JP2005208470A - 光変調器 - Google Patents

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Chiyoujitsuriyo Suzuki
朝実良 鈴木
Nobuyuki Otsuka
信之 大塚
Koichi Mizuno
紘一 水野
Shigeo Yoshii
重雄 吉井
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Abstract

【課題】反射スペクトルの形状の変化を利用し、効率的な光変調を実施できる導波路型の光変調器を提供する。
【解決手段】基板11上に形成された多層膜が、基板面内方向に伸長する導波路20と、少なくとも導波路20を横断する第1反射帯21および第2反射帯23とを含み、エネルギー印加手段(電極17)により、第1反射帯と第2反射帯との間の領域において導波路20の少なくとも一部にエネルギー(電界)が印加される光変調器とする。反射スペクトルの形状、特に第1,第2反射帯21,23の適切な配置により形成される反射ピーク内のバレイは、電界の印加に敏感に反応する。低屈折率帯として穴30を形成すれば、反射帯において大きな屈折率差を確保できる。
【選択図】図1

Description

本発明は、光変調器、特に導波路型の光変調器に関する。
テラヘルツ帯電磁波である光の変調方法としては、化合物半導体の表面にフェムト秒程度の強い光パルスを照射して過渡的な電流を励起する方法、電界を印加した半導体量子井戸にフェムト秒程度の強い光パルスを照射することにより重い正孔と軽い正孔の準位間や複数の量子井戸のエネルギー固有値が異なる準位間の振動を励起する方法などが提案されている。しかし、これらの方法には、照射した光パルスの多くが半導体の表面や量子井戸を通過するため、効率に優れた変調が実現できないという問題がある。
量子井戸における量子閉じ込めシュタルク効果のように、電界の印加による吸収端のシフトを利用した光変調器も提案されている。特許文献1には、基板上に、第1反射多層膜、多重量子井戸層、第2反射多層膜をこの順に形成した光変調器が開示されている。この光変調器では、膜厚方向に電界が印加され、量子閉じ込めシュタルク効果により、多重量子井戸層における吸収端が長波長側に移動する。この吸収端の移動を利用すれば、光変調を行うことができる。
特許文献2には、反射スペクトルにおけるバレイの形状の変化を制御し、これにより反射率の制御を行う光変調器が開示されている。特許文献2には、図10に示すように、半導体基板50と、この基板上に順次形成された第1反射多層膜51、第2反射多層膜52および第3反射多層膜53と、これら多層膜にその膜厚方向に沿って電界を印加できるように配置された下部電極61および上部電極62とから構成された光変調器が開示されている。第1反射多層膜51はp型層、第3反射多層膜53はn型層であり、第2反射多層膜52はp型層71とn型層72との積層膜である。第1反射多層膜51および第3反射多層膜53を、目的波長λを含む波長域に反射ピークが生じるように設計し、第2反射多層膜52の膜厚dをλの0〜3/4倍の範囲とすれば(ただしd≠1/4λ)、反射ピークにバレイが形成される。そして、p型層およびn型層により形成されるpn接合に対する逆方向電圧を電極61,62に印加すると、p型層71とn型層72との間の空乏層が拡大し、第2反射多層膜52の実効光学長が変化する。この層の実効光学長の変化は、反射スペクトルの形状に影響を及ぼし、この影響は上記バレイに顕著に表れる。こうして生じるバレイ形状の変化を利用すれば、光変調を行うことができる。この光変調器では、反射多層膜51,52,53の膜面に垂直に変調させるべき光63を入射させ、同膜面に垂直に変調された光64が出射する。
特開平9−269467号公報 特開平8−262379号公報
