては、処理ステップ内に(R,G,B)を付して表示している。
次に、コントローラ25は、ステップS22で検出した温度Tに基づいて、時間の進み具合係数kを決定する(ステップS24)。進み具合係数kは、図9に示すように、温度Tが25℃の場合を基準「1」として、温度の高低に応じた有機EL素子の特性劣化の進み度合いの大小を反映させた係数である(これについては、発光色にかかわらず共通となっている)。温度が25℃より高くなると係数kは大きくなり、逆に温度が25℃より低くなると係数kは小さくなる。この図9の補正データテーブルをやはりメモリ27に予め記憶させておき、温度Tに応じて係数kを取得する。
それから、コントローラ25は、ステップS3と同様にメモリ27に記憶させている積算データSを読み出すと(ステップS25)、その積算データを更新する(ステップS26)。即ち、メモリ27より読み出した積算データをS,更新の積算データをS’とすると、
S’=S+k(T)×t
となる。つまり、進み具合係数k(T)をタイマ割込み周期tに乗じることで、積算データが動作環境温度に応じた値となるように補正を行っている。そして、更新後の積算データS’をメモリ27に書き込んで記憶させる(ステップS27)。
S’=S+k(T)×t
となる。つまり、進み具合係数k(T)をタイマ割込み周期tに乗じることで、積算データが動作環境温度に応じた値となるように補正を行っている。そして、更新後の積算データS’をメモリ27に書き込んで記憶させる(ステップS27)。
続いて、コントローラ25は、更新された積算データS’に基づいて劣化補正係数Dcを取得する(ステップS28)。劣化補正係数Dcは、図10に示すように、積算データS’に応じて劣化していると想定される各色毎の有機EL素子の輝度低下割合を反映させた係数であり、積算時間データがゼロ、即ち、未使用の時点を基準「1」としている。この図10の補正データテーブルもやはりメモリ27に予め記憶させておき、積算データS’に応じて係数Dcを取得する。即ち、有機EL素子は、発光色が異なると動作温度に応じた劣化進行の度合いも異なる特性を備えているからである。
最後に、コントローラ25は、ステップS23で設定した電流値Iを補正する(ステップS29)。即ち、各色毎に、電流値Iに劣化補正係数Dcを乗じることで、補正した電流値Icを得ると、カラムドライバ23に駆動電流の制御指令を出力する。それから、ステップS1に戻る。従って、図6に示す処理は、タイマ割込み周期tごとに繰り返し実行されるようになっている。
以上のように第2実施例によれば、輝度制御装置24は、有機ELパネル21がRGB三原色を夫々発光させる3つの有機EL素子を1つの画素単位とする場合に、積算された動作時間に基づいて、夫々発光色が異なる有機EL素子につき輝度制御を行うようにした。従って、各種有機EL素子について夫々の劣化特性に応じた制御を行うことができ、特性が経時的に夫々異なる度合で劣化する場合でも輝度むらが生じないように補正できるので、有機ELパネル21の表示品位を良好に維持することができる。
(第3実施例)
図11及び図12は本発明の第3実施例を示すものであり、第1又は第2実施例と異なる部分についてのみ説明する。輝度制御装置(素子劣化状態監視装置)31の構成を示す図11において、第2実施例と同様にVCO7は削除されており、コントローラ(積算手段,輝度制御手段,分周比設定手段)32は、分圧電位Vtを直接A/D変換して読み込むようになっている。そして、カウンタ10は、VCO7の発振出力に代えて、分周回路33を介して与えられる発振回路34の発振信号に基づいてカウント動作を行なう。その分周回路33は、コントローラ32によって分周比が設定可能となるように構成されている。尚、以上の構成において、サーミスタ8及び抵抗9,カウンタ10,分周回路33及び発振回路34は、時間計測手段35を構成している。その他の構成は、第1実施例と同様である。
図11及び図12は本発明の第3実施例を示すものであり、第1又は第2実施例と異なる部分についてのみ説明する。輝度制御装置(素子劣化状態監視装置)31の構成を示す図11において、第2実施例と同様にVCO7は削除されており、コントローラ(積算手段,輝度制御手段,分周比設定手段)32は、分圧電位Vtを直接A/D変換して読み込むようになっている。そして、カウンタ10は、VCO7の発振出力に代えて、分周回路33を介して与えられる発振回路34の発振信号に基づいてカウント動作を行なう。その分周回路33は、コントローラ32によって分周比が設定可能となるように構成されている。尚、以上の構成において、サーミスタ8及び抵抗9,カウンタ10,分周回路33及び発振回路34は、時間計測手段35を構成している。その他の構成は、第1実施例と同様である。
次に、第3実施例の作用について図12も参照して説明する。コントローラ32は、ステップS1において「YES」と判断すると、分圧電位Vtを参照して有機ELパネル1の動作環境温度を検出する(ステップS31)。それから、検出した温度に応じて分周回路33の分周比を内部のレジスタに書き込んで設定する(ステップS32)。例えば、第2実施例のように、温度25℃の場合の分周比を基準として、温度がより高くなると分周比が小さくなるように設定し、温度がより低くなると分周比がより大きくなるように設定する。その結果、カウンタ10に与えられるカウンタクロックの周波数は、有機ELパネル1の動作環境温度に応じて変化する。また、ステップS8において「NO」と判断した場合も、ステップS5に戻るまでの間にステップS33,S34にてステップS31,S32と同様の処理を行なう。その他の処理については、第1実施例と同様である。
以上のように第3実施例によれば、時間計測手段35は、コントローラ32が、検出された動作温度に応じて分周回路33の分周比を設定することで、発振回路34によって出力される発振信号の周波数を変化させる。従って、カウンタ10により計時される積算時間は、第1実施例と同様に請求項3と同様に実際の使用環境における素子の動作温度変化に伴って変化するようになる。
本発明は上記し且つ図面に記載した実施例にのみ限定されるものではなく、次のような変形または拡張が可能である。
パネルスイッチ12は、必要に応じて設ければ良い。即ち、動作用電源が投入されている場合、有機ELパネル1は常時表示を行うような構成であっても良い。
また、パネルスイッチ12が、電源投入用のスイッチと兼用であっても良い。その場合、パネルスイッチがOFFされた時点から、コントローラ5がステップS6,S7の処理を実行するための時間が確保されるように電源電圧を維持する構成を採用すれば良い。
パネルスイッチ12は、必要に応じて設ければ良い。即ち、動作用電源が投入されている場合、有機ELパネル1は常時表示を行うような構成であっても良い。
また、パネルスイッチ12が、電源投入用のスイッチと兼用であっても良い。その場合、パネルスイッチがOFFされた時点から、コントローラ5がステップS6,S7の処理を実行するための時間が確保されるように電源電圧を維持する構成を採用すれば良い。
発光素子の輝度制御を行うものに限ることなく、素子の劣化状態を監視することで、例えば素子の交換を行うためのメンテナンス情報として利用しても良い。
表示パネルは、ドットマトリクス型に限ることなく、セグメント型であっても良い。
有機EL素子に限ることなく、その他の発光素子に適用しても良い。
また、発光素子に限ることなく、動作温度に応じて劣化進行速度が変化する素子であれば適用が可能である。
表示パネルは、ドットマトリクス型に限ることなく、セグメント型であっても良い。
有機EL素子に限ることなく、その他の発光素子に適用しても良い。
また、発光素子に限ることなく、動作温度に応じて劣化進行速度が変化する素子であれば適用が可能である。
図面中、1は有機ELパネル(表示パネル)、4は輝度制御装置(素子劣化状態監視装置)、5はコントローラ(積算手段,輝度制御手段)、6はメモリ(不揮発性記憶手段)、7はVCO(電圧制御発振器)、8はサーミスタ(温度検出手段,電圧変化手段)、9は抵抗(電圧変化手段)、10はカウンタ(計時手段)、13は時間計測手段、21は有機ELパネル(表示パネル)、24は輝度制御装置(素子劣化状態監視装置)、25はコントローラ(積算手段,輝度制御手段)、27はメモリ(不揮発性記憶手段)、28は時間計測手段、31は輝度制御装置(素子劣化状態監視装置)、32はコントローラ(積算手段,輝度制御手段,分周比設定手段)、33は分周回路、34は発振回路、35は時間計測手段を示す。
Claims (13)
- 動作温度に応じて劣化進行速度が変化する素子について動作時間を計測する時間計測手段と、
前記動作時間を積算する積算手段と、
前記素子の動作温度を検出する温度検出手段とを備え、
前記時間計測手段は、前記温度検出手段により検出された動作温度に応じて、前記動作時間の計測状態を変化させるように構成されていることを特徴とする素子劣化状態監視装置。 - 前記積算手段によって積算された動作時間を格納して保持するための不揮発性記憶手段を備えたことを特徴とする請求項1記載の素子劣化状態監視装置。
- 前記時間計測手段は、
温度検出手段により検出された動作温度に応じて、指令電圧を変化させる電圧変化手段と、
前記指令電圧に応じて発振周波数を変化させる電圧制御発振器と、
この電圧制御発振器によって出力される発振信号に基づいて計時動作を行う計時手段とで構成されていることを特徴とする請求項1又は2記載の素子劣化状態監視装置。 - 前記時間計測手段は、
発振回路と、
この発振回路によって出力される発振信号を可変分周可能に構成される分周回路と、
前記温度検出手段により検出された動作温度に応じて、前記分周回路の分周比を設定する分周比設定手段と、
前記分周回路を介して出力される発振信号に基づいて計時動作を行う計時手段とで構成されていることを特徴とする請求項1又は2記載の素子劣化状態監視装置。 - 前記素子は、表示パネルの画素を構成する自発光素子であることを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の素子劣化状態監視装置。
- 請求項5記載の素子劣化状態監視装置を備えると共に、
前記積算手段によって積算された動作時間に基づいて発光素子の輝度を制御する輝度制御手段を備えたことを特徴とする発光素子の輝度制御装置。 - 前記表示パネルは、RGB三原色を夫々発光させる3つの発光素子を備え、
前記輝度制御手段は、前記積算された動作時間に基づき、各色対応の発光素子夫々について輝度制御を行うように構成されていることを特徴とする請求項6記載の発光素子の輝度制御装置。 - 前記発光素子は、有機EL(Electro Luminescence)素子であることを特徴とする請求項6又は7記載の発光素子の輝度制御装置。
- 動作温度に応じて劣化進行速度が変化する素子について動作時間を計測し、その動作時間を積算することで前記素子の劣化状態を監視する方法において、
前記動作時間の計測状態を、前記素子の動作温度に応じて変化させることを特徴とする素子劣化状態監視方法。 - 前記素子は、表示パネルの画素を構成する自発光素子であることを特徴とする請求項9記載の素子劣化状態監視方法。
- 前記積算された動作時間に基づいて、前記発光素子の輝度を制御することを特徴とする請求項10記載の素子劣化状態監視方法。
- 前記表示パネルが、RGB三原色を夫々発光させる3つの発光素子を備える場合に、
前記積算された動作時間に基づき、各色対応の発光素子夫々について輝度制御を行うことを特徴とする請求項11記載の素子劣化状態監視方法。 - 前記発光素子は、有機EL素子であることを特徴とする請求項10乃至12の何れかに記載の素子劣化状態監視方法。
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- 2004-01-26 JP JP2004017364A patent/JP2005208510A/ja active Pending
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