特許文献1,2に開示された光変調器によれば、反射スペクトルにおけるバレイやピークの立ち上がり部分が電界に反応することを利用し、効率的な光変調を実施できる。しかし、これら光変調器は、反射多層膜の膜面に垂直に光を入射させる必要があるため、いわゆる導波路型の光変調器として用いることができなかった。
そこで、本発明は、基板と、この基板上に形成された多層膜と、エネルギー印加手段とを含み、この多層膜が、基板の面内方向に伸長する導波路と、少なくとも上記導波路を横断するように配置され、上記導波路を伝播する光の少なくとも一部を反射する第1反射帯および第2反射帯とを含み、上記エネルギー印加手段により、第1反射帯と第2反射帯との間の領域において上記導波路の少なくとも一部にエネルギーが印加される光変調器を提供する。
本発明では、反射多層膜ではなく、基板の面内方向に伸長する導波路を横切るように配置した第1、第2反射帯を利用し、これら反射帯の間の領域へのエネルギー印加により光変調を行うこととした。これにより、効率的な光変調を行える導波路型の光変調器を提供できる。後述するように、本発明の好ましい形態では、従来の反射多層膜では実現できなかった大きな屈折率差を内包する反射帯構造を実現できる。屈折率差を大きくとれば、所定の反射率を得るために必要な繰り返し単位数を減らすことができる。また、本発明の好ましい形態では、エネルギーを光変調に必要な部分のみ、具体的には反射帯を介さず上記部分に直接印加することも可能となる。これによれば、より効率的に光変調を行える。
本発明の光変調器では、第1反射帯と第2反射帯との間の領域にエネルギーが印加され、これに伴って、例えば上記領域の屈折率が変化し、その結果、上記領域における導波路の実効光学長が変化する。実効光学長が変化すると、導波路に入射する光の反射スペクトル(分光反射率曲線)が変化する。この反射スペクトルの変化、特に反射ピークの立ち上がり部分や反射ピーク内に形成されたバレイの鋭敏な変化を利用すれば効率的に光変調を実施できる。
第1反射帯および第2反射帯は、いずれも高屈折率域および低屈折率域を含むように形成することが好ましい。第1反射帯と第2反射帯との間の領域(以下、「屈折率変化帯」ということがある)は、高屈折率域および低屈折率域を含まなくてもよいが、反射帯と同様、高屈折率域および低屈折率域を含んでいてもよい。この場合は、第1反射帯と第2反射帯において所定の規則性を満たすように高屈折率域および低屈折率域を配置し、第1反射帯と第2反射帯との間の領域が上記所定の規則性を満たさないように配置された高屈折率域および低屈折率域を含むことが好ましい。
高屈折率域および低屈折率域は、多層膜に形成した穴(空隙)を利用して形成してもよい。この穴は、除去した材料と屈折率が異なる材料により埋めてもよいが、穴をそのまま空隙として残せば、固体では実現できない程度に低い屈折率(n=1)を有する低屈折率域を形成できる。このように、低屈折率域の少なくとも一部、好ましくは全部、は空隙であることが好ましい。
光変調のためのエネルギーは、例えば、電界、磁界、光および応力から選ばれる少なくとも一つとするとよい。光変調器には、いずれか一つのエネルギーを印加してもよく、複数のエネルギーを同時にまたは個別に印加しても構わない。エネルギー印加手段は、入力するエネルギーに応じて適宜選択するとよく、例えば、電極(電界印加手段)、導線(磁界印加手段)、発光器(光パルス印加手段)、ピエゾ素子(応力印加手段)を用いることができる。
エネルギー印加手段の配置は、第1,第2反射帯の間に光変調を行うに足るエネルギーを印加できる限りにおいて制限がない。従来の光変調器(図10)では、屈折率を変化させるべき領域(反射多層膜51,53の間の領域)52にエネルギー印加手段(電極61,62)を接触させることはできなかった。これに対し、本発明の光変調器では、後述するように、第1、第2反射帯の間の領域にエネルギー印加手段を直接接触させることも可能である。例えば、本発明の光変調器の好ましい形態は、エネルギー印加手段として第1電極および第2電極を含み、第1電極および第2電極の少なくとも一方が第1反射帯と第2反射帯との間の領域に接触している。これによれば、屈折率変化帯に電界を効率的に印加できる。
第1反射帯および第2反射帯は、導波路を伝搬する光の分光反射率曲線にバレイを含む反射ピークが形成されるように配置するとよい。エネルギーの印加によりバレイの形状を変化させれば、光変調を効率的に行える。反射ピーク内のバレイは、エネルギーの印加に敏感に反応するからである。
反射ピークに形成されるバレイは、深く、細いことが望ましい。小さいエネルギーで大きな変調を実現でき、変調によって生じる側帯波をカットできるからである。具体的には、上記反射ピークにおいて、上記バレイを狭持する2つの領域における最大反射率がともに80%以上、さらには90%以上、特に99%以上が好ましい。バレイの半値幅は50nm以下、例えば1nm〜5nmが好ましい。バレイのピークとベースとの差異は30%以上、さらには50%以上、の反射率差に相当することが好ましい。鋭く、深いバレイを利用すれば、単色性のよい光変調を実現しやすい。
以下、図面を参照しながら本発明の光変調器の一形態について説明する。
図1〜図3に示す光変調器は、第1導電型の半導体基板11上に形成された多層膜を含み、この多層膜には、基板11側から順に、第1導電型の半導体層12、半導体超格子層13、量子井戸層14、半導体超格子層15、第2導電型の半導体層16が含まれている。半導体層16の表面には上部電極17が形成され、半導体基板11の表面には下部電極10が形成されている(図1では下部電極の図示省略)。下部電極10は、図10の電極61と同様、基板の裏面に配置してもよい。
図4に示すように、半導体超格子層13,15の屈折率nは、第1導電型の半導体層12および第2導電型の半導体層16の屈折率nよりも大きくなるように設定されている。このため、半導体超格子層13,15はコアとして、第1導電型の半導体層12および第2導電型の半導体層16はクラッドとしてそれぞれ機能する。量子井戸層14の屈折率nは半導体超格子層13,15の屈折率nよりも相対的に大きいが、量子井戸層14は膜厚が十分に薄いため、光導波に対して実質的に影響を与えない。このように、この多層膜には、コアおよびこれを狭持するクラッドを含む導波路20が形成されている。また、図5に示すエネルギーバンドギャップEgより明らかなように、半導体超格子層13,15は、量子井戸層14の障壁層としても機能する。このため、導波路20に侵入してくる光により生じる励起子の波動関数は、量子井戸層14に集中する。
量子井戸層14は、例えば1nm〜20nmの厚さとなるように形成するとよい。超格子層13,15は、例えば厚さが1〜20nmのバリア層と、厚さが0.3nm〜10nmの井戸層とを、合計膜厚が20nm〜1000nmとなるように交互に積層して形成するとよい。半導体層12,16は、例えば500nm〜2000nmの厚さとなるように形成すればよい。
以上に例示したとおり、多層膜は、その構造、材料が制限されるわけではないが、量子井戸層14を含むことが好ましい。また、この量子井戸層14を狭持するように配置され、量子井戸層14よりも屈折率が低い半導体層13,15を含むことが好ましく、この層は量子井戸層14よりもバンドギャップエネルギーが大きいことが好ましい。コア層となるこれら半導体層13,15は、単一の層であってもよく、超格子層に代表されるように複数の層から構成されていてもよい。さらに、これらコア層/量子井戸層/コア層からなる積層体を狭持するように、コア層よりも屈折率が低い半導体層(クラッド層)12,16を配置するとよい。
半導体基板10および各半導体層には化合物半導体を用いるとよい。半導体基板/第1クラッド層/第1コア層/量子井戸層/第2コア層/第2クラッド層の積層構造は、例えば、GaAs基板/GaAs層/(AlpGa1pAs/GaAs超格子層)/GaAs層/(AlpGa1pAs/GaAs超格子層)/GaAs層とするとよい。ここで、pは0.2≦p≦1が好ましい。
上記積層構造の別の組み合わせは、InP基板/AlAsrSb1r層/(AlAsrSb1r/InqGa1-qAs超格子層)/InsGa1-sAs1-t-utu/(AlAsrSb1r/InqGa1-qAs超格子層)/AlAsrSb1r層である。ここで、q、r、s、t、uはそれぞれ、0.5≦q≦0.56、0.53≦r≦0.59、0.7≦s≦1、0≦t≦1、0≦u≦0.1が好ましい。なお、AlAsrSb1r/InqGa1-qAs超格子層に代えて、InvAl1-vAs/InqGa1-qAs超格子層を用いてもよい。ここで、vは0.49≦v≦0.55である。また、InsGa1-sAs1-t-utuに代えて、InGaAsSbを用いてもよい。
第1クラッド層/第1コア層/量子井戸層/第2コア層/第2クラッド層の組み合わせにおいて、半導体基板、第1クラッド層は第1導電型(例えばp型基板、p層)、第2クラッド層は第2導電型(例えばn層)とするとよく、第1コア層/量子井戸層/第2コア層は不純物濃度が低い層(i層)とするとよい。積層方向にpin接合を形成すると、pin接合に逆バイアス電圧を印加でき、屈折率変化帯の屈折率を電界によって制御しやすくなる。なお、屈折率の制御は、例えば、電界を印加した状態で光パルスを照射することによっても可能である。
多層膜は、基板の面内方向に沿った所定の一方向を導波方向とするべく断面メサ型に加工され(図2)、導波方向にリッジ状に伸長している(図1)。基板の面内方向に沿って入射した光41は、導波路を通過する間に変調され、同面内方向に沿って光42として出射する。ただし、この光変調器は、入射面と出射面とが異なる透過型としてではなく、入射面と出射面とが一致する反射型として用いてもよい。
多層膜には、導波方向に沿って、第1反射帯21および第2反射帯23が離間して配置されている(図1)。第1、第2反射帯21,23には、多層膜に周期的に穴(キャビティー)30が配置されている。これらの穴30は、少なくとも導波路20のコア部分13,14,15を横断するように多層膜内を下方へと伸長している。穴30は、基板11の表面、さらには基板11の内部、にまで達していてもよい。これらの穴30は、同一形状であってその断面は所定の半径rを有する円であり、導波方向に沿って所定の間隔s(円の中心間の距離)で規則的に配置されている。
これらの穴30には空気が入り込んでおり、屈折率nLが1である低屈折率域を構成している。一方、これらの穴30の間に取り残された領域は、この領域を構成する材料により定まる所定の屈折率nHを有する高屈折率域となる。このように、反射帯21,23では、低屈折率域および高屈折率域が交互に配置されている。なお、nH、nLは、導波路20のコア層(半導体超格子層)13,15の屈折率により特定すればよい。
各領域の大きさは制御の対象とする光の波長λに基づいて設計される。具体的には、例えば、導波方向に沿った低屈折率域の長さ2rと高屈折率域の長さ(s−2r)とが、ともに、各領域の光学長さが実質的にλ/4となるように穴30の半径および間隔を決定するとよい。この設計に際しては、光導波路の中央を基準として上記条件を満たすように穴30の半径および間隔を決定すればよい。
上記反射帯21,23は、光学厚みがλ/4を有する高屈折率膜と低屈折率膜とを交互に積層したいわゆるλ/4反射多層膜と同様、波長λを有する光についての反射帯域(λ/4反射帯)として機能する。反射帯21,23では、反射多層膜よりも屈折率差(nH−nL)を大きくとることができる。反射多層膜における低屈折率膜の材料は、所定の膜厚に制御しながら成膜することが求められ、かつ高屈折率膜との交互積層が可能な材料から選択しなければならない。一方、図示した形態では、上記のように穴30を形成するだけで、その屈折率が空気の屈折率1にまで低下した低屈折率域を形成できる。屈折率差が大きくなればなるほど、所望の反射率を得るために必要な単位構造の繰り返し数も少なくなる。例えば、nHが3.8、nLが1であれば、穴30を1つ形成するだけで75%の反射率を得ることができる。この程度の屈折率差があれば、5〜7周期で99%以上の反射率を有する反射ピークを形成できる。高屈折率域と低屈折率域との屈折率差は、0.3以上、特に0.5以上が好ましい。
反射帯21,23の存在により、導波路20に入射する光の反射スペクトルには、波長λを含む波長域に反射ピークが形成される。2つの反射帯21,23が同じという条件を満たす場合、反射メインピーク(最も幅が広い反射ピーク)の幅Δλは以下の近似式により定まる。
Δλ/λ≒4(nH−nL)/π(nH+nL
λ/4反射帯を用いる場合には、導波方向に沿った屈折率変化帯22の光学長さdを以下の条件を満たすように定めると、反射メインピーク内に、狭幅で深いバレイが形成される。
d≠(2n+1)/4λ (nは整数)
より具体的には、0<d<3/4λ(ただし、d≠1/4λ)とするとよい。
反射ピークの形状を図6に例示する。d=4/8λ(1/2λ)とした反射メインピークでは630nm近傍に(図6A)、d=3/8λとした反射メインピークでは610nm近傍に(図6B)、d=1/8λとした反射メインピークでは660nm近傍に(図6D)、それぞれ急峻なバレイが形成されている。これらバレイの特徴の一つは、ベースBとピークPとの差異(バレイ深さ)Dが大きい(深い)ことにある(図9)。ここで、バレイのベースBは、バレイ両端の底部を結ぶ仮想線VL上におけるピークPの波長λPに対応する点である。半値幅Wはピーク高さの半分の位置におけるバレイの幅である。
d=2/8λ(1/4λ)とした反射メインピーク内には、特徴的なバレイは生じていない(図6C)。この場合も、反射メインピークの両側には複数のピークとバレイが形成されるが、これらのピークやバレイは、屈折率変化帯22における実効屈折率の変化にそれほど敏感ではない。従って、屈折率変化帯22の長さ(第1反射帯21と第2反射帯23との間隔)dは、上記条件を満たすように離間して配置することが好ましい。
なお、図6の例示は、波長λを632.8nm、反射帯21,23における高屈折率域および低屈折率域における屈折率をそれぞれ3.33および2.85、屈折率変化帯22における屈折率を3.33、反射帯21,23をそれぞれ12個の高屈折率域と12個の低屈折率域とが交互に配置された領域としたときの反射スペクトルに基づいている。
図7に示すように、屈折率変化帯22にも穴31を形成してもよい。この穴31により、屈折率変化帯22にも空隙からなる低屈折率域と空隙残部からなる高屈折率域とが形成される。しかし、屈折率変化帯22では、反射帯21,23における低屈折率域と高屈折率域との配置の規則性に従わないように(例えば穴の間隔を変更して)、穴31を配置するとよい。図6A,B,Dと同様、急峻なバレイを得るためである。
図7の光変調器では、導波路20の伸長方向に沿って形成された一連の穴30,31が周期的な構造を形成している。この構造をフォトニッククリスタルと見れば、反射帯21,23では所定の大きさを有する疑似結晶が、その間の屈折率変化帯22では大きさが異なる疑似結晶がそれぞれ配置されていると把握できる。なお、図7では、上部電極の図示も省略した。
図1〜図3の光変調器には、断面が円形の穴30,31を形成した例を示した。しかし、穴(低屈折率域)の形状はこれに限らず、断面楕円、断面矩形などであってもよい。穴に別の材料を埋め込んでも構わない。また、上記では、多層膜を断面メサ状に加工した例を示した。しかし、多層膜の加工形状はこれに限らない。また、上記では、化合物半導体からなる基板および多層膜を例示した。しかし、基板および多層膜の材料はこれに限らず、Siなどの非化合物半導体、誘電体その他の材料を用いることができる。誘電体その他の固体材料であっても、反射帯の間において屈折率変化を引き起こすことは可能である。
以上では、電界を印加する光変調器について説明した。しかし、入力するエネルギーは電界に限らない。例えば、応力を印加すれば、反射帯21,23の間の領域22における導波路の長さは直接変化する。この応力の印加は上記領域が弾性変形する範囲内で行うとよい。また、光パルスを照射して励起子ポラリトンと呼ばれる状態を生成すれば、屈折率の異常分散が生じ、屈折率が大きくなる。これを利用すれば、上記と同様、反射スペクトルの形状を変化させることができる。この場合は、フェムト秒オーダーの光パルスを反射帯21,23の間の領域22に照射するとよい。励起子ポラリトンを利用すれば、テラヘルツオーダーでの超高速光変調が可能となる。
変調を行う光の波長は、特に制限されないが、例えば100nm〜1mm、特に400nm〜100μmから選択するとよい。そして、この波長にバレイが形成されるように、あるいはエネルギーの印加に伴ってバレイが当該波長にシフトするように反射帯などを設計するとよい。
電極10,17に印加する逆方向電圧は、特に制限されないが、2〜10V程度が好ましい。このとき、上記積層体には、例えば1pA〜10μAの直流電流が流れる。
以下、光変調器の具体的な作製方法を例示する。
まず、予め表面を酸で洗浄したn−InPウェハーの表面に、分子線エピタキシー(MBE)法または有機金属気相成長(MOCVD)法を用いて多層膜を形成した。いずれの方法を用いるにせよ、基板温度は450〜550℃とするとよい。また、予めP雰囲気中で成膜の際の基板温度より30〜50℃程度高い温度で加熱処理し、基板表面の酸化膜などを除去した。
まず、n型不純物(たとえばSi)が1018cm-3程度ドープされたInP層バッファ層を500nm程度成長させた。このバッファ層は、素子の動作特性には直接関係しないが、形成すると結晶成長をスムースに行うことができる。
次いで、n型不純物(Si)が1018cm-3程度ドープされたn−AlAs0.56Sb0.44層を200nm形成した。この層の屈折率は2.8である。さらに、不純物のキャリア濃度が1015〜1016cm-3と極めて低く、屈折率が3.3であってn−AlAs0.56Sb0.44層より大きいAlAs0.56Sb0.44/In0.53Ga0.47As超格子層を積層した。AlAs0.56Sb0.44バリア層の厚さは10nm、In0.53Ga0.47As井戸層の厚さは5nmとし、この組み合わせの周期数を20周期とすることで、AlAs0.56Sb0.44/In0.53Ga0.47As超格子層の膜厚を合計300nmとした。
引き続き、不純物のキャリア濃度が1015〜1016cm-3と極めて低く、AlAs0.56Sb0.44/In0.53Ga0.47As超格子層よりも実効バンドギャップエネルギーが小さいIn0.8Ga0.2As0.390.590.02量子井戸層を2nm形成した。この層の屈折率は3.8である。さらに、この量子井戸層上に、上記と同様の超格子層を積層した。
最後に、p型不純物(Be)が1018cm-3程度ドープされたp−AlAs0.56Sb0.44層を200nm形成した。こうしてウェハー作製工程を終了し、ウェハーを成長チャンバーから取り出した。
このウェハーに、フォトプロセス工程とH2SO4/H22/H2O系エッチャントを用いた異方性メサエッチ工程とにより、多層膜を、幅約50μm、長さ約1mmのメサ型に加工した。マスクとしては、プラズマCVD法によるSiO2層を用いた。次いで、フォトプロセス工程とドライエッチング工程とにより多層膜に穴を形成した。ここでは、設計波長λが632.8nmであることを考慮し、穴の半径rを52nm、間隔sを56.5nmとした。穴は、屈折率変化帯となる領域を挟む2つの領域(反射帯)において各10個形成した。穴の深さは、基板に達するように約1.5μmとした。最後に、電極膜を図2に示した位置に形成した。n型用電極(下部電極)としてはAuGe/Niを、p型用電極(上部電極)としてはAuZnを用いた。上部電極は、屈折率変化帯上にのみ形成した(図1参照)。
こうして得た光変調器に、電極を用いて電界を印加しつつ反射スペクトルを測定した。結果を図8に示す。波長660nm近傍のバレイが電界に敏感に反応し、これによりこの波長を有する光の変調を行うことができた。
本発明によれば、導波路型の光変調器を用いて効率的な光変調を実施できる。
本発明の光変調器の一形態を示す斜視図 図1に示した光変調器の横断面図 図1に示した光変調器の縦断面図 光変調器を構成する多層膜における屈折率nの分布の一例を示すグラフ 光変調器を構成する多層膜におけるエネルギーギャップEgの一例を示すグラフ 屈折率変化帯の長さdによる反射スペクトルの変化を示すグラフ 本発明の光変調器の別の一形態を示す斜視図 信号の入力による反射スペクトルの変化の一例を示すグラフ 反射スペクトルにおけるバレイの一例を示す図 従来の光変調器の一例を示す断面図
符号の説明
10 下部電極
11 半導体基板
12 n型半導体層
13,15 超格子層
14 量子井戸層
16 p型半導体層
17 上部電極
20 導波路
21,23 反射帯
22 屈折率変化帯
30,31 穴(空隙)


Claims (11)

  1. 基板と、前記基板上に形成された多層膜と、エネルギー印加手段とを含み、
    前記多層膜が、前記基板の面内方向に伸長する導波路と、少なくとも前記導波路を横断するように配置され、前記導波路を伝播する光の少なくとも一部を反射する第1反射帯および第2反射帯とを含み、
    前記エネルギー印加手段により、前記第1反射帯と前記第2反射帯との間の領域において前記導波路の少なくとも一部にエネルギーが印加される光変調器。
  2. 前記第1反射帯および前記第2反射帯が、いずれも高屈折率域および低屈折率域を含む請求項1に記載の光変調器。
  3. 前記第1反射帯および前記第2反射帯において所定の規則性を満たすように前記高屈折率域および前記低屈折率域が配置され、
    前記第1反射帯と前記第2反射帯との間の領域が、前記所定の規則性を満たさないように配置された高屈折率域および低屈折率域を含む請求項2に記載の光変調器。
  4. 前記低屈折率域の少なくとも一部が空隙である請求項2または3に記載の光変調器。
  5. 前記エネルギーが、電界、磁界、光および応力から選ばれる少なくとも一つである請求項1〜4のいずれか1項に記載の光変調器。
  6. 前記エネルギー印加手段として第1電極および第2電極を含み、前記第1電極および前記第2電極の少なくとも一方が前記第1反射帯と前記第2反射帯との間の領域に接触している請求項1〜5のいずれか1項に記載の光変調器。
  7. 前記導波路を伝搬する光の分光反射率曲線にバレイを含む反射ピークが形成されるように前記第1反射帯および前記第2反射帯が配置され、前記エネルギーの印加により前記バレイの形状が変化する請求項1〜6のいずれか1項に記載の光変調器。
  8. 前記反射ピークにおいて、前記バレイを狭持する2つの波長域における最大反射率がともに80%以上である請求項7に記載の光変調器。
  9. 前記バレイの半値幅が50nm以下である請求項7または8に記載の光変調器。
  10. 前記バレイのピークとベースとの差異が50%以上の反射率差に相当する請求項7〜9のいずれか1項に記載の光変調器。
  11. 前記導波路が量子井戸層を含む請求項1〜10のいずれか1項に記載の光変調器。

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